JP5688038B2 - 擬革 - Google Patents

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Description

本発明は、自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いて得られた擬革に関する。さらに詳しくは、風合い、滑性、耐擦傷性、耐磨耗性、耐薬品性、耐熱性に優れ、しかも、主成分として使用する樹脂が二酸化炭素を構造中に固定したものであるため、地球環境破壊を阻止する観点からも有用な擬革に関する。
従来、袋物、鞄、靴、家具、衣料、車両内装材、電化製品等に擬革が使用されているが、この擬革用樹脂として、ポリウレタン系樹脂が多用されている。ここで「擬革」とは、天然皮革に似せて製造される皮革状製品の総称で、一般的には、人工皮革、合成皮革、塩化ビニルレザーに大別される。
人工皮革は、擬革中で天然皮革に最も近似した構造を持ち、通常、基布には不織布が使用される。人工皮革の一般的な製造方法としては、例えば、下記の方法がある。先ず、不織布に、ポリウレタン系樹脂のジメチルホルムアミド(以下、DMF)溶液を含浸させた後、湿式成膜(水中凝固)により多孔質状に凝固・乾燥する。その後、これを基材として、その表面に、さらにポリウレタン系樹脂をコーティング或いはラミネートすることによって表層を設けてスムース調とする場合と、表面を研削加工して起毛することでスエード調とする場合がある。
一方、合成皮革では、基布に、織布や起毛布等の布地が使用されるが、その製法の違いから、一般的には乾式合成皮革と湿式合成皮革に大別される。また、乾式合成皮革の製造方法には、基布に直接ポリウレタン系樹脂を塗布し乾燥する方法と、離型紙上にポリウレタン系樹脂を塗布後、乾燥・フィルム化し、接着剤で基布と貼り合わせる方法がある。これに対し、湿式合成皮革は、人工皮革の製造の場合に用いるのと同様のポリウレタン系樹脂のDMF溶液を、基布に、含浸又は塗布後、水中凝固・乾燥させて多孔質層を形成させることで得られる。さらに、上記のようにして得られる乾式合成皮革と湿式合成皮革は、いずれの場合も、それぞれの表面に、ポリウレタン系樹脂を塗布するか或いは該樹脂からなるラミネートによる層を設けてスムース調とする場合がある。また、表面を研削して起毛することによってスエード調とする場合もある。
一方、近年、増加の一途をたどる二酸化炭素の排出に起因すると考えられている地球の温暖化現象は、世界的な問題となっており、二酸化炭素の排出量低減は、全世界的に重要な課題となっている。さらに、枯渇性石化資源(石油)問題の観点からも、バイオマス、メタンなどの再生可能資源への転換が世界的潮流となっている(非特許文献1、2)。
上記したような背景下、擬革の分野においても、環境対策に積極的に取り組むメーカーが多くなり、環境保全性に優れた材料を用いて擬革製品を構成する動きがある。例えば、有機溶剤の使用が必要なポリウレタン系樹脂の代わりに、水系媒体に分散又は乳化可能なポリウレタン樹脂を使用することで、VOC(揮発性有機化合物)排出量をできるだけ抑制することの検討や、カーボンニュートラルの観点から、製造材料に、植物由来原料を使用することの検討も盛んに行われている。しかしながら、いずれのものも、従来製品と比べて性能に差があり実用化に問題があると言え、また、現在の地球規模での環境保全を実現するといった面からも、まだ不十分である(特許文献1〜3)。
特開2009−144313号公報 特開2007−270373号公報 特開2005−154580号公報
N.Kihara,T.Endo,J.Org.Chem.,1993,58,6198 N.Kihara,T.Endo,J.Polymer Sci.,PartA Polmer Chem.,1993,31(11),2765
このような状況下、擬革製品に関しても、従来製品と比べても性能に遜色がなく、より一層の表面の耐擦傷性、耐磨耗性、耐薬品性、耐熱性に優れると共に、地球規模での環境保全性を持った環境対応製品の開発が要望されている。
従って、本発明の目的は、特に、従来の擬革と遜色なく、風合いや表面の耐擦傷性、耐磨耗性、耐薬品性、耐熱性に優れると共に、二酸化炭素を樹脂中に取り込んで固定した材料を利用して擬革を製造することで、地球温暖化ガスとして世界的に問題視されている二酸化炭素削減に寄与し得る、地球環境保全の観点からも優れた環境対応製品として有用な擬革を提供することである。
上記目的は以下の発明によって達成される。すなわち、本発明は、5員環環状カーボネート化合物とアミン変性ポリシロキサン化合物との反応から誘導された、その構造中にマスキングされたイソシアネート基を有する自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物を、基布に充填或いは積層せしめたことを特徴とする擬革を提供する。
本発明の好ましい形態としては、下記のものが挙げられる。
前記5員環環状カーボネート化合物が、エポキシ化合物と二酸化炭素との反応物であって、かつ、前記自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の構造中に、二酸化炭素を1〜25質量%の範囲で含んでなる上記の擬革。前記自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の分子中に占めるポリシロキサンセグメントの含有量が、1〜75質量%である擬革。前記マスキングされたイソシアネート基は、有機ポリイソシアネート基とマスキング剤との反応生成物であって、熱処理することによりマスキングされた部分が解離されてイソシアネート基を生成し、自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の構造中の水酸基と反応して自己架橋するものである上記の擬革。前記樹脂組成物が、さらに他の樹脂を含む上記の擬革。
本発明によれば、従来の擬革と遜色なく、風合いや表面の耐擦傷性、耐磨耗性、耐薬品性、耐熱性に優れると共に、二酸化炭素を樹脂中に取り込んで固定した材料を擬革の形成材料に利用して製造することで、地球温暖化ガスとして世界的に問題視されている二酸化炭素削減に寄与し得る、地球環境保全の観点からも優れた環境対応製品である有用な擬革を提供される。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の擬革は、基布に充填ないしは積層せしめる樹脂組成物に、5員環環状カーボネート化合物と、アミン変性ポリシロキサン化合物との反応から誘導された、その構造中にマスキングされたイソシアネート基を有する特有の自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いたことを特徴とする。本発明を特徴づける樹脂は、その構造中のマスキングされたイソシアネート基が、有機ポリイソシアネート基とマスキング剤との反応生成物であるため、熱処理することによりマスキングされた部分が解離されてイソシアネート基を生成し、自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の構造中の水酸基と反応して自己架橋する。このため、該樹脂を用いることで、風合いや、表面の耐擦傷性、耐磨耗性、耐薬品性、耐熱性に優れる擬革を得ることができる。また、本発明を特徴づける上記樹脂の中で、地球環境保全の観点から特に好適なものは、5員環環状カーボネート化合物が、エポキシ化合物と二酸化炭素との反応物であり、かつ、樹脂の構造中に二酸化炭素を1〜25質量%の範囲で含むものである。
〔自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂〕
本発明で使用する自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂は、例えば、少なくとも一個の遊離のイソシアネート基と、マスキングされたイソシアネート基とを有する変性剤を用い、該変性剤の遊離のイソシアネート基を、5員環環状カーボネート化合物とアミン変性ポリシロキサン化合物との反応から誘導されたポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂中の水酸基と反応させることで、容易に得られる。この際に使用する変性剤としては、有機ポリイソシアネート化合物とマスキング剤との反応生成物を用いればよい。以下に、各成分について説明する。
(変性剤)
<有機ポリイソシアネート化合物>
本発明で使用する自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の製造の際に使用する変性剤の構成成分について説明する。該変性剤としては、上記したように、有機ポリイソシアネート化合物とマスキング剤との反応生成物が用いられる。上記有機ポリイソシアネート化合物は、脂肪族或いは芳香族化合物中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する有機化合物であって、従来からポリウレタン樹脂の合成原料として広く使用されている。これらの公知の有機ポリイソシアネート化合物はいずれも本発明において有用である。特に好ましい有機ポリイソシアネート化合物を挙げれば以下の通りである。
1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、更に、これらの有機ポリイソシアネート化合物と他の化合物との付加体、例えば下記構造式のものが挙げられるがこれらに限定されない。
Figure 0005688038
<マスキング剤>
本発明で使用する変性剤は、上記した有機ポリイソシアネート化合物とマスキング剤との反応生成物であるが、マスキング剤としては、下記のものが使用できる。アルコール系、フェノール系、活性メチレン系、酸アミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、ピリジン系化合物などであり、これらを単独或いは混合して使用してもよい。具体的なマスキング剤としては下記の通りである。
アルコール系として、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、メチルセロソルブ、シクロヘキサノール等、フェノール系として、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ノニルフェノールなどが挙げられる。活性メチレン系として、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどが挙げられる。酸アミド系として、アセトアニリド、酢酸アミド、カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどが挙げられる。イミダゾール系として、イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。尿素系として、尿素、チオ尿素、エチレン尿素などが挙げられる。オキシム系として、ホルムアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどが挙げられる。ピリジン系として、2−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリンなどが挙げられる。
<変性剤の合成方法>
先に列挙した有機ポリイソシアネート化合物と、上記に列挙したマスキング剤とを反応させることで、本発明で用いる、少なくとも一個の遊離イソシアネート基と、マスキングされたイソシアネート基とを有する変性剤を合成することができる。合成方法は特に限定されないが、例えば、上記の如きマスキング剤と有機ポリイソシアネート化合物とを、1分子中でイソシアネート基が1個以上過剰になる官能基比で、有機溶媒および触媒の存在下または不存在下で、0〜150℃、好ましくは20〜80℃の温度で30分〜3時間反応させることによって容易に得ることができる。
(ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂)
本発明の上記したような特定の変性剤によって変性されるポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂は、5員環環状カーボネート化合物とアミン変性ポリシロキサン化合物との反応により得られる。以下に、この際に用いる各成分について説明する。
(5員環環状カーボネート化合物)
本発明で使用する5員環環状カーボネート化合物は、下記[式−A]で示されるように、エポキシ化合物と二酸化炭素とを反応させて製造することができる。更に詳しくは、エポキシ化合物を、有機溶媒の存在下又は不存在下、および触媒の存在下、40℃〜150℃の温度で常圧又は僅かに高められた圧力下、10〜20時間、二酸化炭素と反応させることによって得られる。
Figure 0005688038
本発明で使用するエポキシ化合物としては、例えば、次の如き化合物が挙げられる。
Figure 0005688038
Figure 0005688038
以上列記したエポキシ化合物は、本発明において使用する好ましい化合物であって、本発明はこれらの例示の化合物に限定されるものではない。従って、上述の例示の化合物のみならず、その他、現在市販されており、市場から容易に入手し得る化合物は、いずれも本発明において使用することができる。
上記のようなエポキシ化合物と、二酸化炭素の反応において使用できる触媒としては、塩基触媒およびルイス酸触媒が挙げられる。
塩基触媒としては、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどの第三級アミン類、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、ピリジンなどの環状アミン類、リチウムクロライド、リチウムブロマイド、フッ化リチウム、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属塩類、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩類、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの四級アンモニウム塩類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩類、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸銅、酢酸鉄などの金属酢酸塩類、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物、テトラブチルホスホニウムクロリドなどのホスホニウム塩類が挙げられる。
ルイス酸触媒としては、テトラブチル錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫オクトエートなどの錫化合物が挙げられる。
上記触媒の量は、エポキシ化合物50質量部当たり、0.1〜100質量部程度、好ましくは0.3〜20質量部とすればよい。上記使用量が0.1質量部未満では、触媒としての効果が小さく、100質量部を超えると最終樹脂の諸性能を低下させる場合があるので好ましくない。しかし、残留触媒が重大な性能低下を引き起こすような場合は、純水で洗浄して除去する構成としてもよい。
エポキシ化合物と二酸化炭素の反応において使用できる有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。また、これら有機溶剤と他の貧溶剤、例えば、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロヘキサノンなどの混合系で使用してもよい。
本発明で使用するポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂は、下記[式−B]で示されるように、例えば、上記反応で得た5員環環状カーボネート化合物と、アミン変性ポリシロキサン化合物とを、有機溶媒の存在下、20℃〜150℃の温度下で反応させることで得ることができる。
Figure 0005688038
本発明で使用するアミン変性ポリシロキサン化合物としては、例えば、次の如き化合物が挙げられる。
Figure 0005688038
以上列記したアミン変性ポリシロキサン化合物は、本発明において使用する好ましい化合物であって、本発明はこれらの例示の化合物に限定されるものではない。従って、上述の例示の化合物のみならず、その他、現在市販されており、市場から容易に入手し得る化合物は、いずれも本発明において使用することができる。
上記のようにして得ることができるポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂は、該樹脂分子中におけるポリシロキサンセグメントの含有量が、樹脂分子中に占めるシロキサンの含有量で、1〜75質量%となる量であることが好ましい。1質量%未満ではポリシロキサンセグメントに基づく表面エネルギーに伴う機能の発現が不十分となるため好ましくない。また、75質量%を超えるとポリヒドロキシポリウレタン樹脂の機械強度、耐磨耗性などの性能が不十分となるので好ましくはない。好ましくは2〜70質量%であり、より好ましくは5〜60質量%である。
また、本発明のポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂は、その数平均分子量(GPCで測定した、標準ポリスチレン換算値。以下同様)が、2,000〜100,000程度であることが好ましく、より好ましくは5,000〜70,000程度である。
本発明で使用するポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の水酸基価20〜300mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が上記範囲未満であると、二酸化炭素削減効果が十分に得られ難く、一方、上記範囲を超えると、高分子化合物としての諸物性が十分に得られないおそれがあるので好ましくない。
(自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂)
本発明で使用する自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂は、それぞれ上述のようにして得られた、変性剤と、ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂とを反応させることによって得られる。詳しくは、上記ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂中の水酸基と、該変性剤中の少なくとも一個の遊離したイソシアネート基とが反応することによって得られる。
本発明で使用する自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の変性剤による変性率は、2〜60%の変性率であることが好ましい。変性率が2%未満であると、十分な架橋が起こらず、擬革の製造に用いた場合に、製品の耐熱性、耐薬品性などが不足するおそれがあるので好ましくない。一方で、変性率が60%を超えると、解離したイソシアネート基が反応せずに残存する可能性が増すので好ましくない。尚、変性率は下記のようにして算出する。
変性率(%)={1−(変性後の樹脂の水酸基÷変性前の樹脂の水酸基)}×100
変性剤とポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂との反応は、有機溶媒および触媒の存在下または不存在下で、例えば、0〜150℃、好ましくは20〜80℃の温度で30分〜3時間反応させれば、本発明で使用する自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を容易に得ることができる。但し、反応時にはマスキング剤の解離温度より低い温度で反応させる点に注意し、反応後の樹脂が、その構造中にマスキングされたイソシアネート基を有するものとなるようにする必要がある。
先に述べたように、本発明で使用する、自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物は、擬革の製造に際し、有機溶剤溶液又は水分散体の形態で使用することが好ましい。該樹脂組成物を有機溶剤溶液の形態で使用する場合、以下の有機溶剤を使用することが好ましい。例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどが挙げられる。また、該有機溶剤溶液100質量%中における樹脂濃度は10〜60質量%であることが好ましい。樹脂濃度が10質量%未満では、湿式成膜での成膜性に劣るとともに、皮膜の厚みが不足し、そのため、得られる擬革の強度不足を生じるおそれがあるので好ましくない。一方、樹脂濃度が60質量%を超えると、湿式成膜での多孔質層の形成が不完全であるとともに、膜中への有機溶剤が残留するなどの問題が生じるおそれがあるので好ましくない。また、VOC対策の観点からも、過剰な有機溶剤の使用は好ましいことではない。
本発明で、上記した自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物を水分散体の形態で用いる場合には、以下のような構成とすることが好ましい。先ず、自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂中の水酸基又はNH基を酸無水物で半エステル化又は半アミド化することにより、樹脂中にカルボキシル基を導入する。その後、該カルボキシル基を、アンモニア、有機アミン化合物、無機塩基などで中和し、カルボン酸塩を形成して自己乳化型の水分散体として使用することが好ましい。ここで使用する酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。また、有機アミン化合物としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミンなどが挙げられる。また自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物は、常法に従って界面活性剤により水中に乳化させた水分散体であってもよい。
(その他の成分)
また、本発明で用いる自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物は、基布に対して行う含浸や塗布や被覆などの作業適正や、得られる擬革の風合いや諸性能の調整のために、従来公知の各種他の樹脂を混合して使用することができる。混合使用する他の樹脂は、自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂中のマスキング剤が解離して生成するイソシアネート基と化学的に反応し得るものが好ましいが、反応性を有していないものでも本発明では使用することができる。
併用する樹脂としては、擬革に従来から用いられているポリウレタン系樹脂が好ましいが、特に限定されない。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、アルキッド樹脂、変性セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂などを使用することができる。また、これらの樹脂を併用する場合における使用量は、本発明で必須とする自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂に対して5〜90質量%である。本発明の自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の使用割合が多いほど、得られる擬革は、より好ましい環境対応製品となる。
また、本発明で用いる自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする組成物には、上記各種樹脂以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、顔料、染料、難燃剤、充填材などの各種添加剤を必要に応じて配合してもよい。
〔擬革〕
本発明の擬革は、基布に充填或いは積層させる樹脂組成物に、上記で説明したその構造中にマスキングされたイソシアネート基を有する自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とするものを用いたことを特徴とする。したがって、擬革の製造方法については、何ら限定されるものではなく、公知の人工皮革、合成皮革の製法をいずれも利用できる。また、本発明の擬革には、基布の上に可塑剤入りの塩化ビニル樹脂層を設け、これを基材シートとし、該基材シートの上に本発明を特徴づける自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層を形成したものも含まれる。
本発明の擬革を構成する基布としては、上記した基材シートを含め、擬革製造に従来から使用されている基布がいずれも使用でき、特に制限されない。
上記の構成の本発明の擬革は、樹脂に上記で説明した特有のポリウレタン樹脂を用いた結果、風合いに優れ、表面の耐擦傷性、耐磨耗性、耐薬品性、耐熱性に優れるものとなる。また、これに加えて、本発明を特徴づける自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂は、5員環環状カーボネート化合物を用いて合成されるが、前記したように、該5員環環状カーボネート化合物は、エポキシ化合物と二酸化炭素を反応させて得られるものであるため、樹脂中に二酸化炭素を取り入れ、固定化することができるものである。このことは、本発明によって、温暖化ガス削減の観点からも有用な、従来品では到達できなかった環境保全対応製品としての擬革が提供可能になることを意味している。
次に、具体的な製造例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の各例における「部」および「%」は特に断りのない限り質量基準である。
<製造例1>(変性剤の製造)
トリメチロールプロパンと、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体付加物[コロネートHL(商品名)、日本ポリウレタン社製、NCO=12.9%、固形分75%]100部、酢酸エチル24.5部を、100℃でよく撹拌しながら、ε−カプロラクタム25.5部を添加し、5時間反応させた。得られた変性剤の赤外吸収スペクトル(堀場製作所製FT−720にて測定。以下同じ。)によれば、2,270cm-1に遊離イソシアネート基による吸収は残っていた。この遊離イソシアネート基を定量すると、固形分50%で理論値が2.1%であるのに対し、実測値は1.8%であった。したがって、上記の変性剤の主たる構造は、下記式と推定される。
Figure 0005688038
<製造例2>(変性剤の製造)
ヘキサメチレンジイソシアネートと水の付加体[ジュラネート24A−100(商品名)、旭化成社製、NCO=23.0%]100部、酢酸エチルを80℃でよく撹拌しながら、メチルエチルケトオキシム32部を添加し、5時間反応させた。得られた変性剤の赤外吸収スペクトルによれば、2,270cm-1に遊離イソシアネート基による吸収は残っており、また、この遊離イソシアネート基を定量すると、固形分50%で理論値が2.9%であるのに対し、実測値は2.6%であった。よって、上記の変性剤の主たる構造は、下記式と推定される。
Figure 0005688038
<製造例3>(5員環環状カーボネート化合物の製造)
撹拌機、温度計、ガス導入管および還流冷却器を備えた反応容器中に、下記式Aで表される2価エポキシ化合物[エピコート828(商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製;エポキシ当量187g/mol]100部、N−メチルピロリドン100部、ヨウ化ナトリウム1.5部を加え均一に溶解させた。
Figure 0005688038
その後、炭酸ガスを0.5リッター/分の速度でバブリングしながら80℃で30時間加熱撹拌させた。反応終了後、得られた溶液を、300部のn−ヘキサン中に300rpmで高速撹拌しながら徐々に添加し、生成した粉末状生成物をフィルターでろ過、更にメタノールで洗浄し、N−メチルピロリドンおよびヨウ化ナトリウムを除去した。得られた粉末を乾燥機中で乾燥し、白色粉末の5員環環状カーボネート化合物(1−A)118部(収率95%)を得た。
上記で得られた生成物の赤外吸収スペクトルは、910cm-1付近のエポキシ基由来のピークが生成物ではほぼ消滅し、1,800cm-1付近に原料には存在しない環状カーボネート基のカルボニル基の吸収が確認された。また、生成物の数平均分子量は414(ポリスチレン換算値、東ソー社製のGPC−8220で測定)であった。得られた5員環環状カーボネート化合物(1−A)中には、19%の二酸化炭素が固定化されていた。
<製造例4>(5員環環状カーボネート化合物の製造)
製造例3で用いた2価エポキシ化合物Aの代わりに、下記式B(東都化成(株)製、YDF−170;エポキシ当量172g/mol)を使い、製造例3と同様に反応させ、白色粉末の5員環環状カーボネート化合物(1−B)121部(収率96%)を得た。得られた生成物は、製造例3の場合と同様に、赤外吸収スペクトル、GPC、NMRで確認した。得られた5員環環状カーボネート化合物(1−B)中には、20.3%の二酸化炭素が固定化されていた。
Figure 0005688038
<重合例1>(自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の製造)
撹拌機、温度計、ガス導入管および還流冷却器を備えた反応容器を窒素置換し、これに製造例3で得られた5員環環状カーボネート化合物100部を、固形分が35%になるようにN−メチルピロリドンを加え均一に溶解した。次に、下記式Cで示す構造のアミン変性ポリシロキサン化合物を201部加えて、所定当量となるようにし、90℃の温度で10時間撹拌し、アミン変性ポリシロキサン化合物が確認できなくなるまで反応させ、ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を合成した。次に、製造例1の変性剤(固形分50%)を、上記で合成した樹脂との固形分比が100:10になる量で添加し、90℃で3時間反応させた。赤外吸収スペクトルによるイソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、本発明の自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂溶液を得た。
Figure 0005688038
<重合例2〜4>(自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の製造)
以下、重合例1と同様に、5員環環状カーボネート化合物、アミン変性ポリシロキサン化合物、製造例1又は2で得た変性剤を組み合わせて、重合例1と同様の方法で反応させて、表1に記載の重合例2〜4の自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂溶液をそれぞれ得た。
<比較重合例1>(ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の製造)
下記のようにして、比較例で用いるポリヒドロキシポリウレタン樹脂を合成した。撹拌機、温度計、ガス導入管および還流冷却器を備えた反応容器を窒素置換し、これに製造例4で得た5員環環状カーボネート化合物100部に、固形分が35%になるようにN−メチルピロリドンを加え均一に溶解した。次に、アミン変性ポリシロキサン化合物を所定当量加え、90℃の温度で10時間撹拌し、アミン変性ポリシロキサン化合物が確認できなくなるまで反応させた。得られたポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の性状は表1に記載の通りである。
Figure 0005688038
<比較重合例2>(ポリエステルポリウレタン樹脂の製造)
下記のようにして、比較例で用いるポリエステルポリウレタン樹脂を合成した。撹拌機、温度計、ガス導入管および還流冷却器を備えた反応容器を窒素置換し、平均分子量約2,000のポリブチレンアジペート150部と、1,4−ブタンジオール15部とを、200部のメチルエチルケトンと50部のジメチルホルムアミドからなる混合有機溶剤中に溶解した。その後、60℃でよく撹拌しながら、62部の水添加MDI[4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)]を171部のジメチルホルムアミドに溶解したものを徐々に滴下し、滴下終了後、80℃で6時間反応させた。
この溶液は固形分35%で3.2MPa・s(25℃)の粘度を有していた。また、この溶液から得られたフィルムは破断強度45MPaで、破断伸度480%を有し、熱軟化温度は110℃であった。
<比較重合例3>(ポリシロキサン変性ポリウレタン樹脂の製造)
下記のようにして、比較例で用いるポリシロキサン変性ポリウレタン樹脂を合成した。下記式Dで表され、且つ平均分子量が約3,200であるポリジメチルシロキサンジオール150部および1,4−ブタンジオール10部に、250部のジメチルホルムアミド溶媒を加え、これに、40部の水添加MDIを120部のジメチルホルムアミドに溶解したものを徐々に滴下し、滴下終了後、80℃で6時間反応させた。この溶液は、固形分35%で1.6MPa・s(25℃)の粘度を有し、この溶液から得られたフィルムは、破断強度21MPaで破断伸度250%を有し、熱軟化温度は135℃であった。
Figure 0005688038
<実施例1〜8、比較例1〜6>
[擬革の製造]
重合例1〜4、比較重合例1〜3の各樹脂溶液をそれぞれ使用し、表2、3に記載の配合にて擬革用塗料を作製した。得られた各塗料を用いて人工皮革と合成皮革をそれぞれ下記のようにして作製し、得られた各擬革について下記の方法で評価した。
(人工皮革)
重合例および比較重合例の各樹脂をそれぞれに含有する擬革用塗料を用い、厚さ1mmとなるように、ポリスチレン−ポリエステル繊維からなる不織布上に塗布し、25℃のDMF10%の水溶液中に浸漬し、凝固させた。洗浄後、150℃/10分の条件で加熱乾燥し、多孔層シートを有する人工皮革を得た。
(合成皮革)
織布上に接着剤層としてポリウレタン系樹脂溶液[レザミンUD−602S(商品名)、大日精化工業(株)製]を、乾燥時の厚さが10μmとなるように塗布および乾燥して、擬革用基布シートを作成した。一方、重合例1〜4および比較重合例1〜3で得た樹脂溶液を含む擬革用塗料を、それぞれ離型紙上に塗布した後、150℃/10分で加熱乾燥させ、約15μmの厚さのフィルムを形成した。得られたフィルムを上記の擬革用基布シートに貼り合せて、合成皮革をそれぞれに得た。
[評価]
上記で得た各人工皮革および合成皮革の各擬革を用いて、下記の方法および基準で評価した。結果を表2、3にまとめて示した。
(風合い)
各擬革について、手の感触により判定し、下記の基準で評価した。
○;軟らかい
△;やや硬い
×;硬い
(摩擦係数)
上記で得た各人工皮革表面の摩擦係数を、表面性試験機(新東科学製)で測定し、その測定値で評価した。
(耐薬品性)
上記で得た各合成皮革表面に、トルエンをそれぞれ滴下し、常に濡れている状態を保つため溶剤を追加滴下し、1時間後に拭き取った。拭き取った滴下部分を目視で観察して、下記の基準で評価した。
○;塗布面に滴下痕が全く見られない
△;僅かに滴下痕が認められるが目立たない
×;滴下痕が明らかに認められる
(耐表面磨耗性)
上記で得た各合成皮革について、平面磨耗試験機を用い、6号帆布を荷重1Kgfで、擦り傷が発生するまでの回数を測定した。
○;5,000回以上
△;2,000回以上5,000回未満
×;2,000回未満
(熱軟化点)
上記で得た各合成皮革について、JIS K7206(ビカット軟化点測定法)準じて、熱軟化点をそれぞれ測定した。
(環境対応性)
各擬革について、使用した樹脂中における二酸化炭素の固定化の有無によって、○×で判断した。
Figure 0005688038
Figure 0005688038
本発明の擬革は、その形成材料に自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いたことを特徴としているが、その構造中にある熱によって解離するマスキングされたイソシアネート基と、当該樹脂内のポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の水酸基とが反応して架橋樹脂になるため、耐擦傷性、耐磨耗性、耐薬品性、耐熱性に優れると共に、ポリシロキサンセグメントの効果よる、柔軟性、滑性を併せ持つ優れた性能のものとなる。
また、本発明で使用する樹脂組成物の主成分であるポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂は、二酸化炭素を樹脂中に取り入れて固定化した、地球温暖化、資源枯渇などの問題解決に資する有用な材料であるため、これを用いて得られる擬革も、従来品では到達できなかった環境保全対応の製品の提供を可能とするものとなる。

Claims (5)

  1. 自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂組成物を基布に充填或いは積層せしめた擬革であって、
    前記自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂は、5員環環状カーボネート化合物とアミン変性ポリシロキサン化合物との反応によりウレタン結合を形成して誘導されたポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂とマスキングされたイソシアネート基を有する変性剤とを反応させてなる、その構造中にマスキングされたイソシアネート基を有するポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂であることを特徴とする擬革。
  2. 前記5員環環状カーボネート化合物が、エポキシ化合物と二酸化炭素との反応物であ、前記自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の構造中に、二酸化炭素が取り入れられて固定化されている請求項1に記載の擬革。
  3. 前記自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の分子中に占めるポリシロキサンセグメントの含有量が、1〜75質量%である請求項1又は2に記載の擬革。
  4. 前記マスキングされたイソシアネート基は、有機ポリイソシアネート基とマスキング剤との反応生成物であって、熱処理することによりマスキングされた部分が解離されてイソシアネート基を生成し、自己架橋型ポリシロキサン変性ポリヒドロキシポリウレタン樹脂の構造中の水酸基と反応して自己架橋するものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の擬革。
  5. 前記樹脂組成物が、さらに他の樹脂を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の擬革。
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