JP5685980B2 - 熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器 - Google Patents

熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器に関する。
熱型光検出装置として、焦電型またはボロメーター型の赤外線検出装置が知られている。赤外線検出装置は、赤外線吸収膜の赤外線吸収による発熱に基づいて、検出素子にて起電力を生じさせるか(焦電型)、または抵抗値を変化させて(ボロメーター型)、赤外線を検出している。
赤外線吸収率を高めて感度を向上させるために、赤外線吸収膜が形成されたダイヤフラムを空洞部を介して基板に支持し、空洞部に臨んで基板に形成された完全反射膜と赤外線吸収膜との距離をλ/4n(λ:赤外線波長、n:整数)に設定することが提案されている(特許文献1)。
また、赤外線吸収率を高めて感度を向上させるために、下部赤外線吸収層の上に、空間的に離して複数の上部赤外線吸収層を配置し、上部及び下部の赤外線吸収層上にそれぞれ反射膜を形成した構造が提案されている(特許文献2)。
さらに、赤外線膜での反射による損失を低めて検出感度を高めるために、V字状凹部の側面に第1の赤外線吸収膜を、その底面に第2の赤外線吸収膜を形成し、第1及び第2の赤外線吸収膜の一方にて反射された赤外線を、他方の赤外線吸収膜に導くことが提案されている(特許文献3)。特許文献3では、V字状凹部の傾斜角度を、第1,第2の赤外線吸収膜にて計3回反射されるように設定し、赤外線吸収膜への入射回数を増やして吸収効率を増大させるものである。
特開2000−205944号公報(図2、図3) 特開2003−304005号公報(図2) 特開平7−190854号公報(図2)
特許文献1では、赤外線吸収膜によって反射される第1の反射赤外線と、完全反射膜によって反射される第2の反射赤外線の各エネルギー強度が異なるため、第1の反射赤外線と第2の反射赤外線とを相互作用によって完全に打ち消すことができない。このため、赤外線吸収膜での実効吸収率が高くならないという問題がある。特許文献2では、下部赤外線吸収層と複数の上部赤外線吸収層の各パターニングに合わせずれが生ずる。このため、素子の小型化や二次元アレイ状に配列した時の高精細化が困難であるという問題がある。特許文献3では、計3回反射させるV字状溝の深さが深くなって加工が困難である。また、特許文献3でも特許文献2と同様に、第1,第2の赤外線吸収膜の各パターニングに合わせずれが生ずる。このため、素子の小型化や二次元アレイ状に配列した時の高精細化が困難であるという問題がある。
そこで、光吸収膜にて吸収されなかった光を効率よく反射させて光吸収膜に導いて、検出感度を高めることができる熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器が求められていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる熱型光検出器は、底面が光反射曲面となる凹部を有する基板と、光吸収膜を含む熱型光検出素子と、前記熱型光検出素子を支持する支持部材と、を有し、前記基板と前記支持部材との間には空洞部が設けられ、前記支持部材の前記空洞部側の面の少なくとも一部には多結晶シリコンに不純物が分散した光吸収部を有し、前記光反射曲面で反射する光が前記光吸収部を照射することを特徴とする。
本適用例によれば、光吸収膜が光を吸収する。吸収された光は光吸収膜を熱する。熱型光検出素子は熱により起電力を生じさせる。(温度に基づく自発分極による電荷)または、熱が抵抗値を変化させる等により、熱型光検出素子は発熱による光を検出することができる。この際、熱型光検出素子を搭載する支持部材と、熱容量の大きい基板との間には空洞部が存在しているため、熱型光検出素子と基板とは熱分離される。従って、熱損失を少なくして検出することができる。
熱型光検出器に入射される赤外線には光吸収膜を透過する赤外線や、光吸収膜に直接入射されない赤外線等がある。これらの光吸収膜に吸収されなかった光は空洞部を介して基板側の光反射曲面を照射する。その光は光反射曲面にて反射され、空洞部を介して入射方向とは逆側から支持部材を照射する。空洞部は熱分離と導光路との機能を兼用する。支持部材の少なくとも一部には多結晶シリコンに不純物が分散した光吸収部を有しており、光吸収部では光吸収率が高くなっている。この結果、支持部材の光吸収部に吸収される光量を増大させて、入射光に基づく発熱量を増大させることで、熱型光検出器での検出感度を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に記載の前記光吸収部は多結晶シリコンに不純物が分散したドープ領域と不純物を含まない非ドープ領域とのパターンを有することが好ましい。
本適用例によれば、ドープ領域と非ドープ領域とのパターンを有する。光吸収部の多結晶シリコンに不純物を分散したドープ領域では光吸収率が高く、熱伝導率は低い。一方、不純物を含まない非ドープ領域では光吸収率は低く、熱伝導率が高い。そこでドープ領域で光吸収させ、非ドープ領域にて熱を熱型光検出素子に伝えることが出来る。これによって、ドープ領域で発生した熱が効率よく熱型光検出素子に伝わり、熱型光検出器での検出感度を向上させることができる。
[適用例3]上記適用例に記載の前記光反射曲面は球面、放物面、または前記球面よりも前記放物面に近づけた曲面となっていることが好ましい。
本適用例によれば、光反射曲面は球面、放物面、または球面よりも放物面に近づけた曲面となっている。放物面で反射した光は必ず一点である焦点を通過する。球面で反射した光も所定の点に近い場所を通過する。従って、光入射方向とは逆側から来る反射光を光吸収部を通過させるように光反射曲面を設置することができる。これによって、支持部材の光吸収部に吸収される光量を増大させて、入射光に基づく発熱量を増大させることで、熱型光検出器での検出感度を向上させることができる。
[適用例4]本適用例にかかる熱型光検出装置は、上述した熱型光検出器を格子状に二次元配置したことを特徴とする。
本適用例によれば、この熱型光検出装置では熱型光検出器が格子状に二次元配置されているので、光の分布画像を検出することができる。
[適用例5]本適用例にかかる電子機器は、熱型光検出装置を有することを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は、熱型光検出装置を有している。この熱型光検出装置は検出感度が高い為、電子機器は感度良く光分布画像を出力することができる。
実施形態1にかかり赤外線検出装置を示す模式平面図。 (a)は、赤外線検出器を示す模式平面図、(b)は赤外線検出器を示す模式断面図。 熱型光検出器の製造方法を説明するための模式図。 熱型光検出器の製造方法を説明するための模式図。 実施形態2にかかり(a)は、熱型光検出器の模式平面図、(b)は熱型光検出器の模式断面図。 非ドープ領域のパターンの一例を示す図。 実施形態3にかかり赤外線検出器を示す模式断面図。 放物面を説明するための図。 赤外線検出器の製造方法を説明するための模式図。 赤外線検出器の製造方法を説明するための模式図。 実施形態4にかかりサーモグラフィーの構成を示す概略斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
図1は、赤外線検出装置を示す模式平面図である。図1に示すように、赤外線検出装置1は基板20を備えている。そして、基板20上に1セル分の熱型光検出器10Aが、格子状のマトリクス状に二次元配置されている。1セルは熱型光検出器10Aが載置された区画を示す。各熱型光検出器10Aは赤外線を検出するので、赤外線検出装置1は赤外線の分布を検出可能となっている。そして、赤外線検出装置1は熱(光)分布画像を提供することができる。
図2(a)は、赤外線検出器を示す模式平面図である。図2(b)は赤外線検出器を示す模式断面図であり、図2(a)のII−II線に沿った模式断面図である。まず、実施形態1にかかる赤外線検出器としての熱型光検出器10Aの概略構成について説明する。
図2(a)及び図2(b)に示すように、熱型光検出器10Aは、凹部としての第2凹部22を有し、第2凹部22の底面23が光反射曲面24となる基板20を備えている。さらに、熱型光検出器10Aは、光吸収膜32(広義には光吸収膜)が配置された熱型光検出素子30(広義には熱型光検出素子)を有し、熱型光検出素子30は板状の支持部材40(メンブレムとも称す)に設置されている。尚、熱型光検出素子30を構成する膜のうちの最も対象検出光に対する吸収率の高い膜を、光吸収膜32としてよい。基板20と支持部材40との間には空洞部50が設けられている。
基板20の平面視において、光反射曲面24と光吸収膜32とが重なり合い、かつ、光反射曲面24の平面視での投影面積(図2(a)中で破線で示す円内の面積)は光吸収膜32(矩形の面積)よりも広く形成されている。
この熱型光検出器10Aでは、入射赤外線が光吸収膜32にて吸収され、吸収された赤外線による発熱が、熱型光検出素子30にて起電力を生じさせ、または抵抗値を変化させることで、赤外線を検出することができる。この際、熱型光検出素子30を搭載する支持部材40と、熱容量の大きい基板20との間には空洞部50が存在している。このため、熱型光検出素子30と基板20とは熱分離され、熱損失を少なくして赤外線を検出することができる。1セルの熱型光検出器10Aが占める空洞部50は第2凹部22に示す円形領域であり、第2凹部22の大きさは限定されないが、本実施形態では例えば、直径φ30μmとしている。
ここで、熱型光検出器10Aに入射される赤外線には、光吸収膜32を透過する赤外線R1や、そもそも光吸収膜32に入射されない赤外線R2等がある。これらの光吸収膜32に吸収されない赤外線R1,R2等の存在は、熱型光検出器10Aの感度を低める。
そこで、赤外線R1,R2等、直接入射赤外線のうち光吸収膜32に吸収されなかった赤外線を、空洞部50を介して基板20の光反射曲面24にて反射させる。そして、光反射曲面24は空洞部50を介して赤外線入射方向とは逆側から支持部材40に赤外線R1,R2を導いている。空洞部50は、支持部材40と基板20の熱分離する機能の他、導光路として機能することができる。支持部材40の少なくとも一部には多結晶シリコンに不純物が分散した光吸収部41が設置されている。光吸収部41では光吸収率が高くなっている。不純物とはシリコン結晶の配列を乱す物であり、例えば、ボロン(B)、リン(P)がある。光反射曲面24で反射した赤外線R1,R2は光吸収部41を照射する。こうして、赤外線R1,R2等も支持部材40の光吸収部41に吸収させて、入射光に基づく発熱量を増大させることで、熱型光検出器10Aでの検出感度を向上させることができる。
光吸収部41は熱型光検出素子30の直下にあることが望ましい。光吸収部41で吸収された赤外線が熱に変換され、赤外線検出素子に熱伝導する過程で熱を失うことなく熱伝導でき、熱型光検出器10Aでの検出感度を高めることができる。
具体的には、支持部材40は、熱型光検出素子30を搭載する搭載部材42と、一端が搭載部材42に連結され、他端が基板20側に支持された少なくとも1本のアーム44、例えば第1アーム44A及び第2アーム44Bの2本を有する。これら搭載部材42及びアーム44は赤外線を透過する材料にて形成される。2本の第1アーム44A及び第2アーム44Bには、熱型光検出素子30と接続される配線層46(46A,46B)を形成することができる。尚、アーム44を1本設け、配線層46A,46Bを1本のアーム44に形成しても良い。
アーム44(44A,44B)は、基板20における平面視において光反射曲面24の投影面積の外に配置しても良い。また、基板20における平面視において光反射曲面24の投影面積の内側に大部分を配置してもよい。これにより、1セル分の熱型光検出器10Aの占有面積を縮小できる。
アーム44(44A,44B)に形成される配線層46(46A,46B)を金属とすると、金属は赤外線を反射するので、光反射曲面24に向う赤外線を遮光してしまう。そこで、配線層46A,46Bの形成材料として、赤外線(広義には入射光)を透過させる材料にて形成しても良い。配線層46A,46Bの材料は特に限定されないが、例えば、透明電極材料(ITO)等を用いることができる。こうすると、1セルの熱型光検出器10Aの占有面積を縮小しながらも、配線層46(46A,46B)での損失を低減して検出感度を高めることができる。
基板20と支持部材40とを熱分離するために、基板20の搭載部材42側にはスペーサー層60を介して2つのポスト62が立設されている。その2つのポスト62に第1アーム44A及び第2アーム44Bが支持されている。このように、スペーサー層60とポスト62とにより、基板20と支持部材40との間を含む領域を空洞部50とすることができる。支持部材40は体積の小さなポスト62を介して基板20に支持されるので、支持部材40から基板20に向う熱伝達経路の熱コンダクタンスは低くなる。従って、熱型光検出器10Aは光吸収膜32を含む熱型光検出素子30からの熱の散逸を低減できる。
尚、スペーサー層60とポスト62とは、光反射曲面24での反射光を支持部材40に導くための空洞部50の高さを規定するものである。スペーサー層60は必ずしも必要ではなく、ポスト62のみを設けるものであっても良い。
熱型光検出素子30が熱型光検出素子であるボロメーター型の場合には抵抗層で形成される。本実施形態では熱型光検出素子30は焦電型の熱型光検出素子であり、熱型光検出素子30はキャパシター34を含んでいる。
キャパシター34は、搭載部材42に搭載される第1電極34A(下部電極と称す)と、第1電極34Aと対向配置される第2電極34B(上部電極と称す)とを有する。さらに、キャパシター34は第1電極34A及び第2電極34Bの間に配置される焦電材料としての強誘電体膜34Cとを含んでいる。第1電極34Aは配線層46Bに、第2電極34Bは配線層46Aに接続される。キャパシター34は、赤外線に起因した発熱に基づいて自発分極し、その自発分極による電荷を取り出すことで、赤外線を検出することができる。赤外線検出法としては、例えば、機械式チョッパーで赤外線を断続させて交番する電気分極現象として取り出す方法がある。あるいは、自発分極の向きに対して表面電荷を引き寄せる極性の電圧を印加し、電圧印加停止後に引き寄せられた電荷に応じて変化したキャパシター両端電圧を検出する方法がある。
このキャパシター34の側面と天面は、例えば、強誘電体膜34Cの還元による劣化を防止するための水素バリア膜36と、電気絶縁膜38とにより覆うことができる。さらに、電気絶縁膜38を覆って保護膜39を配置することができる。保護膜39は、光吸収膜32を形成するときにキャパシター34を保護するために配置された膜である。光吸収膜32は、保護膜39を覆って形成されている。この光吸収膜32、支持部材40、配線層46を含む熱型光検出器10Aの表面側は、空洞部50をエッチングにより形成する際のマスク層として機能する上部保護膜70により覆われている。
第2凹部22の底面23が放物面であると、放物面に入射する光は一点(焦点)に向けて反射されるので、第2凹部22の底面23は理想的には放物面とするのが良い。ただし、後述するように基板20を等方性エッチングして第2凹部22を形成する場合には、第2凹部22の底面23を正確に放物面に加工することは困難であるので、第2凹部22の底面23は、少なくとも一部が放物面としてもよい。放物面の焦点は光吸収部41の内部に位置するのが望ましい。光吸収部41へ入射した光を効率よく熱に変換することができ、熱型光検出器10Aでの検出感度を上げることができる。
基板20は、等方性エッチングに適し、かつ、赤外線を反射する材質であることが好ましく、本実施形態ではシリコン基板である。基板20の第2凹部22の底面23は、赤外線を反射する光反射曲面24とすることができる。
(熱型光検出器の製造方法)
次に、熱型光検出器10Aの製造方法について図3に沿って説明する。図3は熱型光検出器の製造方法を説明するための模式図である。
(1)等方性エッチング工程
まず、図3(a)に示すように、基板20の表面にマスク層(図示せず)を形成して、基板20を等方性エッチングする。シリコンの等方性エッチングは、フッ酸(HF)またはフッ酸(HF)と硝酸(HNO3)とを混ぜたフッ硝酸等のエッチング液を用いたウェットエッチングの他、ドライエッチングを用いることもできる。ドライエッチング方法として、エッチングチャンバー内に配置されたウエハーにエッチングガスXeF2を導入するものがある。このエッチングガスはプラズマ励起する必要がなく、ガスエッチングが可能である。例えば、特開2002−113700号公報に開示されている通り、XeF2は圧力5kPaのエッチング処理が可能である。また、XeF2は蒸気圧が4Torr程度で、蒸気圧以下にてエッチング可能であり、エッチングレートとしても3〜4μm/minが期待できる。この他、ICPエッチング(Inductive Coupled Plasma)を用いることもできる。例えばSF6とO2との混合ガスを用い、チャンバー内圧力を1〜100Paとし、RFパワー100W程度を供給する。以上の等方性エッチング工程により基板20に例えば半球状の第1凹部21が形成される。
(2)基板の加工工程
次に、図3(b)に示すように、第1凹部21を有する基板20を加工して、第1凹部21よりも浅い第2凹部22(広義には凹部)を形成する。本実施形態では、この基板20の加工工程は、等方性エッチングされた基板のうち、第1凹部21が開口する平坦面20A(図3(a)参照)を平坦面20Bの位置まで削っている。この加工は例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)を用いることができる。これにより、例えば400μm程度の厚さの基板20から2μm程度の必要な深さの第2凹部22を有する厚さ100μm程度の基板20が形成される。尚、本実施形態では、第2凹部22の底面23は、基板20を等方性エッチングして得られる球面である。第1凹部21を有する基板20をさらに加工して得られた第2凹部22の底面23は、半球状のように不要な球面の多くが削られて第1凹部21よりも深さが浅くなり、必要な範囲が残った球面となる。
(3)下部保護膜(エッチングストップ膜兼平坦化膜)形成工程
次に、図3(c)に示すように、基板20の平坦面20Bにスペーサー層60を形成し、さらに、基板20の表面側の全領域、つまり第2凹部22の底面23、平坦面20B及びスペーサー層60を覆って、下部保護膜72を形成する。スペーサー層60は、例えば基板20を熱酸化したSiO2等の絶縁膜等で形成することができる。下部保護膜72は、厚さ0.2μm程度のSiN膜またはSiO2膜等にて形成することができる。
(4)犠牲層等の形成工程
次に、図3(d)に示すように、基板20上に犠牲層80、ポスト62を形成する。まず、下部保護膜72上に犠牲層80を形成する。下部保護膜72の材料として、犠牲層80のエッチング時のストップ膜として機能させるSiNを用いたとき、特定エッチャントに対してSiNに対するよりも選択比が高い犠牲層80の材料としては、例えばSiO2を用いることができる。尚、選択比はエッチングを行いたい膜とエッチングを行いたくない膜のエッチングレートの比を示す。
犠牲層80の表面は平坦化され、ポスト62を形成するためのホールを形成した後、ポスト62を埋め込み形成する。ポスト62は、例えばアルミナ(Al23)等のアルミニウム酸化物(AlOx)の単層構造や、外層Al23及び内層SiO2の二層構造等とすることができる。ポスト62の高さは例えば2μm程度である。
(5)光吸収部等の形成工程
次に、図4(e)に示すように、犠牲層80上に支持部材40の元になる支持層40Aを形成する。支持層40Aは、例えば多結晶シリコンにて厚さが例えば1μm程度に形成される。尚、支持層40Aは犠牲層80の全面に形成され、この時点ではパターニングされていない。
次に、支持部材40の光吸収部41を形成する予定の場所に不純物をドープする。不純物とはシリコン結晶の配列を乱す物であり、例えば、ボロン(B)、リン(P)がある。
支持層40A上に配線層46を形成する。この時点ではアーム44はパターニングされてなく、支持層40Aのままである。そして、搭載部材42上の配線層46とアーム44上の配線層46とをこの工程にて形成する。配線層46には、後に形成される第1電極34A及び第2電極34Bに接続されるものがある。下部電極である第1電極34Aに接続される配線も、この工程にて形成される。これらの配線層46は、Ti/TiN層、Al層等の金属にて形成できるが、上述した通り透光性を確保するには透明電極(ITO)にて形成することが好ましい。尚、配線層46は例えば0.2μm程度の膜厚で形成された後に、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングされる。
(6)赤外線検出素子のキャパシター形成工程
次に、図4(f)に示すように、支持層40Aのうち搭載部材42に相当する領域に、熱型光検出素子30を形成する。本実施形態では、熱型光検出素子30は焦電型検出素子であるため、光吸収膜32とキャパシター34(焦電型検出素子)とが形成される。キャパシター34は、搭載部材42に相当する領域内に形成される。
まず、第1電極34Aを形成する。次に、第1電極34A上に強誘電体膜34Cを積層して形成する。続いて、強誘電体膜34C上に第2電極34Bを積層して形成する。これにより、第1電極34Aと第2電極34Bとの間に強誘電体膜34Cが積層させた構造のキャパシター34が形成される。
第1電極34A及び第2電極34Bは、強誘電体膜34Cから遠い位置から順に例えばスパッタリングにて形成されるイリジウム(Ir)、イリジウム酸化物(IrOx)及びプラチナ(Pt)の三層構造とすることができる。尚、第1電極34Aの下地層として、TiAlN3(チタンアルミナイトライド)等を設けることができる。
強誘電体膜34Cは焦電材料を有し、例えばPZT(Pb(Zi,Ti)O3、チタン酸ジルコン酸鉛)をゾルゲル法やスパッタリング法、MOCVD法等で成膜することができる。第1電極34A及び第2電極34Bはそれぞれ膜厚が例えば0.4μm程度であり、強誘電体膜34Cは膜厚が例えば0.1μm程度である。
(7)光吸収膜と上部保護膜の形成工程
次に、図4(g)に示すように、キャパシター34の側面と天面を覆って、例えば水素バリア膜36及び電気絶縁膜38をそれぞれ形成する。水素バリア膜36は例えばアルミナ(Al23)等のアルミニウム酸化物(AlOx)にてスパッタまたはCVD等にて形成される。電気絶縁膜38は、キャパシター34の第2電極34Bに接続される配線層46Aを形成するために、キャパシター34を電気的に絶縁している。図示していないが、水素バリア膜36と電気絶縁膜38の天面にはコンタクトホールが形成され、このコンタクトホールにプラグが埋め込み形成されると共に、電気絶縁膜38上に形成される配線層46Aがプラグに接続される。尚、配線層46A,46Bは、電気絶縁膜38を形成した後に形成しても良い。
さらに、電気絶縁膜38と搭載部材42とを覆って保護膜39を形成する。保護膜39は例えばSIN等の材料をスパッタ法もしくは蒸着法を用いて形成することができる。そして、保護膜39に重ねて光吸収膜32を形成する。光吸収膜32は、例えばSiO2、SiN、SiCNまたはTiN等の材料にて、例えば膜厚2μm程度で形成することができる。
この後、光吸収膜32、電気絶縁膜38、支持層40A、配線層46を含む熱型光検出器10Aの全表面を覆って、上部保護膜70を形成する。上部保護膜70は、下部保護膜72と同じく例えばSiNにて例えば膜厚が0.2μm程度で形成される。
(8)支持部材のパターニングと熱分離空洞の形成工程
次に、支持層40Aをパターニングして、搭載部材42と第1アーム44A及び第2アーム44Bを有する支持部材40を形成する。この工程は、支持層40Aの形成材料である例えばSiNを異方性エッチングすることで行なわれる。この異方性エッチングは、搭載部材42と第1アーム44A及び第2アーム44Bとなる領域をマスク層にて被覆して、例えばCF4と酸素との混合ガスに窒素や塩素を添加したエッチングガスや、フッ素と酸素との混合ガスに窒素を添加したエッチングガスを用いて実現できる(例えば特開平10−261616号公報参照)。
この異方性エッチングにより、搭載部材42、第1アーム44A、第2アーム44B以外の場所では、下地の犠牲層80が露出した開口90が形成される。
図4(h)に示すように、最後に、開口90を含む全開口をエッチング媒体が通過する孔であるエッチング孔として利用し、等方性エッチングにより下地の犠牲層80を除去する。この等方性エッチングは、フッ酸(HF)を用いたウェットエッチングにより行なうことができる。この際、熱型光検出器10Aの表面は、エッチング孔を除いて上部保護膜70(例えばSiN)にて覆われており、この上部保護膜70を等方性エッチング時のマスク層として利用できる。また、基板20の少なくとも第2凹部22の底面23には下部保護膜72(例えばSiN)が形成されているので、この下部保護膜72を等方性エッチングのエッチングストップ膜として利用する。
以上述べたように、本実施形態にかかる熱型光検出器10Aによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、光吸収膜32にて吸収されなかった光を光反射曲面24で反射させ、支持部材40の光吸収部41に入射させることによって、効率よく光吸収膜に導いている。従って、熱型光検出器10Aの検出感度を高めることができる。
(2)本実施形態によれば、支持部材40の光吸収部41には不純物がドープされている。従って、光吸収部41は光を吸収し発熱し易くなっている。従って、熱型光検出器10Aでの検出感度を向上させることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2にかかる特徴的な熱型光検出器について図5及び図6を用いて説明する。尚、本実施形態において、上記実施形態1と同様の部材または部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態が実施形態1と異なるところは、光吸収部41が多結晶シリコンに不純物が分散したドープ領域と不純物を含まない非ドープ領域とのパターンを有することである。
図5(a)は、熱型光検出器の模式平面図であり、支持部材40から基板20側を見た図である。図5(b)は熱型光検出器の模式断面図であり、図5(a)のIII−III線に沿った断面図である。この熱型光検出器10Bは1セル分を示している。まず、赤外線検出器としての熱型光検出器10Bの概略構成について説明する。
図5に示すように、光吸収部41ではドープ領域41Aと非ドープ領域41Bとの配置がパターニングされている。ドープ領域41Aは不純物がドープされた場所であり、非ドープ領域41Bは不純物がドープされていない場所となっている。不純物とはシリコン結晶の配列を乱す物であり、例えば、ボロン(B)、リン(P)がある。ドープ領域41Aでは、光吸収率が高いが、熱伝導率は低い。一方、非ドープ領域41Bでは光吸収率は低いが熱伝導率は高い。そこでドープ領域41Aで光吸収によって発生した熱が非ドープ領域41Bを経由して、熱型光検出素子30に伝わるようにパターニングされている。これによって、ドープ領域41Aで発生した熱が効率よく熱型光検出素子30に伝わり、熱型光検出器での検出感度を向上させることができる。
こうして、赤外線R1,R2等も支持部材40のドープ領域41Aに吸収させて発生した熱は、平面視で内側にある非ドープ領域41Bに伝達され、熱型光検出素子30に熱伝達される。非ドープ領域41Bは熱伝導度が大きいため、実施形態1と比較して熱を失うことなく熱型光検出素子30に伝達することができる。これによって、熱型光検出器10Bでの検出感度を高めることができる。
熱型光検出器10Bでは、平面視で、熱型光検出素子30の中心部41CNを中心として、周囲に突出する8本の突出部(K1〜K8)を備える放射状のパターンが採用されている。但し、これは一例であり、このパターンに限定されるものではない。
このようなパターンを採用すると、光吸収部41の不純物ドープ領域で吸収された赤外線で発生した熱が、非ドープ領域41Bを介して効率的に熱検出素子としてのキャパシター34に伝達される。ドープ領域41Aがキャパシター34よりも平面視で大きく形成されているため、ドープ領域41Aで多くの熱が発生する。そして、非ドープ領域41Bでは発生した場所を問わずに、熱を効率的にキャパシター34へ伝達することができる。よって、例えば、キャパシター34から離れた箇所で発生した熱であっても、非ドープ領域41Bを経由して、キャパシター34に効率的に集めることができる。
図6(a)及び図6(b)は、非ドープ領域41Bのパターンの一例を示す図である。但し、キャパシター34及び第2凹部22は省略してある。図6(a)に示される例は、図5に示される例と同じである。すなわち、非ドープ領域41Bは、平面視で、キャパシター34の中心部41CNを中心として、周囲(八方)に突出形成された突出部K1〜K8を備える放射状パターンを有している。各突出部K1〜K8は、平面視で、熱型検出素子としてのキャパシター34が設けられている領域を超えて延在している。よって、キャパシター34から遠い位置にて発生した熱であっても、非ドープ領域41Bにおける突出部K1〜K8を経由して、キャパシター34に効率的に伝達することができる。
また、複数の突出部K1〜K8を備える形状は、平面視で、キャパシター34の中心部41CNを中心として点対称の形状である。すなわち、非ドープ領域41Bが、平面視で、キャパシター34の中心部41CNを中心として点対称のパターンを有する。
図6(b)は非ドープ領域41Bのパターンの他の例を示す図である。図6(b)に示される例では、非ドープ領域41Bは、環状パターンCLと、複数の突出部K9,K10,K11,K12を有するパターンとを組み合わせてなるパターンを有している。すなわち、非ドープ領域41Bは、平面視で、キャパシター34の中心部41CNを中心として、周囲(四方)に突出形成された突出部K9,K10,K11,K12を備える×字状パターンと、突出部K9,K10,K11,K12の先端部同士を共通に接続するように設けられた環状部(ここでは略正方形の環状部)CLと、を有している。この環状部CLは、平面視で、中心部41CNを囲むように配設されている。
環状部CLを設けることによって、キャパシター34の周囲領域、特に、キャパシター34からの距離が離れている周囲領域において発生した熱を、環状部CLによって、キャパシター34に効率的に集熱することができる。
また、光吸収部41には、環状部CLの一部と突出部K9,K10,K11,K12を有している。これら突出部K9,K10,K11,K12は、非ドープ領域41Bの中心部41CNに接続されている。よって、環状部CL、突出部K9,K10,K11,K12ならびに中心部41CNを経由して、周辺で発生した熱をキャパシター34に、効果的に伝達することができる。図6(b)の例では、4本の突出部K9〜K12によって×形状が形成されている。得られる効果は、図6(a)の例と同様である。
以上述べたように、本実施形態にかかる熱型光検出器10Bによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、光吸収部41はドープ領域41Aと非ドープ領域41Bとのパターンを有する。ドープ領域41Aで光を吸収し発熱させて、非ドープ領域41Bにて熱をキャパシター34に伝えることが出来る。これによって、ドープ領域41Aで発生した熱が効率よくキャパシター34に伝わり、熱型光検出器10Bの検出感度を向上させることができる。
(実施形態3)
次に、実施形態3にかかる特徴的な熱型光検出器について図7〜図10を用いて説明する。尚、本実施形態において、上記実施形態1と同様の部材または部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態が実施形態1と異なるところは、光反射曲面24の形状が異なる点にある。
図7は、赤外線検出器を示す模式断面図であり、図8は放物面を説明するための図である。図7では、熱型光検出器10Cの第2凹部22の底面23は、球面でなく放物面となっている。放物面を形成する放物線とは、図8(a)に示すように、Y軸と直交するX軸と平行な準線L2(y=−f)と、Y軸上の焦点F(y=f)とが与えられた時、点Pから焦点Fへの距離PFと等しい距離PQを持つような準線L2上の点Qが存在する点Pの軌跡として与えられる。
点P(x,y)の軌跡は、点PからY軸に下ろした垂線とY軸との交点をRとした時、直角三角形FPRでのピタゴラスの定理から、次の通りとなる。
(y+f)2=x2+(f−y)2 …(1)
式(1)を変形すると、点P(x,y)の軌跡として、x,y座標(0,0)を頂点とする放物線は次の関数で与えられる。
y=x2/4f …(2)
そして、図8(b)に示すように、Y軸と平行に入射した光は、放物面に反射されて放物面の焦点Fに集まる性質がある。
本実施形態では、図7に示すように、熱型光検出素子30の平面視で中心を通る線をY軸とし、Y軸と第2凹部22の底面23とが交差する点を座標(0,0)とするXY平面を設定する。そして、底面23の光反射曲面25は座標(0,0)を頂点とする放物面とする。そして、光反射曲面25の焦点F(0,f)が光吸収膜32よりも光入射側に位置した場所となるように光反射曲面25を設定する。そして、光反射曲面25の反射光を焦点F(0,f)に集めることで、反射光の入射経路途中にあるドープ領域にて効率よく赤外線を吸収することができる。尚、fの値は、特に限定されないが、本実施形態では例えば2〜10μm程度に設定している。
(赤外線検出器の製造方法)
本実施形態の製造方法を図9及び図10を用いて説明する。図9及び図10は赤外線検出器の製造方法を説明するための模式図である。本実施形態の製造方法は、第1実施形態の等方性エッチング工程及び基板の加工工程が実施形態1と異なる。他の工程は実施形態1と実質的に同一であり、説明を省略する。
図9に示すように、基板20の第2凹部22の底面23が、上述した放物面、または第1実施形態の球面よりも放物面に近い曲面に形成される。この第2凹部22の形成工程の一例を図10(a)〜図10(d)を参照して説明する。
図10(a)〜図10(d)は、時分割プラズマエッチングと称される等方性エッチング工程を示している。この時分割プラズマエッチングは、K.Wang, K.F.Bohringer, “Time-multiplexed plasma-etching of high numerical aperture paraboloidal micromirror arrays,” CLEO/ Pacific Rim 2003.15-19 Dec.2003. Vol.1,P.317.に掲載されている。
まず、図10(a)に示すように基板20にマスク層20Cを形成する。次に、図10(b)に示すように、例えばSF6プラズマで35分間等方性エッチングし、第1凹部21を得る。次に、図10(c)に示すようにマスク層20Cを除去し、マスク層20C無しの状態での基板20を、例えばSF6プラズマで15分間さらに等方性エッチングする。その結果図10(d)に示すように、第2凹部22を得る。第2凹部22は等方性エッチング工程により得られた第1凹部21を有する基板20をさらに加工して得られる。従って、第2凹部22は、第1凹部21よりも深さが浅くなるので、放物面か、あるいは球面よりも放物面に近い曲面とすることができる。
以上述べたように、本実施形態にかかる熱型光検出器10Cによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、光反射曲面25は球面、放物面、または球面よりも放物面に近づけた曲面となっている。放物面で反射した光は必ず一点である焦点を通過する。球面で反射した光も所定の点に近い場所を通過する。従って、光入射方向とは逆側から来る反射光を光吸収部41を通過させるように光反射曲面25を設置することができる。これによって、光吸収部41に吸収される光量を増大させて、入射光に基づく発熱量を増大させることで、熱型光検出器10Cの検出感度を向上させることができる。
(実施形態4)
次に、赤外線検出装置1を応用した1例である電子機器としてのサーモグラフィーを説明する。図11はサーモグラフィーの構成を示す概略斜視図である。図11に示すように電子機器としてのサーモグラフィー110は外装部111とレンズ部112とを備えている。そして、外装部111の内部に赤外線に感応する撮像部113を備えている。そして、撮像部113に赤外線検出装置1が用いられている。
以上述べたように、本実施形態にかかるサーモグラフィー110によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、サーモグラフィー110は、赤外線検出装置1を有している。この赤外線検出装置1は検出感度が高い為、サーモグラフィー110は感度良く光分布画像を出力することができる。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例は総て本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
実施形態1では熱型光検出器10Aは焦電型であったが、ボロメーター型の熱型光検出器に適用できる。この場合にも、感度良く検出することができる。
(変形例2)
実施形態1では熱型光検出器10Aは赤外線を検出するセンサーであったが、検出対象は赤外線に限らない。赤外線以外の波長帯域の光であっても良い。この場合にも、感度良く検出することができる。
(変形例3)
実施形態4ではサーモグラフィー110に赤外線検出装置1を搭載した例を示した。赤外線検出装置1は、サーモグラフィーの他、車載用ナイトビジョンあるいは監視カメラ等の電子機器に搭載することができる。
1…赤外線検出装置、10A,10B,10C…熱型光検出器、20…基板、22…凹部としての第2凹部、23…底面、24,25…光反射曲面、30…熱型光検出素子、32…光吸収膜、40…支持部材、41…光吸収部、41A…ドープ領域、41B…非ドープ領域、50…空洞部、110…電子機器としてのサーモグラフィー。

Claims (4)

  1. 底面が光反射曲面となる凹部を有する基板と、
    光吸収膜を含む熱型光検出素子と、
    前記熱型光検出素子を支持する支持部材と、
    を有し、
    前記基板と前記支持部材との間には空洞部が設けられ、
    前記支持部材の前記空洞部側の面の少なくとも一部には多結晶シリコンに不純物が分散した光吸収部を有し
    前記光吸収部は多結晶シリコンに不純物が分散したドープ領域と不純物を含まない非ドープ領域とのパターンを有し、
    前記光反射曲面で反射する光が前記光吸収部を照射することを特徴とする熱型光検出器。
  2. 請求項において、
    前記光反射曲面は球面、放物面、または前記球面よりも前記放物面に近づけた曲面となっていることを特徴とする熱型光検出器。
  3. 請求項1または2に記載の熱型光検出器を格子状に二次元配置したことを特徴とする熱型光検出装置。
  4. 請求項に記載の熱型光検出装置を有することを特徴とする電子機器。
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