JP2014235145A - テラヘルツ波検出装置、カメラ、イメージング装置および計測装置 - Google Patents

テラヘルツ波検出装置、カメラ、イメージング装置および計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】テラヘルツ波を検出するときにも精度良く電気信号に変換することができるテラヘルツ波検出装置を提供する。
【解決手段】ベース基板2と、ベース基板2上に配列されている複数の第1検出素子9と、を備え、第1検出素子9は、ベース基板2に設けられる第1金属層21と、第1金属層21と離間して設けられた支持基板26と、支持基板26に設けられ、且つ、テラヘルツ波を吸収して熱を発生する誘電体層31と、第2金属層32と焦電体層33と第3金属層34とが積層されて誘電体層31に設けられ、且つ、誘電体層31にて発生した熱を電気信号に変換する変換部35と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、テラヘルツ波検出装置、カメラ、イメージング装置および計測装置に関するものである。
光を吸収して熱に変換して熱を電気信号に変換する光センサーが活用されている。そして、特定の波長に対する感度を向上した光センサーが特許文献1に開示されている。それによると、光センサーは光を吸収して熱を発生する吸収部と、熱を電気信号に変換する変換部とを備えている。
吸収部は直方体の形状をしており、吸収部の一面には格子状に凹凸が所定の周期で設置されている。吸収部に照射された光は回折または散乱し光の多重吸収が生じる。そして、特定の波長の光が吸収部に吸収される。これにより、吸収部は特定の波長の光の光強度に反応して光を熱に変換することができた。1つの吸収部には1つの変換部が設置されている。そして、変換部は吸収部の温度の変化を電気信号に変換していた。この特定の波長は4μm前後の波長を扱っており、凹凸の周期は1.5μm前後となっていた。
近年、100GHz以上30THz以下の周波数を有する電磁波であるテラヘルツ波が注目されている。テラヘルツ波は、例えば、イメージング、分光計測等の各種計測、非破壊検査等に用いることができる。
特開2013−44703号公報
テラヘルツ波は波長が30μm〜1mmと長い光である。テラヘルツ波を検出するときには特許文献1の形態では光センサーが大きくなる。そして、吸収部の熱容量が大きくなるので反応速度が遅くなり、光センサーは検出精度が低いセンサーとなる。そこで、テラヘルツ波を検出するときにも精度良く電気信号に変換することができるテラヘルツ波検出装置が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかるテラヘルツ波検出装置であって、基板と、前記基板上に配列されている複数の検出素子と、を備え、前記検出素子は、前記基板に設けられる第1金属層と、前記第1金属層と離間して設けられた支持基板と、前記支持基板に設けられ、且つ、テラヘルツ波を吸収して熱を発生する吸収部と、第2金属層と焦電体層と第3金属層とが積層されて前記吸収部に設けられ、且つ、前記吸収部にて発生した熱を電気信号に変換する変換部と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、テラヘルツ波検出装置は基板を備え、基板上には空洞を挟んで検出素子が配列されている。検出素子は吸収部と変換部とを備えている。吸収部はテラヘルツ波を吸収して熱を発生する。吸収部に照射されるテラヘルツ波の量に応じて吸収部は熱を発生させる。変換部は吸収部にて発生した熱を電気信号に変換する。従って、吸収部に照射されるテラヘルツ波の量に対応した電気信号を変換部が出力する。
空洞、支持基板及び吸収部が第1金属層と第2金属層とに挟まれた形態となっている。吸収部にテラヘルツ波が入射されるときテラヘルツ波は吸収部及び空洞を進行する。テラヘルツ波は、第1金属層と第2金属層とで反射する。そして、第1金属層と第2金属層とに反射するテラヘルツ波は吸収部の内部を進行する過程で吸収部にエネルギーが吸収されて熱に変換される。従って、テラヘルツ波検出装置を照射するテラヘルツ波は効率良く吸収部に吸収されてエネルギーが熱に変換される。
吸収部が第1金属層と第2金属層とに挟まれた形態となっている。吸収部にテラヘルツ波が入射されるときテラヘルツ波は吸収部、支持基板および支持基板と第1金属層との間の空間を進行する。テラヘルツ波は、第1金属層と第2金属層とで反射する。そして、第1金属層と第2金属層とに反射するテラヘルツ波は吸収部の内部を進行する過程で吸収部にエネルギーが吸収されて熱に変換される。従って、テラヘルツ波検出装置を照射するテラヘルツ波は効率良く吸収部に吸収されてエネルギーが熱に変換される。その結果、テラヘルツ波検出装置は照射されるテラヘルツ波を効率良く吸収し精度良く電気信号に変換することができる。
[適用例2]
上記適用例にかかるテラヘルツ波検出装置において、前記複数の検出素子は、隣り合う前記変換部の間で前記テラヘルツ波が回折するように配列されていることを特徴とする。
本適用例によれば、検出素子は複数配列しているので、変換部も複数配列している。そして、隣り合う変換部の間はスリットとして作用する。従って、隣り合う変換部の間でテラヘルツ波は回折し進行方向を変えて第1金属層と第2金属層との間に進入する。その結果、テラヘルツ波検出装置は照射されるテラヘルツ波を効率良く吸収し精度良く電気信号に変換することができる。
[適用例3]
上記適用例にかかるテラヘルツ波検出装置において、前記第2金属層の配列の周期は前記吸収部にて吸収される前記テラへルツ波の真空中における波長より短いことを特徴とする。
本適用例によれば、第2金属層は吸収部にて吸収されるテラヘルツ波の真空中における波長よりも小さい周期で配置されている。このとき、隣り合う第2金属層の間の間隔は狭い為、テラヘルツ波は回折し易くなる。従って、第1金属層と第2金属層との間にテラヘルツ波を進入させ易くすることができる。
[適用例4]
上記適用例にかかるテラヘルツ波検出装置において、前記検出素子は、前記支持基板と接続する柱状の腕部を含み、且つ、前記支持基板を前記基板と離間して支持する支持部を備え、前記検出素子が配列する方向の前記第2金属層の長さ及び前記吸収部の長さは前記吸収部にて吸収させる前記テラへルツ波の真空中における波長より短く且つ10μmより長いことを特徴とする。
本適用例によれば、吸収部は支持基板に支持され、支持基板には腕部が接続している。第2金属層の長さ及び吸収部の長さは真空中におけるテラヘルツ波の波長より短くなっている。これにより、吸収部は重量を軽くすることができるので、腕部を細くすることができる。または、腕部を長くすることができる。腕部が細いときまたは腕部が長いときには熱が伝導し難くなるので、検出素子は熱を検出し易くすることができる。また、第2金属層の長さは10μmより長い。これにより、テラヘルツ波は第1金属層及び第2金属層にて多重反射する為、吸収部はテラヘルツ波を効率良く吸収することができる。その結果、検出素子は感度良くテラヘルツ波を検出することができる。
[適用例5]
上記適用例にかかるテラヘルツ波検出装置において、前記検出素子が配列する方向の前記第2金属層の長さ及び前記吸収部の長さは前記吸収部にて吸収される前記テラヘルツ波の振幅の2倍の長さより短いことを特徴とする。
本適用例によれば、吸収部は支持基板に支持され、支持基板には腕部が接続している。第2金属層の長さ及び吸収部の長さはテラヘルツ波の振幅の2倍の長さより短くなっている。尚、テラヘルツ波が楕円偏光しているときにはテラヘルツ波の振幅は楕円の長軸方向の振幅を示す。これにより、吸収部は重量を軽くすることができるので、腕部を細くすることができる。または、腕部を長くすることができる。腕部が細いときまたは腕部が長いときには熱が伝導し難くなるので、検出素子は熱を検出し易くすることができる。また、第2金属層の長さは10μmより長い。これにより、テラヘルツ波は第1金属層及び第2金属層にて多重反射する為、吸収部はテラヘルツ波を効率良く吸収することができる。その結果、検出素子は感度良くテラヘルツ波を検出することができる。
[適用例6]
上記適用例にかかるテラヘルツ波検出装置において、前記吸収部の材質は酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウムの何れかを含むことを特徴とする。
本適用例によれば、吸収部の材質は酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウムの何れかを含んでいる。酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウムは誘電率の高い材質である。従って、吸収部はテラヘルツ波に誘電損失を生じさせてテラヘルツ波のエネルギーを効率良く熱に変換させることができる。
[適用例7]
上記適用例にかかるテラヘルツ波検出装置において、前記支持基板の主材料はシリコンであることを特徴とする。
本適用例によれば、支持基板の主材料はシリコンである。シリコン及びシリコン化合物は誘電体である為、支持基板はテラヘルツ波を吸収して熱を発生させることができる。そして、シリコン及びシリコン化合物は剛性がある為、吸収部及び変換部を支える構造物として機能することができる。
[適用例8]
本適用例にかかるカメラであって、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部と、前記テラヘルツ波発生部から射出され対象物を透過した前記テラヘルツ波または前記対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、前記テラヘルツ波検出部の検出結果を記憶する記憶部と、を備え、前記テラヘルツ波検出部は上記のいずれかに記載のテラヘルツ波検出装置であることを特徴とする。
本適用例によれば、テラヘルツ波発生部から射出されたテラヘルツ波が対象物を照射する。テラヘルツ波は対象物を透過または反射した後、テラヘルツ波検出部を照射する。テラヘルツ波検出部はテラヘルツ波の検出結果を記憶部に出力し、記憶部は検出結果を記憶する。これにより、カメラは対象物から進行するテラヘルツ波のデータを要求に応じて出力することができうる。テラヘルツ波検出部には上記に記載のテラヘルツ波検出装置が用いられている。従って、本適用例のカメラは照射されるテラヘルツ波を精度良く電気信号に変換するテラヘルツ波検出装置を備えた装置とすることができる。
[適用例9]
本適用例にかかるイメージング装置であって、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部と、前記テラヘルツ波発生部から射出され対象物を透過した前記テラヘルツ波または前記対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像形成部と、を備え、前記テラヘルツ波検出部は上記のいずれかに記載のテラヘルツ波検出装置であることを特徴とする。
本適用例によれば、テラヘルツ波発生部から射出されたテラヘルツ波が対象物を照射する。テラヘルツ波は対象物を透過または反射した後、テラヘルツ波検出部を照射する。テラヘルツ波検出部はテラヘルツ波の検出結果を画像形成部に出力し、画像形成部は検出結果を用いて対象物の画像を生成する。テラヘルツ波検出部は上記に記載のテラヘルツ波検出装置である。従って、本適用例のイメージング装置は照射されるテラヘルツ波を精度良く電気信号に変換するテラヘルツ波検出装置を備えた装置とすることができる。
[適用例10]
本適用例にかかる計測装置であって、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部と、前記テラヘルツ波発生部から射出され対象物を透過した前記テラヘルツ波または前記対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて前記対象物を計測する計測部と、を備え、前記テラヘルツ波検出部は上記のいずれかに記載のテラヘルツ波検出装置であることを特徴とする。
本適用例によれば、テラヘルツ波発生部から射出されたテラヘルツ波が対象物を照射する。テラヘルツ波は対象物を透過または反射した後、テラヘルツ波検出部を照射する。テラヘルツ波検出部はテラヘルツ波の検出結果を計測部に出力し、計測部は検出結果を用いて対象物を計測する。テラヘルツ波検出部は上記に記載のテラヘルツ波検出装置である。従って、本適用例の計測装置は照射されるテラヘルツ波を精度良く電気信号に変換するテラヘルツ波検出装置を備えた装置とすることができる。
第1の実施形態にかかわり、(a)は、テラヘルツ波検出装置の構造を示す模式平面図、(b)は画素の構造を示す要部拡大図。 (a)は第1検出素子の配置を説明するための模式平面図、(b)及び(c)はテラヘルツ波を説明するための模式図。 (a)は第1検出素子の構造を示す模式平面図、(b)は第1検出素子の構造を示す模式側断面図。 第1検出素子の製造方法を説明するための模式図。 第1検出素子の製造方法を説明するための模式図。 第1検出素子の製造方法を説明するための模式図。 第1検出素子の製造方法を説明するための模式図。 第2の実施形態にかかわり、(a)はイメージング装置の構成を示すブロック図、(b)は、対象物のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフ。 対象物の物質A、B、及びCの分布を示す画像の図。 第3の実施形態にかかわり、計測装置の構成を示すブロック図。 第4の実施形態にかかわり、カメラの構成を示すブロック図。 (a)及び(b)は、変形例にかかわる第1検出素子の構造を示す模式平面図。
本実施形態では、テラヘルツ波検出装置の特徴的な例について、図1〜図12に従って説明する。以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかわるテラヘルツ波検出装置について図1〜図7に従って説明する。図1(a)は、テラヘルツ波検出装置の構造を示す模式平面図である。図1(a)に示すように、テラヘルツ波検出装置1は四角形の基板としてのベース基板2を備え、ベース基板2の周囲には枠部3が設置されている。枠部3はベース基板2を保護する機能を有している。ベース基板2上には格子状に画素4が配列している。画素4の行数及び列数は特に限定されない。画素4の個数が多い方が精度良く被検出物の形状を認識することができる。本実施形態では、図をわかり易くするためにテラヘルツ波検出装置1は16行16列の画素4を備えた装置とした。
図1(b)は画素の構造を示す要部拡大図である。図1(b)に示すように、画素4は第1画素5、第2画素6、第3画素7及び第4画素8により構成されている。ベース基板2の平面視(ベース基板2の板厚方向から見て)で第1画素5〜第4画素8はそれぞれ四角形となっており、同じ面積となっている。そして、第1画素5〜第4画素8は画素4の重心を通る線で4分割された場所に配置されている。
第1画素5には検出素子としての第1検出素子9が4行4列の格子状に配列され、第2画素6には検出素子としての第2検出素子10が4行4列の格子状に配列されている。第3画素7には検出素子としての第3検出素子11が4行4列の格子状に配列され、第4画素8には検出素子としての第4検出素子12が4行4列の格子状に配列されている。第1検出素子9〜第4検出素子12は同じ構造をしておりベース基板2の平面視における大きさが異なっている。第1検出素子9より第2検出素子10が大きく、第2検出素子10より第3検出素子11が大きな素子となっている。そして、第3検出素子11より第4検出素子12が大きな素子となっている。
第1検出素子9〜第4検出素子12はベース基板2の平面視における大きさと検出するテラヘルツ波の共振周波数との間で相関がある。大きい検出素子は小さい検出素子よりも波長の長いテラヘルツ波を検出することができる。第1検出素子9、第2検出素子10、第3検出素子11、第4検出素子12が検出するテラヘルツ波の波長をそれぞれ第1波長、第2波長、第3波長、第4波長とする。このとき、第4波長がこれらの波長の中では最も長い波長であり、第3波長、第2波長の順で短くなり、第1波長がこれらの波長の中では最も短い波長となっている。
画素4には第1検出素子9〜第4検出素子12の4種類の検出素子が配列されている。従って、テラヘルツ波検出装置1は第1波長〜第4波長の4種類の波長のテラヘルツ波を検出することができる。第1検出素子9〜第4検出素子12は同様の構造であるので、第1検出素子9の構造を説明し、第2検出素子10〜第4検出素子12の説明は省略する。
図2(a)は第1検出素子の配置を説明するための模式平面図である。図2(b)及び図2(c)はテラヘルツ波を説明するための模式図である。図2(a)に示すように、第1画素5では第1検出素子9が4行4列の格子状に配列されている。各行において第1検出素子9は一定の周期で配列されている。その周期を周期としての第1周期13とする。各列において第1検出素子9は一定の周期で配置されている。その周期を周期としての第2周期14とする。テラヘルツ波15は第1検出素子9が設置されたベース基板2の平面に対して法線方向に進行して第1検出素子9(具体的には、後述の変換部35)に到達すると回折して第1検出素子9の内部に進入する。隣り合う第1検出素子9(変換部35)の間の部分は狭くなっており、テラヘルツ波15に対してスリットとして作用する。従って、照射されるテラヘルツ波15の進行方向は第1検出素子9の端で第1検出素子9の内部に向かう方向に変更される。
図2(b)に示すように、テラヘルツ波15は真空中で一定の波長15aを維持して進行する光である。そして、テラヘルツ波15は第1画素5で検出される光である。このとき、第1検出素子9が配列する方向の周期である第1周期13及び第2周期14は波長15aより短いのが好ましい。第1周期13及び第2周期14が波長15aより短い方がテラヘルツ波15は回折し易くなる為、第1検出素子9はテラヘルツ波15を取り込んで検出感度を上げることができる。
図2(c)に示すように、テラヘルツ波15は偏光する場合がある。偏光には楕円偏光や直線偏光がある。このときの偏光の長手方向を偏光方向15bとする。偏光方向15bはテラヘルツ波15の進行方向と直交する方向となっている。そして、偏光方向15bのテラヘルツ波15の長さの半分の長さを振幅15cとする。このとき、第1周期13及び第2周期14は振幅15cの2倍の長さより短いのが好ましい。第1周期13及び第2周期14が短い方がテラヘルツ波15が回折し易くなる為、第1検出素子9はテラヘルツ波15を取り込んで検出感度を上げることができる。
図3(a)は第1検出素子の構造を示す模式平面図であり、図3(b)は第1検出素子の構造を示す模式側断面図である。図3(b)は図3(a)のA−A’線に沿う断面図である。図3に示すように、ベース基板2上には第1絶縁層16が設置されている。ベース基板2の材質はシリコンであり、第1絶縁層16の材質は特に限定されないが窒化シリコン、炭窒化シリコン、二酸化シリコン等を用いることができる。本実施形態では例えば第1絶縁層16の材質に二酸化シリコンが用いられている。ベース基板2の第1絶縁層16側の面には配線や駆動回路等の回路が形成されている。第1絶縁層16はベース基板2上の回路を覆うことにより予定外の電流の流動を防止する。
第1絶縁層16上には第1柱部17及び第2柱部18が立設されている。第1柱部17及び第2柱部18の材質は第1絶縁層16と同じ材質である。第1柱部17及び第2柱部18の形状は四角錐の頂点を平坦にした角錐台の形状となっている。第1絶縁層16において第1柱部17及び第2柱部18と接する場所を除いた場所には第1金属層21が設置されている。第1金属層21の上側、第1柱部17及び第2柱部18の側面には第1保護層22が設置されている。第1保護層22は第1柱部17及び第2柱部18等を形成するときに用いるエッチング液から第1金属層21、第1柱部17及び第2柱部18を保護する層である。第1柱部17、第2柱部18、第1金属層21及び第1絶縁層16がエッチング液に耐性があるときには第1保護層22の設置を省略しても良い。
第1柱部17上には第2保護層23を介して腕部及び支持部としての第1腕部24が設置され、第2柱部18の上には第2保護層23を介して腕部及び支持部としての第2腕部25が設置されている。そして、第1腕部24及び第2腕部25に接続して支持基板26が配置され、第1腕部24及び第2腕部25が支持基板26を支持している。第1柱部17、第2柱部18、第1腕部24及び第2腕部25により支持部27が構成されている。支持部27により支持基板26はベース基板2から離して支持されている。支持基板26、第1柱部17及び第2柱部18においてベース基板2を向く面には第2保護層23が設置されている。第2保護層23は支持基板26、第1柱部17及び第2柱部18等を形成するときに用いるエッチング液から第1腕部24、第2腕部25及び支持基板26を保護する膜である。
第1金属層21の材質は、テラヘルツ波15を反射し易い材質であればよく、比抵抗が10以上100以下の材質が好ましい。さらに、第1金属層21の材質はシート抵抗が10オーム/□以上の材質が好ましい。第1金属層21の材質には例えば、金、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛、クロム、鉛、チタン等の金属やニクロム等の合金を用いることができる。第1保護層22及び第2保護層23の材質は耐エッチング性があれば良く特に限定されないが本実施形態では例えば第1保護層22及び第2保護層23の材質に酸化アルミニウムを用いている。第1腕部24、第2腕部25及び支持基板26がエッチング液に耐性があるときには第2保護層23の設置を省略しても良い。
支持部27により支持基板26はベース基板2および第1金属層21と離間しており、ベース基板2と支持基板26との間は空洞28となっている。第1腕部24及び第2腕部25の形状は角柱を直角に曲げた形状となっており、一部が支持基板26の辺と平行に配置されている。これにより、第1腕部24及び第2腕部25は長くなっており、支持基板26からベース基板2に熱が伝導することを抑制する。
ベース基板2の表面と第1腕部24の図中上側の表面との間には第1柱部17及び第1腕部24を貫通する第1貫通電極29が設置されている。さらに、ベース基板2の表面と第2腕部25の表面との間には第2柱部18及び第2腕部25とを貫通する第2貫通電極30が設置されている。
支持基板26の材質は剛性がありテラヘルツ波15を透過吸収し加工可能であれば良く特に限定されない。支持基板26の主材質はシリコンが好ましく、本実施形態では例えば、二酸化シリコン、窒化シリコン、二酸化シリコンの3層構造となっている。第1貫通電極29及び第2貫通電極30の材質は導電性があり微細なパターンが形成可能であれば良く特に限定されないが例えばチタン、タングステン、アルミニウム等の金属を用いることができる。
支持基板26上にはベース基板2の平面視が四角形の吸収部としての誘電体層31が設置されている。言い換えれば、支持基板26は誘電体層31及び後述の変換部35を支持している。誘電体層31は進入するテラヘルツ波15を吸収して熱を発生する層である。例えば本実施形態では、誘電体層31の厚さは100nm以上1μm以下であり、誘電体層31の比誘電率は2以上100以下である。誘電体層31の比抵抗は10以上100以下が好ましく、誘電体層31の材質は、例えば、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウム、酸化チタン、ポリイミド、窒化シリコン、酸化アルミニウム、またはこれらの積層体を用いることができる。
誘電体層31の上には第2金属層32、焦電体層33、第3金属層34がこの順に積層された変換部35が設置されている。変換部35は熱を電気信号に変換する焦電センサーの機能を有している。第2金属層32の材質は電導性が良くテラヘルツ波15を反射する金属であればよく、さらには耐熱性のある金属が好ましい。本実施形態では例えば、第2金属層32はイリジウム、酸化イリジウム、白金の層を支持基板26側からこの順に積層している。イリジウムは配向制御、酸化イリジウムは還元ガスバリア、白金はシード層としての機能を備えている。尚、第2金属層32は誘電体層31側に第1金属層21と同様の材質の層を配置しても良い。これにより第2金属層32はテラヘルツ波15を効率良く反射させることができる。
焦電体層33の材質は焦電効果を発揮することができる誘電体であり、温度変化に応じて電気分極量の変化を生じることができる。焦電体層33の材質にはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)またはPZTにNb(ニオブ)を添加したPZTNを用いることができる。
第3金属層34の材質は導電性の良い金属であればよく、さらには耐熱性のある金属が好ましい。本実施形態では例えば、第3金属層34の材質に白金、酸化イリジウム、イリジウムの層を焦電体層33側からこの順に積層している。白金は配向整合、酸化イリジウムは還元ガスバリア、イリジウムは低抵抗層としての機能を備えている。尚、第3金属層34、第2金属層32の材質は上記の例に限定されず、例えば、金、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛、クロム、鉛、チタン等の金属やニクロム等の合金であっても良い。
変換部35の周囲には第2絶縁層36が配置されている。さらに、変換部35の第1腕部24側には第2絶縁層36によりスロープが設置され、誘電体層31の第2柱部18側にも第2絶縁層36によりスロープが設置されている。そして、第1腕部24上には第1貫通電極29と第3金属層34とを接続する第1配線37が設置され、第1配線37は第2絶縁層36のスロープ上に設置されている。第2腕部25上には第2貫通電極30と第2金属層32とを接続する第2配線38が設置され、第2配線38は第2絶縁層36のスロープ上に設置されている。
変換部35が出力する電気信号は第1配線37、第1貫通電極29、第2配線38及び第2貫通電極30によりベース基板2上の電気回路に伝達される。第1配線37は第1腕部24から第2絶縁層36の上を通って第3金属層34と接続する。これにより、第1配線37が第2金属層32及び焦電体層33と接触することが防止されている。さらに、第1配線37及び第2配線38を覆って図示しない絶縁膜が設置されても良い。第1配線37及び第2配線38に予定外の電流が流れることを防止することがきる。第2絶縁層36の材料にはシリコン膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜を用いることができる。本実施形態では例えば第2絶縁層36に窒化シリコン膜を用いている。
ベース基板2には第1検出素子9が格子状に配列されており、第2金属層32の周期は第1周期13及び第2周期14と同じ周期となっている。そして、第2金属層32の周期はテラヘルツ波15の真空における波長に比べて小さい周期で配列されている。これにより、隣り合う第1検出素子9の間の部分はテラヘルツ波15に対してスリットとして作用する。
第1検出素子9にテラヘルツ波15が照射されるときテラヘルツ波15は隣り合う第1検出素子9(第2金属層32)の間を通過するときに回折する。そして、テラヘルツ波15は進行方向が変わり一部のテラヘルツ波15は第1金属層21と第2金属層32との間に進入する。そして、テラヘルツ波15は第1金属層21と第2金属層32との間で多重反射して誘電体層31、支持基板26及び空洞28を進行する。
誘電体層31及び支持基板26を進行するテラヘルツ波15のエネルギーは熱に変換される。誘電体層31は誘電率が高いので効率良く発熱する。そして、第1検出素子9を照射するテラヘルツ波15の光強度が強い程誘電体層31及び支持基板26が加熱され誘電体層31及び支持基板26の温度が上昇する。誘電体層31及び支持基板26の熱は変換部35に伝導する。そして、変換部35の温度が上昇し、変換部35は上昇した温度を電気信号に変換して第1貫通電極29及び第2貫通電極30に出力する。
支持基板26及び変換部35に蓄えられた熱は、第3金属層34、第1配線37、第1腕部24及び第1柱部17を通ってベース基板2に伝導する。さらに、支持基板26及び変換部35に蓄えられた熱は、第2金属層32、第2配線38、第2腕部25及び第2柱部18を通ってベース基板2に伝導する。従って、第1検出素子9を照射するテラヘルツ波15の光強度が低下するとき、時間の経過に伴って支持基板26及び変換部35の温度が低下する。従って、第1検出素子9は第1検出素子9に照射されるテラヘルツ波15の光強度の変動を検出することができる。
誘電体層31は平面視が正方形であり一辺の長さを誘電体層長31aとする。第2金属層32は平面視が正方形であり一辺の長さを第2金属層長32aとする。特に限定されないが、本実施形態では例えば、誘電体層長31aと第2金属層長32aとは同じ長さとなっている。誘電体層長31a及び第2金属層長32aはテラヘルツ波15の真空における波長15aより短くするのが好ましい。また、振幅15cの2倍より短くするのが好ましい。
誘電体層長31a及び第2金属層長32aを短くすることにより誘電体層31の重量を軽くすることができる。これにより、第1腕部24及び第2腕部25を細くすることができる。そして、第1検出素子9は第1腕部24及び第2腕部25の断熱性を高くすることができる。その結果、変換部35及び支持基板26から熱が放出され難くなるので、テラヘルツ波15の検出精度を良くすることができる。また、誘電体層31が小さい方が大きいときに比べて熱容量が小さくなるので、熱の発生に対して温度変化が大きくなる。このため、誘電体層31は効率良くテラヘルツ波15を吸収して発生した熱を温度に変換することができる。
誘電体層長31a及び第2金属層長32aは10μmより長くするのが好ましい。このとき、テラヘルツ波15を効率良く誘電体層31に吸収させることができる。誘電体層長31a及び第2金属層長32aが10μmより短いときテラヘルツ波15が誘電体層31を通過する確率が高くなるのでテラヘルツ波15を吸収して熱を発生する効率が低下する。
変換部35、誘電体層31及び支持基板26を覆って第3保護層41が設置されている。第3保護層41は変換部35及び支持基板26に塵が付着することを防止する。さらに、酸素や水分の進入により変換部35及び支持基板26が劣化することを防止する。第3保護層41の材料にはシリコン膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、各種の樹脂材料が用いることができる。本実施形態では例えば第3保護層41に窒化シリコン膜を用いている。第3保護層41はさらに第1腕部24及び第2腕部25を覆っても良い。これにより第3保護層41は第1配線37及び第2配線38に塵が付着したり予定外の電気が流動したりすることを防止することができる。
配列した各第1検出素子9において外形に対する第2金属層32の位置は同じ位置となっている。従って、各第1検出素子9の周期である第1周期13及び第2周期14は第2金属層32の周期と同じ長さとなっている。そして、第2金属層32の周期が波長15aより短く設定されることにより、隣り合う第2金属層32の間隔を短くすることができる。これにより、テラヘルツ波15を効率よく回折させて支持基板26の内部に向かって進行させることができる。
次に、図4〜図7を用いて、第1検出素子9の製造方法を説明する。第2検出素子10〜第4検出素子12の製造方法は第1検出素子9の製造方法と同じであり、説明を省略する。図4〜図7は第1検出素子の製造方法を説明するための模式図である。図4(a)に示すように、ベース基板2上に第1絶縁層16を形成する。第1絶縁層16は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。次に、第1絶縁層16には第1貫通孔29a及び第2貫通孔30aがフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いてパターニングして形成される。以下、パターニングはフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いることとする。次に、第1貫通孔29a及び第2貫通孔30aにそれぞれ第1貫通電極29及び第2貫通電極30が形成される。第1貫通電極29及び第2貫通電極30は、例えば、めっき法、スパッタ法により形成される。
図4(b)に示すように、第1絶縁層16がパターニングされて、第1柱部17及び第2柱部18が形成される。第1柱部17及び第2柱部18の形成にはドライエッチング法が用いられ製造条件を調整することにより側面を傾斜させることができる。次に、第1柱部17及び第2柱部18を除いた場所の第1絶縁層16上に第1金属層21が設置される。第1金属層21は例えばスパッタ法により形成されパターニングされる。尚、第1柱部17及び第2柱部18の側面に第1金属層21が形成されていても良い。
図4(c)に示すように、第1金属層21、第1柱部17及び第2柱部18上に第1保護層22が形成される。CVD法にて酸化アルミニウムの膜が形成され、この膜を第1保護層22とする。これにより、第1絶縁層16、第1柱部17及び第2柱部18は酸化アルミニウムの膜に覆われた状態となる。
次に、第1保護層22上にCVD法を用いて二酸化シリコンからなる犠牲層42が形成される。このとき、第1柱部17及び第2柱部18を超える高さに二酸化シリコンの膜が形成され、犠牲層42の膜厚は第1柱部17及び第2柱部18の高さより厚く形成される。次に、CMP法(Chemical Mechanical Polishing)を用いて犠牲層42の上面が平坦に形成され、第1柱部17及び第2柱部18の上面と犠牲層42の面とが同一の面に形成される。さらに、第1柱部17及び第2柱部18の上面に残留する第1金属層21、第1保護層22及び犠牲層42が除去される。
図4(d)に示すように、犠牲層42上に第2保護層23が形成される。第2保護層23はCVD法やスパッタ法により形成される。次に、第2保護層23上に支持基板層26aが形成される。支持基板層26aは第1腕部24、第2腕部25及び支持基板26の元になる層である。支持基板層26aは、例えば、CVD法、スパッタ法により形成される。
次に、第2保護層23及び支持基板層26aがパターニングされ、第1貫通孔29a及び第2貫通孔30aが形成される。第1貫通孔29a及び第2貫通孔30aは、それぞれ前工程で形成した第1貫通電極29及び第2貫通電極30が露出するように形成される。次に、第1貫通孔29aに第1貫通電極29の材料が充填され、第2貫通孔30aには第2貫通電極30の材料が充填される。第1貫通電極29及び第2貫通電極30は、例えば、めっき法、スパッタ法により形成される。以上の工程により、支持基板層26aの表面からベース基板2に繋がる第1貫通電極29及び第2貫通電極30が形成される。
図5(a)に示すように、支持基板層26aに誘電体層31の材料を配置する。誘電体層31の材料は、例えば、CVD法により成膜されパターニングによって形成される。次に、配置した誘電体層31の材料を焼成することにより誘電体層31を形成する。このときの焼成温度は特に限定されないが本実施形態では例えば約700℃で行っている。
図5(b)に示すように、誘電体層31上に、第2金属層32、焦電体層33、及び第3金属層34がこの順で積層されて形成される。これにより、変換部35が形成される。第2金属層32、第3金属層34は、例えば、スパッタ法にて成膜されパターニングして形成される。焦電体層33は、例えば、スパッタ法やゾルゲル法にて成膜された後でパターニングされることにより形成される。次に、焦電体層33が焼結される。焦電体層33を焼結する温度は特に限定されないが、本実施形態では例えば焦電体層33を約400℃にて焼結している。この温度は誘電体層31に影響を与えない温度となっている。
次に、図5(c)に示すように、誘電体層31及び変換部35の周囲に、第2絶縁層36が形成される。第2絶縁層36は、例えば、スパッタ法やCVD法にて成膜されパターニングされることにより形成される。パターニング条件を調整することにより第1配線37及び第2配線38を配置する場所にスロープが形成される。
図6(a)に示すように、支持基板層26a上及び第2絶縁層36上に第1配線37が形成され、第3金属層34と第1貫通電極29とが電気的に接続される。さらに、支持基板層26a上に第2配線38が形成され、第2金属層32と第2貫通電極30とが電気的に接続される。第1配線37及び第2配線38は、例えば、めっき法、スパッタ法により成膜されパターニングされることにより形成される。
図6(b)に示すように、変換部35及び誘電体層31を覆って第3保護層41が形成される。第3保護層41は、例えば、CVD法により成膜されパターニングによって形成される。第3保護層41はさらに第1配線37及び第2配線38を覆うように形成されても良い。
図7(a)に示すように、支持基板層26a及び第2保護層23がパターニングされる。これにより、支持基板26が四角形に形成され、第1腕部24及び第2腕部25が角柱状に形成される。第1腕部24は誘電体層31と第1柱部17とを連結し、第2腕部25は誘電体層31と第2柱部18とを連結する。
図7(b)に示すように、犠牲層42が除去される。エッチングしない場所がマスキングされた後でエッチングされて犠牲層42が除去される。そして、エッチング後にマスキングが除去され洗浄される。第1柱部17及び第2柱部18は第1保護層22に保護されているのでエッチングされずに形成される。支持基板26のベース基板2側の面も第2保護層23に保護されているので支持基板26はエッチングされずに形成される。これにより、第1柱部17、第2柱部18及び空洞28が形成される。また、第1柱部17及び第2柱部18と同時に枠部3が形成されてもよい。尚、第1検出素子9と並行して第2検出素子10〜第4検出素子12が形成される。以上の工程によりテラヘルツ波検出装置1が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1検出素子9は誘電体層31と変換部35とを備えている。誘電体層31はテラヘルツ波15を吸収して熱を発生する。誘電体層31に照射されるテラヘルツ波15の量に応じて誘電体層31は熱を発生させる。変換部35は誘電体層31にて発生した熱を電気信号に変換する。従って、誘電体層31に照射されるテラヘルツ波15の量に対応した電気信号を変換部35が出力することができる。
(2)本実施形態によれば、テラヘルツ波検出装置1はベース基板2を備え、ベース基板2上には空洞28を挟んで第1検出素子9が配列されている。支持基板26は支持部27により支持されている為、支持基板26及び誘電体層31の熱はベース基板2に伝導し難くなっている。従って、誘電体層31にて発生した熱により変換部35の温度が応答性良く上昇する為、第1検出素子9は感度良くテラヘルツ波15を検出することができる。尚、第2検出素子10〜第4検出素子12の構造は第1検出素子9と同様の構造であり、感度良くテラヘルツ波15を検出することができる。
(3)本実施形態によれば、支持基板26及び誘電体層31が第1金属層21と第2金属層32とに挟まれた形態となっている。誘電体層31にテラヘルツ波15が入射されるときテラヘルツ波15は誘電体層31、支持基板26を進行する。テラヘルツ波15は、第1金属層21と第2金属層32とで多重反射する。そして、第1金属層21と第2金属層32とに反射するテラヘルツ波15は誘電体層31の内部を進行する過程で誘電体層31にエネルギーが吸収されて熱に変換される。従って、テラヘルツ波検出装置1を照射するテラヘルツ波15を第1検出素子9は効率良く誘電体層31に吸収させてエネルギーを熱に変換させることができる。
(4)本実施形態によれば、第1検出素子9は隔てて複数配列しているので、変換部35も隔てて複数配列している。そして、隣り合う変換部35の間はスリットとして作用する。従って、変換部35でテラヘルツ波15は回折し進行方向を変えて誘電体層31に進入する。その結果、テラヘルツ波検出装置1は照射されるテラヘルツ波15を効率良く吸収し精度良く電気信号に変換することができる。
(5)本実施形態によれば、第2金属層32は誘電体層31にて吸収されるテラヘルツ波15の真空中における波長よりも小さい周期で配列されている。このとき、隣り合う第2金属層32の間の間隔は狭くなる為、テラヘルツ波15は回折し易くなる。従って、第1金属層21と第2金属層32との間にテラヘルツ波15を進入させ易くすることができる。
(6)本実施形態によれば、第2金属層32の長さ及び誘電体層31の長さは誘電体層31にて吸収されるテラヘルツ波15の真空中における波長より短くなっている。さらに、第2金属層32の長さ及び誘電体層31の長さは誘電体層31にて吸収されるテラヘルツ波15の振幅の2倍の長さより短くなっている。これにより、誘電体層31は重量を軽くすることができるので、第1腕部24及び第2腕部25を細くすることができる。または、第1腕部24及び第2腕部25を長くすることができる。第1腕部24及び第2腕部25が細いときまたは第1腕部24及び第2腕部25が長いときには支持基板26の熱がベース基板2に伝導し難くなるので、第1検出素子9は熱を検出し易くすることができる。
(7)本実施形態によれば、第2金属層32の長さは10μmより長くなっている。これにより、テラヘルツ波15は第1金属層21及び第2金属層32にて多重反射する為、誘電体層31はテラヘルツ波15を効率良く吸収することができる。その結果、第1検出素子9は感度良くテラヘルツ波15を検出することができる。
(8)本実施形態によれば、誘電体層31は酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウムの何れかを含んでいる。酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウムは誘電率の高い材質である。従って、誘電体層31はテラヘルツ波15に誘電損失を生じさせてテラヘルツ波のエネルギーを効率良く熱に変換させることができる。
(9)本実施形態によれば、支持基板26の材質は二酸化シリコンを備えている。シリコン及びシリコン化合物は誘電体である為、支持基板26はテラヘルツ波15を吸収して熱を発生することができる。そして、シリコン及びシリコン化合物は剛性がある為、誘電体層31及び変換部35を支える構造物として機能することができる。
(第2の実施形態)
次に、テラヘルツ波検出装置を用いたイメージング装置の一実施形態について図8及び図9を用いて説明する。図8(a)はイメージング装置の構成を示すブロック図である。図8(b)は、対象物のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフである。図9は、対象物の物質A、B、及びCの分布を示す画像の図である。
図8(a)に示すようにイメージング装置45はテラヘルツ波発生部46、テラヘルツ波検出部47及び画像形成部48を備えている。テラヘルツ波発生部46はテラヘルツ波15を対象物49に射出する。テラヘルツ波検出部47は対象物49を透過したテラヘルツ波15または対象物49にて反射されたテラヘルツ波15を検出する。画像形成部48はテラヘルツ波検出部47の検出結果に基づいて、対象物49の画像のデータである画像データを生成する。
テラヘルツ波発生部46には、例えば、量子カスケードレーザー、光伝導アンテナと短パルスレーザーとを用いた方式、非線形光学結晶を用いた差周波数発生方式を用いることができる。テラヘルツ波検出部47には上記に記載したテラヘルツ波検出装置1が用いられている。
テラヘルツ波検出部47は第1検出素子9〜第4検出素子12を備え、各検出素子は異なる波長のテラヘルツ波15を検出する。従って、テラヘルツ波検出部47は4種類の波長のテラヘルツ波15を検出することができる。イメージング装置45は4つの検出素子のうち第1検出素子9及び第2検出素子10を用いて2種類の波長のテラヘルツ波15を検出し、対象物49を分析する装置である。
分光イメージングの対象となる対象物49が、第1物質49a、第2物質49b、及び第3物質49cにより構成されているとする。イメージング装置45は、この対象物49の分光イメージングを行う。テラヘルツ波検出部47は対象物49により反射されたテラヘルツ波15を検出する。尚、分析に使用する波長の種類は3種類以上にしても良い。これによりさらに多くの種類の対象物49を分析することができる。
第1検出素子9が検出するテラヘルツ波15の波長を第1波長とし、第2検出素子10が検出する波長を第2波長とする。対象物49にて反射されたテラヘルツ波15の第1波長の光強度を第1強度とし、第2波長の光強度を第2強度とする。第1物質49aと第2物質49bと第3物質49cとで第1強度と第2強度の差分が互いに顕著に区別できるように第1波長及び第2波長が設定されている。
図8(b)において縦軸は検出されたテラヘルツ波15の光強度を示し、図中上側が下側より強い強度となっている。横軸は検出されたテラヘルツ波15の波長を示し図中右側が左側より長い波長となっている。第1特性線50は第1物質49aが反射するテラヘルツ波15の波長と光強度との関係の特性を示す線である。同様に、第2特性線51は第2物質49bにおけるテラヘルツ波15の特性を示し、第3特性線52は第3物質49cにおけるテラヘルツ波15の特性を示している。横軸には第1波長53及び第2波長54の場所が明示されている。
対象物49が第1物質49aのとき対象物49で反射したテラヘルツ波15の第1波長53の光強度を第1強度50aとし第2波長54の光強度を第2強度50bとする。第1強度50aは第1波長53における第1特性線50の値であり、第2強度50bは第2波長54における第1特性線50の値である。第2強度50bから第1強度50aを減算した値である第1波長差は正の値となる。
同様に、対象物49が第2物質49bのとき対象物49で反射したテラヘルツ波15の第1波長53の光強度を第1強度51aとし第2波長54の光強度を第2強度51bとする。第1強度51aは第1波長53における第2特性線51の値であり、第2強度51bは第2波長54における第2特性線51の値である。第2強度51bから第1強度51aを減算した値である第2波長差は零となる。
対象物49が第3物質49cのとき対象物49で反射したテラヘルツ波15の第1波長53の光強度を第1強度52aとし第2波長54の光強度を第2強度52bとする。第1強度52aは第1波長53における第3特性線52の値であり、第2強度52bは第2波長54における第3特性線52の値である。第2強度52bから第1強度52aを減算した値である第3波長差は負の値となる。
イメージング装置45が対象物49の分光イメージングを行う際は、まず、テラヘルツ波発生部46がテラヘルツ波15を発生させる。そして、テラヘルツ波発生部46がテラヘルツ波15を対象物49に照射する。そして、対象物49で反射されたテラヘルツ波15または対象物49を透過したテラヘルツ波15の光強度をテラヘルツ波検出部47が検出する。この検出結果はテラヘルツ波検出部47から画像形成部48に送出される。尚、対象物49へのテラヘルツ波15の照射及び対象物49で反射したテラヘルツ波15の検出は検査する領域に位置する総ての対象物49に対して行う。
画像形成部48はテラヘルツ波検出部47の検出結果を用いて第2波長54における光強度から第1波長53における光強度を減算する。そして、減算した結果が正の値となる部位を第1物質49aと判断する。同様に、減算した結果が零となる部位を第2物質49bと判断し、減算した結果が負の値となる部位を第3物質49cと判断する。
図9に示すように、また、画像形成部48では、対象物49の第1物質49a、第2物質49b、及び第3物質49cの分布を示す画像の画像データを作成する。この画像データは画像形成部48から図示しないモニターに出力され、モニターは第1物質49a、第2物質49b、及び第3物質49cの分布を示す画像を表示する。例えば、第1物質49aの分布する領域は黒色、第2物質49bの分布する領域は灰色、第3物質49cの分布する領域は白色に色分けして表示される。以上のように、イメージング装置45では対象物49を構成する各物質の同定と、その各物質の分布測定とを同時に行うことができる。
尚、イメージング装置45の用途は、上記のものに限らない。例えば、人物に対してテラヘルツ波15を照射し人物を透過または反射したテラヘルツ波15を検出する。画像形成部48において検出したテラヘルツ波15の検出結果の処理を行うことにより、その人物が拳銃、ナイフ、違法な薬物等を所持しているか否かを判別することもできる。テラヘルツ波検出部47には上記に記載したテラヘルツ波検出装置1が用いられている。従って、イメージング装置45は高い検出感度を有することができる。
(第3の実施形態)
次に、テラヘルツ波検出装置を用いた計測装置の一実施形態について図10を用いて説明する。図10は計測装置の構成を示すブロック図である。図10に示すように計測装置57は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部58、テラヘルツ波検出部59及び計測部60を備えている。テラヘルツ波発生部58は対象物61にテラヘルツ波15を照射する。テラヘルツ波検出部59は対象物61を透過するテラヘルツ波15または対象物61にて反射されたテラヘルツ波15を検出する。テラヘルツ波検出部59には上記に記載したテラヘルツ波検出装置1が用いられている。計測部60はテラヘルツ波検出部59の検出結果に基づいて、対象物61を計測する。
次に、計測装置57の使用例について説明する。計測装置57により、対象物61の分光計測を行う際は、まず、テラヘルツ波発生部58により、テラヘルツ波15を発生させ、そのテラヘルツ波15を対象物61に照射する。そして、対象物61を透過したテラヘルツ波15または対象物61で反射されたテラヘルツ波15をテラヘルツ波検出部59が検出する。検出結果は、テラヘルツ波検出部59から計測部60に出力される。尚、この対象物61へのテラヘルツ波15の照射及び対象物61を透過したテラヘルツ波15または対象物61で反射されたテラヘルツ波15の検出は計測範囲内に位置する総ての対象物61に対して行なわれる。
計測部60は、検出結果から各画素4を構成する第1検出素子9〜第4検出素子12において検出されたテラヘルツ波15のそれぞれの光強度を入力して対象物61の成分及びその分布等の分析を行う。他にも、対象物61の面積や長さを計測しても良い。テラヘルツ波検出部59には上記に記載したテラヘルツ波検出装置1が用いられている。従って、計測装置57は高い検出感度を有することができる。
(第4の実施形態)
次に、テラヘルツ波検出装置を用いたカメラの一実施形態について図11を用いて説明する。図11はカメラの構成を示すブロック図である。図11に示すようにカメラ64は、テラヘルツ波発生部65、テラヘルツ波検出部66、記憶部67及び制御部68を備えている。テラヘルツ波発生部65はテラヘルツ波15を対象物69に照射する。テラヘルツ波検出部66は対象物69で反射されたテラヘルツ波15または対象物69を透過したテラヘルツ波15を検出する。テラヘルツ波検出部66には上記に記載したテラヘルツ波検出装置1が用いられている。記憶部67はテラヘルツ波検出部66の検出結果を記憶する。制御部68はテラヘルツ波発生部65、テラヘルツ波検出部66及び記憶部67の動作を制御する。
カメラ64は筐体70を備え、テラヘルツ波発生部65、テラヘルツ波検出部66、記憶部67及び制御部68は筐体70に収められている。カメラ64は、対象物69にて反射したテラヘルツ波15をテラヘルツ波検出部66に結像させるレンズ71を備えている。さらに、カメラ64はテラヘルツ波発生部65が射出するテラヘルツ波15を筐体70の外部へ射出させるための窓部72を備えている。レンズ71や窓部72の材質は、テラヘルツ波15を透過し屈折させるシリコン、石英、ポリエチレン等によって構成されている。尚、窓部72は、スリットのように単に開口が設けられている構成としてもよい。
次に、カメラ64の使用例について説明する。対象物69を撮像するとき、まず、制御部68はテラヘルツ波発生部65にテラヘルツ波15を射出させる。そのテラヘルツ波15は対象物69を照射する。そして、対象物69にて反射されたテラヘルツ波15はレンズ71によってテラヘルツ波検出部66に結像され、テラヘルツ波検出部66が対象物69を検出する。検出結果はテラヘルツ波検出部66から記憶部67に出力されて記憶される。尚、対象物69へのテラヘルツ波15の照射及び対象物69で反射されたテラヘルツ波15の検出は、撮像範囲内に位置する総ての対象物69に対して行われる。また、カメラ64は検出結果を、例えば、パーソナルコンピューター等の外部装置に送信しても良い。パーソナルコンピューターは検出結果に基づいて各種の処理を行うことができる。
カメラ64のテラヘルツ波検出部66には上記に記載したテラヘルツ波検出装置1が用いられている。従って、カメラ64は高い検出感度を有することができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。上記実施形態で説明した構成と実質的に同一の機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成にしても良い。また、上記実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成にしても良い。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、ベース基板2上に第1検出素子9が縦横に配列する格子状に配置された。第1検出素子9の配列は格子状以外の配列パターンでも良い。図12(a)は第1検出素子の構成を示す模式平面図である。図12(a)に示すように、例えば、検出素子としての第1検出素子75の平面形状を六角形にしてハニカム状に配列されても良い。他にも第1検出素子9の配列はこれ以外の繰り返しパターンにしても良い。このときにも隣り合う検出素子の間をスリットにしてテラヘルツ波15を回折させて検出素子に進入させることができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、第1検出素子9〜第4検出素子12の4種類の検出素子が設置された。検出素子の種類は1〜3種類でも良く5種類以上でも良い。検出したいテラヘルツ波15の波長の種類の数に合わせても良い。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、誘電体層31及び第2金属層32の形状は正方形であった。図12(b)は第1検出素子の構成を示す模式平面図である。図12(b)に示すように、例えば、吸収部としての誘電体層76及び第2金属層77の形状は三角形でも良い。他にも誘電体層31及び第2金属層32の形状は長方形でも良く、多角形、円弧を含む形状でも良い。このときにも、配列する方向における誘電体層長及び第2金属層長はテラヘルツ波15の真空における波長より短いのが好ましい。また、配列する方向における誘電体層長及び第2金属層長は振幅の2倍より短いのが好ましい。これにより、第1腕部24及び第2腕部25を細くまたは長くできるので、感度良くテラヘルツ波15を検出することができる。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、変換部35側からベース基板2に向かって進行するテラヘルツ波15が変換部35にて回折する形態となっていた。第1金属層21にスリットを設置しても良い。そして、ベース基板2側から変換部35に向かって進行するテラヘルツ波15が第1金属層21にて回折する形態にしても良い。この形態のときにもテラヘルツ波15が第1金属層21と第2金属層32との間で反射を繰り返すので効率よく誘電体層31がテラヘルツ波15を吸収することができる。
1…テラヘルツ波検出装置、2…基板としてのベース基板、9,75…検出素子としての第1検出素子、10…検出素子としての第2検出素子、11…検出素子としての第3検出素子、12…検出素子としての第4検出素子、13…周期としての第1周期、14…周期としての第2周期、15…テラヘルツ波、15a…波長、15c…振幅、17…支持部としての第1柱部、18…支持部としての第2柱部、21…第1金属層、24…腕部及び支持部としての第1腕部、25…腕部及び支持部としての第2腕部、26…支持基板、27…支持部、28…空洞、31,76…吸収部としての誘電体層、32,77…第2金属層、33…焦電体層、34…第3金属層、35…変換部、45…イメージング装置、46,58,65…テラヘルツ波発生部、47,59,66…テラヘルツ波検出部、48…画像形成部、49,61,69…対象物、57…計測装置、60…計測部、64…カメラ、67…記憶部。

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に配列されている複数の検出素子と、を備え、
    前記検出素子は、
    前記基板に設けられる第1金属層と、
    前記第1金属層と離間して設けられた支持基板と、
    前記支持基板に設けられ、且つ、テラヘルツ波を吸収して熱を発生する吸収部と、
    第2金属層と焦電体層と第3金属層とが積層されて前記吸収部に設けられ、且つ、前記吸収部にて発生した熱を電気信号に変換する変換部と、を有することを特徴とするテラヘルツ波検出装置。
  2. 請求項1に記載のテラヘルツ波検出装置であって、
    前記複数の検出素子は、隣り合う前記変換部の間で前記テラヘルツ波が回折するように配列されていることを特徴とするテラヘルツ波検出装置。
  3. 請求項1または2に記載のテラヘルツ波検出装置であって、
    前記第2金属層の配列の周期は前記吸収部にて吸収される前記テラへルツ波の真空中における波長より短いことを特徴とするテラヘルツ波検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のテラヘルツ波検出装置であって、
    前記検出素子は、前記支持基板と接続する柱状の腕部を含み、且つ、前記支持基板を前記基板と離間して支持する支持部を備え、
    前記検出素子が配列する方向の前記第2金属層の長さ及び前記吸収部の長さは前記吸収部にて吸収させる前記テラへルツ波の真空中における波長より短く且つ10μmより長いことを特徴とするテラヘルツ波検出装置。
  5. 請求項4に記載のテラヘルツ波検出装置であって、
    前記検出素子が配列する方向の前記第2金属層の長さ及び前記吸収部の長さは前記吸収部にて吸収される前記テラヘルツ波の振幅の2倍の長さより短いことを特徴とするテラヘルツ波検出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のテラヘルツ波検出装置であって、
    前記吸収部の材質は酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、酸化ハフニウム、ケイ酸ハフニウムの何れかを含むことを特徴とするテラヘルツ波検出装置。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載のテラヘルツ波検出装置であって、
    前記支持基板の主材料はシリコンであることを特徴とするテラヘルツ波検出装置。
  8. テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部と、
    前記テラヘルツ波発生部から射出され対象物を透過した前記テラヘルツ波または前記対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部の検出結果を記憶する記憶部と、を備え、
    前記テラヘルツ波検出部は請求項1〜7のいずれか1項に記載のテラヘルツ波検出装置であることを特徴とするカメラ。
  9. テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部と、
    前記テラヘルツ波発生部から射出され対象物を透過した前記テラヘルツ波または前記対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて、前記対象物の画像を生成する画像形成部と、を備え、
    前記テラヘルツ波検出部は請求項1〜7のいずれか1項に記載のテラヘルツ波検出装置であることを特徴とするイメージング装置。
  10. テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生部と、
    前記テラヘルツ波発生部から射出され対象物を透過した前記テラヘルツ波または前記対象物で反射された前記テラヘルツ波を検出するテラヘルツ波検出部と、
    前記テラヘルツ波検出部の検出結果に基づいて前記対象物を計測する計測部と、を備え、
    前記テラヘルツ波検出部は請求項1〜7のいずれか1項に記載のテラヘルツ波検出装置であることを特徴とする計測装置。
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