JP4984421B2 - 多軸ステッチ基材の製造方法 - Google Patents
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Description
一方、特許文献2には、張力を付与しながら多糸条の緯糸を供給する多軸ステッチ基材の製造方法が提案されている。この方法は、ボビンからたて取り解舒されたトウを、デバイスを介してもつれをほどき、緯糸テープ化して一定張力を保ちながら緯挿入方法であるが、ボビンから解舒される際は張力が付与されていない。また、たて取り解舒であることから、解舒時にボビン1周分の糸長につき1回の撚りが入ってしまう。このため、特に糸条断面が扁平状の強化繊維を用いて低目付の強化繊維ステッチ基材を製造しようとした際には、撚り部分で糸幅が極端に狭くなって糸幅が不均一となり、ギャップの大きい多軸ステッチ基材になってしまうという問題があった。また、デバイスを通過した強化繊維は、アクチュエータの伸縮により張力を一定にするとのことであるが、緯糸挿入における解舒速度はかなり速いので、緯糸挿入における急激な張力変動に対応できず、糸がダメージを受けやすいことや緯糸挿入時の把持ミスが生じやすいという問題もあった。
この問題を改善すべく、特許文献3には、ボビンから強化繊維糸条を横取り解舒して緯挿入する多軸シートの製造方法が提案されている。この方法は強化繊維糸条を横取り解舒し、緯糸挿入における糸の両端を固定して挿入することから解舒撚りが入ることがない。しかし、緯糸テープ挿入するにあたって必要な糸長をプーリングする機構を有していないことから、緯糸挿入における急激な張力変動に対応できず、糸がダメージを受けやすいという問題があった。また、モータの回転をコントロールしても、停止時のオーバランにより糸がゆるむことによって糸がねじれたり、回転開始時のスタート遅れにより緯糸の過度な張力が作用し、安定して緯糸挿入することが困難であるといった問題もあった。
すなわち、多糸条の緯糸を糸幅が狭まらないように引き揃えて緯糸テープ化し、一定張力で挿入できる多軸ステッチ基材の製造方法は上記提案では達成されておらず、かかる課題を解決できる技術が望まれていた。
(A)下記(A1)または(A2)の解舒工程
(A1)前記強化繊維糸を巻回したボビンをコンタクトローラに接触させつつ、緯糸を実質的に一定速度で引き出しながら、横取り解舒する解舒工程
(A2)前記強化繊維糸を巻回したボビンをコンタクトローラに接触させつつ、緯糸を横取り解舒するとともに、該緯糸挿入に必要な量の緯糸を貯留する緯糸貯留装置の緯糸貯留量を検出するセンサーからの信号により引出速度を制御して、緯糸の供給量を調整する解舒工程
(B)下記(B1)または(B2)の緯糸貯留工程
(B1)複数の強化繊維糸条それぞれについて、緯糸挿入に必要な量の緯糸を、エアー吸引により貯留装置内で折り返して貯留する緯糸貯留工程
(B2)該緯糸挿入に必要な緯糸量を、ダンサローラの移動により緊張させながら緯糸を貯留する緯糸貯留工程
(C)それぞれの強化繊維糸条の幅を同一に規制しながら引き揃えて緯糸テープを形成するテープ形成工程
(D)緯糸テープを挿入する緯糸挿入工程
(E)貯留した強化繊維糸条の幅を、ボビン上の糸幅よりも大きい糸幅に拡げる開繊工程
以下、本発明の望ましい実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る多軸ステッチ基材を製造するための緯糸シート挿入に関する装置の一例を示す概略断面図である。
本発明の多軸ステッチ基材とは、緯糸テープ挿入手段によって挿入して得られる、90°方向(基材幅方向)に強化繊維糸条が配列しているシート(以下、90°層と略称)やα°層(0<α<90)などの緯方向の挿入層と、場合によって、緯糸テープ挿入手段とは別途供給される0°層の経方向の挿入層とを含む複数の層が、交差積層された後、ステッチ糸にてステッチされて各層が一体化されたものである。
ここで、緯糸テープ挿入にあたっては、2〜50本の多糸条の強化繊維糸条をボビンから解舒しながら引き揃えて、5〜50cm幅の緯糸テープにする必要がある。緯糸ボビン10から緯糸テープとして供給される緯糸挿入工程に至る間に、緯糸Twfが通過する緯糸供給路YPwfを有している。この緯糸供給路YPwfは、緯糸ボビン10から横取り解舒する緯糸解舒手段30と、多軸ステッチ基材Sに至る緯糸Twfの一部を一時的に貯留する緯糸貯留手段40と、緯糸Twfをガイドし、強化繊維糸条の幅を規制して複数の緯糸をシート化するガイドローラ群50を含むテープ形成手段70と、緯糸把持装置21とキャリア22などを含む緯糸テープ挿入手段20とを有している。なお、緯糸テープ挿入手段は、前述の通りテープを把持して挿入する場合と、テープを把持せずにピンやフックなどに引っ掛けながら挿入する場合とがあり、いずれの方法でも緯糸テープを挿入できる。
この解舒工程においては、少なくとも、前記強化繊維糸条を巻回したボビン10をコンタクトローラ11に接触させつつ、緯糸を実質的に一定速度で引き出しながら横取り解舒する。なお、本発明において、実質的に一定速度とは、平均速度の±10%の範囲の速度を指す。
図2において、緯糸解舒手段30は、緯糸ボビン10、コンタクトローラ11、引取ローラ31、テンションローラ32から構成されている。そして、緯糸Twfは、テンションローラ32を経て駆動ローラ31aとニップローラ31bとで案内され、駆動ローラ31aの回転により、実質的に一定速度で緯糸ボビン10から解舒される。
また、本発明に係る緯糸解舒手段としては、以下の解舒手段であってもよい。
(A2)解舒工程
図3は、本発明に係る緯糸解舒手段の別の態様を示す概略断面図である。
(B1)緯糸貯留工程
緯糸貯留工程は、複数の強化繊維糸条それぞれについて、緯糸挿入に必要な量の緯糸を、エアー吸引により緯糸貯留装置内で折り返すことで貯留させるものである。本装置における好ましい態様としては、緯糸を案内する糸道案内ガイドに緯糸を接触させながら緯糸を貯留する機構が挙げられる。
(B2)貯留工程
緯糸の貯留手段は前記エアー吸引による貯留に限定されず、他の貯留手段として、図7に示す緯糸挿入に必要な量の緯糸を、ダンサローラの移動により緊張させながら緯糸を貯留する緯糸貯留工程、あるいは図8に示す緯糸挿入に必要な量の緯糸を、弾性伸縮体の伸縮により緊張させながら緯糸を貯留する緯糸貯留工程であっても本発明の前記課題を解決することができる。
図8は、本発明に係る緯糸貯留装置のさらに別の態様を示す概略断面図である。
図7において、エアー吸引により緯糸貯留筒体内に貯留するのではなく、2本の水平ガイドローラ(47a,47b)間にダンサローラ48を設置し、水平ガイドローラ間に設置したこのダンサローラに緯糸を接触させながら走行させている。かかるダンサローラは、その自重で運動させてもよいし、予め算出されたストローク量をモーター等により運動させてもよい。また、図8の通り、弾性伸縮体49aに連結したダンサローラ49bを設置する貯留する方法であっても構わない。
このような構成にて緯糸を貯留することにより、多数本の緯糸を引き揃えて緯糸テープとし間欠的に緯糸挿入するにあたって、2本の水平ガイドローラ(47a、47b)間に設置したダンサローラ48に緯糸を接触させながら走行させ、ダンサローラ48の上下運動により、緯糸にゆるみが生じることを防止するのである。
なお、前述したダンサローラを用いた緯糸貯留機構(弾性伸縮体に連結した機構を含む)は、緯糸シートの緯糸挿入速度が特に速い場合には、ダンサローラの上下運動が給糸速度に追従せず、緯糸がゆるむ可能性がある。かかる理由から、特に高速運転時においては、前述のエアー吸引による貯留方式が好ましいが、そこまで高速運転しない場合は、ダンサローラを用いる方式でも本発明の前記課題を解決することができる。
(C)テープ形成工程
このテープ形成工程では、2〜50本それぞれの強化繊維糸条の幅を同一に規制しながら引き揃えて、5〜50cm幅の範囲の緯糸テープを形成する。
緯糸貯留筒体に貯留された緯糸Twfを緯糸テープ供給把持装置に供給する方法について説明する。
緯糸貯留工程を経て、強化繊維糸条はそれぞれの強化繊維糸条の糸幅を同一に規制しながら引き揃えて緯糸テープを形成するテープ形成工程へと導かれる。かかる強化繊維糸条の糸幅は、規制ガイドを通過させることでそれぞれが実質的に同一になるように規制される。かかる規制ガイドが、ローラ状であり、後述の垂直ガイドローラ、水平ガイドローラなどの機能を兼用したものであると、本発明の前記課題を効率的に解決できるので好ましい態様といえる。
このテープ形成工程は、緯糸の高さ方向および水平方向の位置を決める水平ガイドローラ51、垂直ガイドローラ52および水平ガイドローラ53からなるガイドローラ群50や、緯糸Twfに張力を付与する板バネテンション装置60などを含む構成であってもよい。かかるガイドローラ群や、テンション装置が組み込まれた構成であると、特に扁平状の強化繊維糸条を用いる場合は、強化繊維糸条の扁平状態を維持することができ、本発明の前記課題を容易に解決することができる。
ここで、糸幅を規制するにあたっては、所定の寸法を有している規制ガイドに強化繊維糸条を通過させる。かかる規制ガイドは、ローラー形状であると、例えば、緯糸テープを形成する個々の緯糸における糸幅は、多軸ステッチ基材1層におけるシート目付にあうように、規制ガイドローラの位置や間隔を調整することで規制できる。このように糸幅を規制した状態で緯糸テープ把持装置に導くとともに緯糸テープ挿入により、所定の一層あたりの強化繊維目付の多軸ステッチ基材を得ることができ、本発明において好ましい態様といえる。
かかる規制ガイドローラは、糸幅を規制するために、上記のように所定の寸法の溝などを有している溝付(鍔付)ガイドローラーであると、糸幅をより精度よくコントロールできることから、本発明において好ましい態様といえる。
また別の視点からは、この強化繊維糸条の糸幅を規制する規制ガイドローラが、所定の寸法の溝を有したものでなく、少なくとも2本のローラを隣り合う緯糸を交互に通過させるものであれば、ローラを通過する際に糸幅が拡げられたとしても、個々の緯糸は隣接することがないのでより安定して糸幅を規制することができる。
図9に示すように、強化繊維糸条の幅を規制する手段が、少なくとも2本のローラ71を隣り合う緯糸を交互に互い違いに通過させるものであると、ローラに溝を加工する必要がなく、安価に糸幅を規制することができ、かつ、強化繊維糸条に対するダメージが少なくでき、毛羽発生を最小限に抑制することができるため、本発明における規制ガイドローラの好ましい態様ということができる。
図10は、本発明に係る規制ガイドローラの一例を示す別の概略断面図である。
図10に示すように強化繊維糸条の幅を規制する手段が、少なくとも2本のローラ72を隣り合う緯糸を交互に互い違いに通過させ、かつ、ローラに溝を有していると強化繊維糸条の糸幅がローラに設けた溝幅により規制されることから、より安定して糸幅を規制することがでる。
(E)開繊工程
得られる多軸ステッチ基材のギャップ形成を最小限にし、本発明の前記課題を解決するために、本発明は上記(B1)または(B2)の緯糸貯留工程と、(C)のテープ形成工程との間に、緯糸を開繊させる(E)開繊工程を含むことを特徴とする。
(D)緯糸挿入工程
緯糸テープ挿入工程において、緯糸テープ挿入手段20は、緯糸テープ把持装置21とキャリア22から構成される。なお、緯糸テープ挿入手段は、前述の通りテープを把持して挿入する場合(把持挿入)と、テープを把持せずにピンやフックなどに引っ掛けながら挿入する場合(引掛挿入)とがあり、いずれの方法でも緯糸テープを挿入できる。
把持挿入の場合は、緯糸テープ挿入速度の高速化(製造費用の低コスト化)が難しいが、ギャップの形成を最小限に抑制することができる。引掛挿入の場合は、緯糸テープ挿入速度の高速化が容易だが、ギャップが把持挿入の方法よりも形成され易い。目的によってかかる方法を使い分けることができるが、本発明においては、把持挿入の方が本発明の課題を効率的に解決できるため好ましい。それぞれの緯糸テープ挿入手段について、以下に詳しく説明する。
把持挿入の場合は、緯糸テープ形成工程にて、それぞれの強化繊維糸条の幅を同一に規制しながら引き揃えられた緯糸テープは、緯糸テープ挿入工程へと導かれる。そして、緯糸テープ把持装置21に把持された緯糸テープは、キャリア22が所定の方向に緯糸テープの配置位置をずらしながら、繰り返し緯糸テープを挿入することで所定の方向に強化繊維糸条が配列した緯糸シートが形成される。一般的に強化繊維糸条ボビンを配置するクリールは、緯糸テープ1つについて1箇所であるため、キャリア22は、往路では緯糸テープを搬送し、復路では緯糸テープを把持していない状態で運動することになる。
一方、引掛挿入の場合は、緯糸テープは把持されず、得られる多軸ステッチ基材の両端に配置されたピンやフックなどに緯糸テープを引っ掛けながら、キャリア22は、往路でも復路でも緯糸テープを挿入する。このため、引掛挿入では緯糸テープ把持装置21は用いられない。緯糸テープは、キャリア22が所定の方向に緯糸テープの配置位置をずらしながら、繰り返し緯糸テープ挿入することで所定の方向に強化繊維糸条が配列した緯糸シートが形成される。
緯糸Twfならびに0°糸シートを形成している強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などを用いることができる。なかでも、比強度、比弾性率が高い炭素繊維は、複合材料にした際に軽量で、かつ、力学特性が優れることから好ましく使用される。
強化繊維糸条は、取り扱い性やステッチイング時の耐ニードル擦過性を向上させるために、0.2〜2.5重量%の集束剤が付着されていることが好ましい。上記範囲内の集束剤が付着されている強化繊維糸条は、糸道ガイドとの擦過による毛羽発生が効率的に抑えられる上に、複合材料にしたときには、マトリックス樹脂との接着性が増し、力学特性を向上させることができる。
強化繊維糸条は、10,000〜100,000本のフィラメントから形成されていることが好ましい。また、強化繊維糸条の繊度は、500〜7,000texであることが好ましい。かかる繊度が500tex未満であると、強化繊維糸条が細すぎて、強化繊維糸条がねじれることによる問題がほとんどなく、本発明の効果が発揮されない場合がある。また、強化繊維糸条が高価であり、かかる細繊度糸条を多数本使用することになるので多軸ステッチ基材そのものも高価になってしまう。一方、繊度が7,000texを越えると、低目付(例えば、100〜150g/m2/層)の多軸ステッチ基材を作製する際に緯糸をかなり拡幅させなければならない。また、拡幅させたとしても僅かな力で糸幅が変動しやすく、安定して緯糸幅を維持しながらの緯糸テープ挿入が困難となる場合がある。
また、強化繊維糸条の糸幅は5〜30mmの範囲が好ましい。5mm未満であると、糸幅が狭すぎて、強化繊維糸条がねじれることによる問題がほとんどなく、本発明の効果が発揮されない場合がある。また、多軸ステッチ基材を作製する際に緯糸をかなり拡幅させなければならないため、低目付化が困難になる。一方、糸幅が30mmを越えると、低目付の強化繊維基材を作製しやすくなるものの、各工程を通過する際に僅かな力で糸幅が変動しやすく、安定して緯糸幅を維持しながら緯糸テープを挿入させることが困難となる場合がある。
また、特に、低目付(例えば、150g/m2/層以下)の多軸ステッチ基材を得ようとした場合、強化繊維糸条が扁平状であることが好ましい。強化繊維糸条の扁平率は、糸幅(YW)の糸厚み(YT)に対する比(YW/YT)である幅厚み比(WTR)が30〜100であることが好ましい。幅厚み比(WTR)、すなわち、扁平率が30未満であると、1層当たりの目付を小さくしようとすると強化繊維糸条間の隙間(ギャップ)の大きくなった多軸ステッチ基材になる場合がある。一方、幅厚み比(WTR)、すなわち、扁平率が100を越えると、1層当たりの目付が低目付のものが得られるものの、僅かな力で糸幅が変動しやすく、安定して緯糸幅を維持しながら緯糸テープを挿入させることが困難になる場合がある。
引張強度が4,900MPa、引張弾性率が230GPa、フィラメント数が12,000本の炭素繊維糸条(繊度800tex)であり、糸幅YWが6.5mm、糸厚みYTが0.15mm、糸幅YWの糸厚みYTに対する幅厚み比WTRが43の扁平形態で、サイジング剤を0.6重量%付着させて形態を維持させた炭素繊維扁平糸条を緯糸Twfとして用いた。
まず、緯糸の解舒工程として、緯糸Twfを緯糸ボビン10から緯糸Twfをコンタクトローラ11を介して一定速度で引き出しながら横取り解舒した。
緯糸ボビンを70℃に加熱しながら緯糸ボビンから緯糸の解舒を行ったほかは実施例1と同じようにして多軸ステッチ基材Bを作製した。
緯糸の解舒方式を緯糸貯留筒体内に設置したセンサーのオンオフ信号によりボビンを回転させ、緯糸の供給量をコントロールしたほかは実施例1と同じようにして多軸ステッチ基材Cを作製した。
比較のため、緯糸の解舒手段として、緯糸ボビンから縦取り解舒するとともにコンタクトローラを使用しなかったほかは、実施例1と同様にして多軸ステッチ基材Dを作製した。
比較のため、緯糸の貯留方法として、エアー吸引よる緯糸貯留装置、テンションローラ、コンタクトローラを用いなかったほかは、実施例1と同様にして多軸ステッチ基材Eを作製した。
一方、比較例1の製造方法においては、縦取り解舒であることから解舒撚りが入り、常時張力を付与させながら緯糸供給を行っても得られた多軸ステッチ基材においては、最大3.2mmと大きなギャップが生じた。また、比較例2の製造方法においては、緯糸に常時張力を付与させることができないことから、緯糸がゆるんだ際にねじれが生じ、得られた多軸ステッチ基材においては、最大5.1mmと大きなギャップが生じた。
10M:モータ
11 :コンタクトローラ
20 :緯糸テープ挿入手段
21 :緯糸把持装置
22 :キャリア
30 :緯糸解舒手段
31 :引取ローラ
31a:駆動ローラ
31b:ニップローラ
31c:ガイドローラ
32、33:テンションローラ
32a、33a:テンションローラの上下動方向
40 :緯糸貯留手段
41 :緯糸貯留筒体
42 :緯糸出入口
42a:糸導入側入口ガイド
42b:糸導出側出口ガイド
42c:第一の辺
42d:第二の辺
43 :空気排出口
44 :吸引ホース
45、46 :糸道案内ガイド
45a、46a:糸道案内ガイド(導入側)
45b、46b:糸道案内ガイド(導出側)
47a、47b:水平ガイドローラ
48、49b:ダンサローラ
49a:弾性伸縮体
50、70:ガイドローラ群
51、53:水平ガイドローラ
52 :垂直ガイドローラ
71、72:規制ガイドローラ
60 :板バネテンション装置
60a、60b:板バネ
Twf:緯糸
Swf:緯糸シート
L :距離
Claims (5)
- 多数本の強化繊維糸条が並行にシート状に配列して層を構成し、前記層の2層以上が交差積層されて積層体を構成し、ステッチ糸で一体化された多軸ステッチ基材を製造するに際し、該基材の緯糸挿入において、下記(A)、(B)、(C)、(D)および(E)の工程により、2〜50本の強化繊維糸条から構成される5〜50cm幅の範囲の緯糸テープを挿入する多軸ステッチ基材の製造方法であって、(B)工程と(C)工程との間に、緯糸を開繊させる(E)工程を含む、多軸ステッチ基材の製造方法。
(A)下記(A1)または(A2)の解舒工程
(A1)前記強化繊維糸を巻回したボビンをコンタクトローラに接触させつつ、緯糸を実質的に一定速度で引き出しながら、横取り解舒する解舒工程
(A2)前記強化繊維糸を巻回したボビンをコンタクトローラに接触させつつ、緯糸を横取り解舒するとともに、該緯糸挿入に必要な量の緯糸を貯留する緯糸貯留装置の緯糸貯留量を検出するセンサーからの信号により引出速度を制御して、緯糸の供給量を調整する解舒工程
(B)下記(B1)または(B2)の緯糸貯留工程
(B1)複数の強化繊維糸条それぞれについて、緯糸挿入に必要な量の緯糸を、エアー吸引により貯留装置内で折り返して貯留する緯糸貯留工程
(B2)該緯糸挿入に必要な緯糸量を、ダンサローラの移動により緊張させながら緯糸を貯留する緯糸貯留工程
(C)それぞれの強化繊維糸条の幅を同一に規制しながら引き揃えて緯糸テープを形成するテープ形成工程
(D)緯糸テープを挿入する緯糸挿入工程
(E)貯留した強化繊維糸条の幅を、ボビン上の糸幅よりも大きい糸幅に拡げる開繊工程 - (E)工程における開繊させる手段が、温度50〜150℃、湿度40〜60%の範囲の雰囲気下でローラを擦過するものである、請求項1に記載の多軸ステッチ基材の製造方法。
- (E)工程における開繊させる手段が、その軸方向に揺動している揺動ローラを通過するものである、請求項1または2に記載の多軸ステッチ基材の製造方法。
- (C)工程において、下記(C1)および/または(C2)の幅を規制する手段により強化繊維糸条の幅を規制する、請求項1〜3のいずれかに記載の多軸ステッチ基材の製造方法。
(C1)所定の寸法の規制ガイドに強化繊維糸条を通過させる手段
(C2)少なくとも2本のローラを隣り合う緯糸を交互に互い違いに通過させる手段 - 前記規制ガイドが、所定の寸法の溝を設けた溝付ローラである、請求項4に記載の多軸ステッチ基材の製造方法。
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