JP5691652B2 - レンズ加工装置に用いるレンズホルダ - Google Patents

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Description

この発明は、レンズ加工装置に用いるレンズホルダに係わり、更に詳しくは種々の大きさ(径,厚さ等)で、外周縁部に肉厚部(以下コバ部と呼称する)が無い、もしくはコバ部が少ないレンズ素材(両面凸レンズまたは凸メニスカスレンズ)をレンズ加工装置に取付けた研削砥石等の研削工具に押圧させて研削もしくは研磨加工する際、そのレンズ素材をワックスやピッチ等でレンズホルダや治具に貼り付けることなく加工を行うことが出来るレンズ加工装置に用いるレンズホルダに関するものである。
従来、レンズ加工装置としては数種類の構造のものが知られており、例えば、レンズ素材を半円弧状の研削砥石の研削工具(ダイヤモンドペレット、研磨皿に貼り付けられたウレタンパッド等)を使用して研削加工、研磨加工を行う装置として、オスカー式研磨機や、球心式研磨機等が知られている。
また、研磨加工自体の方法としては、例えば、図11に示すように、加工対象となるガラスレンズのレンズ素材Wの一側面をレンズホルダのホルダ本体1の円弧状に形成したレンズ保持面2に保持装着し、レンズ素材Wの加工面Wxに対して加工面Wxの曲率に対応した円弧状に形成された研磨皿3等の研磨工具を加工面Wxに擦り合わせて、形状を整えながら表面を磨く加工方法である。
前記研磨皿3の表面には、ウレタンパッド3aが貼り付けられており、レンズ素材Wの加工面Wxに対して液状の遊離砥粒をかけつつ、研磨皿3を高速回転させながらレンズ素材Wの加工面Wxに沿って円弧状に揺動運動させることでレンズ素材Wの加工表面を研磨する。この際、加工対象となるレンズ素材Wは、レンズホルダ1ごと研磨皿3との摩擦により研磨皿3に追従して回転する。
なお、研磨皿3と加工対象のレンズ素材Wの位置関係については、加工装置の構造上、何方が上でも良く、それぞれの作動については上述と同様な稼働をするものである。
また従来のレンズ研磨加工装置で用いるレンズホルダとしては、例えば、図11に示すように、レンズ素材Wの円弧状に形成されたレンズ保持面2(レンズの研磨面の反対側となる面)を備えたホルダ本体1と、ホルダ本体1の外周縁部にレンズ素材Wの外周縁部Wa(外周縁部に形成された肉厚部:コバ部と呼称する)を支持するリング状の支持部材4を設けたものとから構成され、この支持部材4は、加工対象となるレンズ素材Wのホルダ本体1へのセット時の芯出し位置決めに用いると共に、レンズの研磨加工中にレンズ素材Wがホルダ本体1からずれたり、脱落を防止させるためホルダ本体1の外周縁部から上方に突出させて設けてある。
また、レンズホルダの円弧状に形成されたレンズ保持面2には、レンズへの傷防止の為に起毛状のシート材料5が貼り付けてあるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のように、ホルダ本体1の外周縁部にリング状の支持部材4を設けたレンズホルダは、上記のようにコバ部を有するレンズの研磨加工中にレンズ素材Wがホルダ本体1からずれたり、脱落することなく研削もしくは研磨加工を行うことは可能である半面、コバ部(レンズ外周縁部の肉厚部)の無い、もしくはコバ部が少ないレンズ(両面凸レンズまたは凸メニスカスレンズ)を研削もしくは研磨加工を行う際には、レンズ素材Wの加工面に沿って摺動する研磨皿3が支持部材4に干渉する恐れがあり、研磨皿3や支持部材4を損傷させることがある。また、支持部材4が使用できないと、加工時にレンズがずれたり、脱落すると言う問題があった。
そのため、コバ部(レンズ外周縁部の肉厚部)の無い、もしくはコバ部が少ないレンズ素材Wを研磨加工する際には、レンズ素材Wにレンズ素材Wと同径もしくは近似径の治具をワックスやピッチ等を接着剤として貼り付け、その治具をホルダ本体1に装着したり、レンズ素材Wを直接ホルダ本体1にワックスやピッチ等を接着剤として貼り付けて加工を行っており、コバ部のあるレンズ素材Wの加工に比較して多くの手間と時間がかかり、生産性の向上を図ることが出来ないと言う問題があった。
また、レンズ素材Wに治具を貼って加工する場合には、レンズ素材Wに貼り付ける専用の治具も加工するレンズの数量に応じて必要となり、多大な経費がかかると言う問題があった。また、貼り付けるワックスやピッチ等を使用する際には、加熱が必要であり、作業者や環境に対する配慮が必要であり、更に、上記の作業を行う際、レンズに傷を発生させたり、熱によりレンズが破損したりすると言う問題があった。
また、従来のホルダ本体1には、加工後の加工レンズを保持するための手段(例えば、吸着手段等)がないために、レンズ加工終了後に加工したレンズが研磨皿3の加工面に密着してしまい、加工レンズを研磨皿3から取り外すのに多くの手間と時間がかかると言う問題があった。
特開2009−72856号公報
この発明はかかる従来の課題に着目し、コバ部(レンズ外周縁部の肉厚部)の無い、もしくはコバ部が少ないレンズ素材を研削もしくは研磨加工する際にも、コバ部のあるレンズ素材の加工と同等、またはそれ以上の作業効率により加工作業を行うことが出来るレンズ加工装置に用いるレンズホルダを提供することを目的とするものである。
この発明は上記目的を達成するため、周縁部に肉厚部が無い、もしくは肉厚部が少ない
レンズ素材の一側面をホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面に保持させ、このホルダ本体に保持されたレンズ素材を、レンズ加工装置に取付けた研削工具または研磨工具に押圧させた状態で前記研削工具または研磨工具の回転に追従して回転させながらレンズ素材の他側面を曲面加工するレンズ加工装置に用いるレンズホルダであって、
前記レンズホルダは、レンズ素材の円弧状に形成されたレンズ保持面を備えたホルダ本体と、このホルダ本体の外周縁部にレンズ素材の外周縁部を支持するリング状の支持部材とで構成し、
前記ホルダ本体の円弧状に形成されたレンズ保持面に、所定の形状に形成した高摩擦材から成るシート材料を貼着すると共に、前記ホルダ本体の外周縁部に、該外周縁部に沿って昇降可能で、レンズ素材の位置決め用に用いる前記支持部材を設け、
前記高摩擦材から成るシート材料は、分離または分割した一枚または複数枚のシート材料からなり、前記ホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面の面積に対して均一に貼り付けて構成し、
前記昇降可能な位置決め用の支持部材は、レンズ素材の装着時に、ホルダ本体の外周縁部に沿って手動操作または自動的に昇降作動させてレンズ素材の位置決めを行うように構成し、
前記ホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面に、吸引手段に接続されたレンズ吸着穴及びこのレンズ吸着穴に接続するレンズ吸着溝を設けたことを要旨とするものである。
ここで、前記高摩擦材から成るシート材料の厚さは、0.5〜1mmの範囲に設定し、
前記高摩擦材は、液状のものを厚さ0.5〜1mmの範囲で塗布して使用することも可能である
この発明は、上記のように周縁部に肉厚部が無い、もしくは肉厚部が少ないレンズ素材の一側面をホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面に保持させ、このホルダ本体に保持されたレンズ素材を、レンズ加工装置に取付けた研削工具または研磨工具に押圧させた状態で前記研削工具または研磨工具の回転に追従して回転させながらレンズ素材の他側面を曲面加工するレンズ加工装置に用いるレンズホルダであって、
前記レンズホルダは、レンズ素材の円弧状に形成されたレンズ保持面を備えたホルダ本体と、このホルダ本体の外周縁部にレンズ素材の外周縁部を支持するリング状の支持部材とで構成し、前記ホルダ本体の円弧状に形成されたレンズ保持面に、所定の形状に形成した高摩擦材から成るシート材料を貼着すると共に、前記ホルダ本体の外周縁部に、該外周縁部に沿って昇降可能で、レンズ素材の位置決め用に用いる前記支持部材を設け、前記高摩擦材から成るシート材料は、分離または分割した一枚または複数枚のシート材料からなり、前記ホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面の面積に対して均一に貼り付けて構成し、前記昇降可能な位置決め用の支持部材は、レンズ素材の装着時に、ホルダ本体の外周縁部に沿って手動操作または自動的に昇降作動させてレンズ素材の位置決めを行うように構成し、前記ホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面に、吸引手段に接続されたレンズ吸着穴及びこのレンズ吸着穴に接続するレンズ吸着溝を設けたことにより、以下のよ
うな優れた効果を奏するものである。
(a).ホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面に、所定の形状に形成した高摩擦材 から成るシート材料を貼着してあるので、加工中ホルダ本体の円弧状に形成したレン
ズ保持面にレンズ素材を確実にずれる事無く保持させて精度の高い研削または研磨加 工を行うことが出来る。
(b).コバ部の無い、もしくはコバ部が少ないレンズ素材を研磨加工する際にも、コバ
部のあるレンズ素材の加工と同等、またはそれ以上の作業効率により加工作業を行う ことが出来る。
(c).ホルダ本体の外周縁部に、該外周縁部に沿って昇降可能で、レンズ素材の位置決 め用に用いる支持部材を設けたことにより、コバ部の無い、もしくはコバ部が少ない
レンズ素材研磨加工する際には、レンズ素材にレンズ素材と同径もしくは近似径の 治具をワックスやピッチ等を接着剤として貼り付ける必要はなく、作業の手間も省略 でき、生産性の向上を図ることが出来る。
また、従来のようなレンズ素材に貼り付ける専用の治具も必要としないので、コス トダウンを図ることも可能である。
(d).貼り付けるワックスやピッチ等の接着剤を使用することが無いので、作業者や環
境に対する配慮が必要がなく、安全な加工作業を行うことが出来る。
(e).ホルダ本体に対してワックスやピッチ等の接着剤を使用してレンズを接着、剥離 する際に、レンズに傷を発生させたり、熱によりレンズが破損したりすることが無く
、品質精度を高めることが出来る。
(f).ホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面に、吸引手段に接続されたレンズ吸 着穴及びこのレンズ吸着穴に接続するレンズ吸着溝を設けたので、レンズ加工終了後
に加工したレンズが研磨皿の加工面に密着してしまうと言うことも少なく、加工レン ズを研磨皿から容易に取り外す作業を簡便に行うことが出来る。
この発明のレンズ加工装置に用いるレンズホルダの第1実施形態の縦断正面図で、中心線S−Sから左側は支持部材によりコバ部のないレンズ素材を支持している状態、中心線S−Sから右側は支持部材によりレンズ素材を支持していない状態を示し、レンズ素材を下側から支持してレンズ素材の上面を研磨工具により研磨加工するレンズホルダの実施形態である。 この発明のレンズ加工装置に用いるレンズホルダの第2実施形態の縦断正面図で、中心線S−Sから左側は支持部材によりコバ部のないレンズ素材を支持している状態、中心線S−Sから右側は支持部材によりレンズ素材を支持していない状態を示し、レンズ素材をレンズホルダの下面側で支持して研磨工具に押圧させ、レンズホルダの上面中央を所謂、カンザシピンと呼称されるピンにより支持しながら揺動させるタイプのレンズホルダの実施形態である。 扇状に3分割して形成した高摩擦材から成るシート材料の平面図である。 扇状に8分割して形成した高摩擦材から成るシート材料の平面図である。 円形状に形成し多数の大小の高摩擦材から成るシート材料の平面図である。 六枚のクローバー状に形成した高摩擦材から成るシート材料の平面図である。 大小短冊状に形成した高摩擦材から成るシート材料の平面図である。 ホルダ本体のレンズ保持面に形成したレンズ吸着穴及びレンズ吸着溝等のレンズ吸着保持手段の第1実施形態を示す平面図である。 ホルダ本体のレンズ保持面に形成したレンズ吸着穴及びレンズ吸着溝等のレンズ吸着保持手段の第2実施形態を示す平面図である。 図8及び図9のA−A矢視断面図である。 従来のレンズ加工装置に用いるレンズホルダの縦断正面図である。
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
なお、従来例と同一構成要素は同一符号を付して説明は省略する。
図1は、レンズ加工装置に用いるレンズホルダの第1実施形態の縦断正面図で、中心線S−Sから左側は支持部材4によりコバ部Kのないレンズ素材Wを支持している状態、中心線S−Sから右側は支持部材4によりレンズ素材Wを支持していない状態を示し、レンズ素材Wを下側から支持してレンズ素材Wの上面を研磨皿3等の研磨工具により研磨加工するレンズホルダの実施形態である。
この実施形態のレンズホルダとしては、図1に示すように、レンズ素材Wの円弧状に形成されたレンズ保持面2(レンズ素材Wの研磨面の反対側となる面)を備えたホルダ本体1Aと、ホルダ本体1Aの外周縁部1aにレンズ素材Wの外周縁部Wa(以下外周縁部1aに形成された肉厚部をコバ部Kと呼称する)を支持するリング状の支持部材4とで構成され、この支持部材4は、加工対象となるレンズ素材Wのレンズホルダ1へのセット時や位置決めに用いる。
前記リング状の支持部材4は、ホルダ本体1Aの外周側面に嵌合する円筒状部材14aと、この円筒状部材14aの下端部に内側中心に向かって所定の長さで形成したフランジ部14bとで構成し、このフランジ部14bが、ホルダ本体1Aの外周側面に形成した切欠凹部14cの上面に当接して上限位置が規制されるように構成されている。
即ち、支持部材4の円筒状部材14aをホルダ本体1Aの上面から突出させる際には、支持部材4のフランジ部14bを切欠凹部14cに沿って上方にスライドさせながら上昇させ、またホルダ本体1Aの上面から下方に位置させる場合には、支持部材4のフランジ部14bを切欠凹部14cに沿ってスライドさせて下降させると共に、ボルト15aとプレート15bとから成るストッパ部材15によりホルダ本体1Aの下面側段部14dに位置決め固定するものである。
前記ホルダ本体1Aの円弧凹状に形成されたレンズ保持面2には、所定の形状に形成した高摩擦材から成るシート材料16が貼着してあり、このシート材料16としては、日本ダースボンド・製の製品名:PE−Wや、イノアックコーポレーション製のコムスポNR系等、レンズ素材に対して攻撃性の無い材質で、水に濡れても摩擦力が衰えず、レンズが滑らないものが好ましい。更に、シート材料16の厚さは、材料の厚みが厚過ぎると、高摩擦材の弾性力によりレンズが傾き、摩擦皿が正常に加工面に当たらず、加工不具合を起こす可能性があるため、0.5〜1mm程度のものが好ましい。
なお、高摩擦材から成るシート材料16に限定されず、液状のものを塗布して使用することも可能であり、この場合にも、厚さとしては、シート材料16と同じ理由から0.5〜1mm程度のものが好ましい。
更に、高摩擦材から成るシート材料16をレンズ保持面2に貼り付ける際には、円弧状に形成されたレンズ保持面2(球面)の全体に貼り付けるのが好ましいが、貼り付け面が球面であるため、撓んだり、皺が発生しないように貼り付けるのが難しく、この場合には、図3〜図7に示すように、分離または分割した一枚または複数枚のシート材料16により貼り付けるのが好ましい。
例えば、図3の高摩擦材から成るシート材料16Aの実施形態は、扇状に3分割して形成した高摩擦材から成るシート材料16Aであり、また図4の高摩擦材から成るシート材料16Bの実施形態は、扇状に8分割して形成した高摩擦材から成るシート材料16Bであり、図5の高摩擦材から成るシート材料16Cの実施形態は、円形状に形成し多数の大小の高摩擦材から成るシート材料16Cであり、図6の高摩擦材から成るシート材料16Dの実施形態は、六枚のクローバー状に形成した高摩擦材から成るシート材料16Dであり、図7の高摩擦材から成るシート材料16Eの実施形態は、大小短冊状に形成した高摩擦材から成るシート材料16Eを示しており、円弧状に形成されたレンズ保持面2(球面)の面積全体に対して均一(均等)に貼り付けることが好ましい。
以上のように、高摩擦材から成るシート材料16をレンズ保持面2に貼り付ける際には、撓んだり、皺が発生しないように均一(均等)に貼り付け、このため、シート材料16は、分離または分割した一枚または複数枚のシート材料により構成すると共に、隣り合うシート材料に多少の隙間を設けることも可能である。
高摩擦材から成るシート材料16は、種類や材質により、シート材料16とレンズ素材Wとの間に水の薄膜が出来た場合、摩擦力を著しく失うものがある。その場合は、上記の実施形態のようにカットしたシート材料16をレンズ保持面2に貼り付ける際、隣り合うシートとの隙間を放射状に広めに取り、また数を多くして水分の排出を促すことで、摩擦力を安定させることもある。それでも、摩擦力を失ってしまう場合は、上述したような日本ダースボンド・製(製品名:PE−W)のシート材料を使用することが好ましい。
なお、レンズ素材Wが極端に薄い場合、隣り合う高摩擦材から成るシート材料16の貼り付け間隔が広すぎると、研磨加工中、レンズ素材Wがシート材料の貼り付け位置に沿って撓んでしまい、研磨後の加工レンズにシート材料の貼り付け位置と同じ模様のゆがみが発生してしまうことがあるため、その場合は、できるだけシート材料の間隔をつめて貼り付けることが好ましい。
また、レンズ素材Wをホルダ本体1Aの円弧凹状に形成されたレンズ保持面2に装着する際、レンズ素材Wとホルダ本体1Aとの位置合わせ(芯合わせ)が容易になるように、加工対象レンズの外径に合わせた上記のような昇降可能なリング状の支持部材4を使用し、研磨対象レンズをホルダ本体1Aに装着する際、容易にレンズの位置出し(芯出し)が出来るようにするものである。
なお、ホルダ本体1Aの材質は特に限定しないが、防錆面を考慮してC3604(真鍮材)や、エンジニアリングプラスチック製が好ましい。またリング状の支持部材4は、レンズ加工時に研磨皿3に当たらない位置まで逃げるストロークを必要とし、円滑な上下動を可能とするため、エンジニアリングプラスチック等の低摩擦係数の材質を使用することが好ましい。
また研磨加工中に支持部材4がホルダ本体1Aから脱落しないように上記のような係合部を設けるのが好ましい。
図2は、レンズ加工装置に用いるレンズホルダのホルダ本体1Aの第2実施形態の縦断正面図を示しており、この実施形態は、中心線S−Sから左側は支持部材4によりコバ部のないレンズ素材Wを支持している状態、中心線S−Sから右側は支持部材4によりレンズ素材Wを支持していない状態を示している。
この実施形態のホルダ本体1Aは、レンズ素材Wをホルダ本体1Aの下面側で支持して研磨皿3等の研磨工具に押圧させ、ホルダ本体1Aの上面中央に形成された凹部17に、所謂、カンザシピンと呼称されるピン18により支持しながら揺動させるタイプのレンズホルダの実施形態である。
この実施形態のリング状の支持部材4は、上記の実施形態と同様にホルダ本体1Aの外周側面に嵌合する円筒状部材14aと、この円筒状部材14aの上端部に内側中心に向かって所定の長さで形成したフランジ部14bとで構成し、このフランジ部14bは、ボルト15aによりホルダ本体1Aの上面に支持され、ホルダ本体1Aの上面に形成された凹部17とフランジ部14bとの間のボルト15aには、支持部材4を常時、上方へ附勢するスプリング20が介在させてある。
従って、支持部材4の円筒状部材14aの先端は、常時スプリング20の弾性力によりホルダ本体1Aの下端部から上方へ引き上げられた状態となっており、レンズ素材Wの研削または研磨時に研磨皿3等の研磨工具と干渉することはない。
なお、ホルダ本体1Aの他の構成は、上記図1の第1実施形態と同様なので、同一符号を付して説明は省略する。
次に、図8はホルダ本体1Aのレンズ保持面2に形成したレンズ吸着穴21及びレンズ吸着溝22等のレンズ吸着保持手段の第1実施形態を示す平面図、図9はレンズ吸着保持手段の第2実施形態を示す平面図、図10は図8及び図9のA−A矢視断面図を示している。
即ち、図8は、ホルダ本体1Aのレンズ保持面2の中心部にレンズ吸着穴21を設けると共に、その周囲に十字状及び円形状のレンズ吸着溝22を形成し、レンズ吸着穴21は、図10に示すように、ホルダ本体1Aの軸部に形成した連通穴23を通して図示しない装置外部のバキューム装置に接続されている。
また、図9の第2実施形態は、ホルダ本体1Aのレンズ保持面2の中心部にレンズ吸着穴21を設けると共に、その周囲にプロペラ状のY字状及び円形状のレンズ吸着溝22を形成し、レンズ吸着穴21は、図10に示すように、ホルダ本体1Aの軸部に形成した連通穴23を通して図示しない装置外部のバキューム装置に接続されている。
このレンズ吸着保持手段のいずれの実施形態は、レンズ加工終了後に加工したレンズ素材Wが研磨皿3の加工面に密着してしまい、加工レンズを研磨皿3から取り外すのに多くの手間と時間がかかると言う問題を解消したもので、レンズ保持面2の中心部にレンズ吸着穴21及びレンズ吸着溝22により、加工完了したレンズ素材Wをバキューム装置からの吸引力によりレンズ保持面2に吸着保持することで、加工レンズを研磨皿3から取り外す手間を簡略させることが出来るものである。
バキューム装置のバキューム操作は、手動操作等により任意に行うことが出来るものである。
この発明は、上記のようにホルダ本体1Aの円弧状に形成したレンズ保持面2に、所定の形状に形成した高摩擦材から成るシート材料16を貼着すると共に、前記ホルダ本体1Aの外周縁部に、該外周縁部に沿って昇降可能な位置決め用のリング状の支持部材4を設けたことにより、ホルダ本体1Aの円弧状に形成したレンズ保持面2にレンズ素材Wを確実に保持させて精度の高い研削または研磨加工を行うことが出来る。
また、コバ部の無い、もしくはコバ部が少ないレンズ素材を研磨加工する際にも、コバ部のあるレンズ素材の加工と同等、またはそれ以上の作業効率により加工作業を行うことが出来る。前記ホルダ本体1Aの外周縁部に、該外周縁部に沿って昇降可能な位置決め用のリング部材を設けたことにより、コバ部の無い、もしくはコバ部が少ないレンズ素材Wを研磨加工する際には、レンズ素材にレンズ素材と同径もしくは近似径の治具をワックスやピッチ等を接着剤として貼り付ける必要はなく、作業の手間も省略でき、生産性の向上を図ることが出来る。
更に、レンズ素材に貼り付ける専用の治具も必要としないので、コストダウンを図ることも可能であり、貼り付けるワックスやピッチ等の接着剤を使用することがないので、作業者や環境に対する配慮が必要がなく、安全な加工作業を行うことが出来、レンズに傷を発生させたり、熱によりレンズが破損したりすることが少なく、品質精度を高めることが出来るものである。
また、ホルダ本体1Aに、加工後のレンズを保持するための手段を設けたので、レンズ加工終了後に加工したレンズが研磨皿の加工面に密着してしまうと言うことも少なく、加工レンズを研磨皿から取り外す作業を簡便に行うことが出来る。
この発明では、レンズ素材の周縁部に肉厚部が無い(コバ部が無い)、もしくは肉厚部が少ない(コバ部が少ない)レンズ素材の一側面をホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面に保持させ、このホルダ本体に保持されたレンズ素材を、レンズ加工装置に取付けた研削工具または研磨工具に押圧させた状態で前記研削工具または研磨工具の回転に追従して回転させながらレンズ素材の他側面を精度良く研削及び研磨加工することが出来るレンズ加工装置に用いるレンズホルダである。
1、1A ホルダ本体
2 レンズ保持面
3 研磨皿
3a ウレタンパッド
4 支持部材
5 シート材料
W レンズ素材
Wa レンズ素材の外周縁部
14a 円筒状部材
14b フランジ部
14c 切欠凹部
14d 下面側段部
15a ボルト
15b プレート
16、16A〜16E シート材料
17 凹部
18 ピン
20 スプリング
21 レンズ吸着穴
22 レンズ吸着溝
23 連通穴
S−S 中心線

Claims (2)

  1. 周縁部に肉厚部が無い、もしくは肉厚部が少ないレンズ素材の一側面をホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面に保持させ、このホルダ本体に保持されたレンズ素材を、レンズ加工装置に取付けた研削工具または研磨工具に押圧させた状態で前記研削工具または研磨工具の回転に追従して回転させながらレンズ素材の他側面を曲面加工するレンズ加工装置に用いるレンズホルダであって、
    前記レンズホルダは、レンズ素材の円弧状に形成されたレンズ保持面を備えたホルダ本体と、このホルダ本体の外周縁部にレンズ素材の外周縁部を支持するリング状の支持部材とで構成し、
    前記ホルダ本体の円弧状に形成されたレンズ保持面に、所定の形状に形成した高摩擦材から成るシート材料を貼着すると共に、前記ホルダ本体の外周縁部に、該外周縁部に沿って昇降可能で、レンズ素材の位置決め用に用いる前記支持部材を設け、
    前記高摩擦材から成るシート材料は、分離または分割した一枚または複数枚のシート材料からなり、前記ホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面の面積に対して均一に貼り付けて構成し、
    前記昇降可能な位置決め用の支持部材は、レンズ素材の装着時に、ホルダ本体の外周縁部に沿って手動操作または自動的に昇降作動させてレンズ素材の位置決めを行うように構成し、
    前記ホルダ本体の円弧状に形成したレンズ保持面に、吸引手段に接続されたレンズ吸着穴及びこのレンズ吸着穴に接続するレンズ吸着溝を設けたことを特徴とするレンズ加工装置に用いるレンズホルダ。
  2. 前記高摩擦材から成るシート材料の厚さは、0.5〜1mmの範囲に設定する請求項1に記載のレンズ加工装置に用いるレンズホルダ。
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