JP2007012279A - プレスフィット端子 - Google Patents

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寧 齋藤
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Abstract

【課題】プレスフィット端子のスルーホールに対する保持力を高くすると共に、スルーホールにプレスフィット端子を圧入する際の挿入力を小さくし、基板に対するダメージを低減することが可能なプレスフィット端子を提供する。
【解決手段】案内部11と取付部12の間にスルーホールと電気的に接続するための接続部13が設けられ、接続部13は表裏を貫通するスリット部14と二本の梁部材15、16とから構成され、接続部13の幅が、該接続部の軸方向の中央位置となる接続部中心17の幅W1を最大幅として先端側及び後端側に向かって漸次細くなるようにニードルアイ型に形成され、梁部材14、15の太さが、接続部中心の太さT1に対して接続部先端側の太さT2及び接続部先端側の太さT3を細く形成し、スリット部14の長さが、接続部中心17から先端側18までの長さL1に対して接続部中心17から後端側19までの長さL2を短く形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器に組み込まれる基板の導電性を有するスルーホールに圧入状態で挿入されて、該スルーホールで電気的に接続する接続部を有するプレスフィット端子に関し、特に自動車、産業機器等の高温、高湿といった過酷な環境下で使用される制御装置などで最適に使用されるプレスフィット端子に関するものである。
従来、プリント回路基板などの基板と端子を固定する方法として、基板に設けた導電性スルーホールにプレスフィット端子と呼ばれる端子を挿入し、半田付けを行わずに機械的にこの端子を固定する方法が知られている。
プレスフィット端子は、基板のスルーホールに挿入される案内部と、基板用コネクタなどに装着される取付部と、これら案内部と取付部との間に配置されてスルーホール径よりも大きな幅に形成されていて、スルーホールに圧入状態で挿入されて電気的に接続される接続部とを有している。
プレスフィット端子は、案内部より基板のスルーホールに挿入し、そのスルーホール径よりも大きな幅の接続部をスルーホール内に圧入する事で接触荷重が発生し、機械的な保持力が増大し、安定した電気的接続が得られる。
また基板は、一般にガラス繊維を縦横に組み合わせたエポキシ樹脂を含浸させたシートを多数積層し圧着して形成され、表面に導電部材による配線回路パターンと、該基板の表裏を貫通するスルーホールとが設けられている。基板のスルーホールには、該スルーホールの内周面の壁から基板表面のスルーホール開口周縁にかけて、銅めっき等のめっきが施されていて、スルーホールは導電性を有しており基板の配線回路パターンに電気的に接続されている。
基板のスルーホールにプレスフィット端子を圧入すると、プレスフィット端子のプレスフィット接続部がスルーホールの開口周縁に最初に接触して荷重が加わり、プレスフィット接続部は弾塑性変形してスルーホール内に圧入される。
自動車等の振動の大きな制御機器等に用いられる基板は、電気的接続信頼性を確保することや、プレスフィット端子の基板に対して固着力を十分確保する必要がある。そこで高保持力を得るために、例えばプレスフィット接続部の幅をスルーホールの径よりも更に大きく形成して、圧入シロを大きくしてなる高荷重タイプのプレスフィット端子が公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−127610号公報
基板のスルーホールに高荷重タイプのプレスフィット端子を圧入すると、プレスフィット端子圧入時の応力集中により、基板のスルーホール開口周縁のめっきが損傷してめっき切れが発生し易くなる。またこの場合、基板のスルーホール開口部周辺の応力が基板の面方向に作用すると、基板を構成する積層体の各含浸シートが剥がれてしまい、基板自体を損傷させる虞がある。
特に基板が、自動車の制御装置などのように、周囲の温度が高く、多湿であり、振動が加わるような過酷な動作環境で使用される場合には、プレスフィット端子の圧入時の基板自体に与えた損傷が、絶縁性等の基板特性を大きく低下させることが懸念される。
本発明が解決しようとする課題は、プレスフィット端子のスルーホールに対する保持力を高くすると共に、スルーホールにプレスフィット端子を圧入する際の挿入力を小さくし、基板に対するダメージを低減することが可能なプレスフィット端子を提供することにある。
本発明は、基板のスルーホールに案内するための先細状に形成された案内部が先端側に設けられ、後端側に他の端子と接続するための取付部が設けられ、前記案内部と取付部の間にスルーホールと電気的に接続するための接続部が設けられ、基板のスルーホールに圧入状態で挿入されるプレスフィット端子において、
接続部は表裏を貫通する幅のあるスリット部と該スリット部を挟んで対向する二本の梁部材とから構成され、接続部の幅が、該接続部の軸方向の中央位置となる接続部中心の幅を最大幅として先端側及び後端側に向かって漸次細くなるように形成されたニードルアイ型のプレスフィット端子であって、
梁部材の太さが、接続部中心の太さに対して接続部先端側及び接続部後端側の太さが細く形成され、
スリット部の長さが、接続部中心から先端側までの長さに対して接続部中心から後端側までの長さが短く形成されていることを特徴とするプレスフィット端子、を要旨とするものである。
上記本発明に係るプレスフィット端子によれば、基板のスルーホールに対する保持力を高くして高荷重タイプの端子とすることができると共に、基板に圧入する際のプレスフィット端子の挿入力が小さくなって、基板に対するダメージを低減することができる。またプレスフィット端子の挿入力が小さくなると、該プレスフィット端子の挿入に使用する挿入装置に対する負荷を小さくでき、挿入作業が容易になり作業性が向上する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1(a)は本発明プレスフィット端子の一例を示す正面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図であり、(c)は(a)のB−B線断面図である。図2はプレスフィット端子を基板に挿入する状態を示す説明図であり、(a)は挿入前の状態を示し、(b)は挿入後の状態を示す。
図1及び図2に示すように、プレスフィット端子1は、一方の端部である先端側が、基板2の導電性を有するスルーホール3に挿入される該プレスフィット端子1を案内するための案内部11として先細状に形成されている。そして他方の端部である後端側が、基板用コネクタハウジング等の他の端子(図示しない)に装着するための取付部12として形成されている。更にプレスフィット端子1は、前記案内部11と取付部12の間が、基板の導電性スルーホール3の内部と接触して電気的に接続する接続部13として形成されている。
図1及び図2に示す態様のプレスフィット端子1は、銅合金等の導電性に優れた金属線をプレスすることにより形成され、厚みは一定に形成されていている。また特に図示しないが、プレスフィット端子1の接続部13のスルーホール3と接触する部分の表面には、錫めっき等のめっきが施されている。
ニードルアイ型のプレスフィット端子1は、接続部13が、図1(a)、(c)に示すようにプレスフィット端子1の表裏を貫通する幅のあるスリット部14と該スリット部14を挟んで対向する断面形状が略方形の二本の梁部材15、16とから構成されている。また図2(a)、(b)に示すように、接続部13の幅はスルーホール3の直径よりも大きく形成されている。
図1(c)は、図1(a)に示すプレスフィット端子1の接続部13の軸方向の中央位置となる接続部中心17の断面図である。プレスフィット端子1において、接続部13の幅は、接続部中心17の幅W1を最大幅として、先端側及び後端側に向かって漸次細くなるように形成されていて、先端側の幅W2及び後端側の幅W3は接続部中心の幅W1よりも細く形成されている。なお上記接続部中心17は、図2(a)に示すように接続部13の幅が最大となる部分、もしくは最大となる部分の真中である。
ニードルアイ型のプレスフィット端子1は、2本の梁部材15、16がスリット部14を挟んで対向している接続部13を有するので、接続部13に外方(図中、上下方向)からの応力が加わると、梁部材15、16がバネ部材となってスリット部14方向に撓んで弾塑性変形する。プレスフィット端子1は、図2(b)に示すように、スルーホール3に圧入する際に、接続部13の梁部材15、16が弾塑性変形することで、挿入力が小さくなると共に、スルーホール3に挿入された後は、梁部材15、16が外側方向に広がろうとする弾性力により、スルーホール3に対する保持力が得られる。
本発明では、このようなニードルアイ型のプレスフィット端子1において、スルーホール3に対する挿入力を小さくし、挿入の際のスルーホール3に対するダメージを減らし、挿入後の保持力を高くするために最適な形状を検討した。図4(a)のグラフは、横軸にプレスフィット端子の挿入量をショルダー高さで表し、縦軸に挿入力を示すものである。挿入力と保持力の特性を満足させるための要件として、まず、挿入力を小さくするためには、図4(a)のグラフに示す挿入力の最大値(ピーク)を出来るだけ小さくすることが必要である。更に、保持力は、同図のグラフに示す挿入力の最終値と関連性があり、挿入力の最終値を高くすると保持力は向上する。
次に上記観点に基づいて、スリット部14を有するニードルアイ型のプレスフィット端子の接続部13の構成について検討した。その結果、スリット部14の前後方向の位置と、接続部の梁部材15、16の太さを、特定の構成とすることで、挿入力、保持力及びスルーホールに対するダメージのいずれの特性も満足できるプレスフィット端子が得られることを見い出した。以下、これらの構成について説明する。
図1(a)に示すように、プレスフィット端子1において、接続部13の梁部材15、16の太さは、接続部中心17の太さT1に対して、接続部先端側の太さT2及び後端側の太さT3の太さが細く形成されている。先端側の太さT2と後端側の太さT3は、同じであっても、異なっていてもいずれでも良い。
なお上記実施態様のプレスフィット端子1の接続部13において、梁部材15とスリット部14を挟んで対向する梁部材16の形状は、幅方向の中心を通る水平面を対称面とする対称形状に形成されている。プレスフィット端子1の幅方向とは、図1(a)の中では上下方向のことである。またスリット部14の幅方向の形状は、接続部13の外形形状、接続部13の幅、及び梁15、16の太さに応じて、適宜の形状に形成することができる。
図1(b)に示すように、スリット部14の軸方向の長さは、接続部中心17からスリット部先端18側までの長さL1に対して接続部中心17からスリット部後端19までの長さL2が短く形成されている。すなわちスリット部14の長さ方向の中心位置は、プレスフィット端子1の最大幅となる接続部中心17の位置よりも先端側に位置する。
このようにプレスフィット端子1の先端側にスリット部14の割合が多くなるように構成したことにより、接続部13の接続部中心17よりも前方は変形し易いから、スルーホール3に対する挿入力を小さくすることができる。また、接続部13の接続部中心17よりも後方はスリット部14の割合が小さいので、挿入力の最終値をさほど低下させない。その為、スルーホールへの挿入後の保持力が高くなる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳細に説明する。実施例1、比較例1〜6は、図3(a)〜(g)に示す各種形状のプレスフィット端子を用いて、挿入力、保持力及びスルーホールダメージ(THダメージ)の評価試験を行った。挿入力の測定結果のグラフを図4(a)〜(g)に示し、スルーホールダメージの指標となるPd値のグラフを図5(a)〜(g)に示し、これらのグラフより得た判定結果を表1に示す。図4(a)〜(g)及び図5(a)〜(g)の結果は、図3(a)〜(g)のプレスフィット端子に、それぞれ対応するものである。実施例1のみが挿入力、保持力及びスルーホールダメージ(THダメージ)のすべて満足するものであったが、比較例1〜5はすべての評価を満足するものはなかった。
Figure 2007012279
なお表1において、試験結果の欄の各項目の評価方法は下記の通りである。
[挿入力]:図 4(a)〜(g)に示す挿入力の測定結果より、挿入力のピーク値が50(N)以下の場合は○として、50を越えた場合は×とした。
[保持力]:図 4(a)〜(g)に示す挿入力の測定結果より、挿入力の最終値が20(N)を越えた場合は○として、20(N)以下の場合は×とした。
[THダメージ」:図5 (a)〜(g)に示すスルーホールに加わる圧力Pdの測定結果より、最大値が500(MPa)以下である場合を○として、500(Mpa)を越える場合は×とした。
なお図4(a)〜(g)、図5(a)〜(g)のグラフは、横軸をショルダー高さとしたが、これは図2(b)に示すプレスフィット端子1の取付部12の外側位置に設けられている治具押圧用の肩部12aから基板2のスルーホール挿入側の表面2aまでの距離SHである。
以下、実施例及び比較例で用いたプレスフィットの形状と試験結果について説明する。
実施例1
図3(a)に示す形状のプレスフィット端子は、梁部材の太さが、接続部中心17の太さW1に対して接続部先端側及び後端側の太さW2、W3を細く形成し、スリット部14の長さが、接続部中心17から先端側18までの長さL1に対して接続部中心17から後端側19までの長さL2を短く形成した。実施例1のプレスフィット端子のみが、挿入力、保持力及びスルーホールダメージのいずれも判定結果が合格であった。
比較例1
実施例1のスリット部14の長さL1を短くして、長さL2と同じ長さに変更し、それ以外は実施例1と同様に構成したプレスフィット端子(図3(b)参照)である。図4(b)、図5(b)に示すように、接続部前方のスリット部の割合が小さくなって、スルーホール挿入当初の挿入力が急激に立ち上がる為に、スルーホールダメージが大きくなってしまった。
比較例2
実施例1のスリット部14の長さL2を後側に長くして、長さL1と同じ長さに変更し、それ以外は実施例1と同様に構成してなるプレスフィット端子(図3(c)参照)である。図4(c)、図5(c)に示すように、実施例1、比較例1と比較して挿入力は更に小さくなり、比較例1に対してスルーホールダメージが改良されたが、接続部中心より後方のスリット部が大きくなったことにより保持力が大きく低下してしまった。
比較例3
実施例1とスリット部14の長さ(軸方向の全長:L1+L2)を同じとしたが、長さL2が長さL1よりも長くなるように変更し、それ以外は実施例1と同様に構成してなるプレスフィット端子(図3(d)参照)である。図4(d)、図5(d)に示すように、実施例1と比較して挿入力はほぼ同じであるが、接続部中心17より後方のスリット部が大きくなったことにより、保持力の低下が大きくなった。
比較例4
比較例1(実施例1のスリット部の長さL1を短くして、長さL2と同じとした)の端子先端側の外側の傾斜を緩くして、接続部中心17の梁部材の太さT1よりも接続部先端側の太さT2が太くなるように変更し、それ以外は比較例1と同様に構成してなるプレスフィット端子(図3(e)参照)である。図4(e)、図5(e)に示すように、スルーホールに対する接触角が小さくなったので、比較例1と比べてスルーホールダメージは改良されたが、先端側の梁の強度が増して弾塑性変形しにくくなったので、挿入力が大きくなってしまった。しかし挿入力が大きくなっても、接続部中心より後方のスリット部の影響が大きくなって、保持力はさほど向上しなかった。
比較例5
実施例1の梁の太さを、接続部中心の太さT1、先端側の太さT2及び後端側の太さT3が同じになるように変更し、スリット部の長さL1とL2を同じ長さとし、スリット部の全長が実施例1よりも短くなるように形成し、それ以外は実施例1と同様に構成してなるプレスフィット端子(図3(f)参照)を用いた。図4(f)、図5(f)に示すように、実施例1と同様に評価試験を行った。挿入力が大きくなり、保持力は低下した。またスルーホールダメージが悪くなった。これは先端側の梁の太さが太くなった為と考えられる。
比較例6
実施例1の接続部中心の梁の太さT1を更に太くし、実施例1のスリット部の接続部中心から前端側の長さL1を短くして長さL2と同じ長さとし、スリット部の全長を短く形成し、それ以外は実施例1と同様に構成してなるプレスフィット端子(図3(g)参照)である。図4(g)、図5(g)に示すように、スリット部14が小さくなって梁が太くなったことで保持力が大きくなったが、挿入力が大きくなってしまい、スルーホールダメージも悪くなってしまった。
以下、スルーホールダメージの指標として用いた、図5(a)〜(g)に示す圧力Pd値について説明する。図6は、プレスフィット端子を基板のスルーホールに挿入する際に加わる力を示す説明図である。
図6に示すように、プレスフィット端子1を基板2のスルーホール3に挿入する際、プレスフィット端子1を一定量挿入したところで、プレスフィット端子1はスルーホール3の周縁部に接触する。ここからプレスフィット端子1及び基板2のスルーホール周縁3aに負荷が加わり、プレスフィット端子1はスルーホール3の内部に圧入されることになる。図6では記載を省略したが、基板2は、その表面に各種導電路が形成されているとともに、多数のスルーホール3が開口されている。このスルーホール3の内周面及び開口周縁には、銅めっき等によりめっきが形成され基板2表面の導電路と接続されている。なお図1では、プレスフィット端子1の形状は概略の形状を示した。
このときにスルーホールの周縁3aに加わる力は、プレスフィット端子1のプレスフィット接続部13からの摩擦力μNと垂直抗力Nとの合力Fdとなる。この力Fdによりスルーホール3が変形して、スルーホール3のめっき切れが発生する。例えばプレスフィット端子にコンタクトオイルを塗布することで、摩擦係数μを低下させ、摩擦力μNが低減してスルーホールに対する負荷を小さくできるから、めっき切れを防止できる。しかし、コンタクトオイルの塗布は、手間が掛かりコスト高になってしまう。Fdを小さくすれば、コンタクトオイルを塗布せずにメッキ切れを防止できる。
図6に示すように、スルーホールの内壁3bに加わる力をスルーホール3側から見て分解すると、Piは接触荷重(接触方向反力)、μは摩擦係数、Nは垂直抗力、θは接触角、Fiは挿入力となる。ここで、スルーホール内に加わる力の総和はFdである。この力の総和Fdは下記の(2)式で表される。
Figure 2007012279
挿入の各瞬間における端子とスルーホールとの接触面積(片側のみ)をSとすると、スルーホールにおいて、めっきに加わる圧力Pdは、下記(1)式で表される。
Pd=Fd/S ・・・(1)
めっきに加わる圧力Pdは、下記の手段により求めることができる。図6に示す力の関係より、下記の(3)式、(4)式が導き出される。
N・sinθ=Pi+μN・cosθ ・・・(3)
Fi=Ncosθ+μN・sinθ ・・・(4)
図1において分力Nと分力μNの合力がFdであり、Fdは下記の(5)式の通り表される。
Figure 2007012279
垂直抗力Nは上記(3)式より下記(6)式の通り表される。
Figure 2007012279
上記(6)式より、接触荷重Pi、接触角θ、摩擦係数μが判明していれば、垂直抗力Nが求められる。そして上記(2)式より垂直抗力Nを用いて、Fdを算出することができる。さらに接触面積Sを求めれば(1)式よりFdを接触面積Sで除することで、スルーホールのめっきに加わる圧力Pdが求められる。
プレスフィット端子をスルーホールに挿入し、挿入量に対する、挿入力Fi、接触荷重Pi、接触角θ、接触面積S等を測定した。図7〜図10に上記測定結果のグラフを示す。なお、この場合、プレスフィット端子の挿入はコンタクトオイルを塗布せずに行った。
図7は挿入量と挿入力Fiの関係を示すグラフであり、横軸が挿入量(mm)であり、縦軸が挿入力Fi(N)である。挿入量は、プレスフィット端子1の接続部13がスルーホール3の開口部周縁に接触したときを0mmとした。図7に示すように、プレスフィット端子1をスルーホール3に挿入するにつれて、挿入力は徐々に上昇する。挿入量が一定のところで、挿入力は最大値となり、その後低下して一定となり、挿入量を増やしても一定の挿入力が保持される。
図8は挿入量と接触荷重Piの関係を示すグラフであり、横軸が挿入量(mm)であり、縦軸が接触加重Pi(N)である。図8に示すように、プレスフィット端子を挿入するにつれて接触荷重Piは上昇し、挿入力が最大となる挿入量のところで接触荷重Piが最大になり、挿入量が増加しても接触荷重Piは維持される。
図9は挿入量と接触角θの関係を示すグラフであり、横軸が挿入量(mm)であり、縦軸が接触角θ(deg)である。接触角θはプレスフィット端子の挿入側の形状に依存する。図9はニードルアイ型のプレスフィット端子の一例の接触角θの変化を示すものである。
図10は挿入量と接触面積Sの関係を示すグラフであり、横軸が挿入量(mm)であり、縦軸が接触面積S(mm)である。図10はニードルアイ型のプレスフィット端子の接触面積Sの一例を示すものである。接触面積はプレスフィット端子の各挿入量に応じた断面から実測することで得られる。
図8〜図10に示す挿入力Fi、接触荷重Pi及び接触角θのデータを用い、前記(3)式及び(4)式より垂直抗力Nを求めた。さらに、摩擦係数μのデータ及び、接触面積Sのデータ等から、挿入量の各瞬間におけるスルーホールに加わる圧力Pdを計算により求め、この圧力Pdと挿入量の関係のグラフを図11に示した。なお、摩擦係数μは材質に固有のものであり、材質に応じて既知の手法によって測定することができる。図11において横軸が挿入量(mm)であり、縦軸が圧力Pd(MPa)である。図11に示すように、圧力Pdは挿入量が増えると上昇し、最大値を経てその後低下する。このグラフの中の最大値がPdの最大値である。
高荷重タイプの種々の形状のプレスフィット端子を作成して(実験No.A〜D)、上記の手法にてPdの最大値を求めるとともに、該プレスフィット端子のスルーホールのめっき切れの発生の有無を調べた結果を表2に示す。Pdの最大値が500MPa以下の場合には、めっき切れが発生しない。
Figure 2007012279
このようにスルーホールに加わる圧力Pdの最大値を500MPa以下に形成することで、プレスフィット端子1をコンタクトオイルを使用せずに挿入した際に、その圧力により、スルーホールにメッキ切れが発生するのを確実に防止可能であり、スルーホールに対するダメージを小さくすることができる。
本発明プレスフィット端子は、各種の制御基板の接続端子として用いることができるが、特に自動車等の電気配線における電線基板同士の接続に用いた場合、車載時の高温、高振動等の過酷な条件においても高い信頼性を有する接続端子として最適である。
(a)は本発明プレスフィット端子の一例を示す正面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図であり、(c)は(a)のB−B線断面図である。 プレスフィット端子を基板に挿入する状態を示す説明図であり、(a)は挿入前の状態を示し、(b)は挿入後の状態を示す。 (a)〜(g)は、実施例1、比較例1〜6で用いたプレスフィット端子を示す正面図である。 (a)〜(g)は、実施例1、比較例1〜6の挿入力の試験結果を示すグラフである。 (a)〜(g)は、実施例1、比較例1〜6のPd値の試験結果を示すグラフである。 プレスフィット端子を基板のスルーホールに挿入する際に加わる力を示す説明図である。 プレスフィット端子の挿入量と挿入力Fiの関係を示すグラフである。 プレスフィット端子の挿入量と接触荷重Piの関係を示すグラフである。 プレスフィット端子の挿入量と接触角θの関係を示すグラフである。 プレスフィット端子の挿入量と接触面積Sの関係を示すグラフである。 プレスフィット端子の挿入量とスルーホールに加わる圧力Pdの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 プレスフィット端子
2 基板
3 スルーホール
11 案内部
12 取付部
14 スリット部
15、16 梁部材
17 接続部中心
18 スリット部先端
19 スリット部後端
W1 プレスフィット端子の接続部中心の幅
W2 プレスフィット端子の接続部先端側の幅
W3 プレスフィット端子の接続部後端側の幅
T1 梁部材の接続部中心の太さ
T2 梁部材の接続部先端側の太さ
T3 梁部材の接続部後端側の太さ
L1 スリット部の接続部中心からスリット部先端までの長さ
L2 スリット部の接続部中心からスリット部後端までの長さ

Claims (1)

  1. 基板のスルーホールに案内するための先細状に形成された案内部が先端側に設けられ、後端側に他の端子と接続するための取付部が設けられ、前記案内部と取付部の間にスルーホールと電気的に接続するための接続部が設けられ、基板のスルーホールに圧入状態で挿入されるプレスフィット端子において、
    接続部は表裏を貫通する幅のあるスリット部と該スリット部を挟んで対向する二本の梁部材とから構成され、接続部の幅が、該接続部の軸方向の中央位置となる接続部中心の幅を最大幅として先端側及び後端側に向かって漸次細くなるように形成されたニードルアイ型のプレスフィット端子であって、
    梁部材の太さが、接続部中心の太さに対して接続部先端側及び接続部後端側の太さが細く形成され、
    スリット部の長さが、接続部中心から先端側までの長さに対して接続部中心から後端側までの長さが短く形成されていることを特徴とするプレスフィット端子。
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