JP5592729B2 - 蛍光体およびそれを用いた発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光体を用いた発光装置に関するものである。特に、電界放出型ディスプレイ等のディスプレイ、および青色発光ダイオードまたは紫外発光ダイオードを光源とする発光装置に関するものである。
発光ダイオードを用いたLEDランプは、携帯機器、PC周辺機器、OA機器、各種スイッチ、バックライト用光源、および表示板などの各種表示装置に用いられている。これらLEDランプは高効率化が強く望まれており、加えて一般照明用途には高演色化、バックライト用途には高色域化の要請がある。高効率化には、蛍光体の高効率化が必要であり、高演色化あるいは高色域化には青色光で励起された場合に緑色の発光を示す蛍光体が有用である。
また、高負荷LEDは駆動により発熱し、蛍光体の温度が100〜200℃程度まで上昇することが一般的である。このような温度上昇が起こると蛍光体の発光強度は一般に低下する。このため蛍光体は、温度が上昇した場合であっても発光強度の低下が少ないことが望まれている。
かかるLEDランプに用いるのに適当な、青色光で励起された場合に緑色の発光を示す蛍光体の例としてEu付活βサイアロン蛍光体が挙げられる。この蛍光体は450nm励起で効率がよいとされ、450nm励起では、吸収率65%、内部量子効率53%、発光効率35%程度の性能を有するものである。
また、昨今、フラットパネルディスプレイ装置に関する開発はが精力的に行われ、その開発はPDP(プラズマディスプレイ)やLCD(液晶ディスプレイ)に重点が置かれている。しかしながら、より鮮明な画像を提供するという点でPDPやLCDを凌駕するものとして、電界放出型ディスプレイが期待されている。
電界放出型ディスプレイは、赤色、緑色、および青色の蛍光体が配列されたスクリーンと、このスクリーンに対してCRTよりも狭い間隔で対向するカソードを備えている。カソードには電子源がエミッタ素子として複数配置され、その近傍に配置されたゲート電極との電位差に応じて電子を放出する。放出された電子は蛍光体側のアノード電圧(加速電圧)により加速されて蛍光体に衝突して、これにより蛍光体が発光し、鮮明な画像を表示することができる。
かかる構成の電界放出型ディスプレイに使用される蛍光体としては、十分に高い発光効率を有し、高電流密度の励起において飽和に至った際にも、十分に高い発光効率を示すことが要求される。このような点のみに着目すれば、これまでCRT用蛍光体に用いられてきた硫化物系蛍光体(ZnS:Cu、ZnS:Agなど)も、この候補と考えられる。しかしながら、低エネルギー陰極線ディスプレイスクリーンの励起条件下では、ZnSのような硫化物系蛍光体は分解することが報告されている。この分解物は電子線を放出する熱フィラメントを著しく劣化させてしまうという問題点がある。特に、従来用いられているZnS系青色蛍光体は、赤色蛍光体および緑色蛍光体に比して輝度劣化が著しい傾向があるため、カラー画面の表示色が経時変化してしまうという問題が生じている。
特開2005−255895号公報 International Tables for Crystallography, Volume A: Space−group symmetry, T. Hahn編,Springer(オランダ国)発行 N. Hirosakiら、 Extended Abstracts (The 53th Spring Meeting); The Japan Society of Applied Physics and Related Societies、 25p−ZR−11(2006)
本発明は、前記したような従来の問題点に鑑みて、量子効率が高く、かつ温度特性の良好な蛍光体、およびそれを用いた発光装置を提供することを目的とするものである。
本発明の一態様にかかる発光装置は、
250nm〜500nmの波長の光を発光する発光素子と、
前記発光素子上に配置された蛍光体を含む蛍光体層と
を具備した発光装置であって、前記蛍光体が、
斜方晶系に属、下記一般式(1):
(M1−x3−y 3+z 13−z2+u21−w (1)
(式中、MはCaおよびSrから選択される少なくとも1種の元素であり、
Alであり、
Siであり、
RはEuであり、
0<x≦1、
−0.1≦y≦0.15、
−1≦z≦1、
−1<u−w≦1である)
で表わされる組成を有するSr Al Si 13 21 属結晶を含む蛍光体であって、前記Sr Al Si 13 21 属結晶は、その結晶構造における格子定数および原子座標から計算されたM−NおよびM−Nの化学結合の長さが、SrAlSi1321の格子定数と原子座標から計算されたAl−NおよびSi−Nの化学結合の長さに比べて、それぞれ±15%以内であることを特徴とするものである。
本発明の他の態様にかかる発光装置は、
250nm〜500nmの波長の光を発光する発光素子と、
前記発光素子上に配置された蛍光体を含む蛍光体層と
を具備した発光装置であって、前記蛍光体が、
斜方晶系に属、下記一般式(1):
(M1−x3−y 3+z 13−z2+u21−w (1)
(式中、MはCaおよびSrから選択される少なくとも1種の元素であり、
Alであり、
Siであり、
RはEuであり、
0<x≦1、
−0.1≦y≦0.15、
−1≦z≦1、
−1<u−w≦1である)
で表わされる組成を有するSr Al Si 13 21 属結晶を含む蛍光体であって、前記Sr Al Si 13 21 属結晶は、そのXRDプロファイルの回折ピークのうちの回折強度の強い10本のピーク位置が、SrAlSi1321 のXRDプロファイルの回折ピークのピーク位置と一致するものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、量子効率が高く、発光強度の高い蛍光体を用いた発光装置が提供される。この発光装置は、温度が上昇した場合であっても発光強度の低下が抑制された蛍光体を用いたものであり、実用性がきわめて高いものである。
一実施形態にかかる蛍光体を用いる発光装置の構成を表わす概略図。 SrAlSi1321結晶構造を有する蛍光体(実施例1)のXRDプロファイル。 SrAlSi1321結晶構造を示す図。(a)はa軸方向への投影図、(b)はb軸方向への投影図、(c)はc軸方向への投影図をそれぞれ示す。 実施例1乃至3の蛍光体の458nm光励起における発光スペクトル。 実施例4乃至8の蛍光体の460nm光励起における発光スペクトル。 実施例9〜12の蛍光体の460nm光励起における発光スペクトル。 実施例1、比較例1の蛍光体の457nm光励起における発光強度の温度特性を表わすグラフ図。 実施例13の発光装置の構成を表す概略図。 実施例13〜16の発光装置の発光スペクトル。 実施例17の発光装置の構成を表す概略図。 実施例17の発光装置の発光スペクトル。
本発明者らは、結晶構造および組成を限定した酸窒化物化合物に発光中心元素を添加することによって、量子効率が高く温度特性の良好な蛍光体が得られることを見出した。本発明における蛍光体は、金属元素Mと、3価の元素群から選ばれる元素Mと、4価の元素群から選ばれる元素Mと、OおよびNの一方または両方を含む組成を有し、SrAlSi1321と同一の結晶構造を有する無機化合物を基本とする。そして、本発明による蛍光体は、その無機化合物を基本とし、その結晶構造を構成する元素Mの一部が、発光中心元素Rにより置換されている。
金属元素Mは、Li、Na、およびK等のIA族(アルカリ金属)元素、Mg、Ca、Sr、およびBa等のIIA族(アルカリ土類金属)元素、B、Ga、およびIn等のIIIA族元素、Y、およびSc等のIIIB族元素、Gd、La、およびLu等の希土類元素、ならびにGe等のIVA族元素から選ばれるものが好ましい。金属元素Mは、一種類の元素であっても、または2種類以上の元素が組み合わされていてもよい。
元素Mは、元素Mとは異なるものであり、3価の元素群から選択される。3価の元素は、IIIA族およびIIIB族から選ばれるものが好ましく、具体的には、Al、B、Ga、In、Sc、Y、La、Gd、およびLu等が挙げられる。元素Mは、一種類の元素であっても、または2種類以上の元素が組み合わされていてもよい。
元素Mは、元素Mとは異なるものであり、4価の元素群から選択される。4価の元素は、IVA族およびIVB族から選ばれるものが好ましく、具体的には、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、およびHf等が挙げられる。元素Mは、一種類の元素であっても、または2種類以上の元素が組み合わされていてもよい。
ここで、金属元素Mと元素MまたはMには、同一の元素が包含されているが、本発明における蛍光体においては、MおよびMは、Mとは異なる元素が選択される。
本発明における蛍光体は、これらの元素M、M、M、ならびにO、および/またはNを基本とする結晶構造を有するが、Mの一部が発光中心元素Rに置換されていることが必要である。
発光中心元素Rとしては、例えば、Eu、Ce、Mn、Tb、Yb、Dy、Sm、Tm、Pr、Nd、Pm、Ho、Er、Cr、Sn、Cu、Zn、As、Ag、Cd、Sb、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、およびFeなどが挙げられる。発光波長の可変性等を考慮すると、これらのうち、EuおよびMnの少なくとも1種を用いることが好ましい。
発光中心元素Rは、元素Mの少なくとも0.1モル%を置換することが望まれる。置換量が0.1モル%未満の場合には、十分な発光効果を得ることが困難となる。発光中心元素Rは、元素Mの全量を置き換えてもよいが、置換量が50モル%未満の場合には、発光確率の低下(濃度消光)を極力抑制することができる。そして、本発明による蛍光体は、この発光中心元素の存在によって、波長250〜500nmの光で励起した際、青緑色から黄緑色にわたる領域の発光、すなわち波長490〜580nmの間にピークを有する発光を示すものである。
本発明による蛍光体は、SrAlSi1321をベースとして、その構成元素であるSr、Si、Al、O、またはNが他の元素で置き換わったり、Euなどのほかの金属元素が固溶したものであるということもできる。このような置き換え等によって、格子定数は変化し、結晶構造が若干変化することがある。しかし、結晶構造と原子が占めるサイトとその座標によって与えられる原子位置は、骨格原子間の化学結合が切れるほどには大きく変わることは少ない。本発明の蛍光体は、基本的な結晶構造が変化しない範囲で本発明の効果を奏することができる、このような基本的な結晶構造が変化しない範囲は以下のように定義することができる。すなわち、本発明においては、X線回折や中性子線回折により求めた格子定数および原子座標から計算されたM−NおよびM−Nの化学結合の長さ(近接原子間距離)が、表1に示すSrAlSi1321の格子定数と原子座標から計算されたAl−NおよびSi−Nの化学結合の長さに比べて、それぞれ±15%以内であるときに結晶構造が変化していないと定義する。本発明による蛍光体はこのような結晶構造を有することを必須とする。この範囲を超えて化学結合の長さが変化すると、その化学結合が切れて別の結晶となり、本発明による効果を得ることができなくなる。
Figure 0005592729
このような、本発明による蛍光体のひとつは、下記組成式(1)で示されるものである。
(M1−x3−yAl3+zSi13−z2+u21−w (1)
式中、MおよびRは前記したとおりであり、
0<x≦1、好ましくは0.001≦x≦0.5、
−0.1≦y≦0.15、好ましくは−0.09≦y≦0.07、
−1≦z≦1、好ましくは0.2≦z≦1、
−1<u−w≦1、好ましくは−0.1≦u−w≦0.3、である。
本発明による蛍光体は、SrAlSi1321と実質的に同一の結晶構造を有する無機化合物を基本とし、その構成元素の一部が発光元素に置換されたものであり、各元素の組成が所定の範囲内に規定されていることによって、良好な量子効率を示す。
SrAlSi1321結晶は斜方晶系で、格子定数は、a=9.037(6)Å、b=14.734(9)Å、c=14.928(10)Åであり、図2に示すXRDプロファイルを呈する。この結晶は空間群P2(非特許文献1に示された空間群のうちの19番目)に属する。なお、結晶の空間群は単結晶XRDにより決定することができる。SrAlSi1321結晶の結晶構造は図3に示す通りである。
本発明による蛍光体は、X線回折や中性子回折により同定することができる。すなわち、ここで示されるSrAlSi1321のXRDプロファイルと同一のプロファイルを示す物質の他に、構成元素が他の元素と入れ替わることにより格子定数が一定範囲で変化したものも、本発明による蛍光体に包含されるものである。ここで、構成元素が他の元素で置き換わるものとは、SrAlSi1321結晶中のSrが元素Mおよび/または発光中心元素Rで、元素Siの位置が4価の元素からなる群、例えばGe、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素で、Alの位置が3価の元素からなる群、例えばB、Ga、In、Sc、Y、La、Gd、Luからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素で、OまたはNの位置がO、N、Cからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素で置換された結晶のことである。また、AlがSiに互いに置き換わると同時に、OとNが置き換わった、例えばSrAlSi14ON22、SrAlSi1523、SrAlSi1220、SrAlSi1119、SrAlSi1018等もSrAlSi1321属結晶である。
さらに、固溶量が小さい場合には、SrAlSi1321属結晶の簡便な判定方法として次の方法がある。新たな物質について測定したXRDプロファイルの回折ピーク位置が主要ピークについて一致した時に、当該結晶構造が同じものと特定することができる。主要ピークとしては、回折強度の強い10本程度で判断すると良い。
実施形態にかかる蛍光体は、例えば、元素Mの窒化物、またはその他シアナミド等の炭化物、Alなどの元素MやSiなどの元素Mの、窒化物、酸化物、または炭化物、および発光中心元素Rの酸化物、窒化物、または炭酸塩を出発原料として用いて、合成することができる。より具体的には、元素MとしてSrを含有し、発光中心元素RとしてEuを含有する蛍光体を目的とする場合には、Sr、AlN、Si、AlおよびEuNを出発原料として用いることができる。Srの代わりにCa、Ba、SrNあるいはSrN等、もしくはこれらの混合物を用いてもよい。これらを所望の組成になるように秤量混合し、得られた混合粉末を焼成することによって、目的の蛍光体が得られる。混合に当たっては、例えば、グローブボックス中で乳鉢混合するといった手法が挙げられる。また、るつぼの材質は、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、カーボン、窒化アルミニウム、サイアロン、酸化アルミ、モリブデンあるいはタングステン等としてもよい。
これらの出発原料の混合物を所定時間焼成して、目的の組成を有する蛍光体を得ることができる。焼成は、大気圧以上の圧力で行なうことが望ましい。窒化ケイ素の高温での分解を抑制するためには、5気圧以上がより好ましい。焼成温度は1500〜2000℃の範囲が好ましく、より好ましくは1800〜2000℃である。焼成温度が1500℃未満の場合には、目的とする蛍光体の形成が困難となることがある。一方、2000℃を越えると、材料あるいは生成物の昇華のおそれがある。また、原料のAlNが酸化されやすいことから、N雰囲気中で焼成することが望まれるが、窒素および水素の混合雰囲気でもよい。
焼成後の粉体に洗浄等の後処理を必要に応じて施して、実施形態にかかる蛍光体が得られる。洗浄を行う場合には、例えば純水洗浄、酸洗浄により行なうことができる。
実施形態にかかる蛍光体は、緑色の発光を示すLEDだけではなく、白色LEDにも適用することができる。具体的には、前記した蛍光体に、ほかの波長の光を発光する複数種の蛍光体を組み合わせて用いることにより、白色光を得ることができる。例えば、紫外光によりそれぞれ赤色、黄色(または緑色)、青色に発光する複数種の蛍光体を組み合わせて用いることができる。あるいは、青色光により黄色に発光する蛍光体と、必要に応じて赤色に発光する蛍光体を組み合わせ、励起光である青色光と組み合わせることで白色発光を得ることもできる。
本発明による蛍光体は、従来知られている任意の発光装置に用いることができる。図1は、本発明の一実施形態にかかる発光装置の断面を示すものである。
図1に示された発光装置においては、樹脂ステム200はリードフレームを成形してなるリード201およびリード202と、これに一体成形されてなる樹脂部203とを有する。樹脂部203は、上部開口部が底面部より広い凹部205を有しており、この凹部の側面には反射面204が設けられる。
凹部205の略円形底面中央部には、発光チップ206がAgペースト等によりマウントされている。発光チップ206としては、例えば発光ダイオード、レーザダイオード等を用いることができる。さらには、紫外光を放射するものを用いることができ、特に限定されるものではない。紫外光以外にも、青色や青紫、近紫外光などの波長の光を発光可能なチップも使用可能である。例えば、GaN系等の半導体発光素子等を用いることができる。発光チップ206の電極(図示せず)は、Auなどからなるボンディングワイヤー207および208によって、リード201およびリード202にそれぞれ接続されている。なお、リード201および202の配置は、適宜変更することができる。
樹脂部203の凹部205内には、蛍光層209が配置される。この蛍光層209は、本発明の実施形態にかかる蛍光体210を、例えばシリコーン樹脂からなる樹脂層211中に5重量%から50重量%の割合で分散、もしくは沈降させることによって形成することができる。実施形態にかかる蛍光体には、共有結合性の高い酸窒化物が母体として用いられている。このため、本発明による蛍光体は一般に疎水性であり、樹脂との相容性が極めて良好である。したがって、樹脂と蛍光体との界面での散乱が著しく抑制されて、光取出し効率が向上する。
発光チップ206としては、n型電極とp型電極とを同一面上に有するフリップチップ型のものを用いることも可能である。この場合には、ワイヤーの断線や剥離、ワイヤーによる光吸収等のワイヤーに起因した問題を解消して、信頼性の高い高輝度な半導体発光装置が得られる。また、発光チップ206にn型基板を用いて、次のような構成とすることもできる。具体的には、n型基板の裏面にn型電極を形成し、基板上の半導体層上面にはp型電極を形成して、n型電極またはp型電極をリードにマウントする。p型電極またはn型電極は、ワイヤーにより他方のリードに接続することができる。発光チップ206のサイズ、凹部205の寸法および形状は、適宜変更することができる。
本発明の実施形態にかかる発光装置は、図1に示したようなパッケージカップ型に限定されず、適宜変更することができる。具体的には、砲弾型LEDや表面実装型LEDの場合も、実施形態の蛍光体を適用して同様の効果を得ることができる。
以下、諸例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
実施例1
出発原料としてSr、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。これら各々2.676g、0.398g、6.080g、0.680g、0.683gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.92Eu0.08AlSi1321である蛍光体を合成した。
焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例2
出発原料としてSr、Ca、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。これら各々2.408g、0.136g、0.398g、6.080g、0.680g、0.683gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.828Ca0.092Eu0.08AlSi1321である蛍光体を合成した。
焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例3
出発原料としてSr、Ca、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。これら各々2.141g、0.273g、0.398g、6.080g、0.680g、0.683gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.736Ca0.184Eu0.08AlSi1321である蛍光体を合成した。
焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例1乃至3の黄緑色粉体について、解砕した後に458nmのピーク波長を有する発光ダイオードを光源に用いて励起した。得られた発光スペクトルは、図4に示す通りであった。図4において、458nmにピークを示すバンドは、励起光の反射によるものである。いずれの黄緑色粉体からも、515乃至530nmにピーク波長を有する単一バンドの発光が得られた。
実施例4
出発原料としてSr、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。これら各々2.408g、0.358g、5.893g、0.306g、0.492gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で2時間焼成して、設計組成が(Sr0.92Eu0.08AlSi14ON22である蛍光体を合成した。焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例5
出発原料としてSr、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。これら各々2.408g、0.358g、5.683g、0.459g、0.553gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.92Eu0.08Al2.5Si13.51.521.5である蛍光体を合成した。焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例6
出発原料としてSr、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。これら各々2.408g、0.358g、5.262g、0.765g、0.676gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.92Eu0.08Al3.5Si12.52.520.5である蛍光体を合成した。焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例7
出発原料としてSr、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。これら各々2.408g、0.358g、5.388g、0.673g、0.639gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.92Eu0.08Al3.2Si12.82.220.8である蛍光体を合成した。焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例8
出発原料としてSr、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。これら各々2.356g、0.448g、5.472g、0.612g、0.615gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.9Eu0.1AlSi1321である蛍光体を合成した。焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例4乃至8の黄緑色粉体について、解砕した後に460nmのピーク波長を有する発光ダイオードを光源に用いて励起した。得られた発光スペクトルは図5に示す通りであった。図5において、460nmにピークを示すバンドは、励起光の反射によるものである。いずれの黄緑色粉体からも、515乃至525nmにピーク波長を有する単一バンドの発光が得られた。
実施例9
出発原料としてSrN、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。
これら各々2.350g、0.358g、5.472g、0.612g、0.615gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.92Eu0.08AlSi1321である蛍光体を合成した。焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例10
出発原料としてSrNとSrが1:1の混合物、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。これら各々2.379g、0.358g、5.472g、0.612g、0.615gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.92Eu0.08AlSi1321である蛍光体を合成した。焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例11
出発原料としてSrN、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。
これら各々2.325g、0.403g、5.472g、0.612g、0.615gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.91Eu0.09AlSi1321である蛍光体を合成した。焼成後の蛍光体は、体色が黄緑色の粉体であり、ブラックライトで励起した結果、緑色発光が観察された。
実施例12
出発原料としてSrN、EuN、Si、AlおよびAlNを用意した。
これら各々2.299g、0.448g、5.472g、0.612g、0.615gをバキュームグローブボックス中で秤量後、めのう乳鉢内で乾式混合したものを、BNるつぼに充填し、7.5気圧のN雰囲気中、1850℃で4時間焼成して、設計組成が(Sr0.9Eu0.1AlSi1321である蛍光体を合成した。
実施例9乃至12の黄緑色粉体について、解砕した後に460nmのピーク波長を有する発光ダイオードを光源に用いて励起した。得られた発光スペクトルは図6に示す通りであった。図6において、460nmにピークを示すバンドは、励起光の反射によるものである。いずれの黄緑色粉体からも、515乃至525nmにピーク波長を有する単一バンドの発光が得られた。
実施例1、5および7の黄緑色粉体の化学分析を行なった結果は下記表2に示す通りであった。下記表2には、前記一般式(1)におけるx、y、z、u、wおよびu−wの値を示した。
実施例1乃至12の黄緑色粉体の458nmもしくは460nm励起における吸収率、量子効率、および発光効率の値を、下記表3にまとめて示す。表2および3より本発明の蛍光体は高い量子効率を示すことが判る。特にzが0.2以上の場合には高い吸収率も同時に得られ、より好ましいことが判る。
Figure 0005592729
Figure 0005592729
上記表3に示されるように、実施例1乃至12の黄緑色粉体は、いずれも波長250〜500nmの光で励起した際、490〜580nmの間に発光波長を有する蛍光体である。これらの蛍光体の吸収率、量子効率、および発光効率は、例えば(Ba、Sr)SiO:Eu等の従来の黄緑色蛍光体と同等以上である。
なお、特許文献1には、Eu付活βサイアロンの発光効率は、450nm励起で吸収率65%、内部量子効率53%、発光効率35%であることが記載されている。非特許文献2にも、同様の記載がある。こうした従来の蛍光体の発光効率と本実施形態の蛍光体の発光効率とを同一条件の励起波長で比較すると、本実施形態の緑色蛍光体の方が優れた特性を示すことがわかる。
励起波長を254nm、365nm、および390nm、および460nmに変更した場合も、同様の波長範囲にピークを有する発光が確認された。励起波長が短すぎるとストークスシフトによる損失が大きくなり、励気波長が長過ぎると励起効率が低下することから、本発明による蛍光体を発光素子に用いる場合には励起波長は、380nm以上460nm以下であることが好ましい。また、発光のピーク波長は560nm以下であることが望まれる。
比較例1
出発原料としてSrCO、AlN、SiおよびEuを準備した。これらを各々16.298g、4.919g、26.659gおよび1.689g秤量し、脱水イソプロパノール(以下、IPAという)中で2hボールミル混合した。マントルヒーターで乾燥を行なうことにより、IPAを揮発・除去させた。その後、目開き300μmの篩を通して、原料粉を作製した。得られた原料粉を、目開き500〜1000μmの篩より自然落下させて、窒化ホウ素るつぼに充填した。るつぼに充填された原料粉は、7気圧のN雰囲気中、1850℃で6時間焼成して蛍光体を合成した。
焼成後の蛍光体は、体色の異なる2種類の焼結粉体の混合物であり、白色の焼結粉体と黄緑色の焼結粉体とが確認された。ブラックライトで励起した結果、白色粉体からは青色発光が観察され、黄緑色粉体からは緑色発光が観察された。
比較例2
出発原料としてSrCO、AlN、SiおよびEuを準備した。これらを各々14.940g、4.509g、28.296gおよび1.548g秤量し、脱水IPA中で2hボールミル混合した。マントルヒーターで乾燥を行なうことにより、IPAを揮発・除去させた。その後、目開き300μmの篩を通して、原料粉を作製した。得られた原料粉を、目開き500〜1000μmの篩より自然落下させて、窒化ホウ素るつぼに充填した。るつぼに充填された原料粉は、7気圧のN雰囲気中、1800℃で16時間焼成して蛍光体を合成した。
焼成後の蛍光体は、体色の異なる2種類の焼結粉体の混合物であり、白色の焼結粉体と黄緑色の焼結粉体とが確認された。ブラックライトで励起した結果、白色粉体からは青色発光が観察され、黄緑色粉体からは緑色発光が観察された。
比較例3
出発原料としてSCO、AlN、SiおよびEuO3準備した。これらを各々25.097g、8.198g、46.77gおよび5.279g秤量し、脱水IPA中で2hボールミル混合した。マントルヒーターで乾燥を行なうことにより、IPAを揮発・除去させ、得られた原料粉を、カーボンるつぼに充填した。るつぼに充填された原料粉は、7気圧のN雰囲気中、1750℃で36時間焼成して蛍光体を合成した。
焼成後の蛍光体は、体色の異なる3種類の焼結粉体の混合物であり、白色の焼結粉体、赤色の焼結粉体、および黄緑色の焼結粉体が観察された。ブラックライトで励起した結果、白色粉体、赤色粉体、および黄緑色粉体からは、それぞれ青色発光、赤色発光、および緑色発光が観察された。
比較例4
出発原料としてSrCO、AlN、SiおよびEuを準備した。これらを各々25.097g、8.198g、46.77gおよび5.279g秤量し、脱水IPA中で2hボールミル混合した。マントルヒーターで乾燥を行なうことにより、IPAを揮発・除去させ、得られた原料粉を、カーボンるつぼに充填した。るつぼに充填された原料粉は、7気圧のN雰囲気中、1750℃で48時間焼成して蛍光体を合成した。
焼成後の蛍光体は、体色の異なる3種類の焼結粉体の混合物であり、白色の焼結粉体、赤色の焼結粉体、および黄緑色の焼結粉体が観察された。ブラックライトで励起した結果、白色粉体、赤色粉体、および黄緑色粉体からは、それぞれ青色発光、赤色発光、および緑色発光が観察された。
比較例1乃至4の黄緑色粉体の化学分析を行なった結果は下記表4に示す通りであった。下記表4には、前記一般式(1)におけるx、y、zおよびuの値を示した。いずれも本発明において特定された組成範囲を逸脱していることが判る。
Figure 0005592729
比較例1乃至4の黄緑色粉体の457nm励起における吸収率、量子効率、および発光効率の値は下記表5に示す通りであった。いずれも本発明の量子効率を下回っており、本発明が量子効率の向上に顕著な効果があることが判る。
Figure 0005592729
実施例1および比較例1の蛍光体を、室温から200℃までヒーターにより試料温度を上昇させながら励起して、発光スペクトル変化を測定した。励起には、457nmのピーク波長を有する発光ダイオードを用いた。各温度における発光スペクトルのピーク強度の温度依存性は図7に示すとおりであった。
実施例1の蛍光体は比較例1の蛍光体に比べ、200℃の高温条件下でも、発光強度の低下が小さいことが図7のグラフに示されている。この結果から、本発明の実施形態にかかる蛍光体は、温度特性が顕著に改良されたものであることがわかる。図7のグラフには、実施例1の蛍光体についての結果を示したが、他の実施例にかかる蛍光体においても、同様に比較例を上回る良好な温度特性が得られた。
また、実施例1の蛍光体を用いて、図1に示した発光装置を製造した。得られた発光装置を、室温から150℃の温度範囲で動作させ、効率の温度変化を測定したところ、この温度範囲で効率の低下が殆ど起こらなかった。このことから、実施形態にかかる蛍光体を用いた発光装置は、良好な温度特性を有することが確認された。
実施例13
発光ピーク波長449nmの発光ダイオードを、8mm角のAlNパッケージ上に半田を用いて接合し、金ワイヤーを介して電極に接続した。この発光ダイオード上にドーム状に透明樹脂を塗布し、その上にピーク波長585nmの赤色発光蛍光体(Ba0.1Sr0.8Ca0.1SiO:Eu2+を40重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布し、その上に実施例1の蛍光体を30重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布して、図8に示された構造を有する発光装置を製造した。この発光装置を積分球内に設置し、20mA、3.1Vで駆動させたところ、色度(0.333,0.334)、色温度5450K、光束効率63.4lm/W、Ra=83であった。
実施例14
発光ピーク波長449nmの発光ダイオードを、8mm角のAlNパッケージ上に半田を用いて接合し、金ワイヤーを介して電極に接続した。この発光ダイオード上にドーム状に透明樹脂を塗布し、その上にピーク波長585nmの赤色発光蛍光体(Ba0.1Sr0.8Ca0.1SiO:Eu2+を60重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布し、その上に実施例1の蛍光体を30重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布して、発光装置を製造した。この発光装置を積分球内に設置し、20mA、3.1Vで駆動させたところ、色度(0.423,0.399)、色温度3200K、光束効率60.0lm/W、Ra=70であった。
実施例15
発光ピーク波長449nmの発光ダイオードを、8mm角のAlNパッケージ上に半田を用いて接合し、金ワイヤーを介して電極に接続した。この発光ダイオード上にドーム状に透明樹脂を塗布し、その上にピーク波長585nmの赤色発光蛍光体(Ba0.1Sr0.8Ca0.1SiO:Eu2+を40重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布し、その上に実施例1の蛍光体を20重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布して、発光装置を製造した。この発光装置を積分球内に設置し、20mA、3.1Vで駆動させたところ、色度(0.354,0.329)、色温度4520K、光束効率61.6lm/W、Ra=81であった。
実施例16
発光ピーク波長449nmの発光ダイオードを、8mm角のAlNパッケージ上に半田を用いて接合し、金ワイヤーを介して電極に接続した。この発光ダイオード上にドーム状に透明樹脂を塗布し、その上にピーク波長585nmの赤色発光蛍光体(Ba0.1Sr0.8Ca0.1SiO:Eu2+を30重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布し、その上に実施例1の蛍光体を30重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布して、発光装置を製造した。この発光装置を積分球内に設置し、20mA、3.1Vで駆動させたところ、色度(0.298,0.305)、色温度7800K、光束効率62.2lm/W、Ra=86であった。
実施例17
発光ピーク波長449nmの発光ダイオードを、8mm角のAlNパッケージ上に半田を用いて接合し、金ワイヤーを介して電極に接続した。この発光ダイオード上にドーム状に透明樹脂を塗布し、その上にピーク波長600nmの赤色発光蛍光体(Sr0.7Ca0.3SiO:Eu2+を40重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布し、その上に透明樹脂を層状に塗布し、その上に、実施例1の蛍光体を40重量%混入させた透明樹脂を層状に塗布して、図10に示される構造を有する発光装置を製造した。この発光装置を積分球内に設置し、20mA、3.1Vで駆動させたところ、色度(0.337,0.372)、色温度5330K、光束効率62.2lm/W、Ra=87であった。
200 樹脂システム
201 リード
202 リード
203 樹脂部
204 反射面
205 凹部
206 発光チップ
207 ボンディングワイヤー
208 ボンディングワイヤー
209 蛍光層
210 蛍光体
211 樹脂層
301 Sr
302 SiまたはAl
303 OまたはN
304 SiまたはAlの占有率0.5のサイト
1701 AlNパッケージ
1702 発光ダイオード
1703 ボンディングワイヤー
1704 透明樹脂層
1705 赤色蛍光体層
1706 中間透明樹脂層
1707 緑色蛍光体層

Claims (8)

  1. 250nm〜500nmの波長の光を発光する発光素子と、
    前記発光素子上に配置された蛍光体を含む蛍光体層と
    を具備した発光装置であって、前記蛍光体が、
    斜方晶系に属、下記一般式(1):
    (M1−x3−y 3+z 13−z2+u21−w (1)
    (式中、MはCaおよびSrから選択される少なくとも1種の元素であり、
    Alであり、
    Siであり、
    RはEuであり、
    0<x≦1、
    −0.1≦y≦0.15、
    −1≦z≦1、
    −1<u−w≦1である)
    で表わされる組成を有するSr Al Si 13 21 属結晶を含む蛍光体であって、前記Sr Al Si 13 21 属結晶は、その結晶構造における格子定数および原子座標から計算されたM−NおよびM−Nの化学結合の長さが、SrAlSi1321の格子定数と原子座標から計算されたAl−NおよびSi−Nの化学結合の長さに比べて、それぞれ±15%以内であることを特徴とする発光装置。
  2. 前記蛍光体が、波長250〜500nmの光で励起された際に波長490〜580nmの間にピークを有する発光を示す、請求項に記載の発光装置。
  3. 前記蛍光体が、前記元素Mの窒化物または炭化物、前記元素Mの窒化物、酸化物、または炭化物、前記元素Mの窒化物、酸化物、または炭化物、および前記発光中心元素Rの酸化物、窒化物、または炭酸塩を原料として用い、これらを混合してから焼成することにより製造されたものである、請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記蛍光体が、5気圧以上の圧力下、1500〜2000℃で焼成されて製造されたものである、請求項に記載の発光装置。
  5. 250nm〜500nmの波長の光を発光する発光素子と、
    前記発光素子上に配置された蛍光体を含む蛍光体層と
    を具備した発光装置であって、前記蛍光体が、
    斜方晶系に属、下記一般式(1):
    (M1−x3−y 3+z 13−z2+u21−w (1)
    (式中、MはCaおよびSrから選択される少なくとも1種の元素であり、
    Alであり、
    Siであり、
    RはEuであり、
    0<x≦1、
    −0.1≦y≦0.15、
    −1≦z≦1、
    −1<u−w≦1である)
    で表わされる組成を有するSr Al Si 13 21 属結晶を含む蛍光体であって、前記Sr Al Si 13 21 属結晶は、そのXRDプロファイルの回折ピークのうちの回折強度の強い10本のピーク位置が、SrAlSi1321 のXRDプロファイルの回折ピークのピーク位置と一致するものであることを特徴とする発光装置。
  6. 前記蛍光体が、波長250〜500nmの光で励起された際に波長490〜580nmの間にピークを有する発光を示す、請求項に記載の発光装置。
  7. 前記蛍光体が、前記元素Mの窒化物または炭化物、前記元素Mの窒化物、酸化物、または炭化物、前記元素Mの窒化物、酸化物、または炭化物、および前記発光中心元素Rの酸化物、窒化物、または炭酸塩を原料として用い、これらを混合してから焼成することにより製造されたものである、請求項5または6に記載の発光装置。
  8. 前記蛍光体が、5気圧以上の圧力下、1500〜2000℃で焼成されて製造されたものである、請求項に記載の発光装置。
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