JP5692809B2 - コイル保持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機用のコイルを構成する複数の環状導体を保持する円筒状のコイル保持器を備えたコイル保持装置に関する。
回転電機用のステータを製造する方法の1つとして、例えば特開2009−5434号公報(特許文献1)に記載された方法が知られている。なお、この背景技術の欄の説明では、〔〕内に特許文献1における部材名を引用して説明する。このステータ製造方法では、コイル挿入装置〔挿入装置10〕を用いて、環状に形成された複数の環状導体〔コイル群〕をステータコア〔ステータコア1〕のスロット〔スロット5〕に挿入する。ここで、コイル挿入装置は、複数の環状導体を保持する円筒状のコイル保持器を備えている。コイル保持器は、軸方向に平行に延びるブレード〔ブレード17〕を周方向に複数配列してなるブレード群を有し、互いに隣接するブレード間のそれぞれに形成される引掛隙間〔ブレード17の所定の間隙〕に環状導体の所定部分が引き掛けられる。その後、コイル挿入装置にステータコアを装着した状態でコイル押出器〔ストリッパ20〕を軸方向に移動させることで、複数の環状導体をスロットに挿入させてステータを得る。
複数の環状導体をコイル保持器に保持させる際には、製造されるステータのコイルのコイルエンド部の形状に対応するように各環状導体を配置する必要がある。例えば特開2010−130842号公報(特許文献2)の図14に記載されているような、コイルエンド部が軸方向視で渦巻状となっている構成のステータを製造するためには、複数の環状導体を、それぞれ異なる周方向位置にある2個の引掛隙間の間を掛け渡すように傾斜した状態で等ピッチ間隔で周方向に順に配列させて保持させる必要がある。
しかし、複数の環状導体をコイル保持器に対して軸方向に挿入して上記の態様で周方向に順に配列させていく場合には、開始地点から一巡して配列方向下流側の環状導体と配列方向上流側の環状導体とを並べて配置させる際に、これらが互いに干渉してしまう。そのため、渦巻状のコイルのコイルエンド部に対応する態様で複数の環状導体をコイル保持器に適切に保持することができないという課題があった。
特開2009−5434号公報 特開2010−130842号公報
そこで、渦巻状のコイルのコイルエンド部に対応する態様で複数の環状導体をコイル保持器に適切に保持させることができるコイル保持装置の実現が望まれる。
本発明に係る、回転電機用のコイルを構成する複数の環状導体を保持する円筒状のコイル保持器を備えたコイル保持装置の特徴構成は、前記コイル保持器は、複数の主保持部と複数の副保持部とが合体して円筒状になるように構成されており、当該合体した状態で、軸方向に平行に延びるブレードを円筒面に沿って周方向に複数配列してなるブレード群を有すると共に、軸方向一方側である軸第一方向側の端部において前記ブレード群が一体的に保持され、軸方向他方側である軸第二方向側の端部が前記ブレード間を開放した開放端部とされ、隣接する前記ブレード間のそれぞれに引掛隙間が形成され、前記ブレード群は、前記環状導体を保持する際に、前記環状導体のそれぞれの2箇所が、周方向に所定ピッチ離れた2個の前記引掛隙間に挿入されて前記ブレードに対して傾斜した状態で保持されると共に、複数の前記環状導体が等ピッチ間隔で周方向に順に配列されるように構成され、前記ブレード群を構成する複数の前記ブレードが、複数の前記主保持部及び複数の前記副保持部により分割して保持され、前記主保持部と前記副保持部とが分離している状態で、前記主保持部に保持された前記環状導体のうち前記主保持部から周方向にはみ出すはみだし部分を一時的に保持する複数の仮保持機構と、複数の前記主保持部及び複数の前記副保持部が互いに合体及び分離するように、少なくとも前記主保持部と前記副保持部とを相対移動可能とする移動機構と、を更に備え、前記副保持部が、前記移動機構により前記主保持部に対して前記軸第一方向側の位置から前記軸第二方向側に向かって相対移動し、前記主保持部に合体した状態で前記仮保持機構によって保持された前記環状導体の前記はみだし部分を保持するように構成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、ブレード群を構成する複数のブレードが複数の主保持部及び複数の副保持部により分割して保持され、移動機構によりこれらが相対移動可能であるので、主保持部と副保持部とが分離している状態で主保持部に複数の環状導体を保持させることができる。それぞれの主保持部は、円筒状に配列された複数のブレードを周方向に分割した一部であるので、所定の2箇所が周方向に所定ピッチ離れた2個の引掛隙間に挿入されてブレードに対して傾斜した状態で保持されると共に等ピッチ間隔で周方向に順に配列されるように、複数の環状導体を当該主保持部に保持させることができる。言い換えれば、渦巻状のコイルのコイルエンド部の周方向の一部に対応する態様で、複数の環状導体を当該主保持部に保持させることができる。
主保持部に保持された環状導体のうちのいくつかは、当該主保持部から周方向にはみ出すはみだし部分を有するが、このはみだし部分は仮保持機構によって一時的に保持される。これにより、はみだし部分を有する環状導体の位置ずれや主保持部からの脱落等を抑制することができる。
その後、主保持部に対して軸第一方向側の位置に待機していた副保持部を、移動機構により軸第二方向側に向かって移動させて開放端部側から主保持部に合体させる。これにより、仮保持機構に保持されていた環状導体のはみだし部分は、最終的に副保持部によって適切に保持される。以上のようにして、複数の主保持部及び複数の副保持部の集合体からなるコイル保持器に、渦巻状のコイルのコイルエンド部に対応する態様で複数の環状導体を適切に保持させることができる。
ここで、複数の前記仮保持機構が、前記主保持部と同じ軸方向位置において当該主保持部と周方向に並んで配置され、前記環状導体の前記はみだし部分を保持する仮保持ホルダと、前記仮保持ホルダによって保持された前記環状導体を、前記主保持部に対して前記軸第二方向側から受け取る仮保持レシーバと、をそれぞれ有する構成とすると好適である。
この構成によれば、主保持部に保持された環状導体のうちのはみだし部分を、主保持部と同じ軸方向位置において周方向に並んで配置される仮保持ホルダによって適切に保持することができる。また、仮保持レシーバが環状導体を受け取った後は、仮保持ホルダの位置を必要に応じて任意に変更することができる。よって、例えば移動機構により複数の主保持部を互いに合体させる際に、その合体を妨害しない位置に仮保持ホルダを退避させることができる。このとき、仮保持レシーバは主保持部に対して軸第二方向側から環状導体を受け取るので、主保持部に対する副保持部の合体を妨害することなく環状導体を保持することができる。
また、前記環状導体は、それぞれ第一部分及び第二部分の2箇所が前記引掛隙間に挿入され、前記仮保持ホルダは、前記第一部分が前記主保持部に保持された前記環状導体の前記はみだし部分を保持する第一仮保持ホルダと、前記第二部分が前記主保持部に保持された前記環状導体の前記はみだし部分を保持する第二仮保持ホルダと、を更に有し、前記第一仮保持ホルダ及び前記第二仮保持ホルダの、いずれか一方が前記主保持部と同じ径方向位置に配置されていると共にいずれか他方が前記主保持部とは異なる径方向位置に配置され、前記移動機構は、複数の前記主保持部どうしが互いに合体及び分離するように、これらを相対移動可能に構成され、複数の前記主保持部どうしが分離している状態で、前記第一仮保持ホルダ及び前記第二仮保持ホルダのうちの少なくとも前記主保持部と同じ径方向位置に配置されるものが、前記主保持部とは異なる軸方向位置に移動可能に構成されている構成とすると好適である。
主保持部に保持された環状導体のうちのはみだし部分をより確実に保持する観点からは、仮保持ホルダは主保持部と同じ径方向位置に配置されていることが好ましい。但し、主保持部どうしが相対移動する構成において、仮保持ホルダが主保持部と同じ径方向位置に配置される場合には、主保持部の合体を仮保持ホルダが妨害することになるので、その合体前に仮保持ホルダを退避させる必要がある。このとき、第一仮保持ホルダ及び第二仮保持ホルダの双方を退避可能とするためには、そのための機構が複雑化する可能性がある。
このような観点から、上記の構成のように第一仮保持ホルダ及び第二仮保持ホルダのうちの一方を主保持部と同じ径方向位置に配置すると共に他方を主保持部とは異なる径方向位置に配置することで、環状導体のはみだし部分のより確実な保持と、主保持部の合体の妨害を回避するための機構の簡素化とをそれぞれバランス良く実現することができる。
実施形態に係るステータの斜視図である。 軸方向から見た渦巻状コイルエンド部を模式的に示した平面図である。 実施形態に係るコイル挿入装置を示す概略構成図である。 コイル保持器に対する環状導体の配置状態を示す模式図である。 分離状態にあるコイル保持装置の平面図である。 分離状態にあるコイル保持装置の正面図である。 分離状態にあるコイル保持装置の側面図である。 コイル保持器に対する環状導体のセット方法を示すフローチャートである。 導体配置工程後のコイル保持装置の平面図である。 導体配置工程後のコイル保持装置の正面図である。 導体配置工程後のコイル保持装置の側面図である。 仮保持レシーバ受取工程の途中段階でのコイル保持装置の平面図である。 仮保持レシーバ受取工程の途中段階でのコイル保持装置の側面図である。 仮保持レシーバ受取工程の最終段階でのコイル保持装置の正面図である。 仮保持レシーバ受取工程の最終段階でのコイル保持装置の側面図である。 第一仮保持ホルダ移動工程後のコイル保持装置の正面図である。 第一仮保持ホルダ移動工程後のコイル保持装置の側面図である。 主保持部合体工程後のコイル保持装置の平面図である。 主保持部合体工程後のコイル保持装置の正面図である。 副保持部合体工程後のコイル保持装置の正面図である。 副保持部合体工程後のコイル保持装置の側面図である。 仮保持機構移動工程の途中段階でのコイル保持装置の正面図である。 仮保持機構移動工程の途中段階でのコイル保持装置の側面図である。 仮保持機構移動工程の最終段階でのコイル保持装置の平面図である。 仮保持機構移動工程の最終段階でのコイル保持装置の側面図である。 製造工程の最終局面でのコイル挿入装置の状態を示す図である。
本発明に係るコイル保持装置について、図面を参照して説明する。図3に示すように、コイル保持装置5は、コイル挿入装置4を用いてコイル3をステータコア2に巻装してステータ1を製造する際に、コイル挿入装置4に備えられるコイル保持器50に、コイル3を構成する複数の環状導体35を保持させるための装置である。本実施形態に係るコイル保持装置5によれば、いわゆる渦巻状のコイル3のコイルエンド部32に対応する態様で複数の環状導体35をコイル保持器50に適切に保持させることができる。以下では、製造対象となるステータ1の構成、製造段階で使用されるコイル挿入装置4の構成、コイル保持装置5の構成、コイル保持装置5を用いたコイル保持器50に対する環状導体35のセット方法、及びコイル挿入装置4を用いたステータ製造方法、の順に説明する。
なお、以下の説明では、特に区別して明記している場合を除き、「軸方向L」、「周方向C」、「径方向R」は、ステータコア2の円筒状のコア基準面21(例えばステータコア2の内周面)の軸心Aを基準として定義している。コイル挿入装置4の各部材に関しては、当該コイル挿入装置4にステータコア2が通常の態様で装着された(セットされた)状態でのコア基準面21の軸心Aを基準として定義している。また、本実施形態では、コイル挿入装置4がコイル保持装置5と共有する複数のブレード51の基端部側(図3における下側)を「軸第一方向L1側」とし、それとは反対側の開放端部側(図3における上側)を「軸第二方向L2側」としている。
また、コイル保持装置5の各部材に関しては、当該コイル保持装置5がコイル挿入装置4と共有する複数のブレード51の延在方向を「Z方向」と定義し、更にこのZ方向に直交する平面上において互いに直交する二方向をそれぞれ「X方向」及び「Y方向」と定義している(図5〜図7を参照)。本例では、コイル保持装置5のZ方向とコイル挿入装置4の軸方向Lとが一致している。そして、複数のブレード51の基端部側(図6における下側)である軸第一方向L1側を「−Z方向側」とし、それとは反対側の開放端部側(図6における上側)である軸第二方向L2側を「+Z方向側」としている。また、図5における右側を「+X方向側」、左側を「−X方向側」とし、図5における上側を「+Y方向側」、下側を「−Y方向側」としている。
また、各部材についての方向や位置等に関する用語(例えば、「平行」や「一致」等)は、製造上許容され得る誤差による差異を有する状態も含む概念として用いている。
1.ステータの構成
本実施形態に係るステータ1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。このステータ1は、インナーロータ型の回転電機のステータである。ここで、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。図1に示すように、ステータ1は、ステータコア2とコイル3とを備えている。なお、図1では、煩雑さを避けるために、ステータコア2から軸方向Lに突出するコイル3の部分であるコイルエンド部32については、一部のみを示して他の部分の図示を省略している。
ステータコア2は、磁性材料を用いて形成されている。また、ステータコア2は、円筒状のコア基準面21の周方向Cに分散配置された複数のスロット22と、周方向Cに互いに隣接する2つのスロット22の間に形成された複数のティース23とを有する。ここで、「円筒状のコア基準面21」とは、スロット22の配置や構成に関して基準となる仮想的な面である。本実施形態では、図1に示すように、隣接する2つのスロット22の間に形成される複数のティース23の径方向R内側の端面を含む仮想的な円筒状の面であるコア内周面を、コア基準面21としている。なお、ステータコア2の外周面等をコア基準面21としても良い。
複数のスロット22は、周方向Cに沿って一定間隔で分散配置されている。各スロット22は、軸方向Lに延びると共に、ステータコア2の軸心Aから放射状に径方向Rに延びるように形成されている。各スロット22は、互いに同じ形状とされており、軸方向L及び径方向Rに延びると共に周方向Cに所定の幅を有する溝状に形成されている。各スロット22の内壁面には、シート状の絶縁部材(図示せず)が設けられている。各スロット22は、径方向R内側に開口(ステータコア2の内周面に開口)する内周開口部22aを有している。各スロット22の内周開口部22aの開口幅は、それより径方向R外側の部分に比べて狭くなっている。すなわち、本実施形態におけるスロット22は、セミオープンスロットとして構成されている。また、各スロット22の径方向R内側端部には、合成樹脂製のシート状部材等からなるウェッジ(図示せず)が、内周開口部22aを閉塞するように配置されている。
複数のティース23は、それぞれ隣接する2つのスロット22の間に形成され、周方向Cに沿って一定間隔で分散配置されている。各ティース23は、互いに同じ形状とされており、軸方向L及び径方向Rに延びると共に周方向Cに所定の幅を有する厚板状に形成されている。本実施形態では、各ティース23は、当該ティース23における周方向Cを向く2つの側面が互いに平行となるように形成されている。すなわち、本実施形態におけるティース23は、平行ティースとして構成されている。
本実施形態では、回転電機は多相交流(本例では三相交流)で駆動される交流電動機である。ステータ1のコイル3は、本例では三相(U相、V相、W相)のそれぞれに対応して、U相コイル、V相コイル、W相コイルに分かれている。これに対応して、ステータコア2には、U相用、V相用、及びW相用のスロット22が、周方向Cに沿って繰り返し現れるように配置されている。本例では、ステータコア2には、各相用のスロット22が、周方向Cに沿って2つずつ繰り返し現れるように配置されている。これに応じて、ステータコア2には、各相用のコイル3が、周方向Cに沿って2つずつ繰り返し現れるように巻装されている。
コイル3は、ステータコア2から当該ステータコア2の軸方向Lに突出するコイルエンド部32を有する。コイルエンド部32は、ステータコア2の異なるスロット22間をつないで当該ステータコア2の周方向Cに延びる複数の渡り部31を備えている。図1に示すように、各渡り部31は、互いに5スロットピッチ離れた2つのスロット22どうしを結ぶように配置されている。また、各渡り部31は、当該渡り部31の両側の2つのスロット22の間に位置する4つのスロット22からそれぞれ延びる他の渡り部31と、軸方向L視、周方向C視、及び径方向R視で重複する部分を有して絡み合うように配置されている。なお、2つの部材の配置に関して「所定方向視で重複する部分を有する」とは、当該所定方向を視線方向として当該視線方向に直交する各方向に視点を移動させた場合に、2つの部材が重なって見える視点が少なくとも一部の領域に存在することを意味する。
渡り部31のそれぞれは、周方向C一方側(図2における時計回り方向側)の端部において同じ周方向C位置にある他の渡り部31に対して径方向R内側に位置すると共に、周方向C他方側(図2における反時計回り方向側)の端部において同じ周方向C位置にある他の渡り部31に対して径方向R外側に位置するように配置されている。各渡り部31は、周方向C一方側から周方向C他方側に向かって径方向R内側から径方向R外側に向かうように配置されており、周方向Cに互いに隣接する2つの渡り部31が、それぞれ径方向R視で一部重なるように配置されている。
その際、複数の渡り部31は、設計上は、軸方向L視でステータコア2の軸心Aから径方向R外側へ向かって延びる複数の渦巻線Sに沿って配置されている。ここで、「渦巻線S」は、渦巻状の平面曲線(平面直線及び平面折線等を含む)である。また、「軸心Aから径方向R外側へ向かって延びる」とは、軸心A側から少なくとも径方向R外側へ向かって延びることを表し、渦巻線Sの仮想延長線が軸心Aを通ることを必須とするわけではない。図2には、軸方向Lから見た複数の渡り部31を模式的に表している。このように、本実施形態に係るコイル3は、複数の渡り部31が軸方向L視で全体として渦巻状に配置されたコイルエンド部(渦巻状コイルエンド部)32を有している。このような渦巻状のコイルエンド部32を有するコイル3を、以下では「渦巻状コイル3」と称する場合がある。なお、本例では渦巻状コイル3が1セットのみ設けられている。
コイル3は、複数の環状導体35により構成されている。環状導体35は、複数本の線状導体34の束で構成されている。なお、線状導体34は、例えば銅やアルミニウム等の金属により構成された線状の導体であり、その表面には樹脂等からなる絶縁皮膜が形成されている。ここで「複数本」とは、線状導体34の延在方向に直交する各断面において複数本となっていることを意味し、線状導体34自体は全体としてつながっていても良い。本実施形態では、3本一組の線状導体34を複数回周回させることにより、複数本の線状導体34の束からなる環状導体35が構成されている。なお、1本の線状導体34やK本一組(Kは2以上の整数を表す)の線状導体34を複数回周回させることにより複数本の線状導体34の束からなる環状導体35を構成しても良い。これら複数の環状導体35により構成されるコイル3の、ステータコア2への巻き方としては、公知の各種方法を用いることができる。本例では、コイル3は、重ね巻かつ分布巻によりステータコア2に巻装されている。
2.コイル挿入装置の構成
本実施形態に係るコイル挿入装置4の構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、コイル挿入装置4は、コイル保持器50と、位置調整器41と、コイル押出器42とを主要な構成として備えている。
コイル保持器50は、コイル3を保持するための部材であり、複数のブレード51を有する。本実施形態では、コイル保持器50は、ステータコア2のティース23と同数のブレード51を有している。各ブレード51は、複数のティース23のそれぞれに対向するように周方向Cに沿って配列されている。各ブレード51は、所定長さ(本例ではステータコア2の軸方向L長さよりも十分に長い)を有して軸方向Lに平行に延びるように棒状に形成されている。これにより、複数のブレード51は、全体として円筒状に配置されている。言い換えれば、コイル保持器50は、軸方向Lに平行に延びるブレード51を円筒面に沿って周方向Cに複数配列してなるブレード群52(図18〜図21を参照)を有している。
互いに隣接する2つのブレード51の間には、周方向Cに一定幅を有する周方向隙間として、引掛隙間53(図4を参照)がそれぞれ形成されている。本実施形態では、ステータコア2のスロット22と同数の引掛隙間53が形成されている。各引掛隙間53は、スロット22の内周開口部22aにそれぞれ連通する。各引掛隙間53には、コイル3を構成する環状導体35の所定部分が挿入されて引き掛けられる。コイル保持器50は、引掛隙間53に引き掛けられた状態の複数の環状導体35を保持可能である。
本実施形態では、コイル保持器50は、複数(本例では2つ)の主保持部57と複数(本例では2つ)の副保持部58とを備えている(図5を参照)。これら複数の主保持部57及び複数の副保持部58は、互いに合体して円筒状になるように構成されている(図18〜図21を参照)。そして、当該合体した状態で、上述したブレード群52(円筒面に沿って周方向Cに配列される複数のブレード51の組)が形成される。また、当該合体した状態で、ブレード群52は、軸第一方向L1側(−Z方向側)の端部において一体的に保持される。一方、軸第二方向L2側(+Z方向側)の端部は、周方向Cに隣接する2つのブレード51間(引掛隙間53)を開放した開放端部とされている。なお、本実施形態では、コイル保持器50はコイル挿入装置4とコイル保持装置5とによって共有されている。
位置調整器41は、複数のブレード51に嵌合して当該ブレード51間の位置関係を調整するための部材である。位置調整器41は、軸方向Lに所定厚さを有する円盤状に形成されている。この円盤状部分の外形は、円筒状に配置された複数のブレード51の内周面に沿っている。位置調整器41は、ブレード51に対して上方(本例では軸第二方向L2側)から懸架されており、所定の駆動機構により軸方向Lに沿って(ブレード51の延在方向に沿って)スライド可能である。
図3に示すように、位置調整器41は、その径方向R外側の端部に、径方向R外側に向かって放射状に突出する複数の突出歯41aを有している。突出歯41aはコイル保持器50の引掛隙間53と同数形成されており、引掛隙間53にそれぞれ挿入される。これにより、位置調整器41は、ブレード51間の周方向Cの距離変動を抑制して周方向Cの位置関係を調整可能である。なお、突出歯41aは、その先端部(本例では径方向R外側の端部)が引掛隙間53を通ってステータコア2の内周開口部22aに至る程度の径方向Rの長さである。
コイル押出器42は、コイル保持器50に保持されたコイル3をステータコア2のスロット22側へ押し出すための部材である。コイル押出器42の本体部は、軸方向Lに所定厚さを有する円盤状に形成されている。この本体部の外形は、円筒状に配置された複数のブレード51の内周面に沿っている。コイル押出器42は、コイル保持器50に保持された状態の複数の環状導体35に対して、軸方向Lでステータコア2とは反対側(軸第一方向L1側)に配置される。
コイル押出器42は、その径方向R外側の端部に、径方向R外側に向かって放射状に突出する複数の押込歯42aを有している。押込歯42aはコイル保持器50の引掛隙間53と同数形成されており、引掛隙間53にそれぞれ挿入される。なお、押込歯42aは、本実施形態では突出歯41aと同様、その先端部(本例では径方向R外側の端部)が引掛隙間53を通ってステータコア2の内周開口部22aに至る程度の径方向Rの長さである。
コイル押出器42は、軸方向Lに沿って(ブレード51の延在方向に沿って)スライド可能である。軸方向Lに沿ってステータコア2側(軸第二方向L2側)に移動するコイル押出器42は、コイル保持器50に保持された状態の複数の環状導体35を押し上げる。その際、各押込歯42aは、環状導体35のうちコイル保持器50の引掛隙間53に挿入された部分及びその周辺部分を、径方向R外側に向かって押し出して対応するスロット22に挿入させる。
ところで、上述したように本実施形態に係るステータ1は、渦巻状コイル3を有する。そのため、複数の環状導体35をコイル保持器50に保持させる際には、渦巻状コイル3のコイルエンド部32の形状に対応するように、各環状導体35をコイル保持器50に配置する必要がある。より具体的には、コイル保持器50に配置された複数の環状導体35の状態(径方向Rから見た状態)を模式的に示す図4のような配置で、各環状導体35をコイル保持器50に配置する必要がある。
すなわち、1つの環状導体35(ここではこれを「特定環状導体35A」とする)に注目して、当該特定環状導体35Aの第一部分35a及び第二部分35bの2箇所が、周方向Cに所定ピッチ離れた2個の引掛隙間53に挿入されてブレード51に対して傾斜した状態で保持される状態とする。本例では、特定環状導体35Aの第一部分35a及び第二部分35bが周方向Cに互いに5ピッチ離れた2個の引掛隙間53(図4には53a,53bと表示)に引き掛けられた状態とされる。このとき、第二部分35bは第一部分35aに対して軸第二方向L2側に配置され、第二部分35bと第一部分35aとをつなぐ連結部分35cは、その延在方向が軸方向L(ブレード51の延在方向)に対して傾斜するように配置される。
特定環状導体35Aとは別の環状導体35(これを「特定環状導体35B」とする)が、上記と同様にしてコイル保持器50に配置される。つまり、特定環状導体35Bは、第一部分35a及び第二部分35bが周方向Cに互いに5ピッチ離れた2個の引掛隙間53(図4には53a’,53b’と表示)に引き掛けられ、連結部分35cの延在方向が軸方向L(ブレード51の延在方向)に対して傾斜するように配置される。その際、本実施形態では、特定環状導体35Bは、特定環状導体35Aが引き掛けられた2個の引掛隙間53a,53bのそれぞれから、周方向Cに2ピッチずつ離れた2個の引掛隙間53a’,53b’に引き掛けられた状態とされる。
2ピッチ間隔で周方向Cに互いに隣接する2つの環状導体35の各組は、上記の特定環状導体35Aと特定環状導体35Bとの関係と同様にしてコイル保持器50に配置される。これにより、渦巻状コイル3を構成する複数の環状導体35のそれぞれは、周方向Cに5ピッチ離れた2個の引掛隙間53に引き掛けられて傾斜した状態で保持されると共に、これら複数の環状導体35は、等ピッチ間隔(本例では2ピッチ間隔)で周方向Cに順に配列される。
この状態では、複数の環状導体35の連結部分35cは、周方向C一方側(本例では図4における右側)から周方向C他方側(本例では図4における左側)に向かって軸第二方向L2側から軸第一方向L1側に向かうように配置される。そして、周方向Cに互いに隣接する2つの連結部分35cが、それぞれ軸方向L視で一部重なるように配置される。また、各環状導体35の連結部分35cは、軸方向L視で当該連結部分35cと重複する位置に配置された他の環状導体35の第一部分35aに対して軸第二方向L2側を通るように配置される。各環状導体35の第二部分35bは、軸方向L視で当該第二部分35bと重複する位置に配置された他の環状導体35の連結部分35c及び各第一部分35aに対して軸第二方向L2側を通るように配置される。
ここで、各環状導体35を単純にコイル保持器50の開放端部側(軸第二方向L2側)からそれぞれの引掛隙間53に軸方向Lに挿入するだけでは、上述した態様で複数の環状導体35をコイル保持器50に保持させることができない。これは、先に挿入されて既にコイル保持器50に保持されている環状導体35のうちの2つ(特定環状導体35A及び特定環状導体35B)と、挿入開始地点から一巡して最後に挿入される2つの環状導体35(図4には35C,35Dと表示)とが、互いに干渉してしまうためである。すなわち、先に挿入された環状導体35A,35Bの連結部分35cによって遮られるため、最後に挿入される環状導体35C,35Dの第一部分35aを、環状導体35A,35Bの連結部分35cよりも引掛隙間53の奥側(軸第一方向L1側)へと進入させることができない。そこで、本実施形態では、複数の環状導体35をコイル保持器50に保持させるに際して、本願特有のコイル保持装置5を利用している。
3.コイル保持装置の構成
本実施形態に係るコイル保持装置5の構成について、図5〜図7を参照して説明する。これらの図に示すように、コイル保持装置5は、コイル挿入装置4と共有されたコイル保持器50と、移動機構60と、仮保持機構70とを主要な構成として備えている。なお、図5はコイル保持装置5をZ方向から見た平面図であり、図6はコイル保持装置5をY方向(−Y方向側)から見た図(正面図)である。図7はコイル保持装置5をX方向(+X方向側)から見た図(側面図)であり、主保持部57における一部(左半分)のブレード51に関しては図示を省略している。
上述したように、コイル保持器50は、複数の主保持部57と複数の副保持部58とを備えており、これらは互いに合体して円筒状になるように構成されている(図18〜図21を参照)。また、当該合体した状態で、軸方向Lに平行に延びるブレード51を円筒面に沿って周方向Cに複数配列してなるブレード群52が形成される。本実施形態では、ブレード群52を構成する複数のブレード51は、複数(本例では2つ)の主保持部57及び複数(本例では2つ)の副保持部58により分割して保持されている。言い換えれば、複数の主保持部57及び複数の副保持部58はそれぞれ、円筒状に合体した状態でのコイル保持器50の周方向Cの一部分である。
図5及び図6に示すように、副保持部58は、それぞれ周方向Cに並んで配置された4つのブレード51を保持している。本例において2つの副保持部58は、Z方向視(軸方向L視)で軸心Aに対して互いに点対称となる位置関係で配置されている。本例では、2つの副保持部58は、所定間隔を空けて互いにY方向に並び、かつ、これらを結ぶ仮想直線が軸心Aを通るように配置されている。また本実施形態では、図5〜図7に示すように、2つの副保持部58は、それぞれ−Z方向側の端部で、円筒状に形成された1つの円筒状連結部59により一体的に固定されている。
主保持部57はそれぞれ、ブレード群52を構成するブレード51の個数の半分から、各副保持部58が保持する4つを差し引いた個数分のブレード51を保持している。本例において2つの主保持部57は、Z方向視で軸心Aに対して互いに点対称となる位置関係で配置されている。本例では、2つの主保持部57は、2つの副保持部58をX方向の両側から挟むように、所定間隔を空けて互いにX方向に並んで配置されている。なお、以下では、これら2つの主保持部57を、必要に応じて符号「57A」,「57B」を用いて区別する場合がある。本実施形態では、2つの主保持部57は、図5〜図7に示すように、−Z方向側(軸第一方向L1側)の端部で、平板状に形成された基台55にそれぞれ固定されている。
移動機構60は、少なくとも主保持部57と副保持部58とを相対移動可能とするための機構である。本実施形態では、移動機構60には、複数の主保持部57どうしを相対移動させてこれらの間の相対位置関係を変更可能な第一移動機構61と、2つの副保持部58が固定された円筒状連結部59を移動させて複数の主保持部57との間の相対位置関係を変更可能な第二移動機構66とが含まれる。
図5〜図7に示すように、第一移動機構61は、X方向に沿って配設された2本のガイドレール63と、これら2本のガイドレール63に対してそれぞれ摺動するように基台55の−Z方向側の面にそれぞれに設けられた摺動部62とにより構成されている。この第一移動機構61により、基台55にそれぞれ固定された主保持部57は、ガイドレール63に沿って移動可能である。本実施形態では、2つの主保持部57は、軸心Aを通りかつX方向に直交する平面に対して対照状に、互いに近接し又は互いに離間するようにX方向に相対移動可能である(図18及び図19を参照)。なお、本実施形態では、第一移動機構61は、主保持部57をZ方向及びY方向には移動させない。2つの主保持部57A,57BがX方向に最も近接して配置された状態では、これらが保持する複数のブレード51のうちの周方向Cの両端部に配置されたものどうしのX方向の隙間に、各副保持部58が保持する4つのブレード51に相当する分の空間が形成される。
第二移動機構66は、例えば円筒状連結部59からZ方向に沿って延びる駆動軸67と、この駆動軸67に連結された所定の駆動機構とにより構成することができる。この第二移動機構66により、駆動軸67に連結された円筒状連結部59(副保持部58)はZ方向に沿って移動可能である。これにより、副保持部58は、主保持部57に対してZ方向に相対移動可能である(図20及び図21を参照)。なお、本実施形態では、第二移動機構66は、副保持部58をX方向及びY方向には移動させない。副保持部58が所定の可動範囲内で最も+Z方向側に移動した状態で、当該副保持部58は、上記の主保持部57A,57Bどうしの間のX方向の隙間空間に配置される。また、副保持部58のブレード51は、主保持部57のブレード51と同じZ方向位置に配置される。すなわち、副保持部58のブレード51は、主保持部57のブレード51とZ方向の両端部の位置がそれぞれ揃うように配置される。
このように、移動機構60(第一移動機構61及び第二移動機構66)により、複数の主保持部57及び複数の副保持部58は、互いに合体可能であり、また、互いに分離可能である。
仮保持機構70は、少なくとも主保持部57と副保持部58とが分離している状態で、主保持部57に保持された環状導体35のうち、当該主保持部57から周方向Cにはみ出す部分(はみだし部分35d)を一時的に保持するための機構である(図9〜図11を参照)。本実施形態では、このような仮保持機構70は、複数(本例では主保持部57の個数に対応して2組)設けられている。これら2組の仮保持機構70は、主保持部57と同じZ方向位置(軸方向L位置)において当該主保持部57と周方向Cに並んで配置される仮保持ホルダ72をそれぞれ有する。この仮保持ホルダ72には、主保持部57と同じ径方向R位置に配置された第一仮保持ホルダ73と、主保持部57とは異なる径方向R位置に配置された第二仮保持ホルダ74とが含まれる。また、2組の仮保持機構70は、主保持部57に対して+Z方向側(軸第二方向L2側)に配置される仮保持レシーバ76を、それぞれ更に有する。
第一仮保持ホルダ73は、主保持部57と同じ径方向R位置において、主保持部57に対してそれぞれ周方向C一方側(図5の例では時計回り方向側)に並んで配置されている。第一仮保持ホルダ73は、複数(本例では3つ)のブレード73aをそれぞれ有している。図6及び図7に示すように、第一仮保持ホルダ73のブレード73aは、主保持部57のブレード51と同じZ方向位置に配置されている。すなわち、ブレード73aとブレード51とは、Z方向の両端部の位置がそれぞれ揃うように配置されている。本実施形態では、第一仮保持ホルダ73のブレード73aは、主保持部57のブレード51よりも広い(およそ2つのブレード51に相当する分の)周方向C幅を有している。第一仮保持ホルダ73は、隣接するブレード73a間の隙間で、第一部分35aが主保持部57に保持された環状導体35のはみだし部分35dを保持可能である(図9及び図10を参照)。また、本実施形態では、第一仮保持ホルダ73は、所定の駆動機構により、Z方向に沿って移動可能に構成されている。
第二仮保持ホルダ74は、主保持部57に対して径方向R外側において、主保持部57に対してそれぞれ周方向C他方側(図5の例では反時計回り方向側)に並んで配置されている。第二仮保持ホルダ74は、複数(本例では4つ)のブレード74aをそれぞれ有している。図6及び図7に示すように、第二仮保持ホルダ74のブレード74aは、少なくとも当該ブレード74aから見て主保持部57のブレード51と同じX方向位置に配置されている。本例では、ブレード74aは、その+Z方向側の端部がブレード51の+Z方向側の端部よりも−Z方向側に位置し、その−Z方向側の端部がブレード51の−Z方向側の端部よりも+Z方向側に位置するように配置されている。本実施形態では、第二仮保持ホルダ74のブレード74aは、主保持部57のブレード51よりも広く、第一仮保持ホルダ73のブレード73aよりも狭い周方向C幅を有している。第二仮保持ホルダ74は、隣接するブレード74a間の隙間で、第二部分35bが主保持部57に保持された環状導体35のはみだし部分35dを保持可能である(図9及び図10を参照)。また、本実施形態では、第二仮保持ホルダ74は、所定の駆動機構により、Z方向に沿って移動可能に構成されている。なお、第一仮保持ホルダ73と第二仮保持ホルダ74とは、互いに独立して移動可能である。
仮保持レシーバ76は、主保持部57に対して径方向R外側かつ+Z方向側の位置に配置されている。仮保持レシーバ76は、2枚一組の引掛爪76aを複数組(本例では3組)、それぞれ有している。図5及び図6に示すように、仮保持レシーバ76は、3組の引掛爪76aのX方向の位置が、第一仮保持ホルダ73のブレード73a間の2つの隙間及び第一仮保持ホルダ73のブレード73aと主保持部57のブレード51との間の隙間のX方向の位置に概ね一致する位置に配置されている。本実施形態では、仮保持レシーバ76は、所定の駆動機構により、Y方向及びZ方向に沿って移動可能に構成されている。そして、仮保持レシーバ76は、主保持部57の周方向C両端部に対応するY方向位置に配置されている状態で−Z方向側(軸第一方向L1側)に向かって移動することで、第一仮保持ホルダ73によって保持された環状導体35のはみだし部分35dを、+Z方向側(軸第二方向L2側)から受け取ることが可能である。なお、以下では、2組の仮保持機構70が有する仮保持レシーバ76を、必要に応じて符号「76A」,「76B」を用いて区別する場合がある。
4.コイル保持器に対する環状導体のセット方法(コイル保持方法)
上述したコイル保持装置5を用いて行われる、コイル保持器50に対する環状導体35のセット方法について、図8〜図25を参照して説明する。図8に示すように、本実施形態では、導体配置工程P1、仮保持レシーバ受取工程P2、第一仮保持ホルダ移動工程P3、主保持部合体工程P4、副保持部合体工程P5、及び仮保持機構移動工程P6を経て、コイル保持器50に複数の環状導体35がセットされる。これらの各工程P1〜P6は、記載の順に実行される。以下、各工程について順に説明する。
4−1.導体配置工程
導体配置工程P1は、主保持部57と副保持部58とが分離している状態で、主保持部57に複数の環状導体35を配置する工程である。ここで、複数の主保持部57は、それぞれコイル保持器50の周方向Cの一部分であり、全周に亘って連続している訳ではない。よって、第一部分35a及び第二部分35bが周方向Cに5ピッチ離れた2個の引掛隙間53に挿入されてブレード51に対して傾斜した状態で保持されると共に、等ピッチ間隔(本例では2ピッチ間隔)で周方向Cに順に配列されるように、複数の環状導体35を主保持部57に保持させることができる。言い換えれば、渦巻状コイル3のコイルエンド部32の周方向Cの一部に対応する態様で、複数の環状導体35を主保持部57にそれぞれ保持させることができる。
但し、図9及び図10に示すように、主保持部57に保持された環状導体35のうちのいくつか(本例では主保持部57の周方向C両側の2つずつ)は、当該主保持部57から周方向Cにはみ出す部分(はみだし部分35d)を有することになる。このようなはみだし部分35dを有する環状導体35は、第一部分35a及び第二部分35bの双方が主保持部57の引掛隙間53に挿入された環状導体35と比較して位置安定性に劣る可能性がある。
そこで、本実施形態では、仮保持機構70が有する第一仮保持ホルダ73及び第二仮保持ホルダ74により、そのようなはみだし部分35dを一時的に保持する。具体的には、主保持部57に第一部分35aが保持された環状導体35のはみだし部分35dを、第一仮保持ホルダ73が一時的に保持する。このとき、はみだし部分35dを有する環状導体35は、第一仮保持ホルダ73に保持された部分が第一部分35aに対して+Z方向側に配置され、その延在方向がZ方向に対して傾斜するように配置される。また、主保持部57に第二部分35bが保持された環状導体35のはみだし部分35dを、第二仮保持ホルダ74が一時的に保持する。このとき、はみだし部分35dを有する環状導体35は、第二仮保持ホルダ74に保持された部分が第二部分35bに対して−Z方向側に配置され、その延在方向がZ方向に対して傾斜するように配置される。このように第一仮保持ホルダ73及び第二仮保持ホルダ74を用いることで、上記の態様での複数の環状導体35の主保持部57への保持を、適切に維持させることができる。これにより、はみだし部分35dを有する環状導体35の位置安定性を向上させることができる。例えば、はみだし部分35dを有する環状導体35の、位置ずれや主保持部57からの脱落等を抑制することができる。
なお、副保持部58は、図10及び図11に示すように、当該副保持部58のブレード51の全体が主保持部57のブレード51よりも−Z方向側となる位置に配置されて待機される。本例では、副保持部58のブレード51の+Z方向側の端部のZ方向位置が主保持部57のブレード51の−Z方向側の端部のZ方向位置に概ね一致する位置に、副保持部58が配置される。
4−2.仮保持レシーバ受取工程
仮保持レシーバ受取工程P2は、仮保持ホルダ72(本例では第一仮保持ホルダ73)によって保持された環状導体35を仮保持レシーバ76により受け取る工程である。本実施形態では、仮保持レシーバ受取工程P2は二段階で実行される。第一段階では、図12及び図13に示すように、仮保持レシーバ76はY方向に沿って移動する。本実施形態では、仮保持レシーバ76は、主保持部57に対して径方向R外側(主保持部57の周方向Cの中央部のY方向位置を基準として第一仮保持ホルダ73とは反対側)のY方向位置から、第一仮保持ホルダ73と同じY方向位置まで移動する。仮保持レシーバ76Aは、第一仮保持ホルダ73よりも−Y方向側の位置から+Y方向側に向かって移動する。仮保持レシーバ76Bは、第一仮保持ホルダ73よりも+Y方向側の位置から−Y方向側に向かって移動する。
仮保持レシーバ受取工程P2の第二段階では、図14及び図15に示すように、仮保持レシーバ76はZ方向に沿って移動する。本実施形態では、仮保持レシーバ76は、主保持部57のブレード51及び第一仮保持ホルダ73のブレード73aよりも+Z方向側の位置から、−Z方向側に向かって移動する。仮保持レシーバ76は、その引掛爪76aと第一仮保持ホルダ73のブレード73aとがY方向視で互いに部分的に重複するZ方向位置まで移動する。本例では、図15に示すように、仮保持レシーバ76は、その引掛爪76aの−Z方向側の端部が環状導体35のうち第一仮保持ホルダ73に保持された部分よりも更に−Z方向側となるZ方向位置まで移動する。
仮保持レシーバ76は、第一仮保持ホルダ73によって保持された環状導体35を、主保持部57及び第一仮保持ホルダ73に対して+Z方向側(軸第二方向L2側)から受け取る。図14及び図15に示すように、仮保持レシーバ76は、2枚一組の引掛爪76aどうしの間で、環状導体35のうち第一仮保持ホルダ73に保持された部分の周辺部をそれぞれ挟持することにより、その環状導体35を受け取って保持する。なお、仮保持レシーバ76は、図15に示すように、主保持部57のブレード51及び第一仮保持ホルダ73のブレード73aに対して径方向R外側の位置で環状導体35を保持する。本例では、仮保持レシーバ76は、第二仮保持ホルダ74のブレード74aと同じ径方向R位置で環状導体35を保持する。
4−3.第一仮保持ホルダ移動工程
第一仮保持ホルダ移動工程P3は、仮保持レシーバ76が環状導体35を保持している状態で第一仮保持ホルダ73を移動させる工程である。第一仮保持ホルダ移動工程P3では、図16及び図17に示すように、第一仮保持ホルダ73はZ方向に沿って移動する。本実施形態では、第一仮保持ホルダ73は、主保持部57のブレード51と同じZ方向位置から、主保持部57よりも−Z方向側の位置まで、−Z方向側に向かって移動する。すなわち、第一仮保持ホルダ73は、主保持部57とは異なるZ方向位置まで移動し、互いに合体可能に構成された主保持部57A,57Bに対して当該合体を妨害しないZ方向位置(軸方向L位置)まで退避する。
第一仮保持ホルダ73の−Z方向側への移動に伴い、隣接するブレード73a間の隙間から環状導体35が離脱し、第一仮保持ホルダ73による環状導体35の仮保持状態は解除される。しかし、この場合であっても、はみだし部分35dを有する環状導体35を仮保持レシーバ76が保持しているので、渦巻状コイル3のコイルエンド部32の周方向Cの一部に対応する態様での複数の環状導体35の配置が、適切に維持される。
4−4.主保持部合体工程
主保持部合体工程P4は、主保持部57よりも−Z方向側の位置に第一仮保持ホルダ73が退避している状態で複数の主保持部57を合体させる工程である。主保持部合体工程P4では、図18及び図19に示すように、第一移動機構61により、複数の主保持部57は、X方向に互いに離間した状態から近接するように、X方向に沿って相対移動する。すなわち、主保持部57Aが−X方向側に向かって移動すると共に主保持部57Bが+X方向側に向かって移動し、これらが合体する。なお、第一仮保持ホルダ移動工程P3において第一仮保持ホルダ73が既に主保持部57とは異なるZ方向位置に移動している。また、第二仮保持ホルダ74は当初から主保持部57とは異なる径方向R位置に配置されている。そのため、主保持部57A,57Bは第一仮保持ホルダ73及び第二仮保持ホルダ74のいずれによっても妨害されることなく、互いに合体可能である。
主保持部合体工程P4では、複数の環状導体35を保持した主保持部57A,57Bは、X方向に沿って平行移動し、Z方向には移動しない。そのため、主保持部57Aに第一部分35aが保持された環状導体35のはみだし部分35dと主保持部57Bに第二部分35bが保持された環状導体35のはみだし部分35dとの間、及び主保持部57Aに第二部分35bが保持された環状導体35のはみだし部分35dと主保持部57Bに第一部分35aが保持された環状導体35のはみだし部分35dとの間で、それぞれ干渉を生じさせることなく複数の環状導体35を配置させることができる。よって、周方向Cの全体に亘って、渦巻状コイル3のコイルエンド部32の形状に対応する態様で複数の環状導体35を配置させることができる。なお、この状態で、上述したように、主保持部57A,57Bが保持する複数のブレード51のうちの周方向Cの両端部に配置されるものどうしのX方向の隙間に、副保持部58が保持している4つのブレード51に相当する分の空間が形成される。
4−5.副保持部合体工程
副保持部合体工程P5は、主保持部57A,57Bが互いに合体している状態で、これらに対して副保持部58を更に合体させる工程である。副保持部合体工程P5では、図20及び図21に示すように、第二移動機構66により、円筒状連結部59により一体的に連結された複数の副保持部58はZ方向に沿って移動する。本実施形態では、主保持部57のブレード51に対して−Z方向側で待機していた副保持部58は、+Z方向側に向かって、当該副保持部58のブレード51と主保持部57のブレード51とが完全に同じZ方向位置となる位置まで移動する。その際、副保持部58は、主保持部57A,57Bが保持する複数のブレード51のうちの周方向Cの両端部に配置されたものどうしのX方向の隙間に配置される。このようにして、副保持部58は、開放端部側から+Z方向側に向かって移動し、主保持部57A,57Bに合体する。これらが合体した状態で、主保持部57の複数のブレード51及び副保持部58の複数のブレード51の集合体として、ブレード群52が形成される。なお、仮保持レシーバ76は主保持部57に対して+Z方向側から環状導体35を受け取って保持しているので、主保持部57に対する副保持部58の合体が仮保持レシーバ76によって妨害されることはない。
副保持部58は、主保持部57と副保持部58とが合体した状態で、仮保持機構70(本実施形態では第二仮保持ホルダ74及び仮保持レシーバ76)によって保持された環状導体35のはみだし部分35dを保持する。具体的には、副保持部58は、第二仮保持ホルダ74によって保持された環状導体35のはみだし部分35dを、当該環状導体35の第一部分35aとして保持する。また、副保持部58は、仮保持レシーバ76によって保持された環状導体35のはみだし部分35dを、当該環状導体35の第二部分35bとして保持する。このようにして、複数の主保持部57及び複数の副保持部58の集合体からなるコイル保持器50に、渦巻状コイル3のコイルエンド部32の形状に対応する態様で、複数の環状導体35を適切に保持させることができる。
4−6.仮保持機構移動工程
仮保持機構移動工程P6は、主保持部57と副保持部58とが合体して複数の環状導体35を保持している状態で、仮保持機構70(本実施形態では第二仮保持ホルダ74及び仮保持レシーバ76)を移動させる工程である。本実施形態では、仮保持機構移動工程P6は二段階で実行される。第一段階では、図22及び図23に示すように、第二仮保持ホルダ74及び仮保持レシーバ76の双方がZ方向に沿って移動する。本実施形態では、第二仮保持ホルダ74と仮保持レシーバ76とは、Z方向に互いに離間するようにZ方向に沿って相対移動する。本例では、第二仮保持ホルダ74は、ブレード51の基端部(−Z方向側の端部)付近まで、−Z方向側に向かって移動する。このようなZ方向位置に配置される第二仮保持ホルダ74は、その後コイル挿入装置4にステータコア2が装着される際に、当該ステータコア2の装着を妨害することはない。一方、仮保持レシーバ76は、主保持部57のブレード51及び副保持部58のブレード51よりも+Z方向側の位置まで、+Z方向側に向かって移動する。
仮保持機構移動工程P6の第二段階では、図24及び図25に示すように、仮保持レシーバ76のみがY方向に沿って移動する。このとき第二仮保持ホルダ74は移動しない。仮保持レシーバ76は、主保持部57の周方向C一方側(本例では時計周り方向側)の端部と同じY方向位置から、主保持部57に対して径方向R外側(主保持部57の周方向Cの中央部のY方向位置を基準として副保持部58とは反対側)のY方向位置まで移動する。仮保持レシーバ76Aは、主保持部57及び副保持部58よりも−Y方向側の位置まで、−Y方向側に向かって移動する。仮保持レシーバ76Bは、主保持部57及び副保持部58よりも+Y方向側の位置まで、+Y方向側に向かって移動する。このようなY方向位置に配置される仮保持レシーバ76A,76Bは、その後コイル挿入装置4にステータコア2が装着される際に当該ステータコア2の装着を妨害することはない。
5.ステータ製造方法
以上のようにして複数の環状導体35が保持されたコイル保持器50を用いて、コイル挿入装置4により、コイル3をステータコア2に巻装してステータ1を製造する。すなわち、コイル保持器50に複数の環状導体35が保持されている状態で、コイル挿入装置4の所定位置にステータコア2を装着する。そして、図26に示すように、コイル押出器42を軸方向Lに沿ってコイル保持器50の開放端部側(軸第二方向L2側)に向かって移動させる。これにより、各環状導体35の第一部分35a及び第二部分35b並びにその周辺部分をスロット22に挿入する。また、これと同時に、各環状導体35の連結部分35cを、ステータコア2から軸方向Lに突出する位置(ステータコア2に対して軸第二方向L2側となる位置)に配置させる。その後、各環状導体35の連結部分35cを径方向R外側に押し広げるように変形させる。複数の連結部分35cは、最終的に渦巻状コイル3のコイルエンド部32を構成する複数の渡り部31(図1及び図2を参照)となる。その後、コイル3が巻装された状態のステータコア2がコイル挿入装置4から取り外され、本実施形態に係るステータ1が完成する。
6.その他の実施形態
最後に、本発明に係るコイル保持装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、2つの主保持部57と2つの副保持部58とが互いに合体して円筒状になる構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、N(ここで、Nは3以上の自然数である)個の主保持部57とN個の副保持部58とが互いに合体して円筒状になる構成としても良い。この場合、複数の主保持部57は、Z方向に直交する平面において、その個数Nに応じて軸心Aから「360°/N」の中心角で均等に放射状に延びるN個の仮想軸に沿って互いに近接及び離間するように相対移動可能に構成される。Z方向に直交する平面における仮保持機構70(第一仮保持ホルダ73、第二仮保持ホルダ74、及び仮保持レシーバ76を含む)の配置及び移動等に関する構成は、複数の主保持部57の配置及び移動等に応じたものとなる。なお、コイル保持装置5の各構成要素の、Z方向における配置及び移動等に関する構成は、上記の実施形態と同様である。
(2)上記の実施形態では、各環状導体35の第一部分35a及び第二部分35bが周方向Cに互いに5ピッチ離れた2個の引掛隙間53に引き掛けられる構成を例として説明した。これにより、各相用のコイル3が周方向Cに沿って2つずつ繰り返し現れるようにステータコア2に巻装された構成のステータ1を製造した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、各環状導体35の第一部分35a及び第二部分35bが周方向Cに互いに3ピッチ離れた2個の引掛隙間53に引き掛けられる構成としても良い。この場合、各相用のコイル3が周方向Cに沿って1つずつ繰り返し現れるようにステータコア2に巻装された構成のステータ1を製造することができる。これら以外にも、各環状導体35の第一部分35aと第二部分35bとが挿入される一組の引掛隙間53の間のピッチ数は、ステータコア2に対する各相のコイル3の巻装態様に応じて異ならせることができる。
(3)上記の実施形態では、第一仮保持ホルダ73が主保持部57と同じ径方向R位置に配置されていると共に、第二仮保持ホルダ74が主保持部57とは異なる径方向R位置に配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば第一仮保持ホルダ73が主保持部57とは異なる径方向R位置に配置されていると共に、第二仮保持ホルダ74が主保持部57と同じ径方向R位置に配置された構成としても良い。この場合、主保持部57A,57Bが合体する前に、主保持部57とは異なるZ方向位置に第二仮保持ホルダ74が移動される。
また、第一仮保持ホルダ73及び第二仮保持ホルダ74の双方が主保持部57と同じ径方向R位置に配置された構成としても良い。このようにすれば、環状導体35の全てのはみだし部分35dを、主保持部57と同じ径方向R位置で確実に保持することができるという利点がある。この場合、主保持部57A,57Bが合体する前に、主保持部57とは異なるZ方向位置に第一仮保持ホルダ73及び第二仮保持ホルダ74がそれぞれ移動される。
或いは、第一仮保持ホルダ73及び第二仮保持ホルダ74の双方が主保持部57とは異なる径方向R位置に配置された構成としても良い。この場合、第一仮保持ホルダ73及び第二仮保持ホルダ74は、いずれも主保持部57A,57Bが合体するのを妨害することにはならない。そのため、少なくとも第一仮保持ホルダ73と第二仮保持ホルダ74との干渉を回避可能とすれば主保持部57A,57Bを適切に合体可能とでき、そのための機構を比較的簡素化することができるという利点がある。
(4)上記の実施形態では、仮保持レシーバ受取工程P2及び仮保持機構移動工程P6において、仮保持レシーバ76が二段階で移動する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、これらの工程P2,P6の一方又は双方において、仮保持レシーバ76が一段階で移動する構成としても良い。すなわち、第一仮保持ホルダ73に仮保持された環状導体35を適切に受け取り、或いは、副保持部58に保持された環状導体35を離脱させない範囲内で、仮保持レシーバ76がY方向及びZ方向に同時並行的に移動する構成としても良い。
(5)上記の実施形態では、移動機構60が第一移動機構61と第二移動機構66とにより構成される例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、移動機構60は少なくとも複数の主保持部57と複数の副保持部58とを相対移動可能とするものであれば良く、複数の主保持部57が所定位置(上記の実施形態における主保持部合体工程P4の後の位置)に固定されると共に移動機構60が第二移動機構66のみにより構成されても良い。この場合であっても、複数の主保持部57はそれぞれ全周に亘って連続する訳ではないので、渦巻状コイル3のコイルエンド部32の周方向Cの一部の形状に対応する態様で複数の環状導体35を配置することができる。結果、最終的にコイル保持器50に複数の環状導体35を適切に保持することができる。また、上記の実施形態では、第一移動機構61が複数のガイドレール63と複数の摺動部62とにより構成されると共に、第二移動機構66が複数の駆動軸67と所定の駆動機構とにより構成される例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、移動機構60の具体的構成は任意であり、複数の主保持部57及び複数の副保持部58を互いに合体可能とし、分離可能とする各種の機構を採用することができる。なお、複数の副保持部58が円筒状連結部59により連結されて一体的に移動するのではなく、複数の副保持部58が個別に移動可能に構成されても良い。
(6)上記の実施形態では、コイル3が重ね巻かつ分布巻によりステータコア2に巻装された構成のステータ1の製造を例として説明した。しかし、本発明の適用対象はこれに限定されない。例えば、コイル3が重ね巻に代えて波巻によりステータコア2に巻装された構成のステータ1や、分布巻に代えて集中巻によりステータコア2に巻装された構成のステータ1の製造のための前処理(コイル保持器50に対する複数の環状導体35の配置)に対しても、本発明の適用が妨げられることはない。
(7)上記の実施形態では、インナーロータ型の回転電機用のステータ1の製造を例として説明した。しかし、本発明の適用対象はこれに限定されない。すなわち、アウターロータ型の回転電機用のステータ1の製造のための前処理に対しても、本発明を適用することができる。
(8)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関しては、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、回転電機用のコイルを構成する複数の環状導体を保持する円筒状のコイル保持器を備えたコイル保持装置に好適に利用することができる。
3 コイル
5 コイル保持装置
35 環状導体
35a 第一部分
35b 第二部分
35d はみだし部分
50 コイル保持器
51 ブレード
52 ブレード群
53 引掛隙間
57 主保持部
58 副保持部
60 移動機構
61 第一移動機構
66 第二移動機構
70 仮保持機構
72 仮保持ホルダ
73 第一仮保持ホルダ
74 第二仮保持ホルダ
76 仮保持レシーバ
C 周方向
L 軸方向
L1 軸第一方向
L2 軸第二方向
R 径方向

Claims (3)

  1. 回転電機用のコイルを構成する複数の環状導体を保持する円筒状のコイル保持器を備えたコイル保持装置であって、
    前記コイル保持器は、複数の主保持部と複数の副保持部とが合体して円筒状になるように構成されており、当該合体した状態で、軸方向に平行に延びるブレードを円筒面に沿って周方向に複数配列してなるブレード群を有すると共に、軸方向一方側である軸第一方向側の端部において前記ブレード群が一体的に保持され、軸方向他方側である軸第二方向側の端部が前記ブレード間を開放した開放端部とされ、隣接する前記ブレード間のそれぞれに引掛隙間が形成され、
    前記ブレード群は、前記環状導体を保持する際に、前記環状導体のそれぞれの2箇所が、周方向に所定ピッチ離れた2個の前記引掛隙間に挿入されて前記ブレードに対して傾斜した状態で保持されると共に、複数の前記環状導体が等ピッチ間隔で周方向に順に配列されるように構成され、
    前記ブレード群を構成する複数の前記ブレードが、複数の前記主保持部及び複数の前記副保持部により分割して保持され、
    前記主保持部と前記副保持部とが分離している状態で、前記主保持部に保持された前記環状導体のうち前記主保持部から周方向にはみ出すはみだし部分を一時的に保持する複数の仮保持機構と、
    複数の前記主保持部及び複数の前記副保持部が互いに合体及び分離するように、少なくとも前記主保持部と前記副保持部とを相対移動可能とする移動機構と、を更に備え、
    前記副保持部が、前記移動機構により前記主保持部に対して前記軸第一方向側の位置から前記軸第二方向側に向かって相対移動し、前記主保持部に合体した状態で前記仮保持機構によって保持された前記環状導体の前記はみだし部分を保持するように構成されているコイル保持装置。
  2. 複数の前記仮保持機構が、
    前記主保持部と同じ軸方向位置において当該主保持部と周方向に並んで配置され、前記環状導体の前記はみだし部分を保持する仮保持ホルダと、
    前記仮保持ホルダによって保持された前記環状導体を、前記主保持部に対して前記軸第二方向側から受け取る仮保持レシーバと、
    をそれぞれ有する請求項1に記載のコイル保持装置。
  3. 前記環状導体は、それぞれ第一部分及び第二部分の2箇所が前記引掛隙間に挿入され、
    前記仮保持ホルダは、前記第一部分が前記主保持部に保持された前記環状導体の前記はみだし部分を保持する第一仮保持ホルダと、前記第二部分が前記主保持部に保持された前記環状導体の前記はみだし部分を保持する第二仮保持ホルダと、を更に有し、
    前記第一仮保持ホルダ及び前記第二仮保持ホルダの、いずれか一方が前記主保持部と同じ径方向位置に配置されていると共にいずれか他方が前記主保持部とは異なる径方向位置に配置され、
    前記移動機構は、複数の前記主保持部どうしが互いに合体及び分離するように、これらを相対移動可能に構成され、
    複数の前記主保持部どうしが分離している状態で、前記第一仮保持ホルダ及び前記第二仮保持ホルダのうちの少なくとも前記主保持部と同じ径方向位置に配置されるものが、前記主保持部とは異なる軸方向位置に移動可能に構成されている請求項2に記載のコイル保持装置。
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