JP5693108B2 - 蛍光体、その製造方法及びこれを有する発光装置 - Google Patents

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本発明は、蛍光体や、その製造方法及びこれを用いた発光装置に関し、より詳しくは、青緑色蛍光体、その製造方法及びこれを用いた発光装置に関する。
青色発光ダイオード(LED)や青色レーザー(LD)等を励起源とし、これを受けて蛍光を発光させ、白色光を発光させる発光装置が、従来の蛍光灯等と比較して消費電力が低く長寿命であることから、種々利用されている。また、これらのLEDを用いた発光装置は、不要な紫外線や赤外線を含まない光が簡単に得られるため、紫外線に敏感な文化財や芸術作品、熱照射を嫌う物等の各種照明等にも好適である。かかる発光装置の蛍光体として、LEDによる発光効率がよく、LEDによる劣化が少ない(Y,Gd)3(Al,Ga)512:Ce3+等のいわゆるYAG:Ce系蛍光体が使用されている。この種の発光装置として、具体的には、例えば、(RE1-xSmx3(AlyGa1-y512:Ceで表され、式中、REは、Y、Gdから選択される少なくとも1種で青色LEDにより励起され黄緑色を発光する蛍光体をモールドした発光ダイオード等が報告されている。しかしながら、これらの発光ダイオードにおいては、青色と黄色の補色による白色であることから、充分な演色性が得られないという問題がある。
このような発光装置における演色性を向上させるため、青色LEDの発光により青緑色から緑色の蛍光を発光するオキシ窒化物蛍光体が開発されている(特許文献1−3)。LEDやLDからの青色により励起され、更なる発光効率の向上を図ることができる高強度の青緑色の蛍光を発光する蛍光体や、これを用いた発光装置が要請されている。
特開2004−210921 特開2005−281700 特開2006−097034
本発明の課題は、充分なバンドギャップを有し、LEDやLDから発光される青色により励起され、高強度な青緑色の蛍光を発光することが可能な蛍光体を提供し、更に、この蛍光体を容易に効率よく製造することができる製造方法を提供することにある。
また、本発明は、励起光とするLEDやLDからの青色との演色性に優れ、色調に優れた白色光を得ることができ、且つ、発光効率がよく、充分な発光強度を有し、消費電力の低減を図ることができ、照明用として好適な蛍光体やその製造方法を提供し、これを用いた発光装置を提供することにある。
本発明者らは、LEDやLDから発光される青色光のエネルギーとその励起エネルギーが近似し、充分なバンドギャップを有し、しかも、励起により発光される蛍光波長が青緑色系である蛍光体を見い出すべく鋭意研究を行った。その結果、特定の元素組成の蛍光体が、LEDやLDから発光される紫外光から青色光により発光ピーク強度が高い青緑色の蛍光を発光することの知見を得た。かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、 組成式(1)
Ca 7−y Eu Si 10 14 (1)
(式中、yは0.013≦y≦0.015を満たす。)で表され、格子定数a(nm)が1.5<a<1.6を満たす立方晶系で空間群Pa−3(No.205)の結晶構造を有することを特徴とする蛍光体を提供する。

また、本発明は、上記蛍光体の製造方法であって、組成式(1)を構成する元素を含む化合物を、陽圧下で焼成することを特徴とする蛍光体の製造方法に関する。
また、本発明は、上記蛍光体を用いたことを特徴とする発光装置に関する。
本発明の蛍光体は、充分なバンドギャップを有し、LEDやLDから発光される青色により励起され、高強度な青緑色の蛍光を発光することができる。
また、本発明の蛍光体の製造方法は、上記蛍光体を容易に効率よく製造することができる。
また、本発明の発光装置は、励起光とするLEDやLDからの青色との演色性に優れ、色調に優れた白色光を得ることができ、且つ、発光効率がよく、充分な発光強度を有し、消費電力の低減を図ることができ、照明用として好適である。
本発明の蛍光体の結晶構造を示すX線回折パターンを示す図である。 本発明の発光装置の一例としてのLED素子の概略構成図を示す図である。 本発明の発光装置の一例としてのFED装置の概略断面図を示す図である。 本発明の発光装置の一例としてのVFD装置の概略構成図を示す図である。 本発明の蛍光体の一例のPLE(励起スペクトル)及びPL強度(発光スペクトル)を示す図である。 本発明の蛍光体の一例のPLE(励起スペクトル)及びPL強度(発光スペクトル)を示す図である。 本発明の蛍光体の結晶構造を示すX線回折パターンのリートベルト解析結果を示す図である。 本発明の蛍光体の結晶構造を示す図である。
本発明の蛍光体は組成式(1)
xySizbc (1)
(式中、Aは少なくともCaを含み、Ba、Sr、Mg又はZnのいずれか1種又は2種以上を含んでいてもよい元素を示し、Lは少なくともEuを含み、Ce、Pr、Yb、Tm、Tb又はSmのいずれか1種又は2種以上を含んでいてもよい元素を示し、xは5.8≦x≦7.8、yは0.001<y≦0.2、zは6≦z≦10、bは6≦b≦8、cは9≦c≦14を満たす数値を示す。)で表され、格子定数a(nm)が1.45<a<1.65を満たす立方晶系の結晶構造を有することを特徴とする。
本発明の蛍光体は、Ca、Eu、Si、O、Nを含み、必要に応じて、Ba、Sr、Mg又はZnのいずれか1種又は2種を含んでいてもよく、或いは、Ce、Pr、Yb、Tm、Tb又はSmのいずれか1種又は2種以上を含んでいてもよい。式(1)中、Caと、必要に応じて含有されるBa、Sr、Mg又はZnとの合計のモル比xは、5.8≦x≦7.8を満たす。これらの元素のモル比xがこの範囲であることにより、式(1)で表される蛍光体の結晶構造が後述の立方晶系を有するものとなる。
また、Euと、必要に応じて含有されるCe、Pr、Yb、Tm、Tb又はSmとの合計のモル比yは、0.001<y≦0.2を満たす。これらの元素のモル比yがこの範囲であることにより、式(1)で表される蛍光体の結晶構造が後述の立方晶系を有するものとなる。
また、ケイ素原子のモル比zは6≦z≦10、酸素原子のモル比bは6≦b≦8、窒素原子のモル比cは9≦c≦14を満たす。これらの原子のモル比がこの範囲であれば、式(1)で表される蛍光体の結晶構造が後述の立方晶系を有するものとなる。
式(1)で表される蛍光体は格子定数a(nm)が1.45<a<1.65の立方晶系の結晶構造を有する。このような立方晶系を有することにより、青色光により励起され、青緑色の蛍光を効率よく発光し、結晶性に優れた蛍光体が得られ、かかる蛍光体においては、励起光による結晶格子欠損に起因するフォノンの生成を抑制し、蛍光の発光が阻害されるのを抑制させ得る。
上記組成式(1)で示される蛍光体は、組成式(2)
7-yySi10614 (2)
(式中、A、L、yはそれぞれ式(1)中に示すA、L、yと同じものを示す。)で表され、格子定数a(nm)が1.5<a<1.6を満たす立方晶系で空間群Pa−3(No.205)の結晶構造を有する蛍光体が特に好ましい。式(2)で表される蛍光体は上記組成により、格子定数a(nm)が1.5<a<1.6の立方晶系で空間群Pa−3(No.205)の結晶構造を有する。このような立方晶系を有することにより、青色光により励起され、青緑色の蛍光を効率よく発光し、結晶性に優れた蛍光体が得られ、かかる蛍光体においては、励起光による結晶格子欠損に起因するフォノンの生成を抑制し、蛍光の発光が阻害されるのを抑制させ得る。
結晶構造は粉末X線回折測定(RINT−2000;理学電機(株)製)により、X線回折パターン10°〜130°の範囲で測定した。得られる回折パターンより抽出された回折ピークから結晶系を決定し、構造計算プログラムにより、最適化された格子定数の数値を得た。図1に示すように、式(1)で示される蛍光体は、31.6度、32.7度、33.7度に回折ピークを有する。
このX線回折パターンより未知構造解析およびリートベルト解析により、図7に示すようなリートベルト解析によりフィッティングされた回折パターンが得られる。フィッティングパラメータR値(Rwp、Rp、RB、RF)はすべて5%以下を示しており、求められた結晶構造が妥当であることを示している。構造解析の結果、結晶系は立方晶で空間群Pa-3(No.205)、単位格子は約1.548nmと見積もられ、図8に示すような具体的な結晶構造を得る。この結晶構造は、Siサイトはすべて[Si(O,N)4]多面体構造で構成されており、この母体結晶は共有結合性が強く、強固であり、熱的に安定であると推測することができる。図7および図8より得られたCa6.988Eu0.012Si10614の結晶構造データを表1に示す。
式(1)、式(2)で表される蛍光体は、波長300〜500nmによって励起されるワイドバンドギャップを有する。かかる励起エネルギーを有する励起光を発光する励起源として、青色レーザーや青色LED等を挙げることができる。上記励起源の青色LEDとしては、具体的には、InGaN等を挙げることができる。
上記蛍光体は上記LEDやLD等から発光される青色により励起され、450〜600nm波長の青緑色の蛍光を発光する。
上記蛍光体を製造するには、目的とする元素組成に相当するように、各元素を含有する化合物を組み合わせ、陽圧下で焼成する方法を挙げることができる。原料として、蛍光体に含まれる元素の酸化物や窒化物を用いることができる。具体的には、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ユウロピウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。更に、結晶性の優れた構造の蛍光体を形成するため、結晶構造中の欠陥を少なくするためにフラックス材を用いてもよい。
これら各原料を目的とする組成式に従って秤量、採取し、乾式または湿式で十分混合する。湿式混合の場合は、エタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール、アセトン等の有機溶剤を用いることが好ましい。これらの有機溶剤と、秤量した原料を、セラミックス製等のボールミルにアルミナ若しくはジルコニア製などのボールと共に入れ、1時間から24時間混合することができる。その後、有機溶剤を乾燥除去し、混合された原料粉末とすることができる。
得られた混合原料粉末をカーボンルツボやカーボントレイ、窒化ホウ素ルツボ、窒化ホウ素トレイなどの耐熱容器に充填し焼成する。焼成温度は、例えば、1300〜1700℃が好ましく、より好ましくは1400〜1600℃である。焼成時間は、例えば、1〜10時間等とすることができる。上記焼成時の雰囲気としては、窒素ガスや、窒素と水素の混合ガス、アンモニア等還元雰囲気が好ましく、特に、窒素ガスであることが好ましい。
上記混合原料粉末の焼成雰囲気は陽圧とする。陽圧下で焼成することにより、Si34等の窒化物が分解するのを抑制し、目的とする組成の蛍光体を得ることができる。かかる焼成雰囲気の圧力としては、0.8〜1.50気圧等を挙げることができ、より好ましくは0.85〜1.1気圧等である。焼成時の圧力が上記範囲であれば、粉末化の際に負荷する外力により結晶を破壊して蛍光体の発光効率を低下させるのを抑制することができる。焼成は、焼成後、冷却し、再焼成することを反復し、複数回に亘って行うこともできる。得られた焼成物に対し、粉砕、洗浄、乾燥、篩い分け等を施して、粉末状の蛍光体とすると、LED素子等に好適である。
本発明の発光装置は、上記蛍光体を用いたものであれば、いずれであってもよい。例えば、本発明の発装置としては、300〜500nmの波長光を発光する半導体を有する発光ダイオード等のLED素子や、エレクトロルミネッセンス素子、カソードからの電子を蛍光体へ直接衝突させ発光させる電界放出型表示(FED)や、真空蛍光表示(VFD)等の電子線発光装置、その他冷陰極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプ等の蛍光ランプ等を挙げることができる。
本発明の発光装置の一例として、図2の概略構成図に示すLED素子を挙げることができる。図2に示すLED素子には、主として、リフレクタの機能を有する筐体12と、該筐体に固定されたサブマウント(図示せず)上に固定されたLEDチップ13と、該LEDチップ13を包囲する透明樹脂14と、透明樹脂を覆うように、例えば、ガラス製等の蛍光体含有シート11とが設けられる。LEDチップ13は、Al23またはSIOの基板上にGaN等の半導体等が積層されて形成される発光層を有し、該発光層が300〜500nmの紫外光から青色光を発光するものが好ましい。LEDチップのLEDは配線15によりその電極がワイヤボンドされて図示しない電源に電気的に接続される。上記透明樹脂はLEDチップの保護のため設けられ、LEDからの発光の透過性に優れ、そのエネルギーに対して耐性を有する、例えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂等が好適に用いられる。透明樹脂の上面に設けられる蛍光体含有シート11には式(1)で表される蛍光体が含有される。シート11には、LED素子から発光させる光を所望の波長にする場合、また、更なる演色性を得る場合には、必要に応じて、緑色、黄色、赤色などの蛍光を発光する蛍光体を含有させることができる。例えば、緑色発光蛍光体としては、Y3(Al,Ga)512:Ce、SrGa24:Eu、(Ba,Sr)2SiO4:Eu、Ca3Sc2Si312:Ce、CaSc24:Ce、Eu賦活β-サイアロン、(Sr,Ba)Si222:Eu、Ba3Si6122:Eu、BAM:Eu,Mn等を挙げることができる。黄色蛍光体としては、(Y,Gd)3Al512:Ce、Tb3Al512;Ce、CaGa24:Eu、(Sr,Ca,Ba)2SiO4:Eu、Eu賦活Ca-α-サイアロン、La3Si611:Ce等を挙げることができる。赤色蛍光体としては、(Sr,Ca)S:Eu、(Ca,Sr)2Si58:Eu、CaAlSiN3:Eu、(Sr,Ba)3SiO5:Eu、K2TiF6:Mn等を挙げることができる。
上記シートは、例えば、ガラス成分と蛍光体とを溶融混合して薄膜状に形成することができる。また、蛍光体は透明樹脂中に含有させることもできる。
上記LED素子において、LEDから励起光が発光されると、シートに含有される蛍光体が励起され、青緑色領域を含んだ蛍光が発光される。これらの蛍光とLEDからの青色光が、シート内で拡散され混色され、シート表面から色調の優れた白色光が放出される。
本発明の発光装置の一例として、電界放出型表示(フィールド・エミッション・ディスプレイ:FED)装置を例示することができる。この種のFED装置としては、図3の部分略断面図に示すように、1対のガラス製等のアノード基板31とカソード基板32を備え、これらが図示しない支持枠により数mm以下の間隔で平行に配置され、内部が真空に保持されるようになっている。アノード基板31には、内面に透明なアノード電極31aを介して蛍光体31bが設けられ、蛍光体は赤色系蛍光体、青緑色系蛍光体、緑色系蛍光体等各画素が交互に付与されて形成される。これらの各蛍光体の各画素間にはこれらを隔離する黒色導電材からなる光吸収体が設けられていてもよい。青緑色系蛍光体として上記蛍光体が用いられ、これとの組み合わせにおいて、赤色系蛍光体、緑色系蛍光体が適宜選択される。一方、カソード基板32の内面にはカソード電極32aを介して炭素膜等からなる電子放出素子(エミッタ)32bが、各蛍光体の画素に対応して設けられる。各電子放出素子は支持枠に設けられる信号入力端子(図示せず)に接続されカソード基板に形成される図示しない配線によってそれぞれ電圧が印加されるようになっている。
このようなFED装置において、カソード電極32aとアノード電極31a間に電圧が印加されると、電子放出素子32bから電子が放出され、放出された電子は矢印Aに示すように、アノード電極31aに引き付けられ、蛍光体31bに衝突し、蛍光を発生させ、発生した蛍光は白色光となってアノード基板31から矢印Bに示すように、外部へ放出される。上記蛍光体を用いることにより、色調に優れた白色光を発光させることができる。
上記FED装置には、エミッタからの過剰な電子が放出され蛍光体表面を帯電させ、蛍光体と電子との衝突が阻害されるのを回避するため、蛍光体表面に電導層を設け、蛍光体表面に蓄積された電子とエミッタ間の異常放電を抑制するようにしてもよい。電導層は可視光領域で吸収がない透明な酸化インジウムや、酸化亜鉛等の導電性を有する微粒子を含有する電導性材料を蛍光体表面にコーティングする方法等により形成することができる。
また、本発明の発光装置の一例として、真空蛍光表示(バキューム・フルオロセント・ディスプレイ:VFD)装置を例示することができる。この種のVFD装置としては、図4の部分略断面図に示すように、ガラス製等の基板41上に設けられた各配線42に絶縁体層43に設けられたスルーホール44を介してそれぞれ接続されるアノード45が設けられ、各アノード上には蛍光体層46a、46b、46cが形成される。蛍光体層46a、46b、46cは、それぞれ赤色系蛍光体、青緑色系蛍光体、緑色系蛍光体等を含有して交互に設けられる。青緑色系蛍光体としては上記蛍光体が用いられ、これとの組み合わせにおいて、赤色系蛍光体、緑色系蛍光体を適宜選択することができる。この蛍光体層を覆うように、上方にグリッド47が配置され、グリッド47は基板上に設けられた図示しない端子に導通するように設けられる。更に、グリッドの上方にフィラメント状のカソード48が基板両端に設けられた支持体に張架されて設けられ、これらが真空空間を形成する容器49内に設けられる。また、蛍光体表面に電導層を設け、蛍光体表面の帯電を抑制し異常放電を抑制するようにしてもよい。電導層は上記FED装置における電導層と同様に形成することができる。
このような真空蛍光表示装置においては、カソードからの電子を蛍光体に当てて蛍光体からの発光により表示を行い、環境温度、特に低温による発光強度の変動が少なく、上記蛍光体を含有することにより演色性を図り、一定の蛍光を継続して発生させることができる。
以下、本発明の蛍光体を実施例を挙げて更に詳細に説明する。
[実施例1]
粉末原料として、CaCO3を3.08g、Si34を1.92g、Eu23を0.01g秤量し、原料を混合した。混合物を窒化ホウ素ルツボに充填し、電気炉にセットし、0.9気圧の窒素還元雰囲気中において1500℃で3時間焼成した。焼成後は徐冷して、得られた焼成物を粉砕混合、洗浄して、目的のCa7-yEuySi10614(y=0.015)の蛍光体を得た。
得られた蛍光体について、以下のように励起光(Photoluminescence Excitation:PLE)測定、フォトルミネッセンス(Photoluminescence:PL)測定を行った。
[PLE測定]
得られた蛍光体について、蛍光分光光度計(RF−5300PC:島津製作所製)により、大気中室温雰囲気下で、励起波長を変化させ、蛍光体の発光ピーク波長をモニターして測定を行った。蛍光体を励起可能な波長範囲は330nm近傍にピークを有し、300〜500nmに及んだ。励起光波長に対するPLE強度(励起スペクトル)を図5中の点線で示す。
[PL測定]
得られた蛍光体について、励起光として365nmを用いて、蛍光分光光度計(RF−5300PC:島津製作所製)により、大気中室温雰囲気下で行った。発光は490nm近傍にピークを有し、450〜600nmに及んだ。得られた蛍光体のPL強度(発光スペクトル)を図5中の実線で示す。
[実施例2]
粉末原料として、CaCO3を3.16g、Si34を1.73g、Eu23を0.01g、SiO2を0.11g秤量して用いた他は、実施例1と同様にして蛍光体を作製し、目的のCa7-yEuySi10614(y=0.013)の蛍光体を得た。得られた蛍光体について、PLE測定、PL測定を行った。PLE強度を点線で、PL強度を実線で、図6に示す。
46a、46b、46c 蛍光体層
11a、31b 蛍光体

Claims (5)

  1. 組成式(1)
    Ca 7−y Eu Si 10 14 (1)
    (式中、yは0.013≦y≦0.015を満たす。)で表され、格子定数a(nm)が1.5<a<1.6を満たす立晶系で空間群Pa−3(No.205)の結晶構造を有することを特徴とする蛍光体。
  2. 300乃至460nm波長光に励起されることを特徴とする請求項1記載の蛍光体。
  3. 450乃至600nm波長光を発光することを特徴とする請求項1又は2記載の蛍光体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の蛍光体を有することを特徴とする発光装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか記載の蛍光体の製造方法であって、組成式(1)を構成する元素を含む化合物を、陽圧下で焼成することを特徴とする蛍光体の製造方法。
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