JP2015169495A - 熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器 - Google Patents

熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器 Download PDF

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泰 土屋
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Abstract

【課題】歩留りを向上できる熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器を提供する。【解決手段】ベース部材10と、ベース部材10に立設するポスト20と、ポスト20に支持される支持部材30と、ベース部材10との間に空洞部が介在するように支持部材30に支持される熱検出素子40と、熱検出素子40上に形成されている光吸収層50と、を有する熱型光検出器1であって、支持部材30は、熱検出素子40及び光吸収層50を支持する本体部31と、ポスト20に接続する接続部32と、本体部31と接続部32との間を連結するアーム部33と、を有し、アーム部33が本体部31と連結する第1連結部33Aにおいて、アーム部33を部分的に幅広に形成する第1幅広部70を有する、という構成を採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器に関する。
特許文献1には、テラヘルツカメラ及び当該テラヘルツカメラを用いた電子機器が記載されている。近年、テラヘルツ周波数の光を用いた画像計測技術の研究開発が進められており、例えば、特定物質探知装置、偽造紙幣の判定、封筒内の薬品検出、建造物の非破壊検査等への応用が期待されている。
テラヘルツ周波数の光を検出する機器として、特許文献2に記載の熱型光検出器が知られている。熱型光検出器は、物体から放射された光を光吸収層によって吸収し、光を熱に変換し、温度の変化を熱検出素子によって検出する。熱型光検出器には、光吸収にともなう温度上昇を直接検出するサーモパイル、電気分極の変化として検出する焦電型素子、温度上昇を抵抗変化として検出するボロメーター等がある。熱型光検出器は、検出できる波長帯域が広い特徴がある。近年、半導体製造技術(MEMS技術等)を利用して、より小型の熱型光検出器を製造する試みがなされている。
このような熱型光検出器において、温度検出の感度を高めるには、熱検出素子と基板を含むベース部材とを熱的に分離して、テラヘルツ周波数の光を受光した際の熱検出素子の温度上昇幅を大きくする必要がある。このため、熱型光検出器は、熱検出素子及び光吸収層をベース部材との間に空洞部(空気断熱層)が介在するように支持部材に支持させ、ベース部材への放熱を抑えることで、テラヘルツ周波数の光を受光した際の熱検出素子の温度上昇幅を大きくするようになっている。
特開2013−134081号公報 特開2012−137366号公報
ところで、ベース部材にはポストと称される柱部材が設けられており、支持部材はポストに支持され、熱検出素子はポストに設けられたプラグを介して基板に設けられた回路に電気的に接続されている。支持部材は、ポストを介したベース部材への熱伝導を低減するべく、熱検出素子及び光吸収層を支持する本体部から、細長く熱抵抗の大きいアーム部を延出させ、ポストに接続するようになっている。
しかしながら、小型の熱型光検出器を製造する場合、支持部材は薄く形成され、内部の残留応力によって反りが生じ易くなる。そうすると、例えば、特許文献2の図1(a)の配置であれば、この残留応力によって本体部の反りが生じると、アーム部を巻き込んで引っ張ろうとする平面方向の回転応力が作用する。アーム部は、その性質上、細長く形成しなければならないため、この回転応力の大きさによっては、アーム部にクラックが生じたり、熱検出素子の配線層が断線する等して、歩留りが低下する場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、歩留りを向上できる熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明は、ベース部材と、前記ベース部材に立設する柱部材と、前記柱部材に支持される支持部材と、前記ベース部材との間に空洞部が介在するように前記支持部材に支持される熱検出素子と、前記熱検出素子上に形成されている光吸収層と、を有する熱型光検出器であって、前記支持部材は、前記熱検出素子及び前記光吸収層を支持する本体部と、前記柱部材に接続する接続部と、前記本体部と前記接続部との間を連結するアーム部と、を有し、前記アーム部が前記本体部と連結する連結部において、前記アーム部を部分的に幅広に形成する幅広部を有する、という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、支持部材において本体部と連結するアーム部の連結部が部分的に幅広に形成されるため、連結部におけるアーム部の剛性を高めることができ、残留応力による破壊を抑制することができる。また、アーム部を幅広に形成すると熱抵抗が大きくなるが、熱抵抗はアーム部の最小幅で決まるため、アーム部の幅広部分を部分的にすることで、ベース部材へのアーム部を介した熱伝導を抑えることができ、熱検出素子の検出特性の低下を防止することができる。
また、本発明においては、前記アーム部は、前記本体部に沿って屈曲する屈曲部を有しており、前記幅広部は、前記連結部において、前記屈曲部の外側に対応する前記アーム部の幅方向における一方側を部分的に幅広に形成する、という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、アーム部が本体部に沿って屈曲する屈曲部を有する場合、本体部がアーム部を巻き込んで引っ張ろうとする平面方向の回転応力が作用すると、屈曲部の外側には大きな引張応力が作用するため、連結部において、屈曲部の外側に対応するアーム部の一方側を幅広に形成することで、連結部におけるアーム部の剛性を効果的に高めることができる。
また、本発明においては、前記アーム部は、前記本体部に沿って屈曲する屈曲部を有しており、前記幅広部は、前記連結部において、前記屈曲部の内側と外側に対応する前記アーム部の幅方向における両側を部分的に幅広に形成する、という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、アーム部が本体部に沿って屈曲する屈曲部を有する場合、本体部がアーム部を巻き込んで引っ張ろうとする平面方向の回転応力が作用すると、屈曲部の外側には引張応力が作用し、また、屈曲部の内側には圧縮応力が作用するため、連結部において、屈曲部の内側と外側に対応するアーム部の両側を幅広に形成することで、連結部におけるアーム部の剛性をより高めることができる。
また、本発明においては、前記幅広部は、前記連結部において、前記本体部に近づくに従って前記アーム部の幅を漸次大きくする、という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、連結部においてアーム部の幅が本体部に近づくに従って漸次大きくなるため、アーム部の根元付近における応力集中を緩和することができる。
また、本発明においては、前記アーム部が前記接続部と連結する第2連結部において、前記アーム部を部分的に幅広に形成する第2幅広部を有する、という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、支持部材において接続部と連結するアーム部の第2連結部が部分的に幅広に形成されるため、第2連結部におけるアーム部の剛性を高めることができ、残留応力による破壊を抑制することができる。また、アーム部を幅広に形成すると熱抵抗が大きくなるが、熱抵抗はアーム部の最小幅で決まるため、アーム部の幅広部分を部分的にすることで、ベース部材へのアーム部を介した熱伝導を抑えることができ、熱検出素子の検出特性の低下を防止することができる。
また、本発明においては、前記アーム部は、前記本体部に沿って屈曲する屈曲部を有しており、前記第2幅広部は、前記第2連結部において、前記屈曲部の外側に対応する前記アーム部の幅方向における一方側を部分的に幅広に形成する、という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、アーム部が本体部に沿って屈曲する屈曲部を有する場合、本体部がアーム部を巻き込んで引っ張ろうとする平面方向の回転応力が作用すると、屈曲部の外側には大きな引張応力が作用するため、第2連結部において、屈曲部の外側に対応するアーム部の一方側を幅広に形成することで、第2連結部におけるアーム部の剛性を効果的に高めることができる。
また、本発明においては、前記アーム部は、前記本体部に沿って屈曲する屈曲部を有しており、前記第2幅広部は、前記第2連結部において、前記屈曲部の内側と外側に対応する前記アーム部の幅方向における両側を部分的に幅広に形成する、という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、アーム部が本体部に沿って屈曲する屈曲部を有する場合、本体部がアーム部を巻き込んで引っ張ろうとする平面方向の回転応力が作用すると、屈曲部の外側には引張応力が作用し、また、屈曲部の内側には圧縮応力が作用するため、第2連結部において、屈曲部の内側と外側に対応するアーム部の両側を幅広に形成することで、第2連結部におけるアーム部の剛性をより高めることができる。
また、本発明においては、前記第2幅広部は、前記第2連結部において、前記接続部に近づくに従って前記アーム部の幅を漸次大きくする、という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、第2連結部においてアーム部の幅が接続部に近づくに従って漸次大きくなるため、アーム部の根元付近における応力集中を緩和することができる。
また、本発明においては、先に記載の熱型光検出器が複数、2次元配置されている、ことを特徴とする熱型光検出装置という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、複数の熱型光検出器(熱型光検出素子)が2次元に配置された(例えば、直交2軸の各々に沿ってアレイ状に配置された)、熱型光検出装置(熱型光アレイセンサー)が得られる。
また、本発明においては、先に記載の熱型光検出器または熱型光検出装置を有する、ことを特徴とする電子機器という構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、先に記載の熱型光検出器また熱型光検出装置は、光の検出感度が高いため、この熱型光検出器を搭載する電子機器の性能が高まる。電子機器としては、例えば、赤外線センサー装置、サーモグラフィー装置、車載用夜間カメラや監視カメラ等が挙げられる。
本発明の第1実施形態における熱型光検出器の平面図である。 図1におけるA−A線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態における熱型光検出器の製造方法における主要な工程を経時的に示す図である。 本発明の第1実施形態における熱型光検出器の製造方法における主要な工程を経時的に示す図である。 本発明の第1実施形態における熱型光検出器の製造方法における主要な工程を経時的に示す図である。 本発明の第1実施形態における熱型光検出器の製造方法における主要な工程を経時的に示す図である。 本発明の第2実施形態における熱型光検出器の平面図である。 本発明の第3実施形態における熱型光検出装置の示す平面図である。 本発明の第4実施形態における電子機器の構成図である。 本発明の第4実施形態における電子機器のセンサーデバイスの構成図である。 本発明の第4実施形態における電子機器としてのテラヘルツカメラの構成図である。
以下、本発明に係る各実施形態について、図を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における熱型光検出器1の平面図である。図2は、図1におけるA−A線に沿う断面図である。
図1及び図2に示す熱型光検出器1は、焦電型赤外線検出器(光センサーの一種)である。この熱型光検出器1は、光吸収層50における光吸収によって発生する熱を、熱検出素子40(本実施形態では焦電キャパシター)において電気信号に変換するものである。熱型光検出器1は、これら光吸収層50及び熱検出素子40によって、受光した光の強度に対応する検出信号(電気信号)を出力する構成となっている。
熱型光検出器1は、図1に示すように、ベース部材10と、ポスト20(柱部材)と、を有し、また、図2に示すように、支持部材30と、熱検出素子40と、光吸収層50と、を有する。
ベース部材10は、図2に示すように、基板11と、基板11上に形成されるスペーサー層12と、を含む。基板11は、例えば、シリコン基板から形成されている。この基板11には、不図示の電気回路が設けられており、ポスト20(図1参照)を介して熱検出素子40と電気的に接続される構成となっている。
スペーサー層12は、絶縁層であって、例えば、SiO等によって形成されている。このスペーサー層12上には、エッチングストッパー膜13aが形成されている。エッチングストッパー膜13aは、空洞部60を形成するために犠牲層14(後述する図6参照)を除去する工程において、エッチングの対象外の層が除去されるのを防止するものである。エッチングストッパー膜13aは、例えば、SiやAl等によって形成されている。なお、支持部材30の下面にも、エッチングストッパー膜13aと同構成のエッチングストッパー膜13bが形成されている。
ポスト20は、ベース部材10から柱状に立設するものである。本実施形態のポスト20は、図1に示すように2本設けられ、支持部材30を2点で支持する構成となっている。ポスト20には、熱検出素子40と電気的に接続されるプラグ21が配置されている。プラグ21は、基板11に設けられた不図示の電気回路に接続される。このポスト20は、SiO等によって形成されている犠牲層14をパターンエッチングすることで選択的に形成され、空洞部60と同時に形成される。
支持部材30(メンブレン)は、図1に示すように、2本のポスト20に支持されるものである。支持部材30は、熱検出素子40及び光吸収層50を支持する本体部31と、ポスト20に接続する接続部32と、本体部31と接続部32との間を連結するアーム部33(33a,33b)と、を有する。アーム部33は、本体部31の縁部から2本延出され、熱検出素子40を熱分離するために、細幅でかつ冗長に形成されている。
アーム部33(33a,33b)上には、配線層41(41a,41b)が形成されている。配線層41aは、熱検出素子40の第1電極42に接続されており、アーム部33aに沿って延設され、ポスト20を介して基板11内の電気回路に接続されている。また、配線層41bは、熱検出素子40の第2電極43に接続されており、アーム部33bに沿って延設され、ポスト20を介して基板11内の電気回路に接続されている。配線層41(41a,41b)も、熱検出素子40を熱分離するために、細幅でかつ冗長に形成されている。
支持部材30は、例えば、酸化シリコン膜(SiO)/窒化シリコン膜(SiN)/酸化シリコン膜(SiO)の3層の積層膜をパターニングすることによって形成することができる。支持部材30を積層構造とすることにより、例えば、中間層である窒化膜が有する強い引張残留応力を、上下2層の酸化膜が有する圧縮残留応力によって相殺するように作用させて、支持部材30に反りを生じさせる残留応力を低減できる。この支持部材30は、熱検出素子40及び光吸収層50を安定的に支持するために、支持部材30のトータルの厚みは、必要な機械強度を満足する厚みを有する。なお、支持部材30は必ずしも積層構造でなくてもよく、SiO層(第1絶縁層)の単層にて形成してもよい。
熱検出素子40は、図2に示すように、ベース部材10との間に空洞部60が介在するように支持部材30に支持される。熱検出素子40は、第1電極42(下部電極)と、第2電極43(上部電極)と、第1電極42と第2電極43との間に設けられた焦電体44と、を含む。第1電極42及び第2電極43は共に、例えば、3層の金属膜を積層することによって形成することができる。例えば、焦電体44から遠い位置から順に、例えばスパッタリングにて形成されるイリジウム(Ir)、イリジウム酸化物(IrO)及びプラチナ(Pt)の三層構造とすることができる。
焦電体44は、例えば、PZT(Pb(Zi,Ti)O:チタン酸ジルコン酸鉛)で形成することができる。この焦電体44に熱が伝達されると、焦電効果(パイロ電子効果)によって、焦電体44の電気分極量の変化が生じる。この電気分極量の変化に伴う電流を検出することによって、入射した光の強度を検出することができる。焦電体44は、例えば、スパッタリング法やMOCVD法等で成膜することができる。
本実施形態の熱検出素子40は、厚みや形成材料によって、支持部材30と接する第1電極42の熱抵抗を、第2電極43の熱抵抗よりも大きくしている。この構成によれば、熱が第2電極43を介して焦電体44に伝達されやすく、しかも、焦電体44の熱が第1電極42を介して支持部材30に逃げ難くなり、熱検出素子40の感度が向上する。
熱検出素子40は、保護膜45aによって覆われている。また、熱検出素子40は、保護膜45aの外側が絶縁層46によって覆われている。一般に、絶縁層46の原料ガス(TEOS)が化学反応する際には、水素ガスや水蒸気等の還元ガスが発生する。保護膜45aは、この絶縁層46の形成中に発生する還元ガスから熱検出素子40を保護するものである。この保護膜45aは、例えば、Al等によって形成されている。なお、支持部材30の一部、配線層41及び光吸収層50、も、保護膜45aと同構成の保護膜45bによって覆われている。
絶縁層46上には、配線層41(41a,41b)が配線される。絶縁層46には、コンタクトホール47(47a,47b)が形成されている。図2に示すように、コンタクトホール47は、保護膜45にも同様に貫通して形成されている。図1に示すように、配線層41aは、コンタクトホール47aを介して、第1電極42と導通する。また、配線層41bは、コンタクトホール47bを介して、第2電極43と導通する。
光吸収層50は、絶縁層46に覆われた熱検出素子40上に形成されている。光吸収層50は、入射した光を吸収して発熱するものであり、例えば、SiO等によって形成されている。第2電極43をPt等の金属にて形成すると、第2電極43の上面を反射面とすることができる。この場合、光吸収層50の上面から第2電極43の上面までの距離Lをλ/4(λは入射する光の波長)とすることで、波長λの光が多重反射される光共振器(λ1/4光共振器)を構成することができる。これにより、光吸収層50は、波長λの光を効率よく吸収することができる。
上記構成の熱型光検出器1は、熱検出素子40が第1電極42と第2電極43との間に焦電体44を有し、支持部材30によってベース部材10との間に空洞部60が介在するように支持される。そして、光吸収層50に光が入射すると、光が共振等して光吸収層50が発熱し、焦電体44に熱が伝達される。焦電体44では、焦電効果(パイロ電子効果)によって電気分極量の変化が生じ、この電気分極量の変化に伴う電流が配線層41(41a,41b)を介して基板11の電気回路に流れ、その電流を検出することによって、入射した光の強度を検出することができる。
この熱型光検出器1は、上述のように支持部材30が残留応力を有する。この残留応力によって本体部31の反りが生じると、図1に示すように、アーム部33を巻き込んで引っ張ろうとする平面方向の回転応力Sが作用する。アーム部33は、その性質上、細長く形成しなければならないため、この回転応力Sの大きさによっては、アーム部33にクラックが生じたり、熱検出素子40の配線層41が断線する場合がある。
このため、熱型光検出器1は、図1に示すように、支持部材30のアーム部33を部分的に幅広に形成する第1幅広部70及び第2幅広部80を有する。
第1幅広部70(幅広部)は、アーム部33が本体部31と連結する第1連結部33A(連結部)において、アーム部33を部分的に幅広に形成するものである。第1幅広部70は、アーム部33を部分的に拡張した拡張部71a,71bを有する。拡張部71a,71bは、本体部31とアーム部33との間に跨って一体で形成されるものであり、支持部材30と同一の材料及び同一の厚みで形成されている。本実施形態の拡張部71a,71bは、平面視で矩形状に形成されている。この拡張部71a,71bによって、第1連結部33Aの幅は、アーム部33の中間部における幅より大きく形成されるようになっている。
アーム部33は、本体部31に沿って屈曲する屈曲部33Cを有する。すなわち、アーム部33は、平面視で矩形状に形成された本体部31から、その任意の一辺に平行な方向に延出した後、直角に屈曲し、本体部31の当該一辺に隣接する他の一辺に平行な方向に延びて接続部32に接続されている。このように、平面視でL字状に形成されたアーム部33a,33bは、本体部31の中心に対して点対称に形成されている。
第1幅広部70の拡張部71aは、第1連結部33Aにおいて、屈曲部33Cの外側33C1に対応するアーム部33の幅方向における一方側を部分的に幅広に形成するものである。また、第1幅広部70の拡張部71bは、第1連結部33Aにおいて、屈曲部33Cの内側33C2に対応するアーム部33の幅方向における他方側を部分的に幅広に形成するものである。このように、本実施形態では、第1幅広部70は、第1連結部33Aにおいて、屈曲部33Cの内側33C2と外側33C1に対応するアーム部33の幅方向における両側を部分的に幅広に形成する構成となっている。
第2幅広部80は、アーム部33が接続部32と連結する第2連結部33Bにおいて、アーム部33を部分的に幅広に形成するものである。第2幅広部80は、アーム部33を部分的に拡張した拡張部81a,81bを有する。拡張部81a,81bは、接続部32とアーム部33との間に跨って一体で形成されるものであり、支持部材30と同一の材料及び同一の厚みで形成されている。本実施形態の拡張部81a,81bは、平面視で矩形状に形成されている。この拡張部81a,81bによって、第1連結部33Aの幅は、アーム部33の中間部における幅より大きく形成されるようになっている。
第2幅広部80の拡張部81aは、第1連結部33Aにおいて、屈曲部33Cの外側33C1に対応するアーム部33の幅方向における一方側を部分的に幅広に形成するものである。また、第2幅広部80の拡張部81bは、第1連結部33Aにおいて、屈曲部33Cの内側33C2に対応するアーム部33の幅方向における他方側を部分的に幅広に形成するものである。このように、本実施形態では、第2幅広部80は、第1連結部33Aにおいて、屈曲部33Cの内側33C2と外側33C1に対応するアーム部33の幅方向における両側を部分的に幅広に形成する構成となっている。
続いて、上記構成の熱型光検出器1の製造方法について、図3〜図6を参照して説明する。
図3〜図6は、本発明の第1実施形態における熱型光検出器1の製造方法における主要な工程を経時的に示す図である。
先ず、図3(a)に示すように、基板11の上に、スペーサー層12を形成する。さらに、スペーサー層12の上に、エッチングストッパー膜13aを形成し、さらに、犠牲層14、エッチングストッパー膜13bを形成する(ベース部材形成工程)。エッチングストッパー膜13a,13bの形成方法として、例えば、原子の大きさレベルで膜厚が調整できる原子層化学気相成長(ALCVD)法を用いることができる。
次に、図3(b)に示すように、エッチングストッパー膜13bの上に、支持部材30となる3層積層膜を形成する(メンブレン形成工程)。
次に、図4(a)に示すように、支持部材30に、第1電極42、焦電体44、第2電極43を積層形成して、熱検出素子40を形成すると共に、保護膜45a及び絶縁層46を形成する(焦電キャパシター形成工程)。熱検出素子40の形成方法として、例えば、原子層化学気相成長(ALCVD)法を用いることができる。また、保護膜45aの形成方法として、例えば、原子層化学気相成長(ALCVD)法を用いることができる。また、絶縁層46の形成方法として、例えば、通常のCVD法を用いることができる。
次に、図4(b)に示すように、熱検出素子40の第1電極42と第2電極43にそれぞれコンタクトホール47(47a,47b)を形成し、また、配線層41(41a,41b)を形成する(配線層形成工程)。保護膜45aは、絶縁層46にコンタクトホール47を形成する際、還元ガスが熱検出素子40に侵入することを防止する。
次に、図5(a)に示すように、光吸収層50を形成し、パターニングする(光吸収層形成工程)。光吸収層50の形成方法として、例えば、通常のCVD法を用いることができる。また、光吸収層50の表面を、例えば、CMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)によって平坦化してもよい。
次に、図5(b)に示すように、支持部材30をパターニングし、本体部31、接続部32、アーム部33を形成する(メンブレン加工工程)。この工程において、第1幅広部70の拡張部71a,71b及び第2幅広部80の拡張部81a,81bもパターニングによって同時に形成する。
次に、図6(a)に示すように、犠牲層14をエッチングする際の保護膜45bを形成し、犠牲層14をウエットエッチングする(犠牲層エッチング工程)。犠牲層14をウエットエッチングする際、エッチングストッパー膜13aはスペーサー層12を保護し、エッチングストッパー膜13bは支持部材30を保護する。
最後に、図6(b)に示すように、ウエットエッチングによって犠牲層14を除去することで、空洞部60を形成する(空洞加工工程)。また、犠牲層14を選択的に除去することで、空洞部60と同時にポスト20も形成する。空洞部60によって、支持部材30はベース部材10から分離され、支持部材30を経由した放熱が抑制される。このようにして、熱型光検出器1が製造される。
この熱型光検出器1は、図1に示すように、アーム部33が本体部31と連結する第1連結部33Aにおいて、アーム部33を部分的に幅広に形成する第1幅広部70を有する。この構成によれば、支持部材30において本体部31と連結するアーム部33の第1連結部33Aが部分的に幅広に形成されるため、第1連結部33Aにおけるアーム部33の剛性を高めることができ、上記製造工程において生じた支持部材30の残留応力による破壊を抑制することができる。また、アーム部33を幅広に形成すると熱抵抗が大きくなるが、熱抵抗はアーム部33の最小幅で決まるため、アーム部33の幅広部分を部分的にすることで、ベース部材10へのアーム部33を介した熱伝導を抑えることができ、熱検出素子40の検出特性の低下を防止することができる。
また、第1幅広部70は、第1連結部33Aにおいて、屈曲部33Cの内側33C2と外側33C1に対応するアーム部33の幅方向における両側を部分的に幅広に形成する構成となっている。本実施形態のように、アーム部33が本体部31に沿って屈曲する屈曲部33Cを有する場合、本体部31がアーム部33を巻き込んで引っ張ろうとする平面方向の回転応力Sが作用すると、屈曲部33Cの外側33C1には引張応力が作用し、また、屈曲部33Cの内側33C2には圧縮応力が作用する。このため、第1連結部33Aにおいて、屈曲部33Cの内側33C2と外側33C1に対応するアーム部33の両側を幅広に形成することで、第1連結部33Aにおけるアーム部33の剛性をより高めることができる。
さらに、熱型光検出器1は、アーム部33が接続部32と連結する第2連結部33Bにおいて、アーム部33を部分的に幅広に形成する第2幅広部80を有する。この構成によれば、上記第1連結部33Aと同様に、第2連結部33Bにおけるアーム部33の剛性を高めることができ、残留応力による破壊を抑制することができる。
また、第2幅広部80は、第2連結部33Bにおいて、屈曲部33Cの内側33C2と外側33C1に対応するアーム部33の幅方向における両側を部分的に幅広に形成する構成となっており、屈曲部33Cの存在による引張応力と圧縮応力に対応でき、第2連結部33Bにおけるアーム部33の剛性をより高めることができる。
したがって、上述した本実施形態によれば、ベース部材10と、ベース部材10に立設するポスト20と、ポスト20に支持される支持部材30と、ベース部材10との間に空洞部60が介在するように支持部材30に支持される熱検出素子40と、熱検出素子40上に形成されている光吸収層50と、を有する熱型光検出器1であって、支持部材30は、熱検出素子40及び光吸収層50を支持する本体部31と、ポスト20に接続する接続部32と、本体部31と接続部32との間を連結するアーム部33と、を有し、アーム部33が本体部31と連結する第1連結部33Aにおいて、アーム部33を部分的に幅広に形成する第1幅広部70を有する、という構成を採用することによって、アーム部33にクラックが生じたり、熱検出素子40の配線層41が断線したりすることを効果的に抑制できるため、歩留りを向上できる熱型光検出器1が得られる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7は、本発明の第2実施形態における熱型光検出器1の平面図である。
第2実施形態では、図7に示すように、第1幅広部70及び第2幅広部80の構成が、上記実施形態と異なる。
第2実施形態の第1幅広部70は、第1連結部33Aにおいて、本体部31に近づくに従ってアーム部33の幅を漸次大きくする構成となっている。この第1幅広部70は、アーム部33を部分的に拡張した拡張部72a,72bを有する。拡張部72a,72bは、本体部31とアーム部33との間に跨って一体で形成されるものであり、支持部材30と同一の材料及び同一の厚みで形成されている。本実施形態の拡張部72a,72bは、それぞれ平面視で直角三角形状に形成されている。この拡張部72a,72bによって、第1連結部33Aの幅は、アーム部33の中間部における幅より大きく形成されるようになっている。この第1幅広部70は、上述したメンブレン加工工程のパターニングにて形成することができる。
また、第2実施形態の第2幅広部80は、第2連結部33Bにおいて、接続部32に近づくに従ってアーム部33の幅を漸次大きくする構成となっている。この第2幅広部80は、アーム部33を部分的に拡張した拡張部82a,82bを有する。拡張部82a,82bは、接続部32とアーム部33との間に跨って一体で形成されるものであり、支持部材30と同一の材料及び同一の厚みで形成されている。本実施形態の拡張部82a,82bは、それぞれ平面視で直角三角形状に形成されている。この拡張部82a,82bによって、第2連結部33Bの幅は、アーム部33の中間部における幅より大きく形成されるようになっている。この第2幅広部80は、上述したメンブレン加工工程のパターニングにて形成することができる。
上記構成の第2実施形態によれば、第1連結部33Aにおいてアーム部33の幅が本体部31に近づくに従って漸次大きくなるため、アーム部33の根元付近における応力集中を緩和することができる。したがって、第1連結部33Aにおけるアーム部33の剛性を高めることができ、上記製造工程において生じた支持部材30の残留応力による破壊を抑制することができる。
さらに、上記構成の第2実施形態によれば、第2連結部33Bにおいてアーム部33の幅が接続部32に近づくに従って漸次大きくなるため、アーム部33の先端付近における応力集中を緩和することができる。したがって、上記第1連結部33Aと同様に、第2連結部33Bにおけるアーム部33の剛性を高めることができ、残留応力による破壊を抑制することができる。
したがって、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態における作用効果が得られると共に、さらに、アーム部33の根元付近に応力集中を緩和することができるため、アーム部33にクラックが生じたり、熱検出素子40の配線層41が断線したりすることをより効果的に抑制できる。このため、第2実施形態では、歩留りをより向上できる熱型光検出器1が得られる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図8は、本発明の第3実施形態における熱型光検出装置100の示す平面図である。
図8に示すように、熱型光検出装置100は、複数の熱型光検出器1が2次元配置されて構成されている。
熱型光検出装置100において、熱型光検出器1はセル単位で設けられ、2軸方向例えば直交2軸方向に配列されている。なお、1セル分のみの熱型光検出器1にて熱型光検出装置100が構成されても良い。ベース部材10からから複数のポスト20が立設され、例えば2本のポスト20に支持された1セル分の熱型光検出器1が、直交2軸方向に配列されている。1セル分の熱型光検出器1が占める領域は、例えば100×100μmである。
熱型光検出器1は、2本のポスト20に連結された支持部材30と、熱検出素子40及び光吸収層50と、を含んでいる。1セル分の熱型光検出器1が占める領域は、例えば80×80μmである。1セル分の熱型光検出器1は、2本のポスト20と接続される以外は非接触とされ、熱型光検出器1の下方には空洞部60(図2参照)が形成され、平面視で熱型光検出器1の周囲には、空洞部60に連通する開口部101が配置される。これにより、1セル分の熱型光検出器1は、ベース部材10や他のセルの熱型光検出器1から熱的に分離されている。
上記構成の第3実施形態によれば、複数の熱型光検出器1が2次元的に配置された(例えば、直交2軸(X軸およびY軸)の各々に沿ってアレイ状に配置された)、熱型光検出装置100(熱型光アレイセンサー)が実現される。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、本発明の第4実施形態における電子機器200の構成図である。図10は、本発明の第4実施形態における電子機器200のセンサーデバイス410の構成図である。図11は、本発明の第4実施形態における電子機器200としてのテラヘルツカメラ1000の構成図である。
図9に示すように、電子機器200は、熱型光検出器1または熱型光検出装置100からなるセンサーデバイス410を有する。
電子機器200は、光学系400、センサーデバイス410、画像処理部420、処理部430、記憶部440、操作部450、表示部460を含む。なお、本実施形態の電子機器200は図9の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば光学系、操作部、表示部等)を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
光学系400は、例えば1又は複数のレンズや、これらのレンズを駆動する駆動部などを含む。そしてセンサーデバイス410への物体像の結像などを行う。また、必要であればフォーカス調整なども行う。
センサーデバイス410は、上述した本実施形態の熱型光検出器1を二次元配列させて構成され、複数の行線(ワード線、走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。センサーデバイス410は、二次元配列された検出器に加えて、行選択回路(行ドライバー)と、列線を介して検出器からのデータを読み出す読み出し回路と、A/D変換部等を含むことができる。二次元配列された各検出器からのデータを順次読み出すことで、物体像の撮像処理を行うことができる。
画像処理部420は、センサーデバイス410からのデジタルの画像データ(画素データ)に基づいて、画像補正処理などの各種の画像処理を行う。
処理部430は、電子機器200の全体の制御や、電子機器200内の各ブロックの制御を行う。この処理部430は、例えばCPU等により実現される。記憶部440は、各種の情報を記憶するものであり、例えば処理部430や画像処理部420のワーク領域として機能する。操作部450は、ユーザーが電子機器200を操作するためのインターフェースとなるものであり、例えば各種ボタンやGUI(Graphical User Interface)画面などにより実現される。表示部460は、例えばセンサーデバイス410により取得された画像やGUI画面などを表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの各種のディスプレイにより実現される。
このように、1セル分の熱型光検出器1をセンサーとして用いる他、1セル分の熱型光検出器1を二軸方向例えば直交二軸方向に二次元配置することでセンサーデバイス410を構成することができ、こうすると電磁波に起因する熱分布画像を提供することができる。このセンサーデバイス410を用いて、特定物質探知装置、偽造紙幣の判定、封筒内の薬品検出、建造物の非破壊検査などのテラヘルツカメラを用いる電子機器200を構成することができる。
図10(a)に図9のセンサーデバイス410の構成例を示す。このセンサーデバイスは、センサーアレイ500と、行選択回路(行ドライバー)510と、読み出し回路520を含む。またA/D変換部530、制御回路550を含むことができる。このセンサーデバイスを用いることで、高性能なテラヘルツカメラを実現できる。
センサーアレイ500には、例えば図8に示すように二軸方向に複数のセンサーセルが配列(配置)される。また複数の行線(ワード線、走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。なお行線及び列線の一方の本数が1本であってもよい。例えば行線が1本である場合には、図10(a)において行線に沿った方向(横方向)に複数のセンサーセルが配列される。一方、列線が1本である場合には、列線に沿った方向(縦方向)に複数のセンサーセルが配列される。
図10(b)に示すように、センサーアレイ500の各センサーセルは、各行線と各列線の交差位置に対応する場所に配置(形成)される。例えば図10(b)のセンサーセルは、行線WL1と列線DL1の交差位置に対応する場所に配置されている。他のセンサーセルも同様である。
行選択回路510は、1又は複数の行線に接続される。そして各行線の選択動作を行う。例えば図10(b)のようなQVGA(320×240画素)のセンサーアレイ500(焦点面アレイ)を例にとれば、行線WL0、WL1、WL2・・・・WL239を順次選択(走査)する動作を行う。即ちこれらの行線を選択する信号(ワード選択信号)をセンサーアレイ500に出力する。
読み出し回路520は、1又は複数の列線に接続される。そして各列線の読み出し動作を行う。QVGAのセンサーアレイ500を例にとれば、列線DL0、DL1、DL2・・・・DL319からの検出信号(検出電流、検出電荷)を読み出す動作を行う。
A/D変換部530は、読み出し回路520において取得された検出電圧(測定電圧、到達電圧)をデジタルデータにA/D変換する処理を行う。そしてA/D変換後のデジタルデータDOUTを出力する。具体的には、A/D変換部530には、複数の列線の各列線に対応して各A/D変換器が設けられる。そして、各A/D変換器は、対応する列線において読み出し回路520により取得された検出電圧のA/D変換処理を行う。なお、複数の列線に対応して1つのA/D変換器を設け、この1つのA/D変換器を用いて、複数の列線の検出電圧を時分割にA/D変換してもよい。
制御回路550(タイミング生成回路)は、各種の制御信号を生成して、行選択回路510、読み出し回路520、A/D変換部530に出力する。例えば充電や放電(リセット)の制御信号を生成して出力する。或いは、各回路のタイミングを制御する信号を生成して出力する。
図11は、本実施形態のセンサーデバイス410を含むテラヘルツカメラ1000である。前述のセンサーデバイス410の光吸収層50の電磁波吸収材は、その吸収波長がテラヘルツ波で最適になるように設定されており、テラヘルツ光照射ユニットと組み合わせてテラヘルツカメラ1000を構成した例を示す。
テラヘルツカメラ1000は、制御ユニット1010と、照射光ユニット1020と、光学フィルター1030と、撮像ユニット1040と、表示部1050とを備えて構成されている。撮像ユニット1040は、図示しないレンズなどの光学系と前述の熱型光検出器1の光吸収層50の電磁波吸収材の吸収波長をテラヘルツ域で最適化したセンサーデバイスを含んで構成されている。
制御ユニット1010は、本装置全体を制御するシステムコントローラーを含み、該システムコントローラーは制御ユニットに含まれる光源駆動部および画像処理ユニットを制御する。照射光ユニット1020は、テラヘルツ光(波長が100μm〜1000μmの範囲にある電磁波を指す。)出射するレーザー装置と光学系を含み、テラヘルツ光を検査対象の人物1060に照射する。人物1060からの反射テラヘルツ光は、探知対象である特定物質1070の分光スペクトルのみを通過させる光学フィルター1030を介して撮像ユニット1040に受光される。撮像ユニット1040で生成された画像信号は、制御ユニット1010の画像処理ユニットで所定の画像処理が施され、その画像信号が表示部1050へ出力される。そして人物1060の衣服内等に特定物質1070が存在するか否かにより受光信号の強度が異なるので特定物質1070の存在が判別できる。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
例えば、上記実施形態では、第1連結部33A及び第2連結部33Bにおいて、アーム部33を部分的に幅広に形成すると説明したが、第1連結部33A及び第2連結部33Bの一方のみを幅広に形成する構成であってもよい。
また、例えば、上記実施形態では、第1幅広部70及び第2幅広部80は、第1連結部33A及び第2連結部33Bにおいて、屈曲部33Cの内側33C2及び外側33C1に対応するアーム部33の幅方向における両側を部分的に幅広に形成すると説明したが、アーム部33の幅方向における一方側(片側)のみを部分的に幅広に形成する構成であってもよい。アーム部33が本体部31に沿って屈曲する屈曲部33Cを有する場合、本体部31がアーム部33を巻き込んで引っ張ろうとする平面方向の回転応力Sが作用すると、屈曲部33Cの外側33C1には大きな引張応力が作用するため、屈曲部33Cの外側33C1に対応するアーム部33の幅方向における一方側を部分的に幅広に形成することが好ましい。この構成によれば、第1連結部33A及び第2連結部33Bにおけるアーム部33の剛性を効果的に高めることができる。
また、本発明は、種々の熱型光検出器1に広く適用することができる。なお、検出する電磁波の波長は、特にテラヘルツ波である場合に有効な技術である。電子機器の応用例としては、例えば、赤外線センサー装置、サーモグラフィー装置、車載用夜間カメラや監視カメラ等が挙げられる。
1 熱型光検出器
10 ベース部材
20 ポスト(柱部材)
30 支持部材
31 本体部
32 接続部
33(33a,33b) アーム部
33A 第1連結部(連結部)
33B 第2連結部
33C 屈曲部
33C1 外側
33C2 内側
40 熱検出素子
50 光吸収層
60 空洞部
70 第1幅広部(幅広部)
80 第2幅広部
100 熱型光検出装置
200 電子機器
1000 テラヘルツカメラ(電子機器)

Claims (10)

  1. ベース部材と、前記ベース部材に立設する柱部材と、前記柱部材に支持される支持部材と、前記ベース部材との間に空洞部が介在するように前記支持部材に支持される熱検出素子と、前記熱検出素子上に形成されている光吸収層と、を有する熱型光検出器であって、
    前記支持部材は、前記熱検出素子及び前記光吸収層を支持する本体部と、前記柱部材に接続する接続部と、前記本体部と前記接続部との間を連結するアーム部と、を有し、
    前記アーム部が前記本体部と連結する連結部において、前記アーム部を部分的に幅広に形成する幅広部を有する、ことを特徴とする熱型光検出器。
  2. 前記アーム部は、前記本体部に沿って屈曲する屈曲部を有しており、
    前記幅広部は、前記連結部において、前記屈曲部の外側に対応する前記アーム部の幅方向における一方側を部分的に幅広に形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の熱型光検出器。
  3. 前記アーム部は、前記本体部に沿って屈曲する屈曲部を有しており、
    前記幅広部は、前記連結部において、前記屈曲部の内側と外側に対応する前記アーム部の幅方向における両側を部分的に幅広に形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の熱型光検出器。
  4. 前記幅広部は、前記連結部において、前記本体部に近づくに従って前記アーム部の幅を漸次大きくする、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱型光検出器。
  5. 前記アーム部が前記接続部と連結する第2連結部において、前記アーム部を部分的に幅広に形成する第2幅広部を有する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱型光検出器。
  6. 前記アーム部は、前記本体部に沿って屈曲する屈曲部を有しており、
    前記第2幅広部は、前記第2連結部において、前記屈曲部の外側に対応する前記アーム部の幅方向における一方側を部分的に幅広に形成する、ことを特徴とする請求項5に記載の熱型光検出器。
  7. 前記アーム部は、前記本体部に沿って屈曲する屈曲部を有しており、
    前記第2幅広部は、前記第2連結部において、前記屈曲部の内側と外側に対応する前記アーム部の幅方向における両側を部分的に幅広に形成する、ことを特徴とする請求項5に記載の熱型光検出器。
  8. 前記第2幅広部は、前記第2連結部において、前記接続部に近づくに従って前記アーム部の幅を漸次大きくする、ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の熱型光検出器。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱型光検出器が複数、2次元配置されている、ことを特徴とする熱型光検出装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱型光検出器または請求項9に記載の熱型光検出装置を有する、ことを特徴とする電子機器。
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