JP6166586B2 - 車載センサ及び車載センサシステム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載され、この車両に構築された通信バスに接続される車載センサ、及び、複数の車載センサを通信バスに接続した車載センサシステムに関する。
車両には、酸素センサやNOxセンサなどのガスセンサ、温度センサ、ノックセンサなど、様々なセンサが搭載されている。このような車載センサは、車両に構築された通信バスに接続され、この通信バスに接続されたECU(電子制御装置)で集中制御することが行われている。このため、各車載センサには、通信バス上で各々を識別するために用いる識別子が割り当てられており、ECUは、この識別子を指定することで、通信バスを介して、各車載センサとの間で通信データをやりとりする。
なお、このような通信バスの規格には、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)などがある。
特開2007−24566号公報 特開2007−309905号公報
このため、各車載センサは、あらかじめ通信バスで用いる識別子を割り当てた状態で、車両の決められた場所に設置する必要があるが、このような車載センサの中には、1つの車両の中で同じものを複数個使用する場合がある。例えば、特許文献1の図6に示すように、燃料電池車では、車載センサとして、同じ水素センサを複数個搭載している。なお、水素センサの詳細については、特許文献2に、自動車の燃料電池ユニットの配管に設置される水素センサ(水素ガス漏れ検出器)が開示されている。このため、同一品種でありながら、設置箇所に対応して識別子のみを異ならせた車載センサを用意する必要がある。また、車両に複数の車載センサを設置するにあたって、車載センサ相互の混用によって識別子の異なるセンサが接続される誤配置を防ぐべく、これらを管理する手間が大きかった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、あらかじめ識別子を割り当てておくことを不要とした車載センサ、及び、複数のこのような車載センサを通信バスに接続した車載センサシステムを提供することを目的とする。
その一態様は、車両に搭載され、上記車両に構築された通信バスに接続される車載センサであって、外部から供給される電源電位を用いて一定の判別用電位を生成する安定化電源回路からなる電位生成部と、上記通信バスのうち通信データが流れる通信線に接続される1又は複数の通信外部端子、並びに、それぞれが、当該車載センサの外部でいずれの電位にも接続されない第1接続状態、及び、当該車載センサの外部で接地電位へ接続される第2接続状態のいずれかの接続状態にされる1又は複数の設定用外部端子を含み、上記通信バスへの接続に用いるバス接続コネクタと、上記電源電位を用いず上記判別用電位を用いて、1又は複数の上記設定用外部端子のそれぞれについて、上記接続状態が、上記第1接続状態及び上記第2接続状態のいずれであるかを判別する判別部と、判別した1又は複数の上記設定用外部端子の上記接続状態により、上記通信バスで用いる当該車載センサの識別子を設定する識別子設定部と、を備える車載センサである。
この車載センサでは、バス接続コネクタに、1又は複数の設定用外部端子が設けられている。この設定用外部端子は、それぞれが、車載センサの外部でいずれの電位にも接続されない第1接続状態(開放状態)、及び、車載センサの外部で接地電位へ接続される第2接続状態(接地状態)のいずれかの接続状態にされる。
そして、この車載センサは、設定用外部端子のそれぞれについて、接続状態が第1接続状態(開放状態)及び第2接続状態(接地状態)のいずれであるかを判別部で判別し、判別した1又は複数の設定用外部端子の接続状態により、通信バスで用いる識別子を設定する。
このため、車載センサにあらかじめ識別子を割り当てる必要がなく、バス接続コネクタを用いて通信バスに接続し、車両に設置する際に、それぞれの設置箇所で、バス接続コネクタの設定用外部端子を設置箇所に対応する接続状態にすることで、識別子を設定して、同一品種の車載センサを複数個使用することができる。
なお、通信バスで用いる識別子は、例えば、通信バスがCANの場合には、11ビットの符号である。また、通信バスがLINの場合には、6ビットの符号である。一方、設定用外部端子は、1つの端子につき第1接続状態(開放状態)と第2接続状態(接地状態)の2通りを設定できるので、設定用外部端子をn個設けた場合には、2n通りの識別子を設定することができる。したがって、例えば、2個の設定用外部端子を設けた場合には、22=4通りの識別子を設定することができる。
しかも、この車載センサでは、設定用外部端子は、開放状態とされるか(第1接続状態)、接地電位に接続されるか(第2接続状態)のいずれかであり、外部(車両に搭載されたバッテリ)から供給される電源電位やこの電源電位等から車載センサの外部で生成したその他の電位には接続されない。このため、設定用外部端子に、外部からの電源電位やその他の電位にサージ電圧が重畳すること等によるノイズが載りにくい。これにより、ノイズによる誤判別が生じにくく、設定用外部端子の接続状態を適切に判別して、識別子を正しく設定することができる。
なお、判別用電位は、バッテリ電位など外部から供給される電源電位を用いて安定化電源で生成される。
さらに、上述の車載センサであって、入力信号が入力される入力信号ポートを有するマイクロプロセッサを備え、前記判別部は、前記設定用外部端子及び上記入力信号ポートに接続し、上記設定用外部端子の前記接続状態に応じた、電圧レベルが互いに異なる上記入力信号を生成するレベル生成回路と、上記入力信号ポートに入力されている上記入力信号の電圧レベルによって、上記設定用外部端子の上記接続状態が、上記第1接続状態であるか上記第2接続状態であるかを判別するレベル判別部とを有する車載センサとすると良い。
この車載センサでは、判別部のレベル生成回路により、設定用外部端子が第1接続状態であるか第2接続状態であるかの接続状態の違いに応じた、電圧レベルが互いに異なる入力信号を生成して、マイクロプロセッサの入力信号ポートへ入力している。また、判別部のうち、マイクロプロセッサにおけるレベル判別部は、入力信号ポートに入力された入力信号の電圧レベルにより、設定用外部端子の接続状態が、第1接続状態であるか第2接続状態であるかを判別する。
これにより、マイクロプロセッサの入力信号ポートに入力された入力信号の電圧レベルによって、設定用外部端子の接続状態を容易に判別することができる。
なお、入力信号ポートとしては、デジタルの入力信号ポート(I/O入力ポート)またはアナログの入力信号ポート(A/D入力ポート)が挙げられる。例えば、デジタルの入力信号ポート(I/O入力ポート)を用いる場合は、設定用外部端子の接続状態の違いに応じて、レベル生成回路で生成する入力信号の電圧レベルを、それぞれハイレベル及びローレベルとして認識可能な2つの異なる電圧レベルとすれば良い。また、このような入力信号をアナログの入力信号ポート(A/D入力ポート)に入力しても良い。一方、A/D入力ポートを用いる場合は、レベル生成回路で生成する入力信号の電圧レベルを、A/D入力可能な範囲内で、互いに判別可能な2つの電圧レベルとすることができる。
さらに、上述の車載センサであって、前記レベル生成回路は、前記設定用外部端子を、抵抗器を介して上記判別用電位に接続し、上記設定用外部端子の電位を用いて、前記入力信号を生成する回路である車載センサとすると良い。
この車載センサでは、レベル生成回路は、設定用外部端子を、抵抗器を介して一定の判別用電位に接続している。このため、設定用外部端子の電位は、設定用外部端子の接続状態が第1接続状態(開放状態)であっても不定とならず、第1接続状態であるか第2接続状態であるかの接続状態に応じて、それぞれ設定用外部端子の電位が定まる。これにより、レベル生成回路で、この定まった設定用外部端子の電位を用いて、適切な入力信号を生成することができるので、この入力信号を用いて接続状態を適切に判別することができる。
なお、マイクロプロセッサのデジタルやアナログの出力信号ポート(I/O出力ポート,D/A出力ポート)から、ハイレベルあるいは所定の電位を出力させ、この出力信号を判別用電位として用いることもできる。この場合には、出力信号ポートが電位生成部となる。
また、車両に搭載され、上記車両に構築された通信バスに接続される車載センサであって、上記通信バスのうち通信データが流れる通信線に接続される1又は複数の通信外部端子、並びに、それぞれが、当該車載センサの外部でいずれの電位にも接続されない第1接続状態、及び、当該車載センサの外部で接地電位へ接続される第2接続状態のいずれかの接続状態にされる1又は複数の設定用外部端子を含み、上記通信バスへの接続に用いるバス接続コネクタと、1又は複数の上記設定用外部端子のそれぞれについて、上記接続状態が、上記第1接続状態及び上記第2接続状態のいずれであるかを判別する判別部と、判別した1又は複数の上記設定用外部端子の上記接続状態により、上記通信バスで用いる当該車載センサの識別子を設定する識別子設定部と、入力信号が入力される入力信号ポート及び出力信号を出力する出力信号ポートを有するマイクロプロセッサを備え、前記判別部は、前記設定用外部端子、上記入力信号ポート及び上記出力信号ポートに接続し、上記設定用外部端子の前記接続状態が前記第1接続状態であるときの上記入力信号である第1入力信号、及び、上記接続状態が前記第2接続状態であるときの上記入力信号である第2入力信号のうち、少なくともいずれかは上記出力信号の変化に応じて変化し、かつ、上記第1入力信号と上記第2入力信号とが互いに異なる上記入力信号を生成する入力生成回路と、上記出力信号ポートから出力する出力信号を変化させる出力変化部と、上記出力信号の変化に対する上記入力信号ポートに入力された上記入力信号の応答を用いて、上記設定用外部端子の上記接続状態が、上記第1接続状態であるか上記第2接続状態であるかを判別する応答判別部とを有する車載センサとすると良い。
この車載センサでは、バス接続コネクタに、1又は複数の設定用外部端子が設けられている。この設定用外部端子は、それぞれが、車載センサの外部でいずれの電位にも接続されない第1接続状態(開放状態)、及び、車載センサの外部で接地電位へ接続される第2接続状態(接地状態)のいずれかの接続状態にされる。
そして、この車載センサは、設定用外部端子のそれぞれについて、接続状態が第1接続状態(開放状態)及び第2接続状態(接地状態)のいずれであるかを判別部で判別し、判別した1又は複数の設定用外部端子の接続状態により、通信バスで用いる識別子を設定する。
このため、車載センサにあらかじめ識別子を割り当てる必要がなく、バス接続コネクタを用いて通信バスに接続し、車両に設置する際に、それぞれの設置箇所で、バス接続コネクタの設定用外部端子を設置箇所に対応する接続状態にすることで、識別子を設定して、同一品種の車載センサを複数個使用することができる。
加えてこの車載センサでは、判別部の入力生成回路により、設定用外部端子の接続状態が第1接続状態であるか第2接続状態であるかによって、出力信号の変化に対する応答が互いに異なる入力信号(第1入力信号及び第2入力信号)を生成して、マイクロプロセッサの入力信号ポートへ入力している。そして、判別部のうち、マイクロプロセッサにおける出力変化部で、出力信号ポートから出力する出力信号を変化させて、マイクロプロセッサにおける応答判別部で、出力信号の変化に対する入力信号ポートに入力された入力信号の応答を用いて、設定用外部端子の接続状態が、第1接続状態であるか第2接続状態であるかを判別する。
これにより、マイクロプロセッサの出力信号ポートから出力した出力信号の変化に対する入力信号ポートに入力された入力信号の応答によって、設定用外部端子の接続状態を適切に判別することができる。
なお、出力信号ポートとしては、デジタルの出力信号ポート(I/O出力ポート)またはアナログの出力信号ポート(D/A出力ポート)が挙げられる。デジタルの出力信号ポート(I/O出力ポート)を用いる場合には、出力変化部は、出力信号をハイレベルとローレベルとの間で変化させる。また、アナログの出力信号ポート(D/A出力ポート)を用いる場合には、出力変化部は、出力信号をD/A出力が可能な範囲の任意の電位に変化させることができる。また、入力信号ポートとしては、前述と同様に、デジタルの入力信号ポート(I/O入力ポート)またはアナログの入力信号ポート(A/D入力ポート)が挙げられる。
なお、出力信号及び設定用外部端子の接続状態の組み合わせと、これに対応する入力信号の関係としては、例えば、出力信号を時間的に変化させたときに、一方の接続状態では入力信号が出力信号に同期して変化するのに対し、他方の接続状態では入力信号が出力信号に拘らず変化しない関係とするものが挙げられる。また、接続状態によって、出力信号の変化に対する入力信号の応答の時定数が、互いに異なる関係とするものなども挙げられる。
さらに、上述のいずれかの車載センサであって、前記入力生成回路は、前記入力信号ポートを、前記設定用外部端子に接続すると共に、抵抗器を介して前記出力信号ポートに接続する回路である車載センサとすると良い。
この車載センサでは、入力生成回路として、上述の回路を用いているので、例えば、出力信号ポートとして、デジタルの出力信号ポート(I/O出力ポート)を用いた場合には、設定用外部端子の接続状態が第1接続状態(開放状態)のときは、入力信号は出力信号と同様に変化する。すなわち、出力信号をハイレベルとすれば、入力信号もハイレベルとなり、出力信号をローレベルとすれば、入力信号もローレベルとなる。一方、接続状態が第2接続状態(接地状態)のときは、出力信号がハイレベル及びローレベルのいずれであっても、入力信号はローレベルとなる。すなわち、入力信号が出力信号のハイレベル及びローレベルの変化に同期して変化する場合には、接続状態は第1接続状態(開放状態)ということになる。一方、出力信号が変化しても入力信号が変化しないでローレベルに維持されている場合には、接続時状態は第2接続状態(接地状態)ということになる。
この車載センサでは、簡易な構成の入力生成回路で、容易に設定用外部端子の接続状態を判別することができる。
なお、出力信号ポートとしては、上述のデジタルの出力信号ポート(I/O出力ポート)に代えて、アナログの出力信号ポート(D/A出力ポート)を用いても良い。また、入力信号を入力する入力信号ポートとしては、出力信号の電圧レベルに合わせて、デジタルの入力信号ポート(I/O入力ポート)またはアナログの入力信号ポート(A/D入力ポート)のいずれを用いても良い。
また、他の態様は、複数の上述のいずれかの車載センサと、これらが接続した前記通信バスとを有する車載センサシステムであって、複数の上記車載センサのそれぞれについて、当該車載センサの前記バス接続コネクタに嵌合するセンサ接続コネクタを含み、当該車載センサを上記通信バスへ接続する複数の接続路を備え、複数の上記接続路は、上記バス接続コネクタの前記1又は複数の通信外部端子を通信バスのうち前記通信線に接続する通信接続路と、上記バス接続コネクタの前記設定用外部端子を、それぞれ、いずれの電位にも接続させないか前記接地電位に接続させて、上記設定用外部端子の前記接続状態を前記第1接続状態及び前記第2接続状態のいずれかに定める1又は複数の設定路とを有し、1又は複数の上記設定路は、自身が定める上記設定用外部端子の上記接続状態またはその組み合わせが、上記接続路間で互いに異なり、すべての上記車載センサについて、前記識別子を互いに異ならせてなる車載センサシステムである。
この車載センサシステムでは、車載センサのバス接続コネクタに嵌合するセンサ接続コネクタを含む接続路を備えている。そして、この接続路のうち、バス接続コネクタの設定用外部端子の接続状態を第1接続状態及び第2接続状態のいずれかに定める設定路は、自身が定める設定用外部端子の接続状態またはその組み合わせが、接続路間で互いに異なる。これにより、あらかじめ識別子を割り当てることを不要とし、各車載センサの識別子を互いに異なる設定にして、同一品種の車載センサを複数個使用することができる車載センサシステムが得られる。
実施形態1に係る車載センサの概略構成を示す説明図である。 実施形態1,2に係る車載センサを通信バスに複数接続した車載センサシステムの概略図である。 実施形態1に係る車載センサのうち、マイクロプロセッサの識別ID設定時の動作を示すフローチャートである。 変形形態1のレベル生成回路の構成を示す説明図である。 変形形態2のレベル生成回路の構成を示す説明図である。 実施形態2に係る車載センサの概略構成を示す説明図である。 実施形態2に係る車載センサのうち、マイクロプロセッサの識別ID設定時の動作の前半部分を示すフローチャートである。 実施形態2に係る車載センサのうち、マイクロプロセッサの識別ID設定時の動作の後半部分を示すフローチャートである。 変形形態3の入力生成回路の構成を示す説明図である。
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、車両VEに搭載された、本実施形態1に係る車載センサ1の概略構成を示す図である。また、図2は、複数の車載センサ1を、車両VEに構築された通信バスを介してECUに接続した車載センサシステム2の概略図である。この車載センサシステム2では、通信バスとして、CANバスを用いている。なお、車載センサ1は、具体的には、特許文献1に開示された水素センサに、本発明を適用したものである。但し、本実施形態1では、車載センサ1のセンサ部分についての説明は省略し、通信バスであるCANバスとの接続及びECUとの通信に関わる部分についてのみ説明する。
複数(本実施形態1では4つ)の車載センサ1,1は、いずれも図1に示すように、主として、CANコントローラ機能を内蔵するマイクロプロセッサ10、CANトランシーバ50、サージ保護回路20、安定化電源回路30、及び、6つの端子T1〜T6を有するバス接続コネクタ40を備える。これらの車載センサ1は、それぞれバス接続コネクタ40に嵌合するセンサ接続コネクタ110,210,310,410を含む接続路100,200,300,400によって、CANバスに接続されている(図2も参照)。
CANバスは、通信データが流れる2本の通信線CANH,CANLのほか、車両VEのバッテリBT(12V仕様)の+端子から供給される電源電位VBに接続されるVSUP線、及び、バッテリBTの−端子に繋がる接地電位GNDに接続されるCOM線を有する。なお、CANバスにおける通信は、2本の通信線CANHとCANLとの間の電位差で信号を伝送する差動式のシリアル通信である。
まず、接続路100,200,300,400について説明する。
接続路100〜400は、センサ接続コネクタ110,210,310,410のほか、このセンサ接続コネクタ110〜410に嵌合するバス接続コネクタ40の端子T1,T2をそれぞれCANバスのVSUP線,COM線に接続する線路121,122からなる電源線路120、及び、バス接続コネクタ40の端子T3,T4をそれぞれ通信線CANH,CANLに接続する線路131,132からなる通信接続路130を有する。
さらに、接続路100〜400は、車載センサ1の外部でバス接続コネクタ40の端子T5,T6の接続状態を定める設定路140(線路141,142),240,340,440を有する。
なお、図1では、設定路140のうち、実線で示す線路141は、CANバスのCOM線に接続しており、これにより、接続路100に接続するバス接続コネクタ40の端子T5は、車載センサ1の外部で接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)。また、破線で示す線路142は、実際には存在しておらず、COM線には未接続である。これにより、接続路100に接続するバス接続コネクタ40の端子T6は、車載センサ1の外部でいずれの電位にも接続されない開放状態とされている(第1接続状態)。即ち、接続路100の設定路140は、端子T5が接地電位GNDに接続され、端子T6が開放状態とされる組み合わせとなるように定めてある。
また、接続路200,300,400は、接続路100の設定路140に代えて、それぞれ設定路240,340,440を有する。図示しないが、設定路240は、端子T5,T6がいずれも接地電位GNDに接続される組み合わせとなるように定めてある。また、設定路340は、端子T5が開放状態とされ、端子T6が接地電位GNDに接続される組み合わせとなるように定めてある。また、設定路440は、端子T5,T6がいずれも開放状態とされる組み合わせとなるように定めてある。
このように、設定路140,240,340,440は、各々が定める端子T5,T6の接続状態の組み合わせが、互いに異ならせてある。なお、接続路100〜400のうち、センサ接続コネクタ110〜410は、それぞれ異なる設定路140〜440が繋がっている点を除き、コネクタの仕様は共通である。また、設定路140〜440及びセンサ接続コネクタ110〜410以外の電源線路120及び通信接続路130については、接続路100〜400ですべて共通である。
次いで、車載センサ1の内部の構成について説明する。
バス接続コネクタ40の端子T1は、上述したように、接続路100〜400のうち電源線路120の線路121を通じて、CANバスのVSUP線に接続されている。即ち、端子T1は、電源電位VBに接続される電源端子である。また、端子T2は、上述したように、接続路100〜400のうち電源線路120の線路122を通じて、CANバスのCOM線に接続されている。即ち、端子T2は、接地電位GNDに接続される接地端子である。
また、端子T1に供給される電源電位VBは、この電源電位VBに重畳したサージ電圧を吸収するバリスタ等で構成されたサージ保護回路20に接続されており、このサージ保護回路20の出力電位VB1から、車載センサ1の内部で使用する安定化した制御用電源電圧Vcc1(=+5V),Vcc2(=+3.3V)が安定化電源回路30により生成されている。なお、マイクロプロセッサ10のVcc端子は、制御用電源電圧Vcc2(=+3.3V)に接続されており、マイクロプロセッサ10は、この制御用電源電圧Vcc2で駆動されている。また、CANトランシーバ50は、Vcc端子に接続される制御用電源電圧Vcc1(=+5V)と、Vio端子に接続される制御用電源電圧Vcc2(=+3.3V)の2つの電源で駆動されている。
バス接続コネクタ40の端子T3,T4は、車載センサ1の外部で、接続路100〜400のうち通信接続路130(線路131,132)を通じて、CANバスの通信線CANH,CANLに接続される通信外部端子であり、車載センサ1の内部では、CANトランシーバ50に接続されている。また、CANトランシーバ50は、CANコントローラであるマイクロプロセッサ10のシリアル通信ポートTxD,RxDに接続されている。車載センサ1は、バス接続コネクタ40の端子T3,T4に接続される通信接続路130及び通信線CANH,CANLを通じて、CANバスを介して、ECUとの間で通信データをやりとりする。なお、ECUは、CANバスに接続された機器を識別子(以下、識別IDという)によって指定し、各機器との通信を行う。このため、各車載センサ1に、CANバス上で重複しない識別IDを割り当てることが必要となる。
バス接続コネクタ40の端子T5,T6は、接続路100〜400の設定路140〜440により、それぞれが、車載センサ1の外部でいずれの電位にも接続されない第1接続状態(開放状態)、及び、車載センサ1の外部で接地電位GNDへ接続される第2接続状態(接地状態)のいずれかの接続状態にされる設定用外部端子である。なお、前述したように、図1では、接続路100の設定路140(実線で示す線路141、及び、破線で示す存在しない線路142)により、端子T5が接地電位GNDに接続されており(第2接続状態)、端子T6が開放状態とされている(第1接続状態)。
これら2つの端子T5,T6は、それぞれサージノイズ等に対する保護用のダイオードD1,D2のカソード側に接続されており、これらダイオードD1,D2のアノード側は、それぞれ抵抗器R1,R2を介して制御用電源Vcc2(=+3.3V)に接続されている。すなわち、端子T5,T6は、それぞれ保護用のダイオードD1,D2及び抵抗器R1,R2を介して制御用電源Vcc2に接続されている。そして、この抵抗器R1,R2は、一端が制御用電源Vcc2に接続する一方、他端であるダイオードD1,D2のアノード側は、それぞれマイクロプロセッサ10のデジタルの入力信号ポート(I/O入力ポート)である入力ポート10I1,10I2に接続されている。なお、本実施形態1では、制御用電源電圧Vcc2の電位(+3.3V)が、判別用電位に相当し、安定化電源回路30が電位生成部に相当する。また、ダイオードD1,D2及び抵抗器R1,R2により、端子T5,T6及びマイクロプロセッサ10の入力ポート10I1,10I2に接続するレベル生成回路60,61が構成されている。
これにより、端子T5,T6が開放状態の場合(第1接続状態)には、入力ポート10I1,10I2に入力される入力信号SI1,SI2の電圧レベルは、常に制御用電源電圧Vcc2(=+3.3V)に等しく、マイクロプロセッサ10は、これをハイレベルと認識する。一方、端子T5,T6が接地電位GNDに接続された場合(第2接続状態)には、入力ポート10I1,10I2に入力される入力信号SI1,SI2の電圧レベルは、常に接地電位GNDに対してダイオードD1,D2の順方向電圧分だけ高い約0.7Vであり、マイクロプロセッサ10は、これをローレベルと認識する。
そこで、マイクロプロセッサ10は、端子T5,T6のそれぞれについて、接続状態が、開放状態(第1接続状態)、及び、接地状態(第2接続状態)のいずれであるかを、入力ポート10I1,10I2に入力される入力信号SI1,SI2の電圧レベル、すなわち、ハイレベルであるかローレベルであるかの入力レベルにより判別する。具体的には、例えば、入力ポート10I1の入力レベルがハイレベルである場合には、この入力ポート10I1に繋がっている端子T5が開放状態である(第1接続状態)と判断し、入力ポート10I1の入力レベルがローレベルである場合には、この入力ポート10I1に繋がっている端子T5が接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)と判断する(入力判別部)。入力ポート10I2に繋がっている端子T6についても同様である。
図1では、マイクロプロセッサ10は、入力ポート10I1の入力レベルがローレベルとなるので、端子T5が接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)と判断する。また、入力ポート10I2の入力レベルがハイレベルとなるので、端子T6が開放状態である(第1接続状態)と判断する。
そして、判別した端子T5,T6の接続状態により、車載センサ1の識別IDを設定する(識別子設定部)。具体的には、識別IDを、接続状態に対応した符号に設定する。本実施形態1では、設定用外部端子として2つの端子T5,T6を有しているので、2つの端子T5,T6の接続状態により、22=4通りの組み合わせが存在し、4通りの識別IDを設定することができる。
なお、識別IDの設定は、車両VEを起動して、マイクロプロセッサ10の電源投入時などの決められたタイミングで1回行えば良い。マイクロプロセッサ10は、このようにして設定した識別IDを記憶しておき、この記憶した識別IDと、ECUが指定した識別IDとが一致したとき、ECUに対して応答する。
次いで、本実施形態1に係る車載センサ1のうち、マイクロプロセッサ10の識別ID設定時の動作を、図3のフローチャートを参照して説明する。マイクロプロセッサ10は、この識別ID設定の動作を、電源投入後に1度だけ実行する。
まず、ステップS1では、マイクロプロセッサ10の2つの入力ポート10I1,10I2(入力信号SI1,SI2)の入力レベルを読み取る。
次いで、ステップS2では、ステップS1で読み取った入力ポート10I1の入力レベルがハイレベルであるか否かを判断する。入力ポート10I1の入力レベルがハイレベルの場合には、ステップS2でYesとなって、ステップS3に進み、入力ポート10I1に繋がっている端子T5が、開放状態である(第1接続状態)と判断して、ステップS5に進む。一方、入力ポート10I1の入力レベルがローレベルの場合には、ステップS2でNoとなって、ステップS4に進み、入力ポート10I1に繋がっている端子T5が、接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)と判断して、ステップS5に進む。
ステップS5では、ステップS1で読み取った入力ポート10I2の入力レベルがハイレベルであるか否かを判断する。入力ポート10I2の入力レベルがハイレベルの場合には、ステップS5でYesとなって、ステップS6に進み、入力ポート10I2に繋がっている端子T6が、開放状態である(第1接続状態)と判断して、ステップS8に進む。一方、入力ポート10I2の入力レベルがローレベルの場合には、ステップS5でNoとなって、ステップS7に進み、入力ポート10I2に繋がっている端子T6が、接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)と判断して、ステップS8に進む。
ステップS8では、車載センサ1の識別IDを、2つの端子T5,T6の接続状態に対応した符号に設定すると共に、設定した識別IDをメモリに記憶して、識別ID設定の動作を終了する。
なお、本実施形態1では、ステップS1〜S4及びステップS5〜S7を実行しているマイクロプロセッサ10が、レベル判別部に相当し、このレベル判別部及びレベル生成回路60,61が判別部に相当する。また、ステップS8を実行しているマイクロプロセッサ10が、識別子設定部に相当する。
次いで、図2に示す車載センサシステム2について説明する。この車載センサシステム2では、4つの接続路100,200,300,400を用いて、本実施形態1に係る同一仕様の車載センサ1をCANバスに4個接続している。なお、4つの接続路100,200,300,400は、前述したように、センサ接続コネクタ110〜410のコネクタ仕様は共通であり、電源線路120及び通信接続路130についてもすべて共通である一方、各車載センサ1の端子T5,T6の接続状態を定める設定路140,240,340,440の接続状態の組み合わせが、互いに異ならせてある。これにより、この車載センサシステム2では、各車載センサ1の端子T5,T6の接続状態を互いに異なる状態にして、4通りの識別IDを設定している。
以上で説明したように、本実施形態1の車載センサ1では、バス接続コネクタ40に、識別ID(識別子)を設定するための端子T5,T6(設定用外部端子)が設けられており、この端子T5,T6は、それぞれが、車載センサ1の外部でいずれの電位にも接続されない第1接続状態(開放状態)、及び、車載センサ1の外部で接地電位GNDへ接続される第2接続状態(接地状態)のいずれかの接続状態にされる。
そして、この車載センサ1は、端子T5,T6のそれぞれについて、接続状態が、第1接続状態(開放状態)及び第2接続状態(接地状態)のいずれであるかを、マイクロプロセッサ10の入力ポート10I1,10I2に入力される入力信号SI1,SI2の入力レベルにより判別し(レベル判別部:ステップS1〜S4及びステップS5〜S7)、判別した端子T5,T6の接続状態により、この接続状態に対応した符号に、CANバス(通信バス)で用いる識別IDを設定する(識別子設定部:ステップS8)。
このため、車載センサ1にあらかじめ識別IDを割り当てる必要がなく、バス接続コネクタ40を用いてCANバスに接続し、車両に設置する際に、それぞれの設置箇所で、バス接続コネクタ40の端子T5,T6を設置箇所に対応する接続状態にすることで、識別IDを設定して、同一品種の車載センサ1を複数個使用することができる。
しかも、この車載センサ1では、端子T5,T6は、開放状態とされるか(第1接続状態)、接地電位GNDに接続されるか(第2接続状態)のいずれかであり、外部(車両VEに搭載されたバッテリBT)から供給される電源電位VBやこの電源電位VB等から車載センサ1の外部で生成したその他の電位には接続されない。このため、端子T5,T6に、外部からの電源電位VBやその他の電位にサージ電圧が重畳すること等によるノイズが載りにくい。これにより、ノイズによる誤判別が生じにくく、端子T5,T6の接続状態を適切に判別して、識別IDを正しく設定することができる。
さらに、本実施形態1の車載センサ1では、レベル生成回路60,61により、端子T5,T6が第1接続状態(開放状態)であるか第2接続状態(接地状態)であるかの接続状態の違いに応じた、ハイレベルまたはローレベルとなる入力信号SI1,SI2を生成して、マイクロプロセッサ10の入力ポート10I1,10I2へ入力している。また、マイクロプロセッサ10におけるレベル判別部(ステップS1〜S4及びステップS5〜S7)は、入力ポート10I1,10I2に入力された入力信号SI1,SI2の入力レベルにより、当該入力ポート10I1,10I2に繋がっている端子T5,T6が第1接続状態(開放状態)であるか第2接続状態(接地状態)であるかを判別する。
これにより、マイクロプロセッサ10の入力ポート10I1,10I2に入力された入力信号SI1,SI2の入力レベルにより、端子T5,T6の接続状態を適切に判別することができる。
さらに、本実施形態1の車載センサ1では、レベル生成回路60,61は、端子T5,T6を、抵抗器R1,R2を介して制御用電源電圧Vcc2(判別用電位)に接続している。このため、端子T5,T6の電位は、端子T5,T6の接続状態が第1接続状態(開放状態)であっても不定とならず、第1接続状態(開放状態)であるか第2接続状態(接地状態)であるかの接続状態に応じて、それぞれ端子T5,T6の電位が定まる。これにより、レベル生成回路60,61で、この定まった端子T5,T6の電位を用いて、適切な入力信号SI1,SI2を生成することができるので、この入力信号SI1,SI2を用いて接続状態を適切に判別することができる。
また、本実施形態1に係る車載センサ1を複数(4個)接続した車載センサシステム2では、車載センサ1のバス接続コネクタ40に嵌合するセンサ接続コネクタ110を含む接続路100,200,300,400を備えている。そして、この接続路100等のうち、バス接続コネクタ40の端子T5,T6の接続状態を第1接続状態(開放状態)及び第2接続状態(接地状態)のいずれかに定める設定路140,240,340,440は、自身が定める端子T5,T6の接続状態の組み合わせが、接続路100〜400間で互いに異なる。これにより、4つの車載センサ1のバス接続コネクタ40をそれぞれ接続路100〜400のセンサ接続コネクタ110〜410に接続するだけで、4つの車載センサ1について、異なる識別IDを設定できる。このように、あらかじめ識別IDを割り当てることを不要とし、各車載センサ1の識別IDを互いに異なる設定にして、同一品種・同一仕様の車載センサ1を複数個使用することができる車載センサシステム2が得られる。
(変形形態1,2)
次に、上述の実施形態1のレベル生成回路60,61の構成を変更した変形形態について、図4及び図5を参照して説明する。
上述の実施形態1に係る車載センサ1では、端子T5,T6は、それぞれ保護用のダイオードD1,D2及び抵抗器R1,R2を介して制御用電源電圧Vcc2に接続され、ダイオードD1,D2のアノード側は、それぞれマイクロプロセッサ10の入力ポート10I1,10I2に接続されていた。そして、これらダイオードD1,D2及び抵抗器R1,R2により、端子T5,T6及びマイクロプロセッサ10の入力ポート10I1,10I2に接続するレベル生成回路60,61が構成されていた。
これに対し、図4に示す変形形態1では、端子T5,T6は、それぞれトランジスタQ1,Q2のベースに接続されると共に、保護用のダイオードD3,D4のカソード側に接続されている。また、ダイオードD3,D4のアノード側は、それぞれ抵抗器R3,R4を介して制御用電源電圧Vcc2(=+3.3V)に接続されている。すなわち、端子T5,T6は、それぞれ保護用のダイオードD3,D4及び抵抗器R3,R4を介して制御用電源電圧Vcc2に接続されている。また、トランジスタQ1,Q2のエミッタは、接地電位GNDに接地され、トランジスタQ1,Q2のコレクタは、抵抗器R5,R6を介して制御用電源電圧Vcc2に接続されると共に、マイクロプロセッサ10の入力ポート10I1,10I2に接続されている。そして、これらダイオードD3,D4、抵抗器R3,R4、トランジスタQ1,Q2及び抵抗器R5,R6により、レベル生成回路70,71が構成されている。なお、本変形形態1においても、実施形態1と同様に、制御用電源電圧Vcc2の電位(+3.3V)が、判別用電位に相当し、安定化電源回路30が電位生成部に相当する。
これにより、レベル生成回路70,71は、端子T5,T6が開放された場合(第1接続状態)には、トランジスタQ1,Q2のベースがダイオードD3,D4及び抵抗器R3,R4を介して制御用電源電圧Vcc2に接続されているため、トランジスタQ1,Q2がオンし、このトランジスタQ1,Q2のコレクタに接続された入力ポート10I1,10I2に入力される入力信号SI1,SI2の入力レベル(電圧レベル)は、常にローレベルとなる。一方、端子T5,T6が接地電位GNDに接続された場合(第2接続状態)には、トランジスタQ1,Q2のベースが接地電位GNDに接続されるため、トランジスタQ1,Q2がオフし、抵抗器R5,R6を介して制御用電源電圧Vcc2に接続された入力ポート10I1,10I2に入力される入力信号SI1,SI2の入力レベル(電圧レベル)は、常にハイレベルとなる。
そこで、マイクロプロセッサ10は、入力ポート10I1の入力レベルがローレベルである場合には、この入力ポート10I1に繋がっている端子T5が開放状態である(第1接続状態)と判断し、入力ポート10I1の入力レベルがハイレベルである場合には、この入力ポート10I1に繋がっている端子T5が接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)と判断する。入力ポート10I2に繋がっている端子T6についても同様である。すなわち、本変形形態1のレベル生成回路70,71では、接続状態とこれに対応する入力ポート10I1,10I2のハイレベルまたはローレベルの入力レベルの関係が、実施形態1のレベル生成回路60,61とは逆の関係になるが、実施形態1と同様、端子T5,T6の接続状態を入力ポート10I1,10I2の入力レベルにより判断することができる。
したがって、実施形態1のレベル生成回路60,61に代えて、本変形形態1のレベル生成回路70,71を用いた場合にも、車載センサ1は、あらかじめ識別IDを割り当てる必要がなく、バス接続コネクタ40の端子T5,T6を設置箇所に対応する接続状態にすることで、識別IDを設定して、同一品種の車載センサ1を複数個使用することができる。さらに、車載センサ1の端子T5,T6は、外部から供給される電源電位VBやその他の電位には接続されないので、端子T5,T6に、外部からの電源電位VBやその他の電位にサージ電圧が重畳すること等によるノイズが載りにくいなど、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
また、図5に示す変形形態2のレベル生成回路72,73は、変形形態1のレベル生成回路70,71とほぼ同様の構成であるが、抵抗器R3,R4の接続先を変形形態1の制御用電源電圧Vcc2から、バリスタ等で構成されたサージ保護回路20の出力電位VB1に変更している点が異なる。すなわち、本変形形態2では、端子T5,T6は、それぞれダイオードD3,D4及び抵抗器R3,R4を介してサージ保護回路20の出力電位VB1に接続されている。本変形形態2では、サージ保護回路20の出力電位VB1が、判別用電位に相当し、サージ保護回路20が電位生成部に相当する。
変形形態1と同様に、実施形態1のレベル生成回路60,61に代えて、本変形形態2のレベル生成回路72,73を用いた場合も、車載センサ1は、あらかじめ識別IDを割り当てる必要がなく、また、端子T5,T6にノイズが載りにくいなど、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態について、図6を参照して説明する。本実施形態2に係る車載センサ1Aは、実施形態1に係る車載センサ1とほぼ同様の構成を有するが、設定用外部端子である端子T5,T6とマイクロプロセッサ10Aとの間の接続が実施形態1とは異なる。なお、マイクロプロセッサ10Aは、デジタルの入力信号ポート(I/O入力ポート)である入力ポート10I1,10I2及びデジタルの出力信号ポート(I/O出力ポート)である出力ポート10O1,10O2を有する。
以下、本実施形態2について、実施形態1と異なる部分を説明し、実施形態1と同様の部分については説明を省略する。
バス接続コネクタ40の端子T5,T6は、実施形態1と同様に、それぞれが、車載センサ1Aの外部でいずれの電位にも接続されない第1接続状態(開放状態)、及び、車載センサ1Aの外部で接地電位GNDへ接続される第2接続状態(接地状態)のいずれかの接続状態にされる設定用外部端子である。なお、図6では、接続路100の設定路140(実線で示す線路141、及び、破線で示す存在しない線路142)により、端子T5が接地電位GNDに接続されており(第2接続状態)、端子T6が開放状態とされている(第1接続状態)。
そして、これら2つの端子T5,T6は、図6に示すように、それぞれサージノイズ等に対する保護用のダイオードD5,D6のカソード側に接続されており、これらダイオードD5,D6のアノード側は、それぞれマイクロプロセッサ10Aの入力ポート10I1,10I2に接続されている。また、このダイオードD5,D6のアノード側に接続された入力ポート10I1,10I2は、それぞれ抵抗器R7,R8を介してマイクロプロセッサ10Aの出力ポート10O1,10O2に接続されている。また、ダイオードD5,D6及び抵抗器R7,R8により、端子T5,T6、入力ポート10I1,10I2及び出力ポート10O1,10O2に接続する入力生成回路80,81が構成されている。
マイクロプロセッサ10Aは、電源投入時などの決められたタイミングの識別ID設定時に、出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2をハイレベルとローレベルの間で変化させる(出力変化部)。そして、具体的には、例えば、出力信号SO1,SO2のハイレベル及びローレベルの変化に応じて、入力ポート10I1に入力される入力信号SI1,SI2の入力レベルが変化する場合には、この入力ポート10I1に繋がっている端子T5が開放状態である(第1接続状態)と判断し、入力ポート10I1に入力される入力信号SI1,SI2の入力レベルがローレベルに固定されて変化しない場合には、この入力ポート10I1に繋がっている端子T5が接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)と判断する(応答判別部)。入力ポート10I2及び出力ポート10O2に繋がっている端子T6についても同様である。すなわち、本実施形態2では、端子T5,T6の接続状態が第1接続状態(開放状態)であるときの入力信号SI1,SI2(第1入力信号)が出力信号SO1,SO2の変化に応じて変化する一方、端子T5,T6の接続状態が第2接続状態(接地状態)であるときの入力信号SI1,SI2(第2入力信号)が出力信号SO1,SO2に拘らず変化しないので、この第1入力信号と第2入力信号の応答の違いにより、端子T5,T6の接続状態を判別する。
そして、これら端子T5,T6の接続状態により、車載センサ1Aの識別IDを設定する(識別子設定部)。本実施形態2では、実施形態1と同様、設定用外部端子として2つの端子T5,T6を有しているので、2つの端子T5,T6の接続状態により、22=4通りの組み合わせが存在し、4通りの識別IDを設定することができる。
次いで、本実施形態2に係る車載センサ1Aのうち、マイクロプロセッサ10Aの識別ID設定時の動作を、図7及び図8のフローチャートを参照して説明する。なお、図7は、識別ID設定時の動作のうち、前半部分のフローチャートであり、図8は、後半部分のフローチャートである。マイクロプロセッサ10Aは、この識別ID設定の動作を、電源投入後に1度だけ実行する。
まず、図7に示すステップS11では、端子T5についての接続状態の判断を開始するため、マイクロプロセッサ10Aの出力ポート10O1(出力信号SO1)をハイレベルに設定し、続くステップS12では、このマイクロプロセッサ10Aの入力ポート10I1(入力信号SI1)の入力レベルを読み取る。
次いで、ステップS13では、ステップS12で読み取った入力ポート10I1の入力レベルがハイレベルであるか否かを判断する。入力ポート10I1の入力レベルがハイレベルの場合には、ステップS13でYesとなって、ステップS14に進む。一方、入力ポート10I1の入力レベルがローレベルの場合には、ステップS13でNoとなって、ステップS18に進む。
ステップS14では、出力ポート10O1(出力信号SO1)をローレベルに設定することにより、この出力ポート10O1(出力信号SO1)をハイレベルからローレベルに変化させて、続くステップS15で、入力ポート10I1(入力信号SI1)の入力レベルを読み取る。
そして、続くステップS16では、ステップS15で読み取った入力ポート10I1の入力レベルがローレベルであるか否かを判断する。入力ポート10I1の入力レベルがローレベルの場合には、ステップS16でYesとなり、ステップS17に進む。この場合は、出力ポート10O1(出力信号SO1)のハイレベル及びローレベルの変化に同期して、入力ポート10I1の入力レベルが変化しているので、この入力ポート10I1に繋がっている端子T5が、開放状態である(第1接続状態)と判断して、図8に示すステップS22に進む。また、ステップS16でNoとなった場合は、異常なケースであるので、ステップS11に戻り、端子T5についての接続状態の判断を初めからやり直す。
また、ステップS13からステップS18に進んだ場合も、ステップS14と同様に、出力ポート10O1(出力信号SO1)をローレベルに設定することにより、この出力ポート10O1(出力信号SO1)をハイレベルからローレベルに変化させて、続くステップS19で、入力ポート10I1(入力信号SI1)の入力レベルを読み取る。
そして、続くステップS20では、ステップS19で読み取った入力ポート10I1の入力レベルがローレベルであるか否かを判断する。入力ポート10I1の入力レベルがローレベルの場合には、ステップS20でYesとなり、ステップS21に進む。この場合は、出力ポート10O1のハイレベル及びローレベルの変化によらず、入力ポート10I1の入力レベルがローレベルに固定されているので、この入力ポート10I1に繋がっている端子T5が、接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)と判断して、図8に示すステップS22に進む。また、ステップS20でNoとなった場合は、異常なケースであるので、ステップS16でNoとなった場合と同様、ステップS11に戻り、端子T5についての接続状態の判断を初めからやり直す。なお、これらの異常なケースでは、ステップS11に戻る代わりに、エラー処理を行っても良い。
ステップS22では、端子T6についての接続状態の判断を開始するため、マイクロプロセッサ10Aの出力ポート10O2(出力信号SO2)をハイレベルに設定し、続くステップS23では、このマイクロプロセッサ10Aの入力ポート10I2(入力信号SI2)の入力レベルを読み取る。
次いで、ステップS24では、ステップS23で読み取った入力ポート10I2の入力レベルがハイレベルであるか否かを判断する。入力ポート10I2の入力レベルがハイレベルの場合には、ステップS24でYesとなって、ステップS25に進む。一方、入力ポート10I2の入力レベルがローレベルの場合には、ステップS24でNoとなって、ステップS29に進む。
ステップS25では、出力ポート10O2(出力信号SO2)をローレベルに設定することにより、この出力ポート10O2(出力信号SO2)をハイレベルからローレベルに変化させて、続くステップS26で、入力ポート10I2(入力信号SI2)の入力レベルを読み取る。
そして、続くステップS27では、ステップS26で読み取った入力ポート10I2の入力レベルがローレベルであるか否かを判断する。入力ポート10I2の入力レベルがローレベルの場合には、ステップS27でYesとなり、ステップS28に進む。この場合は、出力ポート10O2(出力信号SO2)のハイレベル及びローレベルの変化に同期して、入力ポート10I2の入力レベルが変化しているので、この入力ポート10I2に繋がっている端子T6が、開放状態である(第1接続状態)と判断して、ステップS33に進む。また、ステップS27でNoとなった場合は、異常なケースであるので、ステップS22に戻り、端子T6についての接続状態の判断を初めからやり直す。
また、ステップS24からステップS29に進んだ場合も、ステップS25と同様に、出力ポート10O2(出力信号SO2)をローレベルに設定することにより、この出力ポート10O2(出力信号SO2)をハイレベルからローレベルに変化させて、続くステップS30で、入力ポート10I2(入力信号SI2)の入力レベルを読み取る。
そして、続くステップS31では、ステップS30で読み取った入力ポート10I2の入力レベルがローレベルであるか否かを判断する。入力ポート10I2の入力レベルがローレベルの場合には、ステップS31でYesとなり、ステップS32に進む。この場合は、出力ポート10O2のハイレベル及びローレベルの変化によらず、入力ポート10I2の入力レベルがローレベルに固定されているので、この入力ポート10I2に繋がっている端子T6が、接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)と判断して、ステップS33に進む。また、ステップS31でNoとなった場合は、異常なケースであるので、ステップS27でNoとなった場合と同様、ステップS22に戻り、端子T6についての接続状態の判断を初めからやり直す。なお、これらの異常なケースでは、ステップS22に戻る代わりに、エラー処理を行っても良い。
ステップS33では、車載センサ1Aの識別IDを、2つの端子T5,T6の接続状態に対応した符号に設定すると共に、設定した識別IDをメモリに記憶して、識別ID設定の動作を終了する。
なお、本実施形態2では、入力生成回路80,81並びに、ステップS11〜S21及びステップS22〜S32を実行しているマイクロプロセッサ10Aが、判別部に相当する。また、このうち、ステップS11,S14,S18及びステップS22,S25,S29を実行しているマイクロプロセッサ10Aが、出力変化部に相当し、ステップS12〜S13,S15〜S17,S19〜S21及びステップS23〜S24,S26〜S28,S30〜S32を実行しているマイクロプロセッサ10Aが、応答判別部に相当する。また、ステップS33を実行しているマイクロプロセッサ10Aが、識別子設定部に相当する。
なお、本実施形態2に係る車載センサ1Aも、実施形態1と同様に、接続路100,200,300,400を用いて、同一仕様の車載センサ1AをCANバスに4個接続することにより、各車載センサ1Aの端子T5,T6の接続状態を互いに異なる状態にして、4通りの識別IDを設定することができる(図2参照)。
以上で説明したように、本実施形態2の車載センサ1Aは、入力生成回路80,81により、端子T5,T6の接続状態が第1接続状態(開放状態)であるか第2接続状態(接地状態)であるかによって、マイクロプロセッサ10Aの出力ポート10O1,10O2から出力される出力信号SO1,SO2の変化に対する応答が互いに異なる入力信号SI1,SI2(第1入力信号及び第2入力信号)を生成して、マイクロプロセッサ10Aの入力ポート10I1,10I2へ入力している。そして、マイクロプロセッサ10Aにおける出力変化部(ステップS11,S14,S18,S22,S25,S29)で、出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2を変化させて、マイクロプロセッサ10Aにおける入力判別部(ステップS12〜S13,S15〜S17,S19〜S21,S23〜S24,S26〜S28,S30〜S32)で、出力信号SO1,SO2の変化に対する入力ポート10I1に入力された入力信号SI1,SI2の応答を用いて、端子T5,T6の接続状態を判別する。具体的には、出力ポート10O1から出力する出力信号SO1のハイレベル及びローレベルの変化に応じて、入力ポート10I1に入力される入力信号SI1の入力レベルが変化する場合(第1入力信号)には、この入力ポート10I1に繋がっている端子T5が開放状態である(第1接続状態)と判断し、入力ポート10I1に入力される入力信号SI1の入力レベルがローレベルに固定されて変化しない場合(第2入力信号)には、入力ポート10I1に繋がっている端子T5が接地電位GNDに接続されている(第2接続状態)と判断する。端子T6についても同様に行う。
これにより、マイクロプロセッサ10Aの出力ポート10O1,10O2から出力した出力信号SO1,SO2の変化に対する入力ポート10I1,10I2に入力された入力信号SI1,SI2の応答によって、端子T5,T6の接続状態を適切に判別することができる。
さらに、本実施形態2の車載センサ1Aでは、入力生成回路80,81は、マイクロプロセッサ10Aの入力ポート10I1,10I2を、ダイオードD5,D6を介して端子T5,T6に接続すると共に、抵抗器R7,R8を介して出力ポート10O1,10O2に接続している。
これにより、端子T5,T6の接続状態が第1接続状態(開放状態)のときは、出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2の変化に同期して入力信号SI1,SI2が変化するのに対し、端子T5,T6の接続状態が第2接続状態(接地状態)のときは、入力信号SI1,SI2は出力信号SO1,SO2の変化に同期して変化せず、ローレベルに固定される。
したがって、この車載センサ1Aでは、入力生成回路80,81を簡易な構成として、端子T5,T6の接続状態を適切に判別することができる。
また、本実施形態2の車載センサ1Aは、その他、実施形態1と同様の作用効果を奏するので、この車載センサ1Aを、実施形態1の車載センサ1に代えて、図2の車載センサシステム2に適用しても良い。これにより、4つの車載センサ1Aのバス接続コネクタ40をそれぞれ接続路100〜400のセンサ接続コネクタ110〜410に接続するだけで、4つの車載センサ1Aについて、異なる識別IDを設定でき、あらかじめ識別IDを割り当てることを不要とした車載センサシステム2が得られる。
(変形形態3)
次に、上述の実施形態2の入力生成回路80,81の構成を変更した変形形態について、図9を参照して説明する。
上述の実施形態2の入力生成回路80,81は、図6を図1と比較すれば判るように、実施形態1のレベル生成回路60,61と回路構成が似ている。具体的には、実施形態1のレベル生成回路60,61では、抵抗器R1,R2が一定の制御用電源電圧Vcc2に接続されているのに対し、実施形態2の入力生成回路80,81では、抵抗器R7,R8がマイクロプロセッサ10Aの出力ポート10O1,10O2に接続され、この出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2を変化させている点が異なるが、その他の構成は同じである。
一方、図9に示す変形形態3の入力生成回路90,91は、変形形態1のレベル生成回路70,71(図4参照)と回路構成が似ている。
本変形形態3では、端子T5,T6は、それぞれトランジスタQ3,Q4のベースに接続されると共に、保護用のダイオードD7,D8のカソード側に接続されている。また、ダイオードD7,D8のアノード側は、それぞれ抵抗器R9,R10を介して制御用電源電圧Vcc2(=+3.3V)に接続されている。また、トランジスタQ3,Q4のエミッタは、接地電位GNDに接地され、トランジスタQ3,Q4のコレクタは、それぞれ抵抗器R11,R12を介してマイクロプロセッサ10Aの出力ポート10O1,10O2に接続されると共に、マイクロプロセッサ10Aの入力ポート10I1,10I2に接続されている。そして、これらダイオードD7,D8、抵抗器R9,R10、トランジスタQ3,Q4及び抵抗器R11,R12により、入力生成回路90,91が構成されており、マイクロプロセッサ10Aは、出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2をハイレベルとローレベルの間で変化させる。
したがって、変形形態1のレベル生成回路70,71では、抵抗器R5,R6が一定の制御用電源電圧Vcc2に接続されているのに対し、本変形形態3の入力生成回路90,91では、抵抗器R11,R12がマイクロプロセッサ10Aの出力ポート10O1,10O2に接続され、この出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2を変化させている点が異なるが、その他の構成は同じである。
本変形形態3では、端子T5,T6が開放された場合(第1接続状態)には、トランジスタQ3,Q4のベースがダイオードD7,D8及び抵抗器R9,R10を介して制御用電源電圧Vcc2に接続されているため、トランジスタQ3,Q4がオンする。このため、出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2を変化させても、この出力信号SO1,SO2の変化によらず、トランジスタQ3,Q4のコレクタに接続された入力ポート10I1,10I2に入力される入力信号SI1,SI2の入力レベルは、常にローレベルとなる。一方、端子T5,T6が接地電位GNDに接続された場合(第2接続状態)には、トランジスタQ3,Q4のベースが接地電位GNDに接続されるため、トランジスタQ3,Q4がオフする。このため、出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2を変化させると、この変化に同期して、抵抗器R11,R12を介して接続された入力ポート10I1,10I2に入力される入力信号SI1,SI2も変化する。
これにより、実施形態2の車載センサ1Aは、入力生成回路80,81に代えて、変形形態3の入力生成回路90,91を用いることができ、同様の作用効果を奏する。
以上において、本発明を実施形態1,2及び変形形態1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施形態及び変形形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態及び変形形態では、設定用外部端子として2つの端子T5,T6を有しており、これにより、22=4通りの識別IDの設定を可能としていた。しかし、設定用外部端子の数は、通信バスに接続する車載センサ1の数に応じて適宜変更することができ、設定用外部端子をn個設けた場合には、2n通りの識別IDを設定することが可能である。
また、実施形態及び変形形態では、車載センサ1がCANバスに接続されるセンサであったが、例えば、LINバスなど、CANバス以外の通信バスに接続される車載センサに本発明を適用しても良い。
また、実施形態1及び変形形態1では、安定化電源回路30で生成した、マイクロプロセッサ10を駆動する制御用電源電圧Vcc2を判別用電位として用い、変形形態2では、サージ保護回路20の出力電位VB1を判別用電位として用いた。しかし、判別用電位を別途専用の回路で生成しても良い。
また、実施形態1及び変形形態1,2の入力ポート10I1,10I2は、デジタルの入力信号ポート(I/O入力ポート)を用いたが、アナログの入力信号ポート(A/D入力ポート)を用いても良い。また、実施形態2及び変形形態3でも同様に、出力ポート10O1,10O2として、デジタルの出力信号ポート(I/O出力ポート)に代えて、アナログの出力信号ポート(D/A出力ポート)を用いても良く、入力ポート10I1,10I2として、A/D入力ポートを用いても良い。
さらに、実施形態2及び変形形態3では、それぞれ入力生成回路80,81及び入力生成回路90,91を用いて、出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2を変化させることにより、入力ポート10I1,10I2に入力される入力信号SI1,SI2の応答を用いて、端子T5,T6の接続状態を判別した。しかし、前述したように、実施形態2の入力生成回路80,81は、実施形態1のレベル生成回路60,61に、変形形態3の入力生成回路90,91は、変形形態1のレベル生成回路70,71にそれぞれ似ており、マイクロプロセッサ10Aの出力ポート10O1,10O2から出力する出力信号SO1,SO2をハイレベルに固定すると、入力生成回路80,81及び入力生成回路90,91は、それぞれレベル生成回路60,61及びレベル生成回路70,71と同じ動作になる。したがって、出力信号SO1,SO2をハイレベルに固定することにより、実施形態2の入力生成回路80,81及び変形形態3の入力生成回路90,91をレベル生成回路として用いることもできる。
VE 車両
1,1A 車載センサ
2 車載センサシステム
10,10A マイクロプロセッサ
10I1,10I2 入力ポート
10O1,10O2 出力ポート
R1,R2,R3,R4,R7,R8 抵抗器
20 サージ保護回路
30 安定化電源回路(電位生成部)
40 バス接続コネクタ
T1 端子(電源端子)
T2 端子(接地端子)
T3 端子(通信外部端子)
T4 端子(通信外部端子)
T5 端子(設定用外部端子)
T6 端子(設定用外部端子)
60,61,70,71,72,73 レベル生成回路
80,81,90,91 入力生成回路
VB 電源電位
GND 接地電位
Vcc2 制御用電源電圧(判別用電位)
CAN CANバス(通信バス)
CANH,CANL 通信線
100,200,300,400 接続路
110,210,310,410 センサ接続コネクタ
130 通信接続路
140,240,340,440 設定路
S1〜S4,S5〜S7 レベル判別部(判別部)
S11,S14,S18,S22,S25,S29 出力変化部(判別部)
S12〜S13,S15〜S17,S19〜S21,S23〜S24,S26〜S28,S30〜S32 応答判別部(判別部)
S8,S33 識別子設定部

Claims (6)

  1. 車両に搭載され、上記車両に構築された通信バスに接続される車載センサであって、
    外部から供給される電源電位を用いて一定の判別用電位を生成する安定化電源回路からなる電位生成部と、
    上記通信バスのうち通信データが流れる通信線に接続される1又は複数の通信外部端子、並びに、
    それぞれが、
    当該車載センサの外部でいずれの電位にも接続されない第1接続状態、及び、
    当該車載センサの外部で接地電位へ接続される第2接続状態のいずれかの接続状態にされる
    1又は複数の設定用外部端子を含み、
    上記通信バスへの接続に用いるバス接続コネクタと、
    上記電源電位を用いず上記判別用電位を用いて、1又は複数の上記設定用外部端子のそれぞれについて、上記接続状態が、上記第1接続状態及び上記第2接続状態のいずれであるかを判別する判別部と、
    判別した1又は複数の上記設定用外部端子の上記接続状態により、上記通信バスで用いる当該車載センサの識別子を設定する識別子設定部と、を備える
    車載センサ。
  2. 請求項1に記載の車載センサであって、
    入力信号が入力される入力信号ポートを有するマイクロプロセッサを備え、
    前記判別部は、
    前記設定用外部端子及び上記入力信号ポートに接続し、上記設定用外部端子の前記接続状態に応じた、電圧レベルが互いに異なる上記入力信号を生成するレベル生成回路と、
    上記入力信号ポートに入力されている上記入力信号の電圧レベルによって、上記設定用外部端子の上記接続状態が、上記第1接続状態であるか上記第2接続状態であるかを判別するレベル判別部とを有する
    車載センサ。
  3. 請求項2に記載の車載センサであって
    記レベル生成回路は、
    前記設定用外部端子を、抵抗器を介して上記判別用電位に接続し、
    上記設定用外部端子の電位を用いて、前記入力信号を生成する回路である
    車載センサ。
  4. 車両に搭載され、上記車両に構築された通信バスに接続される車載センサであって、
    上記通信バスのうち通信データが流れる通信線に接続される1又は複数の通信外部端子、並びに、
    それぞれが、
    当該車載センサの外部でいずれの電位にも接続されない第1接続状態、及び、
    当該車載センサの外部で接地電位へ接続される第2接続状態のいずれかの接続状態にされる
    1又は複数の設定用外部端子を含み、
    上記通信バスへの接続に用いるバス接続コネクタと、
    1又は複数の上記設定用外部端子のそれぞれについて、上記接続状態が、上記第1接続状態及び上記第2接続状態のいずれであるかを判別する判別部と、
    判別した1又は複数の上記設定用外部端子の上記接続状態により、上記通信バスで用いる当該車載センサの識別子を設定する識別子設定部と、
    入力信号が入力される入力信号ポート及び出力信号を出力する出力信号ポートを有するマイクロプロセッサを備え、
    前記判別部は、
    前記設定用外部端子、上記入力信号ポート及び上記出力信号ポートに接続し、上記設定用外部端子の前記接続状態が前記第1接続状態であるときの上記入力信号である第1入力信号、及び、上記接続状態が前記第2接続状態であるときの上記入力信号である第2入力信号のうち、少なくともいずれかは上記出力信号の変化に応じて変化し、かつ、上記第1入力信号と上記第2入力信号とが互いに異なる上記入力信号を生成する入力生成回路と、
    上記出力信号ポートから出力する出力信号を変化させる出力変化部と、
    上記出力信号の変化に対する上記入力信号ポートに入力された上記入力信号の応答を用いて、上記設定用外部端子の上記接続状態が、上記第1接続状態であるか上記第2接続状態であるかを判別する応答判別部とを有する
    車載センサ。
  5. 請求項4に記載の車載センサであって、
    前記入力生成回路は、
    前記入力信号ポートを、前記設定用外部端子に接続すると共に、抵抗器を介して前記出力信号ポートに接続する回路である
    車載センサ。
  6. 複数の請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車載センサと、これらが接続した前記通信バスとを有する車載センサシステムであって、
    複数の上記車載センサのそれぞれについて、当該車載センサの前記バス接続コネクタに嵌合するセンサ接続コネクタを含み、当該車載センサを上記通信バスへ接続する複数の接続路を備え、
    複数の上記接続路は、
    上記バス接続コネクタの前記1又は複数の通信外部端子を上記通信バスのうち前記通信線に接続する通信接続路と、
    上記バス接続コネクタの前記設定用外部端子を、それぞれ、いずれの電位にも接続させないか前記接地電位に接続させて、上記設定用外部端子の前記接続状態を前記第1接続状態及び前記第2接続状態のいずれかに定める1又は複数の設定路とを有し、
    1又は複数の上記設定路は、自身が定める上記設定用外部端子の上記接続状態またはその組み合わせが、上記接続路間で互いに異なり、すべての上記車載センサについて、前記識別子を互いに異ならせてなる
    車載センサシステム。
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