JP5693247B2 - 冷凍サイクル装置及び冷媒排出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、冷凍サイクル装置に封入したCO2 (二酸化炭素)等の冷媒を排出させるための冷凍サイクル装置等に関するものである。
例えば、従来、CO2 を冷媒として封入し、冷媒回路を構成した冷凍サイクル装置において、冷媒回路と外部とを連通させることが可能な現地用サービスポートを有していた(例えば特許文献1参照)。そして、現地用サービスポートを介して、修理時、異常圧力上昇等の緊急時等において、CO2 冷媒を外部に排出させることができるようにしていた。
特開2009−299981号公報(図1)
上記のように、CO2 冷媒を封入した冷凍装置等の冷凍サイクル装置において、サービス時や異常圧力上昇時に冷媒を外部に排出するとき、サービスポート、リリーフ弁等、外部と冷媒回路とを連通可能な連通手段を介して行うことになる(以下、連通手段をサービスポートとして説明する)。ここで、例えばCO2 冷媒は、(大気よりも圧力が高い)冷媒配管側から大気(外部)側に流れる際、固体のドライアイススノーと気体の炭酸ガスとに変わる。このとき、ドライアイススノーが、サービスポートの流出口等で固まって、流出口の一部を塞ぎ、排出に時間がかかってしまうことがあった。例えば異常圧力上昇時のような場合には、素早く排出したいにもかかわらず、うまく外部に排出できないおそれがあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、サービス時、異常圧力上昇時等において、例えばCO2 のような冷媒を冷媒配管(冷媒回路)内から外部に排出する際、ドライアイススノー等のように冷媒を固形化させてしまい、冷媒の排出を阻害させないようにする冷凍サイクル装置等を得るものである。
この発明に係る冷凍サイクル装置は、二酸化炭素の冷媒を吐出する圧縮機と、冷媒を凝縮又は冷却させる補助熱交換器と、冷媒を凝縮させる凝縮器と、冷媒を減圧する絞り装置と、冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して冷媒循環回路を構成し、圧縮機と補助熱交換器との間に設けられ、補助熱交換器を通過させて冷媒を排出可能とするために、外部と冷媒循環回路とを連通可能とする連通手段と、補助熱交換器が冷媒と熱交換するための空気を通過させる送風機と、補助熱交換器と凝縮器との間に設けられ、連通手段を通過する冷媒の流出速度を調整するための流量調整手段とを備えるものである。
この発明によれば、二酸化炭素を冷媒として封入し、冷媒循環回路を構成する冷凍サイクル装置において、圧縮機と凝縮器の間に補助熱交換器を設け、冷媒排出時において、補助熱交換器を介して冷媒から潜熱を奪った上で、冷媒をサービスポートから外部に排出するようにしたので、二酸化炭素が流出口で固体化してドライアイススノーにならず、スムーズに冷媒を放出することができる。
この発明の実施の形態1における冷凍装置の構成を表す図である。 この発明の実施の形態2における冷媒排出装置等の構成を表す図である。 この発明の実施の形態3における冷媒排出装置等の構成を表す図である。 この発明の実施の形態4における冷凍装置の構成を表す図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における冷凍装置の構成を表す図である。冷凍サイクル装置の一例として、ここでは冷凍装置について説明する。図1の冷凍装置は、圧縮機1と、補助熱交換器5と、凝縮器2と、膨張弁3と、蒸発器4とを直列に配管接続して冷媒回路(冷媒循環回路)を構成している。本実施の形態においては、冷媒としてCO2 (二酸化炭素)冷媒を用いる。ここで、温度の高低、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、システム、装置等における状態、動作等において相対的に定まるものとする。
圧縮機1はCO2 冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。ここで、例えばインバータ回路等により回転数を制御し、CO2 冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機で構成するとよい。凝縮器2は、送風機8から供給される空気とCO2 冷媒との間で熱交換を行い、CO2 冷媒を凝縮させて液状の冷媒にする(凝縮液化させる)ものである。
膨張弁(減圧弁、絞り装置)3は、CO2 冷媒を減圧して膨張させるものである。例えば電子式膨張弁等の流量制御手段で構成することが最適であるが、毛細管(キャピラリ)等の冷媒流量調節手段で構成してもよい。蒸発器4は、熱交換によりCO2 冷媒を蒸発させて気体(ガス)状の冷媒にする(蒸発ガス化させる)ものである。
補助熱交換器5は、圧縮機1と凝縮器2との間に設けられている。補助熱交換器5はガスクーラまたは凝縮器として機能し、例えば送風機8から供給される空気とCO2 冷媒との間で熱交換を行い、CO2 冷媒を冷却させる、凝縮させる等して、凝縮器2において冷媒を凝縮液化させる補助を行うものである。
操作バルブ6は、凝縮器2と補助熱交換器5との間に設けられている。操作バルブ6は開度を調整することができ、例えばサービスポート7を介して排出させるCO2 冷媒の排出速度等を変化させることができる。また、凝縮器2と補助熱交換器5との間に設けられることで、同時に補助熱交換器5を通過する冷媒量を調整することができる。連通手段となるサービスポート7は、例えばCO2 冷媒を供給、排出させるため、冷媒回路と外部とを連通可能にするポートである。サービスポート7には、冷媒排出の際につなぎ管(図示せず)等を接続することができる(何も接続しないことも可能である)。そして、つなぎ管等を介して冷媒回収装置(図示せず)等に、排出した冷媒を回収させることが可能となる。ここで、本実施の形態のサービスポート7は圧縮機1と補助熱交換器5との間に設けられている。また、送風機8は補助熱交換器5と凝縮器2とを通過する空気の流れを形成する。ここで、特に限定するものではないが、風量制御できる送風機であることが望ましい。
次に動作について説明する。CO2 冷媒排出時には、補助熱交換器5を介して、サービスポート7から排出させるようにする。ここで、圧縮機1を停止させてCO2 冷媒が通過できないようにする。そして、このとき、送風機8を駆動させて補助熱交換器5に空気が流れるようにし、空気とCO2 冷媒とを熱交換させ、冷媒の潜熱(相転移のためのエネルギー)を奪い、ドライアイススノーにならないようにした上で外部に排出するようにする。また、低温側操作バルブ6の開度を調整してCO2 冷媒を排出する。これにより、CO2 冷媒を少量で安全に排出することができる。
また、例えば、異常圧力上昇時においても、送風機8を運転することにより、補助熱交換器5を介して、CO2 冷媒をスムーズに圧縮機1と補助熱交換器5の間に設けたリリーフバルブ(図示せず)から排出することができる。
以上のように、実施の形態1の冷凍装置によれば、サービスポート7からCO2 冷媒を排出する際、送風機8を運転し、また補助熱交換器5を通過させるようにして、CO2 冷媒から潜熱を奪った状態で排出するようにし、ドライアイススノーにならない状態にするようにしたので、固形化を防ぎ、サービスポート7や外部にCO2 冷媒を排出するつなぎ管(図示せず)内で、詰まり等、排出の障害となることを防止することができる。また、操作バルブ6で開度を調整するようにしたので、多量にCO2 冷媒を排出させずにすみ、人体に悪い影響を与えないようにして安全な排出等を行うことができる。
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2における冷媒排出装置(排出キット)を冷凍装置に接続した場合の構成を表す図である。図2において、図1と同じ符号を付している機器等については、実施の形態1において説明したことと同様の動作等を行う。本実施の形態の冷凍装置においても、冷媒としてCO2 が封入されているものとする。
図2では、補助熱交換器5等を有していない冷凍装置においても、実施の形態1のような冷媒排出を行えるようにするため、圧縮機1と凝縮器2の間に設けられたサービスポート7に、排出キット12を接続している。
接続キット12は、キット用操作バルブ9、キット用熱交換器10と、キット熱交換器用送風機11を有している。キット用操作バルブ9は、開度調整が可能な弁であり、CO2 冷媒の排出量(排出速度)を調整することができる。キット用熱交換器10は、冷媒回路からサービスポート7を介して流れるCO2 冷媒の潜熱を除くため、空気との熱交換を行う。キット熱交換器用送風機11は、キット用熱交換器10を通過する空気の流れを形成し、キット用熱交換器10における熱交換を促す。
次に動作について説明する。例えば、CO2 冷媒を排出しようとする際、排出キット12をサービスポート7に接続する。そして、キット熱交換器用送風機11を駆動させてCO2 冷媒の潜熱を奪い、キット用操作バルブ9の開度を調整しつつ、CO2 冷媒を外部に排出する。このようにすれば、CO2 冷媒がドライアイススノーになるのを防ぎつつ排出することができるので、CO2 冷媒が固体化してサービスポート7や外部にCO2 冷媒を排出するためのつなぎ管(図示せず)内でつまらないようにすることができる。
図3はこの発明の実施の形態2の別の一例を表す図である。図3の冷凍装置では、蒸発器4と圧縮機1との間にサービスポート7を設けている。本実施の形態では、冷凍装置とは独立して設けた排出キット12をサービスポート7に接続して動作させるので、サービスポート7の設置位置に関係なく、排出経路上におけるCO2 冷媒のドライアイススノー化を防ぐことができる。
実施の形態2では、サービスポート7に接続してCO2 冷媒を排出することができる排出キット12を備えるようにすることで、冷凍装置が補助熱交換器を有していないような場合においても対応することができる。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3における冷凍装置の冷媒回路図である。図4に示すように、本実施の形態の冷凍装置は、高温側(高段側、一次側)となる冷凍サイクル装置20(以下、高温側サイクル20という)と低温側(低段側、二次側)となる冷凍サイクル装置30(以下、低温側サイクル30という)とをそれぞれ形成して多段で構成した二元冷凍装置として説明する。ここで、上述した実施の形態1において説明した冷媒循環回路は、低温側サイクル30となる。
高温側サイクル20と低温側サイクル30とは、それぞれ独立して冷媒を循環させる冷媒循環回路を構成する。そして、2つの冷媒循環回路を多段構成するために、高温側蒸発器24と低温側凝縮器32とを、それぞれ通過する冷媒間での熱交換を可能に結合させて構成したカスケードコンデンサ(冷媒間熱交換器)40を設けている。
また、図1において、高温側サイクル20は、高温側圧縮機21と、高温側凝縮器22と、高温側膨張弁(絞り装置)23と、高温側蒸発器24とを直列に冷媒配管で接続し、冷媒循環回路(以下、高温側循環回路という)を構成している。一方、低温側サイクル30は、低温側圧縮機31と、低温側補助熱交換器35と、低温側凝縮器32と、低温側膨張弁(絞り装置)33と、低温側蒸発器34とを冷媒配管で接続し、冷媒循環回路(以下、低温側循環回路という)を構成している。高温側サイクル20、低温側サイクル30を構成する各機器については、実施の形態1において対応する機器について説明したことと同様の動作を行う。また、低温側操作バルブ36及び低温側サービスポート37についても、実施の形態1において対応する機器について説明したことと同様の動作を行う。
このような構成の二元冷凍装置において、高温側循環回路を循環する冷媒には、例えばR420A、R32、R404A、HFO−2334yf、プロパン、イソブタン、二酸化炭素、アンモニアなどが用いられる。また、低温側循環回路を循環する冷媒(以下、低温側冷媒という)にはCO2 を用いる。
カスケードコンデンサ40は、高温側蒸発器24と低温側凝縮器32とを結合し、高温側冷媒と低温側冷媒とを熱交換可能にする。例えばプレート熱交換器、二重管熱交換器等で構成する。カスケードコンデンサ40により二段構成にし、冷媒間の熱交換を行うことで、独立した冷媒循環回路を連携して制御することができる。また、本実施の形態の送風機41は、高温側凝縮器22と低温側補助熱交換器35とを通過する空気の流れを形成する。
本実施の形態において、低温側循環回路の低温側補助熱交換器35は、通常運転時において、冷媒を一定温度まで冷却させることで、冷凍装置全体の成績係数(COP)を向上させることが可能である。また、低温側循環回路を循環するCO2 冷媒排出時には、送風機41を運転させ、低温側補助熱交換器35を介して、低温側サービスポート37から冷媒を排出させるようにする。このとき、送風機41を駆動させて低温側補助熱交換器35に空気が流れるようにし、空気と冷媒とを熱交換させ、冷媒の潜熱を奪い、ドライアイススノーにならないようにして、外部に排出することができる。また、低温側操作バルブ36の開度を調整して冷媒を排出することで、少量の冷媒を安全に排出することができる。
例えば実施の形態3は二元冷凍装置で説明したが、多段構成の多元冷凍装置にも適用することができる。また、冷凍装置だけでなく、CO2 を冷媒として冷媒循環回路を構成する空気調和装置等の冷凍サイクル装置についても適用することができる。
1 圧縮機、2 凝縮器、3 膨張弁、4 蒸発器、5 補助熱交換器、6 操作バルブ、7 サービスポート、8 送風機、9 キット用操作バルブ、10 キット用熱交換器、11 キット熱交換器用送風機、12 排出キット、20 高温側サイクル、21 高温側圧縮機、22 高温側凝縮器、23 高温側膨張弁、24 高温側蒸発器、30 低温側サイクル、31 低温側圧縮機、32 低温側凝縮器、33 低温側膨張弁、34 低温側蒸発器、35 低温側補助熱交換器、36 低温側操作バルブ、37 低温側サービスポート、40 カスケードコンデンサ、41 送風機。

Claims (3)

  1. 二酸化炭素の冷媒を吐出する圧縮機と、前記冷媒を凝縮又は冷却させる補助熱交換器と、前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記冷媒を減圧する絞り装置と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して冷媒循環回路を構成し、
    前記圧縮機と前記補助熱交換器との間に設けられ、前記補助熱交換器を通過させて前記冷媒を排出可能とするために、外部と前記冷媒循環回路とを連通可能とする連通手段と、
    前記補助熱交換器が前記冷媒と熱交換するための空気を通過させる送風機と
    前記補助熱交換器と前記凝縮器との間に設けられ、前記連通手段を通過する冷媒の流出速度を調整するための流量調整手段と
    を備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 高温側圧縮機、高温側凝縮器、高温側絞り装置及び高温側蒸発器を配管接続して、高温側冷媒を循環させる高温側冷媒循環回路を形成する高温側サイクル装置と
    前記冷媒循環回路の前記凝縮器と前記高温側蒸発器とにより構成し、前記高温側冷媒と前記冷媒循環回路の前記冷媒との間の熱交換を行うカスケードコンデンサと
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 冷媒循環回路と外部とを連通させることができる連通手段に前記外部から接続して前記冷媒循環回路内の二酸化炭素の冷媒を排出させるための冷媒排出装置であって、
    冷媒の流出速度を調整するための流量調整手段と、
    前記流出する冷媒と空気との熱交換を行うための熱交換器と、
    該熱交換器が前記流出する冷媒と熱交換するための空気を通過させる送風機と
    を備えることを特徴とする冷媒排出装置。
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