JP5690444B2 - 通信模擬システム、通信模擬方法および車両通信装置 - Google Patents

通信模擬システム、通信模擬方法および車両通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両の電装システムの作動を検証する技術に係り、特に、車両の電装システムによる通信を模擬する通信模擬システム、通信模擬方法および車両通信装置に関する。
従来、自動車等の車両の電装システムの作動を検証するために、車両電装システムに対して、学習、書き込みおよび検査に係る車両通信が行われている。学習に係る車両通信は、車両電装システムに含まれるECU(Electronic Control Unit)等を含む部品に対して、通信命令とそれに対応する作動とを予め学習させる(記憶させる)ための車両通信である。書き込みに係る車両通信は、ECU、電装システム、またはそれらにより構成される部品が正常に作動するために必要なデータを該当する電装システムのメモリ等に書き込むための車両通信である。検査に係る車両通信は、車両電装システムに対して車両外部より接続される車両通信装置が車両電装システム等の作動状態を検証するための検査通信である。
一般に、自動車に搭載される種々の電装品は、車両内部のセンサで検知された車両状態に応じて、車両内部のECUによって制御されている。このような車載電装品の出荷前には、各車載電装品が実際に車両に搭載された状態で確実に動作するか否かを試験する必要がある。従来、このような車載電装品のための車載電装品試験システムが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された車載電装品試験システムは、2系統の通信線を接続して車両全体を模擬したシミュレーションを行って、各種車載電装品の動作を試験する。
自動車の生産において、例えば、検査のための所定のラインを備えた第1の拠点で生産している車種の車を、別のラインを備えた第2の拠点にて生産する場合がある。また、このような第2の拠点で生産する際に、ECUを新仕様にして車を開発する場合もある。これらの場合、通常、量産する時期以前に、車をラインに持っていって、生産をする状態において、ライン適応性、各種の検査工程等の成立性を確認する。すなわち、現状のラインを移動する実車の各ECUに対する通信が成功し、この車が現状のラインに対して問題なく生産できるか実車をもって確認する。このように、ラインの詳細な工程検証は実車を用いて行うために、開発期間のうちの後期で行うのが通常である。また、拠点が同一の場合であっても新機種等により電装システムの仕様が変更する際には工程検証が必要となる。
特開2005−181113号公報
実車を用いた詳細な工程検証において、ラインのレイアウト等の不具合が生じた場合、工程レイアウトを再検討したり、変更した工程を再検証したりするなどの工数が発生する。この場合、量産まで充分な期間が確保できずに、結果として、最適な工程レイアウトでの量産が行えなくなることがある。そのため、無駄な工数の削減や最適な工程レイアウトの構築が要望されている。
さらに、車載される部品の電装システムに対して、あらかじめ作動を学習させる工程や必要なデータを書き込む工程が車両組み立て時に必要となるが、上記検査工程と同様に、製品仕様や拠点が変わるたびに、生産ライン上で学習、書き込み工程が成立可能かどうか検証する必要が生じており、その工数削減が要望されている。
そこで、実車を用いずに、シミュレーションにより工程を検証することが考えられる。しかしながら、特許文献1に記載された車載電装品試験システムは、車両全体を模擬したシミュレーションにより車載電装品の動作の試験を行うものであって、ラインにおける工程の成立性を検証することはできない。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、実車なしで通信を模擬することのできる通信模擬システム、通信模擬方法および車両通信装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る通信模擬システムは、車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より接続されて前記それぞれの車両電装システムの作動状態を検証する車両通信装置と前記車両電装システムとの間において、所定の通信定義ファイルで規定された通信処理と、車両側で検知された時刻別の車両状態を示す少なくとも1種類の車両状態情報とにしたがって行われる通信を模擬する通信模擬システムであって、所定の場所で行う工程における前記車両電装システムと前記車両通信装置との通信内容として前記車両状態情報を入力する通信内容入力手段と、前記入力された車両状態情報を、工程、場所および車両と対応付けて車両条件として車両条件データベースに記録する通信記録手段と、前記それぞれの車両電装システムに含まれる複数の電子制御ユニットが所定の工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイルと同じ通信定義ファイルをそれぞれ記憶する記憶手段と、選択された車両条件に応じて、前記車両条件データベースから前記車両状態情報を取得する車両状態情報取得手段と、選択された工程に応じて前記記憶手段から前記通信定義ファイルを取得し、前記取得された前記通信定義ファイルに規定された通信処理と、前記選択された車両条件に応じて前記車両条件データベースから取得された車両状態情報とにしたがって、前記選択された工程における前記選択された車両条件の通信処理を前記車両通信装置との間で行う通信制御手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1の観点に係る通信模擬システムは、通信内容入力手段によって、車両状態情報を入力する。ここで、車両状態情報は、所定の場所で行う工程において、車両側で検知された時刻別の車両状態を示す情報である。通信内容入力手段は、例えば、車両毎に複数の異なる検査場所で行う検査工程で検知される車両状態情報をそれぞれ入力する。そして、通信模擬システムは、通信記録手段によって、各車両状態情報を車両条件データベースに記録する。そして、通信模擬システムは、電子制御ユニットが所定の工程にて実行する通信処理を規定した通信定義ファイルをそれぞれ記憶手段に記憶する。そして、通信模擬システムは、車両状態情報取得手段によって、選択された車両条件に応じて、車両条件データベースから車両状態情報を取得する。ここで、取得される車両状態情報は、車両条件で特定される場所で検知される時刻別の情報を示す。そして、通信模擬システムは、通信制御手段によって、車両通信装置に対して通信を行う。このとき、通信制御手段は、車両条件データベースから取得された車両状態情報を反映し、選択された工程に応じて記憶手段から取得した通信定義ファイルに規定された通信処理を行う。これにより、通信模擬システムは、選択された車両条件で特定された場所での工程における車両状態情報を再現する。したがって、通信模擬システムは、実車なしで、車両に搭載された車両電装システムと車両通信装置との間で行われる通信の通信状態を模擬することができる。
また、本発明に係る通信模擬システムは、前記所定の場所で行う工程における通信が、前記車両通信装置が前記車両電装システムの作動を検証するために行う検査通信と、前記車両通信装置が学習を行うための学習通信と、前記車両通信装置がデータを書き込むための書き込み通信と、のうちのいずれかの通信であることが好ましい。
また、本発明の第2の観点に係る通信模擬システムは、車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より接続されて前記それぞれの車両電装システムの作動状態を検証する車両通信装置であって所定の検査場所での必要情報を管理する設備に付帯する情報処理端末装置と無線で通信接続される前記車両通信装置と前記車両電装システムとの間、および前記車両通信装置と前記情報処理端末装置との間、において所定の通信定義ファイルで規定された通信処理と、車両側で検知された時刻別の車両状態を示す少なくとも1種類の車両状態情報と、にしたがって行われる検査通信を模擬する通信模擬システムであって、所定の検査場所で行う検査工程における前記車両電装システムおよび前記情報処理端末装置と前記車両通信装置との通信内容として前記車両状態情報を入力する通信内容入力手段と、前記入力された車両状態情報を、検査工程と検査場所と車両と対応付けて車両条件として車両条件データベースに記録する通信記録手段と、前記それぞれの車両電装システムに含まれる複数の電子制御ユニットおよび前記情報処理端末装置が所定の検査工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイルと同じ通信定義ファイルをそれぞれ記憶する記憶手段と、選択された車両条件に応じて、前記車両条件データベースから前記車両状態情報を取得する車両状態情報取得手段と、選択された検査工程に応じて前記記憶手段から前記通信定義ファイルを取得し、前記取得された前記通信定義ファイルに規定された通信処理と、前記選択された車両条件に応じて前記車両条件データベースから取得された車両状態情報とにしたがって、前記選択された検査工程における前記選択された車両条件において前記電子制御ユニットが実行する有線通信処理と、当該検査工程において前記情報処理端末装置が実行する無線通信処理とを並行して前記車両通信装置との間で行う通信制御手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、第2の観点に係る通信模擬システムは、通信内容入力手段によって、車両電装システムおよび情報処理端末装置と車両通信装置との通信内容として車両状態情報を入力する。そして、通信模擬システムは、通信記録手段によって、各車両状態情報を車両条件データベースに記録する。そして、通信模擬システムは、電子制御ユニットおよび情報処理端末装置が所定の検査工程にて実行する通信処理を規定した通信定義ファイルをそれぞれ記憶手段に記憶する。そして、通信模擬システムは、車両状態情報取得手段によって、選択された車両条件に応じて、車両条件データベースから車両状態情報を取得する。そして、通信模擬システムは、通信制御手段によって、車両通信装置に対して通信を行う。このとき、通信制御手段は、車両条件データベースから取得された車両状態情報を反映し、選択された検査工程に応じて記憶手段から取得した通信定義ファイルに規定された通信処理を行う。これにより、通信模擬システムは、選択された車両条件で特定された検査場所での検査工程において電子制御ユニットが実行する有線通信処理と、当該検査工程において情報処理端末装置が実行する無線通信処理とを並行して再現する。したがって、通信模擬システムは、実車なしで、車両に搭載された車両電装システムと車両通信装置との間で行われる通信を模擬すると共に、所定の検査場所での必要情報を管理する設備に付帯する情報処理端末装置と車両通信装置との間で行われる通信を模擬することができる。
また、本発明に係る通信模擬システムは、前記車両状態情報が、場所毎の設備と環境とのうち少なくとも1つにより影響を受ける車両状態の情報であることが好ましい。
かかる構成によれば、通信模擬システムは、場所によって車両状態が異なっていたとしても、実車なしで、車両に搭載された車両電装システム等と車両通信装置との間で行われる通信の通信状態を模擬することができる。
また、本発明に係る通信模擬システムは、前記通信制御手段が、前記少なくとも1種類の車両状態情報に対して想定される変化量を反映して生成される少なくとも1種類の仮想車両状態情報を用いて、前記選択された車両条件の通信処理を前記車両通信装置との間で行うことが好ましい。
かかる構成によれば、通信模擬システムは、過去に実車から取得した車両状態情報に対して想定される変化量を反映した仮想車両状態情報を用いた通信を模擬することができる。したがって、過去に取得したデータにより忠実なシミュレーションだけではなく、取得データを柔軟に変化させたシミュレーションによって、工程の成立性を検証することができる。
また、本発明に係る通信模擬システムは、前記仮想車両状態情報が、一の機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報と、前記一の機種に類似した類似機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報との比較から予め求められた所定の数値変換規則を用いて、前記一の機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報を数値変換することで生成され、前記通信制御手段が、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記一の機種から変化した変化量を反映した他の機種の車両が前記車両通信装置からの要求に応答する通信内容を模擬することが好ましい。
また、本発明に係る通信模擬システムは、前記仮想車両状態情報が、前記車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報に関連付けて生成された仮想的な通信情報であり、前記通信制御手段が、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記車両状態情報を含む通信内容が検知された車両が前記車両通信装置からの要求に応答する通信内容を模擬することが好ましい。
また、本発明に係る通信模擬システムは、前記仮想車両状態情報が、前記車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報に対して、前記車両通信装置からの予め定められた特定のコマンドで要求される数値を加算または減算する数値変換により生成され、前記通信制御手段が、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記車両状態情報を含む通信内容が検知された車両が前記車両通信装置からの前記特定のコマンドに応答する通信内容を模擬することが好ましい。
また、前記課題を解決するために、本発明に第1の観点に係る通信模擬方法は、車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より接続されて前記それぞれの車両電装システムの作動状態を検証する車両通信装置と前記車両電装システムとの間において、所定の通信定義ファイルで規定された通信処理と、車両側で検知された時刻別の車両状態を示す少なくとも1種類の車両状態情報とにしたがって行われる通信を模擬する通信模擬システムによる通信模擬方法であって、前記通信模擬システムが、前記それぞれの車両電装システムに含まれる複数の電子制御ユニットが所定の工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイルと同じ通信定義ファイルをそれぞれ記憶する記憶手段と、処理手段とを備え、前記処理手段が、所定の場所で行う工程における前記車両電装システムと前記車両通信装置との通信内容として前記車両状態情報を入力する通信内容入力ステップと、前記入力された車両状態情報を、工程、場所および車両と対応付けて車両条件として車両条件データベースに記録する通信記録ステップと、選択された車両条件に応じて、前記車両条件データベースから前記車両状態情報を取得する車両状態情報取得ステップと、選択された工程に応じて前記記憶手段から前記通信定義ファイルを取得し、前記取得された前記通信定義ファイルに規定された通信処理と、前記選択された車両条件に応じて前記車両条件データベースから取得された車両状態情報とにしたがって、前記選択された工程における前記選択された車両条件の通信処理を前記車両通信装置との間で行う通信制御ステップと、を実行することを特徴とする。
また、本発明に係る通信模擬方法は、前記所定の場所で行う工程における通信が、前記車両通信装置が前記車両電装システムの作動を検証するために行う検査通信と、前記車両通信装置が学習を行うための学習通信と、前記車両通信装置がデータを書き込むための書き込み通信と、のうちのいずれかの通信であることが好ましい。
また、本発明の第2の観点に係る通信模擬方法は、車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より接続されて前記それぞれの車両電装システムの作動状態を検証する車両通信装置であって所定の検査場所での必要情報を管理する設備に付帯する情報処理端末装置と無線で通信接続される前記車両通信装置と前記車両電装システムとの間、および前記車両通信装置と前記情報処理端末装置との間、において所定の通信定義ファイルで規定された通信処理と、車両側で検知された時刻別の車両状態を示す少なくとも1種類の車両状態情報と、にしたがって行われる検査通信を模擬する通信模擬システムによる通信模擬方法であって、前記通信模擬システムが、前記それぞれの車両電装システムに含まれる複数の電子制御ユニットおよび前記情報処理端末装置が所定の検査工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイルと同じ通信定義ファイルをそれぞれ記憶する記憶手段と、処理手段とを備え、前記処理手段が、所定の検査場所で行う検査工程における前記車両電装システムおよび前記情報処理端末装置と前記車両通信装置との通信内容として前記車両状態情報を入力する通信内容入力ステップと、前記入力された車両状態情報を、検査工程と検査場所と車両と対応付けて車両条件として車両条件データベースに記録する通信記録ステップと、選択された車両条件に応じて、前記車両条件データベースから前記車両状態情報を取得する車両状態情報取得ステップと、選択された検査工程に応じて前記記憶手段から前記通信定義ファイルを取得し、前記取得された前記通信定義ファイルに規定された通信処理と、前記選択された車両条件に応じて前記車両条件データベースから取得された車両状態情報とにしたがって、前記選択された検査工程における前記選択された車両条件において前記電子制御ユニットが実行する有線通信処理と、当該検査工程において前記情報処理端末装置が実行する無線通信処理とを並行して前記車両通信装置との間で行う通信制御ステップと、を実行することを特徴とする。
また、本発明に係る通信模擬方法は、前記車両状態情報が、場所毎の設備と環境とのうち少なくとも1つにより影響を受ける車両状態の情報であることが好ましい。
また、本発明に係る通信模擬方法は、前記処理手段が、前記通信制御ステップにて、前記少なくとも1種類の車両状態情報に対して想定される変化量を反映して生成される少なくとも1種類の仮想車両状態情報を用いて、前記選択された車両条件の通信処理を前記車両通信装置との間で行うことが好ましい。
また、本発明に係る通信模擬方法は、前記仮想車両状態情報が、一の機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報と、前記一の機種に類似した類似機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報との比較から予め求められた所定の数値変換規則を用いて、前記一の機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報を数値変換することで生成され、前記処理手段が、前記通信制御ステップにて、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記一の機種から変化した変化量を反映した他の機種の車両が前記車両通信装置からの要求に応答する通信内容を模擬することが好ましい。
また、本発明に係る通信模擬方法は、前記仮想車両状態情報が、前記車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報に関連付けて生成された仮想的な通信情報であり、前記処理手段が、前記通信制御ステップにて、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記車両状態情報を含む通信内容が検知された車両が前記車両通信装置からの要求に応答する通信内容を模擬することが好ましい。
また、本発明に係る通信模擬方法は、前記仮想車両状態情報が、前記車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報に対して、前記車両通信装置からの予め定められた特定のコマンドで要求される数値を加算または減算する数値変換により生成され、前記処理手段が、前記通信制御ステップにて、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記車両状態情報を含む通信内容が検知された車両が前記車両通信装置からの前記特定のコマンドに応答する通信内容を模擬することが好ましい。
また、前記課題を解決するために、本発明に係る車両通信装置は、車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より車両用インタフェースを介して有線で通信接続されると共に、検査場所での必要情報を管理する設備に付帯する情報処理端末装置と無線で通信接続される車両通信装置であって、前記通信模擬システムと通信可能に接続される通信模擬システム用インタフェースを備え、選択された工程が所定の場所における前記車両状態情報に基づいて成立するか否かの問い合わせを、前記通信模擬システム用インタフェースを介して前記通信模擬システムに送信し、前記問い合わせに対する応答を、前記通信模擬システム用インタフェースを介して前記通信模擬システムから受信することを特徴とする。
かかる構成によれば、車両通信装置は、車両に搭載された複数の車両電装システムに対して接続するための車両用インタフェースと、通信模擬システムに対して接続するための通信模擬システム用インタフェースとを備える。これにより、車両通信装置は、通信模擬システム用インタフェースを介して通信模擬システムとの間で通信を行うことで、車両用インタフェースを介した車両との通信や情報処理端末装置との通信を模擬することができる。
本発明の通信模擬システムおよび方法によれば、実車なしで通信を模擬することができる。したがって、車両通信装置の開発において、実車なしでの検証や、生産拠点ごとの通信の変化を検証することができる。その結果、車両通信装置の開発コストを低減し、開発期間を短縮することができる。
本発明の実施形態に係る車両通信装置の模式図であって、(a)は車両に接続された車両通信装置、(b)は車両シミュレータに接続された車両通信装置を示している。 図1に示す車両の内部の電子制御システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムによる通信模擬方法の概要を模式的に示す概念図である。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムの運用例を模式的に示す概念図である。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムの構成例を模式的に示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムの第1動作例の概念図であって、(a)は車両通信装置の動作、(b)は車両シミュレータの動作、(c)はラインの車両条件の時間変化、(d)はラインの車両条件に対応したライン上の車両を示している。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムの第2動作例の概念図であって、(a)は車両通信装置の動作、(b)は車両シミュレータの動作、(c)はラインの車両条件の時間変化、(d)はラインの車両条件に対応したライン上の車両を示している。 図7の第2動作例により事前に検証されるラインの不具合を示す概念図である。 検査工程の概念図であって、(a)は当該検査工程に必要な車両状態、(b)は所定のラインにて当該検査工程に必要なエンジン状態、(c)は短縮されたラインにて当該検査工程に必要なエンジン状態を示している。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムの第3動作例であって所定ラインに適用したときの概念図であり、(a)は車両通信装置の動作、(b)は車両シミュレータの動作、(c)はラインの車両条件の時間変化、(d)はラインの車両条件に対応したライン上の車両を示している。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムの第3動作例であって他のラインに適用したときの概念図であり、(a)は車両通信装置の動作、(b)は車両シミュレータの動作、(c)はラインの車両条件の時間変化、(d)はラインの車両条件に対応したライン上の車両を示している。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムの第1具体例の通信処理の流れを示すシーケンス図である。 第1具体例に係る水温の時間変化の一例を示すグラフであって、(a)は機種Aの取得データ、(b)は機種Bの取得データ、(c)は機種Cの予測データを示している。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムの第2具体例の通信処理の流れを示す概念図であって、(a)は、車両シミュレータと車両通信装置との通信処理のシーケンス図であり、(b)はスイッチ信号の時間変化の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る通信模擬システムの第3具体例の通信処理の流れを示す概念図であって、(a)は、車両シミュレータと車両通信装置との通信処理のシーケンス図であり、(b)は回転速度の時間変化の一例を示すグラフである。
図面を参照して本発明を実施するための形態(実施形態という)について、以下では、1.車両通信装置の概要、2.車両内部の電子制御システムの概要、3.通信模擬方法の概要、4.通信模擬システムの運用例、5.通信模擬システムの構成例、6.通信模擬システムの動作の具体例、7.通信模擬システムの動作の別の具体例の各章に分けて詳細に説明する。
[1.車両通信装置の概要]
本発明の実施形態に係る車両通信装置10は、図1(a)および図1(b)に示すように、内部のコンピュータによる車両診断のためのキー操作部15およびディスプレイ16と、把持部17とを備え、把持部17により吊り下げ可能に構成されている。
車両通信装置10は、図1(a)に示すように、OBD2(On-Board Diagnostics 2)規格の車両用インタフェース11を介して車両20に通信可能に接続される。車両用インタフェース11は、ケーブルの先端にOBD2規格のコネクタ(オス)が設けられている。車両用インタフェース11のOBD2規格のコネクタは、車両側のOBD2規格のコネクタ(メス)に対して着脱自在に接続される。
車両通信装置10は、車両20に搭載された複数の車両電装システム(以下、単に電装システムという)に対して車両外部より接続されてそれぞれの電装システムの作動状態を検証するものである。図1(a)に示すように、車両20は、複数の電装システムを備えており、電装システムと車両通信装置10との間で通信が行われる。以下では、簡単のため、車両20が2つの電装システム21,22を備えるものとして説明する。また、自動車等の車両の電装システムの作動を検証するために、車両電装システムに対して、所定の場所での所定の工程にて、学習、書き込みおよび検査に係る車両通信が行われれるが、本実施形態では、以下、検査に係る車両通信(検査通信)について説明する。なお、車両電装システム等の部品組み立てにおいて、学習作業や書き込み作業のための車両通信が行われるが、それらの工程にあっても検査工程と同様に適用可能である。
車両通信装置10は、図1(a)に示すように、所定の検査場所にて所定の検査工程を行う際に、車両用インタフェース11を介して車両20に通信可能に接続される。図1(a)は、ラインのコンベア19上にて車両20が検査される場合を示しているが、車両20がコンベア19から降りた後で検査される場合もある。図1(a)に示すように、車両通信装置10は、車両の検査工程における要求信号(以下、リクエストという)を車両用インタフェース11を介して車両20に送信し、検査工程における応答信号(以下、レスポンスという)を車両20から受信する。これにより、車両通信装置10と車両20との間で通信が行われる。
ここで、リクエストとは、例えば、車両情報(車両識別情報や後記する車両状態情報等を含む)の読出し要求、各種情報の書込み要求、セキュリティ解除要求、強制駆動要求、自己診断要求、学習開始要求、検査工程検証要求等を含む。
また、レスポンスとは、例えば、車両情報(車両識別情報や後記する車両状態情報等)の返答、各種情報の書込み完了/未完了の返答、セキュリティ解除/未解除の返答、自己診断の実行可/実行不可の返答、学習開始の実行可/実行不可の返答、検査工程の成立/不成立の返答等を含む。なお、車両のECUからのレスポンスは、後記する車両状態情報等によって可変する。
また、この例では、設備に付帯する情報処理端末装置18を備えることとした。例えばx個の検査場所がある検査ラインを備える設備であれば、検査場所に応じた情報を管理したx個の情報処理端末装置18を備える。この情報処理端末装置18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力インタフェース等を備えている。情報処理端末装置18は、無線で車両通信装置10と通信可能に接続される。情報処理端末装置18は、図示しない記憶手段に通信定義ファイル181を記憶している。通信定義ファイル181は、所定の検査工程にて車両通信装置10との間で行う通信処理を規定したファイルを示す。情報処理端末装置18は、検査場所での検査項目ごとに必要な情報として、各種センサの識別情報、名称、仕様、検出値等(以下、設備情報という)を記憶手段に記憶して管理する。また、情報処理端末装置18は、ベルトコンベア等の搬送装置の速度情報等も記憶して管理する。
車両通信装置10は、図1(a)に示すように、所定の検査場所にての必要情報を管理する設備に付帯する情報処理端末装置18と無線で通信可能に接続される。
車両通信装置10は、車両20と有線で通信を実際に行っている最中に、情報処理端末装置18から、無線通信により、上記有線通信と関連した設備情報を取得する。
また、車両通信装置10は、図1(b)に示すように、通信模擬システム用インタフェース12と、通信模擬装置14とを介して、車両シミュレータ1に通信可能に接続される。通信模擬システム用インタフェース12は、例えばイーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)により通信模擬装置14と接続される。通信模擬システム用インタフェース12は、ケーブルの先端に例えばRJ45コネクタが設けられている。通信模擬システム用インタフェース12のRJ45コネクタは、通信模擬装置14側の対応するコネクタ挿入口に対して着脱自在に接続される。通信模擬装置14は、例えばUSB(Universal Serial Bus)により車両シミュレータ1に接続される。通信模擬装置14は、例えば一般的なパーソナルコンピュータで構成される車両シミュレータ1を車両通信装置10と通信可能に接続するための電気機器装置である。通信模擬装置14には、図示しない外部電源が接続されて車両シミュレータ1とは独立に動作可能である。通信模擬装置14は、後記するロガー190(図5参照)の機能を備えるように構成してもよい。なお、図1(b)では、車両用インタフェース11を省略した。
ここで、本発明の実施形態に係る通信模擬システム100(図3〜図5参照)の一形態を簡単のため、車両シミュレータ1と表記した。図1(b)の車両シミュレータ1は、通信模擬システムとして機能させるためのプログラムがインストールされた一般的なコンピュータで構成することができる。なお、通信模擬システム100の詳細については後記する。
本実施形態では、簡単のため、車両シミュレータ1は、例えば図3に示す通信模擬システム100にて選択された、ある車両の特定の車両状態に相当する通信を模擬することとした。また、ラインにおいて車両側で検知された時刻別の少なくとも1種類の車両状態を車両状態情報と呼称する。車両状態情報の一例を、横軸に時間をとったグラフで図1(b)に示す。このグラフで示す車両状態の例は、破線で示すように、ある時刻にエンジンが始動し(IG_ON)、所定期間後にエンジンが停止する(IG_OFF)ことを示す。このとき、車速度は、エンジン動作の所定期間の間に、上昇、下降、0(停止)のサイクルを2度繰り返す。また、このとき、エンジンの水温は、エンジン動作に連動して徐々に上昇していく。
図1(b)には、時々刻々と変化する3種類の車両状態を例示したが、これは一例である。また、車両状態は、車両によって異なるのは勿論、同じ車両であっても検査場所の設備や環境に応じて異なったものとなることがある。例えば車速度の時間変化や水温の時間変化といった車両状態情報は、検査場所毎の設備と環境とのうち少なくとも1つにより影響を受ける情報である。ここで、検査場所の設備とは、例えば、検査工程を行うためのラインを含む。ラインの長さや構造は、例えば車速度の時間変化に影響を与える。また、検査場所の環境とは、例えば、気温等の気象条件を含む。気温はエンジン水温の時間変化に影響を与える。
また、車両通信装置10は、図1(b)に示すように、車両の検査工程におけるリクエストを通信模擬システム用インタフェース12および通信模擬装置14を介して車両シミュレータ1に送信し、検査工程におけるレスポンスを車両シミュレータ1から受信する。これにより、車両シミュレータ1は、あたかも車両通信装置10と車両20との間で通信が行われているかのような通信状態を模擬する。ただし、検査工程にて、車両通信装置10が通信模擬システム100(図3〜図5参照)と通信を行う際には、あたかも、車両20と有線通信を行いつつ、並行して、設備に付帯する情報処理端末装置18(図1(a)参照)と無線で通信を行っているかのような通信を、通信模擬システム100との間で有線通信により再現することができる。この意味で、車両シミュレータ1は、設備シミュレータとしても機能する。
[2.車両内部の電子制御システムの概要]
検査対象の自動車の車両内部の電子制御システムの構成例を図2に示す。この例では、車両20は、図2に示すように、電装システム21と、電装システム22と、センサ群23と、通信インタフェース24と、操作部25とを主に備えている。
電装システム21は、複数の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)を備えている。以下では、簡単のため、電装システム21が2つのECU31,32を備え、電装システム22が2つのECU33,34を備えるものとして説明する。
ECU31は例えばエンジンの電子制御システムを示し、ECU32は例えばトランスミッションの電子制御システムを示し、ECU33は例えばオーディオの電子制御システムを示し、ECU34は例えばエアコンディショナの電子制御システムを示す。なお、実際には、現在の最新型自動車には、70個以上のECUが搭載されている。
各ECUは車載LANに接続されており、車載LANおよび通信インタフェース24を介して車両の外部と通信可能に構成されている。通信インタフェース24は、OBD2規格のインタフェースである。車両の外部から、車両通信装置10の車両用インタフェース11が、通信インタフェース24に着脱自在に接続される。
センサ群23は、複数のセンサを説明のために形式的に一括して表したものであって、実際には各センサはその機能に応じた場所にそれぞれ配設されている。以下では、簡単のため、センサ群23には、3個のセンサ51,52,53が含まれることとした。センサ51は例えば車速度検出センサを示し、センサ52は例えばエンジン水温を検出する温度センサを示し、センサ53は例えばステアリング舵角センサを示す。
操作部25は、複数のスイッチ等を説明のために形式的に一括して表したものであって、例えば、ステアリングやイグニッションスイッチを含む。運転者がステアリングホイール(ハンドル)を操作することによって、センサ53がステアリング舵角を検出する。運転者がイグニッションスイッチをONにすることによって、操作部25からイグニッションスイッチのON信号が電装システム21,22に出力される。また、運転者がイグニッションスイッチをOFFにすること等によって、操作部25からイグニッションスイッチのOFF信号が電装システム21,22に出力される。
電装システム21,22において、電装システム毎に通信プロトコルが異なってもよい。電装システム21が例えばCAN通信に対応し、電装システム22が例えばKWP2000通信に対応するように構成してもよい。なお、KWP2000は、自動車の故障診断用コネクタの国際標準規格(ISO14230)に準拠している。CAN(Controller Area Network)はOBD2(国際標準規格(ISO15765))に準拠している。通信プロトコルは、その他、国際標準規格(ISO9141)に準拠したシリアル通信や、イーサネット(登録商標)でもよい。
各電装システム内のECUは、図2に示すように、内部に、例えば、マイクロプロセッサ41と、入出力部42と、通信モジュール43と、通信定義ファイル44と、を備える。マイクロプロセッサ41は、通信定義ファイル44に基づいて、通信モジュール43によって、車両外部からのリクエストを入出力部42を介して入力し、レスポンスを入出力部42を介して車両外部に出力する。
ここで、通信定義ファイル44は、それぞれの電装システム21,22に含まれる複数のECU31〜34が所定の検査工程にて実行する通信処理を規定したファイルを示す。
ECU31が例えばエンジンの電子制御システムである場合、例えば排出ガス基準(Emission Standard)の法規検査に対応した通信ごとに、ECU31は通信定義ファイル44をそれぞれ保有する。なお、図2では、複数の通信定義ファイルを一括して表した。また、図2では、ECU31の内部の構成要素のみ図示したが、電装システム21,22の備える各ECU32〜34は、同様な構成要素を内部に備える。
[3.通信模擬方法の概要]
通信模擬システム100による通信模擬方法の手順について図3を参照(適宜、図1および図2参照)して説明する。前提として、所定の検査場所で行った検査工程における車両20と車両通信装置10との通信内容を通信ログデータ2として記録しておく。また、車両状態情報と、検査工程と検査場所と車両とを対応付けた情報のことを車両条件と呼ぶ。また、このように他の情報と対応付けて一意に特定できるときの車両状態情報のことも単に車両条件と呼ぶ。つまり、所定車種の車両について、所定検査場所にて、所定検査工程の際に、車両側で検知された車速度、水温、エンジン状態(IG_ON/IG_OFF)等の車両状態情報は、1つの車両条件である。
通信模擬システム100は、図3に示すように、車両条件データベース121を記憶していることを前提とする。図3の例では、車両条件データベース121は、検査場所毎、かつ、車両毎に、車両条件を格納している。ここで、検査場所とは、製作所1、製作所2、…であり、車両とは、車両1、車両2、…である。
また、通信模擬システム100は、図3に示すように、ECUデータ5を処理に用いる。ECUデータ5は、車両20のECU31〜34(図2参照)が保有する通信定義ファイル44のうち、実際に処理に用いるデータを表す。本実施形態では、ECUデータ5は、通信模擬システム100の内部に予め記憶させておくものとする。なお、このECUデータ5を、処理の際に外部からその都度入力するようにしてもよい。
まず、通信模擬システム100は、検査場所のラインの車両条件を取得する(ステップS1)。詳細には、通信模擬システム100は、所定の検査場所で行った検査工程における電装システムと車両通信装置との通信内容として車両状態情報を入力する(通信内容入力ステップ)。そして、通信模擬システム100は、入力された車両状態情報を車両条件データベース121に記録する(通信記録ステップ)。
次に、通信模擬システム100は、車両条件を選択する(ステップS2)。これにより、通信模擬システム100は、選択された車両条件に応じて、車両条件データベース121から車両条件(車両状態情報)を取得する(車両状態情報取得ステップ)。
一例として、車両条件データベース121から、製作所2の車両1に関する車両条件が選択されたときに再現されたラインの車両条件のグラフ3を図示する。
ここで、車両条件の選定については、手動選択でも自動選択でも実現できる。手動選択の場合、通信模擬システム100のユーザ(オペレータ)が、その都度、入力装置150を用いて、所望の車両条件を選択する操作を実行する。自動選択の場合、予め決められた車両条件を順次選択するようにプログラムしておき、ユーザは処理の開始を指示するコマンドを入力する。
次に、通信模擬システム100は、ECUデータ5を利用して、車両条件データベース121から選択された車両条件をECU仕様に反映する(ステップS3)。つまり、通信模擬システム100は、ECUデータ5に規定された通信処理と、選択された車両条件とにしたがって、車両通信装置10との間で通信を行う車両シミュレータ1として機能する(検査制御ステップ)。
前記ステップS3において、再現されたラインの車両条件のグラフ3を表示装置160に表示させて、ユーザが画面表示を確認してから、該当の車両条件をECU仕様に反映するようにしてもよい。
また、応用として、車両条件データベース121から選択された車両条件を、ユーザが、表示装置160の画面上で編集したり、加工したりする手動設定を行うことができる(ステップS11)。一例として、再現されたラインの車両条件のグラフ3を、ユーザが編集した後のグラフ4を図示する。グラフ4は、エンジンの毎分の回転数の情報が編集により追加されている点と、水温の上昇カーブの一部を変更する加工が施されている点とがグラフ3と相違する。
この場合、前記ステップS3の代わりに、通信模擬システム100は、ECUデータ5を利用して、ユーザ編集済の車両条件をECU仕様に反映する(ステップS12)。つまり、通信模擬システム100は、ECUデータ5に規定された通信処理と、ユーザ編集済の車両条件とにしたがって、車両通信装置10との間で通信を行う車両シミュレータ1として機能する。これにより、車両条件データベース121から選択された製作所2の車両1に関する車両条件とは異なる条件で検査工程が成立するかを検討することも可能となる。これによれば、ラインの改良等を実施する前に、その影響を見積もることができる。
さらに、応用として、車両のECUが実際に処理に用いるものとして設計されたデータであるECUデータ5をユーザが編集し、編集後のECUデータを、選択された車両条件や編集済の車両条件に反映するようにしてもよい。この場合、当初の開発目的で設計された仕様のデータから改良した新仕様のECUにて検査工程が成立するかを検討することも可能となる。これによれば、実車を開発しながら、生産時の影響も見積もることができる。
[4.通信模擬システムの運用例]
ここでは、通信模擬システム100の運用例について図4を参照(適宜、図1および図3参照)して説明する。図3に示す車両条件データベース121の前提として、図4の図中左側に検査場所(製作所1、製作所2、…、製作所N)の概念図を模式的に示す。各製作所では、生産ラインとして、車体を組み立てて完成車に仕上げる一連の組立工程の全体のためのライン(組立ライン)と、完成車の出荷前の法規検査等を行う一連の検査工程の全体のためのライン(検査ライン)とを備えている。
製作所で行う一連の組立工程の全体を指す場合、組立工程AFと表記し、この組立工程AFに含まれている細分化された数多くの組立工程については符号を省略する。
製作所で行う一連の検査工程の全体を指すときに検査工程VQと表記し、この検査工程VQに含まれている細分化された数多くの検査工程については符号を省略する。
検査工程VQには、車両に車両通信装置10が接続されることが必要な検査工程と、車両通信装置10を車両から取り外して行う検査工程とが含まれている。
また、検査工程VQには、商品性を検査するためのベルトコンベア(以下、単に商品性コンベアまたはコンベアという)上の車両に対して行う検査工程と、車両が商品性コンベアを降りて停車または低速走行中に行う検査工程とが含まれている。
検査工程VQには、例えば、エンジン、ブレーキ、ステアリング、センサ等の商品性の検査や法規項目の検査、ヘッドライト等の灯体検査、トランスミッションの検査、オーディオやエアコンディショナ等の検査、車輪の検査、防水検査等が含まれる。このうち、例えば車輪の検査では、エンジンを停止して、SWAT(Static wheel aliment tester)と呼ばれる専用の測定機でホイールアライメント(車輪の整列)を確認する。また、防水検査は、検査工程VQの中でもほぼ最終段階で、シャワーテスト専用の設備(シャワーテスタ)内で行う検査である。そのため、シャワーテスタの手前で車両通信装置10は車両から取り外される。
図4の図中右側に、例えば製作所Nの設備である検査ラインのラインレイアウトの概念図を模式的に示す。図4に示すラインレイアウト6は、通信模擬システム100のディスプレイに表示された画像の一例である。このラインレイアウト6では、図示しない組立ラインから検査ラインに入った車両20が、図4において右に直進する中で、商品性コンベア上の検査等を行う。そして、商品性コンベアを降りた後、3回左折するまでの間に、灯体検査やホイールアライメント等の検査を順次行う。そして、3回目の左折の後、車両20はシャワーテスタ13を通過する。
図4に示すような運用例によれば、通信模擬システム100が、図3のステップS3のように、車両のECUデータ5を利用して、例えば製作所1のラインの車両条件(再現されたラインの車両条件のグラフ3)をECU仕様に反映することで、例えば製作所Nのラインにおいて、製作所1のラインと同様な検査工程が成立するか否かを実車なしで検討することが可能である。仮に製作所Nのラインにおいて該当の検査工程が不成立となった場合には、ラインレイアウト6において商品性コンベアの長さを変更したり、レイアウトそのものを変更したりするシミュレーションを実車なしで行うことができる。その具体例については後記する。
[5.通信模擬システムの構成例]
ここでは、本発明の実施形態に係る通信模擬システムの構成例について図5を参照(適宜図1から図4参照)して説明する。車両通信装置10に関して、図5において、通信ログデータ2(図3参照)を収集する時点の車両通信装置10aと、車両シミュレータ1(図3参照)に対して通信を行う時点の車両通信装置10bとの符号を区別し、それぞれの代表として1台ずつ図示した。つまり、車両通信装置10aと車両通信装置10bとは、通信模擬システム100に関わるタイミングが異なっている。
通信模擬システム100は、一般的なコンピュータと同様に、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力インタフェース等を備えている。この通信模擬システム100は、図5に示すように、通信インタフェース110と、入出力インタフェース111と、記憶部120と、処理部130と、を主として備えることとした。
通信インタフェース110は、この通信模擬システム100が車両シミュレータ1(図3参照)として車両通信装置10bに対して通信を行う時点において、通信を行うための手段として機能する。通信インタフェース110は、例えば、車両通信装置10bの通信模擬システム用インタフェース12が接続される通信模擬装置14に対応するUSBのインタフェースを備えることとした。
また、通信インタフェース110は、通信ログデータ2(図3参照)を収集する時点において、所定の検査場所で行った検査工程における車両電装システムと車両通信装置10aとの通信内容(通信ログデータ2:図3参照)として車両条件を入力する通信内容入力手段として機能する。本実施形態では、車両通信装置10aからロガー190を経由して通信インタフェース110を介して車両条件を入力することとした。このため、ロガー190は、例えばUSBコネクタに対応するインタフェースを備える。
ロガー190は、図示しない外部電源が接続されて通信模擬システム100とは独立に動作可能である。ロガー190は、車両通信装置10aの車両用インタフェース11のOBD2コネクタ(オス)に対応するようにOBD2コネクタ(メス)を備えている。ロガー190は、OBD2コネクタを介して車両通信装置10aに接続されて車両通信装置10aに記憶されている通信ログデータ2をスキャンする機能と、スキャンデータをメモリする機能とを備える。ロガー190は、USBコネクタケーブルを備え、通信模擬システム100に接続される。通信模擬システム100は、ロガー190にメモリされたスキャンデータをUSBコネクタケーブルおよび通信インタフェース110を介して車両条件として取得する。
入出力インタフェース111は、入力装置150からのコマンドやデータを入力し、表示装置160へのデータ等を出力するためのインタフェースである。車両条件を手動設定する場合、ユーザ(オペレータ)は、入力装置150を用いる(ステップS2:図3参照)。また、車両条件データベース121から選択された車両条件を、ユーザが、表示装置160の画面上で編集したり、加工したりする手動設定の場合、ユーザは、入力装置150を用いる(ステップS11:図3参照)。ここで、入力装置150は、例えばマウス、キーボード、タッチパネル、ディスクドライブ装置等で構成されている。また、表示装置160は、例えば液晶ディスプレイ等で構成されている。
記憶部(記憶手段)120は、例えば、一般的なハードディスクやメモリ等から構成される。記憶部120は、処理部130が機能するためのプログラム、検査プログラム、処理部130で扱う予め記憶した各種データ、一時記憶するデータ等を記憶する。記憶部120は、図示するように、例えば、車両条件データベース121と、通信定義ファイル122と、通信定義ファイル123と、を記憶している。
車両条件データベース121は、入力された車両状態情報と、検査工程、検査場所および車両を車両条件として対応付けて格納するものである。この車両条件データベース121は、図3に例示したものと同様のデータベースである。
通信定義ファイル122は、車両20の電装システム21(図2参照)に含まれるECU31,32が所定の検査工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイル44と同じ通信定義ファイルをそれぞれ示している。なお、図5では代表して1つだけ示した。選択された通信定義ファイル122は、図3に示すECUデータ5のことである。
通信定義ファイル123は、車両20の電装システム22(図2参照)に含まれるECU33,34が所定の検査工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイル44と同じ通信定義ファイルをそれぞれ示している。なお、図5では代表して1つだけ示した。選択された通信定義ファイル123は、図3に示すECUデータ5のことである。
ここで、現在の最新型自動車に対応するためには、記憶部120に、例えば約700個の検査プログラムが記憶される。また、各検査プログラムは、当該検査において合格/不合格を判別するための1つの検査処理単位(以下、検査ロジックという)を含むか、または、複数の検査ロジックを含んでいる。よって、実際には、これら検査ロジックに対応して数多くの通信定義ファイルが記憶部120に記憶される。なお、車両条件データベース121や、各通信定義ファイルは同じ記憶手段に記憶されていてもよいし、それぞれ他の記憶手段に分散記憶されていてもよい。
処理部(処理手段)130は、例えば、CPU等から構成され、図5に示すように、通信記録手段131と、車両状態情報取得手段132と、通信制御手段133と、加工編集手段134と、を備えることとした。
通信記録手段131は、通信インタフェース110から入力された通信ログデータ2(図3参照)を車両条件(車両状態情報)として、車両条件データベース121に記録するものである。通信記録手段131は、入力された車両状態情報を、検査工程、検査場所および車両と対応付けて、車両条件データベース121に記録する。
車両状態情報取得手段132は、選択された車両条件に応じて、車両条件データベース121から車両条件(車両状態情報)を取得するものである。ここで取得された車両条件(車両状態情報)は、通信制御手段133に出力される。なお、図3を参照して説明したように、車両条件の選定については、手動選択でも自動選択でも実現できる。
通信制御手段133は、選択された検査工程に応じて記憶部120から通信定義ファイルを取得し、取得された通信定義ファイル(ECUデータ5:図3参照)に規定された通信処理と、車両状態情報取得手段132によって車両条件データベース121から取得された車両条件(車両状態情報)とにしたがって、通信模擬装置14を介して車両通信装置10bとの間で通信を行うものである。
通信制御手段133は、図5に示すように、リクエスト受付手段141と、判定手段142と、応答手段143と、を備えることとした。
リクエスト受付手段141は、車両通信装置10bから、車両の検査工程における要求信号(リクエスト)を、通信模擬システム用インタフェース12(図1(b)参照)、通信模擬装置14および通信インタフェース110を介して受け付けるものである。リクエストには、図1(b)を参照して説明したように、例えば、車両識別情報の読出し要求、車両状態情報の読出し要求、各種情報の書込み要求、セキュリティ解除要求、強制駆動要求、自己診断要求、学習開始要求、検査工程検証要求等を含む。ここで受け付けたリクエストは、判定手段142に出力される。
判定手段142は、受け付けたリクエストの種別を判定する。判定手段142は、リクエストの種別に応じて、記憶部120から通信定義ファイルを取得する。ここで、取得された通信定義ファイルは、応答手段143に出力される。
判定手段142は、受け付けたリクエストの種別が、自己診断要求、学習開始要求等の場合には、自己診断や学習開始等が実行できるか否かを、予め定められた実行判定基準にしたがって判定し、実行可/実行不可の判定結果を応答手段143に出力する。
判定手段142は、受け付けたリクエストの種別が、検査工程検証要求の場合には、検査工程が成立するか否かを、予め定められた成立判定基準にしたがって判定し、成立/不成立の判定結果を応答手段143に出力する。
応答手段143は、通信定義ファイルにしたがって、受け付けたリクエストに対する応答信号(レスポンス)を生成し、通信インタフェース110、通信模擬装置14および通信模擬システム用インタフェース12(図1(b)参照)を介して車両通信装置10bに送信するものである。
応答手段143は、受け付けたリクエストの種別が、自己診断要求や学習開始要求等の場合には、自己診断や学習開始等についての実行可/実行不可の判定結果も同様に送信する。応答手段143は、受け付けたリクエストの種別が、検査工程検証要求の場合には、検査工程についての成立/不成立の判定結果も同様に送信する。
加工編集手段134は、入力装置150からの情報加工操作や編集操作に応じて、車両条件データベース121から選択された車両条件を加工したり編集したりするものである。ここで、編集とは、外部から車両条件データベース121に新たにデータを追加したり、記憶されているデータを並べ替えたり削除したりすることを指す。また、情報の加工とは、車両条件データベース121に既に記憶されているデータの少なくとも一部を変更したり、少なくとも一部を利用して新たなデータを生成したり、変更または生成したデータを新たなデータとして追加することを指す。加工および編集の一例を、前記ステップS11(図3)に示す。
[6.通信模擬システムの動作の具体例]
ここでは、通信模擬システム100の動作について3つの具体例を取り上げて順次説明する。これら具体例においては、例えば図5に示す通信模擬システム100にて選択されたある車両の特定の車両状態に相当する通信を模擬するので、通信模擬システム100を、その一形態である車両シミュレータ1として説明する。
6−1.第1動作例
第1動作例は、車両シミュレータ1が受け付けたリクエストの種別が、ステアリング舵角センサの学習に係る検査工程についての検証要求の場合の動作例である。
(第1動作例の前提)
車両シミュレータ1は、所定の車両について、第1〜第Nの検査場所である、図4に示す製作所1〜製作所Nにて検知された速度情報(車両状態情報)として、コンベアを含むライン上の車速度とエンジンの回転速度とをそれぞれ記憶している。
製作所1にて、この車両について、車両の左右の車輪がいずれも商品性コンベアに乗った状態でステアリング舵角センサの検査工程を実施しているが、製作所2では、この検査工程を実施していない。今後、製作所2でもステアリング舵角センサの検査工程を実施する計画がある場合を想定する。
車両通信装置10は、製作所2の検査ラインで、ステアリング舵角センサの学習の検査工程が成立するか否かを、検証要求(単にリクエストという)にて車両シミュレータ1に問い合わせる。このリクエストは定期的に繰り返し送信される。
第1動作例において、予め定められた成立判定基準は、車速度が0であることである。これは、車両が停止していないと、ステアリング舵角センサの学習を開始できないからである。
図6は、第1動作例の概念図であって、(a)は車両通信装置の動作、(b)は車両シミュレータの動作、(c)は製作所2の検査ラインの車両条件の時間変化、(d)は製作所2の検査ラインの車両条件に対応したライン上の車両を示している。
図6(d)に示すように、製作所2では、組立工程AFに続く検査工程VQのラインでは、商品性コンベアとして片側コンベア191を備えている。片側コンベア191上の車両は、左右の一方の車輪がコンベア上にあって静止しており、他方の車輪が床に接地されてコンベアの動きに従動する。車両は片側コンベア191を降りた後、床の上を自走する。
図6(c)に示す車速度の時間変化のグラフは、製作所2にて測定された速度情報を示す。具体的には、図6(c)および図6(d)に示すように、製作所2の検査ラインでは、車両が商品性コンベアに乗った後、時刻t=t1,t2にて、コンベアの動きに従動した車速度(例えば時速3km)が検出され、エンジンの停止していることを示す回転速度(0rpm)が検出される。そして、車両が片側コンベア191を降りた後、時刻t=t3にて、車両が床で静止していることを示す車速度(時速0km)が検出され、エンジンの停止していることを示す回転速度(0rpm)が検出される。また、車両が自走すると、時刻t=t4にて、ライン上における低速走行を示す車速度(時速20km)が検出され、対応したエンジンの回転速度(例えば3000rpm)が検出される。
車両シミュレータ1は、この車両の時々刻々と変化する車両状態を模擬して車両通信装置10との間で通信を行う。このとき、車両通信装置10と車両シミュレータ1との間の動作シーケンスは次の通りである。まず、時刻t=t1において、図6(a)に示すように車両通信装置10は、リクエスト201を送信したとする。そして、図6(b)に示すように、車両シミュレータ1は、ECU通信仕様202(ECUデータ5として選択された通信定義ファイルのこと)に、時刻t=t1のときのラインの車両条件203を反映させて、レスポンス204を生成する。ここで、車両条件203は、図6(c)に示すように、車速度(例えば時速3km)および回転速度(0rpm)である。よって、図6(a)に示すように車両通信装置10は、この検査工程について不成立を示す否定の応答205を受信する。
時刻t=t2のときの動作シーケンスは、時刻t=t1にて200番台の符号で説明した動作シーケンスを210番台の符号に置き換えたものと同様である。この場合、時刻t=t1のときと同様に、車両通信装置10は否定の応答215を受信する。
時刻t=t4のときの動作シーケンスは、時刻t=t1にて200番台の符号で説明した動作シーケンスを230番台の符号に置き換えたものと同様である。この場合、時刻t=t1のときと同様に、車両通信装置10は否定の応答235を受信する。
時刻t=t3のときの動作シーケンスは、時刻t=t1にて200番台の符号で説明した動作シーケンスを220番台の符号に置き換えたものと同様である。ただし、車両通信装置10が受信する応答225は、検査工程について成立を示す肯定の応答である。これは、車両条件223が、図6(c)に示すように、車速度(時速0km)および回転速度(0rpm)であって、成立判定基準を満たすからである。
したがって、車両シミュレータ1は、予め定められた成立判定基準に基づいて、製作所2の検査ラインにおいては、ステアリング舵角センサの学習の検査工程を実施する場所を、時刻t=t3の位置、すなわち車両が片側コンベア191を降りて床で静止している位置とすれば、検査工程が成立することを検証した。よって、この検証結果を、製作所2においてステアリング舵角センサの検査工程を実施する計画に反映させることができる。
ここで、比較として、車両シミュレータ1を用いずに、製作所2にて、実車を用いたラインの詳細な工程検証を行ったと仮定する。例えば、製作所2において、製作所1と同様に商品性コンベア上でステアリング舵角センサの検査工程を実施してみる。すると、製作所2では、商品性コンベアが片側コンベアであるため、コンベア上で車速度が0とはならず、ステアリング舵角センサの検査工程が成立しないことが分かる。よって、新たに工程レイアウトの変更や検証が必要となり、工数が増加することになる。
一方、本実施形態のように車両シミュレータ1を用いた場合、そのような事態を未然に防止することができる。また、車両シミュレータ1によれば、例えばラインを新たに設置する場合に、商品性コンベアを片側コンベアで形成したとしても、例えばステアリング舵角センサの検査工程の場所を実施可能な位置に変更するだけで、高品質を維持しつつ低製造コストを実現することが可能となる。さらに、本実施形態の車両シミュレータ1は、商品性コンベアが片側コンベアであるという製作所のほか、ライン形態が異なる検査場所においても同様の効果を奏することが可能である。
6−2.第2動作例
第2動作例は、車両シミュレータ1が受け付けたリクエストの種別が、エンジンのエミッション法規(エンジンのアイドルチェック)に係る検査工程についての検証要求の場合の動作例である。
(第2動作例の前提)
前記第1動作例の前提と異なる点は以下の通りである。
車両シミュレータ1は、所定の車両について製作所1〜製作所Nにて検知された車両状態情報として、コンベアを含むライン上の車速度およびエンジンの回転速度に加えてエンジンの水温をそれぞれ記憶している。
製作所1にて、この車両について商品性コンベア上でエンジンのアイドルチェックの検査工程を実施しているが、製作所3では、この検査工程を実施していない。今後、製作所3にてエンジンのアイドルチェックの検査工程を実施する計画がある場合を想定する。
製作所3の検査ラインの長さと、製作所1の検査ラインの長さとは等しい。製作所3が製作所1に比べて気温が格段に低い寒冷地に立地している。
車両通信装置10は、製作所3の検査ラインでは、エンジンのアイドルチェックの検査工程が成立するか否かをリクエストにて問い合わせる。
予め定められた成立判定基準は、エンジンのアイドル時の車速度が0であることと、水温が50℃以上であることの両方を満たすことである。これらは、検査開始可能な条件だからである。
図7は、第2動作例の概念図であって、(a)は車両通信装置の動作、(b)は車両シミュレータの動作、(c)は製作所3の検査ラインの車両条件の時間変化、(d)は製作所3の検査ラインの車両条件に対応したライン上の車両を示している。
図7(d)に示すように、製作所3において、組立工程AFに続く検査工程VQのラインでは、車両の左右の車輪は、いずれも商品性コンベア192に乗る。車両は商品性コンベア192を降りた後、床の上を自走し、所定位置にて停車する。
図7(c)に示すグラフは、製作所3にて測定された車両状態情報の一例を示す。このグラフの破線は車速度を示し、実線は水温を示す。具体的には、図7(c)および図7(d)に示すように、製作所3の検査ラインでは、車両が商品性コンベア192に乗っている間(時刻t=t1,t2,t3)にて、エンジンのアイドル中の車速度(時速0km)が検出され、また、車両が商品性コンベア192を降りた後、床の上を自走するときに、最大の車速度が検出され、所定位置にて停車したとき(時刻t=t4)にて、エンジンのアイドル中の車速度(時速0km)が検出される。また、時刻t=t1,t2,t3,t4にて、それぞれのエンジンの回転速度は、例えば812,723,706,704rpmがそれぞれ検出された。
図7(c)に示すように、製作所3の検査工程のラインでは、時刻t=t1,t2,t3,t4にて、それぞれのエンジンの水温は、例えば20,30,40,50℃がそれぞれ検出された。
車両シミュレータ1は、この車両の時々刻々と変化する車両状態を模擬して車両通信装置10との間で通信を行う。このとき、車両通信装置10と車両シミュレータ1との間の動作シーケンスは次の通りである。まず、時刻t=t1において、図7(a)に示すように車両通信装置10は、リクエスト301を送信したとする。そして、図7(b)に示すように、車両シミュレータ1は、ECU通信仕様302(ECUデータ5として選択された通信定義ファイルのこと)に、時刻t=t1のときのラインの車両条件303を反映させて、レスポンス304を生成する。ここで、車両条件303は、図7(c)に示すように、車速度(時速0km)、回転速度(812rpm)および水温(20℃)である。よって、図7(a)に示すように車両通信装置10は、検査条件未成立を示す否定の応答305を受信する。
時刻t=t2のときの動作シーケンスは、時刻t=t1にて300番台の符号で説明した動作シーケンスを310番台の符号に置き換えたものと同様である。この場合、時刻t=t1のときと同様に、車両通信装置10は否定の応答315を受信する。
時刻t=t3のときの動作シーケンスは、時刻t=t1にて300番台の符号で説明した動作シーケンスを320番台の符号に置き換えたものと同様である。この場合、時刻t=t1のときと同様に、車両通信装置10は否定の応答325を受信する。
ここで、比較として、車両シミュレータ1を用いずに、寒冷地に立地する製作所3にて、実車を用いたラインの詳細な工程検証を行ったと仮定する。例えば、製作所3において、製作所1と同様に商品性コンベア上でエンジンのアイドルチェックの検査工程を実施してみる。すると、製作所3の検査工程のラインでは、図8に示すように、車両20のエンジン始動時に(341)、水温が低く、商品性コンベア192上での水温上昇が小さく(342)、検査開始可能な水温に達するのに時間がかかり、検査時間が切れてしまう(343)。つまり、エミッション測定が終了する前に、車両20が商品性コンベア192の終点にきてしまう。
一方、本実施形態によれば、図7に示すように、時刻t=t1,t2,t3において、車両通信装置10が車両シミュレータ1から、否定の応答を受信する。よって、製作所1にて商品性コンベア上で実施しているエンジンのアイドルチェックの検査工程が、製作所3では商品性コンベア上では成立しないことが、実車を用いずとも事前に予測することができる。
仮に、エンジンのアイドルチェックの検査工程を、製作所1で実施している手順を踏襲して商品性コンベア上で実施させようとするならば、例えば検査ラインの室温を上昇させる必要がある。そのため、製作所1で実施している手順に束縛されると、製作所3において暖房による製造コストの高騰を招いてしまうことになる。
一方、本実施形態によれば、図7(c)に示すように、時刻t=t4において、時刻t=t1にて300番台の符号で説明した動作シーケンスを320番台の符号に置き換えると、時刻t=t1のときと同様に、車両通信装置10は応答335を受信するが、このときの応答335は、検査条件成立を示す肯定の応答である。これは、車両条件333が、図7(c)に示すように、車速度(時速0km)、回転速度(704rpm)および水温(50℃)であって、成立判定基準を満たすからである。
したがって、車両シミュレータ1によれば、予め定められた成立判定基準に基づいて、製作所3の検査ラインにおいては、エンジンのエミッション法規(エンジンのアイドルチェック)の検査工程が商品性コンベア192上では成立しないものの、車両が商品性コンベア192を降りた後の所定位置にて成立することが検証できる。そして、寒冷地に立地する製作所3では、製作所1の検査の順番に拘らずに検査工程の実施順序および実施場所を変更しさえすれば、寒冷地であっても低コストで車両を生産できることが実車なしで事前にシミュレーションにより分かる。
6−3.第3動作例
第3動作例は、車両シミュレータ1が受け付けたリクエストの種別が、エンジンのエミッション法規(ミスファイア検査)に係る検査工程についての検証要求の場合の動作例である。
(第3動作例の前提)
前記第1動作例の前提と異なる点は以下の通りである。
車両シミュレータ1は、所定の車両について製作所1〜製作所Nにて検知された車両状態情報として、コンベアを含むライン上のエンジンの動作期間および停止期間をそれぞれ記憶している。
製作所1にて、この車両についてエンジンの失火に係るミスファイア検査(以下、MF検査という)の検査工程を実施しているが、製作所4では、この検査工程を実施していない。今後、製作所4にてMF検査の検査工程を実施する計画がある場合を想定する。
製作所4の生産ライン(組立ライン+検査ライン)の長さは、製作所1の生産ライン(組立ライン+検査ライン)の長さと等しい。ただし、製作所4の設備では、製作所1と比べると、組立ラインを延長し、検査ラインを短縮した。つまり、製作所4の検査ラインの長さは、製作所1の検査ラインの長さよりも短い。
車両通信装置10は、製作所4の検査ラインにおいて、MF検査の検査工程が成立するか否かをリクエストにて問い合わせる。
予め定められた成立判定基準は、フューエルラインからエア抜きが成されているとの自己診断が達成されることである。ここで、エンジン始動後に予め定められた所定時間が経過したときにフューエルラインからのエア抜きが成されたとみなし、自己診断が達成されて完了することとする。ただし、エンジン停止時に、それまでに経過した自己診断時間をリセットする。つまり、エンジン始動後に予め定められた所定時間が経過する前に、エンジンが停止した場合、エンジンが再始動したとしても、エンジン停止前に自己診断のために経過した時間は無効となり、自己診断を初めからやり直す必要がある。
MF検査を実施するときに車両20に必要な車両状態を、検査ラインにおける経過時間に対応させた概念図を図9(a)に示す。図9(a)に示すように、検査ラインにおける時間経過にしたがって、車両状態は、アイドル状態401、低速状態402、アイドル状態403、低速状態404、エンジン停止状態405、低速状態406、アイドル状態407、低速状態408、およびアイドル状態409の順番に変化する。
製作所1の検査ラインにおいてMF検査を実施したときに、当該検査工程に必要なエンジン状態を、検査ラインにおける経過時間に対応させた概念図を図9(b)に示す。図9(b)に示すように、製作所1の検査ラインにおける時間経過にしたがって、車両20のエンジン状態は、エンジン始動状態411、エンジン停止状態412、およびエンジン始動状態413の順番に変化する。
ここで、図9(b)における時間軸は、図9(a)における時間軸に対応している。すなわち、図9(b)に示すエンジン始動状態411の期間は、図9(a)に示すアイドル状態401、低速状態402、アイドル状態403および低速状態404の期間に一致している。図9(b)に示すエンジン停止状態412の期間は、図9(a)に示すエンジン停止状態405の期間に一致している。図9(b)に示すエンジン始動状態413の期間は、図9(a)に示す低速状態406、アイドル状態407、低速状態408、およびアイドル状態409の期間に一致している。図9(b)に示すように、製作所1の検査ラインでは、エンジン始動状態411の期間の開始と共に、MF検査を開始している。そして、MF検査は、エンジン始動状態411の期間内にて所定の検査時間T1の経過後に終了する。
また、製作所4の検査ラインにおいてMF検査を実施するときに想定される、当該検査工程に必要なエンジン状態を、検査ラインにおける経過時間に対応させた概念図を図9(c)に示す。図9(c)に示すように、製作所4のラインにおける時間経過にしたがって、車両20のエンジン状態は、製作所4の組立ラインの最終段階におけるエンジン停止状態421、製作所4の検査ラインに入ってからのエンジン始動状態422、エンジン停止状態423、およびエンジン始動状態424の順番に変化する。
ここで、図9(c)における時間軸は、図9(a)における時間軸に対応している。すなわち、図9(c)に示すエンジン停止状態421の期間は、図9(a)に示すアイドル状態401の期間に一致している。図9(c)に示すエンジン始動状態422の期間は、図9(a)に示す低速状態402、アイドル状態403および低速状態404の期間に一致している。このように計画した理由は、製作所4の組立ラインが、製作所1の組立ラインよりも長く、その分だけ製作所4の検査ラインが、製作所1の検査ラインよりも短いことを反映しているからである。そして、図9(c)に示すエンジン停止状態423の期間およびエンジン始動状態424の期間は、図9(b)に示すエンジン停止状態412の期間およびエンジン始動状態413の期間にそれぞれ一致している。図9(c)に示すように、製作所4の検査ラインでは、エンジン始動状態422の期間の開始と共に、MF検査を開始することにしている。そして、MF検査を、検査時間T1と同じ時間幅の想定検査時間T2の経過後に終了させることで、MF検査を成立させることを計画している。
ここで、比較のために、MF検査を既に実施している製作所1の検査ラインにおける車両情報を用いて、車両シミュレータ1により、MF検査が成立することをシミュレートできることを説明する。
図10は、製作所1のラインにおける第3動作例の概念図であって、(a)は車両通信装置の動作、(b)は車両シミュレータの動作、(c)は製作所1の検査ラインの車両条件の時間変化、(d)は製作所1の検査ラインの車両条件に対応したライン上の車両を示している。
製作所1において、組立工程AFに続く検査工程VQのラインでは、車両の左右の車輪はいずれも図10(d)に示すコンベア193に乗る。車両はコンベア193を降りた後、床の上を移動して、SWATが設置された位置にてエンジンを停止してホイールアライメントを確認した後、自走してMF検査を終了し、検査ラインの次の検査工程に進む。
図10(c)に示すグラフは、製作所1にて観測される車両情報の一例を示す。このグラフの横軸は時間を示し、縦軸は、予め定められた成立判定基準の条件に対応した2値評価を示す。このグラフの縦軸は、詳細には、下側にエア抜き条件判定についてのOKとNGの2段階の判定値を示し、上側にエンジンの動作(ENG_RUN)についてのON(エンジン始動)とOFF(エンジン停止)との2段階の判定値を示す。
具体的には、図10(c)および図10(d)に示すように、製作所1の検査ラインでは、時刻t=t1にて、車両がコンベア193に乗る。このとき、エンジンの動作(ENG_RUN)はOFFであり、かつ、エア抜き条件判定はNGである。時刻t=t2にて、エンジンが始動すると、エンジンの動作(ENG_RUN)はONに切り替わり、自己診断が開始する。エンジン始動後に予め定められた所定時間(自己診断時間T3)が経過したときの時刻t=t3にて、エア抜き条件判定はOKに切り替わり、自己診断が達成されて完了する。車両がコンベア193を降りた後、床の上を移動して、時刻t=t5にて、SWATが設置された位置にてエンジンを停止すると、エンジンの動作(ENG_RUN)はOFFに切り替わる。車両がホイールアライメントを確認し、時刻t=t6にて、エンジンが始動すると、エンジンの動作(ENG_RUN)はONに切り替わる。
車両シミュレータ1は、この車両の時々刻々と変化する車両状態を模擬して車両通信装置10との間で通信を行う。このとき、車両通信装置10と車両シミュレータ1との間の動作シーケンスは次の通りである。時刻t=t3にてエア抜き条件判定がOKに切り替わった後で、車両がコンベア193を降りる前の時刻t=t4において、図10(a)に示すように車両通信装置10は、リクエスト501を送信したとする。そして、図10(b)に示すように、車両シミュレータ1は、ECU通信仕様502(ECUデータ5として選択された通信定義ファイルのこと)に、時刻t=t4のときのラインの車両条件503を反映させて、レスポンス504を生成する。ここで、車両条件503は、図10(c)に示すように、エンジンの動作(ENG_RUN)の継続時間である。エンジンの動作(ENG_RUN)の継続時間は、図10(c)に示すように、t2〜t4の時間であり、エア抜きの自己診断時間T3以上である。よって、図10(a)に示すように車両通信装置10は、検査条件成立を示す肯定の応答505を受信する。
次に、製作所4の検査ラインにおける車両情報を用いて、車両シミュレータ1により、MF検査の検査工程が成立するか否かをシミュレートする場合について説明する。なお、前記した製作所1の検査ラインにおけるシミュレーションの説明と同様な動作シーケンス等を適宜省略し、異なる点について説明する。
図11は、製作所4のラインにおける第3動作例についての図10と同様な概念図であが、図11に記載の時刻と図10に記載の時刻とは一致していない。
製作所4において、組立工程AFに続く検査工程VQのラインでは、車両の左右の車輪はいずれも図11(d)に示すコンベア195に乗る。ただし、コンベア195は、図10(d)に示すコンベア193よりも短い。ここでは、図11(d)に示すコンベア195の長さと、延長された組立ライン194の長さとの和が、図10(d)に示すコンベア193の長さと等しいものとした。
図11(c)に示すグラフは、製作所4にて観測される車両情報の一例を示す。
具体的には、図11(c)および図11(d)に示すように、製作所4では、車両は、時刻t=t0に、延長された組立ライン上にある。このとき、エンジンの動作(ENG_RUN)はOFFであり、かつ、エア抜き条件判定はNGである。そして、時刻t=t1にて、製作所4の検査ラインでは、車両がコンベア195に乗る。このとき、エンジンが始動すると、エンジンの動作(ENG_RUN)はONに切り替わり、自己診断が開始する。エンジン始動後に車両は自己診断を行っている最中に、コンベア193を降り、床の上を移動する。そして、時刻t=t2にて、SWATが設置された位置にてエンジンを停止すると、エンジンの動作(ENG_RUN)はOFFに切り替わる。このときエア抜き条件判定はNGのままである。t1〜t2の時間(自己診断時間T4)は、図10(c)に示すエア抜き自己診断時間T3よりも短い。つまり、エンジンが停止した時刻t=t2の時点では、自己診断が達成されずに完了する。そして、それまでに経過した自己診断時間はリセットされる。車両がホイールアライメントを確認し、時刻t=t3にて、エンジンが始動すると、エンジンの動作(ENG_RUN)はONに切り替わり、自己診断を初めからやり直す。
車両シミュレータ1は、この車両の時々刻々と変化する車両状態を模擬して車両通信装置10との間で通信を行う。このとき、車両通信装置10と車両シミュレータ1との間の動作を図11(a)および図11(b)に示す。このときの動作シーケンスは、図10にて500番台の符号で説明した動作シーケンスを510番台の符号に置き換えたものと同様である。ただし、図11(a)に示す車両通信装置10が受信する応答515は、検査条件不成立を示す否定の応答である。これは、車両条件513であるエンジンの動作(ENG_RUN)の継続時間は、図11(c)に示すように、t3〜t4の時間であり、図10(c)に示すエア抜き自己診断時間T3よりも短く、成立判定基準を満たさないからである。
したがって、車両シミュレータ1によれば、予め定められた成立判定基準に基づいて、エンジンのエミッション法規(MF検査)の検査工程が、製作所1の検査ラインにおいては成立するが、製作所4の検査ラインにおいては不成立となることが検証できる。よって、実車なしで事前にシミュレーションにより得た検査工程の検証結果を、今後の開発計画に反映させることができる。
[7.通信模擬システムの動作の別の具体例]
ここでは、通信模擬システム100の通信制御手段133の機能について説明する。この通信制御手段133の機能は、少なくとも1種類の車両状態情報に対して想定される変化量を反映して生成される少なくとも1種類の仮想車両状態情報を用いて、選択された車両条件の通信処理を車両通信装置10との間で行うことを特徴とする。
以下、変化量を反映して生成される仮想車両状態情報についての3つの具体例を取り上げて順次説明する。なお、これら具体例においては、例えば図5に示す通信模擬システム100にて選択されたある車両の特定の車両状態に相当する通信を模擬するので、通信模擬システム100を、その一形態である車両シミュレータ1として説明する。
7−1.第1具体例
第1具体例は、車両シミュレータ1が、ベース機種から変化した機種を模擬することを想定したときのその変化量を反映して生成する仮想車両状態情報についての具体例である。
以下では、車両のベース機種や類似機種に対して、所定の検査にて所定の車両状態情報を要求する命令をコマンドAと呼ぶ。
ここで、ベース機種は例えば既に量産している機種である。類似機種は、例えばベース機種から派生した機種であり、ベース機種からマイナーチェンジした機種である。この類似機種は、例えば車体や骨格がベース機種に類似している。
例えばベース機種である機種Aと、機種Aの類似機種である機種Bでは、所定の検査を行いコマンドAに対するレスポンスを生成していたものとする。そして、機種Aをベースとした類似機種である機種Cではこの検査を行っていなかったときに、機種Cについて検査を行った場合に想定される、車両状態情報の変化量について説明する。
このような場合、機種Aの類似機種である機種Bについて過去に取得した車両状態情報と、機種Aについて過去に取得した車両状態情報との比較から、所定の数値変換規則を予め求めておく。数値変換規則は、例えば、機種Aの車両状態情報の数値に対して、機種Bのための所定の係数を掛けて機種Bの車両状態情報とするという規則である。同様に、機種Cのための係数を決定すれば、機種Aの車両状態情報を用いて機種Cの車両状態情報に変換することができる。よって、この機種Cのための係数を、機種Aについて過去に取得した車両状態情報に掛けることで、機種Cについての車両状態情報とする。
機種Cのための係数は、機種Bのための所定の係数を参考にして人が経験的に決定することができる。また、機種Bのための所定の係数は、人が経験的に決定することができる。なお、数値変換規則や機種Bのための所定の係数については、通信模擬システム100が、記憶している機種Aのデータと機種Bのデータとを比較して自動的に求めるようにしてもよい。
車両状態情報が例えばエンジンの水温である場合の通信処理の流れについて図12を参照して説明する。図12に示すように、所定の時刻にて車両通信装置10は、車両シミュレータ1に対してコマンドAを送信し(601)、車両シミュレータ1は、コマンドAを受信する。
コマンドAを受信した車両シミュレータ1が機種Aや機種Bを模擬する場合、符号602の処理をスキップし、過去に検出された水温(車両状態情報)を抽出してコマンドAに対するレスポンスを生成する(603)。
一方、コマンドAを受信した車両シミュレータ1が機種Cを模擬する場合、過去に車両状態情報を取得していないので、機種Cのベースとなる機種Aについて過去に検出された水温(車両状態情報)に変化量を反映し、数値変換された仮想車両状態情報を生成する(602)。そして、車両シミュレータ1は、この仮想車両状態情報を用いてコマンドAに対するレスポンスを生成する(603)。
次に、車両状態情報が例えば水温である場合の具体例について図13(a)、図13(b)、図13(c)を参照して説明する。
図13(a)は、機種Aについて過去に取得した水温の時間変化の一例を示すグラフである。ここでは、所定の検査工程にて機種Aが車両通信装置10との間で時刻t1〜t6のように6回の検査通信を行った。また、機種Aでは、水温の時間変化が直線的であって、時間変化率が例えば20であったものとする。
図13(b)は、機種Aの類似機種である機種Bについて過去に取得した水温の時間変化の一例を示すグラフである。機種Bについても同様に6回の検査通信を行った。また、機種Bでは、水温の時間変化が直線的であって、時間変化率が例えば25であったものとする。
図13(a)および図13(b)に示す2つのグラフによれば、機種Bの水温が100℃になるまでに要する時間は、機種Aの場合と比べて20%減少し、時刻t1〜t5の期間では、機種Bの水温は、機種Aの場合よりも25%増加することが分かる。つまり、過去のデータから、時刻t1〜t5の期間では、機種Bの水温は、機種Aの水温を1.25倍した値であることが分かる。これが、機種Aから機種Bへの数値変換規則である。つまり、時刻t1〜t5の期間における水温についての、機種Aから機種Bへの数値変換規則の係数は1.25である。
機種Cは、ECU仕様の一部、例えばラジエータ等の水温に関するECU仕様が機種Aから変更されているものとする。そして、機種CのECU仕様によれば、機種Aおよび機種Bの比較結果に基づいて、機種Cの水温は、時間変化が直線的であって、時間変化率が例えば30になることが見積もられたものとする。図13(c)は、機種Cについて見積もられた水温の時間変化の一例を示すグラフである。図13(c)に示すように、機種Cの水温が100℃になるまでに要する時間は、機種Aの場合と比べて33%減少し、例えば時刻t1〜t4の期間では、機種Cの水温は、機種Aの場合よりも50%増加することが分かる。
図13(c)のグラフから、所定の検査工程における例えば時刻t1〜t4の期間では、機種Aの水温を1.5倍した値を、機種Cの水温(仮想想車両状態情報)として生成することで、機種Cが車両通信装置10との間で検査通信を行うことができることが分かる。つまり、時刻t1〜t4の期間における水温についての、機種Aから機種Cへの数値変換規則の係数は1.5である。
通常、車両についての検査等のシミュレーションを実施するためには、車両をライン上で走行させたときに取得した車両状態情報を機種毎に取得しなければならず、すべての機種について取得するのに多大の時間を要する。しかし、本実施例によれば、車両状態情報を過去に取得していない機種であっても、そのベース機種の車両状態情報に変化量を反映させることで、検査等のシミュレーションを実施することができる。
なお、前記機種Cは、既に存在する実車でなくてもよく、架空の車であってもよい。例えば、今後、機種Aをベースとしてモデルチェンジした機種Cを開発し、まだ存在しない機種Cに対して、この所定の検査を行う場合に想定される変化量を反映してもよい。ここで、モデルチェンジとは、マイナーチェンジに限らずフルモデルチェンジであってもよい。また、変化量を反映させる車両状態情報は、水温に限らず、例えば車速度等であってもよい。さらに、機種Cに用いるための数値変換規則は、掛算に限定されるものでなく、四則演算を組み合わせたり、例えば三角関数等の関数を用いた非線形の演算をしたりするものでもよい。
7−2.第2具体例
第2具体例は、車両シミュレータ1が、車両通信装置10で取得された走行パターンデータにおいては固定値であったデータを変化させたデータを想定したときの変化量を反映して生成する仮想車両状態情報についての具体例である。
ライン上を実車が走行したときに取得される車両状態情報等の走行パターンデータのうち、前記した水温や車速度等のデータは時間変化が顕著であるが、取得された走行パターンデータには、時間変化のない信号等の情報も含まれている。例えば、走行パターンデータにおいて、複数の車載電装品のスイッチをOFFにしている。
以下では、車載電装品が例えばエアコンディショナであり、このエアコンディショナのスイッチがONのときの走行パターンデータでシミュレーションを新たに実施する場合について図14(a)および図14(b)を参照して説明する。
図14(a)は、車両シミュレータ1と車両通信装置10との通信処理の流れを示すシーケンス図である。車両シミュレータ1は、実車を模擬し、実車の走行パターンデータを記憶している。この実車の走行パターンデータでは、エアコンディショナのスイッチ信号は、図14(b)に仮想線711で示すように時刻t1,t2,t3においてOFF信号である。ここで、時刻t1は検査を行う前の時刻、時刻t2は検査を開始する時刻、時刻t3は検査を終了する時刻である。また、この検査を行う命令をコマンドBとする。
初期状態では、図14(a)に示すように、車両シミュレータ1は、車両状態情報として、エアコンディショナのスイッチ信号をOFF信号としている(SW=OFF:701)。
そして、検査を行う前の時刻t1にて、ユーザは、車両シミュレータ1を操作する。すなわち、新たに実施するシミュレーションにおける変化量を反映したスイッチ操作を行う。これにより、車両シミュレータ1は、仮想車両状態情報を生成し、エアコンディショナのスイッチ信号を仮想的にON信号にする(SW=ON:802)。このとき、エアコンディショナのスイッチ信号は、図14(b)に太い実線712で示すように時刻t1においてOFF信号からON信号に切り替わる。
そして、検査を開始する時刻t2にて、図14(b)に示すように、車両通信装置10は、車両シミュレータ1にコマンドBを送信する(702)。車両シミュレータ1は、コマンドBを受信すると、エアコンディショナのスイッチ信号がON信号であるという仮想車両状態情報を用いてコマンドBによる検査を行う。
そして、検査が終了した時刻t3にて、車両シミュレータ1は、仮想車両状態情報を用いてレスポンスを生成する(704)。このレスポンスには、エアコンディショナのスイッチ信号がON信号のときに検査を行ったという記録が含まれている。なお、検査終了後、車両シミュレータ1は、エアコンディショナのスイッチ信号をOFF信号に切り替えてもよい。
車両通信装置10は、車両シミュレータ1からのレスポンスを確認し、検査中にエアコンディショナのスイッチ信号がON信号であったか否かを判別する(705)。検査中にエアコンディショナのスイッチ信号スイッチがON信号であった場合(SW=ON)、このシミュレーションにおいて模擬された実車に対する検査が合格したものと判定される(706)。
一方、ユーザが車両シミュレータ1のスイッチ操作を行わない場合、図14(b)に仮想線711で示すように検査中にエアコンディショナのスイッチ信号がOFF信号のままなので(SW=OFF)、不合格と判定される(707)。
本実施例によれば、想定される変化量として、今後、実車の例えばエアコンのスイッチをONにした状態で、所定の検査を行うことを想定する場合であっても、実車がなくても車両通信装置10と、ユーザがスイッチ操作を行う車両シミュレータ1と、の間で検査通信を行うことで、車両通信装置10と実車との間の検査通信を模擬することができる。したがって、実車のスイッチ操作を必要とする検査を追加したり、実車のスイッチ操作を必要とする工程を移動したりした場合の工程成立性の、シミュレーションによる検討が可能になる。
なお、スイッチ操作を伴う車載電装品はエアコンディショナに限定されるものではない。また、ユーザによる操作は、エアコンディショナ等の車載電装品の本来の機能についてのON/OFFを切り替えるもの以外に、車載電装品についての通信可能と通信不可とを切り替えるものであってもよい。
7−3.第3具体例
第3具体例は、車両シミュレータ1が、車両通信装置10から特定のコマンドを受信したときに、その特定のコマンドに含まれる変化量を反映し、車両通信装置10で取得された走行パターンデータの一部を変化させて生成する仮想車両状態情報についての具体例である。
車両通信装置10は、ライン上を実車が走行したときに車両状態情報等の走行パターンデータを取得している。この過去のデータ記録工程では、車両通信装置10は、実車に対して様々なコマンドを送信する。このうち、特定のコマンドは、単に数値を変更するだけで新たなコマンドになり、新たに利用することが可能である。
例えばこれまでに所定の検査工程にて、あるタイミングで、エンジンを停止させて、つまり、エンジン回転速度(以下、回転速度NEと表記する)を0rpmにして検査を行っていたものとする。そして、今後、この検査工程にて同じタイミングで回転速度NEを3000rpmに変更する場合について想定する。
図15(a)は、車両シミュレータ1と車両通信装置10との通信処理の流れを示すシーケンス図である。車両シミュレータ1は、実車を模擬し、実車の走行パターンデータを記憶している。この実車の走行パターンデータでは、回転速度NEは、図15(b)に仮想線811で示すように時刻t1,t2において0rpmである。ここで、時刻t1は、車両通信装置10が、回転速度NEを3000rpmに駆動要求する時刻、時刻t2は現在の回転速度NEを要求する時刻である。
以下の説明において、コマンドCは、回転速度NEを3000rpmに駆動要求するコマンドである。コマンドDは、現在の回転速度NEを要求するコマンドである。
まず、時刻t1にて、図15(a)に示すように、車両通信装置10は、車両シミュレータ1にコマンドCを送信する(801)。車両シミュレータ1は、コマンドCを受信すると、車両状態情報として検出された回転速度(NE=0)に変化量(3000)を加算することで、仮想車両状態情報としての回転速度(NE=3000)を生成する(802)。このとき、回転速度は、図15(b)に太い実線812で示すように時刻t1において0rpmから3000rpmに切り替わる。
そして、時刻t2にて、車両シミュレータ1は、コマンドCに対するレスポンスを生成する(803)。このレスポンスは、コマンドCを受信した旨を通知するものである。なお、このレスポンスを通知した後に、仮想車両状態情報を生成するようにしてもよい。
時刻t2にて車両通信装置10は、車両シミュレータ1にコマンドDを送信する(804)。車両シミュレータ1は、コマンドDを受信すると、仮想車両状態情報を用いてコマンドDに対するレスポンスを生成する(805)。すなわち、車両シミュレータ1は、仮想車両状態情報として記憶されている現在の回転速度(NE=3000)をレスポンスとして車両通信装置10に通知する。なお、時刻t2の後、車両シミュレータ1は、エンジン回転速度を0rpmに戻してもよい。
車両通信装置10は、車両シミュレータ1からのレスポンスを確認して、回転速度NEが3000以上であるか否かを判別する(806)。回転速度NEが3000以上の場合(NE≧3000)、このシミュレーションにおいて模擬された実車に対する検査が合格したものと判定される(807)。
一方、時刻t1にて車両シミュレータ1で変化量を加算しない比較例の場合、図15(b)に仮想線811で示すように回転速度NEが0rpmのままなので、不合格と判定される(811)。
回転速度NEの変更の仕方は前記実施例に限定されるものではない。
例えば回転速度NEを2000rpmにして検査を行っていた場合、次の変形例1〜3のようにしてもよい。
(変形例1)同じタイミングで回転速度NEを3000rpmに変更する。
(変形例2)別のタイミングで回転速度NEを3000rpmに駆動要求するコマンドを追加する。
(変形例3)別のタイミングで、再び回転速度NEを2000rpmに駆動要求するコマンドを追加する。
また、検出された回転速度NEに対して変化量を加算する場合について説明したが、変化量を減算するようにしてもよい。また、単に数値を変更する特定のコマンドは、エンジン回転速度に限られるものではない。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る通信模擬システム100は、選択された車両条件で特定された検査場所での検査工程における車両状態情報を再現する。したがって、通信模擬システム100は、実車なしで、車両20に搭載された電装システム21,22と車両通信装置10との間で行われる通信の通信状態を模擬することができる。
また、本発明の実施形態に係る車両通信装置10は、通信模擬システム用インタフェース12、通信模擬装置14を介して通信模擬システム100との間で通信を行うことで、車両用インタフェース11を介した車両20との通信を模擬することができる。
以上、本発明の通信模擬システムおよび車両通信装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではない。例えば、図5に示す通信模擬システム100の構成例では、加工編集手段134を備えるモードとしたが、この加工編集手段134を備えない構成としてもよい。
また、通信模擬システム100として、ノート型のパーソナルコンピュータを図示したが、これに限らず、携帯情報端末、デスクトップ型のコンピュータ、ワークステーション、クラウドのサーバ等で構成してもよい。
また、前記実施形態では、車両通信が検査通信であるものとして説明したが、本発明は、これに限らず、車両通信が、学習、書き込みのための通信であってもよく、この場合にも同様の効果を奏することができる。
また、通信模擬システム100に対して通信模擬装置14を介して1つの車両通信装置10を接続する形態を図示したが、これに限定されるものではない。1つの車両通信装置10を接続する場合、クロスケーブルにて通信模擬装置14を介して通信模擬システム100に接続するが、複数の車両通信装置10を接続する場合、ハブ経由でストレートケーブルにて通信模擬装置14を介して通信模擬システム100に接続すればよい。なお、これらクロスケーブルやストレートケーブルは、通信模擬システム用インタフェース12のケーブルに相当する。
また、車両通信装置10に車両用インタフェース11のケーブルが接続された形態を図示すると共に、車両通信装置10に通信模擬システム用インタフェース12のケーブルが接続された形態を図示したが、これらのケーブルを互いに接続する形態としてもよい。すなわち、車両用インタフェース11のケーブルの先端に、通信模擬システム用インタフェース12のケーブルの基端を接続して構成することもできる。この場合、例えば、車両用インタフェース11の先端のOBD2規格のコネクタ(オス)に接続可能なOBD2規格のコネクタ(メス)を、通信模擬システム用インタフェース12のケーブルの基端に設けて着脱自在にすることができる。そして、車両通信装置10を車両シミュレータ1に接続したい場合には、車両用インタフェース11と通信模擬システム用インタフェース12とを接続した状態で、通信模擬システム用インタフェース12のケーブルの先端を、通信模擬装置14を介して車両シミュレータ1に接続する。また、車両通信装置10を車両20に接続したい場合には、通信模擬システム用インタフェース12を取り外した状態で、車両用インタフェース11のケーブルの先端のOBD2規格のコネクタを車両20に接続する。
また、車両通信装置10において、車両用インタフェース11のケーブルと、通信模擬システム用インタフェース12のケーブルとを接続して構成する形態において、通信模擬システム用インタフェース12のケーブルの先端側を2つに分岐させて、一方の先端に例えばRJ45コネクタを設けて、他方の先端に例えばOBD2規格のコネクタ(オス)を設けてもよい。これによれば、車両通信装置10を通信模擬装置14を介して車両シミュレータ1に接続する場合や車両20に接続する場合、通信模擬システム用インタフェース12の着脱が不要になる。
1 車両シミュレータ
10(10a,10b) 車両通信装置
11 車両用インタフェース
12 通信模擬システム用インタフェース
14 通信模擬装置
18 情報処理端末装置
181 通信定義ファイル
20 車両
21,22 電装システム
23 センサ群
24 通信インタフェース
25 操作部
31,32,33,34 ECU
41 マイクロプロセッサ
42 入出力部
43 通信モジュール
44 通信定義ファイル
51,52,53 センサ
100 通信模擬システム
110 通信インタフェース(通信内容入力手段)
111 入出力インタフェース
120 記憶部(記憶手段)
121 車両条件データベース
122,123 通信定義ファイル
130 処理部(処理手段)
131 通信記録手段
132 車両状態情報取得手段
133 通信制御手段
134 加工編集手段
141 リクエスト受付手段
142 判定手段
143 応答手段

Claims (21)

  1. 車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より接続されて前記それぞれの車両電装システムの作動状態を検証する車両通信装置と前記車両電装システムとの間において、所定の通信定義ファイルで規定された通信処理と、車両側で検知された時刻別の車両状態を示す少なくとも1種類の車両状態情報とにしたがって行われる通信を模擬する通信模擬システムであって、
    所定の場所で行う工程における前記車両電装システムと前記車両通信装置との通信内容として前記車両状態情報を入力する通信内容入力手段と、
    前記入力された車両状態情報を、工程、場所および車両と対応付けて車両条件として車両条件データベースに記録する通信記録手段と、
    前記それぞれの車両電装システムに含まれる複数の電子制御ユニットが所定の工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイルと同じ通信定義ファイルをそれぞれ記憶する記憶手段と、
    選択された車両条件に応じて、前記車両条件データベースから前記車両状態情報を取得する車両状態情報取得手段と、
    選択された工程に応じて前記記憶手段から前記通信定義ファイルを取得し、前記取得された前記通信定義ファイルに規定された通信処理と、前記選択された車両条件に応じて前記車両条件データベースから取得された車両状態情報とにしたがって、前記選択された工程における前記選択された車両条件の通信処理を前記車両通信装置との間で行う通信制御手段と、
    を備えることを特徴とする通信模擬システム。
  2. 前記所定の場所で行う工程における通信は、
    前記車両通信装置が前記車両電装システムの作動を検証するために行う検査通信と、前記車両通信装置が学習を行うための学習通信と、前記車両通信装置がデータを書き込むための書き込み通信と、のうちのいずれかの通信である
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信模擬システム。
  3. 車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より接続されて前記それぞれの車両電装システムの作動状態を検証する車両通信装置であって所定の検査場所での必要情報を管理する設備に付帯する情報処理端末装置と無線で通信接続される前記車両通信装置と前記車両電装システムとの間、および前記車両通信装置と前記情報処理端末装置との間、において所定の通信定義ファイルで規定された通信処理と、車両側で検知された時刻別の車両状態を示す少なくとも1種類の車両状態情報と、にしたがって行われる検査通信を模擬する通信模擬システムであって、
    所定の検査場所で行う検査工程における前記車両電装システムおよび前記情報処理端末装置と前記車両通信装置との通信内容として前記車両状態情報を入力する通信内容入力手段と、
    前記入力された車両状態情報を、検査工程と検査場所と車両と対応付けて車両条件として車両条件データベースに記録する通信記録手段と、
    前記それぞれの車両電装システムに含まれる複数の電子制御ユニットおよび前記情報処理端末装置が所定の検査工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイルと同じ通信定義ファイルをそれぞれ記憶する記憶手段と、
    選択された車両条件に応じて、前記車両条件データベースから前記車両状態情報を取得する車両状態情報取得手段と、
    選択された検査工程に応じて前記記憶手段から前記通信定義ファイルを取得し、前記取得された前記通信定義ファイルに規定された通信処理と、前記選択された車両条件に応じて前記車両条件データベースから取得された車両状態情報とにしたがって、前記選択された検査工程における前記選択された車両条件において前記電子制御ユニットが実行する有線通信処理と、当該検査工程において前記情報処理端末装置が実行する無線通信処理とを並行して前記車両通信装置との間で行う通信制御手段と、
    を備えることを特徴とする通信模擬システム。
  4. 前記車両状態情報は、場所毎の設備と環境とのうち少なくとも1つにより影響を受ける車両状態の情報であることを特徴とする請求項1に記載の通信模擬システム。
  5. 前記車両状態情報は、場所毎の設備と環境とのうち少なくとも1つにより影響を受ける車両状態の情報であることを特徴とする請求項2に記載の通信模擬システム。
  6. 前記車両状態情報は、場所毎の設備と環境とのうち少なくとも1つにより影響を受ける車両状態の情報であることを特徴とする請求項3に記載の通信模擬システム。
  7. 前記通信制御手段は、
    前記少なくとも1種類の車両状態情報に対して想定される変化量を反映して生成される少なくとも1種類の仮想車両状態情報を用いて、前記選択された車両条件の通信処理を前記車両通信装置との間で行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の通信模擬システム。
  8. 前記仮想車両状態情報は、一の機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報と、前記一の機種に類似した類似機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報との比較から予め求められた所定の数値変換規則を用いて、前記一の機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報を数値変換することで生成され、
    前記通信制御手段は、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記一の機種から変化した変化量を反映した他の機種の車両が前記車両通信装置からの要求に応答する通信内容を模擬することを特徴とする請求項7に記載の通信模擬システム。
  9. 前記仮想車両状態情報は、前記車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報に関連付けて生成された仮想的な通信情報であり、
    前記通信制御手段は、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記車両状態情報を含む通信内容が検知された車両が前記車両通信装置からの要求に応答する通信内容を模擬することを特徴とする請求項7に記載の通信模擬システム。
  10. 前記仮想車両状態情報は、前記車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報に対して、前記車両通信装置からの予め定められた特定のコマンドで要求される数値を加算または減算する数値変換により生成され、
    前記通信制御手段は、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記車両状態情報を含む通信内容が検知された車両が前記車両通信装置からの前記特定のコマンドに応答する通信内容を模擬することを特徴とする請求項7に記載の通信模擬システム。
  11. 車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より接続されて前記それぞれの車両電装システムの作動状態を検証する車両通信装置と前記車両電装システムとの間において、所定の通信定義ファイルで規定された通信処理と、車両側で検知された時刻別の車両状態を示す少なくとも1種類の車両状態情報とにしたがって行われる通信を模擬する通信模擬システムによる通信模擬方法であって、
    前記通信模擬システムは、前記それぞれの車両電装システムに含まれる複数の電子制御ユニットが所定の工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイルと同じ通信定義ファイルをそれぞれ記憶する記憶手段と、処理手段とを備え、
    前記処理手段は、
    所定の場所で行う工程における前記車両電装システムと前記車両通信装置との通信内容として前記車両状態情報を入力する通信内容入力ステップと、
    前記入力された車両状態情報を、工程、場所および車両と対応付けて車両条件として車両条件データベースに記録する通信記録ステップと、
    選択された車両条件に応じて、前記車両条件データベースから前記車両状態情報を取得する車両状態情報取得ステップと、
    選択された工程に応じて前記記憶手段から前記通信定義ファイルを取得し、前記取得された前記通信定義ファイルに規定された通信処理と、前記選択された車両条件に応じて前記車両条件データベースから取得された車両状態情報とにしたがって、前記選択された工程における前記選択された車両条件の通信処理を前記車両通信装置との間で行う通信制御ステップと、
    を実行することを特徴とする通信模擬方法。
  12. 前記所定の場所で行う工程における通信は、
    前記車両通信装置が前記車両電装システムの作動を検証するために行う検査通信と、前記車両通信装置が学習を行うための学習通信と、前記車両通信装置がデータを書き込むための書き込み通信と、のうちのいずれかの通信である
    ことを特徴とする請求項11に記載の通信模擬方法。
  13. 車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より接続されて前記それぞれの車両電装システムの作動状態を検証する車両通信装置であって所定の検査場所での必要情報を管理する設備に付帯する情報処理端末装置と無線で通信接続される前記車両通信装置と前記車両電装システムとの間、および前記車両通信装置と前記情報処理端末装置との間、において所定の通信定義ファイルで規定された通信処理と、車両側で検知された時刻別の車両状態を示す少なくとも1種類の車両状態情報と、にしたがって行われる検査通信を模擬する通信模擬システムによる通信模擬方法であって、
    前記通信模擬システムは、前記それぞれの車両電装システムに含まれる複数の電子制御ユニットおよび前記情報処理端末装置が所定の検査工程にて実行する通信処理を規定したそれぞれの通信定義ファイルと同じ通信定義ファイルをそれぞれ記憶する記憶手段と、処理手段とを備え、
    前記処理手段は、
    所定の検査場所で行う検査工程における前記車両電装システムおよび前記情報処理端末装置と前記車両通信装置との通信内容として前記車両状態情報を入力する通信内容入力ステップと、
    前記入力された車両状態情報を、検査工程と検査場所と車両と対応付けて車両条件として車両条件データベースに記録する通信記録ステップと、
    選択された車両条件に応じて、前記車両条件データベースから前記車両状態情報を取得する車両状態情報取得ステップと、
    選択された検査工程に応じて前記記憶手段から前記通信定義ファイルを取得し、前記取得された前記通信定義ファイルに規定された通信処理と、前記選択された車両条件に応じて前記車両条件データベースから取得された車両状態情報とにしたがって、前記選択された検査工程における前記選択された車両条件において前記電子制御ユニットが実行する有線通信処理と、当該検査工程において前記情報処理端末装置が実行する無線通信処理とを並行して前記車両通信装置との間で行う通信制御ステップと、
    を実行することを特徴とする検査通信模擬方法。
  14. 前記車両状態情報は、場所毎の設備と環境とのうち少なくとも1つにより影響を受ける車両状態の情報であることを特徴とする請求項11に記載の通信模擬方法。
  15. 前記車両状態情報は、場所毎の設備と環境とのうち少なくとも1つにより影響を受ける車両状態の情報であることを特徴とする請求項12に記載の通信模擬方法。
  16. 前記車両状態情報は、場所毎の設備と環境とのうち少なくとも1つにより影響を受ける車両状態の情報であることを特徴とする請求項13に記載の通信模擬方法。
  17. 前記処理手段は、前記通信制御ステップにて、
    前記少なくとも1種類の車両状態情報に対して想定される変化量を反映して生成される少なくとも1種類の仮想車両状態情報を用いて、前記選択された車両条件の通信処理を前記車両通信装置との間で行うことを特徴とする請求項11から請求項16のいずれか一項に記載の通信模擬方法。
  18. 前記仮想車両状態情報は、一の機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報と、前記一の機種に類似した類似機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報との比較から予め求められた所定の数値変換規則を用いて、前記一の機種の車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報を数値変換することで生成され、
    前記処理手段は、前記通信制御ステップにて、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記一の機種から変化した変化量を反映した他の機種の車両が前記車両通信装置からの要求に応答する通信内容を模擬することを特徴とする請求項17に記載の通信模擬方法。
  19. 前記仮想車両状態情報は、前記車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報に関連付けて生成された仮想的な通信情報であり、
    前記処理手段は、前記通信制御ステップにて、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記車両状態情報を含む通信内容が検知された車両が前記車両通信装置からの要求に応答する通信内容を模擬することを特徴とする請求項17に記載の通信模擬方法。
  20. 前記仮想車両状態情報は、前記車両で検知された通信内容に含まれる前記車両状態情報に対して、前記車両通信装置からの予め定められた特定のコマンドで要求される数値を加算または減算する数値変換により生成され、
    前記処理手段は、前記通信制御ステップにて、前記仮想車両状態情報を用いることで、前記車両状態情報を含む通信内容が検知された車両が前記車両通信装置からの前記特定のコマンドに応答する通信内容を模擬することを特徴とする請求項17に記載の通信模擬方法。
  21. 車両に搭載される複数の車両電装システムに対して車両外部より車両用インタフェースを介して有線で通信接続されると共に、検査場所での必要情報を管理する設備に付帯する情報処理端末装置と無線で通信接続される車両通信装置であって、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の通信模擬システムと通信可能に接続される通信模擬システム用インタフェースを備え、
    選択された工程が所定の場所における前記車両状態情報に基づいて成立するか否かの問い合わせを、前記通信模擬システム用インタフェースを介して前記通信模擬システムに送信し、
    前記問い合わせに対する応答を、前記通信模擬システム用インタフェースを介して前記通信模擬システムから受信することを特徴とする車両通信装置。
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