JP5690949B2 - 冷間伸線型高靭性非調質線材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、機械構造締結用又は自動車部品などに用いられる線材に関し、より詳細には、熱処理を省略しても優れた靭性を有し、冷間伸線により強度確保が可能な非調質線材とその製造方法に関する。
機械構造用又は自動車部品などに用いられる構造用鋼は、殆ど熱間加工後に再加熱、焼入れ、焼戻しして強度と靭性を高めて用いる調質鋼である。非調質鋼は、上記調質鋼とは異なり、熱間加工後に熱処理をしなくても熱処理(調質処理)した鋼と類似した靭性と強度が得られる鋼である。上記非調質鋼は、微量の合金を添加して材質を作るため、微細合金鋼(Micro‐Alloyed Steel)とも呼ばれる。
通常の線材製品は、熱間圧延→冷間伸線→球状化熱処理→冷間伸線→冷間圧造→急冷及び焼き戻し過程を経て最終製品が製造されるのに対し、非調質線材製品は、熱間圧延→冷間伸線→冷間圧造の過程を経て最終製品が製造される。
上記のように、非調質鋼は、熱処理工程を省略した経済的な製品であると共に、最終急冷及び焼き戻しも行わない。したがって、非調質鋼は、熱処理による曲がり、すなわち熱処理の際の欠陥を生じさせないで、直進性が確保されて、多くの製品に適用されている。
しかしながら、非調質鋼は、熱処理工程が省略され持続的な冷間加工が施されるため、工程が進行するほど、製品の強度は上昇するが、延性が持続的に低下するという問題がある。このような問題を解決するために、下記のような技術が開示されている。
日本特開1995-054040号公報には、重量%で、C:0.1〜0.2%、Si:0.05〜0.5%、Mn:1.0〜2.0%、Cr:0.05〜0.3%、Mo:0.1%以下、V:0.05〜0.2%、Nb:0.005〜0.03%であり残部が実質的にFeからなる合金鋼を熱間圧延し、その冷却過程において、800〜600℃で合金鋼を60秒以内で冷却し、次いで、450〜600℃に加熱するか、又は連続して600〜450℃の間で20分以上晒して冷却し、その後、冷間加工を行うことにより、引張強度750〜950MPaの非調質鋼線材を製造する方法が開示されている。しかし、上記特許は、制御圧延により熱間圧延を行い、成分において高価のクロム、モリブデン及びバナジウムを添加するため、経済性が低いという問題がある。
日本特開1998−008209号公報には、冷間加工性及び熱間加工後の強度に優れた非調質鋼及びその製造方法と、上記非調質鋼を用いた鍛造部材の製造方法が開示されている。上記特許は、C、Si、Mn、Cr、V、P、O、S、Te、Pb、Bi、Caの含有量を特定した鋼において、フェライト相の体積率が40%以上であり硬度が90HRB以下である冷間加工性に優れた非調質鋼を提供する。これを製造する方法として、最終加工温度が800〜950℃となるように、熱間圧延後にすぐに毎分120℃以下の冷却速度でA1点以下の温度まで連続冷却する方法、及び熱間圧延鋼材を800〜950℃で10分以上加熱した後に空気中に放冷する方法、また、この鋼材に冷間加工又は600℃以下の温度で温間加工をし、予備成形体を製造し、上記予備成形体を1000〜1250℃の温度で熱間鍛造した後に空気中に放冷することにより、硬度20〜35HRBの構造部材を製造する方法を開示している。しかしながら、上記特許は、通常用いない元素を含む特定鋼に成分を限定し、冷間鍛造用に製造されるものではない。
また、日本特開2006−118014号公報には、冷間加工性に優れ、伸張線の減面率の高い加工を行った場合にも、熱処理後の結晶粒の粗大化が抑制されるボルトなどの製造に適した表皮硬化用鋼の製造方法が開示されている。上記特許は、重量%で、C:0.1〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:0.3〜1.0%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Cr:0.3〜1.5%、Al:0.02〜0.1%、N:0.005〜0.02%を満たし、残りが鉄及び不可避な不純物からなる鋼材を用い、700〜850℃の温度で熱間仕上げ圧延又は熱間仕上げ鍛造を行った後、600℃までの冷却を0.5℃/sec以下の冷却速度で行い、続いて、室温まで放冷し、その後に行う伸張線の減面率を20%未満に抑制して、高靭性非調質線材を製造する方法を開示している。しかしながら、上記特許は、成分含量において、マンガンの含量が少なく、クロム及びアルミニウムを用いている。
日本特開1995‐054040号公報 日本特開1998‐008209号公報 日本特開2006‐118014号公報
本発明は、冷間伸線により引張強度を調節することができ、優れた靭性を有する冷間伸線型高靭性非調質線材、及びこれを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、重量%で、C:0.2〜0.3%、Si:0.1〜0.2%、Mn:2.5〜4.0%、P:0.035%(0は除く)以下、S:0.04%(0は除く)以下、並びに残部Fe及び不可避な不純物を含む冷間伸線型高靭性非調質線材を提供する。
また、本発明の他の側面によれば、上記組成を含む鋼材をAe3+150℃〜Ae3+250℃の温度範囲で加熱する段階と、加熱された鋼材を5〜15℃/sの冷却速度で冷却する段階と、冷却された鋼材をAe3+50℃〜Ae3+150℃の温度範囲で圧延する段階と、圧延された鋼材を0.01〜0.25℃/sの冷却速度で600℃以下まで冷却する段階を含む冷間伸線型高靭性非調質線材の製造方法を提供する。
本発明は、熱処理を省略しても優れた高靭性を確保することができ、特に、冷間伸線だけでも引張強度を調節することができる非調質線材を提供することができる。これにより、高靭性を求める自動車用の部品、例えば、タイロッド、ラック棒などを効果的に製造することができる。
実施例2のうち発明材3の微細組織を示した図である。 実施例2のうち比較材6の微細組織を示した図である。 図1の写真のうちパーライトを拡大した図である。 図2の写真のうちパーライトを拡大した図である。 実施例2において冷間伸線量による強度向上を測定したグラフである。 実施例2において冷間伸線量による衝撃靭性を測定したグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、従来技術とは異なり、マンガンの含量を高め、製造工程中に冷却速度を制御し、炭素拡散抑止効果により、既存のパーライトと異なる不完全パーライトを形成することにより、靭性、特に、衝撃靭性を向上させることができることを知見し、本発明に至った。
まず、本発明の線材の組成について詳細に説明する(以下、重量%)。本発明の線材をなす組成の特徴は、高価の元素を特に添加しなくても、優れた靭性を確保することができる点にある。
炭素(C)の含量は、0.2〜0.3%を満たすことが好ましい。Cは、線材の強度に影響を与える元素であり、十分な強度を確保するためにはその含量が0.2%以上であることが好ましい。しかしながら、Cの含量が多すぎると、フェライト及びパーライト微細組織を形成しようとする傾向性が強くなるため、必要強度より高くなり、靭性が低下する問題があるため、その含量を0.3%以下とすることが好ましい。
シリコン(Si)は、0.1〜0.2%を満たすことが好ましい。Siは、冷間引抜及び圧造工程中の急激な加工硬化による加工性の問題を解消するために、0.2%以下とすることが好ましい。但し、その含量が少なすぎると、熱間圧延線材と製品に求められる十分な強度に到達することができないため、0.1%以上添加することが好ましい。
マンガン(Mn)の含量は、2.5〜4.0%を満たすことが好ましい。Mnは、マトリックス組織内に置換型固溶体を形成して固溶強化する元素である。そのため、延性が低下することなく要求強度が得られる有用な元素である。上記Mnの含量が4.0%を超える場合は、固溶強化効果よりは、Mn偏析によって延性が急激に減少する。即ち、Mnの含量が多すぎると、鋼の凝固時に偏析機構に応じて巨視偏析と微視偏析が容易に発生する。このようなMn偏析は、他の元素と比べて相対的に低い拡散係数によって偏析帯を助長するため、中心部に低温組織(中心部マルテンサイト)を生成する主原因となり、強度は増加するが、延性が低下するという問題がある。また、上記Mnの含量が2.5%未満の場合は、Mn偏析による偏析帯の影響はほぼないが、本発明で求める不完全パーライトの十分な確保が困難となるため、優れた冷間伸線性を確保することが困難となるという問題がある。
燐(P)及び硫黄(S)は、それぞれ0.035%以下(0は除く)、0.040%以下(0は除く)を満たすことが好ましい。上記Pは、結晶粒界に偏析されて靭性を低下させる主な原因であるため、その上限を0.035%に制限することが好ましい。上記Sは、低融点元素であり、粒界偏析されて靭性を低下させ硫化物を形成させて、遅延破壊抵抗性及び応力緩和特性に有害な影響を及ぼすため、その上限を0.040%に限定することが好ましい。
残部はFe及び不可避な不純物を含む。本発明の線材は、上記組成以外に他の元素が含有されることを排除するものではない。
以下、本発明の線材の微細組織について詳細に説明する。
本発明の線材は、面積分率でパーライト分率90%以上を含み、残部がフェライトからなる。この際、本発明の線材は、パーライトのうちセメンタイトの厚さが100nm以下の不完全パーライト(de‐generated pearlite)を有し、上記不完全パーライトは、平均セメンタイトの縦横比(幅:厚さ)が30:1以下であり、一部分節されたセメンタイトと層状フェライト形態を有する層状構造を形成する。
本発明では、Mn含量の増加により、Cの活性が減少するため、非平衡組織、即ち、上記のような不完全パーライトが形成される。Mnがフェライトとオーステナイトの粒界内に偏析されてオーステナイトの分解を抑制し、ドラッグ効果によって非平衡相が現れる。
上記セメンタイトの厚さは、ラメラ間隔として知られている。本発明では、ラメラ間隔が100nm以下の場合にセメンタイトが不均一になり、不完全なラメラにより不完全パーライトの形成が可能となる。
上記不完全パーライトのセメンタイトは、ラメラが均一に形成されずに球状化されて不均一なラメラを構成するため、セメンタイトの縦横比が30:1以下である。これにより、衝撃時、衝撃エネルギーがセメンタイトではなく分節されたセメンタイトの間を通るため、衝撃値の向上が可能となる。しかしながら、縦横比が30:1を超えると、セメンタイトのラメラが均一に構成されるため、衝撃値の向上が困難となる。
以下、本発明の線材の製造方法について詳細に説明する。
上記組成を満たす鋼材を加熱する。上記加熱は、Ae3+150℃〜Ae3+250℃の温度範囲で行うことが好ましい。上記加熱は、30分〜1時間30分間行うことが好ましい。
上記加熱の際の温度範囲は、オーステナイト単相が維持される範囲であり、オーステナイト結晶粒が粗大化されない範囲であり、残存する偏析、炭化物及び介在物の効果的な溶解が可能な温度範囲である。加熱温度がAe3+250℃を超える場合は、オーステナイト結晶粒が非常に粗大になり、冷却後に形成される微細組織の粗大化の傾向が強くなるため、高強度及び高靭性線材が得られないことがある。また、Ae3+150℃未満の温度では、加熱による効果が得られないため、その下限はAe3+150℃であることが好ましい。
上記加熱時間が30分未満の場合は温度が全体的に均一にならないという問題があり、1時間30分を超える場合はオーステナイト結晶粒が粗大化する可能性が高くなり生産性が顕著に減少するため、その加熱時間は1時間30分を超えないことが好ましい。
上記加熱された鋼材を5〜15℃/sの冷却速度で冷却し、Ae3+50℃〜Ae3+150℃の温度範囲で圧延することが好ましい。
上記冷却速度は、熱間圧延前に冷却を行って微細組織の変態を最小化するためのものである。上記熱間圧延前の冷却速度が5℃/s未満の場合は、生産性が減少し、徐冷を維持するのに追加の装置が必要となり、加熱時間を長時間維持した場合のように、熱間圧延完了後に線材の強度と靭性が低下する恐れがある。これに対し、上記冷却速度が15℃/sを超える場合は、圧延前に鋼材が有する変態の駆動力が増加するため、圧延中に新たな微細組織が現れる可能性が大きくなり、圧延温度を低温に再設定しなければならないという問題があるため、15℃/s以下とすることが好ましい。
冷却後、Ae3+50℃〜Ae3+150℃で圧延を行うと、圧延中に変形による微細組織が現れるのが抑制され、再結晶が発生しないようにサイジング圧延のみが可能になる。圧延温度がAe3+50℃未満の場合は、動的再結晶温度に近づくため、本発明の微細組織を得るのが困難であり、一般の軟質のフェライトが確保される可能性が非常に大きい。これに対し、圧延温度がAe3+150℃を超える場合は、冷却後に再び加熱をしなければならないという問題が発生する。
上記圧延を経て製造された線材を0.01〜0.25℃/sの冷却速度で600℃以下まで冷却することが好ましい。上記冷却速度は、マンガンの添加によって炭素の拡散が阻止され、不完全パーライトが十分な面積分率を有して効果的に生成されることができる冷却速度である。上記冷却速度が0.01℃/s未満の場合は、冷却速度が遅すぎて層状又は不完全パーライトが生成されずに、球状化の形態を有するセメンタイトが生成されるため、強度が急激に低下する。これに対し、冷却速度が0.25℃/sを超える場合は、多量に含有されたマンガンの効果によって、低温組織が発生する。これは、マンガンの添加による硬化能向上によってフェライト/パーライト変態が遅延され、マルテンサイト/ベイナイトのような低温組織が発生するため、優れた冷間伸線性及び衝撃靭性と延性を確保することを期待することができない。
本発明の線材は、650〜750MPa程度の引張強度と、60〜70%の断面減少率を有し、線材製造後に約95%の冷間伸線した引張強度が1300〜1500MPaであり、この際のV‐ノッチシャルピー衝撃靭性が60J以上である。
以下、本発明の実施例について説明する。しかしながら、本発明は、下記の実施例によって限定されない。
(実施例1)
下記の表1の組成を満たす鋼材を用いて下記の表2の製造条件で線材を製造した。製造された線材の引張強度と衝撃靭性を特定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005690949
Figure 0005690949
上記表2の結果から分かるように、発明材は、650〜750MPaの引張強度を有している。これは、冷間伸線時、強度上昇化と共に、持続的な靭性の低下により、熱間圧延直後、最適の引張強度を示す。
したがって、上記比較材1〜3の場合は十分な強度を確保することが容易ではなく、比較材4〜5の場合は十分な冷間伸線性を確保することが困難で。
(実施例2)
熱間圧延後、冷却速度を変化させ、好ましい引張強度と衝撃特性が観察された。上記発明材1と発明材2の鋼材を対象に表3の工程を適用して、引張強度と衝撃靭性を特定した。その結果を表3に示す。表3の結果から、より好ましい冷却速度条件が確認できた。
Figure 0005690949
上記表3から、本発明の発明材であっても、圧延後の線材の冷却速度が0.5〜1.5℃/sの範囲のときに、一層適切な引張強度と衝撃靭性を確保することができることが分かる。したがって、上記冷却条件が好ましいことが確認できる。即ち、上記表3を参照すると、比較例に分類された発明材1‐1及び発明材2−1は、より適切な強度を確保することができず、発明材1‐5、発明材2‐4及び2‐5は、適切な強度は確保するが、より十分な衝撃靭性は確保することが困難であった。
(実施例3)
本発明の線材に対し、冷間伸線後の強度上昇の効果と衝撃靭性に対する効果を確認するために、上記実施例1の発明材3(表1及び表2の条件に従う)と比較材6を用意した。
上記比較材6は、0.25重量%のCと0.5重量%のMnを含み、他の条件を上記発明材3と同一にした。
上記発明材3と比較材6の微細組織を観察した。これをそれぞれ図1及び図2に示し、これらの拡大写真をそれぞれ図3及び図4に示す。
図1及び図3は発明材3の微細組織であり、黒い部分に不完全パーライトが現れ、白色のフェライト部分が現れる。不完全パーライト部分が面積分率で90%以上を占めることが確認できる。また、通常のパーライトとは異なり、フェライトとセメンタイトが混合相をなすが、層状構造を有しないことが図3から確認できる。
これに対し、図2及び図4は比較材6の微細組織であり、通常のフェライト系鋼板である。フェライトが面積分率で約80%程度を占め、パーライトが約20%程度を占め、パーライトがフェライトとセメンタイトの層状構造を有することが図4から確認できる。
一方、冷間伸線による強度向上と衝撃靭性を観察した。これをそれぞれ図5及び図6に示す。上記図5及び図6において、25F、45F、45C及び82BCはそれぞれ、0.25C‐0.7Mn‐0.2Si成分を有する25F鋼種を示し、0.45C‐0.7Mn‐0.2Si成分を有する45F、45C鋼種を示し、及び0.9C‐0.7Mn‐0.2Cr成分を有する82BC鋼種を示す。
図5から、発明材3と82BCを除き、冷間伸線量の増加に従い、引張強度が増加してから途中で破壊されることが確認できる。図6から、冷間伸線量が増加しても、発明材3は90%以上の断面減少率でも60J以上の衝撃靭性値を有するのに対し、他の鋼材は破壊されるか非常に低い衝撃靭性値を有することが確認できる。
以上のことから、発明材3のみが、冷間伸線量が高くなっても、優れた強度を確保すると共に優れた衝撃靭性値を有することが確認できる。

Claims (5)

  1. 重量%で、C:0.2〜0.3%、Si:0.1〜0.2%、Mn:2.5〜4.0%、P:0.035%(0は除く)以下、S:0.04%(0は除く)以下、並びに残部Fe及び不可避な不純物からなり、
    微細組織が、パーライトのセメンタイトの縦横比(幅:厚さ)が30:1以下であり、一部分節されたセメンタイトと層状フェライト形態を有する層状構造の不完全パーライト(de−generated pearlite)を面積分率で90%以上含み、残部がフェライトからなり、前記不完全パーライトのセメンタイトの厚さは100nm以下である、冷間伸線型高靭性非調質線材。
  2. 前記線材の引張強度は650〜750MPaである、請求項1に記載の冷間伸線型高靭性非調質線材。
  3. 前記線材は90%の断面減少率で冷間伸線後に1300〜1500MPaの引張強度と60J以上のV‐衝撃靭性を有する、請求項1に記載の冷間伸線型高靭性非調質線材。
  4. 重量%で、C:0.2〜0.3%、Si:0.1〜0.2%、Mn:2.5〜4.0%、P:0.035%(0は除く)以下、S:0.04%(0は除く)以下、並びに残部Fe及び不可避な不純物からなる鋼材をAe3+150℃〜Ae3+250℃の温度範囲で加熱する段階と、
    加熱された鋼材を5〜15℃/sの冷却速度で冷却する段階と、
    冷却された鋼材をAe3+50℃〜Ae3+150℃の温度範囲で圧延する段階と、
    圧延された鋼材を0.01〜0.25℃/sの冷却速度で600℃以下まで冷却する段階と、
    を含む、冷間伸線型高靭性非調質線材の製造方法。
  5. 前記加熱は30分〜1時間30分間行われる、請求項に記載の冷間伸線型高靭性非調質線材の製造方法。
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