JP5697115B2 - リセスゲート型炭化珪素電界効果トランジスタ - Google Patents

リセスゲート型炭化珪素電界効果トランジスタ Download PDF

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Description

この発明は、オン抵抗が低く、ゲート長の短縮に好適な炭化珪素電界効果トランジスタ、特にリセスゲート構造を用いた炭化珪素電界効果トランジスタに関する。
炭化珪素(SiC)はシリコン(Si)と比較してバンドギャップが広い、破壊電界強度が大きい、電子の飽和ドリフト速度が大きいなど優れた物性を有する。したがって、SiCを出発材料として用いることにより、Siの限界を超えた高耐圧で低抵抗の電力用半導体素子が作製できる。またSiCにはSiと同様に熱酸化によって絶縁層を形成できるという特徴がある。これらのことから、SiC単結晶を素材料とした高耐圧で低オン抵抗の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(以下MISFET、典型的にはMOSFETとして知られている)が実現できると考えられ、数多くの研究開発が行われている。
また、SiCは過渡応答特性が優れていることも知られており、100kHzを超える高周波領域での利用も可能となる。Siでは実現できないような高周波・高パワー密度を持つパワーICの作製が可能となる。このような性能は、パワーICのみならず、論理回路のIC化にも好適である。
図17に示すように、従来のSiC MISFETは、SiC基板21、SiC基板21上に形成したp型エピタキシャル層からなるSiC半導体領域22、SiC半導体領域22内に形成したn+型のソース領域23、ドレイン領域24、p型SiC半導体領域22表面のソース領域23およびドレイン領域24にまたがって形成したゲート絶縁膜25、その上に設けたゲート電極26、SiC半導体領域22表面上に形成した絶縁膜27、絶縁膜27に設けた開口部(コンタクト領域28、29)を通して形成したソース領域23、ドレイン領域24それぞれに電気的に接続するソース電極30、ドレイン電極31とからなり、例えば、ゲート長Lg(本願ではチャネル長と同じ。以下「ゲート長」と「チャネル長」は同義に扱う。)が3μm、ゲート酸化膜の厚さが40nm、ソース、ドレイン領域厚さが300nmの寸法をもつ。かかるデバイスにおいては、寄生抵抗となるソース、ドレイン領域のシート抵抗は13kΩ/□程度である。SiC MISFETでは、Si MISFETよりオン抵抗を2桁下げることができるとされており、デバイスの性能向上のためにはオン抵抗の低減が重要な要素となる。
また、MISFETを作製しようとする場合、SiCプロセスでは、特許文献1に開示されているように非自己整合的に行われる。不純物のイオン注入後に行う活性化アニールの温度がSiプロセスに比べて高く(1600℃程度)、ゲート酸化膜がその高温処理に耐えられないので、ゲート酸化膜、ゲート電極をイオン注入による不純物領域形成後に別途のマスク合せで形成することになるためである。
特開2008−244456号公報(第11〜13頁、図1〜図3)
SiC MISFETでは、Si MISFETよりオン抵抗を2桁下げることができるとされており、デバイスの性能向上のためにはオン抵抗の低減が重要な要素となる。オン抵抗低減の端的なアプローチはゲート長(=チャネル長)を短くすることであるが、一般的には、短かいゲート長のMISFETを作製する場合、ゲート長のみならずゲート絶縁膜(酸化膜)ならびにソース、ドレイン領域の厚さも併せて縮小(スケールダウン)する必要がある。ゲート長が3μm、ゲート酸化膜の厚さが40nm、ソース、ドレイン領域厚さが300nmの寸法をもつ図17に示すような従来のSiC MISFETのゲート長を1μmにしようとすると、ゲート酸化膜を13nm、ソース、ドレイン領域厚さを100nmに縮小することになる。この結果、ゲート長が短くなる点ではオン抵抗は低減される一方で、オン抵抗を構成する他方の主要成分であるソース、ドレイン領域でのシート抵抗は13kΩ/□から20kΩ/□に増加してしまい、ゲート(チャネル)長短縮によるオン抵抗の低減効果が相殺されてしまうという問題があった。また、逆に、ソース、ドレイン領域をある程度の厚さを維持してゲート(チャネル)長を短くしていくと、シート抵抗成分は低くできても、短チャネル効果が発生しデバイスの閾値電圧(Vth)が不安定になるという問題に遭遇する恐れがあった。
また、MISFETを作製しようとする場合、SiCプロセスでは、Si MISFET製造プロセスで一般に用いられている自己整合技術を用いることができないため、特許文献1に開示されているように非自己整合的に行わざるを得ないという制約から、短ゲート(チャネル)長MISFETの実現が困難である。すなわち、SiCプロセスでは、不純物のイオン注入後に行う活性化アニールの温度がSiプロセスに比べて高く(1500℃程度)、ゲート絶縁膜がその高温処理に耐えられないので、ゲート絶縁膜、ゲート電極形成をイオン注入による不純物領域形成後に非自己整合的に行うことになるからである。
本発明は、上記問題に鑑み、オン抵抗の低いSiC MISFETを提供するものであって、短チャネル長化を図った場合でも短チャネル効果を抑制できるSiC MISFETを提供することを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、一主面を有する一導電型の炭化珪素半導体領域を含む基板と、上記一導電型炭化珪素半導体領域内に一主面に接しかつ互いに離間して形成された一導電型とは反対導電型の予め定められた一な不純物濃度を有するソース、ドレイン領域と、離間して形成されたソース、ドレイン領域の対向する端縁で挟まれた一導電型炭化珪素半導体領域の一主面側に形成され、ソース領域に接する第1の側面と、ドレイン領域に接する第2の側面と、一主面から所定の深さに位置し第1および第2の側面に連続し離間形成されたソース、ドレイン領域を跨る様に接続する底面とからなる凹部と、ソース、ドレイン領域が接する一主面の一部を覆い、凹部の第1および第2の側面上および底面上に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成されたゲート電極と、ソース、ドレイン領域に電気的に接続されたソース、ドレイン電極とを有し、ソース、ドレイン領域を接続する底面の主要部分に隣接する炭化珪素半導体領域部分でチャネル形成領域を構成し、凹部の底面の両端近傍におけるソース、ドレイン領域に跨った部分はソース、ドレイン領域と同じ均一な不純物濃度を有する薄い領域に接してなることを特徴とするリセスゲート型炭化珪素電界効果トランジスタを提供するものである。
本発明のリセスゲート型炭化珪素電界効果トランジスタによれば、次のような効果を奏する。
すなわち、リセスゲート構造の採用によりゲート電極に隣接するソース、ドレイン領域の厚さを選択的に薄く、もしくは実質ゼロにできるので、短チャネル効果を抑制でき、短ゲート長(チャネル長)によるオン抵抗の低いSiC MISFETを得ることができる。ゲート電極隣接部から離れたソース、ドレイン領域は厚さは薄くしなくてすむので、ソース、ドレイン領域のシート抵抗上昇の恐れもなくなるため、この点でもデバイスのオン抵抗を低減できる。その結果、本発明によるSiC MISFETは、パワーIC、集積高速ロジック回路IC-の構成素子として好適なものとなる。
本発明の実施の形態1が適用されたSiC MISFETを示す、図2のA−A’に沿う断面図。 図1に示すSiC MISFETを示す平面図。 本発明の実施の形態2が適用されたSiC MISFETを示す断面図。 本発明の実施の形態3が適用されたSiC MISFETを示す断面図。 本発明の実施の形態4が適用されたSiC MISFETを示す断面図。 図4に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図4に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図4に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図4に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図4に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図4に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図4に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図5に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図5に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図5に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 図5に示すSiC MISFETの製造方法を示す工程図。 従来のSiC MISFETを示す断面図。
以下に、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明する全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、必要な場合以外の繰り返し説明は省略する。
[実施の形態1]
図1および図2は、実施の形態1にかかるSiC MISFETを示すもので、図1が拡大断面図、図2が同じデバイスの平面図である(図1は図2の一点鎖線に沿った断面図)。SiC基板1上にp型のSiC半導体領域2を形成した基体を準備し、SiC半導体領域2内にその一主面に隣接し、離間・対向するn+型のソース、ドレイン領域3、4を設ける。ここで、SiC基板1は、p型、n型あるいは半絶縁性のいずれかであって、結晶面は、(0001)Si面、または(000−1)C面とするか、あるいはその他の面方位であってもよい。また、p型SiC半導体領域2は、デバイスを構成する領域が形成される活性層であり、例えば不純物濃度が5×1015/cm3程度でドーピングされた10μmの厚さをもつエピタキシャル成長層からなる。ソース、ドレイン領域3、4の不純物濃度は約1×1020/cm3で、厚さは250nmである。ソース、ドレイン領域3、4の離間距離(対向間隔)は1μmであり、この距離が、すなわちゲート長Lg(チャネル長)を規定する。
本発明の各実施の形態に共通するのが、SiC半導体領域に設けた凹部、凹部を覆うゲート絶縁膜およびその上に形成されるゲート電極からなるリセスゲート構造の存在である。実施の形態1では、凹部5がソース、ドレイン領域3、4の対向する端縁(半導体領域2の一主面上でのソース、ドレイン領域の終端)で挟まれた半導体領域2の一主面側に形成されており、ソース、ドレイン領域3、4に接する二つの側面と一主面から所定の深さに位置し二つの側面に連続し離間形成されたソース、ドレイン領域3、4を接続する底面から構成されている。この例では、凹部(リセス)は幅2μm、深さ150nmで形成することができる。
ゲート絶縁膜6は、シリコン酸化膜を用いることができ、その厚さは例えば、13nmである。図1では、ゲート絶縁膜6として凹部(リセス)の底面と両側面上ならびにソース、ドレイン領域3、4の一部表面上にかけて一様な厚さのものを用いているが、これに限ることなく、例えば、ソース、ドレイン領域3、4の一部表面上のゲート絶縁膜を凹部内のそれより厚くしてもよい。これにより、ゲート電極とソース、ドレイン領域とのオーバラップによる容量の増加を抑制できる。
ゲート電極7は、ポリシリコン材料を用いることができ、n型の不純物を1×1020/cm3程度ドーピングしたものを利用する。
図1の構造では、凹部5の底面の両端部近傍直下のソース、ドレイン領域3、4の一部が薄い領域3a、4aとして存在している。また、ソース、ドレイン領域3、4のソース、ドレイン電極11、12直下の部分は比較的厚く維持されている。この結果、かかるSiC MISFETでは、ゲート長(チャネル長)を短くしていっても短チャネル効果を抑制でき、オン抵抗の低減を可能とするという特徴をもつ。
絶縁膜8は、電極・配線形成用に基板1上に形成され、シリコンの酸化膜であってよい。基板1上の半導体領域2表面には、絶縁膜8の形成に先立ち、フィールド絶縁膜を形成しておくのが通常であるが、ここでは、図示を省略してある。
ソース電極11およびドレイン電極12が絶縁膜8に形成したコンタクト開口9、10を通してソース、ドレイン領域3、4に電気的に接続される。コンタクト開口9、10は、図2に示すように四角形状でそのサイズは2μm角である。また、図2におけるコンタクト開口のピッチは4μmである。ゲート電極7は、ソース、ドレイン電極11、12とは別個の層で構成されているが、実際には、ゲート電極7は図2の平面図の上方に延伸し、そこで絶縁膜8に設けた別のコンタクト開口を通してソース、ドレイン電極と同じ材料のゲート引出し電極が形成される。
[実施の形態2]
図3は、実施の形態2にかかるSiC MISFETを示す。このデバイスでは、SiC半導体領域2の一主面を基準にして、凹部(リセス)15の底面が位置する深さがソース、ドレイン領域の厚さとほぼ等しく選定されている。理想的には両者の深さ(厚さ)が同一であることが望ましいが、製造プロセス的には同一に合わせこむことが難しいので、凹部底面15の深さをソース、ドレイン領域13、14の厚さよりごくわずかに小さくするように制御する。逆の関係になると、チャネル長が目標値より長くなってしまうからである。
この構造によれば、図1の3a、4aに相当するソース、ドレイン領域の一部の厚さをさらに薄く、ほぼゼロにできるので、短チャネル効果の抑制効果がさらに高くなるという特徴をもつ。
[実施の形態3]
図4は、実施の形態3にかかるSiC MISFETを示す。このデバイスでは、図1に示したデバイス構造に加えて、SiC半導体領域2の一主面上でゲート電極7と重なるソース、ドレイン領域3、4の表面部分にp型のゲート容量緩和領域17、17をソース、ドレイン領域の端縁に沿って形成している。これらの領域17、17はそれぞれ、凹部(リセス)端から1μm程度横方向(半導体領域2の一主面と平行方向)に延在し、深さは約100nmである。不純物濃度は、1×1018/cm3である。この場合のゲート電極とソース、ドレイン領域との重なりによるゲート・ソース間およびゲート・ドレイン間の静電容量は、ゲートゲート絶縁膜の容量とpn接合のビルトイン容量とが直列接続された合成容量で表わされるが、後者のほうが小さいので、合成容量は主として後者で決まり、ゲート電極重なり容量を低減でき、このような構造をもつSiC MISFETは、高速ロジック回路や電力損失の少ないパワーエレクトロニクス回路の構成素子として有益に機能するという特徴をもつ。このSiC MISFETは最良の実施の形態である。
以下に、n型のソース、ドレイン領域の表面にp型の容量緩和領域設けたことによる効果を数値実例をもとに補足説明する。
ゲート電極とソースまたはドレイン電極間の容量CGS(ゲート・ソース間)、CGD(ゲート・ドレイン間)は下式(1)で表わされる(CGS、CGDいずれも同じなので、ここではCGSについて言及する)。
Figure 0005697115
ここで、COXは、ゲート絶縁膜(酸化膜)を挟むゲート電極とゲート電極直下のp型容量緩和領域との間で構成されるMOS容量を示し、Cbiは、p型容量緩和領域と隣接するn型ソース領域(ソース電極含む)との間のpn接合で構成されるビルトイン容量を示す。式(1)中のCOX、Cbiはそれぞれ以下のように表わされる。
Figure 0005697115
Figure 0005697115
以下の数値の場合の実例を計算すると、
Figure 0005697115
Figure 0005697115
Figure 0005697115
となり、この値は、容量緩和領域が存在しない場合の値(=804nF)と比較すると、極めて低い値であることが分かる。
[実施の形態4]
図5は、実施の形態4にかかるSiC MISFETを示す。このデバイスでは、図3に示したデバイス構造に加えて、SiC半導体領域2の一主面上でゲート電極7と重なるソース、ドレイン領域13、14の表面部分にp型の領域17、17をソース、ドレイン領域の端縁に沿って形成している。この場合も、実施の形態4と同様に、ゲート電極重なり容量を低減できる。
以下に、図4に示したSiC MISFETを作製する方法について、図6〜図12を参照しながら説明する。
まず、図6に示すように、SiC基板1上にp型のSiC半導体領域2を形成したSiC基体を準備する。ここで、SiC基板1は、p型、n型あるいは半絶縁性のいずれかであって、結晶面は、(0001)Si面、または(000−1)C面とするか、あるいはその他の面方位であってもよい。また、p型のSiC半導体領域2は、デバイスを構成する領域が形成される活性層であり、例えば不純物濃度が5×1015/cm3程度でドーピングされた10μmの厚さをもつエピタキシャル成長層からなる。
次いで、図7に示すように、SiC半導体領域2の一主面に接して、対向・離間するn+型のソース、ドレイン領域をSiC半導体領域2内に選択的に形成する。選択的に形成する手段としては、酸化膜などからなる絶縁膜をSiC半導体領域2の一主面上に形成し、フォトリソグラフィ技術によりソース、ドレイン領域3、4の形成予定領域上においてその絶縁膜を開口させてマスク(図示せず)を形成し、その後、n型不純物として例えばP(リン)をイオン注入する方法を用いることができる。ソース、ドレイン領域3、4の不純物濃度は約1×1020/cm3で、厚さは250nmとすることができる。
その後、図8に示すように、SiC半導体領域2の一主面に隣接し、ソース、ドレイン領域3、4に跨るようにp型の領域17を選択的に形成する。選択的に形成する方法は、図7で用いるのと同様であり、p型の不純物として例えばAl(アルミニウム)をイオン注入する。領域17の深さは約100nmで、不純物濃度は、1×1018/cm3とすることができる。
この後で、基体を、例えば、1600℃で30分間アニール処理することで、注入されたn型不純物およびp型不純物を活性化させる。
次いで、図9に示すように、ソース、ドレイン領域3、4に跨るSiC半導体領域2を一主面から所定の深さまで選択的に除去して凹部(リセス)5を形成する。ここでの選択的除去は、SiC半導体領域2の一主面上に形成した酸化膜などからなる絶縁膜に開口を形成したマスク(図示せず)を用いてドライエッチングで実行することができる。凹部(リセス)5形成の結果、図8の工程で形成した単一のp型の領域17はソース領域3、ドレイン領域4それぞれに接する領域17、17に分離されて容量緩和領域17、17が構成され、凹部(リセス)5の一方の側面はソース領域3とそれに接するp型の領域17とに接し、他方の側面はドレイン領域4とそれに接するp型の領域17に接し、凹部(リセス)5の底面はその両端部近傍でソース、ドレイン領域の一部の薄い領域3a、4aに接する構造が得られる。
図10の工程では、SiC半導体領域2の表面にシリコン酸化膜6を形成する。厚さは13nmとすることができる。
図11の工程では、まず、酸化膜6上にポリシリコン膜を形成し、フォトリソグラフィ技術でポリシリコン膜上に形成したマスク(図示せず)でパターニング(ポリシリコン膜の選択的除去)して、ポリシリコンからなるゲート電極7を形成する。ポリシリコン膜には形成時に、または形成後にn型不純物を1×1020/cm3の濃度でドーピングする。パターニングしたゲート電極7をマスクとして下地の酸化膜6を選択的に除去し、ゲート酸化膜6を画定する。
図12の工程では、SiC半導体領域2の表面上にシリコン酸化膜からなる絶縁膜8を形成し、ソース、ドレイン領域上に位置する部分に開口を形成する。
図12の工程で形成した酸化膜8の開口を通してソース、ドレイン領域に電気的に接続するソース、ドレイン電極11、12を形成し、デバイスが出来上がる(図1参照)。これらソース、ドレイン電極もマスクを用いた電極材料層のパターニングで形成される。ソース、ドレイン電極材料としては、Al(アルミニウム)とNi(ニッケル)を利用できる。これらの材料を蒸着後、1000℃程度の高温で処理することにより、酸化膜8の開口内のソース、ドレイン領域表面に低抵抗コンタクトをつくることができる。ソース、ドレイン電極の厚さは約1μmである。
図6〜図12に示すSiC MISFETの製造方法においては、容量緩和領域17、17を形成した場合を説明したが、例えば図1のように、これらの領域を設けない形でSiC MISFETを作製する場合には、図8に示すp型の領域17の形成工程を省略すればよい。
次いで、図5に示したSiC MISFETを作製する方法について、図13〜図16を参照しながら説明する。
図13は出発材料を準備する工程である。図6の工程と同様であるので説明を省略する。
図14の工程では、半導体領域2の表面に後にソース、ドレイン領域を構成する単一のn+型の領域18を選択的に形成する。選択的に形成する方法、n型不純物材料、不純物濃度、深さは図7の工程での説明と同様である。
図15の工程では、半導体領域2の一主面に隣接し、n+型の領域18内にp型の領域17を選択的に形成する。選択的に形成する方法は、図8で用いるのと同様であり、p型の不純物材料、不純物濃度、形成深さは図8の工程での説明と同様である。
この後で、基体を、例えば、1600℃で30分間アニール処理することで、注入されたn型不純物およびp型不純物を活性化させる。
図16の工程では、半導体領域2を一主面からn+型の領域18の深さ(厚さ)とほぼ等しい深さまで選択的に除去して凹部(リセス)5を形成する。ここでの選択的除去は、半導体領域2の一主面上に形成した酸化膜などからなる絶縁膜に開口を形成したマスク(図示せず)を用いてドライエッチングで実行することができる。凹部(リセス)形成の結果、図14の工程および図15の工程で形成した単一のp型の領域17およびn+型の領域18はそれぞれ二つずつの領域に分離されてソース領域3およびそれに接する容量緩和領域17と、ドレイン領域4およびそれに接する容量緩和領域17とが構成され、凹部(リセス)の一方の側面はソース領域3とそれに接するp型の領域(容量緩和領域)17とに接し、他方の側面はドレイン領域とそれに接するp型の領域(容量緩和領域)17に接し、凹部(リセス)底面はその全長にわたり半導体領域2に隣接する構造が得られる。
この後、図10の工程、図11の工程および図12の工程で説明したように、ゲート酸化膜6、ゲート電極7、絶縁膜8を形成し、最終的にソース、ドレイン電極を形成して図5に示すデバイスが出来上がる。
図13〜図16に示すSiC MISFETの製造方法においては、容量緩和領域17、17を形成した場合を説明したが、例えば図3のように、これらの領域を設けない形でSiC MISFETを作製する場合には、図15に示すp型の領域17の形成工程を省略すればよい。
1 SiC基板
2 SiC半導体領域
3、13 ソース領域
3a ソース領域の薄い領域
4、14 ドレイン領域
4a ドレイン領域の薄い領域
5、15 凹部(リセス)
6、16 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
8 絶縁膜
9、10 コンタクト開口
11 ソース電極
12 ドレイン電極
17 容量緩和領域

Claims (5)

  1. 一主面を有する一導電型の炭化珪素半導体領域(2)を含む基板(1)と、前記一導電型炭化珪素半導体領域(2)内に前記一主面に接しかつ互いに離間して形成された前記一導電型とは反対導電型の予め定められた一な不純物濃度を有するソース、ドレイン領域(3、4)と、前記離間して形成されたソース、ドレイン領域(3、4)の対向する端縁で挟まれた前記一導電型炭化珪素半導体領域(2)の一主面側に形成され、前記ソース領域(3)に接する第1の側面と、前記ドレイン領域(4)に接する第2の側面と、前記一主面から所定の深さに位置し前記第1および第2の側面に連続し前記離間形成されたソース、ドレイン領域(3、4)を跨る様に接続する底面とからなる凹部(5)と、前記ソース、ドレイン領域(3、4)が接する前記一主面の一部を覆い、前記凹部(5)の前記第1および第2の側面上および前記底面上に形成された絶縁膜(6)と、前記絶縁膜(6)上に形成されたゲート電極(7)と、前記ソース、ドレイン領域(3、4)に電気的に接続されたソース、ドレイン電極(11、12)とを有し、前記ソース、ドレイン領域(3、4)を接続する前記底面の主要部分に隣接する前記炭化珪素半導体領域部分でチャネル形成領域を構成し、前記凹部(5)の底面の両端近傍におけるソース、ドレイン領域(3、4)に跨った部分は前記ソース、ドレイン領域と同じ前記一な不純物濃度を有する薄い領域(3a、4a)に接してなることを特徴とするリセスゲート型炭化珪素電界効果トランジスタ。
  2. 前記基板は、p型、n型、または半絶縁性の炭化珪素のいずれかひとつから構成されてなることを特徴とする請求項1に記載のリセスゲート型炭化珪素電界効果トランジスタ。
  3. 前記炭化珪素半導体領域はp型材料で構成され、前記ソース、ドレイン領域はn型材料で構成されてなることを特徴とする請求項1に記載のリセスゲート型炭化珪素電界効果トランジスタ。
  4. 前記絶縁膜は、前記一主面の一部を覆う第1の厚さと、前記底面を覆う第2の厚さを有し、前記第1の厚さは前記第2の厚さより厚くされてなることを特徴とする請求項1に記載のリセスゲート型炭化珪素電界効果トランジスタ。
  5. 前記底面を覆う絶縁膜は酸化膜からなることを特徴とする請求項1に記載のリセスゲート型炭化珪素電界効果トランジスタ。

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