JP5687682B2 - カルシウム吸収促進組成物 - Google Patents

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Description

本発明は食品、飼料、医薬品及びその素材として使用し、カルシウムの生体への吸収性を促進する組成物に関するものである。
カルシウムは骨組織に主に存在するが、その摂取量が不足すると、骨粗鬆症などの骨疾患、歯周病、高血圧、大腸ガン、虚血性心疾患、内分泌疾患などに関連することが知られている。その中でも、高齢化社会の進展に伴い、老齢に伴って骨密度が減少し、骨折しやすくなる骨粗鬆症が非常に問題となっている。骨粗鬆症は、骨塩量の減少から腰椎や大腿骨の骨折を引き起こし、寝たきりになる原因となり、特に、女性は閉経によるエストロゲン分泌の低減から骨塩量が急激に減少し、骨粗鬆症になりやすいことが明らかとなっている。骨粗鬆症の治療としては、一度減少した骨塩量を復活させることは容易ではなく、若年齢からの予防や、閉経後の急激な骨塩量の低下を予防することが非常に重要であると考えられている。
骨粗鬆症の予防のためには、若年期からの骨量を増加させることが大切で、そのためには、適度な運動や日常の摂取する食品に注意する必要があり、とりわけ骨量を増加させるためにはカルシウムをより多く摂取することが重要となる。ところが、日本人の食生活では充分なカルシウム量を摂取することは難しく、またカルシウムの吸収率は低いので、必要量のカルシウムを摂取しようと思えば、多量のカルシウムを補助的に、サプリメントなどとして摂取する必要がある。それゆえ、カルシウムの吸収率をあげることが可能になれば、摂取したカルシウムを体内で有効利用することが容易になり、少量の摂取で必要量を補うことができることとなる。
そこで、カルシウムの吸収を促進しうる素材の組み合わせが検討されている。例えば、カルシウムと(1)ビタミンD(例えば、非特許文献1参照)、(2)キチン、キトサン、コンドロイチン硫酸などの多糖類(例えば、特許文献1参照)、(3)クエン酸、リンゴ酸などの有機酸(例えば、特許文献2参照)、(4)乳糖、フラクトオリゴ糖などの糖類(例えば、特許文献3参照)、(5)カゼインホスホペプチドなどの乳関連素材(例えば、非特許文献2参照)、(6)大豆タンパク質(例えば、特許文献4参照)などが今までに検討されている。
「サプリメントガイドブック」、CMPジャパン、2003年10月発行、p82、 日本栄養食糧学会誌、39、433(1986)
特許第3131385号公報 特開昭56−97248号公報 特開平7−252156号公報 特開2001−163800号公報
しかしながら、これらの多くの素材では、大腸内のpHを酸性側に低下させることで、大腸部位におけるカルシウムの吸収を促進させることを目的としたものがほとんどであり、それ以外でもカルシウムの沈殿をできるだけ防止することにより、吸収を促進するものであり、積極的に吸収を促進させる素材ではない。カルシウムの主要な吸収部位が小腸上部であることから、今までに提案されている素材では、まだカルシウムの摂取量を低減させるには充分な組み合わせとは言えないのが現状である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、現在までに提案されているカルシウム吸収促進素材よりも、小腸からの摂取量を増強させることができる組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、このような課題を解決するため鋭意検討の結果、カルシウムとカロテノイドを有効成分として含有する組成物を摂取することで、カルシウムの吸収を促進させることができ、さらには骨粗鬆症・歯周病をはじめとした骨疾患に対する改善効果が高く、非常に安全なカルシウム吸収促進組成物を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、第1には、カルシウムとカロテノイドを含有するカルシウム吸収促進組成物を要旨とするものであり、好ましくはカロテノイドが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体であり、またカロテノイドが、かんきつ類の果実及び/又はその加工物に由来するものであり、更に好ましくはカルシウムが植物及び/又はその加工物に由来するものであり、第2には、前記のカルシウム吸収促進組成物を含有する飲食品、医薬品又は飼料を要旨とするものであり、骨疾患の予防・治療に使用されるものである飲食品、医薬品、飼料を要旨とするものである。
本発明によれば、少量のカルシウム摂取で体内に多くのカルシウムを吸収することができ、そのカルシウム吸収促進作用により骨疾患への予防、治療作用も大きくなるという効果を奏する。また、少量の摂取で良くなるため、飲食品へ配合する場合に、配合設計が容易となる。
卵巣摘出手術を施したラットを4週間通常飼育した後、実施例1及び2並びに比較例1及び2の組成物を4週間強制投与したもの及びSham群、OVX群における大腿骨の骨重量を示す図である。 卵巣摘出手術を施したラットを4週間通常飼育した後、実施例1及び2並びに比較例1及び2の組成物を4週間強制投与したもの及びSham群、OVX群における大腿骨の骨密度を示す図である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明におけるカロテノイドとは、特に限定されるものではなく、例えば、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、クリプトキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコペン、ツナキサンチン、フコキサンチンなど、およびこれらの誘導体が挙げられる。カロテノイドの誘導体とは、脂肪酸エステルを代表例としてカロテノイド骨格を持ち構造的に許容される誘導体を含む。脂肪酸エステルとしては、キサントフィルのパルミトイルエステル、ミリストイルエステル、ラウリルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、クリプトキサンチン及びその誘導体がカルシウムの吸収促進効果が高く、クリプトキサンチン自体に骨粗鬆症や歯周病、リウマチなどの予防・治療効果が確認されているため、その相乗作用で骨疾患に対する効果が高く好ましい組成物である。
本発明におけるかんきつ類の果実とは、温州みかん、伊予柑、夏みかん、八朔、ポンカン、ネーブルオレンジ、レモン、バレンシアオレンジ、グレープフルーツ(これらと同等又は類似の品種のものも含む)などの果実である。
本発明におけるかんきつ類の果実の加工物とは、果実を加工したものであればその形態は問わないが、果実を酵素処理したものや溶剤により抽出し、カロテノイドの含有量を強化したもの(濃度を高めたもの)であることが好ましい。その製造方法は以下の通りである。
果実又はその搾汁残さ(インライン搾汁機、チョッパーヘルパー搾汁機、ブラウン搾汁機などにより搾汁した後、パドル型又はスクリュー型のフィニッシャーなどでろ過又は篩別、又は遠心分離により果汁を調製した搾汁残渣を集めもの)を酵素処理する際に使用する酵素は、果実に含まれる有機物、特に細胞壁などを構成する生体高分子などを分解することができるものであれば特に限定されず、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、リパーゼ、マセレーションエンザイム(細胞壁崩壊酵素)などが用いられる。これらの中でも糖質加水分解酵素であるセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼ、マレーションエンザイムが有効成分であるカロテノイド及びフラボノイドを強化する効率が高いために好ましい酵素である。
添加する酵素剤は、これらの精製酵素を用いてもよいし、これらの活性を示す微生物菌体や培養物、これらの粗精製物を用いてもよい。また、市販酵素も用いることができ、例えば、ペクチナーゼには、スミチームPX(新日本化学工業株式会社製)、スミチームSPC(新日本化学工業株式会社製)、ペクチネックスSRL(ノボザイムズジャパン株式会社製)、スミチームPMAC(新日本化学工業株式会社製)などを用いることができ、ヘミセルラーゼには、セルロシンGM5(エイチビィアイ株式会社製)、セルロシンHC(エイチビィアイ株式会社製)などを用いることができ、セルラーゼには、セルラーゼY-NC(ヤクルト薬品工業株式会社製)、エンチロンMCH(洛東化成工業株式会社)、セルラーゼR10(ヤクルト薬品工業株式会社製)、スミチームCAP(新日本化学工業株式会社製)、セルラーゼTP−3(協和化成株式会社)などを用いることができ、プロテアーゼには、プロテアーゼM(天野エンザイム株式会社製)、オリエンターゼ20A(エイチビィアイ株式会社製)などを用いることができる。これらの酵素は単独で用いてもよいし、2種類以上の酵素を混合して用いてもよい。
添加する酵素の量は、特に限定されず酵素の反応性に応じて添加すればよい。例えば、ペクチナーゼを用いた場合であれば、搾汁残渣100gに対して1〜100,000ユニットであることが好ましく、更に10〜10,000ユニットであることが好ましい。
上記酵素を添加したのち、攪拌などにより酵素と被抽出物を均一に混合して酵素反応を進行させる。このときの反応温度としては、酵素が失活せず、かつ腐敗の起こりにくい条件、またカロテノイド又はフラボノイド及びその誘導体が喪失しない条件下で行うことが望ましい。具体的には、温度は0℃〜90℃、好ましくは0℃〜80℃、さらに好ましくは0℃〜70℃がよい。反応のpHとしては酵素の至適条件下で行うのが望ましいのは言うまでもなく、pH2〜12、好ましくはpH2.5〜8とするのがよい。反応時間は使用する搾汁残渣と酵素の量に依存するが、通常1〜48時間に設定するのが作業上好ましい。反応の際、この反応物を攪拌しながら反応を行ってもよいし、静置反応でもよい。
酵素処理終了後、酵素処理された反応物そのままを用いてもよいし、なんらかの加工を行ったものを用いてもよい。具体的には、反応物を固液分離した残渣、固液分離した残渣を乾燥させたもの、固液分離せず反応物そのままを乾燥させたものなどを用いてもよい。
また、果実やその搾汁残さ及び酵素処理後の果実などを溶剤(超臨界二酸化炭素を含む)などを用いて成分を濃縮したものでも良い。溶剤を用いて抽出する場合には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、エーテル類、ピリジン類、ポリエーテル類、超臨界二酸化炭素などを用いて抽出すれば良い。これらの中でも、安全性の観点から、アセトン、エタノール、ヘキサン、超臨界二酸化炭素を用いるのが特に好ましい。
更に、引き続いて不純物類を取り除いても良い。不純物の除去方法としては、例えば水洗浄、有機溶媒洗浄、シリカゲルカラムや樹脂カラム、逆相カラムなどを通す方法、活性炭処理、極性の異なる溶媒による分配、再結晶法、真空蒸留法などが挙げられる。特に、溶剤抽出物及び酵素処理反応物を固液分離し、更に水を添加した後、再度固液分離することにより、酵素処理で生成した糖などの反応生成物や溶剤抽出による水溶性物質を容易に除去することができる水洗浄が好ましい方法である。
本発明におけるカルシウムとしては、特に限定されるものではないが、クエン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム、魚や動物の骨、卵殻、貝殻、サンゴなどを粉砕した粉末、コンブ、ヒジキ、ワカメ、紅藻などの海藻や大豆などの豆類、ごま、モロヘイヤなどの植物由来のものを加工したカルシウムなどが挙げられるが、吸収性が高く生体利用率に優れる植物由来のカルシウムを用いることが好ましい。
本発明のカルシウム吸収促進組成物における、カルシウムとカロテノイドの含有量としては、カルシウムに対してカロテノイドは0.00001質量%〜5質量%、好ましくは0.0001質量%〜2質量%、更に好ましくは0.001質量%〜1質量%含有されていればよい。
本発明のカルシウム吸収促進組成物においては、カロテノイド以外のカルシウム吸収を促進する効果のある物質を含有させても良い。その場合の配合量は、カルシウム及びカロテノイド以外の物質量として、0.01質量%〜95質量%で配合することが好ましい。カロテノイド以外のカルシウムの吸収を促進する効果のある物質としては、今まで公知の物質を用いることができるが、例えば、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラクトスクロースなどの各種オリゴ糖類、ビタミンDなどのビタミン類、アミノ酸、タンパク質、カゼインホスホペプチドなどのペプチド類、コンドロイチン硫酸などの多糖類、植物、貝などのエキス、クエン酸、リンゴ産などの有機酸などを単独又はそれらを組み合わせて配合させることが好ましい。
本発明のカルシウム吸収促進組成物を経口摂取する方法は、本発明のカルシウム吸収促進組成物単独でそのまま摂取しても良いし、固形、ゲル状、液状いかなる形態であっても良い。また、粉末、錠剤、顆粒、カプセル剤、ゲル、ソフトカプセル剤、ペースト、シロップ、懸濁液、乳化液、ドリンク剤などに加工して摂取しても良い。また、他の栄養素、例えば、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類を含んでいても良い。
本発明の別の発明は、上記した本発明のカルシウム吸収促進組成物を含有する飲食品、飼料および医薬品である。医薬品としては、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、シロップ剤、内服液剤、トローチ剤などの任意の形態で摂取することができ、その形態に応じて、増量剤、希釈剤、溶剤、充填剤などの賦形剤、溶解補助剤、可溶化剤、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、徐放化剤、抗酸化剤、保存剤、光沢剤、甘味料、着色料、着香剤などを含んでいても良い。
また、本発明の飲食品とは、一般食品に加えて、特定保健用食品、健康食品、機能性食品などすべての食品および/又は飲料が含まれる。該食品および/又は飲料は特に限定されるものではなく、例えば、上記医薬品的な形態のものに加えて、パン、うどん、そば、ご飯等主食となるもの、チーズ、ウインナー、ソーセージ、ハム、魚介加工品等の食品類、アイスクリーム、クッキー、ケーキ、ゼリー、プリン、キャンディー、チューインガム、ヨーグルト、グミ、チョコレート、ビスケットなどの菓子類、清涼飲料水、調味料類、酒類、栄養ドリンク、コーヒー、茶、牛乳、果汁飲料、清涼飲料などの飲料が挙げられる。
飼料としては、本発明のカルシウム吸収促進組成物に、例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦などの穀類、ふすま、米ぬかなどのぬか類、コーングルテンミール、コーンジャムミールなどの粕類、脱脂粉乳、ホエー、魚粉、骨粉などの動物性飼料類、ビール酵母などの酵母類、ビタミン類、油脂類、アミノ酸類、糖類などを配合することにより製造することができる。飼料の形態としては、ペットフード、家畜飼料、養殖魚用飼料などに用いることができる。
以下に本発明の実施例を記す。本発明はこの実施例にその範囲を限定するものではない。
なお、β−クリプトキサンチン量及びβ−カロテン量の測定は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた。すなわち、HPLC装置として、島津製作所製LC−10Aを用い、ウォーターズ社製ResolveC18(φ3.9×150mm)カラムを接続し、メタノールを等量加えた試料を導入し、移動相として、メタノール:酢酸エチル=7:3、カラム温度30℃、流速1.0ml/min、検出波長450nmで行った。
参考例1
温州みかんから果汁を絞った後の残渣(温州みかんジュース粕、水分率約90%)8kgに、食品加工用ペクチナーゼ酵素剤スミチームPX(新日本化学工業株式会社製、ユニット数:ペクチナーゼ5,000u/g、アラバナーゼ90u/g)10gとセルラーゼ、ヘミセルラーゼ酵素剤であるセルラーゼY-NC(ヤクルト薬品工業株式会社製、ユニット数:セルラーゼ30,000u/g)10gを添加し、よくかき混ぜて室温で8時間静置反応を行った。この反応液を遠心分離し、上清を除去した後、水を添加して撹拌し、再度遠心分離により上清を除去し、ドラムドライヤーを用いて、ドラム温度110℃、1回転/分の回転速度で乾燥した。粉砕機で粉砕した粉末50g中には、β−クリプトキサンチン(フリー体換算)が0.5質量%、β−カロテンが0.05質量%含まれていた。
参考例2
温州みかんから果汁を絞った後の残渣(温州みかんジュース粕、水分率約90%)8kgを凍結乾燥し、これにエタノール5Lを加えて、1時間撹拌し、β−クリプトキサンチンを抽出した。ろ過して、エタノール画分を回収し、エバポレーターを用いてエタノールを留去し、温州みかんエキスを得た。このエキス中には、β−クリプトキサンチン(フリー体換算)が5質量%、β−カロテンが0.5質量%含まれていた。この温州みかんエキスを10質量%、デキストリン(マルデックス、日本澱粉工業株式会社製)を90質量%配合した粉末を調製した。
実施例1
参考例1で製造した酵素処理温州みかん5gとアクアミネラルT(石化海藻、Marigot社製、カルシウム含有量34%)95gを配合して製剤を調製した。
実施例2
参考例2で製造した温州みかんエキス5gと炭酸カルシウム81gと結晶セルロース14gを配合して製剤を調製した。
実施例3
β−カロテン(カロチンパウダー15、三栄源エフ・エフ・アイ製、β−カロテン含量1.5%)1.833gとアクアミネラルT(石化海藻、Marigot社製、カルシウム含有量34%)95gと結晶セルロース3.167gを配合して製剤を調製した。
試験例1
9週齢のSD系雄ラット6匹を1群とし、実施例1、実施例2、実施例3、比較例1(アクアミネラルTのみ)、比較例2(炭酸カルシウムのみ)で調製した飼料を5日間自由に摂取させた。給餌開始3日目より2日間、飼料摂取量を求めた。全例において、カルシウムの飼料への添加量は0.5%になるように調整した。2日間の糞を集め、110℃の乾燥機で乾燥した後、乳鉢で細かくすりつぶし、3Nの塩酸に溶解し、カルシウムテスト−ワコー(和光純薬工業製)で糞中のカルシウム量を分析した。下式を用いて、見かけのカルシウムの吸収率を計算した。1日あたりの飼料摂取量、糞中Ca排泄量、Ca吸収率の平均を表1に示す。
カルシウム(Ca)摂取量=飼料摂取量×Ca含有率(0.5%)
カルシウム吸収率(%)=(Ca摂取量−糞中Ca排泄量)/Ca摂取量×100
Figure 0005687682
試験例2
12週齢のSD系雌ラットを1群6匹に群分けし、卵巣摘出手術(OVX)を施した後4週間普通飼料を与えて骨粗鬆症モデルラットを作成した。4週間後から、実施例1,実施例3のカルシウム吸収促進組成物、及び比較例1(アクアミネラルTのみ)、比較例2(炭酸カルシウムのみ)の組成物を水に懸濁し胃ゾンデを用いて、カルシウムとして0.5g/kg体重で毎日強制経口投与した。飼料はAIN-93組成を用い、飲料水と共に自由摂取させた。対照群として、偽手術を施し、胃ゾンデで水を強制経口投与したSham(偽手術)群と、卵巣摘出手術を施した後、胃ゾンデで水を強制経口投与したOVX群をコントロールとした。
4週間、経口投与を実施した後、屠殺し、大腿骨を取り出し、骨重量及び二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)による骨密度を測定した。体重増加量は、OVXを施した群は増体量がSham群に比べて有意に多かったが、OVXを施した群間では有意差は認められなかった。骨重量及び骨密度の測定結果について、それぞれ、図1、図2に示す。
上記試験例から、明らかなようにクリプトキサンチン及びβ−カロテンをはじめとしたカロテノイドが、カルシウム単独に比べてカルシウムを吸収促進していることが明らかである。また、骨粗鬆症モデルに投与した場合でも、大腿骨骨量・骨密度を回復させることが明らかでかつクリプトキサンチンを用いた場合には、それ自身のもつ作用との相乗作用で骨に対する作用亢進が観察された。
実施例4
実施例1で製造した酵素処理温州みかんを用いて、以下の配合割合でよく混合した後、打錠し、錠剤を製造した。(%は、質量%を示す。)。
原料 酵素処理温州みかん 2.7%
アクアミネラルT
(Marigot Ltd.社製、カルシウム含有量34%) 49%
還元麦芽糖水飴 46%
結晶セルロース 2.3%
実施例5
実施例1で製造した酵素処理温州みかんを用いて、以下の配合割合でよく混合し、練り上げた後、成型、オーブンで焼き上げ、ビスケットを製造した。(%は、質量%を示す。)
原料 酵素処理温州みかん 5%
小麦粉 50%
砂糖 20%
液卵 5%
バター 18.5%
炭酸カルシウム 1%
食塩 0.5%
実施例6
実施例1で製造した酵素処理温州みかんを用いて、以下の配合割合で混合し、養豚用飼料を製造した。(%は、質量%を示す。)
原料 酵素処理温州みかん 2%
トウモロコシ 65%
ダイズ粕 16.5%
フスマ 15.2%
炭酸カルシウム 0.6%
リン酸二石灰 0.05%
塩化ナトリウム 0.3%
ビタミン・ミネラル混合物 0.35%
(ビタミン・ミネラル混合物の1kg中の含量:硝酸チアミン1.5mg、リボフラビン10.5mg、塩酸ピリドキシン0.75mg、ニコチン酸アミド9mg、D−パントテン酸カルシウム16.4mg、塩酸コリン86.4mg、ビタミンA10,000IU、ビタミンD32,000IU、酢酸トコフェロール10mg、Mn50mg、Fe50mg、Cu10mg、Zn50mg、I1mg)

Claims (3)

  1. カルシウムと、クリプトキサンチン及び/又はその脂肪酸エステルを含有し、カルシウム100質量%に対してクリプトキサンチン及び/又はその脂肪酸エステルを0.001〜1質量%含むカルシウム吸収促進組成物からなることを特徴とする、カルシウム吸収促進用の食品添加剤。
  2. クリプトキサンチン及び/又はその脂肪酸エステルが、かんきつ類の果実及び/又はその加工物に由来するものであることを特徴とする請求項1に記載のカルシウム吸収促進用の食品添加剤。
  3. カルシウムが植物及び/又はその加工物に由来するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカルシウム吸収促進用の食品添加剤。
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