JP5688200B2 - 貴金属の回収方法及び燃焼装置 - Google Patents

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Description

本発明は、めっき液等の貴金属を含む廃液から貴金属を回収するための方法、及びその回収方法に用いる燃焼装置に関する。
貴金属めっきは、各種の装飾品や、電子機器部品等に広く用いられている。貴金属資源を有効活用するため、めっき廃液等の液体状の廃棄物の他、固体状の廃棄物を溶液化した回収液等より、貴金属を回収、精製する方法が用いられている。従来の回収方法としては、貴金属を吸着させた活性炭を、都市ガス、プロパンガス、重油等の燃料を用いて燃焼して灰化させた後、灰化物より貴金属を抽出する方法が知られている。特許文献1には、アントラヒドロキノン化合物を担持した多孔質担体を使用した貴金属の回収方法として、焼却によって捕捉した貴金属を容易に回収できることが記載されている。また、焼却法として、回転焼却炉や、るつぼ型の焼却炉等を採用できることも記載されている。
特開平10−121158号公報
しかしながら、従来のように、都市ガス等の燃料を用いて活性炭を燃焼させる場合、燃焼工程で大量のエネルギーを消費するものであった。また、使用する燃料の種類によっては、ハロゲン等の有害物質を含む燃焼ガスを発生することがあり、燃焼ガスを除去するため、さらに二次的な高温加熱処理が必要であった。
また、都市ガス等を用いた燃焼方法は、燃焼炉外部からの加熱により焼成するものであり、活性炭の内部まで均一に燃焼を進行させることが困難となり、貴金属の抽出率が低下する場合があった。かかる燃焼方法であっても、燃焼を長時間行うことや、燃焼と抽出とを繰り返し行うことにより、抽出率を向上させることは可能であるが、工程の煩雑化や、消費エネルギーの増大等が問題であった。また、貴金属を含む溶液に活性炭を含浸させると、貴金属は活性炭の細孔内部まで浸透するが、都市ガス等による燃焼工程では、燃焼が進行するに従い、貴金属が活性炭の細孔表面を覆うことがあった。このため、活性炭の細孔内部へ酸素が供給されにくくなり、燃焼の進行が不十分となりやすかった。
そこで、本発明は、燃焼効率を向上させてエネルギー消費を低減し、さらに貴金属の抽出率も向上できる貴金属の回収方法の提供を目的とする。また、燃焼効率向上のために好適な燃焼装置を提供する。
上記課題を解決するため、本発明者等は、貴金属の回収方法における燃焼工程について鋭意検討し、マイクロ波を用いて活性炭を燃焼させる本発明に想到した。
すなわち、本発明は、貴金属を吸着した活性炭を燃焼させて灰化する燃焼工程と、燃焼により得られた灰化物から貴金属を抽出する抽出工程と、を有する貴金属の回収方法において、前記燃焼工程は、マイクロ波を照射して活性炭を燃焼させるものであり、酸素含有ガスを供給して活性炭の燃焼を進行させる貴金属の回収方法に関する。
本発明では、マイクロ波の照射により活性炭を燃焼させるため、加熱速度が大きくなり、燃焼効率を大幅に向上できる。また、都市ガス等を用いた場合のように、活性炭の内部に吸着した貴金属が燃焼により細孔表面を覆うとの現象も生じにくく、効率良く活性炭を灰化できる。さらに、酸素含有ガスを供給し、活性炭の自己燃焼を利用することにより、燃焼容器内部まで均一に燃焼を進行させることができる。尚、酸素含有ガスとしては空気を使用できるため、有害物質を含む燃焼ガスの発生も低減できる。
以下、本発明の貴金属回収方法について詳細に説明する。まず、本発明の回収方法では、貴金属を吸着した活性炭を用いる。活性炭に吸着させる貴金属源は、特に限定されず、めっき廃液等の液体状の廃棄物の他、固体状の廃棄物を溶液化した回収液等を使用できる。そして、めっき廃液や回収液等に含まれる貴金属を活性炭に吸着させる方法としては、含浸による方法や、カラムに充填した活性炭中に回収液を通過させる方法等の一般的な方法を利用できる。
そして、貴金属の吸着した活性炭を、燃焼工程により燃焼して灰化させる。活性炭はマイクロ波を吸収しやすい物質であるため、効率良くマイクロ波を熱エネルギーへ変換できる。燃焼工程において活性炭の燃焼を進行させる酸素含有ガスは、燃焼工程の少なくとも一部の過程で供給されるものであり、燃焼工程初期の燃焼温度を上昇させているときや、目標とする燃焼温度付近まで達したときに供給できる。また、後述するように設定された燃焼温度に達した後にマイクロ波の出力を低下又は停止させ、その際に酸素含有ガスを供給してもよい。更に、マイクロ波の出力及び燃焼温度を監視しつつ、燃焼工程の開始から終了まで継続的に供給しても良い。尚、酸素含有ガスには、圧縮空気を用いることができる。圧縮空気によれば、後述する酸素含有量の調整も容易に行うことができる。圧縮空気は、酸素含有量を21%程度まで高めることができ、モレキュラーシーブ等の吸着剤を用いた場合、酸素含有量60%程度まで高めることもできる。
燃焼工程における燃焼炉内の燃焼温度は、500℃〜1100℃の範囲内とすることが好ましい。燃焼温度500℃未満では、燃焼が進行し難く、長時間の燃焼が必要となるため、エネルギー消費量が増大する。1100℃を超えると、回収物中の貴金属が溶融し、その溶融物が回収物中の金属成分や酸化物成分と反応することにより、容器を傷める場合がある。回収物中の貴金属の溶融は、回収する貴金属の融点よりも高い場合に起こるため、燃焼温度は、回収する貴金属の融点より50〜150℃低い温度にすることが好ましい。例えば、回収物に銀が多く含まれる場合には、燃焼温度は850℃以下とすることが好ましい。
燃焼温度は、酸素含有ガスの供給量と、マイクロ波を照射するための出力によって調整することが好ましい。燃焼炉内の温度を上昇させる際は、マイクロ波の出力を約50〜100%とすることが好ましい。特に、100℃近辺までは、廃液中の溶媒の蒸発にエネルギーを要するため、マイクロ波の出力を最大としてもよい。目標とする燃焼温度より200℃低い温度近辺となったら、マイクロ波の出力を約10〜50%に低下させ、若しくは出力を停止してもよい。すなわち、燃焼工程は、マイクロ波を照射した後、燃焼温度が500〜900℃となったときに、マイクロ波の出力を低下又は停止するように行うことができる。マイクロ波の出力を低下させても、活性炭の自己燃焼を利用することにより、上記した燃焼温度を維持できる。これらマイクロ波の出力制御により、エネルギーの過剰消費を削減できる。尚、マイクロ波の出力制御は、制御装置により自動制御する方法や、オン/オフ切替えによる方法等を利用できる。
また、マイクロ波の出力を調整するとともに、酸素含有ガスの供給量を調整して活性炭の自己燃焼の度合いを制御することで、目標とする燃焼温度を維持できる。酸素含有ガスの供給量が過剰であると、自己燃焼が進行し過ぎて目標とする燃焼温度を超えてしまう場合があり、逆に酸素含有ガスの供給量が少ないと、焼成時間が長く必要となる。尚、酸素供給量は、燃焼する活性炭の量、目標とする燃焼温度、ガス中の酸素含有量に合わせて調整する必要があり、活性炭の量が多くなるほど必要供給量も多くなる。例えば、放熱がない状態で活性炭1kgを焼成させ、燃焼温度780℃とするには酸素含有ガスを500L/min、燃焼温度930℃とするには酸素含有ガスを420L/min供給する。
尚、燃焼工程の前に、貴金属を吸着した活性炭に含まれる溶媒を蒸発させる工程を行うこともできるが、本発明によれば、別工程として蒸発工程を行わなくとも、燃焼工程において溶媒の蒸発を併せて行うことができる。
上記した燃焼工程により活性炭を灰化させた後、灰化物より貴金属を抽出する。抽出工程は、灰化物を酸又はアルカリにより溶解し、その溶解液より貴金属を抽出して行うことができる。抽出する貴金属は、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムのうち1種以上であることが好ましい。灰化物の溶解には、硝酸、王水、シアン化アルカリ溶液等を使用でき、回収する貴金属の種類に合わせて利用することが好ましい。例えば、回収する貴金属中に銀が60%以上含まれる場合、硝酸を用いて溶解させることができ、銀の割合が60%未満である場合は、王水を利用できる。また、金と銀とを回収する場合、シアン化物を含むアルカリ溶液で溶解することが好ましい。シアン化物は、金と銀とを選択的に溶解し、他の金属を溶解しにくい傾向にあるため、回収率を向上できる。また、後に貴金属を分離精製する工程も容易になる。尚、溶液の濃度は、硝酸は約30〜70%、王水は酸濃度50%程度、シアン化アルカリは強アルカリのためシアン濃度で数g/L程度のものを利用できる。また、溶解時の液温を高めることで、溶解を促進することもできる。この際、急激な反応や突沸が起こらないよう、反応温度及び酸濃度等を調製することが好ましい。
そして、本発明の回収方法において使用する燃焼装置としては、酸素含有ガス導入口を有し活性炭を投入して燃焼させる燃焼容器と、該活性炭を加熱するためのマイクロ波を発振するマイクロ波発振器と、該燃焼容器内の燃焼温度を測定する温度センサーと、を備える燃焼装置を用いることができる。本発明の燃焼装置は、マイクロ波により活性炭を燃焼させるために好適であり、酸素含有ガスを供給して、活性炭の内部燃焼を進行させることができる。
また、燃焼容器は、誘電損失係数が5以下の材料からなることが好ましい。誘電損失係数は、マイクロ波により加熱される物質の発熱のしやすさを表す指標となる値であり、誘電損失係数が大きいほど発熱量が大きく、選択的に加熱されることとなる。このため、誘電損失係数が5以下の材料であれば、マイクロ波を選択的に活性炭の燃焼に利用することができる。尚、黒鉛等の自由空間法測定により測定された誘電損失係数(ε’×tanδ)は、カーボン板が22.6、黒鉛(押出品)が17.7、炭化ケイ素が3.52、アルミナが0.0624、コージェライトが0.046以下である。
さらに、燃焼容器は、熱膨張率5.0×10−6−1以下の材料からなることが好ましい。燃焼時において、燃焼容器内に部分的な温度差が生じた場合であっても、熱応力の発生による容器の破損等が生じにくいものとなるからである。熱膨張率の値は、コージェライト−ムライトが4.5×10−6−1、コージェライトが3.0×10−6−1、溶融シリカが1.5×10−6−1、石英が1.2×10−6−1である。
以上より、燃焼容器としては、炭化ケイ素、アルミナ、コージェライト等のセラミックス材料を用いることが好ましい。これらの材料は、誘電損失係数及び熱膨張率が小さいことに加え、耐熱性にも優れる材料である。また、本発明者等によれば、炭化ケイ素とコージェライトとを、それぞれ燃焼容器として用いた場合、より誘電損失係数の小さいコージェライトを用いた方が、燃焼時間を短縮できることが分かった。
燃焼装置には、マイクロ波発振器の出力を、燃焼温度に応じて制御する制御手段を更に備えることが好ましい。マイクロ波の出力により燃焼温度が充分に上昇した後、出力を低下又は停止して、活性炭の内部燃焼により燃焼を進行させることで、エネルギー消費量を削減できる。
また、燃焼装置は、酸素含有ガス導入口に接続され、燃焼温度に応じた流量の酸素含有ガスを供給するガス流量調節手段を更に備えることが好ましい。酸素含有ガスは、燃焼温度の上昇後、活性炭の内部燃焼を持続させるために供給するものであり、酸素含有ガスの供給量により、燃焼温度を調整することができる。
上記したマイクロ波出力及び酸素含有ガスの供給量の調節手段に関し、例として、温度調節手段を備える燃焼装置とした場合について説明する。温度調節手段は、燃焼容器内の燃焼温度を測定する熱電対と接続させ、熱電対からの温度信号を受信するものとする。温度調節手段には、予め好適な燃焼温度の範囲を設定しておくことが好ましい。そして、マイクロ波の出力により燃焼を開始した後、熱電対からの温度信号によって受信した燃焼温度が、予め設定された好適な燃焼温度に達した場合、温度調節手段は、マイクロ波発振機に出力制御信号を送信することで、マイクロ波の出力を制御することができる。また、酸素含有ガスの流量調節手段に対しても、流量制御信号を送信して、ガス供給量を調整することができる。
また、燃焼容器は、1以上のフィルターを更に備えることが好ましい。フィルターは、燃焼後の活性炭の灰化物の飛散を防止するものであり、燃焼容器中の燃焼ガスを排気する排気経路上に設置することで、貴金属の回収率低下を防止できる。フィルターは、1段でも飛散防止効果を得ることができるが、飛散防止効果を向上するため、複数段設置することが、より好ましい。材質は、アルミナ、コージェライト、ムライト、炭化ケイ素等からなるものとすることができ、ハニカム状等の形状のものを使用できる。フィルターの穴は、灰化物の飛散を防止するため、灰化物の大きさよりも小さなものとすることが好ましいが、目詰まりした灰化物の回収を考慮して、比較的穴の大きいものを複数段設置することもできる。
燃焼容器は、酸素含有ガスの拡散手段を備えることが好ましい。拡散手段としては、例えば、酸素含有ガス導入口の燃焼容器内部側にバッフルを設置して、導入した酸素含有ガスを装置内に拡散させることができる。また、燃焼容器内に活性炭投入のためのハニカム状等の板を設置することも好ましく、バッフルにより拡散させた酸素含有ガスを、板上の活性炭に均一に供給することが可能となる。バッフルには、フィルターと同様の材質、形状のものを使用できる。
以上で説明したように、本発明に係る貴金属の回収方法によれば、燃焼効率を向上させることにより、燃焼に要するエネルギー消費を低減し、貴金属の抽出率も向上させることができる。また、本発明の燃焼装置によれば、より効率的に活性炭を燃焼させることができる。
以下、本発明における最良の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施例におけるマイクロ波燃焼装置の概略正面断面図である。図に示すように、金属性チャンバー内に、溶融シリカよりなり、直径400mm、高さ400mmの燃焼容器を設置し、導波管を介してマイクロ波発振器を接続した。マイクロ波発振器としては、周波数2.45GHz、出力1.5kWのものを4台接続し、チャンバーはチタン鋼製とした。このマイクロ波燃焼装置では、制御出力を100%とするとマイクロ波出力が6.0kWとなり、制御出力を50%とするとマイクロ波の出力が3.0kWとなった。また、燃焼容器底部には、直径35mmの酸素含有ガス導入口を設け、送風機、ガス流量調節器と接続した。また、燃焼容器内部には、熱電対を挿入し、活性炭内部の燃焼温度を計測した。尚、本発明において使用されるマイクロ波発振器は、処理量に応じた出力(定格出力)のものを用いることができるが、周波数2〜3GHz、出力0.1〜50kWの範囲のものが通常用いられる。
燃焼容器内には、導入ガスを拡散させるためのバッフルを設置し、活性炭は、装置内部に設置したハニカム板上に投入した。送風機より供給された酸素含有ガスを、バッフルによって拡散させることにより、ハニカム板上の活性炭に対し、酸素含有ガスを均一に供給できる。バッフルには、一辺70mmの正方形の板に一辺10mm高さ20mmの脚を4本設置したムライト質のものを使用し、ハニカムには、直径1mmの穴が全平面積の15%を占有するコージェライト質のものを使用した。
また、燃焼容器内で燃焼により発生した燃焼ガスを排気する排気経路には、フィルターを設置し、燃焼した灰化物の飛散を防止する構造とした。本実施例では、一辺が1mmの正方形の穴が全平面積の70%を占有するアルミナ質ハニカムからなるフィルターを、4段設置した。
実施例1:上記の燃焼装置を用いて、Ag及びPdを吸着した活性炭より、酸素含有ガスとして酸素含有量21%の圧縮空気を供給して、貴金属の回収を行った。Ag及びPdを吸着した活性炭12250gを、燃焼容器内のハニカム板上に投入し、マイクロ波発振器から導波管を通じてチャンバー内にマイクロ波を入射させて、活性炭を燃焼させた。燃焼温度を上昇させる際のマイクロ波の出力は80%とした。燃焼温度が750℃に上昇した後、酸素含有ガスとして空気を400L/minで供給し、燃焼温度が750℃一定になるよう調整した。8時間燃焼させたところ、活性炭を灰化することができた。得られた灰化物より、濃硝酸を用いてAg及びPdの抽出を行った。Agの抽出率は98%、Pdの抽出率は95.5%であった。活性炭に吸着させた貴金属の量に対する貴金属の回収率は99%であった。また、活性炭1kg当たりの燃焼に要した電気消費エネルギーは約500kJであった。
実施例2:Ptを吸着した活性炭より貴金属を回収した。実施例1と同様の装置で、燃焼温度を850℃として活性炭を燃焼させたところ、7.5時間で活性炭を灰化することができた。得られた灰化物より、王水を用いてPtの抽出を行ったところ、Ptの抽出率は97.5%であった。活性炭に吸着させた貴金属の量に対する貴金属の回収率は、98%であった。活性炭1kg当たりの燃焼に要した電気消費エネルギーは約520kJであった。
比較例1:ガス炉を用いてAg及びPdを吸着した活性炭を燃焼させて貴金属の回収を行った。Ag及びPdを吸着した活性炭8520gをステンレス製の燃焼容器に投入し、燃焼温度が750℃で一定になるよう、ガス炉にて活性炭を燃焼させた。15時間燃焼させたところ、一部に未燃焼の活性炭が残存していた。得られた灰化物より、濃硝酸を用いてAg及びPdの抽出を行った。Agの抽出率は94.5%、Pdの抽出率は62.2%であった。活性炭に吸着させた貴金属の量に対する貴金属の回収率は、96%であった。活性炭1kg当たりの燃焼に要した消費エネルギーは約4000kJであった。
比較例2:ガス炉を用いてPtを吸着した活性炭を燃焼させて貴金属の回収を行った。燃焼条件は、比較例1と同様とした。15時間燃焼させたところ、一部に未燃焼の活性炭が残存していた。得られた灰化物より、王水を用いてPtの抽出を行った。Ptの抽出率は75.3%であった。活性炭に吸着させた貴金属の量に対する貴金属の回収率は、85%であった。活性炭1kg当たりの燃焼に要した消費エネルギーは約4500kJであった。
参考例:実施例と同様の燃焼装置により、貴金属を吸着していない活性炭を燃焼させた。貴金属を吸着していない活性炭10000gを、燃焼温度850℃一定として、9時間燃焼させた。燃焼前後において、92%重量が減少し、未燃焼の活性炭が8%残存していた。
以上より、マイクロ波を用いた実施例の回収方法によれば、ガス炉を用いた比較例の回収方法と比較して、短時間で活性炭を灰化させることができ、燃焼も均一に進行した。また、貴金属の回収率も良好であり、燃焼に要する消費エネルギーが低減できた。また、参考例によると、貴金属を吸着していない活性炭に比べ、貴金属を吸着した活性炭は灰化されやすいことが分かった。これは、活性炭中に貴金属が均一に吸着されているため、マイクロ波を照射した際、貴金属の粒子間で放電エネルギーが発生することや、貴金属と活性炭との酸化触媒効果が生じるためであると考えられる。
[第2実施形態]
第1実施形態の実施例1と同様の方法において、表1に示すように燃焼温度を変化させて貴金属の回収を行った。
表1より、燃焼温度が500〜1100℃であると回収率が高く、消費エネルギーも少ないことがわかった。一方、燃焼温度500℃未満では、大量の消費エネルギーを要する傾向となり、1100℃を超えると、貴金属の回収が困難な傾向となった。
マイクロ波燃焼装置の概略断面図

Claims (8)

  1. 貴金属を吸着した活性炭を燃焼させて灰化する燃焼工程と、燃焼により得られた灰化物から貴金属を抽出する抽出工程と、を有する貴金属の回収方法において、
    前記燃焼工程は、マイクロ波を照射して活性炭を燃焼させ、酸素含有ガスの供給により活性炭の燃焼を進行させるよう、
    燃焼容器内の燃焼温度に応じて、マイクロ波を照射するための出力及び酸素含有ガスの供給量を調節して活性炭を自己燃焼させるものであり、
    マイクロ波を照射した後、燃焼温度が500〜900℃となったときに、マイクロ波の出力を10〜50%に低下又は停止させるとともに、酸素含有ガスの供給を開始し、
    燃焼工程の開始から終了までの燃焼温度を500〜1100℃に維持する貴金属の回収方法。
  2. 抽出工程は、酸又はアルカリにより前記灰化物を溶解し、該溶解液より貴金属を抽出する請求項1に記載の貴金属の回収方法。
  3. 貴金属が、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムのうち1種以上である請求項1又は請求項2に記載の貴金属の回収方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された貴金属の回収方法に用いる燃焼装置であって、
    酸素含有ガス導入口を有し活性炭を投入して燃焼させる燃焼容器と、該活性炭を加熱するためのマイクロ波を発振するマイクロ波発振器と、該燃焼容器内の燃焼温度を測定する温度センサーと、
    マイクロ波発振器の出力を、燃焼温度に応じて制御する制御手段と、
    酸素含有ガス導入口に接続され、燃焼温度に応じた流量のガスを供給するガス流量調節手段を備え
    燃焼容器は、酸素含有ガスの拡散手段であるバッフルを、酸素含有ガスの導入口の燃焼容器内部側に備える燃焼装置。
  5. 燃焼容器は、誘電損失係数が5以下の材料からなる請求項4に記載の燃焼装置。
  6. 燃焼容器は、熱膨張率が5.0×10−6−1以下の材料からなる請求項4又は請求項5に記載の燃焼装置。
  7. 燃焼容器は、コージェライト、コージェライト−ムライト、溶融シリカ、石英のいずれかよりなる請求項4〜請求項6のいずれかに記載の燃焼装置。
  8. 燃焼容器は、1以上のフィルターを更に備える請求項4〜請求項7のいずれかに記載の燃焼装置。
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