JP5692793B2 - プレスフィット端子 - Google Patents

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Description

本発明はプレスフィット端子に関するものであり、詳しくは保持強度に優れた圧入部を備えたプレスフィット端子に関するものである。
電子部品を回路基板に接続する技術としてプレスフィット端子による方法がある。回路基板の配線パターン上に開けられた貫通孔に、導電性材料からなるプレスフィット端子の圧入部が圧入されて、電子部品は回路基板に電気的機械的に接続される。圧入部は圧入方向に延びた両端が閉じられた一対の弾性脚部からなり、この弾性脚部の弾性変形による反発力が貫通孔内周面に作用することで保持力を得る。
圧入部と貫通孔間の保持力を持続的に安定化させることが機器の品質や信頼性の向上につながる。保持力を大きくして機器の信頼性を向上させる技術として特許文献1記載の技術が知られている。これによると、一対の弾性脚部において、スリット(空間部)を介して向かい合う弾性脚部の内縁に突起状の補助支点部を設けて、保持力の強化を図るものである。
補助支点部は、圧入方向の中間位置よりも下方側の弾性脚部の内縁に備わる。補助支点部の圧入動作における働きは、新たな支点の形成による保持力の強化である。新たな支点の形成で、形成前に比べて支点と作用点間距離が縮まることで、作用点における反発力が増大するというものである。プレスフィット端子が貫通孔に圧入される過程で、圧入方向に沿って延びる一対の弾性脚部は、圧入方向に直交する方向に沿って互いに接近するように変形する。このとき変形初期の弾性脚部の支点は弾性脚部の両端部である。圧入量の増加に応じて弾性脚部の変形量が増大し、所定の量に達すると、弾性脚部内縁の最も先端に備わる補助支点部同士が接触する。接触段階以降の圧入動作において、補助支点部は互いの変形を支持するように働き、新たに形成された接点が以後の変形時の支点として作用する。
新たな支点の形成によって、元の支点に比べて作用部(弾性脚部の外縁と貫通孔の内周面との接点)からの距離が縮まるとともに、弾性脚部の変形量には、支点の移動前後で変化はないので、作用部に作用する反発力(保持力)は強化されることとなる。また、新たな支点の形成以降に圧入工程(圧入作業)は終了するので、圧入工程の終了間際に圧入力が増加することとなる。
特開2005−259502号公報
このような、一対の弾性脚部内縁に補助支点部を備えて保持力を強化する特許文献1記載の技術は、支点、作用点間距離が縮められるようにして新たな支点が形成され、そこを支点にして保持力が作用するので、元の支点の保持力に比べて大きな力を作用させるものではある。
しかし、夫々の補助支点部同士が対向しその板厚面同士で接点を形成することを効果発現の条件とする特許文献1記載の技術では、新たな支点の形成によって保持力の強化は図ら
れるにしても、同時に圧入動作における挿入力の増加をも伴うものであって、作業性の低下を招くものである。
更に、薄い板厚の金属板を打ち抜いて形成されるプレスフィット端子であって、補助支点部の板厚面同士の接点形成が条件とされる新たな支点の形成は、極めて許容バラツキの小さい範囲で成立するものであって、実際の作業工程を想定するとこの条件から外れる場合が少なからず発生し、製品の品質や作業性に影響を及ぼすおそれが多分に予測されるものである。
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、回路基板の貫通孔にプレスフィット端子を圧入する際に、圧入作業時の挿入力を増加させることなく、圧入完了姿勢で持続的に安定した保持力が発生するプレスフィット端子を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明においては、プレスフィット端子の圧入部に備わる一対の弾性脚部の圧入方向に沿った中間帯に、圧入方向に直交する方向に沿って立ち上がる起伏部を設け、弾性脚部の中間帯の幅を他の部分の幅に比べて広くした構造としている。
これによって、弾性脚部の中間帯の剛性が強化され、圧入によって弾性変形した弾性脚部は大きな弾性力を貫通孔内周面に与え、その結果、圧入完了姿勢で持続的に安定した保持力を作用させるというものである。
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)本発明のプレスフィット端子は、回路基板の貫通孔に圧入されて電気的接続を担う圧入部と、この圧入部の端部につながる他方の接続を担う接続部と、を含むプレスフィット端子であって、前記圧入部は中央部に圧入方向に沿う方向に延びた空間部を形成するように上端および下端が連結した一対の弾性脚部を備え、この弾性脚部の圧入方向に沿う中間帯の幅が他帯の幅に比べて幅広になるように弾性脚部の中間帯の側面に起伏部を備え
前記起伏部によって前記空間部が上部に位置する上部空間部と、下部に位置する下部空間
部とが形成され、前記上部空間部の上端には、円弧状の上端空間部が備わり、前記下部空間部の下端には、円弧状の下端空間部が備わるところに特徴を有するものである。
すなわちプレスフィット端子は圧入部と、接続部とを含み、圧入部は中央部に圧入方向に延びた空間部を形成するように一対の弾性脚部を備え、一対の弾性脚部は上端および下端が連結している。一対の弾性脚部は、圧入方向に沿った中間帯の側面に起伏部を備え、中間帯の幅が中間帯以外の幅に比べて拡幅化されているので、一対の弾性脚部の中間帯は他の部分に比べて剛性強化が図られ、圧入完了姿勢で持続的に安定した保持力を作用させるものである。
弾性脚部の中間帯に備わる起伏部は弾性脚部の側面に備わる。起伏部は弾性脚部の夫々に備わるのが好ましく、圧入方向に沿うプレスフィット端子の中心線に対して対称の位置に備わるのが好ましい。
プレスフィット端子は、前記起伏部が前記弾性脚部の内側側面の互いに対向する位置に備わるのが好ましい。
プレスフィット端子は、起伏部が弾性脚部の内側側面の対向する位置に備わるので、一対の弾性脚部の形状が中心線に対して対称形である。このように対象形であることで一対の弾性脚部の機械的特性、例えば剛性が一対の弾性脚部に対して均等に働くようになり、圧入の際圧入方向に対してプレスフィット端子はバランスよく直進するようになる。
弾性脚部の内側側面に備わる起伏部は、圧入の際、その先端部同士が接触する形状であってよく、その場合には、圧入は弾性脚部の中間帯の変形を伴う。
弾性脚部の内側側面に備わる起伏部は、圧入の際、その先端部同士が接触しない形状であってよく、その場合には、圧入は弾性脚部の中間帯の変形を伴わない。
プレスフィット端子は、起伏部によって空間部が上部空間部と、下部空間部とに区画されているので、圧入の際、圧入量を概観しやすい。
(2)更に好ましくは、プレスフィット端子は、前記弾性脚部の外側側面の一部に圧入の際回路基板の上面に当接して回路基板に対してプレスフィット端子の圧入量を規制するための突起状の係り代を備えたところに特徴を有する(1)記載のものである。
プレスフィット端子は、弾性脚部の外側側面に、圧入の際、圧入量を規制するための係り代を備えるので、押し切り状態で圧入量の最適値でプレスフィット端子を回路基板に対する圧入完了姿勢が得られる。また、係り代が突起状であるので、係り具合が的確で、視認性にも優れている。
繰上げ 必要な読み替え
(3)前記プレスフィット端子の表面が硬質めっきで被覆された(1)又は(2)記載のプレスフィット端子。(4)前記硬質めっきの構成がリン青銅の母材に対して下地がニッケル、上層が銅と錫の合金層からなるものである。
プレスフィット端子は、表面が硬質めっきで被覆されているので、弾性脚部の剛性が全体的に向上し、持続的に安定した保持力が得られるとともに、基板挿入時の擦れによって生じるめっきカスの発生を抑制できる。
本発明によれば、弾性脚部は、拡幅化によって中間帯の剛性が高められているので、プレスフィット端子を回路基板の貫通孔に圧入する際、圧入作業時の挿入力を増加させることなく、圧入完了姿勢で持続的に安定した保持力が弾性脚部の外側側面と貫通孔の内周面との接点部に作用する。
本実施形態のプレスフィット端子の正面図である。 本実施形態のプレスフィット端子の正面図及び所定の場所の断面図である。 本実施形態のプレスフィット端子を回路基板の貫通孔に圧入した状態の正面図である。(回路基板は断面図) 図4はプレスフィット端子を回路基板に圧入する過程を示す工程図である。 本実施形態の圧入部に硬質めっきしたプレスフィット端子の正面図である。 他の実施形態の圧入部に係り代を備えたプレスフィット端子の正面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明をする。
〔プレスフィット端子の構成〕
図1は本実施形態のプレスフィット端子の正面図である。図2は本実施形態のプレスフィット端子の正面図及び所定の場所の断面図である。説明中指示方向を明確にするために予め方向を定義しておく。図1において、プレスフィット端子の圧入方向に相当する方向を第1方向D1、反圧入方向を第1´方向D1´とし、圧入方向に直交し図面右手方向を第2方向D2、反対方向を第2´方向D2´とする。
本実施形態のプレスフィット端子10は、図1及び図2に示されるように、薄い板厚の金属板を打ち抜き加工したものである。プレスフィット端子10は、圧入部100と、圧入部100の第1´方向D1´に沿ってフランジ部130、第2連結部133につながる。第2連結部133の先には、図示しない他の接続部が備わる。プレスフィット端子10の圧入部100、及びフランジ部130は、第1方向D1に沿う中心軸に対して左右対称形である。圧入部100の輪郭は略長円形、フランジ部130は略矩形である。
〔圧入部〕
圧入部100は、図1及び図2に示されるように、第1方向D1に沿って延びる一対の弾性脚部110及び111、先端部131、及び空間部105を備える。先端部131は、一対の弾性脚部110及び111の第1方向D1の連結端につながる。空間部105は、一対の弾性脚部110及び111夫々の内側側面で画成された空間で第1方向D1に沿って延びる。一対の弾性脚部110及び111は、第1弾性脚部110、及び第2弾性脚部111からなる。第1弾性脚部110と第2弾性脚部111とは、第1方向D1に沿った両端部で連結する。
圧入部100は、図1及び図2に示されるように、先端部131と一対の弾性脚部110及び111とを備える。先端部131は鋭角に尖る槍形で、一対の弾性脚部110及び111は、第1方向D1に沿った中間帯が夫々外方に膨らんだ樽形である。先端部131は、一対の弾性脚部110及び111の第1方向D1の連結端につながり、側面はテーパー面131a、131aを含む。先端部131の直線的な形状は、連続的に一対の弾性脚部110及び111の緩やかな曲線を描く輪郭につながり、一対の弾性脚部110及び111の第1´方向D1´の連結端は、第1連結部132につながる。
図3は本実施形態のプレスフィット端子を回路基板の貫通孔に圧入した状態の正面図である(回路基板は断面図)。圧入部100は、図1、図2、及び図3に示されるように、尖頭の先端部131が案内の働きをし、一対の弾性脚部110及び111が回路基板140の貫通孔141に圧入されて貫通孔141内周面に被覆された導電材142との間で弾性的押圧の下、接続部を形成する。弾性的押圧は保持力として作用し、圧入された圧入部100を構成する一対の弾性脚部110及び111が、第2´方向D2´及び第2方向D2に弾性変形した結果、一対の弾性脚部110及び111が貫通孔141内周面へ作用させる反発力である。
〔硬質めっき〕
図5は表面に硬質めっきしたプレスフィット端子の正面図である。本実施形態の圧入部100は、図5の斜線で示されるように、りん青銅板の表面に硬質めっき層が形成されている。硬質めっき層は、母材リン青銅の表面をニッケルめっきで下地処理し、その上層に銅−錫合金めっき層を形成した構成である。硬質めっきすることで圧入部100、特に一対の弾性脚部110及び111の剛性強化が図られている。銅−錫合金めっき層の厚みは、0.2〜1.0μmで、より好ましくは0.4〜0.7μmである。合金めっき層が薄すぎた場合は剛性強化の効果が得られず、厚すぎた場合は擦れによるめっきカスの発生が生じうる。なお、本実施形態(図5)では、プレスフィット端子10全体に硬質めっきを施しているが、圧入部100のみに施すものであってよい。このような場合でも目的の効果は概ね得られる。
〔空間部〕
空間部105は、図1及び図2に示されるように、圧入部100の中央部に形成されている。空間部105は、一対の弾性脚部110及び111の内側側面から夫々第2´方向D2´、及び第2方向D2に隆起した起伏部120及び121によって中間帯が両側から絞られた形(ひょうたん形)である。空間部105は、両側から絞られた中間帯を境にして上部空間部106、及び下部空間部107を形成している。上部空間部106の第1´方向D1´に沿った上端には、上端空間部108が備わり、下部空間部107の第1方向D1に沿った下端には、下端空間部109が備わる。上端空間部108及び下端空間部109は一部を欠いた円弧である。
図3は本実施形態のプレスフィット端子を回路基板の貫通孔に圧入した状態の正面図である。空間部105は、図1及び図3に示されるように、第2´方向D2´及び第2方向D2に備わる一対の弾性脚部110及び111夫々の内側側面によって画成される。空間部105は、一対の弾性脚部110及び111が、第2´方向D2´及び第2方向D2に弾性変形するときの空間である。圧入部100が回路基板140の貫通孔141に圧入され、一対の弾性脚部110及び111は、第2´方向D2´及び第2方向D2に弾性変形する。その際一対の弾性脚部110及び111同士の間隔は狭まり、空間部105は第2方向D2に沿って細くなる。本実施形態のプレスフィット端子10は、空間部105の第1方向D1及び第1´方向D1´の両端部に一部を欠いた円弧の上端空間部108及び下端空間部109を備えている。このことによって、一対の弾性脚部110及び111が弾性変形した際、上端空間部108及び下端空間部109周辺に集中するひずみによる影響は、円弧周辺に分散されることで効果的に緩和されるものである。
〔フランジ部〕
フランジ部130は、図1及び図2に示されるように、圧入部100の第1´方向D1´に第1連結部132を介して備わる。フランジ部130は略矩形であり、第2方向D2に沿った幅寸法は、圧入部100の最も広くとった幅よりも大きい。フランジ部130は、プレスフィット端子10を回路基板140の貫通孔141に圧入する際、第2方向D2に沿って延びた上辺に圧入治具の先端が当てられ押し代になるものである。また、下辺は圧入量を規制する規制線として使用してもよい。
〔弾性脚部〕
一対の弾性脚部110及び111は、図1及び図2に示されるように、第1弾性脚部110と第2弾性脚部111とからなる。両者は第1方向D1に沿う中心軸に対して左右対称形である。説明は主に第1弾性脚部110についておこなう。弾性脚部110は、第1方向D1に沿って延びた略弧状で、弧は第2´方向D2´に湾部を構える。弾性脚部110は、外縁の中間帯に第1方向D1に沿った直線部を備え、内縁の中間帯に第2´方向D2´に沿って隆起した起伏部120を備える。起伏部120は、第1方向D1及び第1´方向D1´に裾野を延ばして弾性脚部110の内縁に備わり、第2´方向D2´に向かって
穏やかな頂点部を形成する。弾性脚部110は、第2方向D2に沿った幅寸法を第1方向D1に沿った中間帯で最大にし、第1方向D1及び第1´方向D1´に向かって連続的に減少させつつ上下端部(上端空間部108及び下端空間部109周辺)で元の弾性脚部110の幅に収斂する。
弾性脚部110は、図1及び図2に示されるように、圧入部100が圧入された際弾性変形し、貫通孔141内周面に対して反発力を作用させる。反発力(保持力)を作用させる作用点(作用部)は弾性脚部110の中間帯である。支点(支部)は両持ち梁状の弾性脚部110を支持する上下端部(上端空間部108及び下端空間部109周辺)の固定部である。本発明に係る弾性脚部110は、作用部に相当する中間帯が起伏部120を形成し拡幅化されている。弾性脚部110の中間帯は拡幅により剛性力が強化されているが、剛性力の強化は、弾性脚部110の中間帯に限られ上下端部(上端空間部108及び下端空間部109周辺)に変化はない。そのため、圧入時の挿入力に大きな変化を生じることはない。すなわち、作業性(圧入作業性)を損なうことなく保持力の強化を図ることができる。
〔作用、使用状態〕
以上プレスフィット端子の各構成要素について説明してきた。次にプレスフィット端子の回路基板の貫通孔への圧入動作及び圧入部の作用について説明する。図3は本実施形態のプレスフィット端子を回路基板の貫通孔に圧入した状態の正面図である。圧入部100は、図3に示されるように、回路基板140の貫通孔141に圧入されて回路基板140の配線端子との間で電気的機械的に接続される。圧入部100は先端部131から貫通孔141に圧入され、圧入部100の中間帯で一対の弾性脚部110及び111の外縁に形成された直線部110a及び111aが貫通孔141内周面に当接するまで圧入されて、ここで圧入完了姿勢をとる。圧入部100は、圧入完了姿勢で一対の弾性脚部110及び111に最大弾性変形を受ける。変形による材料内部のひずみは、中間帯(起伏部120、121周辺)から上下端部(上端空間部108及び下端空間部109周辺)の方向に沿って順次大きくなるように分布し、上下端部(上端空間部108及び下端空間部109周辺)で最大になる。このときの圧入量を規制し押切状態で最適圧入量が得られるように、図6に示されるように、一対の弾性脚部110及び111の外縁の一部で回路基板140の上面に接する位置に突起状の係り代110b、111bを設けてもよい。
図4はプレスフィット端子を回路基板に圧入する過程を示す工程図である。圧入過程は、図3及び図4に示されるように、圧入の開始前で圧入部が貫通孔の手前に位置する第1段階(図4の(a))、弾性脚部の下方で外縁の一部が貫通孔の口縁に接触する第2段階(図4の(b))、及び第2段階を経て更に圧入を進めて至る圧入完了姿勢の第3段階(図4の(c))に分けられる。
第1段階では、図4の(a)に示されるように、圧入部100は外部から負荷を受けていないので、一対の弾性脚部110及び111に変形は生じず、内部にひずみは生じない。先端部131が貫通孔141に係りはじめ、先端部131のテーパー面131aがプレスフィット端子10の軸心を貫通孔141の中心に重ねるようプレスフィット端子10の先端部131を案内する。
第2段階では、図4の(b)に示されるように、一対の弾性脚部110及び111の外縁の一部が貫通孔141の口縁に接触する。圧入部100は口縁から作用を受け始め圧入作業は第2段階から負荷を伴う。圧入部100の第2方向D2に沿った最も幅広部分は、貫通孔141の口径よりも大きく、第2段階から更に圧入を進めると一対の弾性脚部110及び111は第2´方向D2´、及び第2方向D2に沿って夫々内向きに変形を開始する。このときの変形は主に弾性変形である。
一対の弾性脚部110及び111の変形は、上下端部(上端空間部108及び下端空間部109周辺)を固定端にする両持ち梁の変形で、その中間帯で負荷が加わるモデルを想定することができる。圧入過程で、負荷部分は先端部131から中間帯に移動する。圧入当初は、作用部に近い下端空間部109周辺に生じるひずみ量は、作用部から遠い上端空間部108周辺に生じるひずみ量に比べて多い。圧入量が増えるにしたがって、作用部が中間帯方向に移動し、下端空間部109周辺のひずみ量と、上端空間部108周辺のひずみ量との差は減少し、やがてほぼ等しくなる。
第2段階では、図4の(b)に示されるように、一対の弾性脚部110及び111の外縁の直線部110a及び111aが貫通孔141の内周面に係り始めるまでは、圧入力(挿入力)は圧入とともに増加する。直線部110a及び111aが内周面に係り始めてから圧入完了姿勢までは、挿入力はほぼ一定で推移する。本実施形態のプレスフィット端子10は、一対の弾性脚部110及び111の中間帯に起伏部120及び121を備えているが、起伏部120及び121が備わる領域以外は一対の弾性脚部110及び111の幅は元の状態のままなので、圧入時の挿入力の変化はほとんど生じない。
第3段階では、図4の(c)に示されるように、圧入部100はさらに貫通孔141を第1方向D1に進み、圧入部100の中間帯付近で一対の弾性脚部110及び111の外縁に備わる直線部110a及び111aで貫通孔141の内周面に当接する。圧入部100は貫通孔141内周面から更に内向きの力を受けることで一対の弾性脚部110及び111の変形は一層進む。一対の弾性脚部110及び111の内縁に対向して備わる起伏部120及び121同士が接近し、ひょうたんがたに絞られた空間部105は一層狭まる。
第3段階で、図4の(c)に示されるように、負荷点が一対の弾性脚部110及び111の第1方向D1に沿ったほぼ中間に位置するので、下端空間部109周辺のひずみ量と、上端空間部108周辺のひずみ量とはほぼ等しくなる。一対の弾性脚部110及び111の変形に対して上下端部(上端空間部108及び下端空間部109周辺)で材料内部に等分にひずみが生じた状態である。上下端部(上端空間部108及び下端空間部109周辺)のひずみを発生源にする一対の弾性脚部の直線部110a及び111aの貫通孔141内周面に対する弾性力は保持力として作用する。
一対の弾性脚部110及び111は、起伏部120及び121によって、中間帯の剛性が強化されている。中間帯の剛性強化は圧入完了姿勢での保持力の持続的安定化に寄与する。一定状態の保持力が圧入完了姿勢で持続することで、安定した接続状態を可能にする。負荷が作用する部分を拡幅し、その部分の剛性を強化することで、負荷継続部の経時劣化を軽減し、保持力の持続的安定を可能にする。
〔課題解決原理〕
本発明は、挿入力の増加を伴わず、圧入状態にある保持力の持続的安定を可能にするプレスフィット端子を提供するものである。その原理について説明する。弾性脚部の保持力の発生源は、上下端部(上端空間部108及び下端空間部109周辺)に生じるひずみであるから、保持力を強化する方法として、上下端部の剛性を強化する方法が一般的にとられる。しかしこの方法では、弾性変形する部材自体の剛性を強化するものだから、同時に挿入力の増大を伴う。また、変形には塑性変形も含まれるため特に継続使用で作用部の塑性変形割合の増加により相対的に弾性的反発力が低下し、当初保持力の経時的劣化が生じうる。そこで、本発明者が上記課題解決に向け着想した方法は、上下端部の剛性はそのままにして、保持力の経時劣化を抑えることによって目的を達成しようとするものであった。すなわち、本実施形態で示したように保持力を伝達する作用部の剛性を高めることで変形を受けにくくし、経時的劣化を抑えて相対的に高められた保持力(弾性脚部の弾性力)を
持続可能にするものである。
〔本実施形態の効果〕
本実施形態のプレスフィット端子は上記したとおりであり、次の効果を奏する。(1)一対の弾性脚部の中間帯が拡幅化されているので、剛性が強化され圧入時に安定した保持力を長期間持続することができる。
(2)一対の弾性脚部の拡幅部分は中間帯で上下端部(上端空間部及び下端空間部周辺)は拡幅されておらず、上下端部の剛性は変わらない。その結果、挿入力の増大を伴わずに保持力の強化を図ることができる。
(3)一対の弾性脚部の外縁で、貫通孔内周面に接する部分に直線部を備え、弾性脚部外縁(切断面)と、貫通孔内周面との接続は面で構成されるので、安定した電気的接続を得ることができる。
(4)圧入部の表面に、下地がニッケルで、その上層に銅と錫の合金めっき層からなる硬質めっきが形成されているので、圧入状態で長期間安定した保持力が持続可能であるとともに、基板挿入時の擦れによって生じるめっきカスの発生を抑制できる。
(5)一対の弾性脚部の外縁の一部に回路基板に対する圧入量を規制するための係り代を備えているので、プレスフィット端子を貫通孔に圧入する際、最適圧入深さを押切位置に設定することができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明思想の範囲内で種々の変更が可能である。
10 プレスフィット端子
100 圧入部
105 空間部
106 上部空間部
107 下部空間部
108 上端空間部
109 下端空間部
110、111 弾性脚部
110a、111a 直線部
110b、111b 係り代
120、121 起伏部
130 フランジ部
131 先端部
131a テーパ面
132 第1連結部
133 第2連結部
140 回路基板
141 貫通孔
142 導電材

Claims (4)

  1. 回路基板の貫通孔に圧入されて電気的接続を担う圧入部と、
    この圧入部の端部につながる他方の接続を担う接続部と、
    を含むプレスフィット端子であって、
    前記圧入部は中央部に圧入方向に沿う方向に延びた空間部を形成するように上端および下
    端が連結した一対の弾性脚部を備え、
    この弾性脚部の圧入方向に沿う中間帯の幅が他帯の幅に比べて幅広になるように弾性脚部
    の中間帯の側面に起伏部を備え
    前記起伏部によって前記空間部が上部に位置する上部空間部と、下部に位置する下部空間
    部とが形成され、
    前記上部空間部の上端には、円弧状の上端空間部が備わり、前記下部空間部の下端には、円弧状の下端空間部が備わるところに特徴を有するプレスフィット端子。
  2. 前記弾性脚部の外側側面の一部に圧入の際回路基板の上面に当接して回路基板に対してプ
    レスフィット端子の圧入量を規制するための突起状の係り代を備えたところに特徴を有する請求項1記載のプレスフィット端子。
  3. 前記プレスフィット端子の表面が硬質めっきで被覆された請求項1又は2記載のプレスフィット端子。
  4. 前記硬質めっきの構成がりん青銅の母材に対して下地がニッケル、上層が銅と錫の合金層
    からなる請求項3に記載のプレスフィット端子。
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