JP6111353B2 - 高吸収性経口組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、カロテノイド類の高吸収性経口組成物に関し、さらに詳しくは、乳又は乳加工物を含有するクリプトキサンチンの高吸収性経口組成物に関する。
カロテノイド類は、動物、植物、微生物が有する色素成分の一種である。カロテノイド類は、例えば、人参にはβ-カロテン、甲殻類の殻にはアスタキサンチン、トマトにはリコペンといったように、特定の食品には特定のカロテノイドが多く含まれることが多い。また、長い食経験を有するものが多い。
カロテノイド類は、その長い食経験と安全性から、飲食品や医薬品等の着色剤として使用されている。また単に着色剤としてだけではなく、その機能に着目した各種機能食品にも用いられている。例えば、β−カロテンは、プロビタミンAとして各種の健康食品やサプリメントに広く用いられている。リコペンやアスタキサンチンなどは、抗酸化機能による体内環境の正常化を期待して様々な健康食品に添加されている。また特定の機能に特化した例として、ルテインがブルーベリーエキスなどと共に配合された健康食品が視覚機能の健全化に有効なサプリメントとして市販されている。
カロテノイド類の中でも、例えば、クリプトキサンチンは、温州みかんに特異的に多量に含まれている。従来の調査・研究により、クリプトキサンチンには、骨代謝改善、内臓脂肪低減、抗疲労、糖尿病リスク低減などの健康増進効果を有することが示されている。
しかしながら、温州みかんの供給は冬に限定されているため、クリプトキサンチンによる健康増進効果を享受するためには、サプリメント等により、継続的にクリプトキサンチンを摂取し、生体内のクリプトキサンチン濃度を、年間を通じて一定以上に維持することが望ましい。しかしながら、クリプトキサンチンの供給量は、他のカロテノイドに比べ非常に少ないため、これらを補うために、特に、少量のクリプトキサンチンを効率よく生体に吸収させる方法や高吸収性クリプトキサンチン製剤が望まれている。
カロテノイド類をサプリメント等として摂取する場合、吸収性を向上させる方法として、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びレシチンを含有するエマルジョンとすることが有効であるとの報告がある(例えば、特許文献1参照)。しかしこの方法はエマルジョンのミセルの粒度を厳密にコントロールしなければならないという困難さを有するうえ、高コスト・低収率になりやすい問題がある。
また、カロテノイド類の1種であるアスタキサンチンをシクロデキストリンで包接することにより、本来は水に不溶なアスタキサンチンを水溶性の粉末とすることができることが報告されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかしながらこの方法ではアスタキサンチンの水溶性を向上させることはできても、アスタキサンチンの安定性を向上させるには不十分なうえ、アスタキサンチンの吸収性を向上させることはできないとの問題があった。
以上に述べたように、カロテノイド類の吸収効率を向上させる方法は知られてはいるが、その効果や簡便さ、実施の容易さにおいて満足のゆくものではなかった。
特開平9−157159号公報 特開平9−124470号公報 特開2001−2569号公報
本発明の目的は、安全性が高く、簡便に調製可能なカロテノイド類の高吸収性経口組成物を提供することにある。
本発明者は、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、カロテノイド類を乳及び/又は乳加工物等と合わせて摂取することで、生体への吸収性を容易かつ効果的に高めることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)カロテノイド類、及び乳及び/又は乳加工物を含有するカロテノイド高吸収性経口組成物。
(2)カロテノイド類、及び豆乳及び/又は豆乳加工物を含有するカロテノイド高吸収性経口組成物。
(3)カロテノイド類がクリプトキサンチンである(1)又は(2)記載のカロテノイド高吸収性経口組成物。
(4)(1)〜(3)いずれかに記載の組成物を含有する飲食品。
(5)(1)〜(3)いずれかに記載の組成物を含有するサプリメント。
(6)(1)〜(3)いずれかに記載の組成物を含有する飼料又はペットフード。
本発明によれば、カロテノイド類を効率的に生体に移行させることができ、カロテノイド類が有している健康増進効果などの各種機能を効果的に発揮させることが可能となる。
また飲食品やサプリメント、飼料、ペットフードなどへのカロテノイド類の配合量の減量が可能となるため配合デザインが容易となり、しかもこれらの風味を損なうことなく栄養価を高めることができる。
本発明の組成物のβ―クリプトキサンチンの吸収性向上効果を示す概略図である。 本発明の組成物のβ―クリプトキサンチンの吸収性向上効果を示す概略図である。 本発明の組成物のアスタキサンチンの吸収性向上効果を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるカロテノイド類としては、特に限定されず、例えば、α‐カロテン、β‐カロテン、リコピン、フィトエンなどのカロテン類やそのエポキシ体、または、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン、クリプトキサンチン、ツナキサンチン、サルモキサンチン、パラシロキサンチン、ビオラキサンチン、アンテラキサンチン、ククルビタキサンチン、ディアトキサンチン、アロキサンチン、ペクテノール、ペクテノロン、マクトラキサンチン、カプサンチン、カプサンチノール、フコキサンチン、フコキサンチノール、ペリジニン、ハロシンチアキサンチン、アマロウシアキサンチン、カンタキサンチン、エキネノン、ロドキサンチン、ビキシン、ノルビキシンなどのキサントフィル類、さらには、ノルカロテノイド類やアポカロテノイド類及びこれらの脂肪酸エステル体などが挙げられる。これらは天然物から抽出、精製して得られたもの、発酵法あるいは合成法で得られたもののいずれも用いることができる。また上記カロテノイド類は、一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせても良い。これらのカロテノイドのうち、特にクリプトキサンチンは、様々な健康増進効果が疫学的にも実験的にも確認されており、産業上の有用性が高く好ましい。
本発明におけるクリプトキサンチンは、クリプトキサンチンであれば特に限定されるものではなく、例えばα−クリプトキサンチン、β−クリプトキサンチン及びこれらの脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸長も特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)などの脂肪酸エステルが挙げられる。
クリプトキサンチン及び/又はその脂肪酸エステル体は、温州みかん、柿、パパイヤ、マンゴーなどに含まれていることが知られているが、本発明においては、その供給源として、生産量が多く日本古来の果物である温州みかんに由来するものが好ましい。温州みかんは生の果実だけでなく温州みかんの加工品及びその中間体も用いることができる。加工品及びその中間体としては、温州みかんジュース、温州みかんからジュースを絞った後の残渣、残渣の乾燥物、残渣の酵素処理物、温州みかんからの溶媒抽出物などを用いることができる。中でも残渣にセルラーゼなどの酵素を作用させた温州みかん残渣の酵素処理物は、残渣に多量に含まれる食物繊維を水に可溶化・除去することにより残渣を減容し、相対的にクリプトキサンチン濃度を高めることが可能なため好ましい。またこの温州みかん搾汁残渣の酵素処理物の乾燥物はより好ましい。
温州みかんの搾汁残渣、残渣の酵素処理物はそのままを用いてもよいし、なんらかの加工を行ったものを用いてもよい。具体的にはこれらを固液分離した残渣、固液分離した残渣を乾燥させたもの、固液分離せず反応物そのままを乾燥させたものなどを用いてもよい。また、温州みかんの搾汁残渣,残渣の酵素処理物そのもの、又はその固液分離後の残渣に水を添加・攪拌した後、再度固液分離する水洗浄法の実施は、温州みかんの搾汁残渣及びその酵素処理物中に存在する酸や糖などの水溶性不純物を簡単に取り除けるため好ましい。
温州みかんの溶媒抽出物とは、温州みかん及び/又は温州みかんの酵素処理物から溶媒及び/又は超臨界二酸化炭素などを用いてクリプトキサンチンを含む成分を抽出したものをいう。抽出に用いる溶媒としては、原料である温州みかん又はその加工品より機能性成分であるクリプトキサンチンを抽出することができればいかなるものでもよい。また、一種類の溶媒を単独で用いても、複数の溶媒を混合して用いてもよい。これらの条件を満たす溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、ポリエチレングリコール等のポリエーテル類、ピリジン類等が使用できる。これらうち、エタノールはクリプトキサンチンの抽出効率が高いため好ましい。また、これらの有機溶媒で抽出する際には抽出効率をあげるために例えば水、界面活性剤等の添加物を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。さらに、上記有機溶媒による抽出のほか、近年注目を浴びている技術である超臨界抽出法も利用することができる。
更に引き続いて加工を行い、不純物類を取り除きクリプトキサンチンの純度を上げることもできる。例えば、濃縮、脱塩、分配精製、カラムクロマトグラフィーなどを用いることができる。また粉末化や乳化といった、抽出物の形状を変える処理も用いることができる。さらにこれらの方法を単独で行うばかりではなく、複数の方法を組み合わせて実施してもよい。
本発明の組成物に含まれるカロテノイド類の量は特に限定されず、例えば本発明の組成物100g当たり10pg〜10g含まれていれば好ましい。中でも経済性と効果の観点から、100pg〜1gがより好ましく、1ng〜500mgがいっそう好ましい。
本発明における乳とは、動物の乳であれば特に限定されないが、例えば無調整乳、調整乳、加工乳など、一般的に「牛乳」と称して飲用されているものの他、羊、山羊、水牛など、飲用可能な家畜の乳に加え、これらに果汁や香料、甘味料、酸味料のほか、コーヒーや紅茶などを加えて成る乳飲料なども含まれる。
本発明の組成物に含まれる乳とカロテノイド類の比率は、該組成物の形態により異なるが、例えば、乳100gに対しカロテノイド類が10pg〜10g含まれていれば好ましい。中でも経済性と効果の観点から、100pg〜1gがより好ましく、1ng〜500mgはいっそう好ましい。
本発明における乳加工物とは、乳を原料とする加工物であれば特に限定されないが、例えば乳を発酵させて成るヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料などの乳発酵物が挙げられる。また乳から特定の成分を分離して得られる生クリーム、バターなどのほか、乳を濃縮して得られる練乳や乾燥して得られる粉乳も含まれる。更に乳に砂糖や香料などを加え、冷凍させて作られるアイスクリーム、ラクトアイスなどの冷菓や、乳を発酵させて成るアルコール飲料など、様々な飲食物及びその加工品が挙げられる。
本発明の組成物に含まれる乳加工物とカロテノイド類の比率は、該組成物の形態により異なるが、例えば、乳加工物100gに対しカロテノイド類が10pg〜10g含まれていれば好ましい。中でも経済性と効果の観点から、100pg〜1gがより好ましく、1ng〜500mgがいっそう好ましい。
本発明の組成物においては、乳と乳加工物は、カロテノイド類とそれぞれ単独で含有してもよいし、組み合わせて含有しても良い。
本発明における豆乳とは、大豆をすりつぶして水に懸濁させたいわゆる「豆乳」といわれるものであれば特に限定されないが、例えば無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料などが挙げられる。
本発明の組成物に含まれる豆乳とカロテノイド類の比率は、該組成物の形態により異なるが、例えば、豆乳100gに対しカロテノイド類が10pg〜10g含まれていれば好ましい。中でも経済性と効果の観点から、100pg〜1gがより好ましく、1ng〜500mgがいっそう好ましい。
本発明における豆乳加工物とは、豆乳を原料とした加工物であれば特に限定されないが、例えば豆腐、大豆ヨーグルト、発酵豆乳など、豆乳を更に加工して得られる飲食物が挙げられる。
本発明の組成物に含まれる豆乳加工物とカロテノイド類の比率は、該組成物の形態により異なるが、例えば、豆乳加工物100gに対しカロテノイド類が10pg〜10g含まれていれば好ましい。中でも経済性と効果の観点から、100pg〜1gがより好ましく、1ng〜500mgがいっそう好ましい。
本発明の組成物においては、豆乳と豆乳加工物は、カロテノイド類とそれぞれ単独で含有してもよいし、組み合わせて含有しても良い。
本発明による乳及び/又は乳加工物、豆乳及び/又は豆乳加工物と併用することによるカロテノイド類の吸収性向上機構については未だ不明な部分もあるが、例えば、乳、乳加工物、豆乳又は豆乳加工物中に存在するある種のタンパク質が形成するミセル構造が、共存するカロテノイド類をミセル構造内に取り込むことにより、カロテノイド類の吸収性が向上していると推定される。
本発明における高吸収性経口組成物の形態としては、経口で摂取されるすべての形態であれば特に限定されず、例えば、飲食品、サプリメント、飼料、ペットフードが挙げられる。
飲食品の形態としては、牛乳、加工乳、発酵乳飲料、果汁飲料、コーヒー、紅茶、清涼飲料などの飲料が挙げられる。またパン、うどん、パスタなど主食となるものや、これらと共に食するスープ、シチュー、パスタソースなどの副菜類が挙げられる。またチーズ、ウインナー、ソーセージ、ハム、魚介加工品等の食品類のほか、アイスクリーム、クッキー、ケーキ、ゼリー、プリン、キャンディー、チューインガム、ヨーグルト、グミ、チョコレート、ビスケットなどの菓子類のほか、調味料類、酒類などが挙げられる。
サプリメンの形態としては、打錠品(タブレット)、ソフトカプセル、顆粒などの医薬品的な形態のほか、トローチ、チュアブル錠、シート剤などが挙げられる。また固形状だけでなく液体状のドリンク剤や、半固体状のソフトゼリーなどの形態も含まれる。
本発明の飲食品、サプリメント、飼料、ペットフードに含まれるカロテノイド類の量は、該組成物の形態により異なるが、例えば、飲食品、サプリメント、飼料、ペットフード100gに対しカロテノイド類が、それぞれ10pg〜10g含まれていれば好ましい。中でも経済性と効果の観点から、100pg〜1gがより好ましく、1ng〜500mgがいっそう好ましい。
本発明の飲食品、サプリメントに含まれる乳及び/又は乳加工物、豆乳及び/又は豆乳加工物とカロテノイド類の比率は、該組成物の形態により異なるが、例えば、乳及び/又は乳加工物、豆乳及び/又は豆乳加工物100gに対しカロテノイド類が10pg〜10g含まれていれば好ましい。中でも経済性と効果の観点から、100pg〜1gがより好ましく、1ng〜500mgがいっそう好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<測定方法>
(1)カロテノイド類
島津製作所製高速液体クロマトグラフィー(HPLC) LC−10Aを用い、ウォーターズ社製ResolveC18(φ3.9×150mm)カラムを接続し、水:メタノール(容量比)=50/50に溶解させた試料を注入した。移動相として、メタノール:酢酸エチル(容量比)=7:3、カラム温度30℃、流速1.0ml/minで試料中のカロテノイド含有量を分析した。
なお、β―クリプトキサンチン、アスタキサンチンは共にEXTRASYNTHESE社製品を標準試料とし、β―クリプトキサンチンは450nm、アスタキサンチンは480nmを検出波長とした。
製造例1
温州みかん搾汁残渣(みかんジュース粕、水分率約90%)1kgに食品加工用ペクチナーゼ酵素剤であるスミチームPX(新日本化学工業株式会社製、ペクチナーゼ5,000ユニット/g、アラバナーゼ90ユニット/g)1gとセルラーゼ/ヘミセルラーゼ酵素剤であるセルラーゼY−NC(ヤクルト薬品工業株式会社製、セルラーゼ30,000ユニット/g)1gを添加し、よくかき混ぜて室温で8時間静置反応を行った。この反応液を遠心分離して上清を除去した後、水を添加して撹拌し、再度遠心分離により上清を除去した。この沈殿物を凍結乾燥機により乾燥し、ナイフ式粉砕機(Retsch社、GM200)にて5分間粉砕後、300メッシュの篩を通過する粉砕物(組成物1)50gを得た。組成物1中のβ−クリプトキサンチン濃度はフリー体換算で1mg/gであった。
製造例2
前記の組成物1の50gに対し500mlのエタノールを添加し、室温で2時間撹拌後に固形分をろ過・除去したろ液を濃縮し、20gの濃縮物を得た(組成物2)。組成物2中のβ−クリプトキサンチン濃度はフリー体換算で2.5mg/gであった。
実施例1
1gの組成物2を5mgの乳化剤(三菱化学社製、ポリグリセリン酸エステル)と共に1Lの牛乳(明治乳業製、明治おいしい牛乳)と混合・分散してクリプトキサンチン含有乳飲料を製造した(乳飲料100g中、β―クリプトキサンチン0.25mg含有)。
実施例2
1gの組成物2を5mgの乳化剤(三菱化学社製、ポリグリセリン酸エステル)と共に1Lの豆乳(紀文製、おいしい無調整豆乳)と混合・分散してクリプトキサンチン含有豆乳飲料を製造した(豆乳飲料100g中、β―クリプトキサンチン0.25mg含有)。
実施例3
2.5gの組成物1を1kgのヨーグルト(明治乳業製、明治ブルガリアヨーグルト)を混合してクリプトキサンチン含有ヨーグルトを製造した(ヨーグルト100g中、β―クリプトキサンチン0.25mg含有)。
実施例4
0.5g水溶性ヘマトコッカス藻色素(ヤマハ発動機製、ピュアスタW−05(アスタキサンチン含有率0.5質量%))を5mgの乳化剤(三菱化学社製、ポリグリセリン酸エステル)と共に1Lの牛乳(明治乳業製、明治おいしい牛乳)と混合・分散してアスタキサンチン含有乳飲料を製造した(乳飲料100g中、アスタキサンチン0.25mg含有)。
実施例5
次に示す製法により、本発明の飲食品の一態様であるソフトカプセルを製造した。
成分 配合量(100g中)
1)組成物1 50g
2)ビタミンE 5g
3)ビタミンC誘導体 5g
4)練乳 20g
5)オリーブ油 20g
製法:1)から5)を均一に混合後、ゼラチン、蜜蝋などからなるソフトカプセル包材内に200mg/錠で充填した(ソフトカプセル1錠中、β―クリプトキサンチン0.1mg、乳加工品(練乳)40mg含有)。
実施例6
以下の原料と水をよく混合して100mlとし、β−クリプトキサンチン含有ドリンク剤を製造した。なお、ポリグリセリン酸エステルは三菱化学より購入した。
1)組成物2 50mg
2)ブドウ糖果糖液糖 200mg
3)粉乳 300mg
4)アスコルビン酸ナトリウム 50mg
5)ポリグリセリン酸エステル 0.5mg
(ドリンク剤100ml中に、β―クリプトキサンチン0.125mg、乳加工品(粉乳)300mgを含有。)
実施例7
1gの組成物2を5mgの乳化剤(三菱化学社製、ポリグリセリン酸エステル)と共に1Lの乳糖分解乳(日本ミルクコミュニティー製、メグミルクおなかにやさしく)と混合・分散して動物用クリプトキサンチン含有乳飲料を製造した(乳飲料100g中、β―クリプトキサンチン0.25mg含有)。
比較例1
1gの組成物2を5mgの乳化剤(三菱化学社製 ポリグリセリン酸エステル)と共に1Lのミネラルウォーター(いろはす:日本コカコーラ)と混合・分散して、乳、乳加工品、豆乳及び豆乳加工品を含まないクリプトキサンチン含有飲料水を製造した(飲料水100g中、β―クリプトキサンチン0.25mg含有)。
比較例2
2.5gの組成物1を1Lの水と混合し、10gのゼラチンで固めて乳、乳加工品、豆乳及び豆乳加工品を含まないクリプトキサンチン含有ソフトゼリーを製造した((ソフトゼリー100g中、β―クリプトキサンチン0.25mg含有)。
比較例3
0.5g水溶性ヘマトコッカス藻色素(ピュアスタW−05(アスタキサンチン含有率0.5質量%):ヤマハ発動機)を5mgの乳化剤(三菱化学社製 ポリグリセリン酸エステル)と共に1Lのミネラルウォーター(いろはす:日本コカコーラ)と混合・分散して、乳、乳加工品、豆乳及び豆乳加工品を含まないアスタキサンチン含有飲料水を製造した(飲料水100g中、アスタキサンチン0.25mg含有)。
試験例1
健康な成人男女30名を3群に分割し、試験群1(男女各10名、年齢:38.3±8.3)、試験群2(男女各10名、年齢:39.7±9.3)、対照群(男女各10名、年齢:39.0±9.3)とした。試験群1には実施例1の乳飲料を、試験群2には実施例2の豆乳飲料を、対照群には比較例1の飲料水を、それぞれ毎日180mlを3週間摂取させ、摂取前後に採血して血清β-クリプトキサンチンの濃度の増加量を比較した。
試験例1の結果を図1に示す。
試験群1、2、対照群の血清β-クリプトキサンチン値は試験食の摂取によりいずれも増加したが、試験群1、2の血清β-クリプトキサンチンの増加量は対照群に比べ有意に高値であった。
試験例2
健康な成人男女20名を2群に分割し、試験群(男女各10名、年齢:39.1±8.5)と対照群(男女各10名、年齢:38.7±8.5)とした。試験群には実施例3のヨーグルトを、対照群には比較例2のソフトゼリーを、それぞれ毎日200gを3週間摂取させ、摂取前後に採血して血清β-クリプトキサンチンの濃度の増加量を比較した。
試験例2の結果を図2に示す。
試験群と対照群の血清βークリプトキサンチン値は試験食の摂取によりいずれも増加したが、試験群の血清β-クリプトキサンチンの増加量は対照群に比べ有意に高値であった。
試験例3
健康な成人男女20名を2群に分割し、試験群(男女各10名、年齢:38.5±9.0)と対照群(男女各10名、年齢:39.2±9.5)とした。試験群には実施例4の乳飲料を、対照群には比較例3の飲料水を、それぞれ毎日180mlを4週間摂取させ、摂取前後に採血して血漿アスタキサンチンの濃度の増加量を比較した。
試験例3の結果を図3に示す。
試験群と対照群の血漿アスタキサンチン濃度は試験食の摂取によりいずれも増加したが、試験群の血漿アスタキサンチン濃度増加量は対照群に比べ有意に高値であった。

Claims (2)

  1. 乳及び/又は乳加工物を有効成分とし、温州みかん搾汁残渣のセルラーゼ酵素処理物と併用する、クリプトキサンチン高吸収用の食品用添加剤。
  2. 豆乳及び/又は豆乳加工物を有効成分とし、温州みかん搾汁残渣のセルラーゼ酵素処理物と併用する、クリプトキサンチン高吸収用の食品用添加剤。
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