JP2015135264A - 焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器 - Google Patents

焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2015135264A
JP2015135264A JP2014006458A JP2014006458A JP2015135264A JP 2015135264 A JP2015135264 A JP 2015135264A JP 2014006458 A JP2014006458 A JP 2014006458A JP 2014006458 A JP2014006458 A JP 2014006458A JP 2015135264 A JP2015135264 A JP 2015135264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pyroelectric
heat
detector
pyroelectric detector
heat detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014006458A
Other languages
English (en)
Inventor
貴史 野田
Takashi Noda
貴史 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2014006458A priority Critical patent/JP2015135264A/ja
Publication of JP2015135264A publication Critical patent/JP2015135264A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】従来よりも熱容量が低減され、優れた感度及び応答速度が実現された焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器を提供すること。
【解決手段】焦電型光検出器110は、支持部(メンブレン)107上に形成された複数の熱検知部115を有し、熱検知部115は平面視で正方形であって、1辺の長さLが特定周波数にて共振可能な長さになっている。熱検知部115は、一対の電極間に焦電体が挟持された焦電キャパシターであって、無指向性の平行平板型のアンテナとして機能する。
【選択図】図2

Description

本発明は、焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器に関する。
焦電型光検出素子と、焦電型光検出素子を搭載した支持部材と、焦電型光検出素子と対向する位置に空洞部を配置して支持部材を支持する固定部と、焦電型光検出素子側から見た平面視にて支持部材の輪郭に沿って開口されて、上記空洞部と連通する開口部と、空洞部に面する支持部材の第1面と、開口部に臨む支持部材の側面と、上記平面視にて露出する焦電型光検出素子及び支持部材の外表面とを覆う第1還元ガスバリア層と、を有する焦電型光検出器が知られている(特許文献1)。
特許文献1の焦電型光検出器によれば、上記第1還元ガスバリア層を設けることで、焦電型光検出素子に含まれる焦電体が水素や水酸基を含む還元ガスにより酸素欠陥が生じて特性が劣化することを抑制できるとしている。
また、焦電型光検出素子の外表面側に配置され、光を吸収して熱に変換する光吸収部材を含み、第1還元ガスバリア層は光吸収部材を覆って形成されることが記載されている。
特開2011−203168号公報
しかしながら、特許文献1の焦電型光検出器では、光吸収部材で光を熱に変換し、焦電型光検出素子で熱を電気信号に変換していた。つまり、光の検出が段階的に行われており、焦電型光検出素子を覆う光吸収部材を有しているので、熱容量が大きくなり感度や応答速度を向上させることが難しいという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る焦電型光検出器は、焦電型の熱検知部を有し、前記熱検知部は、特定周波数の光を吸収する光吸収機能を有することを特徴とする。
本適用例によれば、熱検知部自体が光吸収機能を有することから、光吸収部材を用いる必要がないので、光吸収部材を用いた場合に比べて、焦電型光検出器の熱容量が小さくなる。すなわち、優れた感度や応答速度を有する焦電型光検出器を提供できる。
[適用例]本適用例に係る焦電型光検出器は、焦電型の熱検知部を有し、前記熱検知部は、特定周波数にて共振可能なサイズの共振部を有することを特徴とする。
本適用例によれば、熱検知部自体が特定周波数にて共振可能なサイズの共振部を有する、つまり特定周波数に対するアンテナ機能を有することから、熱検知部は特定周波数の光を受けて熱に変換できる。したがって、光吸収部材を用いる必要がないので、光吸収部材を用いた場合に比べて、焦電型光検出器の熱容量が小さくなる。すなわち、優れた感度や応答速度を有する焦電型光検出器を提供できる。
上記適用例に記載の焦電型光検出器において、前記特定周波数は、1THz〜3THzであることを特徴とする。
この構成によれば、遠赤外波長領域の光を高感度で検出可能な焦電型光検出器を提供できる。このような焦電型光検出器によれば、例えば、赤外光(IR)が無機物の結合鎖を共振させるのに対して、テラヘルツの光はたんぱく質のような高分子全体を共振させることができ、光学異性体の識別など、従来のIRではできない化学分析に応用することができる。
上記適用例に記載の焦電型光検出器において、前記熱検知部は、一対の電極間に焦電体を挟んだ構造を有し、平行平板型のアンテナとして機能することを特徴とする。
この構成によれば、簡素な構成でありながら、優れた感度や応答速度を有する焦電型光検出器を提供できる。
上記適用例に記載の焦電型光検出器において、前記熱検知部は、無指向性の平行平板型のアンテナとして機能することが好ましい。
この構成によれば、あらゆる方向から熱検知部に入射する光に対して優れた感度や応答速度を有する焦電型光検出器を提供できる。
上記適用例に記載の焦電型光検出器において、前記熱検知部は、指向性の平行平板型のアンテナとして機能するとしてもよい。
この構成によれば、特定の方向から熱検知部に入射する光に対して優れた感度や応答速度を有する焦電型光検出器を提供できる。言い換えれば、特定の方向以外の方向から熱検知部に入射する光の影響を排除可能な焦電型光検出器を提供できる。
上記適用例に記載の焦電型光検出器において、基板と、前記基板上において空洞部を挟んで配置された支持部と、を有し、前記支持部上に前記熱検知部が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、熱検知部が配置された支持部と基板との間には空洞部が存在しているので、熱検知部において、入射した光が熱に変換された後に、熱が基板に拡散して逃げてしまうことが抑制される。つまり、入射した光の強度が弱くても熱に変換して確実に検出が行われるので、より高感度な焦電型光検出器を提供できる。
上記適用例に記載の焦電型光検出器において、基板と、前記基板上において空洞部を挟んで配置された支持部とを有し、前記支持部上に複数の前記熱検知部が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、支持部上に1つの熱検知部を配置する場合に比べて、より高感度な焦電型光検出器を提供できる。
上記適用例に記載の焦電型光検出器において、前記熱検知部は、一対の電極間に焦電体を挟んだ構造を有し、前記一対の電極のうち一方の電極は複数の前記熱検知部に亘る共通電極であり、前記一方の電極が前記支持部の側に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、一方の電極が複数の熱検知部を電気的に繋ぐ配線の役目を果たすことになり、より簡素な構成で優れた感度や応答速度を有する焦電型光検出器を提供できる。
上記適用例に記載の焦電型光検出器において、前記焦電体は、強誘電体であることが好ましい。
この構成によれば、熱検知部は平行平板型のアンテナであって、アンテナのサイズは、焦電体の比誘電率によって決まる。焦電体として強誘電体を用いることでアンテナのサイズを小さくすることができる。すなわち、小型で高性能な焦電型光検出器を提供できる。
[適用例]本適用例に係る焦電型光検出装置は、上記適用例に記載の焦電型光検出器を二軸方向に沿って二次元的に配置したことを特徴とする。
本適用例によれば、焦電型光検出器が二次元的に配置された領域に入射した光(温度)の分布を画像として出力可能な焦電型光検出装置を提供できる。
上記適用例に記載の焦電型光検出装置において、前記特定周波数が異なる前記焦電型光検出器を含むとしてもよい。
この構成によれば、異なる特定周波数の光に基づく、異なる光(温度)の分布を画像として出力可能な焦電型光検出装置を提供できる。
[適用例]本適用例の電子機器は、上記適用例に記載の焦電型光検出器を備えたことを特徴とする。例えば、物体の物理情報の解析機器(測定機器)などの電子機器を提供することができる。
[適用例]本適用例の他の電子機器は、上記適用例に記載の焦電型光検出装置を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、例えば、テラヘルツカメラを備え、火や発熱を検知するセキュリティー機器、工場などに用いられるFA(機器)などの電子機器を提供できる。
(a)は第1実施形態の焦電型光検出装置の構成を示す概略平面図、(b)は第1実施形態の焦電型光検出装置の回路図。 第1実施形態の焦電型光検出器の構成を示す概略平面図。 第1実施形態の焦電型光検出器の回路図。 図2のA−A’線で切った焦電型光検出器の構造を示す概略断面図。 第1実施形態の焦電型光検出器の製造方法を示すフローチャート。 (a)〜(f)は第1実施形態の焦電型光検出器の製造方法を示す概略断面図。 (g)〜(j)は第1実施形態の焦電型光検出器の製造方法を示す概略断面図。 第2実施形態の焦電型光検出器の構成を示す概略平面図。 図8のB−B’線で切った第2実施形態の焦電型光検出器の構造を示す概略断面図。 本発明の焦電型光検出器を含む電子機器の構成例を示す図。 (a)及び(b)は図10のセンサーデバイスの構成例を示す図。 本発明の焦電型光検出器を含むテラヘルツカメラの例を示す図。 変形例の熱検知部を示す概略平面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
(第1実施形態)
<焦電型光検出器及び焦電型光検出装置>
本実施形態の焦電型光検出器と、これを備えた焦電型光検出装置について、図1〜図4を参照して説明する。図1(a)は第1実施形態の焦電型光検出装置の構成を示す概略平面図、図1(b)は第1実施形態の焦電型光検出装置の回路図、図2は第1実施形態の焦電型光検出器の構成を示す概略平面図、図3は第1実施形態の焦電型光検出器の回路図、図4は、図2のA−A’線で切った焦電型光検出器の構造を示す概略断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の焦電型光検出装置100は、基板101と、基板101上に形成された複数の焦電型光検出器110とを備えている。
基板101は、例えばシリコンなどの半導体基板であって、複数の焦電型光検出器110は、基板101上において第1の方向(行方向)と、第1の方向に交差する第2の方向(列方向)とに二次元的(マトリックス状)に配置されている。以降、第1の方向をX方向とし、第2の方向をY方向として説明する。また、図の紙面に対して法線方向から見ることを平面視と言う。
本実施形態の焦電型光検出装置100は、X方向に3個、Y方向に3個、合計9個の焦電型光検出器110を有している。言い換えれば、焦電型光検出装置100は、複数の焦電型光検出器110がアレイ化されたものである。焦電型光検出装置100は、平面視で例えば1辺がおよそ100μmの正方形である。焦電型光検出器110は、同じく平面視で例えば1辺がおよそ20μmの正方形の支持部(メンブレン)107上に形成された複数(9つ)の焦電型の熱検知部115を有している(図2参照)。焦電型光検出器110の詳しい構成や構造については後述するが、焦電型光検出器110は、入射した光を熱に変換し、さらにその熱を電気信号に変換して出力する素子である。
図1(b)に示すように、X方向に配列した3つの焦電型光検出器110は直列に接続され、Y方向に配列した3つずつの焦電型光検出器110は、配線123と配線124との間で並列に接続されている。配線123の端には出力端子125Aが設けられ、配線124の端には出力端子125Bが設けられている。
したがって、焦電型光検出装置100は、複数の焦電型光検出器110を備えることで、入射した光を効率的に受けて、検知した光を出力端子125A,125Bから電気信号として出力する。なお、焦電型光検出装置100の形状や大きさはこれに限定されるものではない。また、焦電型光検出装置100おける複数の焦電型光検出器110の数や配置も、これに限定されるものではない。
次に、図2及び図3を参照して焦電型光検出器110について説明する。
図2に示すように、焦電型光検出器110は、支持部107と、支持部107上に二次元的(マトリックス状)に配置された複数の熱検知部115とを備えている。
支持部107は、前述したように例えば1辺がおよそ20μmの正方形であって、支持部107には、対角に位置する角部付近から突出し、X方向において互いに逆向きに延在する一対の枝部108A,108Bが設けられている。
複数の熱検知部115は、支持部107上においてX方向に3つ、Y方向に3つ、合計9つ配置されている。熱検知部115は平面視で正方形であり、該正方形の1辺の長さLは、特定周波数の光に対して共振可能な長さ(サイズ)になっている。
図3に示すように、複数の熱検知部115a〜115iのそれぞれは、一対の電極間に焦電体が挟持された焦電キャパシターである。焦電型光検出器110において、X方向に配置された3つの熱検知部115a,115b,115cは電気的に並列に接続されている。同じく、X方向に配置された3つの熱検知部115d,115e,115fは電気的に並列に接続されている。X方向に配置された残りの3つの熱検知部115g,115h,115iも電気的に並列に接続されている。
複数の熱検知部115a〜115iのそれぞれにおける一対の電極のうちの一方の電極は、配線121に接続されている。また、複数の熱検知部115a〜115iのそれぞれにおける一対の電極のうちの他方の電極は、配線122に接続されている。つまり、複数の熱検知部115a〜115iのそれぞれは、配線121と配線122との間に電気的に並列に接続されている。配線121は図2における一方の枝部108A上に配置され、配線122は図2における他方の枝部108B上に配置されている。
次に、図4を参照して焦電型光検出器110の構造について説明する。
前述したように、例えばシリコンなどの半導体基板からなる基板101上には、例えばSiO2(酸化シリコン)などからなる絶縁膜102が形成されている。絶縁膜102にはトレンチが形成され、トレンチの部分を覆うように支持部107が形成されている。これにより、基板101と支持部107との間には、空洞部105が形成されている。
支持部107上には、熱検知部115の一対の電極のうちの一方の電極111が形成されている。一方の電極111は、複数の熱検知部115に共通する共通電極として形成されている。つまり、一方の電極111は配線の一部として機能する。一方の電極111上には、複数の焦電体112と、焦電体112を介して一方の電極111と対向する他方の電極113とが形成されている。このような熱検知部115の一対の電極の配置を反映して、以降、一方の電極を下電極111と呼び、他方の電極を上電極113と呼ぶこととする。
複数の熱検知部115を覆って例えばSiO2(酸化シリコン)などからなる層間絶縁層116が形成されている。層間絶縁層116上には配線層117が形成されている。配線層117は層間絶縁層116に設けられたコンタクトホールを介して各上電極113と電気的に接続されている。さらに、配線層117を覆って例えばSiO2(酸化シリコン)やSiN(窒化シリコン)などからなる保護膜118が形成されている。
下電極111と上電極113との間に挟まれた焦電体112は、例えばPZT(lead zirconate titanate;チタン酸ジルコン酸鉛)やPZTN(PZTにNbを添加したもの)などの金属酸化物の強誘電体が用いられている。焦電型光検出器110の製造方法については後述するが、支持部107上に熱検知部115を形成した後に、還元ガス(水素、水蒸気、OH基、メチル基などを含む)を用いて絶縁膜102に空洞部105を形成する。還元ガスによって焦電体112が還元されると酸素欠損を生じて、焦電効果(温度変化によって誘電体の分極(表面電荷)が変化する現象)が損なわれるおそれがある。そこで、本実施形態では、基板101の絶縁膜102の表面を覆うように第1バリア層103が形成され、支持部107の空洞部105側の表面を覆うように第2バリア層106が形成されている。第1バリア層103及び第2バリア層106は、いずれも還元ガスを通し難い、例えばAl23(酸化アルミニウム)を用いて形成されている。なお、熱検知部115と層間絶縁層116との間にもこのようなバリア層を設けてもよい。
本実施形態の焦電型光検出器110は、波長が100μm〜1000μmの範囲にあるテラヘルツ光(電磁波)を選択的に受光して検知できるように熱検知部115が構成されている。具体的には、熱検知部115は特定周波数にて共振可能な平面サイズを有する焦電キャパシターとなっている。言い換えると、焦電型光検出器110における熱検知部115(上電極113)は特定周波数にて共振可能なサイズを有しており、熱検知部115は平行平板型のアンテナ(マイクロパッチアンテナ)として機能する。熱検知部115がテラヘルツ光を受光して焦電体112が分極し微小な電流が流れることで、特定周波数のテラヘルツ光を検知する。つまり、上電極113は特定周波数にて共振可能なサイズを有する共振部であり、熱検知部115は特定周波数の光(テラヘルツ光)を吸収する光吸収機能を有している。
それゆえに、前述した特許文献1のように、焦電型光検出素子を覆う光吸収部材を形成する必要がない。したがって、例えば光吸収部材として、20μm□の範囲に厚みが1μmのSiO2膜を形成すると、その熱容量はおよそ2.0E−9J/Kとなるので、当該熱容量に相当する分、焦電型光検出器110の熱容量が低減される。
また、支持部107上に複数の熱検知部115が配置されているので、熱検知部115が1つである場合に比べて、熱検知部115間の隣り合うアンテナ間に生ずる電磁界の相互作用により、テラヘルツ光が効率的に熱検知部115に吸収される。
また、熱検知部115がテラヘルツ光を受光して得られた熱が基板101に逃げ難いように、熱検知部115が形成された支持部107と基板101との間には空洞部105が形成されている。さらに焦電キャパシターである熱検知部115から配線121,122を通じて熱が逃げ難いように、配線121,122は支持部107よりも幅が狭い枝部108A,108Bに形成されている。つまり、熱検知部115はテラヘルツ光を受光して得られた熱を焦電体112の分極に有効利用できるので、優れた感度と応答速度が実現される。
熱検知部115は前述したように平面視で正方形であり、1辺の長さLと特定周波数のテラヘルツ光の波長λとの関係は、以下の数式(1)により求められる。
Figure 2015135264

εrelは焦電体112の実効誘電率である。
また、実効誘電率εrelは、以下の数式(2)により求められる。
Figure 2015135264

εrは焦電体112の比誘電率、dは焦電体112の厚み、Wは焦電体112の幅である。
例えば、焦電体112の実効誘電率εrelを500とすると、1THzのテラヘルツ光の波長λはおよそ300μmであることから、熱検知部115の1辺の長さLはおよそ7μmとなる。例えば、3THzのテラヘルツ光の波長はおよそ100μmであることから、熱検知部115の1辺の長さLはおよそ2μmとなる。
本実施形態の熱検知部115は、特定周波数が1THz〜3THzの範囲で共振可能となるように、1辺の長さLが設定される。
焦電型光検出器110における熱検知部115(上電極113)の平面形状が正方形であることから、熱検知部115は無指向性の平行平板型のアンテナ(マイクロパッチアンテナ)として機能する。
焦電体112は、比誘電率εrが10〜5000の範囲の強誘電体を用いることが、小型な焦電型光検出器110を実現する観点で好ましい。
<焦電型光検出器の製造方法>
次に、図5〜図7を参照して、焦電型光検出器110の製造方法について説明する。図5は第1実施形態の焦電型光検出器の製造方法を示すフローチャート、図6(a)〜(f)及び図7(g)〜(j)は第1実施形態の焦電型光検出器の製造方法を示す概略断面図である。なお、図6(a)〜(f)及び図7(g)〜(j)は図2のA−A’線で切ったときの概略断面図に相当するものである。
図5に示すように、焦電型光検出器110の製造方法は、絶縁膜形成工程(ステップS1)、トレンチ形成工程(ステップS2)、第1バリア層形成工程(ステップS3)、犠牲層形成工程(ステップS4)、第2バリア層形成工程(ステップS5)、支持部形成工程(ステップS6)、熱検知部形成工程(ステップS7)、層間絶縁層形成工程(ステップS8)、配線層形成工程(ステップS9)、保護膜形成工程(ステップS10)、犠牲層除去工程(ステップS11)、を含んでいる。
図5のステップS1では、図6(a)に示すように、基板101の一方の面に、絶縁膜102を形成する。絶縁膜102の形成方法としては、例えばCVD法を用いて酸化シリコン膜を成膜する方法などが挙げられる。絶縁膜102の膜厚はおよそ3μmである。そして、ステップS2へ進む。
図5のステップS2では、図6(b)に示すように、絶縁膜102にトレンチ102aを形成する。トレンチ102aの形成方法としては、トレンチ102aを形成する部分を除いて絶縁膜102の表面をレジストで覆い、露出した絶縁膜102をウェットエッチングする方法が挙げられる。トレンチ102aの深さはおよそ2.5μmである。なお、前述したように熱検知部115における熱が基板101に逃げ難くするため、トレンチ102aの深さはできるだけ深い方が好ましい。そして、ステップS3へ進む。
図5のステップS3では、図6(c)に示すように、トレンチ102aを含む絶縁膜102の表面に第1バリア層103を形成する。第1バリア層103の形成方法としては、例えばスパッタ法で酸化アルミニウム膜を成膜する方法が挙げられる。第1バリア層103の膜厚はおよそ3nm〜200nmである。そして、ステップS4へ進む。
図5のステップS4では、図6(d)に示すように、トレンチ102aの部分を埋める犠牲層104を形成する。犠牲層104の形成方法としては、例えばCVD法を用いて酸化シリコン膜を成膜する方法などが挙げられる。トレンチ102aを埋めることができる程度の膜厚で酸化シリコン膜を成膜した後に、成膜された酸化シリコン膜の表面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法で研磨する。研磨は、トレンチ102a以外の部分を覆う第1バリア層103が消失するまで行う。つまり、第1バリア層103の有無が研磨の終点を示すことになる。そして、ステップS5へ進む。
図5のステップS5では、図6(e)に示すように、トレンチ102aを埋めた犠牲層104と絶縁膜102とを覆う第2バリア層106を形成する。第2バリア層106の形成方法は、例えば、第1バリア層103の形成方法と同様にスパッタ法で酸化アルミニウム膜を成膜する方法が挙げられる。第2バリア層106の膜厚もまた3nm〜200nmである。そして、ステップS6へ進む。
図5のステップS6では、図6(f)に示すように、第2バリア層106を覆う支持部107を形成する。支持部107の形成方法としては、例えば、CVD法で酸化シリコン膜や窒化シリコン膜を成膜する方法が挙げられる。支持部107の膜厚はおよそ0.5μmである。そして、ステップS7へ進む。
図5のステップS7では、図7(g)に示すように、支持部107上に複数の熱検知部115を形成する。具体的には、まず、支持部107を覆う金属膜を形成し、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることで共通電極である下電極111を形成する。該金属膜を形成する方法としては、例えば蒸着法やスパッタ法でPt(白金)膜やIr(イリジウム)膜を成膜する方法が挙げられる。下電極111の膜厚は特に限定されるものではないが、テラヘルツ光の反射性を考慮して30nm〜200nmとする。
次に、下電極111を覆う金属酸化物膜を形成し、フォトリソグラフィ法でパターニングして島状にそれぞれ独立した複数の焦電体112を形成する。該金属酸化物膜の形成方法としては、例えばスパッタ法でPZT膜やPZTN膜を形成する方法が挙げられる。PZT膜やPZTN膜をエッチングしてパターニングする方法としては、フッ酸、硫酸、塩酸、硝酸などの酸を含む溶液を用いるウェットエッチングや、フッ素系処理ガスを用いた反応性プラズマエッチング法などが挙げられる。焦電体112の膜厚はおよそ50nm〜1000nmである。
次に、パターニングされた焦電体112を覆う金属膜を形成し、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることで上電極113を形成する。上電極113を形成する方法は、下電極111を形成する方法と同様に、例えば蒸着法やスパッタ法でPt(白金)膜やIr(イリジウム)膜を成膜してパターニングする方法が挙げられる。なお、焦電体112、上電極113のパターニングは、上記金属酸化物膜に上記金属膜を積層し、上記金属膜をパターニングして上電極113を形成した後に、上電極113をマスクとして上記金属酸化物膜をエッチングして焦電体112を形成してもよい。また、複数の熱検知部115は、前述した電磁界の相互作用を得るために10μm以下の間隔で支持部107上に形成することが好ましい。そして、ステップS8へ進む。
図5のステップS8では、図7(h)に示すように、複数の熱検知部115及び支持部107を覆う層間絶縁層116を形成する。層間絶縁層116の形成方法としては、例えばCVD法により酸化シリコン膜や窒化シリコン膜を成膜する方法が挙げられる。層間絶縁層116の膜厚は特に限定されるものではないが、50nm〜500nmである。また、層間絶縁層116には、上電極113に通ずるコンタクトホール116aが形成される。コンタクトホール116aの形成方法としては、ドライエッチング法などが挙げられる。なお、層間絶縁層116にコンタクトホール116aを形成する工程で、支持部107を貫通して犠牲層104に至る開口部(図示省略)を形成する。そして、ステップS9へ進む。
図5のステップS9では、図7(i)に示すように、層間絶縁層116上に配線層117を形成する。配線層117の形成方法としては、上電極113の材料であるPtやIrよりも熱伝導率が小さい例えばTiやAlなどの金属やこれらの金属の合金からなる導電膜を例えばスパッタ法で成膜してパターニングする方法が挙げられる。そして、ステップS10へ進む。
図5のステップS10では、図7(j)に示すように、パターニングされた配線層117を覆う保護膜118を形成する。保護膜118の形成方法としては、例えばCVD法により酸化シリコン膜や窒化シリコン膜を成膜する方法が挙げられる。保護膜118の膜厚は特に限定されるものではないが、3nm〜100nmである。そして、ステップS11へ進む。
図5のステップS11では、保護膜118を形成した後に、先のステップS8で形成された開口部から犠牲層104をエッチングして取り除き、図7(j)に示すように、基板101と支持部107との間に空洞部105を形成する。犠牲層104のエッチング方法としては、例えばフッ素系処理ガスを上記開口部から導入するドライエッチングが挙げられる。
上記の焦電型光検出器110の製造方法は、1つの焦電型光検出器110を例に挙げて説明したが、実際には、基板101上に複数の焦電型光検出器110を同時進行で製造して焦電型光検出装置100を製造してもよい。
上記第1実施形態の効果は、以下の通りである。
(1)焦電型光検出器110は、支持部107上に形成された複数の熱検知部115を有し、熱検知部115は特定周波数にて共振可能な平面サイズを有する焦電キャパシターである。焦電型光検出器110に入射した光は、複数の熱検知部115により効率的に受光(吸収)され、電気信号に変換されて検知される。したがって、入射した光を熱に変換するための光吸収部材を配置する必要がなく、焦電型光検出器110の熱容量を従来よりも低減できる。また、複数の熱検知部115が形成された支持部107と基板101との間には空洞部105が形成されているので、熱検知部115が受光して生じた熱が基板101に逃げ難い(放熱され難い)構造となっている。すなわち、優れた感度及び応答速度を有する焦電型光検出器110を提供できる。
(2)熱検知部115は、平面視で正方形であり、1辺の長さLが1THz〜3THzの特定周波数にて共振可能に設定された無指向性の平行平板型のアンテナとして機能するので、様々な方向から入射したテラヘルツ光を選択的に受光(吸収)して検知することができる。したがって、テラヘルツ光を利用して例えば物体の物理情報を解析する解析装置などに適用可能な小型な焦電型光検出器110を提供することができる。
(3)焦電キャパシターである熱検知部115において、下電極111は、複数の熱検知部115に共通する共通電極として支持部107側に形成される。したがって、下電極111を複数の熱検知部115ごとに独立して形成する場合に比べて、焦電型光検出器110に入射したテラヘルツ光が空洞部105側つまり基板101側に侵入し難い。ゆえに、入射したテラヘルツ光を効率的に電気信号に変換できる。
(4)焦電型光検出装置100は、複数の焦電型光検出器110を備えているので、入射したテラヘルツ光の分布を画像として高感度且つ素早く出力することができる。
(第2実施形態)
<他の焦電型光検出器>
次に、第2実施形態の焦電型光検出器について、図8及び図9を参照して説明する。図8は第2実施形態の焦電型光検出器の構成を示す概略平面図、図9は図8のB−B’線で切った第2実施形態の焦電型光検出器の構造を示す概略断面図である。
第2実施形態の焦電型光検出器は、第1実施形態の焦電型光検出器110に対して、熱検知部115の形状と配置を異ならせたものである。したがって、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態の焦電型光検出器150は、支持部107と、支持部107上に二次元的(マトリックス状)に配置された複数の熱検知部155とを備えている。
支持部107は、前述したように例えば1辺がおよそ20μmの正方形であって、支持部107には、対角に位置する角部付近から突出し、X方向において互いに逆向きに延在する一対の枝部108A,108Bが設けられている。
複数の熱検知部155は、支持部107上においてX方向に5つ、Y方向に3つ、合計15配置されている。熱検知部155は平面視で長方形であり、該長方形の長辺の長さLと短辺の長さWとは、それぞれ特定周波数のテラヘルツ光に対して共振可能な長さに設定されている。
図9に示すように、例えばシリコンなどの半導体基板からなる基板101上には、絶縁膜102、支持部107が形成されている。支持部107と基板101との間には空洞部105が形成されている。空洞部105に面する絶縁膜102の表面には第1バリア層103が形成されている。支持部107の空洞部105側の表面には第2バリア層106が形成されている。支持部107の空洞部105と反対側の表面に、複数の熱検知部155が形成されている。熱検知部155は、下電極151と上電極153との間に焦電体152が挟持された焦電キャパシターであって、平行平板型のアンテナとして機能する。下電極151は、複数の熱検知部155に共通する共通電極として支持部107上に形成されている。下電極151、焦電体152、上電極153の材料構成や膜厚は、第1実施形態の下電極111、焦電体112、上電極113と同じである。
複数の熱検知部155を覆う層間絶縁層116が形成されている。層間絶縁層116上に配線層117が形成されパターニングされている。配線層117は層間絶縁層116に形成されたコンタクトホールを通じて各上電極153と電気的に接続されている。また、配線層117は保護膜118で覆われている。
焦電体152の実効誘電率εrelを例えば500とし、熱検知部155の長辺の長さLを例えば7μm、短辺の長さWを2μmとする(図8参照)。これによれば、焦電型光検出器150は、1THzのテラヘルツ光と、3THzのテラヘルツ光とを選択的に受光可能な指向性の平行平板型のアンテナとして機能する。
上記第2実施形態の焦電型光検出器150によれば、第1実施形態の効果(1)、(3)と同様な効果が得られると共に、以下の効果が得られる。
(5)熱検知部155は、平面視で長方形であり、長辺の長さLと短辺の長さWとがそれぞれ異なる特定周波数にて共振可能に設定された指向性の平行平板型のアンテナとして機能するので、入射した光のうち異なる特定周波数のテラヘルツ光を選択的に受光(吸収)して検知することができる。したがって、テラヘルツ光を利用して例えば物体の物理情報を解析する解析装置などに適用可能な小型な焦電型光検出器150を提供することができる。
(6)焦電型光検出器150を二次元的に配置した焦電型光検出装置によれば、入射した異なる特定周波数のテラヘルツ光の分布を画像として高感度且つ素早く出力することができる。
(第3実施形態)
<電子機器>
図10に本実施形態の焦電型光検出器を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器は、光学系400、センサーデバイス(焦電型光検出器)410、画像処理部420、処理部430、記憶部440、操作部450、表示部460を含む。なお本実施形態の電子機器は図10の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば光学系、操作部、表示部等)を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。
光学系400は、例えば1または複数のレンズや、これらのレンズを駆動する駆動部などを含む。そしてセンサーデバイス410への物体像の結像などを行う。また必要であればフォーカス調整なども行う。
センサーデバイス410は、上述した本実施形態の焦電型光検出器110を二次元配列させて構成され、複数の行線(走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。センサーデバイス410は、二次元配列された焦電型光検出器110、つまり焦電型光検出装置100に加えて、行選択回路(行ドライバー)と、列線を介して焦電型光検出器110からのデータを読み出す読み出し回路と、A/D変換部等を含むことができる。二次元配列された各焦電型光検出器110からのデータを順次読み出すことで、物体像の撮像処理を行うことができる。
画像処理部420は、センサーデバイス410からのデジタルの画像データ(画素データ)に基づいて、画像補正処理などの各種の画像処理を行う。
処理部430は、電子機器の全体の制御や、電子機器内の各ブロックの制御を行う。この処理部430は、例えばCPU等により実現される。記憶部440は、各種の情報を記憶するものであり、例えば処理部430や画像処理部420のワーク領域として機能する。操作部450は、ユーザーが電子機器を操作するためのインターフェースとなるものであり、例えば各種ボタンやGUI(Graphical User Interface)画面などにより実現される。表示部460は、例えばセンサーデバイス410により取得された画像やGUI画面などを表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの各種のディスプレイにより実現される。
このように、1セル分の焦電型光検出器110をセンサーとして用いる他、1セル分の焦電型光検出器110を二軸方向例えば直交二軸方向に二次元配置することでセンサーデバイス410を構成することができる。センサーデバイス410は、光を受光して光(電磁波)に起因する熱分布画像を提供することができる。このセンサーデバイス410を用いて、特定物質探知装置、偽造紙幣の判定装置、封筒内の薬品検出装置、建造物の非破壊検査装置などのテラヘルツカメラを用いる電子機器を構成することができる。
図11(a)に図10のセンサーデバイス410の構成例を示す。このセンサーデバイスは、センサーアレイ500と、行選択回路(行ドライバー)510と、読み出し回路520を含む。またA/D変換部530、制御回路550を含むことができる。このセンサーデバイスを用いることで、高性能なテラヘルツカメラを実現できる。
センサーアレイ500には、二軸方向に複数のセンサーセルが配列(配置)される。また複数の行線(走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。なお行線及び列線の一方の本数が1本であってもよい。例えば行線が1本である場合には、図11(a)において行線に沿った方向(横方向)に複数のセンサーセルが配列される。一方、列線が1本である場合には、列線に沿った方向(縦方向)に複数のセンサーセルが配列される。
図11(b)に示すように、センサーアレイ500の各センサーセルは、各行線と各列線の交差位置に対応する場所に配置(形成)される。例えばセンサーセルは、行線WL1と列線DL1の交差位置に対応する場所に配置されている。他のセンサーセルも同様である。
行選択回路510は、1又は複数の行線に接続される。そして各行線の選択動作を行う。例えば図11(b)のようなQVGA(320×240画素)のセンサーアレイ500(焦点面アレイ)を例にとれば、行線WL0,WL1,WL2・・・・WL239を順次選択(走査)する動作を行う。即ちこれらの行線を選択する信号(ワード選択信号)をセンサーアレイ500に出力する。
読み出し回路520は、1又は複数の列線に接続される。そして各列線の読み出し動作を行う。QVGAのセンサーアレイ500を例にとれば、列線DL0,DL1,DL2・・・・DL319からの検出信号(検出電流、検出電荷)を読み出す動作を行う。
A/D変換部530は、読み出し回路520において取得された検出電圧(測定電圧、到達電圧)をデジタルデータにA/D変換する処理を行う。そしてA/D変換後のデジタルデータDOUTを出力する。具体的には、A/D変換部530には、複数の列線の各列線に対応して各A/D変換器が設けられる。そして、各A/D変換器は、対応する列線において読み出し回路520により取得された検出電圧のA/D変換処理を行う。なお、複数の列線に対応して1つのA/D変換器を設け、この1つのA/D変換器を用いて、複数の列線の検出電圧を時分割にA/D変換してもよい。
制御回路550(タイミング生成回路)は、各種の制御信号を生成して、行選択回路510、読み出し回路520、A/D変換部530に出力する。例えば充電や放電(リセット)の制御信号を生成して出力する。あるいは、各回路のタイミングを制御する信号を生成して出力する。
図12に本実施形態の焦電型光検出器110を含むテラヘルツカメラの例を示す。前述のセンサーデバイス410は、その吸収波長がテラヘルツ波で最適になるように設定されており、センサーデバイス410とテラヘルツ光照射ユニットとを組み合わせてテラヘルツカメラ1000を構成した例を示す。
テラヘルツカメラ1000は、制御ユニット1010と、照射光ユニット1020と、光学フィルター1030と、撮像ユニット1040と、表示部1050とを備えて構成されている。撮像ユニット1040は、図示しないレンズなどの光学系と前述の焦電型光検出器110の吸収波長をテラヘルツ域(1THz〜3THz)で最適化したセンサーデバイス410を含んで構成されている。
制御ユニット1010は、本装置全体を制御するシステムコントローラーを含み、該システムコントローラーは制御ユニットに含まれる光源駆動部および画像処理ユニットを制御する。照射光ユニット1020は、テラヘルツ光(波長が100μm〜1000μmの範囲にある電磁波を指す。)を出射するレーザー装置と光学系を含み、テラヘルツ光を検査対象の人物1060に照射する。人物1060からの反射テラヘルツ光は、探知対象である特定物質1070の分光スペクトルのみを通過させる光学フィルター1030を介して撮像ユニット1040に受光される。撮像ユニット1040で生成された画像信号は、制御ユニット1010の画像処理ユニットで所定の画像処理が施され、その画像信号が表示部1050へ出力される。そして人物1060の衣服内等に特定物質1070が存在するか否かにより受光信号の強度が異なるので特定物質1070の存在が判別できる。
なお、上記実施形態の各電子機器において第1実施形態の焦電型光検出器110に代えて、第2実施形態の焦電型光検出器150を採用してもよい。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う焦電型光検出器及び焦電型光検出装置並びに該焦電型光検出器を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)特定周波数の光(電磁波)に対してアンテナとして機能する熱検知部115(あるいは熱検知部155)の形状は、四角形であることに限定されない。図13は変形例の熱検知部を示す概略平面図である。例えば、図13に示すように、変形例の熱検知部165は、焦電キャパシターであって、平面視で正方形の電極163と、電極163に形成された長方形のスリット164とを有する。スリット164の長辺の長さLと短辺の長さWとがそれぞれ特定周波数にて共振可能な長さに設定されている。
このほかにも特定周波数にて共振可能なアンテナとしては、バイコニカルアンテナ、ディスコーンアンテナ、ボウタイアンテナ、スパイラルアンテナ、板状逆Fアンテナ、ラップアラウンドアンテナなどを挙げることができる。
(変形例2)焦電型光検出器110において支持部107上に形成される熱検知部115の数は複数であることに限定されず、1つでもよい。
(変形例3)焦電型光検出装置100は、それぞれに異なる特定周波数の光を選択的に吸収して電気信号に変換可能な複数種の焦電型光検出器を備えていてもよい。
100…焦電型光検出装置、101…基板、105…空洞部、107…支持部、110,150…焦電型光検出器、111,151…一方の電極としての下電極、112,152…焦電体,113,153…他方の電極としての上電極、115,155,165…熱検知部、1000…電子機器としてのテラヘルツカメラ。

Claims (14)

  1. 焦電型の熱検知部を有し、
    前記熱検知部は、特定周波数の光を吸収する光吸収機能を有することを特徴とする焦電型光検出器。
  2. 焦電型の熱検知部を有し、
    前記熱検知部は、特定周波数にて共振可能なサイズの共振部を有することを特徴とする焦電型光検出器。
  3. 前記特定周波数は、1THz〜3THzであることを特徴とする請求項1または2に記載の焦電型光検出器。
  4. 前記熱検知部は、一対の電極間に焦電体を挟んだ構造を有し、平行平板型のアンテナとして機能することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の焦電型光検出器。
  5. 前記熱検知部は、無指向性の平行平板型のアンテナとして機能することを特徴とする請求項4に記載の焦電型光検出器。
  6. 前記熱検知部は、指向性の平行平板型のアンテナとして機能することを特徴とする請求項4に記載の焦電型光検出器。
  7. 基板と、
    前記基板上において空洞部を挟んで配置された支持部と、を有し、
    前記支持部上に前記熱検知部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の焦電型光検出器。
  8. 基板と、
    前記基板上において空洞部を挟んで配置された支持部と、を有し、
    前記支持部上に複数の前記熱検知部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の焦電型光検出器。
  9. 前記熱検知部は、一対の電極間に焦電体を挟んだ構造を有し、
    前記一対の電極のうち一方の電極は複数の前記熱検知部に亘る共通電極であり、
    前記一方の電極が前記支持部の側に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の焦電型光検出器。
  10. 前記焦電体は、強誘電体であることを特徴とする請求項4乃至9のいずれか一項に記載の焦電型光検出器。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の焦電型光検出器を二軸方向に沿って二次元的に配置したことを特徴とする焦電型光検出装置。
  12. 前記特定周波数が異なる前記焦電型光検出器を含むことを特徴とする請求項11に記載の焦電型光検出装置。
  13. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の焦電型光検出器を備えたことを特徴とする電子機器。
  14. 請求項11または12に記載の焦電型光検出装置を備えたことを特徴とする電子機器。
JP2014006458A 2014-01-17 2014-01-17 焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器 Pending JP2015135264A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014006458A JP2015135264A (ja) 2014-01-17 2014-01-17 焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014006458A JP2015135264A (ja) 2014-01-17 2014-01-17 焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015135264A true JP2015135264A (ja) 2015-07-27

Family

ID=53767189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014006458A Pending JP2015135264A (ja) 2014-01-17 2014-01-17 焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015135264A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019207207A (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 国立大学法人東京工業大学 屈折率測定装置、ナノアンテナ装着基板、屈折率測定方法およびプログラム
CN113503977A (zh) * 2021-07-26 2021-10-15 成都优蕊光电科技有限公司 一种带有隔热结构的线列型热释电红外探测器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019207207A (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 国立大学法人東京工業大学 屈折率測定装置、ナノアンテナ装着基板、屈折率測定方法およびプログラム
JP7205851B2 (ja) 2018-05-30 2023-01-17 国立大学法人東京工業大学 屈折率測定装置、屈折率測定方法およびプログラム
CN113503977A (zh) * 2021-07-26 2021-10-15 成都优蕊光电科技有限公司 一种带有隔热结构的线列型热释电红外探测器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6738122B2 (ja) 検出器、多重セル検出部、光学式光センサ、光学式センシングアレイおよびディスプレイ装置
US8734010B2 (en) Thermal detector, thermal detection device, electronic instrument, and thermal detector manufacturing method
US9000372B2 (en) Thermal detector, thermal detection device and electronic instrument, and method for manufacturing thermal detector
US8569698B2 (en) Thermal detector, thermal detection device, and electronic instrument
US8643133B2 (en) Thermal detector, thermal detection device, and electronic instrument
US9638578B2 (en) Terahertz wave detecting device, camera, imaging apparatus, and measuring apparatus
US9255845B2 (en) Infrared detecting element, method for manufacturing infrared detecting element, and electronic device
JP2012026861A (ja) 熱型検出器、熱型検出装置及び電子機器
JP2014235145A (ja) テラヘルツ波検出装置、カメラ、イメージング装置および計測装置
JP2014235144A (ja) テラヘルツ波検出装置、カメラ、イメージング装置および計測装置
JP2015135264A (ja) 焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器
US8916824B2 (en) Pyroelectric light detector, pyroelectric light detecting device, and electronic device
JP2015198155A (ja) 熱電変換素子、光検出装置、電子機器
JP2012037407A (ja) 焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器
JP2013160708A (ja) 焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器
JP2015161642A (ja) 焦電型光検出器、焦電型光検出装置、電子機器
US20220178758A1 (en) Electromagnetic wave sensor
US20230062983A1 (en) Body and electromagnetic wave sensor
JP5915716B2 (ja) 熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器
US20160097682A1 (en) Pyroelectric material, manufacturing method of pyroelectric material, pyroelectric element, manufacturing method of pyroelectric element, thermoelectric conversion element, manufacturing method of thermoelectric conversion element, thermal photodetector, manufacturing method of thermal photodetector, and electronic instrument
US9423304B2 (en) Infrared ray detecting element and infrared ray detector including the same
JP2013148492A (ja) テラヘルツカメラ及び電子機器
JP2013148444A (ja) テラヘルツカメラおよび電子機器
JP2013057582A (ja) 赤外線検出素子の製造方法、赤外線検出素子及び電子機器
JP2015169495A (ja) 熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160617

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160627