JP5687088B2 - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板の製造方法に関する。
従来より、ガラス基板は液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイのガラス基板として広く用いられている。
このようなガラス基板は、フラットパネルディスプレイの製造工程において、ガラス表面にTFT(Thin Film Transistor)等を形成するために、複数の半導体製造装置の反応容器内のサセプタ上に置かれて成膜処理される。その際、ガラス基板に複数の異なる薄膜を形成するため、成膜処理は、半導体製造装置を替えながら複数回行われ、成膜処理が行われる度に、ガラス基板はサセプタから取り外される。このとき、サセプタのガラス基板を載置する金属表面とガラス基板との間で摩擦による静電気、すなわち剥離帯電が発生し、ガラス基板に静電荷が蓄積される。このため、複数回の成膜処理工程後のガラス基板は大きな静電荷を蓄積することになる。特に、液晶表示装置に用いられる無アルカリガラスからなるガラス基板は帯電し易く、静電気が除去され難い。このような剥離帯電が重なると、ガラス基板は、サセプタ等の金属表面に静電力により張り付き易くなり、ガラス基板をサセプタから取り外す際に過度な力を与えてガラス基板を破損させる場合がある。
また、剥離帯電によって生じ蓄積された静電荷による大きな電圧は、ガラス表面に形成されたTFT素子を破壊する場合もある。
このような状況下、液晶表示装置の製造プロセス中での帯電を引き起こしにくいガラス基板が提案されている(特許文献1)。
当該ガラス基板は、電極線や各種デバイスが形成される第一の表面と、これらが形成されない第二の表面とを有する。当該ガラスの少なくとも第二の表面のRaは0.3nm以上10nm以下であり、この第二の表面は、物理的研磨又は化学処理された面である。
特開2005−255478号公報
上記ガラス基板では、Raが0.3nm以上10nm以下となるように行うガラス表面の粗面化処理により、部分的に白ムラや白曇り等の不具合が発生し、液晶表示装置等の特性に悪影響を与える場合がある。白ムラや白曇りとは、ガラス基板の反射特性(拡散反射、鏡面反射)が場所によって変化して、目視において表面を観察したとき、白くくすんだように見える領域をいう。
そこで、本発明は、剥離帯電の発生を抑制することができ、それによって、ガラス基板をサセプタから取り外す際に過度な力を与えてガラス基板が破損することが少なく、白ムラや白曇りが生じ難いフラットパネルディスプレイ用のガラス基板を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、半導体素子が形成されるフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の製造方法である。当該製造方法は、
半導体素子が形成されるガラス基板の半導体素子形成面と反対側のガラス表面を洗浄処理する工程と、
洗浄された前記ガラス表面にエッチング処理をする工程と、を有し、
前記エッチング処理された前記ガラス表面のRa(原子間力顕微鏡により測定される表面凹凸の算術平均粗さ)が0.3(nm)以上1.0(nm)以下であって、Rz−Rzjis(Rzjisは原子間力顕微鏡により測定される表面凹凸の10点平均粗さであり、Rzは原子間力顕微鏡により測定される表面凹凸の最大高さである)が0.2(nm)以下になるように、前記ガラス表面の前記洗浄処理および前記エッチング処理が行われ、前記ガラス基板の洗浄処理は、大気圧プラズマ洗浄である
前記ガラス基板の洗浄処理は、大気圧プラズマ洗浄である、ことが好ましい。
洗浄処理された前記ガラス基板のガラス表面における水の接触角度は、10度以下である、ことが好ましい。
前記ガラス基板の洗浄処理は、洗浄処理するガラス表面に紫外線を照射する処理である、ことも同様に好ましい。
前記エッチング処理は、プラズマを用いたドライエッチング処理である、ことも同様に好ましい。
前記ガラス基板は、例えば、液晶表示装置用ガラス基板である。
洗浄処理された前記ガラス基板のガラス表面における水の接触角度は、10度以下である、ことが好ましい。
前記ガラス基板の洗浄処理は、洗浄処理するガラス表面に紫外線を照射する処理である、ことも同様に好ましい。
前記エッチング処理は、プラズマを用いたドライエッチング処理である、ことも同様に好ましい。
前記ガラス基板は、例えば、液晶表示装置用ガラス基板である。
上述のフラットパネルディスプレイ用ガラス基板は、剥離帯電を抑制することができ、ガラス基板をサセプタから取り外す際に過度な力を与えてガラス基板が破損することが少なく、白ムラや白曇りが生じ難い。
本実施形態のガラス基板の断面図である。 (a),(b)は、RzとRzjisを説明する図である。 本実施形態のガラス基板を製造する方法のフローを示す図である。 図3に示す方法で用いる大気圧プラズマ洗浄装置を説明する図である。 図3に示す方法で用いるエッチング装置を説明する図である。 (a),(b)は、実施例1および比較例の原子間力顕微鏡で測定されたガラス表面の様子を示す図である。
以下、本発明のフラットパネルディスプレイ用ガラス基板の製造方法およびガラス基板について本実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法により製造されるガラス基板10の断面図である。
ガラス基板10は、液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイに用いられる。例えば、厚さが0.2〜0.8mmで、サイズが680mm×880mm〜2200mm×2500mmのガラス基板である。ガラス基板10の一方のガラス表面12は、TFT等の半導体素子を形成するための面であり、ポリシリコン薄膜やITO(Indium Thin Oxide)薄膜等の複数層の薄膜を形成する半導体素子形成面である。したがって、ガラス表面12は、Ra(算術平均粗さ)は、0.2(nm)以下に抑えられ、極めて滑らかな面になっている。
一方、ガラス表面12と反対側で、ガラス表面12に対向するガラス表面14は、粗面化処理面となっており、Raが0.3(nm)以上1.0(nm)以下であり、Rz−Rzjisが0.2(nm)以下になっている。Rz−Rzjisの下限は、特に設定されないが、実質的には、下限は0.1(nm)であることが、効果的に剥離帯電を抑制する点から好ましい。
ここで、Rzは粗面化処理面の凹凸を表す最大高さであり、Rzjisは10点平均粗さである。
図2は、RzおよびRzjisを説明する図である。
Rzは、表面プロファイル形状について、試料中の平均基準線mに対して最大ピーク高さをRpと定め、最大谷深さをRvと定めたとき、RpとRvの合計値、すなわち、Rp+Rvをいう。
Rzjisは、表面プロファイル形状について、試料中の平均基準線mに対して試料中の最大ピーク高さから高い順に上位5つのピーク高さをYp1〜Yp5とし、試料中の最大谷深さから深い順に上位5つの谷深さをYv1〜Yv5としたとき、Yp1〜Yp5の平均の絶対値とYv1〜Yv5の平均の絶対値の合計値である。
なお、平均基準線mは、平均基準線mを基準とする上記表面プロファイル形状の各位置での高さ(高い場合は正、低い場合は負)を合計したとき、合計値が0となる高さに位置する直線をいう。
また、表面プロファイル形状から平均基準線mの方向に基準長さだけを抜き取り、この抜き取り部分の平均基準線の方向にX軸を、表面プロファイル形状の高さ方向にY軸を取り、表面プロファイル形状の曲線をy=f(x)で表したときに、f(x)の絶対値を抜き取り部分の長さの範囲で積分をし、このときの積分値を長さで割った値がRaである。なお、Ra,Rz,Rzjisは、JIS B 0601:2001に定義されている。
上記表面プロファイル形状は、例えば、ガラス基板10を切り出した試料(長さ50mm、幅50mm)を、原子間力顕微鏡(ParkSystems社製、モデルXE-100)を用いてノンコンタクトモードで、スキャンエリアを1μm×1μm、スキャンレートを0.8Hzとして得られる形状である。
Rzの上記定義およびRzjisの上記定義からわかるように、表面プロファイル形状が、正弦波形状のように一定の振幅で変動する場合、RzとRzjisとの差分は0になる。一方、表面プロファイル形状において一部分で凹凸がばらついていて、凹凸の振幅が変動している場合、RzとRzjisとの差分は大きくなる。したがって、RzとRzjisとの差分は、表面粗さの一つの場所における均一性(ミクロな均一性)を表す指標として用いることができる。
ガラス基板10は、後述するように、ダウンドロー法により成形されたガラス表面が極めて滑らかな両ガラス表面のうちガラス表面14に、Raが0.3(nm)以上1.0(nm)以下であり、RzとRzjisとの差分が0.2(nm)以下になるように粗面化処理が施される。このように粗面化処理が施されるのは、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板として、成膜処理が行われるとき、剥離帯電が発生し難く、かつ、白ムラや白曇りが発生し難いようにするためである。白ムラや白曇りは、ガラス基板の反射特性(拡散反射、鏡面反射)が場所によって変化することによって生じ、ガラス基板の反射特性は、ガラス表面の粗さによって定まる。したがって、白ムラや白曇りを抑制するには、ガラス表面の表面粗さが場所によって変化せず均一であること、および一つの場所においても表面粗さが均一であることが好ましい。
従来のガラス基板は、Raを0.3nm以上10nm以下とすることにより、剥離帯電が発生し難くなるが、Raが0.3nm以上10nm以下と広い範囲で許容されるため、Raが0.3(nm)の領域とRaが10.0(nm)の領域とが偏って存在する場合がある。このため、ガラス表面の表面粗さが場所によって変化しない均一な粗さを有するとはいえない。
しかし、本実施形態のガラス基板10は、Raを0.3(nm)以上1.0(nm)以下とし、一つの場所における表面粗さの均一性(ミクロな均一性)の指標であるRzとRzjisとの差分が0.2(nm)以下に抑制する粗面化処理により、後述する実施例に示すように、ガラス基板10の表面粗さが場所によって変化しない均一性(マクロな均一性)が達成され得る。したがって、従来のように、部分的に白ムラや白曇りが発生することは抑制される。さらに、Raが0.3(nm)以上であるので、剥離帯電も発生し難い。
なお、ガラス基板10のRaは、0.3〜0.7(nm)であることが、ガラス表面が粗面化されて剥離帯電が生じ難く、かつガラス基板の表面粗さが場所に依存せずより均一になる(マクロな均一性が向上する)点で好ましい。より好ましくは、ガラス基板10のRaは0.3〜0.5(nm)である。
ガラス基板10は、ガラス表面14のみが粗面化処理されているが、ガラス表面12も、Raが0.3(nm)以上1.0(nm)以下であり、RzとRzjisとの差分が0.2(nm)以下になるように粗面化処理されてもよい。
ガラス基板10のガラスの組成として、以下の成分を含むガラスが例示される。
(a)SiO:50〜70質量%、
(b)B:5〜18質量%、
(c)Al:10〜25質量%、
(d)MgO:0〜10質量%、
(e)CaO:0〜20質量%、
(f)SrO:0〜20質量%、
(o)BaO:0〜10質量%、
(p)RO:5〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種である)、
(q)R’O:0〜2.0質量%(ただしR’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種である)、
(r)酸化スズ、酸化鉄および酸化セリウムから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を合計で0.05〜1.5質量%。
このようなガラス基板10は、ダウンドロー法、フロート法等を用いて製造される。以下の説明では、ダウンドロー法を用いた製造方法を説明する。図3は、本実施形態のガラス基板10の製造方法のフローの一例を説明する図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ステップS10)と、清澄工程(ステップS20)と、攪拌工程(ステップS30)と、成形工程(ステップS40)と、徐冷工程(ステップS50)と、採板工程(ステップS60)と、切断工程(ステップS70)と、粗面化処理工程(ステップS80)と、端面加工工程(ステップS90)と、を主に有する。
熔解工程(ステップS10)では、図示されない熔解炉で、ガラス原料が化石燃料の燃焼による間接加熱および電気通電による直接加熱により加熱されて溶融ガラスが作られる。ガラスの熔解は、これ以外の方法で行われてもよい。
次に、清澄工程が行われる(ステップS20)。清澄工程では、溶融ガラスが図示されない液槽に貯留された状態で、溶融ガラス中の気泡が上述の清澄剤を用いて取り除かれる。具体的には、溶融ガラス中で価数変動する金属酸化物の酸化還元反応によって行われる。高温時の溶融ガラスにおいて、金属酸化物は還元反応により酸素を放出し、この酸素がガスとなって、溶融ガラス中の気泡を成長させて液面に浮上させる。これにより、溶融ガラス中の気泡は脱泡される。あるいは、酸素ガスの気泡は、溶融ガラス中の他の気泡中のガスを取り込んで成長し、溶融ガラスの液面に浮上する。これにより、溶融ガラス中の気泡は脱泡される。
次に、攪拌工程が行われる(ステップS30)。攪拌工程では、ガラスの化学的および熱的均一性を保つために、垂直に向けられた図示されない撹拌槽に溶融ガラスが通される。攪拌槽に設けられたスターラによって溶融ガラスは攪拌されながら、垂直下方向底部に移動し、後工程に導かれる。これによって、脈理等のガラスの不均一性を抑制することができる。
次に、成形工程が行われる(ステップS40)。成形工程では、ダウンドロー法が用いられる。ダウンドロー法は、例えば特開2010−189220号公報、特許第3586142号公報を用いた公知の方法である。これにより、所定の厚さ、幅を有するシート状のガラスリボンが成形される。成形方法としては、ダウンドロー法の中でも、オーバーフローダウンドローが最も好ましいが、スロットダウンドローでもよい。
次に、徐冷工程が行われる(ステップS50)。具体的には、シート状に成形されたガラスリボンは、歪みが発生しないように冷却速度を制御して、図示されない徐冷炉にて徐冷点以下に冷却される。
次に、採板工程が行われる(ステップS60)。具体的に、連続的に生成されるガラスリボンは一定の長さ毎に採板されガラス基板が得られる。この後、切断工程(ステップS70)において、所定のサイズにガラス基板が切断される。
次に、粗面化処理が行われる(ステップS80)。具体的には、ガラス基板に表面洗浄処理が施され、その後、エッチング処理が施される。
表面洗浄処理では、例えば、大気圧プラズマ洗浄処理装置が用いられ、エッチング処理では、大気圧プラズマを用いたエッチング装置が用いられる。
図4は、大気圧プラズマ洗浄処理装置の一例を示す図である。
大気圧プラズマ洗浄処理装置20は、搬送ローラ22により搬送されるガラス基板の一方のガラス表面(搬送ローラ22と接触する面)に、N2,O2を用いたプラズマ状態のガスをガラス基板の幅方向一杯に延びたスリット状のノズルから吹き付ける。
大気圧プラズマ洗浄処理装置20は、N2,O2の供給路22と、供給路22途中の両側に設けられた一対の対向電極24,24と、一対の対向電極24,24のそれぞれの表面を覆う誘電体26と、を有し、供給路22の端部がプラズマ照射口となってガラス基板に向いている。
このようなプラズマにより活性化されたガスをガラス表面に吹き付けることにより、ガラス表面に付着する不要な有機物からなる薄膜を酸化して除去する。有機物からなる薄膜を除去するのは、有機物からなる薄膜が、後述するエッチング処理におけるマスクとして機能しないようにするためである。
したがって、プラズマにより洗浄されたガラス表面は、有機物が除去されて親水性を呈する。このときガラス表面14における水の接触角は10度以下になることが好ましく、5度以下になることがより好ましい。このような好ましい形態は、活性化されたガスによる洗浄時間あるいはガスの流量を調整することで達成することができる。すなわち、表面洗浄の条件として、洗浄時間および活性化されたガスの流量を調整することにより、水の接触角が10度以下になるようにすることが好ましい。
なお、大気圧プラズマを用いた洗浄の代わりに、オゾンガスの吹き付けや紫外線の照射を行うことにより、有機物の薄膜を除去することもできる。少なくとも有機物を酸化させあるいは有機物の薄膜を改質させて除去できればよい。また、有機物を除去可能な洗浄液の塗布やディップ処理により洗浄を行ってもよい。しかし、後述するドライエッチングを効率的に行うには、オゾンガスの吹き付けや紫外線の照射により洗浄を行うのが好ましい。
図5は、大気圧プラズマを用いたエッチング装置の一例を示す図である。
大気圧プラズマを用いたエッチング装置30は、エッチングヘッド34と、図示されないガス排気ユニットと、を有する。エッチング装置30は、搬送ローラ32により搬送されるガラス基板の一方のガラス表面(搬送ローラ32と接触する面)に、エッチングガスをエッチングヘッド34のガラス基板の幅方向一杯に延びたスリット状のノズルからガラス表面に吹き付ける。エッチングガスは、CF4およびH2Oの混合ガスをプラズマ状態とすることで生成される活性化したHF成分を有するガスである。これにより、ガラス表面は、エッチングガスにより粗面化される。
なお、ガラス基板は、Raが0.3(nm)以上1.0(nm)以下であり、RzとRzjisとの差分が0.2(nm)以下となるように、粗面化処理の条件(表面洗浄の条件およびエッチング条件)は設定される。例えば、エッチング条件では、ガラス基板の搬送速度を調整することでエッチングの処理時間を調整し、あるいは、ガラス表面に吹き付けるエッチングガスの流量を調整する。なお、エッチング処理の前に、ガラス表面は表面洗浄され、
好ましくは、洗浄条件として水の接触角が10度以下になるように設定されるので、有機物からなる薄膜は確実に除去され、ガラス表面は均一に(ミクロおよびマクロな均一性で)エッチングされる。
なお、粗面化処理のためにエッチングする方法は、エッチングガスを用いたドライエッチングに限られず、エッチング液中に浸漬することで、両ガラス表面をエッチングしてもよい。この場合においても、ガラス基板は、Raが0.3(nm)以上1.0(nm)以下であり、RzとRzjisとの差分が0.2(nm)以下となるように、粗面化処理の条件(表面洗浄の条件およびエッチング条件)は設定される。ガラス基板の半導体素子が形成される面に粗面化処理が施されても、RzとRzjisとの差分が0.2(nm)以下となる表面粗さが均一な面であれば、半導体素子の形成および半導体素子の特性に影響を与えない。
こうして、粗面化処理工程が行われる。
この後、端面加工工程が行われる(ステップS90)。端面加工工程では、ガラス表面および端面の研削・研磨が行われる。端面加工は、例えば、ダイヤモンドホイールや樹脂ホイールなどが用いられる。
ガラス基板の製造方法は、この他に、洗浄工程及び検査工程を有するが、これらの工程の説明は省略する。
以上のように、ガラス基板10は、ガラス表面のRaが0.3(nm)以上1.0(nm)以下であって、Rz−Rzjisが0.2(nm)以下の面となっているので、ガラス基板10のガラス表面の表面粗さは均一になり(マクロな均一及びミクロな均一が達成され)、白ムラや白曇りが生じ難く、しかも剥離帯電の発生を抑制する。上記ガラス表面は均一な粗面となるので、TFT等の半導体素子が形成される半導体形成面が上記粗面であっても問題がない。
特に、Raを0.3(nm)以上0.7(nm)とし、より好ましくは0.3(nm)以上0.5(nm)以下とすることにより、より均一な表面粗さを得ることができる。
[実施例]
ボロアルミノシリケートガラスを用いた液晶表示装置用ガラス基板を作製した。
(粗面化処理)
図4に示す大気圧プラズマ洗浄装置20を用いて生成されたプラズマ状態のN2,O2の混合ガスを、毎分所定の量、ガラス基板の幅一杯に流し、ガラス基板のガラス表面を洗浄した。
また、図5に示すエッチング装置30を用いてエッチングを行った。エッチング装置30において希ガス等を用いて生成されたプラズマ中にCF4,H2Oの混合ガスを通過させることにより得られたエッチングガスHFを、毎分所定の量、ガラス基板の幅一杯に流して、エッチングを行った。
下記表1に示す実施例1〜3および比較例は、ガラス基板の搬送速度を変えて、大気圧プラズマ洗浄装置20およびエッチング装置30それぞれのノズルを通過する時間(処理時間)を変えた。実施例1および比較例の上記処理時間は9秒であり、実施例2,3の上記処理時間は5秒であった。洗浄及びエッチングはいずれも常温で行った。
(粗面化処理の評価)
粗面化処理の施されたガラス基板について、長さ50mm×幅50mの試料を切り出して、ガラス表面を、原子間力顕微鏡(ParkSystems社製、モデルXE-100)を用いた。測定条件は、ノンコンタクトモードで、スキャンエリアを1μm×1μm、スキャンレートを0.8Hzとした。これにより、ガラス基板の表面プロファイル形状を得た。具体的には、1つのガラス基板の複数の位置から切り出した複数の試料について表面プロファイル形状を得て、Ra,Rz,Rzjisを調べた。また、上記複数の位置におけるRaの変動(最大値と最小値の差)を調べた。
図6(a),(b)は、原子間力顕微鏡で測定されたガラス表面の画像の例を示す図である。いずれの画像においても、縦方向の長さおよび横方向の長さは1μmに相当する。図6(a)は大気圧プラズマ洗浄を行った後エッチングを行った実施例1の測定結果であり、図6(b)は大気圧プラズマ洗浄を行うことなくエッチングを行った比較例の測定結果である。図6(a),(b)を比較することにより、実施例1の表面の凹凸が比較例の表面の凹凸に比べて均一である(ミクロな均一性が達成される)ことが言える。
下記表1には、作製した複数のガラス基板のRa,Rz,Rzjisと、その評価結果を示している。なお、表1中のRaは、図4,5に示すガラス基板の搬送方向(矢印)の先端位置、中央位置、および後端位置であって、いずれもガラス基板の幅方向の中央部分の場所、合計3箇所について調べた結果である。表1中のRaの変動は、上記3箇所におけるRaの最大値と最小値の差分である。表1中のRz,Rzjisは、いずれも上記3箇所における平均値である。
Figure 0005687088
表1によると、大気圧洗浄プラズマを用いてガラス基板を洗浄した後エッチングすることで、Raが0.3(nm)以上1(nm)以下であり、かつ、Rz−Rzjisが0.2(nm)以下となる実施例1〜3のRaの変動は0.075〜0.096(nm)であり極めて小さく、場所によってRaは変化しにくい。また、実施例1〜3において、白ムラ、白曇りがなかったことも確認された。また、実施例1〜3のRaは、0.3(nm)以上10(nm)以下であるので、剥離帯電も生じにくい。
一方、比較例は、そのRaが0.3(nm)以上1(nm)以下であるとしても、Rz−Rzjisが0.2(nm)以下でない。このため、Raの変動は実施例1〜3のRaの変動(0.075〜0.096)に比べて2〜3倍大きく、0.231(nm)である。したがって、比較例では、白ムラ、白曇りが起こり易く、製造上の歩留まりも低下し易い。
以上より、ガラス基板10の効果は明白である。
以上、本発明のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の製造方法およびガラス基板について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 ガラス基板
12,14 ガラス表面
20 大気圧プラズマ洗浄処理装置
22,32 搬送ローラ
24 対向電極
26 誘電体
30 エッチング装置
34 エッチングヘッド

Claims (2)

  1. 半導体素子が形成されるフラットパネルディスプレイ用のガラス基板の製造方法であって、
    半導体素子が形成されるガラス基板の半導体素子形成面と反対側のガラス表面を洗浄処理する工程と、
    洗浄された前記ガラス表面にエッチング処理をする工程と、を有し、
    前記エッチング処理された前記ガラス表面のRa(原子間力顕微鏡により測定される表面凹凸の算術平均粗さ)が0.3(nm)以上1.0(nm)以下であって、Rz−Rzjis(Rzjisは原子間力顕微鏡により測定される表面凹凸の10点平均粗さであり、Rzは原子間力顕微鏡により測定される表面凹凸の最大高さである)が0.2(nm)以下になるように、前記ガラス表面の前記洗浄処理および前記エッチング処理が行われ、前記ガラス基板の洗浄処理は、大気圧プラズマ洗浄である、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 洗浄処理された前記ガラス基板のガラス表面における水の接触角度は、10度以下である、請求項に記載のガラス基板の製造方法。
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