JP5686344B2 - 波長フィルタ、波長フィルタリング装置及び波長フィルタリング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の波長領域の光強度を低減するための波長フィルタに関する。
近年の光情報通信は、波長多重通信が主流になってきており、この方式においては、特定の波長領域の光信号だけに対して伝送路を切り替える方法、遮断する方法等が採用されている。そのために必要とされる波長フィルタとして、種々の技術を採用したものが提案されている。具体的には、回折格子(特許文献1)、超格子構造(特許文献2)、リング導波路(特許文献3)、誘電体多層膜(特許文献4)、ファブリーペロー型共振器(特許文献5〜7)等を用いる技術が挙げられる。
しかしながら、これらの技術を用いた波長フィルタは、使用や製造にコストがかかる等といった問題点があった。このような問題点を解決すべく、本願発明者は特許文献8にて示すような表面プラズモン共鳴の具術を用いた、特定の波長領域を除去する波長フィルタリング装置の発明に至った。しかしながら、この装置は、特定の波長領域を除去するに入射光に対して、偏光特性を要求されること、プリズムを用いた全反射領域が要求されることが特徴となっている。
特開2004−012658号公報 特開2003−066386号公報 特開2004−279982号公報 特開2001−021852号公報 特開2006−258939号公報 特開2006−293018号公報 特開2006−350031号公報 特許第4649595号
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次世代の情報家電、ロボット等における光通信には、小型の波長フィルタリング装置が求められている。上述した従来技術による波長フィルタ装置はプリズムを要することから、波長フィルタリング装置として小型化が達成される可能性は低い。そこで、上述の問題点を解消し、特定の狭帯域波長をフィルタリングすることが可能であり、簡便で且つ小型構造の波長フィルタ、及び該波長フィルタを使用した波長フィルタリング装置及び方法を提供することを本発明の主な目的とする。
本願発明者は、上記の課題を解決するためにするため鋭意研究を重ねた結果、特定の積層構造を有する波長フィルタを見出した。本願発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、下記の態様を広く包含するものである。
項1 (i)20nm以上80nm以下厚さの第一金属層、
(ii)50nm以上500nm以下厚さの誘電体層、及び
(iii)少なくとも50nm以上厚さの第二金属層
を有し、該誘電体層が該第一金属層と該第二金属層に挟まれた積層構造を有する波長フィルタ。
項2 前記第一金属層が、金、銀、アルミニウム、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含む上記項1に記載の波長フィルタ。
項3 前記第二金属層が、金、銀、アルミニウム、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含む上記項1又は2に記載の波長フィルタ。
項4 上記項1〜3のいずれか1項に記載の波長フィルタを備えた波長フィルタリング装置。
項5 上記項1〜3のいずれか1項に記載の波長フィルタを用いた特定の波長領域のフィルタリング方法。
<本発明の波長フィルタ>
本発明の波長フィルタは、(i)20nm以上80nm以下厚さの第一金属層、(ii)50nm以上500nm以下厚さの誘電体層、及び(iii)少なくとも50nm以上厚さの第二金属層を有する。そして、誘電体層は第一金属層と第二金属層の間に設置される。なお、第一金属層と誘電体層との間には、層間の密着性、平滑性を向上させるために、数nm程度(10nm以下)の厚さの薄膜が配置されていてもよく、誘電体層と第二金属層との間にも、同様の目的で薄膜が配置されていてもよい。
図1に、本発明の波長フィルタの一例の構造を示す。なお、図中のθにて示される角度を、以下入射角とする。第一金属層の誘電体層に対する面の逆側の面に、特定の波長領域のフィルタリングを所望する光を入射することにより、本発明の波長フィルタにおいて、特定の波長領域の光成分が吸収され、特定の波長領域のフィルタリングが達成される。従って、第一金属層の誘電体層に向かう面の逆側が入射側となる。そして同時に、特定の波長領域がフィルタリング後の光を放出する反射側ともなる。
第一金属層の厚さは20〜80nm程度である。より強い波長フィルタリング効果を得ることを目的とすれば、20〜50nm程度とすることが好ましい。
第一金属層の素材は、自由電子が振動し易い素材であればよく、特に限定はされないが、具体的には金、銀、アルミニウム、銅等を含む素材が挙げられる。中でも、フィルタリングする波長の領域の観点から、銀、金、銅等が好ましく、光吸収の程度の高い波長フィルタを提供できる観点から、銀又は金が更に好ましい。最も好ましくは銀である。
これらの第一金属層に含有される金属素材は、金属単体素材として含まれていても、合金素材として含まれていてもよく、通常は第一金属層中にて90%程度以上の当該金属素材が含まれていれば、その他の成分が含まれていても良い。より好ましくは、95%程度以上である。
誘電体層の厚さは50〜500nm程度である。誘電体層の厚さはフィルタリングする特定の波長領域に密に関連する。
誘電体層の素材は、電流を殆ど流さない物質(例えば絶縁体)であればよく、特に限定はされない。このような誘電体層の素材として、具体的には空気、真空等の気体;ガラス(酸化物、窒化物、フッ化物、石英等)、ポリマー(フッ素系、シリコーン系、エポキシ系等の樹脂材料)等の固体;水溶液(アルコール、食塩水等)、液晶等の液体等が挙げられる。
中でも、本発明の波長フィルタの製造にかかる難易度の観点から、気体、又は固体が好ましい。更に、気体の層としては空気が好ましく、固体の層としてはガラスが好ましい。また、誘電体層の素材として気体を用いた場合は、誘電体層そのものをギャップと表現することもある。
なお、誘電体層がギャップである場合は、上述の第一金属層と後述する第二金属層をそれぞれ支持体にて固定して、両層を一定の距離を隔てて配置することによって、所望の厚さのギャップを作製し、本発明の波長フィルタとすればよい。
上述のように、本発明の波長フィルタがフィルタリングする具体的な波長の範囲は、誘電体層の厚さに密に関連するが、誘電体層が有する屈折率にも影響される。具体的には、誘電体層の厚さと屈折率の積である実効光路長が影響する。本発明にて規定する誘電体層の厚さであれば、通常は250〜2000nm程度の波長を特異的にフィルタリングすることができる。好ましくは、350〜1700nmの波長である。
誘電体層の屈折率は特に限定されるものではないが、通常は1〜4程度の屈折率を有する素材を本発明の誘電体層とすればよい。なお、屈折率は、波長依存性がある。
第二金属層の厚さは50nm以上である。より優れた波長のフィルタリング効果を得ることを目的とすれば、100nm以上とすることが好ましい。
第二金属層の厚さを100nm以上とすれば、第二金属層内を透過するエバネセント波を少なくすることができ、第二金属層によって戻される光成分が入射光の吸収に大きく寄与し、プリズムや偏光を要求されない特異な波長フィルタリング特性が現れる。
第二金属層は、第一の金属層と同様に素材を選択すればよい。また、第二金属層に含有される金属素材の割合も同様にすればよい。さらに、光吸収を増強する観点から、第一金属層にて採用した素材と同一の素材とすることが好ましい。
本発明の波長フィルタは、使用に耐えうる積層構造をとするために支持体層を含んでいても良い。例えば、第一金属層の入射側に支持体を設置するのであれば、石英等のガラス、プラスチック等のポリマーの透明素材を支持体層として用いることが好ましい。
本発明の波長フィルタは、光源を点滅させずに波長フィルタリングを可能とし、光通信用波長フィルタとして有望である。或いは、調光の用途のためのフィルタとしても有用である。
<本発明の波長フィルタリング装置>
本発明のフィルタリング装置は、上述の波長フィルタを備えるものである。具体的には、特許文献8にて示すような装置とすればよいが、本発明の波長フィルタは、入射光の角度、入射光の偏光等に殆ど影響されること無く特定の波長領域をフィルタリングする効果を有するので、波長フィルタに入射する光の角度を調節する装置、入射光の偏光を変化させる偏光素子等を必要としない。
従って、本発明の波長フィルタリング装置は、従来の表面プラズモン共鳴の具術を利用した場合には不可欠であったプリズムや回折格子を必要としないため、小型化、コスト低減の観点等において非常に有効である。
<本発明の波長フィルタリング方法>
本発明の波長フィルタリング方法は、上述した本発明の波長フィルタを用いるものである。本発明の波長フィルタは、特定の波長領域の光を吸収することから、本発明におけるフィルタリングとは、特定の波長領域を除去することである。
具体的には、図1に示すように、本発明の波長フィルタの入射側に、フィルタリングを所望する光を入射し、入射後に得られる反射光をフィルタリング後の光とすればよい。
本発明のフィルタリング方法では、波長フィルタに入射する光の角度(入射角)は特に限定されるものではないが、光学系配置の観点から、通常は0°〜45°程度とすることが好ましい。
本発明の方法によってフィルタリングされる光は、特に限定されるものではなく、250〜2000nmの波長を有する光である。このような光の種類は特に限定されるものではなく、例えば、太陽光、放射光、レーザー光、及び発光ダイオード光等が挙げられる。
また、フィルタリングされる光は、偏光を有していてもよく、無偏光であってもよい。偏光を有している場合は、P偏光であってもS偏光であってもよく、円偏光であってもよい。
本発明の波長フィルタは、どのような角度で入射しても特定の波長領域を除去するフィルタリング機能を示す。従って、本発明の波長フィルタを用いる場合は、プリズムのような入射角を調節する機構を必要とせず、さらに入射光の偏光に対する要求を示さないという特徴を有する。例えば、0°〜45°の角度にて本発明のフィルタに所望の光を入射すれば、特定の波長領域がフィルタリングされ、特に入射光が0°付近の場合は、入射光の偏光に影響されることがない波長フィルタリング機能を示す。
以上の点から、本発明の波長フィルタを用いた装置は、入射光の角度を調節する装置、入射光の偏光を調節する偏光素子等の装置を必要としない、小さい波長フィルタリング装置を提供することが可能となる。
このような本発明の波長フィルタが示す優れた効果は、次世代の情報家電、ロボット等において、光通信用の波長フィルタリング装置に求められている要求を十分に満たすものである。
本発明に係る波長フィルタの一実施形態を概略的に示す図である。 本発明とは異なる積層構造を有する波長フィルタの効果を確認した図である。図中にて黒く示される領域は、波長フィルタによって光が吸収されたことを意味する。具体的には、「黒」は入射光の反射率が0%であり、「白」は入射光の反射率が100%であり、中間の反射率は中間色で示している。この図より、本発明による波長フィルタは鋭い光吸収特性で、ある波長と角度の関係で特異的に光吸収が起こることがわかる。なお、図中の縦軸は波長フィルタが吸収した波長を示し、横軸は波長フィルタの第一金属層に対して入射した光の角度(入射角)を示す。 本発明の波長フィルタの効果を確認した図である。図中の白色又は黒色の領域、縦軸、及び横軸は図2に示すとおりである。 本発明の波長フィルタの効果を確認した図である。図中の白色又は黒色の領域、縦軸、及び横軸は図2に示すとおりである。 本発明の波長フィルタの効果を確認した図である。図中の縦軸は、本発明の波長フィルタに入射した光の反射率を示し、この数値が低い程、首尾よく特定の波長領域がフィルタリングされたことを意味する。横軸は反射光の波長を示す。なお、(1)の破線は誘電体層が100nm厚さの石英、(2)の実線は誘電体層が250nm厚さのギャップ、そして(3)の点線は誘電体層が200nm厚さの石英を用いた場合の結果を示す。 本発明の波長フィルタの効果を確認した図である。図中の縦軸は、本発明の波長フィルタに入射した光の反射率を示し、横軸は第一金属層の厚さを示す。なお、図中の○は第一金属層として金、△は銀、□は銅、そして▲は支持体として石英を有する銀を用いた場合の結果を示す。 本発明の波長フィルタの効果を確認した図である。図中の縦軸は、フィルタリングされた波長を示し、横軸は誘電体層の厚さを示す。なお、図中の○はフィルタリングされた第一の波長、△は第二の波長、□は第三の波長、▽は第四の波長を示す。 本発明の波長フィルタの効果を確認した図である。図中の縦軸は、本発明の波長フィルタに入射した光の反射率を示し、横軸は第二金属層の厚さを示す。なお、図中の○は誘電体層として100nm厚さの石英を用いた場合を示し、●は誘電体層として200nm厚さの石英を用いた場合の第一吸収波長、■はその第二吸収波長におけるフィルタリング効果を示す。 本発明の波長フィルタの効果を確認した図である。図中の縦軸は、本発明の波長フィルタに入射した光の反射率を示し、横軸は入射角を示す。なお第一及び第二金属層にて用いた金属が金である場合は図中の○●に、銀である場合は図中の□■に、銅である場合は△▲に結果が示される。そして、○□△は、入射光がP偏光である場合、●■▲は入射光がS偏光であるときの結果を示す。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明が以下に示す実施例に限定されないのは書くまでも無い。
[比較例]
(1)石英プリズムの底面に50nm厚さの銀の層を設置した波長フィルタ、(2)石英プリズムの底面に50nm厚さの銀の層を設置し、更に前記層のプリズムとは逆の面に500nm厚さの石英層を設置した波長フィルタ、及び(3)石英プリズムの底面に50nm厚さの銀の層を設置し、更に前記層のプリズムとは逆の面に1000nm厚さの石英層を設置した波長フィルタのフィルタリング効果を検討した。(1)に示す波長フィルタは表面プラズモン共鳴が生じうる一般的な波長フィルタであり、(2)及び(3)に示す波長フィルタは特許文献8にて示される波長フィルタである。
それぞれのフィルタには、プリズムを通してフィルタを所望する光を銀の層の表面に入射した。さらに、偏光を検討するために、P偏光を有する入射光と、S偏光を有する入射光をそれぞれ検討した。結果を図2に示す。
(1)〜(3)に示される波長フィルタは、全て全反射領域である約45°以上の入射角においてのみ波長のフィルタリング作用が見られた。また、P偏光場合とS偏光の場合において、フィルタリング作用に違いが生じていることも判明した。
[実施例1]
図1に示すような波長フィルタにおいて、第一金属層が50nm厚さの銀、第二金属層が200nm厚さの銀であり、誘電体層がギャップ(単なる空気)であるときの波長フィルタリング効果を確認した結果を図3に示す。ここで、誘電体層の厚さを100、200、300、400、及び500nmと変化させて、フィルタリング効果を確認した。
本実施例の波長フィルタは、誘電体層の厚さにかかわらず、0°〜80°の入射角の光に対して特定の波長領域をフィルタリングする効果を有することが明らかになった。またこのような効果は、P偏光であってもS偏光であっても差が少ないことが判明した。特にこのような効果は、入射光の角度が小さいときほど顕著であることが明らかとなった。なお、350nm以下の波長に見られる光吸収は、波長フィルタとは関係のない光吸収を示すものである。
[実施例2]
図1に示すような波長フィルタにおいて、第一金属層が50nm厚さの銀、第二金属層が200nm厚さの銀であり、誘電体層が石英であるときの波長フィルタリング効果を確認した結果を図4に示す。ここで、誘電体層の厚さは100、200、300、400、及び500nmと変化させて、フィルタリング効果を確認した。
実施例1の結果と同様に、本実施例の波長フィルタは、誘電体層の厚さにかかわらず、0°〜80°の入射角の光に対して特定の波長領域をフィルタリングする効果を有することが明らかになった。また、このような効果は、P偏光であってもS偏光であっても差が少ないことが判明した。特にこのような効果は、入射光の角度が小さいときほど顕著であることが明らかとなった。なお、350nm以下の波長に見られる光吸収は、波長フィルタとは関係のない光吸収を示すものである。
[実施例3]
図1に示すような波長フィルタにおいて、第一金属層が50nmの厚さの銀、第二金属層が200nmの銀であり、誘電体層として、100nm厚さの石英、250nm厚さのギャップ、200nm厚さの石英というように、素材の種類、及び層の厚さを変化させた場合の波長フィルタリング効果を確認した結果を図5に示す。なお、フィルタリング効果を確認する光の入射角は0°とした。
波長フィルタを構成する誘電体層の種類、厚さ等によって特異的に吸収する波長が異なっていることが確認された。従って、フィルタリングする特定の波長領域は、適宜設定できることが示唆された。
[実施例4]
図1に示すような波長フィルタにおいて、誘電体層として200nm厚さの石英、第一金属層としては、20〜100nm厚さの金、銀、銅、支持体として石英を有する銀を採用し、第二金属層は第一金属層と同じ素材で、それぞれ200nm厚さであるときの波長フィルタリング効果を確認した結果を図6に示す。なお、フィルタリング効果を確認する光の入射角は0°とした。
波長フィルタとして好ましい第一金属層の厚さは、第一金属層として用いる金属の種類によって異なることが明らかとなった。また、波長フィルタの構造保持のために、石英を支持体として用いた場合には、波長フィルタとして好ましい第一金属層の厚さが、若干大きくなる傾向であることが明らかになった。
この結果は、本発明の波長フィルタにおいて、第一金属層の厚さが光吸収量に大きく寄与して、フィルタリング効果に極めて重要であることを明白に示している。
[実施例5]
図1に示すような波長フィルタにおいて、第一金属層が50nm厚さの銀、第二金属層が200nm厚さの銀であり、誘電体層が所定の厚さの石英であるときの波長フィルタリング効果を確認した結果を図7に示す。なお、フィルタリング効果を確認する光の入射角は0°とした。
この結果は、本発明の波長フィルタにおいて、誘電体層の厚さがフィルタリング効果に極めて重要であることを明白に示している。誘電体層の厚さが大きくなるにつれ、フィルタリングされる特異的な波長の数が増加することが明らかとなった。このような効果は、誘電体層の厚さが大きくなることによって生じるマルチモードに基づいた効果である。
[実施例6]
図1に示すような波長フィルタにおいて、第一金属層が50nm厚さの銀、誘電体層が100nm厚さ又は200nm厚さの石英であり、第二金属層が所定の厚さの銀であるときの波長フィルタリング効果を確認した結果を図8に示す。なお、フィルタリング効果を確認する光の入射角は、0°とした。
第二金属層の厚さが大きくなることによって、フィルタリング効果が向上することが明らかとなった。そして、第二金属層の厚さは少なくとも50nm程度でないと、波長フィルタリング効果が得られないことも判明した。また、第二金属層の厚さが100nmを超えた場合であっても、フィルタリング効果には殆ど変化が見られないことも判明した。
この結果は、本発明の波長フィルタにおいて、第二金属層の厚さがフィルタリング効果に極めて重要であることを明白に示している。第二金属層の厚さを100nm以上とすれば、第二金属層内を透過する光成分を少なくすることができ、第二金属層によって戻される光成分が、入射光の光吸収に大きく寄与しているためである。
[実施例7]
図1に示すような波長フィルタにおいて、第一金属層が35nm厚さ、誘電体層が200nm厚さの石英、第二金属層が200nm厚さであり、第一金属層及び第二金属層の素材が、それぞれ金、銀、銅であるときの波長フィルタリング効果を確認した。なお、第一金属層及び第二金属層の素材は同一のものを採用し、入射した光は、P偏光のものとS偏光のものである。結果を図9に示す。
入射角が0°のときのピーク波長を基準として、その他の異なる角度で入射した際の、該波長のフィルタリング効果を検討したところ、第一金属層及び第二金属層にて採用する金属の種類に関係なく、入射角が10°程度変化しても、特定の波長領域の光をフィルタリングすることが可能であることが明らかとなった。
しかしながら、銀、金、銅の順で、特定の波長領域をフィルタリングする際に必要な入射角の幅がより制限されることが見出された。これは、第一金属層及び第二金属層の素材によって、特定の波長領域をフィルタリングする際の入射角に特異性があることを示す。

Claims (4)

  1. (i)25nm以上50nm以下厚さの第一金属層、
    (ii)50nm以上500nm以下厚さの誘電体層、及び
    (iii)少なくとも50nm以上厚さの第二金属層
    を有し、該誘電体層が該第一金属層と該第二金属層に挟まれた積層構造を有し、該第一金属層が、銀又は90%以上の銀を含む合金である波長フィルタ。
  2. 前記第二金属層が、金、銀、アルミニウム、及び銅からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含む請求項1に記載の波長フィルタ。
  3. 請求項1又は2に記載の波長フィルタを備えた波長フィルタリング装置。
  4. 請求項1又は2に記載の波長フィルタを用いた特定の波長領域のフィルタリング方法。
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