JP2012037407A - 焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器 - Google Patents

焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 焦電型検出素子の焦電体での焦電効果を高めて、検出精度を向上できる焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】 焦電型検出器200A〜200Cは、第1電極234と、第2電極236と、それら電極間に配置された焦電体232とから成り、温度に基づいて分極量が変化するキャパシター230を含む焦電型検出素子220A〜220Cを有する。焦電型検出素子を搭載する支持部材210は、第1面211Aと、第1面に対向する第2面211Bとを含み、第2面が空洞部102に臨んで配置され、第1面が第1電極234と接する。支持部110は、支持部材の第2面の一部を支持する。焦電型検出素子が光吸収体(232,236または290)を含み、光の入射経路A,Cにて光吸収体よりも上流側に配置される導電部材(224,228または234または236)が、光を透過する光透過性導電材料にて形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器等に関する。
焦電型検出装置として、焦電型またはボロメーター型の赤外線検出装置が知られている。赤外線検出装置は、受光した赤外線の光量(温度)によって焦電体材料の自発分極量が変化すること(焦電効果またはパイロ電子効果)を利用して焦電体の両端に起電力(分極による電荷)を生じさせるか(焦電型)、または温度によって抵抗値を変化させて(ボロメーター型)、赤外線を検出している。焦電型赤外線検出装置は、ボロメーター型赤外線検出装置と比較して、製造工程が複雑である反面、検出感度が優れるという利点がある。
焦電型赤外線検出装置のセルは、上部電極と下部電極とに接続された焦電体を含むキャパシターを有し、電極や焦電体の材料に関して、各種の提案がなされている(特許文献1)。
また、上部電極と下部電極とに接続された強誘電体を含むキャパシターは強誘電体メモリに用いられており、強誘電体メモリに適した電極や強誘電体の材料に関しても、各種の提案がなされている(特許文献2,3)。ボロメーター型赤外線検出器として、特許文献4には赤外線を吸収する構造が開示されている。
特開2008−232896号公報 特開2009−71242号公報 特開2009−129972号公報 特許第3574368号
焦電型でもボロメーター型でも、赤外線検出装置では入射された赤外線を効率よく吸収して得た熱を検出素子に効率よく伝達することが、測定精度の向上につながる。ボロメーター型赤外線検出装置を開示した特許文献4の図21及び図22では、ボロメーター薄膜を含む検出部の裏面側にて空洞部を介して反射膜が配置され、検出部と反射膜との距離をλ/4(λは入射波長)として光学的共振構造としている。また、特許文献の図1等では、検出部よりも赤外線入射側に平板状の赤外線吸収部を設け、検出部と赤外線吸収部とを接合柱にて連結している。
特許文献4の技術を焦電型赤外線検出器に応用すると、焦電型検出素子は2つの電極間に焦電材料を挟んだキャパシター構造を有するので、キャパシターの裏側の反射膜に赤外線はほとんど到達せず、むしろキャパシター中の電極で反射されてしまう。
また、検出部と赤外線吸収部とを接合柱にて連結すると、垂直に起立する接合柱は赤外線の吸収にほとんど寄与せず、しかも赤外線吸収部と検出部との間の唯一の伝熱経路である接合柱の横断面積が小さいために伝熱性も劣り、伝熱損失が生ずる。
本発明の幾つかの態様では、焦電型検出素子の焦電体での焦電効果を高めて、検出精度を向上できる焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器を提供することにある。
(1)本発明の一態様に係る焦電型検出器は、
第1電極と、第2電極と、前記第1,第2電極間に配置された焦電体とから成り、温度に基づいて分極量が変化するキャパシターを含む焦電型検出素子と、
第1面と、前記第1面に対向する第2面とを含み、前記第2面が空洞部に臨んで配置され、前記第1面が前記第1電極と接して前記焦電型検出素子を搭載する支持部材と、
前記支持部材の前記第2面の一部を支持する支持部と、
を有し、
前記焦電型検出素子が光吸収体を含み、
光の入射経路にて前記光吸収体よりも上流側に配置される導電部材が、前記光を透過する光透過性導電材料にて形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様では、赤光入射方向にて光吸収体よりも上流側に配置され、絶縁部材よりも光透過特性が悪い導電部材を光透過性とすることで、光吸収体への光入射効率を高めることができる。しかも、電極または配線として利用される導電部材の導電性も確保できる。こうして、キャパシターの焦電体への伝熱効率が高なるので、キャパシターの自発分極量が熱によって変化し、自発分極による電荷を検出することで光を検出する時の検出効率を高めることができる。
(2)本発明の一態様では、前記焦電型検出素子の前記第2電極側から前記光が入射され、前記第2電極が前記光吸収体を含み、前記第2電極に接続される配線層を前記光透過性導電材料にて形成することができる。
こうすると、キャパシターの焦電体に接する第2電極が光吸収体となり、その光吸収体に効率よく光を導くことができ、焦電体への伝熱効率がさらに高まる。
(3)本発明の一態様では、前記焦電型検出素子の前記第2電極側から前記光が入射され、前記焦電体が前記光吸収体を含み、前記第2電極と、前記第2電極に接続される配線層とを、前記光透過性導電材料にて形成することができる。
こうすると、キャパシターの焦電体が光吸収体となり、その光吸収体に効率よく光を導くことができ、焦電体への伝熱効率がさらに高まる。
(4)本発明の一態様では、前記空洞部を規定する前記支持部の底面には反射膜が形成され、前記反射膜で反射された光が前記空洞部を介して前記第1電極側から入射され、前記第1電極は、前記第2電極よりも広い面積を有し、前記光吸収体が、前記キャパシターを覆って設けられ、前記第2電極を前記光透過性導電材料にて形成することができる。
こうすると、キャパシターを覆う広い範囲に光吸収体を配置して光吸収面積が拡大されることに加え、その光吸収体及び第1電極を透過した光を、反射膜により反射して再度光吸収体に導くことができる。
(5)本発明の一態様では、(3)の構造に加えて、前記空洞部を規定する前記支持部の底面には反射膜が形成され、前記反射膜で反射された光が前記空洞部を介して前記第2電極側からも入射され、前記焦電体が前記光吸収体を含み、前記第2電極を、前記光透過性導電材料にて形成することができる。
こうすると、焦電体にて吸収されずに透過した光を、反射膜により反射して再度、光吸収体である焦電体に導くことができる。
(6)本発明の一態様ではす、前記光透過性導電材料は、ITO(Indium Tin Oxide)を含むことができる。ITOは透明電極の代表例であり、電極としての使用実績があり信頼性が高い。
(7)本発明の一態様では、前記光透過性導電材料は、前記ITOの下層にモリブデン系合金をさらに含むことができる。Mo系合金は光透過性があり、しかもITOと併用することで導電性を高めることできる。
(8)本発明の一態様では、(2)または(4)において、前記光吸収体は第1のITO(Indium Tin Oxide)にて形成され、前記光透過性導電材料は、第2のITOにて形成され、前記第1のITOは前記第2のITOよりも光吸収率が高く、前記第2のITOは前記第1のITOよりも電気抵抗値を低くすることができる。
このように、光吸収率が低くても良い光透過性導電部材(第2のITO)は電気抵抗値も低くなり、配線としての機能を担保できる。一方、光吸収体(第1のITO)として機能させるためには、電気抵抗値は高くても電極としての機能を有すれば良い。
(9)本発明の一態様では、(8)において、前記光吸収体は、前記第1のITOの下層にモリブデン系合金をさらに含み、前記光透過性導電材料は、前記第2のITOの下層にモリブデン系合金をさらに含むことができる。
こうすると、光透過性導電部材を透過した光であって、光吸収体で吸収されなかった光は、光吸収体のMo系合金にて反射され、さらに光透過性導電部材のMo系合金にてさらに反射されて、光吸収体に繰り返し入射される。こうして光吸収効率が高められる。
本発明の他の態様に係る焦電型検出装置は、上述した焦電型検出器が二軸方向に沿って二次元配置して構成される。この焦電型検出装置は、各セルの焦電型検出器にて検出感度が高められるので、明瞭な光(温度)分布画像を提供できる。
本発明のさらに他の態様に係る電子機器は、上述した焦電型検出器または焦電型検出装置を有し、1セル分または複数セルの焦電型検出器をセンサーとして用いることで、光(温度)分布画像を出力するサーモグラフィー、車載用ナイトビジョンまたは監視カメラの他、物体の物理情報の解析(測定)を行う物体の解析機器(測定機器)、火や発熱を検知するセキュリティー機器、工場などに設けられるFA(Factory Automation)機器などに最適である。
本発明の第1実施形態に係る焦電型赤外線検出装置の1セル分の焦電型検出器の概略断面図及び概略平面図である。 本発明の実施形態に係る焦電型赤外線検出装置の概略平面図である。 本発明の第1実施形態での光の入射経路を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例での光の入射経路を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態での光透過性導電部材と光吸収体との関係の一例を示す模式図である。 図6(A)〜図6(C)は、ITO膜の特性図である。 本発明の第1実施形態での光透過性導電部材と光吸収体との関係の他の例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態での光透過性導電部材と光吸収体との関係のさらに他の例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る検出器の製造途中の工程を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態での光の入射経路を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態での光の入射経路を示す概略断面図である。 焦電型検出器または焦電型検出装置を含む電子機器のブロック図である。 図13(A)、図13(B)は焦電型検出器を二次元配置した焦電型検出装置の構成例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.第1実施形態
1.1.焦電型赤外線検出装置
図1に示す支持部材210及びそれに搭載される焦電型検出素子220Aを各セルがそれぞれ備えた複数セルの焦電型赤外線検出器200Aが、二軸方向例えば直交二軸方向に配列された焦電型赤外線検出装置(広義には焦電型検出装置)を、図2に示す。なお、1セル分のみの焦電型赤外線検出器にて焦電型赤外線検出装置が構成されても良い。図2において、基部(固定部ともいう)100から複数のポスト104が立設され、例えば2本のポスト(支持部)104に支持された1セル分の焦電型赤外線検出器200Aが、直交二軸方向に配列されている。1セル分の焦電型赤外線検出器200Aが占める領域(図2中で破線で区画される領域)は、例えば一辺が数十μmの矩形である。
図2に示すように、焦電型赤外線検出器200Aは、2本のポスト(支持部)104に連結された支持部材(メンブレン)210と、赤外線検出素子(広義には焦電型検出素子)220Aと、を含んでいる。1セル分の焦電型赤外線検出素子220Aが占める領域は、例えば一辺の長さが10μm程度の矩形である。
1セル分の焦電型赤外線検出器200Aは、2本のポスト104と接続される以外は非接触とされ、焦電型赤外線検出器200Aの下方には空洞部102(図1参照)が形成され、平面視で焦電型赤外線検出器200Aの周囲には、空洞部102に連通する開口部102Aが配置される。これにより、1セル分の焦電型赤外線検出器200Aは、基部100や他のセルの焦電型赤外線検出器200Aから熱的に分離されている。
支持部材210は、赤外線検出素子220Aを搭載して支持する搭載部210Aと、搭載部210Aに連結された2本のアーム210Bとを有し、2本のアーム210Bの自由端部がポスト104に連結されている。2本のアーム210Bは、図2では簡略化して図示されているが、赤外線検出素子220Aを熱分離するために、細幅でかつ冗長に延在形成することができる。
図2は、上部電極に接続される配線層より上方の部材を省略した平面図であり、図2には赤外線検出素子220Aに接続された第1電極(下部電極)配線層222及び第2電極(上部電極)配線層224が示されている。第2電極配線層224は、第2電極(上部電極)236上に形成される配線層224Aと、それに接続される配線層224Bを含む。第1,第2電極配線層222,224の各々は、搭載部210Aからアーム210Bに沿って延在され、ポスト104を介して基部100内の回路に接続される。第1,第2電極配線層222,224も、赤外線検出素子220Aを熱分離するために、細幅でかつ冗長に延在形成することができる。
1.2.焦電型赤外線検出器
図1は、図2に示す焦電型赤外線検出器200Aの断面図及び平面図である。なお、製造工程途中の焦電型赤外線検出器200Aでは、図1の空洞部102が犠牲層150(図9参照)により埋め込まれている。図9に示す犠牲層150は、支持部材210及び焦電型赤外線検出素子220Aの形成工程前から形成工程後まで存在しており、焦電型赤外線検出素子220Aの形成工程後に、等方性エッチングにより除去されるものである。
図1に示すように、基部100は、基板例えばシリコン基板110と、シリコン基板110上の絶縁膜(例えばSiO)にて形成されるスペーサー層120とを含んでいる。図2のポスト(支持部)104は、スペーサー層120をエッチングすることで形成され、例えばSiOにて形成されている。ポスト(支持部)104には、第1,第2電極配線層222,224に接続されるプラグ106(図2参照)を配置することができる。このプラグ106は、シリコン基板110に設けられる行選択回路(行ドライバー)か、または列線を介して検出器からのデータを読み出す読み出し回路に接続される。空洞部102は、スペーサー層120を等方性エッチングすることで、ポスト104と同時に形成される。図2に示す開口部102Aは、支持部材210をパターンエッチングすることで形成される。また、図2に示す開口部102Aからエッチャントを供給して犠牲層150(図9参照)を等方性エッチングする。このエッチングのために、図1に示すように、空洞部102の露出面には、エッチングストップ層130,140が残存している。
支持部材210の第1面211A上に搭載される赤外線検出素子220Aは、キャパシター230を含んでいる。キャパシター230は、焦電体232と、焦電体232の下面に接続される第1電極(下部電極)234と、焦電体232の上面に接続される第2電極(上部電極)236とを含んでいる。第1電極234は、例えば複数層で形成される支持部材210の第1層部材(例えば絶縁層であるSiO)との密着性を高める密着層を含むことができる。支持部材210の第2面211Bは空洞部102に面している。
キャパシター230は、キャパシター230の形成後の工程で還元ガス(水素、水蒸気、OH基、メチル基など)がキャパシター230に侵入することを抑制する第1還元ガスバリア層240に覆われている。キャパシター230の焦電体(例えばPZT等)232は酸化物であり、酸化物が還元されると酸素欠損を生じて、焦電効果が損なわれるからである。
第1還元ガスバリア層240は、キャパシター230に接する第1バリア層と、第1バリア層に積層される第2バリア層とを含むことができる。第1バリア層は、例えば酸化アルミニウムAlをスパッタ法により成膜して形成することができる。スパッタ法では還元ガスが用いられないので、キャパシター230が還元されることはない。第2水素バリア層は、例えば酸化アルミニウムAlを例えば原子層化学気相成長(ALCVD:Atomic Layer Chemical Vapor Deposition)法により成膜して形成すことができる。通常のCVD(Chemical Vapor Deposition)法は還元ガスを用いるが、第1層バリア層によりキャパシター230は還元ガスから隔離される。
ここで、第1還元ガスバリア層240のトータル膜厚は50〜70nm、例えば60nmとする。このとき、CVD法で形成される第1バリア層の膜厚は原子層化学気相成長(ALCVD)法により形成される第2バリア層よりも厚く、薄くても35〜65nm例えば40nmとなる。これに対して、原子層化学気相成長(ALCVD)法により形成される第2バリア層の膜厚は薄くでき、例えば酸化アルミニウムAlを5〜30nm例えば20nmで成膜して形成される。原子層化学気相成長(ALCVD)法は、スパッタ法等と比較して、優れた埋め込み特性を有するため、微細化に対応することが可能となり、第1,第2バリアにて還元ガスバリア性を高めることができる。また、スパッタ法で成膜される第1バリア層は第2バリア層に比べて緻密ではないが、それが効を奏して伝熱率を下げる要因となるので、キャパシター230からの熱の散逸を防止できる。
第1還元ガスバリア層240上には層間絶縁膜250が形成されている。一般に、層間絶縁膜250の原料ガス(TEOS)が化学反応する際には、水素ガスや水蒸気等の還元ガスが発生する。キャパシター230の周囲に設けた第1還元ガスバリア層240は、この層間絶縁膜250の形成中に発生する還元ガスからキャパシター230を保護するものである。なお、第1還元ガスバリア層240及び層間絶縁膜250は、キャパシター230を保護する保護膜と呼ぶことができる。あるいは、層間絶縁膜250がキャパシター230を保護する保護膜と称される場合には、保護膜250とキャパシター230との間に第1還元ガスバリア層240を介在配置することができる。
層間絶縁膜250上に、図2にも示した第1電極(下部電極)配線層222と第2電極(上部電極)配線層224とが配置される。層間絶縁膜250には、電極配線形成前に予め、第1コンタクトホール252と第2コンタクトホール254が形成される。その際、第1還元ガスバリア層240にも同様にコンタクトホールが形成される。第1コンタクトホール252に埋め込まれた第1プラグ226により、第1電極(下部電極)234と第1電極配線層222とが導通される。同様に第2コンタクトホール254に埋め込まれた第2プラグ228により、第2電極(上部電極)236と第2電極配線層224とが導通される。
ここで、層間絶縁膜250が存在しないと、第1電極(下部電極)配線層222と第2電極(上部電極)配線層224をパターンエッチングする際に、その下層の第1還元ガスバリア層240の第2バリア層がエッチングされて、バリア性が低下してしまう。層間絶縁膜250は、第1還元ガスバリア層240のバリア性を担保する上で必要である。
層間絶縁膜250は水素含有率が低いことが好ましい。そこで、層間絶縁膜250はアニーリングにより脱ガス処理される。
なお、キャパシター230の天面の第1還元ガスバリア層240は、層間絶縁膜250の形成時には第2コンタクトホール254がなく閉じているので、層間絶縁膜250の形成中の還元ガスがキャパシター230に侵入することはない。しかし、第1還元ガスバリア層240に第2コンタクトホール254が形成された後は、バリア性が劣化する。これを防止する一例として、第2プラグ228はバリアメタル層を含むことができる。バリアメタル層は、チタンTiのように拡散性の高いものは好ましくなく、拡散性が少なくかつ還元ガスバリア性の高いチタン・アルミ・ナイトライドTiAlNを採用できる。
層間絶縁膜250及び第1,第2電極配線層222,224を覆って、第2還元ガスバリア層280を設けることができる。この第2還元ガスバリア層280は、犠牲層150(図9参照)を等方性エッチングする時のエッチングストップ膜として、かつ、その時のエッチャントである例えばフッ素等に起因する還元ガスから赤外線検出素子220Aを保護する。第2還元ガスバリア層280は、例えば酸化アルミニウムAlを原子層化学気相成長(ALCVD)法により膜厚20〜50nmで成膜されて形成される。
1.3.赤外線吸収体と光透過性導電部材
本実施形態では、赤外線検出素子200A、例えばキャパシター230が赤外線吸収体(広義には光吸収体)を含む。さらに、光の入射経路にて赤外線吸収体よりも上流側に配置される導電部材を、光を透過する光透過性導電材料にて形成している。
つまり、キャパシター230に配置した赤外線吸収体に入射される光を妨げる上流側の導電部材を光透過性とし、赤外線吸収体への光入射効率を高めている。しかも、赤外線吸収体はキャパシター230内に配置されるので、キャパシター230中の焦電体232への伝熱効率が高なる。こうして、キャパシター230の自発分極量が熱によって変化し、自発分極による電荷を検出することで赤外線を検出する時の検出効率を高めることができる。
本実施形態では、図3に示すように、赤外線検出素子220Aの第2電極236側から入射経路Aに沿って赤外線が入射される。そして、例えば第2電極236が赤外線吸収体を含んでいる。この場合、第2電極236よりも入射経路Aの上流側に配置される配線層が赤外線透過性導電材料にて形成される。具体的には第2プラグ228及び配線層224が赤外線透過性導電材料にて形成される。
第2プラグ228及び配線層224は一般には金属で形成されるが、金属は絶縁膜である第2還元ガスバリア層280よりも赤外線に対する反射率が高い。よって、配線層を金属材料とすると赤外線吸収体である第2電極236へ向う赤外線の多くを反射してしまうが、本実施形態では赤外線吸収体である第2電極236への赤外線入射量を多く確保できる。
一般に、第2プラグ228が配線層224と第2電極236との電気的コンタクトのみに用いられるときには、第2コンタクトホール254は図4に示すように比較的小径に形成される。本実施形態は図4の構造にも適用できるが、図3のように比較的広い面積の第2プラグ228及びその第2プラグ228を覆う比較的広い面積の配線層224Aを形成する場合にも適用できる。第2プラグ228及び配線層224が赤外線透過性導電材料にて形成されるからであり、赤外線の通過を妨げることが抑制できるかららである。
ここで、赤外線吸収体である第2電極236と、赤外線透過性導電材料である第2プラグ228及び配線層224とは、それぞれ特性の異なるITO(Indium Tin Oxide)で形成することができる。ITOは透明電極の代表例である。一般に、物質の透明性(光の透過性)を阻害するのは吸収と反射であるから、透明性を向上するためには吸収と反射を減少させる必要がある。逆に透明性を劣化させて、光吸収性を向上させることができる。
そこで、本実施形態では、図5に示すように、赤外線吸収体である第2電極236は、赤外線に対する透明性を劣化させて、赤外線吸収性を向上させた第1のITOにて形成している。赤外線透過性導電材料である第2プラグ228及び配線層224は、透明性を向上するためには吸収と反射を減少させた第2のITOにて形成している。第2のITOにより形成される配線層224Aや第2プラグ228のための膜は、例えば100nm程度の膜厚にて形成することで、赤外線透過性導電部材として利用することができる。赤外線吸収体としての第1のITO膜は、第2のITO膜よりも厚く形成することができる。
例えば酸素雰囲気でITO膜を反応性蒸着させる時のRFパワー、圧力、O2ガスの成膜パラメータを選定することで、ITO膜の透過率を調整することができる。事実、キャリア密度の異なる2種類のITO膜は、透過スペクトル強度が異なることが知られている。よって、赤外線吸収体である第2電極236と、赤外線透過性導電材料である第2プラグ228及び配線層224とは、それぞれ特性の異なるITO膜にて形成することができる。
図6(A)〜図6(C)は、ITO膜の特性図である。図6(B)(C)に示すように、特性の異なるITO膜は、例えば酸素(O)含有量(%)を異ならせることで得られる。図6(B)に示すように、波長400〜800nmの入射光に対するITO膜の平均透過率は、ITO膜の酸素(O)含有量(%)の最適量でピークとなる。よって、ITO膜の光透過率を上げるためには、例えば、酸素添加量を最適値に近づければよい。逆に、ITO膜の光透過率を下げるためには、例えば、酸素添加量を最適量から少なく、もしくは多く添加すればよい。
図6(C)に示すように、ITO膜の比抵抗(Μωcm)は、ITO膜の酸素(O)含有量(%)の最適量で最小値となる。よって、上記と同様に酸素(O)含有量(%)の最適量に対して酸素含有量を調整することで、ITO膜の比抵抗を調整できる。
図6(A)に示すように、ITO膜の光透過率は、ITO膜の比抵抗(または電気抵抗値)とも相関がある。図6(A)に示すように、波長400〜800nmの入射光に対するITO膜の光透過率が低いと、比抵抗が大きくなる。
このことは、本実施形態にとって有利に作用する。つまり、赤外線吸収率が低い第2プラグ228及び配線層224は、電気抵抗値も低くなり、第2電極236の配線としての機能を担保できるからである。一方、第2電極236は赤外線吸収体として機能させるために、電気抵抗値は高くても電極としての機能を有すれば良いからである。
1.4.赤外線吸収体及び赤外線透過性導電部材の二層構造
図7は、赤外線吸収体である第2電極236と、赤外線透過性導電部材である配線層244Aとを、それぞれ二層構造とした例を示している。第2電極236は、下層の第1層部材236−1と上層の第2層部材236−2にて形成されている。配線層224Aは、下層の第1層部材224A−1と上層の第2層部材224A−2にて形成されている。
第2電極236の第2層部材236−2は上述した第1のITOにより例えば膜厚100nmにて形成でき、配線層224Aの第2層部材224A−2は上述した第2のITOにより例えば膜厚100nmにて形成できる。
一方、第2電極236の第1層部材236−1と、配線層224Aの第1層部材224A−1とは、Mo(モリブデン)系合金にて形成することができる。Mo系合金として、Moシリサイド、Moナイトライド(窒化膜)、Moオキサイド(酸化膜)を挙げることができる。Mo系合金は光透過性を確保することができ、光透過性導電部材として利用できる他、ITOだけでは足りない場合の導電性を増強することができる。配線層224Aの第1層部材224A−1は、透明性を考慮してMo系合金を例えば膜厚50nmにて形成でき、第2電極236の第1層部材236−2は、透明性が求められないことからMo系合金を例えば膜厚100nmにてより厚膜に形成できる。
本実施形態では、図7に示すように、Mo系合金で形成された第2層部材236−1,224A−1が、光反射膜としても機能させている。図7に示すように、赤外線透過性導電部材である配線層224A及び第2プラグ228を透過した赤外線であって、第2電極236で吸収されなかった赤外線は、第2電極236の第1層部材236−1(Mo系合金)にて反射され、さらに配線層224の第1層部材224A−1(Mo系合金)にてさらに反射されて、第2電極236に繰り返し入射される。こうして、赤外線吸収体を含む第2電極236での赤外線吸収効率が高められる。なお、この意味では、第2電極236の第1層部材236−1は光透過性が求められないためにMo系合金でなくても良く、導電性があってかつ反射機能があれば、例えば金属にて形成しても良い。
この第1実施形態の変形例として、図8に示すように、焦電体232が赤外線吸収体を含み、第2電極236と、この第2電極236に接続される配線層224A及び第2プラグ228とが、赤外線性導電材料(例えばITO)にて形成されてもよい。このようにしても、赤外線の入射経路にて光吸収体(焦電体232)よりも上流側に配置される導電部材であるが第2電極236、配線層224A及び第2プラグ228を、赤外線を透過する光透過性導電材料にて形成することができる。
2.第2実施形態
図10は、本発明の第2実施形態に係る赤外線検出器200Bの断面図である。なお、図10において、第1実施形態と実質的な同一機能を有する部材については、第1実施形態に示す部材と同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。ただし、図10では、図5及び図7に示す構造は採用されていない。
図10に赤外線検出素子220Bは、層間絶縁膜250、配線層222,224を覆って、例えばSiNまたはSiO2等にて形成することができる赤外線吸収体290を有する。第2還元ガスバリア層280は、赤外線吸収体290を覆って配置されている。
図に赤外線検出素子220Bでは、第2電極236は赤外線吸収体でなく、PtやIr等の電極材料にて形成される。配線層224や第2プラグ228も、一般の配線材料である金属にて形成することができる。つまり、赤外線吸収体290と焦電体232との間の部材は、伝熱機能を有すれば良い。
本実施形態での赤外線透過性導電材料は、第1電極234に採用される。つまり、第1電極234がITOにて形成されている・
さらに、空洞部102を規定する基体100の少なくとも凹部底面には、反射膜300が形成されている。この反射膜300は赤外線を反射できる材料にて形成され、例えばTiやTiNにて形成される。
この第2実施形態では、キャパシター230の直上の赤外線入射経路Aに沿って入射される赤外線は、赤外線吸収体290にて吸収される。赤外線吸収体290が赤外線を吸収することで得た熱は、配線層224A、第2プラグ228及び第2電極236から成る固体熱伝導路を経由して焦電体232に伝熱される。それにより、キャパシター230の自発分極量が熱によって変化し、自発分極による電荷を検出することで赤外線を検出できる。
この第2実施形態では、入射経路A以外の赤外線も検出している。つまり、第1電極234は第2電極236よりも広い面積を有するので、第2電極236に向う赤外線以外は、図10の入射経路Bに沿って入射される。その際、赤外線吸収体290を透過した光は、例えばITOにて形成された第2電極236をも透過し、空洞部102に至る。空洞部102の底面には反射膜300が配置されているので、入射経路Bの光の一部は反射膜300で入射経路Cに向けて反射される。
この入射経路Cにおいて、赤外線吸収体290よりも上流側に、赤外線透過性導電材料(ITOまたはITO+Mo系合金)で形成された第2電極236が配置されている。従って、入射経路Cに沿った赤外線は、再び赤外線吸収体290にて吸収される機会が付与される。
このように、キャパシター230を覆う赤外線吸収体290は、1セル内の広い範囲に配置されて赤外線を吸収できる。さらに加えて、空洞部102まで透過した赤外線を再度赤外線吸収体290に導くことができるので、検出できる赤外線量を増大させて、検出精度を向上させることができる。
ここで、入射赤外線の波長λとし、赤外線吸収体290から反射膜300までの距離Lを、L=(2m+1)λ/4(m=0,1,2,…)に設定することができる。こうすると、赤外線吸収体290で吸収されなかった赤外線は、反射膜300を下部反射膜とし、赤外線吸収体290の界面を上部反射膜とする光学的共振構造にて共振される。それにより、赤外線吸収体290での赤外線吸収効率を高めることができる。
3.第3実施形態
図11、本発明の第2実施形態に係る赤外線検出器200Bの断面図である。なお、図11において、第1実施形態と実質的な同一機能を有する部材については、第1実施形態に示す部材と同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この第3実施形態では、焦電体232を赤外線吸収体とすることができる。この第3実施形態でも、第1実施形態にて説明した図8に示す構造が採用される。つまり、図11に示すように、入射方向Aに対して、赤外線吸収体(焦電体232)よりも上流側に配置される導電部材である第2電極236、配線層224A及び第2プラグ228を、赤外線を透過する光透過性導電材料(例えばITO)にて形成している。こうすると、入射方向Aの赤外線は焦電体232に直接入射され、焦電効果を奏することができる。
第3実施形態では、焦電体232にて吸収しされなかった赤外線を、図11に示す矢印B方向に沿って空洞部102まで導いている。このために、第1電極234が第2実施形態と同様に光透過性導電材料(例えばITO)にて形成される。
さらに第3実施形態では、第2実施形態と同様に、空洞部102の底面には反射膜300が配置されているので、入射経路Bの光の一部は反射膜300で入射経路Cに向けて反射される。
この入射経路Cにおいて、赤外線吸収体(焦電体232)よりも上流側に、赤外線透過性導電材料(例えばITO)で形成された第2電極236が配置されている。従って、入射経路Cに沿った赤外線は、再び赤外線吸収体(焦電体232)にて吸収される機会が付与される。
4.電子機器
図12に本実施形態の焦電型検出器または焦電型検出装置を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器は、光学系400、センサーデバイス(焦電型検出装置)410、画像処理部420、処理部430、記憶部440、操作部450、表示部460を含む。なお本実施形態の電子機器は図12の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば光学系、操作部、表示部等)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
光学系400は、例えば1又は複数のレンズや、これらのレンズを駆動する駆動部などを含む。そしてセンサーデバイス410への物体像の結像などを行う。また必要であればフォーカス調整なども行う。
センサーデバイス410は、上述した本実施形態の焦電型検出器200A(200B,200C)を二次元配列させて構成され、複数の行線(ワード線、走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。センサーデバイス410は、二次元配列された検出器に加えて、行選択回路(行ドライバー)と、列線を介して検出器からのデータを読み出す読み出し回路と、A/D変換部等を含むことができる。二次元配列された各検出器からのデータを順次読み出すことで、物体像の撮像処理を行うことができる。
画像処理部420は、センサーデバイス410からのデジタルの画像データ(画素データ)に基づいて、画像補正処理などの各種の画像処理を行う。
処理部430は、電子機器の全体の制御を行ったり、電子機器内の各ブロックの制御を行う。この処理部430は、例えばCPU等により実現される。記憶部440は、各種の情報を記憶するものであり、例えば処理部430や画像処理部420のワーク領域として機能する。操作部450は、ユーザが電子機器を操作するためのインターフェースとなるものであり、例えば各種ボタンやGUI(Graphical User Interface)画面などにより実現される。表示部460は、例えばセンサーデバイス410により取得された画像やGUI画面などを表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの各種のディスプレイにより実現される。
このように、1セル分の焦電型検出器を赤外線センサー等のセンサーとして用いる他、1セル分の焦電型検出器を二軸方向例えば直交二軸方向に二次元配置することでセンサーデバイス410を構成することができ、こうすると熱(光)分布画像を提供することができる。このセンサーデバイス410を用いて、サーモグラフィー、車載用ナイトビジョンあるいは監視カメラなどの電子機器を構成することができる。
もちろん、1セル分または複数セルの焦電型検出器をセンサーとして用いることで物体の物理情報の解析(測定)を行う解析機器(測定機器)、火や発熱を検知するセキュリティー機器、工場などに設けられるFA(Factory Automation)機器などの各種の電子機器を構成することもできる。
図13(A)に図12のセンサーデバイス410の構成例を示す。このセンサーデバイスは、センサーアレイ500と、行選択回路(行ドライバー)510と、読み出し回路520を含む。またA/D変換部530、制御回路550を含むことができる。このセンサーデバイスを用いることで、例えばナイトビジョン機器などに用いられる赤外線カメラなどを実現できる。
センサーアレイ500には、例えば図2に示すように二軸方向に複数のセンサーセルが配列(配置)される。また複数の行線(ワード線、走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。なお行線及び列線の一方の本数が1本であってもよい。例えば行線が1本である場合には、図13(A)において行線に沿った方向(横方向)に複数のセンサーセルが配列される。一方、列線が1本である場合には、列線に沿った方向(縦方向)に複数のセンサーセルが配列される。
図13(B)に示すように、センサーアレイ500の各センサーセルは、各行線と各列線の交差位置に対応する場所に配置(形成)される。例えば図13(B)のセンサーセルは、行線WL1と列線DL1の交差位置に対応する場所に配置されている。他のセンサーセルも同様である。
行選択回路510は、1又は複数の行線に接続される。そして各行線の選択動作を行う。例えば図13(B)のようなQVGA(320×240画素)のセンサーアレイ500(焦点面アレイ)を例にとれば、行線WL0、WL1、WL2・・・・WL239を順次選択(走査)する動作を行う。即ちこれらの行線を選択する信号(ワード選択信号)をセンサーアレイ500に出力する。
読み出し回路520は、1又は複数の列線に接続される。そして各列線の読み出し動作を行う。QVGAのセンサーアレイ500を例にとれば、列線DL0、DL1、DL2・・・・DL319からの検出信号(検出電流、検出電荷)を読み出す動作を行う。
A/D変換部530は、読み出し回路520において取得された検出電圧(測定電圧、到達電圧)をデジタルデータにA/D変換する処理を行う。そしてA/D変換後のデジタルデータDOUTを出力する。具体的には、A/D変換部530には、複数の列線の各列線に対応して各A/D変換器が設けられる。そして、各A/D変換器は、対応する列線において読み出し回路520により取得された検出電圧のA/D変換処理を行う。なお、複数の列線に対応して1つのA/D変換器を設け、この1つのA/D変換器を用いて、複数の列線の検出電圧を時分割にA/D変換してもよい。
制御回路550(タイミング生成回路)は、各種の制御信号を生成して、行選択回路510、読み出し回路520、A/D変換部530に出力する。例えば充電や放電(リセット)の制御信号を生成して出力する。或いは、各回路のタイミングを制御する信号を生成して出力する。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
本発明は、種々の焦電型検出器(例えば、熱伝対型素子(サーモパイル)、焦電型素子、ボロメーター等)に広く適用することができる。検出する光の波長は問わない。
100 基部(固定部)、102 空洞部、104 支持部(ポスト)、130,140 エッチングストップ膜、150 第1犠牲層、200A〜200C 焦電型検出器、210 支持部材、211A 第1面、211B 第2面、220A〜220C 赤外線検出素子(焦電型検出素子)、222 第1電極配線層、224 第2電極配線層(光透過性導電部材)、224A−1 Mo系合金、224A−2 第2のITO、226 第12プラグ、228 第2プラグ(光透過性導電部材)、230 キャパシター、232 焦電体(光吸収体)、234 第1電極(光透過性導電部材)、236 第2電極(光透過性導電部材、光吸収体)、236−1 Mo系合金、236−2 第1のITO、240 第1還元ガスバリア層、250 層間絶縁膜、280 第2還元ガスバリア層(エッチングストップ膜)、290 光吸収体、300 反射膜

Claims (12)

  1. 第1電極と、第2電極と、前記第1,第2電極間に配置された焦電体とから成り、温度に基づいて分極量が変化するキャパシターを含む焦電型検出素子と、
    第1面と、前記第1面に対向する第2面とを含み、前記第2面が空洞部に臨んで配置され、前記第1面が前記第1電極と接して前記焦電型検出素子を搭載する支持部材と、
    前記支持部材の前記第2面の一部を支持する支持部と、
    を有し、
    前記焦電型検出素子が光吸収体を含み、
    光の入射経路にて前記光吸収体よりも上流側に配置される導電部材が、前記光を透過する光透過性導電材料にて形成されていることを特徴とする焦電型検出器。
  2. 請求項1において、
    前記焦電型検出素子の前記第2電極側から前記光が入射され、
    前記第2電極が前記光吸収体を含み、
    前記第2電極に接続される配線層が前記光透過性導電材料にて形成されていることを特徴とする焦電型検出器。
  3. 請求項1において、
    前記焦電型検出素子の前記第2電極側から前記光が入射され、
    前記焦電体が前記光吸収体を含み、
    前記第2電極と、前記第2電極に接続される配線層とが、前記光透過性導電材料にて形成されていることを特徴とする焦電型検出器。
  4. 請求項1において、
    前記空洞部を規定する前記支持部の底面には反射膜が形成され、
    前記反射膜で反射された光が前記空洞部を介して前記第1電極側から入射され、
    前記第1電極は、前記第2電極よりも広い面積を有し、
    前記光吸収体が、前記キャパシターを覆って設けられ、
    前記第2電極が前記光透過性導電材料にて形成されていることを特徴とする焦電型検出器。
  5. 請求項3において、
    前記空洞部を規定する前記支持部の底面には反射膜が形成され、
    前記反射膜で反射された光が前記空洞部を介して前記第1電極側からも入射され、
    前記焦電体が前記光吸収体を含み、
    前記第1電極が、前記光透過性導電材料にて形成されていることを特徴とする焦電型検出器。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記光透過性導電材料は、ITO(Indium Tin Oxide)を含むことを特徴とする焦電型検出器。
  7. 請求項6において、
    前記光透過性導電材料は、前記ITOの下層にモリブデン系合金をさらに含むことを特徴とする焦電型検出器。
  8. 請求項2または4において、
    前記光吸収体は第1のITO(Indium Tin Oxide)にて形成され、前記光透過性導電材料は、第2のITOにて形成され、
    前記第1のITOは前記第2のITOよりも光吸収率が高く、前記第2のITOは前記第1のITOよりも電気抵抗値が低いことを特徴とする焦電型検出器。
  9. 請求項8において、
    前記光吸収体は、前記第1のITOの下層にモリブデン系合金をさらに含み、
    前記光透過性導電材料は、前記第2のITOの下層にモリブデン系合金をさらに含むことを特徴とする焦電型検出器。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の焦電型検出器が二軸方向に沿って二次元配置されることを特徴とする焦電型検出装置。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載の焦電型検出器を有することを特徴とする電子機器。
  12. 請求項10に記載の焦電型検出装置を有することを特徴とする電子機器。
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