JP2013057582A - 赤外線検出素子の製造方法、赤外線検出素子及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】犠牲膜をエッチングして形成された空隙を備えるセンサーにおいて、犠牲膜のみをエッチングして空隙を形成する方法を提供する。
【解決手段】基板2上に絶縁膜14を形成する絶縁膜形成工程と、絶縁膜14に凹部15を形成する凹部形成工程と、凹部15に酸化シリコンからなる犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、犠牲膜上に支持部23を形成する支持部形成工程と、支持部23上に赤外線検出部4を形成する検出部形成工程と、エッチング液を用いて犠牲膜をエッチングして空隙16を形成するエッチング工程と、を有し、絶縁膜はエッチング液に対して耐食性を有する。
【選択図】図2
【解決手段】基板2上に絶縁膜14を形成する絶縁膜形成工程と、絶縁膜14に凹部15を形成する凹部形成工程と、凹部15に酸化シリコンからなる犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、犠牲膜上に支持部23を形成する支持部形成工程と、支持部23上に赤外線検出部4を形成する検出部形成工程と、エッチング液を用いて犠牲膜をエッチングして空隙16を形成するエッチング工程と、を有し、絶縁膜はエッチング液に対して耐食性を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、赤外線検出素子にかかわり、特に、赤外線の照射量を検出する素子に関するものである。
シリコン基板にマイクロマシーニング技術を用いた赤外線検出素子が研究されている。赤外線検出素子には赤外線による温度変化を検出するボロメーター型赤外線検出素子がある。赤外線検出素子は赤外線によって加熱された後、放熱しないような構造にすることにより感度良く赤外線を検出することができる。
赤外線を検出する検出部をシリコン基板から浮かせた場所に作成したボロメーター型赤外線検出素子が特許文献1に開示されている。それによると、ダイアモンドライクカーボンにて犠牲層を形成し、犠牲層の上に支持層及び検出部を形成していた。そして、酸素を含んだプラズマ処理により犠牲層をエッチングし空洞を形成していた。これにより検出部を断熱構造にすることができる。このとき、検出部が加熱される状態に長時間曝され、プラズマ放電の環境に長時間曝される。これにより、検出部が損傷を受ける可能性が高くなっていた。
犠牲層をエッチングするときウェットプロセスにて行うことにより、検出部が熱やプラズマに長時間さらされることを防止することができる。その方法として、まず凹部を形成し凹部の表面にエッチング液から保護する保護膜を形成する。次に、凹部に犠牲層を配置し、犠牲層上に支持層及び検出部を配置する。続いて、犠牲層をエッチング液に浸漬して除去する方法が考えられる。
凹部に保護膜を形成するとき、CVD法が用いられる。凹部は側面を基板に対して斜めの斜面にすることで側面にも保護膜を形成することが可能となる。しかし、斜面となっている場所では膜の材料が面に対して斜めに飛行して堆積するので、膜の構造が粗くなる。従って、エッチング液が凹部を保護する膜を浸透し、凹部を形成している部材をエッチングすることがある。このとき、基板にエッチング液が到達し基板に形成されている配線や回路に損傷を与える恐れがある。そこで、赤外線検出素子を品質良く製造するために、犠牲層をエッチングするときに犠牲層のみをエッチングして凹部を形成する方法が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる赤外線検出素子の製造方法であって、基板上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記絶縁膜に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、前記犠牲膜上に支持部を形成する支持部形成工程と、前記支持部上に赤外線検出部を形成する検出部形成工程と、エッチング液を用いて前記犠牲膜をエッチングするエッチング工程と、を有し、前記絶縁膜は前記エッチング液に対して耐食性を有することを特徴とする。
本適用例にかかる赤外線検出素子の製造方法であって、基板上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記絶縁膜に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、前記犠牲膜上に支持部を形成する支持部形成工程と、前記支持部上に赤外線検出部を形成する検出部形成工程と、エッチング液を用いて前記犠牲膜をエッチングするエッチング工程と、を有し、前記絶縁膜は前記エッチング液に対して耐食性を有することを特徴とする。
本適用例によれば、絶縁膜形成工程において基板上に絶縁膜を形成する。次に、凹部形成工程において絶縁膜に凹部を形成する。犠牲膜形成工程では凹部に犠牲膜を形成している。支持部形成工程では犠牲膜上に支持部を形成する。そして、検出部形成工程では支持部上に赤外線検出部を形成する。そして、エッチング工程ではエッチング液を用いて犠牲膜をエッチングしている。これにより、凹部の犠牲膜があった場所には凹部と支持部との間に空隙が形成される。赤外線が赤外線検出部及び支持部を照射するとき、赤外線検出部は赤外線検出部の温度変化を検出することにより赤外線の照射量を検出する。そして、赤外線検出部及び支持部が赤外線によって加熱された熱量は空隙により断熱される為、赤外線検出部は感度良く赤外線の照射量を検出することができる。
エッチング工程において犠牲膜は絶縁膜の凹部に位置している。そして、犠牲膜をエッチングするとき、エッチング液は絶縁膜に接触する。絶縁膜はエッチング液に対して耐食性を有するため絶縁膜はエッチングされない。従って、絶縁膜はエッチングの進行を停止させる機能を備えている。凹部形成工程では絶縁膜を形成した後で凹部を形成していることから絶縁膜は緻密な構造の膜にすることができる。従って、エッチング液が犠牲膜をエッチングするときにも、エッチング液が絶縁膜に浸透して絶縁膜を通過することを防止することができる。その結果、エッチング液が基板を腐食することを防止することができる為、品質の良い赤外線検出素子を製造することができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる赤外線検出素子の製造方法において、前記基板と前記絶縁膜との間に配線層を形成する工程をさらに有し、前記配線層は配線と層間絶縁膜とが積層され、前記層間絶縁膜と前記絶縁膜とは異なる材料であることを特徴とする。
上記適用例にかかる赤外線検出素子の製造方法において、前記基板と前記絶縁膜との間に配線層を形成する工程をさらに有し、前記配線層は配線と層間絶縁膜とが積層され、前記層間絶縁膜と前記絶縁膜とは異なる材料であることを特徴とする。
本適用例によれば、基板と絶縁膜との間に配線と層間絶縁膜とが積層された配線層を形成している。これにより、赤外線検出素子の出力は配線を介して配信することができる。そして、層間絶縁膜と絶縁膜とは異なる材料となっている。絶縁膜の材料はエッチング液に対して耐食性を有する材料であり、成膜のし易さや電気的特性は優先されない。一方、層間絶縁膜の材料はエッチング液に対して耐食性を有しない材料でも良い為、成膜のし易さや電気的特性を優先して選択することができる。従って、層間絶縁膜の材料に成膜のし易い材料を選択するときには生産性良く配線層が形成することができる。また、層間絶縁膜の材料に電気的特性の良い材料を選択するときには品質の良い配線層を形成することができる。
[適用例3]
上記適用例にかかる赤外線検出素子の製造方法において、前記層間絶縁膜が酸化シリコンであり、前記絶縁膜が窒化シリコンまたは炭窒化シリコンであることを特徴とする。
上記適用例にかかる赤外線検出素子の製造方法において、前記層間絶縁膜が酸化シリコンであり、前記絶縁膜が窒化シリコンまたは炭窒化シリコンであることを特徴とする。
本適用例によれば、絶縁膜が窒化シリコンまたは炭窒化シリコンとなっている。このとき、犠牲膜を酸化シリコンにして、エッチング液にフッ酸を用いることにより、絶縁膜をエッチングさせずに犠牲膜をエッチングすることができる。
[適用例4]
本適用例にかかる赤外線検出素子の製造方法であって、基板上に酸化シリコンからなる第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程と、底面の向きが前記基板の表面と同じ向きであり側面が前記表面に対して傾斜する第1凹部を前記第1絶縁膜に形成する第1凹部形成工程と、前記第1凹部に第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程と、前記第2絶縁膜に第2凹部を形成する第2凹部形成工程と、前記第2凹部に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、前記犠牲膜上に支持部を形成する支持部形成工程と、前記支持部上に赤外線検出部を形成する検出部形成工程と、エッチング液を用いて前記犠牲膜をエッチングするエッチング工程と、を有し、前記第2絶縁膜は前記エッチング液に対して耐食性を有し、前記第1絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第1凹部の面とが交差する場所と前記第2絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第2凹部の面とが交差する場所との距離は前記第1凹部の深さより長いことを特徴とする。
本適用例にかかる赤外線検出素子の製造方法であって、基板上に酸化シリコンからなる第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程と、底面の向きが前記基板の表面と同じ向きであり側面が前記表面に対して傾斜する第1凹部を前記第1絶縁膜に形成する第1凹部形成工程と、前記第1凹部に第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程と、前記第2絶縁膜に第2凹部を形成する第2凹部形成工程と、前記第2凹部に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、前記犠牲膜上に支持部を形成する支持部形成工程と、前記支持部上に赤外線検出部を形成する検出部形成工程と、エッチング液を用いて前記犠牲膜をエッチングするエッチング工程と、を有し、前記第2絶縁膜は前記エッチング液に対して耐食性を有し、前記第1絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第1凹部の面とが交差する場所と前記第2絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第2凹部の面とが交差する場所との距離は前記第1凹部の深さより長いことを特徴とする。
本適用例によれば、第1絶縁膜形成工程において基板上に第1絶縁膜を形成する。そして、第1凹部形成工程において第1絶縁膜に第1凹部を形成している。第2絶縁膜形成工程では第1凹部に第2絶縁膜を形成する。次に、第2凹部形成工程において第2絶縁膜に第2凹部を形成する。犠牲膜形成工程では第2凹部に犠牲膜を形成している。そして、支持部形成工程では犠牲膜上に支持部を形成する。検出部形成工程において支持部上に赤外線検出部を形成する。続いて、エッチング工程ではエッチング液を用いて犠牲膜をエッチングしている。これにより、第2凹部の犠牲膜があった場所には凹部と支持部との間に空隙が形成される。赤外線を赤外線検出部及び支持部に照射するとき、赤外線検出部は赤外線検出部の温度変化を検出することにより赤外線の照射量を検出する。そして、赤外線検出部及び支持部が赤外線によって加熱された熱量は空隙により断熱される為、赤外線検出部は感度良く赤外線の照射量を検出することができる。そして、第1絶縁膜が酸化シリコンからなっているため第1絶縁膜の誘電率を低くすることができる。従って、第1絶縁膜における寄生容量を小さくすることができる。
第2絶縁膜形成工程では第1凹部に第2絶縁膜を形成する材料を飛行させて堆積させる。第1凹部は周囲の側面が基板の表面に対して傾斜した斜面となっている。第1凹部に成膜するとき成膜する面と第2絶縁膜を形成する材料とが飛行する角度により膜の緻密さが異なる。そして、斜面となっている付近の膜は斜面となっていない場所の膜より密度が低い構造の膜となる。
第2凹部の周囲は第1凹部の周囲から第1凹部の深さより長い距離を隔てている。従って、第2凹部では第2絶縁膜が緻密な構造の膜となっている。従って、エッチング工程においてエッチング液が犠牲膜をエッチングするときエッチング液が第2絶縁膜に浸透して第2絶縁膜を通過することを防止することができる。その結果、エッチング液が第1絶縁膜及び基板を腐食することを防止することができる為、品質の良い赤外線検出素子を製造することができる。
[適用例5]
本適用例にかかる赤外線検出素子であって、基板と、前記基板上に設置され凹部を備えた絶縁膜と、前記基板に一端が固定される梁によって保持され前記凹部の上方に空隙を介して位置する支持部と、前記支持部上に設置され赤外線を検出する赤外線検出部と、を備え、前記絶縁膜は窒化シリコンまたは炭窒化シリコンからなることを特徴とする。
本適用例にかかる赤外線検出素子であって、基板と、前記基板上に設置され凹部を備えた絶縁膜と、前記基板に一端が固定される梁によって保持され前記凹部の上方に空隙を介して位置する支持部と、前記支持部上に設置され赤外線を検出する赤外線検出部と、を備え、前記絶縁膜は窒化シリコンまたは炭窒化シリコンからなることを特徴とする。
本適用例によれば、基板上に絶縁膜が設置されている。そして、絶縁膜には凹部が形成されている。凹部の上方には支持部が位置し、凹部と支持部との間は空隙となっており、支持部は、基板に一端が固定される梁によって空隙の上方に保持されている。支持部上には赤外線検出部が設置され、赤外線検出部は赤外線を検出する。赤外線を赤外線検出部及び支持部に照射するとき、赤外線検出部は赤外線検出部の温度変化を検出することにより赤外線の照射量を検出する。そして、赤外線検出部及び支持部が赤外線によって加熱された熱量は空隙により断熱される為、赤外線検出部は感度良く赤外線の照射量を検出することができる。
凹部と支持部との間に空隙を形成するとき、まず、凹部に後工程で除去する膜を配置し、該膜に重ねて支持部が設置される。次に、エッチング液を用いて凹部に配置された膜をエッチングする。凹部は絶縁膜に形成されているので、エッチング液は絶縁膜に接触する。絶縁膜は窒化シリコンまたは炭窒化シリコンからなっているため絶縁膜はエッチングされ難い。絶縁膜に形成された凹部は緻密な構造の絶縁膜を形成した後に形成することができる。従って、絶縁膜はエッチングの進行を停止させることができる。その結果、基板はエッチング液に腐食されない為、赤外線検出素子は品質の良い素子にすることができる。
[適用例6]
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記基板と前記絶縁膜の間に配線層を備え、前記配線層は配線と層間絶縁膜とが積層され、前記層間絶縁膜は酸化シリコンからなることを特徴とする。
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記基板と前記絶縁膜の間に配線層を備え、前記配線層は配線と層間絶縁膜とが積層され、前記層間絶縁膜は酸化シリコンからなることを特徴とする。
本適用例によれば、基板と絶縁膜との間に配線と層間絶縁膜とが積層された配線層が設置されている。これにより、赤外線検出素子の出力は配線を介して配信することができる。そして、層間絶縁膜は酸化シリコンとなっている。酸化シリコンは成膜のし易い材料であることから生産性良く配線層を形成することができる。また、酸化シリコンは配線間の浮遊容量を小さくできる為品質の良い配線層を形成することができる。
[適用例7]
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記絶縁膜は窒化シリコンからなり、前記絶縁膜には前記赤外線検出部と接続し前記絶縁膜を貫通する貫通電極が設置されていることを特徴とする。
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記絶縁膜は窒化シリコンからなり、前記絶縁膜には前記赤外線検出部と接続し前記絶縁膜を貫通する貫通電極が設置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、絶縁膜は窒化シリコンであることから、絶縁膜を容易に成膜することができる。そして、ドライエッチングすることにより位置精度良くパターニングすることができる。従って、絶縁膜に位置精度良く貫通電極を設置することができる。
[適用例8]
本適用例にかかる赤外線検出素子であって、基板と、底面の向きが前記基板の表面と同じ向きであり側面が前記表面に対して傾斜する第1凹部を備え前記基板上に設置され酸化シリコンからなる第1絶縁膜と、窒化シリコンまたは炭窒化シリコンからなり第2凹部を備え前記第1凹部に設置された第2絶縁膜と、前記基板に一端が固定される梁によって保持され前記第2凹部の上方に空隙を介して位置する支持部と、前記支持部上に設置され赤外線を検出する赤外線検出部と、前記赤外線検出部と接続され前記第1絶縁膜を挟む配線と、を備え、前記第1絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第1凹部の面とが交差する場所と前記第2絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第2凹部の面とが交差する場所との距離は前記第1凹部の深さより長いことを特徴とする。
本適用例にかかる赤外線検出素子であって、基板と、底面の向きが前記基板の表面と同じ向きであり側面が前記表面に対して傾斜する第1凹部を備え前記基板上に設置され酸化シリコンからなる第1絶縁膜と、窒化シリコンまたは炭窒化シリコンからなり第2凹部を備え前記第1凹部に設置された第2絶縁膜と、前記基板に一端が固定される梁によって保持され前記第2凹部の上方に空隙を介して位置する支持部と、前記支持部上に設置され赤外線を検出する赤外線検出部と、前記赤外線検出部と接続され前記第1絶縁膜を挟む配線と、を備え、前記第1絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第1凹部の面とが交差する場所と前記第2絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第2凹部の面とが交差する場所との距離は前記第1凹部の深さより長いことを特徴とする。
本適用例によれば、基板上に酸化シリコンからなる第1絶縁膜が設置されている。そして、第1絶縁膜には側面が基板の表面に対して傾斜した斜面となる第1凹部が設置されている。第1凹部には窒化シリコンまたは炭窒化シリコンからなる第2絶縁膜が設置されている。そして、第2絶縁膜には第2凹部が設置されている。第2凹部上には空隙を介して支持部が位置している。赤外線を赤外線検出部及び支持部に照射するとき、赤外線検出部は赤外線検出部の温度変化を検出することにより赤外線の照射量を検出する。そして、赤外線検出部及び支持部が赤外線によって加熱された熱量は空隙により断熱される為、赤外線検出部は感度良く赤外線の照射量を検出することができる。酸化シリコンからなる第1絶縁膜を挟んで配線が設置されている。酸化シリコンは窒化シリコンより誘電率が低い。従って、第1絶縁膜を挟む配線は第1絶縁膜を窒化シリコンによって構成するときに比べて寄生容量を小さくすることができる。
第2絶縁膜を形成するとき第1凹部に膜を形成する材料を飛行させて堆積させる。そして、基板表面と直交する方向から膜を形成する材料を飛行させる。第1凹部の側面は基板表面に対して傾斜した斜面となっている。基板表面と膜を形成する材料が飛行する方向とのなす角度により膜の緻密さが異なる。そして、側面付近の膜は側面から離れた場所の膜より粗い構造の膜となる。第2凹部の周囲は第1凹部の周囲から第1凹部の深さより長い距離を隔てている。従って、第2凹部では第2絶縁膜が緻密な構造の膜となっている。従って、第2凹部を形成するときにエッチング液を用いてもエッチング液が第2絶縁膜に浸透して第2絶縁膜を通過することを防止することができる。その結果、エッチング液が第1絶縁膜を腐食することを防止することができる為、赤外線検出素子を品質の良い素子にすることができる。
[適用例9]
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記第2絶縁膜は窒化シリコンからなることを特徴とする。
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記第2絶縁膜は窒化シリコンからなることを特徴とする。
本適用例によれば、第2絶縁膜の材料が窒化シリコンであることから、ドライエッチングすることにより位置精度良く第2凹部を形成することができる。
[適用例10]
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記基板において前記支持部を向く面の反対側の面には反り抑制膜を備えることを特徴とする。
上記適用例にかかる赤外線検出素子において、前記基板において前記支持部を向く面の反対側の面には反り抑制膜を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、基板において支持部を向く面の反対側の面には反り抑制膜が設置されている。基板の支持部を向く面にだけ膜を設置するとき、膜の応力により基板が反ることがある。これにより光学装置の焦点を合わせ難くなり精度良くパターニングすることが難しくなる。基板の両面に膜を設置するとき、基板の両面の応力の均衡がとれるため基板の反りを抑制することができる。
[適用例11]
本適用例にかかる電子機器は、赤外線を検出する光検出部を備える電子機器であって、前記光検出部に上記のいずれか一項に記載の赤外線検出素子を備えることを特徴とする。
本適用例にかかる電子機器は、赤外線を検出する光検出部を備える電子機器であって、前記光検出部に上記のいずれか一項に記載の赤外線検出素子を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は赤外線を検出する光検出部を備えている。そして、光検出部は上記適用例に記載の赤外線検出素子を備えている。上記適用例に記載の赤外線検出素子は基板がエッチング液により腐食されずに品質良く形成された素子である。従って、本適用例の電子機器は光検出部に品質の良い赤外線検出素子を備えた電子機器とすることができる。
以下、構造に特徴のある赤外線検出素子の実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、赤外線検出素子と赤外線検出素子の製造方法の特徴的な例について図1〜図6に従って説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、赤外線検出素子と赤外線検出素子の製造方法の特徴的な例について図1〜図6に従って説明する。
(赤外線検出装置)
図1(a)は、赤外線検出装置の構成を示す模式平面図であり、図1(b)は、赤外線検出装置の構成を示す模式断面図である。図1(b)は図1(a)のA−A’線に沿った断面図である。図1に示すように、赤外線検出装置1は平面視が四角形の基板2を備えている。基板2の4辺のうち直交する2辺の方向をX方向及びY方向とする。そして、鉛直方向を−Z方向とする。基板2のZ方向の面を表面としての基板表面2aとし、基板2の−Z方向の面を基板裏面2bとする。つまり、基板表面2aと基板裏面2bとは互いに反対側を向く面となっている。
図1(a)は、赤外線検出装置の構成を示す模式平面図であり、図1(b)は、赤外線検出装置の構成を示す模式断面図である。図1(b)は図1(a)のA−A’線に沿った断面図である。図1に示すように、赤外線検出装置1は平面視が四角形の基板2を備えている。基板2の4辺のうち直交する2辺の方向をX方向及びY方向とする。そして、鉛直方向を−Z方向とする。基板2のZ方向の面を表面としての基板表面2aとし、基板2の−Z方向の面を基板裏面2bとする。つまり、基板表面2aと基板裏面2bとは互いに反対側を向く面となっている。
基板2には20個の赤外線検出素子3が5行4列の格子状に配列して配置されている。赤外線検出素子3の個数や配列の数は特に限定されない。赤外線検出素子3は1個〜19個でも良く、21個以上でも良い。赤外線検出素子3の個数が多い程空間分解能を高くすることができる。
基板2の基板表面2a側には赤外線検出素子3毎に赤外線を検出する赤外線検出部4が設置されている。赤外線検出部4と接続して配線としての上電極配線5と配線としての下電極配線6とが設置されている。基板2の基板表面2aには図視しない膜が積層され、この膜を貫通する上貫通電極7と下貫通電極8とが形成されている。そして、上電極配線5は上貫通電極7と接続され、下電極配線6は下貫通電極8と接続されている。
(赤外線検出素子)
図2(a)は、赤外線検出素子の構成を示す要部模式平面図であり。図2(b)は、赤外線検出素子の構成を示す要部模式側断面図である。図2(b)は、図2(a)のB−B’線に沿った断面図である。図2に示すように、赤外線検出素子3が備える基板2はシリコン基板であり、基板2の基板表面2aには駆動回路9が形成されている。駆動回路9は半導体素子が集積された回路である。基板2上には配線層10が設置されている。配線層10には配線層絶縁膜11が積層されており、各配線層絶縁膜11の間、基板表面2a、配線層10の上面には配線12が設置されている。そして、各配線層絶縁膜11を貫通する貫通電極13が配置され、貫通電極13は各配線層絶縁膜11や基板2に位置する配線12を接続する。
図2(a)は、赤外線検出素子の構成を示す要部模式平面図であり。図2(b)は、赤外線検出素子の構成を示す要部模式側断面図である。図2(b)は、図2(a)のB−B’線に沿った断面図である。図2に示すように、赤外線検出素子3が備える基板2はシリコン基板であり、基板2の基板表面2aには駆動回路9が形成されている。駆動回路9は半導体素子が集積された回路である。基板2上には配線層10が設置されている。配線層10には配線層絶縁膜11が積層されており、各配線層絶縁膜11の間、基板表面2a、配線層10の上面には配線12が設置されている。そして、各配線層絶縁膜11を貫通する貫通電極13が配置され、貫通電極13は各配線層絶縁膜11や基板2に位置する配線12を接続する。
配線層絶縁膜11の材質は絶縁性があり薄膜が形成可能であれば良く特に限定されないがSiO2(酸化シリコン)等を用いることができる。配線12及び貫通電極13の材質は導電性があり微細なパターンが形成可能であれば良く特に限定されないが例えばTi(チタン)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属を用いることができる。
配線層10上には絶縁膜14が設置されている。図を見やすくするために基板2は絶縁膜14より薄く図示されているが、基板2は絶縁膜14より厚い板となっている。絶縁膜14の図中上側の面には凹部15が形成されている。絶縁膜14の材質にはSiN(窒化シリコン)またはSiCN(炭窒化シリコン)を用いることができる。窒化シリコン層と炭窒化シリコン層とを積層させても良い。本実施形態では絶縁膜14の材質にSiNを用いている。
凹部15の中は空隙16となっている。絶縁膜14及び空隙16の上には保護膜17が設置され、保護膜17と重ねて支持部材20が設置されている。支持部材20は本体部21、梁22、支持部23から構成されている。本体部21は保護膜17を挟んで絶縁膜14上に設置されている。支持部23は空隙16上に位置し四角形に形成されており支持部23上には赤外線検出部4が設置されている。梁22は一端が本体部21に固定され他端が支持部23を保持している。図2(b)では見やすくするために梁22が短く記載されているが図2(a)に示すように梁22はY方向に長く形成されている。そして、本体部21と支持部23との間の熱伝導が小さくなるように梁22は長く形成されている。所定の範囲の中に支持部23及び梁22が配置されており、梁22は2箇所で曲げられた形状となっている。梁22の形状及び長さは特に限定されないが、長い梁22は短いときに比べて熱が移動し難いので精度良く赤外線検出部4が赤外線を検出できる。
保護膜17は空隙16を形成するときに使用するエッチング液から支持部材20を保護する膜である。保護膜17の材質はエッチング液に対して耐食性があり、絶縁性であれば良く特に限定されない。また、支持部材20がエッチング液に対して耐食性があるときには、保護膜17を省いても良い。工程が減るので生産性を良くすることができる。本実施形態では、例えば、保護膜17の材質にSiNを用いている。支持部材20の材質は強度があって絶縁性があればよく、SiO2やSiN、SiCNを用いることができる。本実施形態では、例えば、支持部材20の材質にはSiO2を用いている。
支持部23上には下部電極24が設置され、下部電極24に重ねて焦電体25が設置されている。さらに、焦電体25上には上部電極26が重ねて設置されている。下部電極24、焦電体25、上部電極26等によりキャパシター27が構成され、キャパシター27は温度変化に対応して分極量が変化する。従って、キャパシター27の分極量を検出することにより温度を推定することができる。
下部電極24の材質は電導性の良い金属であればよく、さらには耐熱性のある金属が好ましい。本実施形態では、例えば、下部電極24の材質にIr(イリジウム)、IrOx(酸化イリジウム)、Pt(白金)をこの順に積層している。Irは配向制御、IrOxは還元ガスバリア、Ptはシード層としての機能を備えている。
焦電体25はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)またはPZTにNb(ニオブ)を添加したPZTNを用いることができる。上部電極26の材質は電導性の良い金属であればよく、さらには耐熱性のある金属が好ましい。本実施形態では、例えば、上部電極26の材質にPt(白金)、IrOx(酸化イリジウム)、Ir(イリジウム)、をこの順に積層している。Ptは配向整合、IrOxは還元ガスバリア、Irは低抵抗層、としての機能を備えている。
キャパシター27を覆って絶縁膜28が設置されている。絶縁膜28には下部電極24に通ずる第1コンタクトホール28aと、上部電極26に通ずる第2コンタクトホール28bとが形成されている。支持部材20上及び絶縁膜28上には下電極配線6及び上電極配線5が設置されている。下電極配線6は第1コンタクトホール28aを通じて下部電極24に接続されている。同様に、上電極配線5は第2コンタクトホール28bを通じて上部電極26に接続されている。
絶縁膜28の材料は絶縁性があり、成膜し易い材料であれば良い。本実施形態では、例えば、絶縁膜28はAl2O3(アルミナ)の層とSiO2またはSiNの層とが積層された膜となっている。Al2O3の層はガスバリアの機能を有し、SiO2またはSiNの層は絶縁性の機能を有している。下電極配線6及び上電極配線5の材質は、導電性が良く成膜し易い材料であれば良く、W(タングステン)、Ti(チタン)またはAl(アルミニウム)等を用いることができる。本実施形態では、例えば、下電極配線6及び上電極配線5の材質には、Alを用いている。
上電極配線5、下電極配線6及びキャパシター27と重ねて絶縁膜29が形成されている。絶縁膜29は絶縁膜28と同様な材質であり、同様な性能を持った膜である。絶縁膜29は電気的に絶縁させるとともに、覆われた場所を保護する機能も備えている。
キャパシター27と重ねて赤外線吸収膜30が設置されている。これにより、赤外線吸収膜30は赤外線を反射させずに吸収するので、赤外線検出素子3は感度をさらに良くすることができる。赤外線検出部4はキャパシター27、絶縁膜28、下電極配線6、上電極配線5、絶縁膜29、赤外線吸収膜30等から構成されている。
赤外線吸収膜30は赤外線の吸収率の良い材料からなる膜であれば良く、特に限定されない。赤外線吸収膜30は例えば、シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、金黒膜を用いることができる。金黒膜は多孔性の金の膜をガス中蒸着法にて形成したものである。本実施形態では、例えば、SiN膜と酸化シリコン膜の積層膜を採用している。
絶縁膜14にはビアホール14aが形成されている。ビアホール14a内には導電体が設置され、ビアホール14a及び導電体により上貫通電極7及び下貫通電極8が構成されている。下電極配線6と下貫通電極8とが接続し、上電極配線5と上貫通電極7とが接続している。上貫通電極7及び下貫通電極8の材質は、導電性が良く成膜し易い材料であれば良く、W、TiまたはAl等を用いることができる。本実施形態では、例えば、上貫通電極7及び下貫通電極8の材質には、Wを用いている。
上貫通電極7及び下貫通電極8は配線層10の配線12と接続されている。従って、キャパシター27の下部電極24は下電極配線6、下貫通電極8、配線12、貫通電極13を介して駆動回路9と接続されている。同様に、キャパシター27の上部電極26は上電極配線5、上貫通電極7、配線12、貫通電極13を介して駆動回路9と接続されている。従って、駆動回路9は配線12から信号を入力してキャパシター27の分極量を検出することが可能になっている。
基板2の基板裏面2bには反り抑制膜31が設置されている。反り抑制膜31は絶縁膜14及び支持部材20等の膜により基板2が反ることを抑制するために設けられた膜である。従って、反り抑制膜31の膜厚は基板2が反る量に合わせて調整するのが好ましい。反り抑制膜31の材質はSiO2、SiN、SiCN等を用いることができる。反り抑制膜31は単層でも良く多層構造でもよい。本実施形態では、例えば、反り抑制膜31の材質にSiNを用いている。
赤外線検出素子3に赤外線が照射されるとき、赤外線検出部4は赤外線を吸収して温度が上昇する。赤外線検出部4において赤外線が照射される面には赤外線吸収膜30が設置されている。従って、赤外線検出部4は効率的に赤外線を吸収して温度を上げることができる。赤外線検出部4が備える焦電体25は温度に基づいて分極量が変化する。従って、キャパシター27に電圧を印加し焦電体25の分極量を検出することにより赤外線検出部4の温度を検出することができる。そして、赤外線検出部4における温度変化の検出結果を用いて赤外線検出部4に照射された赤外線の照射量を検出することができる。
(赤外線検出素子の製造方法)
次に上述した赤外線検出素子3の製造方法について図3〜図6にて説明する。図3は、赤外線検出素子の製造方法を示すフローチャートであり、図4〜図6は赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図である。
次に上述した赤外線検出素子3の製造方法について図3〜図6にて説明する。図3は、赤外線検出素子の製造方法を示すフローチャートであり、図4〜図6は赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図である。
図3のフローチャートにおいて、ステップS1は絶縁膜形成工程に相当する。配線層上に絶縁膜を形成し、基板裏面に反り抑制膜を形成する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は凹部形成工程に相当し、絶縁膜に凹部を形成する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は犠牲膜形成工程に相当し、凹部内を犠牲膜で埋める工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は保護膜形成工程に相当し、犠牲膜及び絶縁膜と重ねて保護膜を形成する工程である。次にステップS5に移行する。
ステップS5は支持部材形成工程に相当し、保護膜と重ねて支持部材を形成する工程である。次にステップS6に移行する。ステップS6は貫通電極形成工程に相当し、絶縁膜を貫通する貫通電極を形成する工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7はキャパシター形成工程に相当し、支持部材上にキャパシターを形成する工程である。次にステップS8に移行する。ステップS8は配線形成工程に相当し、キャパシターに接続する配線を形成する工程である。次にステップS9に移行する。ステップS9は支持部形成工程に相当し、支持部及び梁の形状を形成する工程である。次にステップS10に移行する。
ステップS10は赤外線吸収膜形成工程に相当する。配線及びキャパシターと重ねて絶縁膜を形成し、キャパシターを覆って赤外線吸収膜を形成する工程である。次にステップS11に移行する。ステップS11はエッチング工程に相当し、凹部と支持部との間に空隙を形成する工程である。以上の製造工程にて赤外線検出素子が完成する。尚、ステップS7のキャパシター形成工程及びステップS8の配線形成工程によりステップS12の検出部形成工程が構成されている。
次に、図4〜図6を用いて図3に示したステップと対応させて製造方法を詳細に説明する。図4(a)はステップS1の絶縁膜形成工程及びステップS2の凹部形成工程に対応する図である。図4(a)に示すように、駆動回路9が形成された基板2を用意する。駆動回路9は半導体回路であり公知の方法にて製造することができる。次に、基板2上に配線層10を形成する。配線層10は配線12をパターニングする工程と配線層絶縁膜11を成膜する工程と貫通電極13を形成する工程を繰り返して形成する。配線12の形成方法、配線層絶縁膜11の成膜方法、貫通電極13の形成方法は公知である。従って、駆動回路9及び配線層10の形成方法は公知であり、説明を省略する。
ステップS1において、配線層10上に絶縁膜14を成膜し、基板裏面2bに反り抑制膜31を成膜する。このとき、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてSiNの膜を形成する。次に、ステップS2においてフォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて凹部15を形成する。ドライエッチング法の製造条件を調整して凹部15の側面15bを基板表面2aに対して斜面にする。マスクを除去して凹部15が完成する。
図4(b)はステップS3の犠牲膜形成工程に対応する図である。図4(b)に示すように、ステップS3において絶縁膜14にCVD法を用いてSiO2の膜からなる犠牲膜33を形成する。このとき、凹部15に加えて絶縁膜14上にもSiO2の膜を形成し、膜厚を凹部15の深さより厚くする。次に、CMP法(Chemical Mechanical Polishing)を用いて犠牲膜33の上面を平坦にし、絶縁膜14の面と犠牲膜33の面とを同一の面とする。さらに、凹部15以外の場所に残留する犠牲膜33を除去する。
図4(c)はステップS4の保護膜形成工程に対応する図である。図4(c)に示すように、ステップS4において犠牲膜33及び絶縁膜14上に保護膜17を形成する。CVD法にてSiNの膜を形成する。これにより、犠牲膜33はSiNの膜に覆われた状態となる。
図4(d)はステップS5の支持部材形成工程に対応する図である。図4(d)に示すように、ステップS5において保護膜17上に支持部材20を形成する。CVD法を用いてSiO2の膜を形成し、さらにCVD法を用いてSiO2の膜に重ねてSi3N4の膜を形成する。支持部材20を多層にすることにより支持部材20の残留応力を相殺させて支持部23及び梁22の反りを抑制している。尚、支持部23及び梁22が反らないときにはSiO2の膜だけでも良い。
図5(a)はステップS6の貫通電極形成工程に対応する図である。図5(a)に示すように、ステップS6において絶縁膜14及び支持部材20を貫通する上貫通電極7及び下貫通電極8を形成する。まず、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いてビアホール14aを形成する。次に、タングステン等の金属を埋め込むことで上貫通電極7及び下貫通電極8が形成される。
続いて、上貫通電極7の図中上側の端に端子7aを形成する。端子7aは上貫通電極7を形成するときにできる膜を用いても良く、別途、成膜しても良い。同様に、下貫通電極8の図中上側の端に端子8aを形成する。フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて端子7a及び端子8aを形成する。
図5(b)はステップS7のキャパシター形成工程に対応する図である。図5(b)に示すように、ステップS7において、まず、下部電極24となる膜を形成する。Ir(イリジウム)、IrOx(酸化イリジウム)、Pt(白金)をこの順にスパッタ法を用いて積層する。次に、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて下部電極24を形成する。
キャパシター27の焦電体25、下部電極24及び上部電極26の結晶配向は、その優先配向方位が例えば(111)面方位で揃えられている。(111)面方位に優先配向されることで、全ての面方位に対して(111)配向の配向率が例えば90%以上に制御される。焦電係数を大きくするには(111)配向よりもむしろ(100)配向等が好ましいが、印加電界方向に対して分極を制御しやくするために(111)配向としている。そして、Irの配向制御層を例えば(111)面に優先配向するように成膜する。ただし、優先配向方位はこれに限定されない。
次に、焦電体25を形成する。焦電体25の材料となる物質を塗布して加熱し、例えば(111)方位で優先配向させて結晶成長させる。下部電極24が配向制御しているので、焦電体25は下部電極24に倣って配向される。そして、焦電体25の材料を加熱するとき支持部材20側からの還元性の阻害要因により焦電体25の材料が還元されるのを下部電極24のIrOx(酸化イリジウム)が防止する。
次に、上部電極26となる膜を形成する。Pt(白金)、IrOx(酸化イリジウム)、Ir(イリジウム)をこの順にスパッタ法を用いて積層する。次に、加熱してPt(白金)を再結晶化する。これにより、Pt(白金)の層は焦電体25と結晶配向が整合する。続いて、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて焦電体25及び上部電極26を形成する。下部電極24、焦電体25、上部電極26の側面はエッチング条件を調整して斜面にするのが好ましい。これにより、キャパシター27上に絶縁膜28を品質良く成膜することができる。
次に、下部電極24、焦電体25、上部電極26と積層して還元ガスバリア層を成膜する。バリア層は、例えば酸化アルミニウムAl2O3をスパッタ法もしくはCVD法により成膜して形成する。続いて、絶縁膜28を成膜する。絶縁膜28はSiO2またはSiNをCVD法にて成膜する。次に、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて還元ガスバリア層及び絶縁膜28をパターニングする。パターニングでは還元ガスバリア層及び絶縁膜28の外形形状と第1コンタクトホール28a及び第2コンタクトホール28bを形成する。
図5(c)はステップS8の配線形成工程に対応する図である。図5(c)に示すように、ステップS8において絶縁膜28に重ねて上電極配線5及び下電極配線6を形成する。まず、Al(アルミニウム)等の配線材料をスパッタにて膜付けしてパターニングする。上電極配線5は第2コンタクトホール28bから端子7aまで繋げて配線する。下電極配線6は第1コンタクトホール28aから端子8aまで繋げて配線する。
図6(a)はステップS9の支持部形成工程に対応する図である。図6(a)に示すように、ステップS9において梁22及び支持部23を形成する。フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて支持部材20をパターニングする。これにより支持部材20の平面形状は支持部23、梁22、本体部21の形状に形成される。
図6(b)はステップS10の赤外線吸収膜形成工程に対応する図であり、図6(a)のC−C’線に沿う模式断面図である。図6(b)に示すようにステップS10においてキャパシター27上の絶縁膜29と重ねて赤外線吸収膜30を形成する。SiN及びSiO2をCVDにて成膜する。そして、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて赤外線吸収膜30をパターニングする。
図6(c)はステップS11のエッチング工程に対応する図であり、図6(a)のD−D'線に沿う模式断面図である。図6(c)に示すようにステップS11において犠牲膜33をエッチングして除去し犠牲膜33があった場所を空隙16にする。フォトリソグラフィ法を用いて支持部材20及び赤外線検出部4を覆ってマスクを形成しパターニングする。使用するレジストはフッ化水素のエッチング液に耐性の高いものを使用する。次に、基板2をフッ化水素のエッチング液に浸漬することにより支持部材20の本体部21と支持部23との間からエッチング液を犠牲膜33に触れさせる。そして、犠牲膜33のSiO2が腐食され除去されて空隙16が形成される。絶縁膜14はエッチング液に対して耐食性がある緻密な膜となっている。従って、エッチング液は絶縁膜14をエッチングすることなく犠牲膜33のみエッチングする。その後、マスクを除去し洗浄して乾燥することにより赤外線検出素子3が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステップS11のエッチング工程ではエッチング液を用いて犠牲膜33をエッチングしている。これにより、凹部15の犠牲膜33があった場所には空隙16が形成され、空隙16の上方に支持部23が形成される。このプロセスはドライエッチング法に比べて低い温度で行われる。従って、赤外線検出部4に熱ストレスを加えない為、赤外線検出部4を品質良く製造することができる。
(1)本実施形態によれば、ステップS11のエッチング工程ではエッチング液を用いて犠牲膜33をエッチングしている。これにより、凹部15の犠牲膜33があった場所には空隙16が形成され、空隙16の上方に支持部23が形成される。このプロセスはドライエッチング法に比べて低い温度で行われる。従って、赤外線検出部4に熱ストレスを加えない為、赤外線検出部4を品質良く製造することができる。
(2)本実施形態によれば、ステップS11のエッチング工程において犠牲膜33は絶縁膜14の凹部15に位置している。そして、犠牲膜33をエッチングするとき、エッチング液は絶縁膜14に接触する。絶縁膜14はエッチング液に対して耐食性を有するため絶縁膜14はエッチングされない。従って、絶縁膜14はエッチングの進行を停止させる機能を備えている。ステップS2の凹部形成工程では絶縁膜14を形成した後で凹部15を形成していることから絶縁膜14は緻密な構造の膜にすることができる。従って、エッチング液が犠牲膜33をエッチングするときにも、エッチング液が絶縁膜14に浸透して絶縁膜14を通過することを防止することができる。その結果、エッチング液が配線層10を腐食することを防止することができる。
(3)本実施形態によれば、凹部15にSiO2の犠牲膜33を配置し、犠牲膜33に重ねて支持部23が設置される。次に、フッ酸をエッチング液にして犠牲膜33をエッチングしている。そして、エッチング液は絶縁膜14に接触する。絶縁膜14はSiNまたはSiCNからなっているため絶縁膜14はエッチングされない。従って、絶縁膜14はエッチングの進行を停止させる機能を備えている。その結果、エッチング液が配線層10を腐食することを防止することができる。
(4)本実施形態によれば、絶縁膜14はSiNであることから、絶縁膜14を容易に成膜することができる。そして、ドライエッチングすることにより位置精度良くパターニングすることができる。従って、絶縁膜14に位置精度良く上貫通電極7及び下貫通電極8を設置することができる。
(5)本実施形態によれば、基板裏面2bには反り抑制膜31が設置されている。基板2に絶縁膜14を形成するとき、絶縁膜14の応力により基板2が反ることがある。これにより光学装置の焦点が合わせ難くなり精度良くパターニングすることが難しくなる。基板2の両面に膜を設置するとき、基板2の両面の応力の均衡がとれるため基板2の反りを抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、特徴的な構造を備えた赤外線検出素子の一実施形態について図7〜図10を用いて説明する。図7(a)は、赤外線検出素子の構成を示す模式側断面図であり、図7(b)及び図7(c)は絶縁膜を説明するための要部模式断面図である。図8〜図10は、赤外線検出素子の製造方法を説明するための図である。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、絶縁膜の材料がSiO2であり、絶縁膜の凹部内にSiNの絶縁膜をさらに備える点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
次に、特徴的な構造を備えた赤外線検出素子の一実施形態について図7〜図10を用いて説明する。図7(a)は、赤外線検出素子の構成を示す模式側断面図であり、図7(b)及び図7(c)は絶縁膜を説明するための要部模式断面図である。図8〜図10は、赤外線検出素子の製造方法を説明するための図である。本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、絶縁膜の材料がSiO2であり、絶縁膜の凹部内にSiNの絶縁膜をさらに備える点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図7(a)に示すように、赤外線検出素子36は基板2を備えている。基板2の基板裏面2bには反り抑制膜31が設置され、基板表面2aには配線層10が設置されている。配線層10の図中上側には第1絶縁膜37が設置されている。第1絶縁膜37の材質にはSiO2が用いられている。第1絶縁膜37の図中上側の面には第1凹部38が形成され、第1凹部38の周囲に位置する側面38aは基板表面2aに対して傾斜する斜面となっている。尚、”傾斜する斜面”は基板表面2aの法線ベクトルと側面38aの法線ベクトルのなす角度が0度超、90度未満をさすが、望ましい傾斜角度は60度以上〜90度未満である。さらに、望ましい傾斜角度は70度以上〜80度以下である。傾斜角度が小さいとき側面38aの占める面積が大きくなるので面積を利用する効率が悪くなる。傾斜角度が大きいとき側面38aに重ねて密着性良く成膜し難くなる。
そして、第1凹部38の底面38dは基板表面2aと平行な面となっている。つまり、底面38dの向きが基板表面2aと同じ向きとなっている。尚、”同じ向き”とは各面の法線ベクトルの角度の差が10度以内であることを示す。
第1凹部38には第2絶縁膜39が設置されており、第2絶縁膜39の材質にはSiNまたはSiCNが用いられている。本実施形態では、例えば、第2絶縁膜39の材質にSiNが用いられている。第2絶縁膜39には第2凹部40が形成されており、第2凹部40の周囲に位置する側面40aは基板表面2aに対して傾斜する斜面となっている。そして、第2凹部40の内側は空隙41となっている。
第1絶縁膜37、第2絶縁膜39、空隙41の図中上側には保護膜17が設置され、保護膜17上に支持部材20が重ねて設置されている。支持部材20は本体部21、梁22、支持部23を備えている。支持部23は空隙41上に位置し、梁22が支持部23を保持する。本体部21は保護膜17が第1絶縁膜37及び第2絶縁膜39と接触する場所に位置し、梁22と接続している。
支持部材20上にはキャパシター27が設置され、キャパシター27に重ねて絶縁膜28が設置されている。さらに、下部電極24と接続して下電極配線6が設置され、上部電極26と接続して上電極配線5が設置されている。そして、上電極配線5及び下電極配線6を覆って絶縁膜29が設置され、絶縁膜29上には支持部23と対向する場所に赤外線吸収膜30が設置されている。そして、赤外線検出部4の構造は第1の実施形態と同様の構造となっている。
第1絶縁膜37が支持部23を向く面を上面37aとし、上面37aと第1凹部38の側面38aが交差する場所を第1交線38bとする。第1交線38bは第1凹部38を取り囲む閉曲線となっている。同様に、第2絶縁膜39が支持部23を向く面を上面39aとし、上面39aと第2凹部40の側面40aが交差する場所を第2交線40bとする。第2交線40bは第2凹部40を取り囲む閉曲線となっている。
そして、第1交線38bと第2交線40bとの距離を交線間距離42とし、第1凹部38の深さを第1凹部深さ38cとする。第1凹部深さ38cは第2絶縁膜39の膜厚と同じ長さとなる。そして、交線間距離42は最も短い場所でも第1凹部深さ38cより長い距離に設定されている。第1交線38bと第2交線40bとは基板2の平面視で四角形であるので、第1交線38bと第2交線40bとが略平行となる場所の第1交線38bと第2交線40bとの距離が交線間距離42となる。
図7(b)は、第1凹部38に第2絶縁膜39が形成される様子を示している。第1凹部38の底に位置する底面38dは基板表面2aと平行な面となっている。換言すれば、底面38dの向きは基板表面2aと同じ向きとなっている。そして、底面38dと垂直な方向を積層方向43とする。積層方向43は第2絶縁膜39を形成するときに、材料となる粒子39bが飛行する方向である。積層方向43に飛行する粒子39bは側面38a及び底面38dに付着する。底面38dでは粒子39bが順序良くならんで緻密な膜となる。
側面38aは積層方向43に対して斜面となっている。そして、側面38aの上流側に粒子39bが付着するとき付着した粒子39bが障害となるため、付着した粒子39bの下流側では粒子39bが側面38aに並び難くなる。従って、側面38aでは側面38aと平行な方向に粒子39bが間隔を空けて付着する。側面38aに付着する粒子39bの2段目以降においても同様な配列に粒子39bが積層する。従って、側面38aでは密度の低い構造の膜となる。
図7(c)は、第2絶縁膜39の構造を示している。第1凹部38の底面38dと側面38aとが交差する線を底部外周線38eとする。そして、第2絶縁膜39の上面39aにおいて第1交線38bから内側へ第1凹部深さ38cの距離隔てた線を構造境界線38fとする。底部外周線38eと構造境界線38fとを結ぶ面に対して底面38d側を密構造部39cとし側面38a側を粗構造部39dとする。
交線間距離42は第1凹部深さ38cより長い距離に設定されている。従って、空隙41は密構造部39cに位置している。赤外線検出部4を形成する前に、一旦、第2凹部40を犠牲膜33にて充填する。そして、後工程にて犠牲膜33をエッチング液にてエッチングし空隙41を形成する。密構造部39cはエッチング液が漏洩しない膜であり、粗構造部39dはエッチング液が漏洩し易い膜となっている。空隙41は密構造部39cに囲まれているため、エッチング液が空隙41からの漏洩することを予防することができる。
(赤外線検出素子の製造方法)
次に上述した赤外線検出素子36の製造方法について図8〜図10にて説明する。図8は、赤外線検出素子の製造方法を示すフローチャートであり、図9及び図10は赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図である。
次に上述した赤外線検出素子36の製造方法について図8〜図10にて説明する。図8は、赤外線検出素子の製造方法を示すフローチャートであり、図9及び図10は赤外線検出素子の製造方法を説明するための模式図である。
図8のフローチャートにおいて、ステップS21は第1絶縁膜形成工程に相当する。配線層上に第1絶縁膜を形成し、基板裏面に反り抑制膜を形成する工程である。次にステップS22に移行する。ステップS22は第1凹部形成工程に相当し、第1絶縁膜に第1凹部を形成する工程である。次にステップS23に移行する。ステップS23は第2絶縁膜形成工程に相当する。第1絶縁膜上に第2絶縁膜を形成する工程である。次にステップS24に移行する。ステップS24は第2凹部形成工程に相当し、第2絶縁膜に第2凹部を形成する工程である。次にステップS3〜ステップS5まで順次に移行する。ステップS3〜ステップS5は第1の実施形態と同様な工程であり説明を省略する。次にステップS25に移行する。
ステップS25は貫通電極形成工程に相当し、第1絶縁膜を貫通する貫通電極を形成する工程である。次にステップS7〜ステップS11まで順次に移行する。ステップS7〜ステップS11は第1の実施形態と同様な工程であり説明を省略する。以上の製造工程にて赤外線検出素子が完成する。尚、ステップS7のキャパシター形成工程及びステップS8の配線形成工程によりステップS12の検出部形成工程が構成されている。
次に、図9及び図10を用いて図8に示したステップと対応させて製造方法を詳細に説明する。図9(a)はステップS21の第1絶縁膜形成工程及びステップS22の第1凹部形成工程に対応する図である。図9(a)に示すように、駆動回路9及び配線層10が形成された基板2を用意する。駆動回路9は半導体回路であり公知の方法にて製造することができる。配線層10においても配線12の形成方法、配線層絶縁膜11の成膜方法、貫通電極13の形成方法は公知である。従って、駆動回路9及び配線層10の形成方法は公知であり、説明を省略する。
ステップS21において、配線層10上に第1絶縁膜37を成膜し、基板裏面2bに反り抑制膜31を成膜する。このとき、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてSiO2の膜を形成する。反り抑制膜31の材質は第1の実施形態と同様にSiO2、SiN、SiCN等を用いることができる。次に、ステップS22においてフォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて第1凹部38を形成する。ドライエッチング法の製造条件を調整して第1凹部38の側面38aを基板表面2aに対して傾斜した斜面にする。マスクを除去して第1凹部38が完成する。
図9(b)はステップS23の第2絶縁膜形成工程及びステップS24の第2凹部形成工程に対応する図である。図9(b)に示すように、ステップS23において、第1凹部38にCVD法を用いてSiNの膜からなる第2絶縁膜39を形成する。このとき、第1凹部38に加えて第1絶縁膜37上にもSiNの膜を形成し、膜厚を第1凹部38の深さより厚くする。次に、CMP法(Chemical Mechanical Polishing)を用いて第2絶縁膜39の上面を平坦にし、第1絶縁膜37上の面と第2絶縁膜39上の面とを同一の面とする。このとき、第1凹部38以外の場所に残留する第2絶縁膜39を除去する。
次に、ステップS24においてフォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて第2凹部40を形成する。ドライエッチング法の製造条件を調整して第2凹部40の側面40aを基板表面2aに対して斜面にする。第2絶縁膜39の材質がSiNであることから位置精度良く第2凹部40を形成することができる。マスクを除去して第2凹部40が完成する。
図9(c)はステップS3の犠牲膜形成工程に対応する図である。図9(c)に示すように、ステップS3において第2絶縁膜39上にCVD法を用いてSiO2の膜からなる犠牲膜33を形成する。このとき、第2凹部40に加えて第1絶縁膜37上にもSiO2の膜を形成し、膜厚を第2凹部40の深さより厚くする。次に、CMP法(Chemical Mechanical Polishing)を用いて犠牲膜33の上面を平坦にし、第1絶縁膜37面と犠牲膜33の面とを同一の面とする。このとき、第2凹部40以外の場所に残留する犠牲膜33を除去する。
図9(d)はステップS4の保護膜形成工程及びステップS5の支持部材形成工程に対応する図である。図9(d)に示すように、ステップS4において犠牲膜33、第1絶縁膜37及び第2絶縁膜39上に保護膜17を形成する。CVD法にてSiNの膜を形成する。これにより、犠牲膜33はSiNの膜に覆われた状態となる。
次に、ステップS5において保護膜17上に支持部材20を形成する。CVD法を用いてSiO2の膜を形成し、さらにCVD法を用いてSiO2の膜に重ねてSi3N4の膜を形成する。支持部材20を多層にすることにより支持部材20の残留応力を相殺させて支持部23及び梁22の反りを抑制している。尚、支持部23及び梁22が反らないときにはSiO2の膜だけでも良い。工程を削減することができる。
図10(a)はステップS25の貫通電極形成工程に対応する図である。図10(a)に示すように、ステップS25において第1絶縁膜37及び支持部材20を貫通する上貫通電極7及び下貫通電極8を形成する。まず、フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いてビアホール37bを形成する。次に、タングステン等の金属を埋め込むことで上貫通電極7及び下貫通電極8が形成される。
続いて、上貫通電極7の図中上側の端に端子7aを形成する。端子7aは上貫通電極7を形成するときにできる膜を用いても良く、別途、成膜しても良い。同様に、下貫通電極8の図中上側の端に端子8aを形成する。フォトリソグラフィ法を用いてマスクを形成しドライエッチング法を用いて端子7a及び端子8aを形成する。
図10(b)はステップS7のキャパシター形成工程〜ステップS10の赤外線吸収膜形成工程に対応する図である。この工程は第1の実施形態と同様の工程であり、説明を省略する。
図10(c)はステップS11のエッチング工程に対応する図であり図6(a)のD−D’線に沿う模式断面図である。図10(c)に示すように、ステップS11において犠牲膜33をエッチングして除去し犠牲膜33があった場所を空隙41にする。フォトリソグラフィ法を用いて支持部材20及び赤外線検出部4を覆ってマスクを形成しパターニングする。使用するレジストはフッ化水素のエッチング液に耐性の高いものを使用する。次に、基板2をフッ化水素のエッチング液に浸漬することにより支持部材20の本体部21と支持部23との間からエッチング液を犠牲膜33に触れさせる。そして、犠牲膜33のSiO2が腐食され除去されることにより空隙41が形成される。犠牲膜33の周囲には密構造部39cの第2絶縁膜39が位置している為エッチング液は第2絶縁膜39から漏洩し難くなっている。その後、マスクを除去し洗浄して乾燥することにより赤外線検出素子36が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステップS23の第2絶縁膜形成工程では第1凹部38に第2絶縁膜39を形成する材料を飛行させて堆積させる。第1凹部38は側面38aが斜面となっている。第1凹部38に成膜するとき成膜する面に対して第2絶縁膜39を形成する材料の粒子が飛行する角度により膜の緻密さが異なる。そして、斜面となっている付近の膜は斜面となっていない場所の膜より粗い構造の膜となる。
(1)本実施形態によれば、ステップS23の第2絶縁膜形成工程では第1凹部38に第2絶縁膜39を形成する材料を飛行させて堆積させる。第1凹部38は側面38aが斜面となっている。第1凹部38に成膜するとき成膜する面に対して第2絶縁膜39を形成する材料の粒子が飛行する角度により膜の緻密さが異なる。そして、斜面となっている付近の膜は斜面となっていない場所の膜より粗い構造の膜となる。
第2凹部40の周囲に位置する第2交線40bと第1凹部38の周囲に位置する第1交線38bとの距離は第1凹部深さ38cより長い距離を隔てている。従って、第2凹部40では第2絶縁膜39が緻密な構造の密構造部39cの膜となっている。従って、ステップS11のエッチング工程においてエッチング液が犠牲膜33をエッチングするときエッチング液が第2絶縁膜39に浸透して第2絶縁膜39を通過することを防止することができる。その結果、エッチング液が第1絶縁膜37を腐食することを防止することができる。
(2)本実施形態によれば、SiO2からなる第1絶縁膜37を挟んで下電極配線6及び配線12が設置されている。さらに、第1絶縁膜37を挟んで上電極配線5及び配線12が設置されている。SiO2はSiNより誘電率が低い。従って、第1絶縁膜37をSiNやSiCNによって構成するときに比べて下電極配線6と配線12との間の寄生容量及び上電極配線5と配線12との間の寄生容量を小さくすることができる。
(3)本実施形態によれば、第2絶縁膜39の材料がSiNとなっている。従って、第2絶縁膜39をドライエッチングすることにより位置精度良く第2凹部40を形成することができる。
(第3の実施形態)
次に、赤外線検出装置の一実施形態について図11を用いて説明する。図11(a)は、赤外線検出装置の構成を示すブロック図であり、図11(b)は、赤外線検出素子の配列を説明するための模式図である。本実施形態では第1の実施形態における駆動回路9の駆動内容の例を詳しく説明する。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
次に、赤外線検出装置の一実施形態について図11を用いて説明する。図11(a)は、赤外線検出装置の構成を示すブロック図であり、図11(b)は、赤外線検出素子の配列を説明するための模式図である。本実施形態では第1の実施形態における駆動回路9の駆動内容の例を詳しく説明する。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図11(a)に示したように電子機器としてのセンサーデバイス46は、センサーアレイ47と、行選択回路48と、読み出し回路49を含む。さらに、センサーデバイス46はA/D変換部50、制御回路51を含む。行選択回路48を行ドライバーとも称す。駆動回路9は行選択回路48、読み出し回路49、A/D変換部50、制御回路51等を備えている。センサーデバイス46を用いることで例えばナイトビジョン機器等に用いられる赤外線カメラ等を実現できる。
図11(a)に示すように、センサーデバイス46はセンサーアレイ47を備えている。図11(b)に示すように、センサーアレイ47には二方向に複数の赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が格子状に配列される。複数の行線と複数の列線との配線が設けられている。行線はワード線や走査線とも称し、列線はデータ線とも称す。尚、行線及び列線の一方の本数が1本であってもよい。例えば行線が1本である場合には行線に沿った方向(図中横方向)に複数の赤外線検出素子3が配列される。一方、列線が1本である場合には列線に沿った方向(図中縦方向)に複数の赤外線検出素子3が配列される。
センサーアレイ47の各赤外線検出素子3または赤外線検出素子36は、各行線と各列線の交差位置に対応する場所に配置される。例えば、行線WL1と列線DL1の交差位置に対応する場所に赤外線検出素子3または赤外線検出素子36の1つが配置されている。他の赤外線検出素子3も同様に配置されている。センサーアレイ47のサイズは特に限定されない。本実施形態では例えばセンサーアレイ47は320×240画素のQVGA(Quarter Video Graphics Array)となっている。そして、行線WL0、WL1、WL2・・・・WL239及び列線DL0、DL1、DL2・・・・DL319が配置されている。
図11(a)に戻って、行選択回路48は、複数の行線に接続される。そして各行線の選択動作を行う。つまり、行線WL0、WL1、WL2・・・・WL239を順次選択して走査する動作を行う。即ちこれらの行線を選択する信号であるワード選択信号をセンサーアレイ47に出力する。
読み出し回路49は、複数の列線に接続され、各列線の読み出し動作を行う。QVGAのセンサーアレイ47を例にとれば、列線DL0、DL1、DL2・・・・DL319からの検出信号(検出電流、検出電荷)を読み出す動作を行う。
A/D変換部50は、読み出し回路49において取得された検出電圧(測定電圧、到達電圧)をデジタルデータにA/D変換する処理を行う。そしてA/D変換後のデジタルデータDOUTを出力する。具体的には、A/D変換部50には、複数の列線の各列線に対応して各A/D変換器が設けられる。そして、各A/D変換器は、対応する列線において読み出し回路49により取得された検出電圧のA/D変換処理を行う。尚、複数の列線に対応して1つのA/D変換器を設け、この1つのA/D変換器を用いて、複数の列線の検出電圧を時分割にA/D変換してもよい。
制御回路51は、各種の制御信号を生成して、行選択回路48、読み出し回路49、A/D変換部50に出力する。例えば、充電や放電(リセット)の制御信号を生成して出力する。或いは、各回路のタイミングを制御する信号を生成して出力する。第1の実施形態における駆動回路9は行選択回路48、読み出し回路49、A/D変換部50及び制御回路51等により構成されている。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、センサーデバイス46は格子状に配列した赤外線検出素子3または赤外線検出素子36を備えている。そして、行選択回路48及び読み出し回路49が順次赤外線検出素子3を選択して赤外線の受光量を検出して出力する。そして、赤外線検出素子3または赤外線検出素子36は品質良く赤外線の受光量を検出する。従って、センサーデバイス46は照射される赤外線の分布を品質良く検出する赤外線検出素子3または赤外線検出素子36を備えた装置とすることができる。
(1)本実施形態によれば、センサーデバイス46は格子状に配列した赤外線検出素子3または赤外線検出素子36を備えている。そして、行選択回路48及び読み出し回路49が順次赤外線検出素子3を選択して赤外線の受光量を検出して出力する。そして、赤外線検出素子3または赤外線検出素子36は品質良く赤外線の受光量を検出する。従って、センサーデバイス46は照射される赤外線の分布を品質良く検出する赤外線検出素子3または赤外線検出素子36を備えた装置とすることができる。
(第4の実施形態)
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備える電子機器の1つである赤外線カメラの一実施形態について図12の赤外線カメラの構成を示すブロック図を用いて説明する。図12に示すように、電子機器としての赤外線カメラ52は、光学系53、光検出部54、画像処理部55、処理部56、記憶部57、操作部58、表示部59を含んで構成されている。
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備える電子機器の1つである赤外線カメラの一実施形態について図12の赤外線カメラの構成を示すブロック図を用いて説明する。図12に示すように、電子機器としての赤外線カメラ52は、光学系53、光検出部54、画像処理部55、処理部56、記憶部57、操作部58、表示部59を含んで構成されている。
光学系53は、例えば1枚または複数枚のレンズやレンズを駆動する駆動部等を含む。そして光検出部54への物体像の結像を行う。また必要であればフォーカス調整や絞り調整等も行う。
光検出部54には上記実施形態の赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が二次元配列された検出器が用いられている。光検出部54は、該検出器に加えて行選択回路(行ドライバー)、列線を介して検出器からのデータを読み出す読み出し回路及びA/D変換部等を含むことができる。そして、二次元配列された各検出器からのデータを順次読み出すことで、被写体の画像データを形成することができる。
画像処理部55は、光検出部54からのデジタルの画像データ(画素データ)に基づいて、画像補正処理等の各種の画像処理を行う。
処理部56は、赤外線カメラ52の全体の制御を行い、赤外線カメラ52内の各ブロックの制御を行う。この処理部56は例えばCPU(Central Processing Unit)等により実現される。記憶部57は各種の情報を記憶するものであり、例えば処理部56や画像処理部55のワーク領域として機能する。操作部58は、操作者が赤外線カメラ52を操作するためのインターフェイスとなるものであり、例えば、各種ボタンやGUI(Graphical User Interface)画面等により実現される。表示部59は、例えば光検出部54により取得された画像やGUI画面等を表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の各種のディスプレイにより実現される。
このように、直交する二方向に赤外線検出素子3または赤外線検出素子36を二次元配置された光検出部54を用いて熱(光)分布画像を提供することができる。この光検出部54を用いて、サーモグラフィー、車載用ナイトビジョンあるいは監視カメラ等の電子機器を構成することができる。
もちろん、1セル分または複数セルの赤外線検出素子3または赤外線検出素子36をセンサーとして用いることで物体の物理情報の解析(測定)を行う解析機器(測定機器)、火や発熱を検知するセキュリティー機器、工場等に設けられるFA(Factory Automation)機器等の各種の電子機器を構成することもできる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、赤外線カメラ52は光検出部54を備え、光検出部54には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。光検出部54の赤外線検出素子3または赤外線検出素子36は品質良く赤外線を検出するので、赤外線カメラ52は品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子を備えた電子機器とすることができる。
(1)本実施形態によれば、赤外線カメラ52は光検出部54を備え、光検出部54には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。光検出部54の赤外線検出素子3または赤外線検出素子36は品質良く赤外線を検出するので、赤外線カメラ52は品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子を備えた電子機器とすることができる。
(第5の実施形態)
次に、光検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つである運転支援装置の一実施形態について図13及び図14を用いて説明する。図13は、運転支援装置の構成を示すブロック図であり、図14は、運転支援装置を搭載した自動車を示す概略斜視図である。
次に、光検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つである運転支援装置の一実施形態について図13及び図14を用いて説明する。図13は、運転支援装置の構成を示すブロック図であり、図14は、運転支援装置を搭載した自動車を示す概略斜視図である。
図13に示すように、電子機器としての運転支援装置62は、運転支援装置62を制御するCPUを備えた処理ユニット63と、車両外部の所定の撮像領域における赤外線を検出可能な赤外線カメラ52と、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサー65とを備えている。さらに、運転支援装置62は、車両の走行速度を検出する車速センサー66と、運転者のブレーキ操作の有無を検出するブレーキセンサー67と、スピーカー68と、表示装置69とを備えて構成されている。そして、本実施形態の赤外線カメラ52は上記実施形態における赤外線カメラ52と同じカメラが用いられている。従って、赤外線カメラ52は光検出部に赤外線検出素子3または赤外線検出素子36を備えている。
この運転支援装置62の処理ユニット63は、例えば、赤外線カメラ52の撮像により得られる自車両周辺の赤外線画像と、ヨーレートセンサー65、車速センサー66、ブレーキセンサー67により検出される自車両の走行状態にかかる検出信号を用いる。そして、処理ユニット63は赤外線画像及び検出信号を用いて自車両の進行方向前方に存在する物体及び歩行者等の対象物を検出する。検出した対象物と自車両との接触が発生する可能性があると判断したときには、スピーカー68または表示装置69により警報を出力する。
図14に示すように、赤外線カメラ52は、自動車の前部において車幅方向の中心付近に配置されている。表示装置69は、フロントウィンドーにおいて運転者の前方視界を妨げない位置に各種情報を表示するHUD(Head Up Display)70等を備えて構成されている。
(1)本実施形態によれば、運転支援装置62は赤外線カメラ52を備えている。赤外線カメラ52は光検出部54を備え、光検出部54には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。従って、運転支援装置62は品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子を有する赤外線カメラ52を備えた電子機器とすることができる。
(第6の実施形態)
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つであるセキュリティー機器の一実施形態について図15及び図16を用いて説明する。図15は、セキュリティー機器の構成を示すブロック図であり、図16はセキュリティー機器が設置された家を示す模式図である。
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つであるセキュリティー機器の一実施形態について図15及び図16を用いて説明する。図15は、セキュリティー機器の構成を示すブロック図であり、図16はセキュリティー機器が設置された家を示す模式図である。
図15に示すように、電子機器としてのセキュリティー機器73は、監視エリアを撮影する赤外線カメラ52と、監視エリアへの侵入者を検知する人感センサー74を備える。そして、本実施形態の赤外線カメラ52は上記実施形態における赤外線カメラ52と同じカメラが用いられている。従って、赤外線カメラ52は光検出部に赤外線検出素子3または赤外線検出素子36を備えている。さらに、セキュリティー機器73は、赤外線カメラ52から出力された画像データを処理して監視エリアに侵入した移動体を検知する動き検知処理部75を備える。さらに、セキュリティー機器73は人感センサー74が出力する信号を用いて侵入者の検知処理を行う人感センサー検知処理部76を備える。さらに、セキュリティー機器73は画像圧縮部77を備え、画像圧縮部77は赤外線カメラ52から出力された画像データを所定の方式で圧縮する。さらに、セキュリティー機器73は通信処理部78を備え、通信処理部78は圧縮された画像データや侵入者検知情報を外部装置に送信し、セキュリティー機器73への各種設定情報等を外部装置から受信する。さらに、セキュリティー機器73は制御部79等を備え、制御部79はセキュリティー機器73の各処理部に対して条件設定、処理コマンド送信、レスポンス処理をCPUにて行う。セキュリティー機器73は以上の要素等で構成されている。そして、本実施形態の赤外線カメラ52は上記実施形態における赤外線カメラ52と同じカメラが用いられている。従って、赤外線カメラ52は光検出部に赤外線検出素子3または赤外線検出素子36を備えている。
動き検知処理部75は、図示しないバッファメモリーと、バッファメモリーの出力信号が入力されるブロックデータ平滑部と、ブロックデータ平滑部の出力信号が入力される状態変化検出部とを備える。そして、状態変化検出部は撮影した動画の画像であるフレームを比較する。そして、監視エリアが静止状態であれば動画で撮影した異なるフレームが同一画像の画像データとなり、状態変化(移動体の侵入)があるとフレーム間の画像データで差が生じる。フレーム間の画像データで差を利用して状態変化検出部は状態変化を検知する。
図16に示すように、セキュリティー機器73は軒下に赤外線カメラ52及び人感センサー74が設置されている。そして、赤外線カメラ52は撮像エリア80を検出し、人感センサー74は検知エリア81を検出する。
(1)本実施形態によれば、セキュリティー機器73は赤外線カメラ52を備えている。赤外線カメラ52は光検出部を備え、光検出部には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。従って、セキュリティー機器73は品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子を有する赤外線カメラ52を備えた電子機器とすることができる。
(第7の実施形態)
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つであるゲーム機器の一実施形態について図17及び図18を用いて説明する。図17は、ゲーム機器のコントローラーの構成を示すブロック図であり、図18はコントローラーの使用方法を説明するための模式図である。
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つであるゲーム機器の一実施形態について図17及び図18を用いて説明する。図17は、ゲーム機器のコントローラーの構成を示すブロック図であり、図18はコントローラーの使用方法を説明するための模式図である。
図17に示すように、ゲーム機器に用いられる電子機器としてのコントローラー84は、撮像情報演算ユニット85と、操作スイッチ86と、加速度センサー87と、コネクター88と、プロセッサー89と、無線モジュール90と、を備えて構成される。
撮像情報演算ユニット85は、撮像ユニット91と、この撮像ユニット91で撮像した画像データを処理するための画像処理回路92を有する。撮像ユニット91は光検出部93を備え、さらに、光検出部93と接続して赤外線だけを通すフィルターである赤外線フィルター94及びレンズ等の光学系95を備えている。そして、画像処理回路92は、撮像ユニット91から得られた赤外線画像データを処理して、高輝度部分を検知し、高輝度部分の重心位置や面積を検出してこれらのデータを出力する。本実施形態の光検出部93には上記実施形態の赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。
プロセッサー89は、操作スイッチ86からの操作データと、加速度センサー87からの加速度データ及び赤外線画像の高輝度部分データを一連のコントロールデータとして無線モジュール90に出力する。無線モジュール90は所定周波数の搬送波をこのコントロールデータで変調し、アンテナ96から電波信号にして出力する。
尚、コントローラー84に設けられているコネクター88を通して入力されたデータもプロセッサー89によって上述のデータと同様に処理されてコントロールデータとして無線モジュール90とアンテナ96を介して出力される。
図18に示すように、電子機器としてのゲーム機器97は、コントローラー84と、ゲーム機本体98と、ディスプレイ99と、LEDモジュール100及びLEDモジュール101とを備えている。ゲーム機器97を操作するプレイヤー102は一方の手でコントローラー84を操作してゲームをプレイすることができる。そして、コントローラー84の撮像ユニット91をディスプレイ99の画面103を向くようにすると、ディスプレイ99の近傍に設置された二つのLEDモジュール100及びLEDモジュール101から出力される赤外線を撮像ユニット91が検知する。そして、コントローラー84は、二つのLEDモジュール100,101の位置や面積情報を高輝度点の情報として取得する。輝点の位置や大きさのデータがコントローラー84から無線でゲーム機本体98に送信され、ゲーム機本体98に受信される。プレイヤー102がコントローラー84を動かすと、輝点の位置や大きさのデータが変化する。それを利用して、ゲーム機本体98はコントローラー84の動きに対応した操作信号を取得できる。そして、操作信号にしたがってゲーム機器97はゲームを進行させることができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ゲーム機器97のコントローラー84は光検出部93を備え、光検出部93には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。光検出部93の赤外線検出素子3または赤外線検出素子36は品質良く赤外線を検出するので、ゲーム機器97は品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が設置されたコントローラー84を有する電子機器とすることができる。
(1)本実施形態によれば、ゲーム機器97のコントローラー84は光検出部93を備え、光検出部93には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。光検出部93の赤外線検出素子3または赤外線検出素子36は品質良く赤外線を検出するので、ゲーム機器97は品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が設置されたコントローラー84を有する電子機器とすることができる。
(第8の実施形態)
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つである体温測定装置の一実施形態について図19を用いて説明する。図19は、体温測定装置の構成を示すブロック図である。
次に、赤外線検出部に赤外線検出素子を備えた赤外線カメラを用いた電子機器の1つである体温測定装置の一実施形態について図19を用いて説明する。図19は、体温測定装置の構成を示すブロック図である。
図19に示すように、電子機器としての体温測定装置106は、赤外線カメラ52と、体温分析装置107と、情報通信装置108と、ケーブル109とを備えて構成されている。本実施形態の赤外線カメラ52は上記の実施形態の赤外線カメラ52と同じカメラが用いられている。
赤外線カメラ52は所定の対象領域を撮影し、撮影された対象者110の画像情報を、ケーブル109を経由して体温分析装置107に送信する。体温分析装置107は、赤外線カメラ52からの熱分布画像を読み取る画像読取処理ユニットと、画像読取処理ユニットからのデータと画像分析設定テーブルに基づいて体温分析テーブルを作成する体温分析処理ユニットとを含み、体温分析テーブルに基づいて体温情報送信用データを情報通信装置108へ送信する。この体温情報送信用データは体温異常であることに対応する所定のデータを含んでもよい。また、撮影領域内に複数の対象者110を含んでいると判断した場合には、対象者110の人数と体温異常者の人数の情報を体温情報送信用データに含んでもよい。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、体温測定装置106は赤外線カメラ52を備えている。赤外線カメラ52は光検出部を備え、光検出部には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。従って、体温測定装置106は品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子を有する赤外線カメラ52を備えた電子機器とすることができる。
(1)本実施形態によれば、体温測定装置106は赤外線カメラ52を備えている。赤外線カメラ52は光検出部を備え、光検出部には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。従って、体温測定装置106は品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子を有する赤外線カメラ52を備えた電子機器とすることができる。
(第9の実施形態)
次に、光検出部に赤外線検出素子を備える電子機器の1つである特定物質探知装置の一実施形態について図20の特定物質探知装置の構成を示すブロック図を用いて説明する。
次に、光検出部に赤外線検出素子を備える電子機器の1つである特定物質探知装置の一実施形態について図20の特定物質探知装置の構成を示すブロック図を用いて説明する。
図20に示すように電子機器としての特定物質探知装置113は、制御ユニット114と、照射光ユニット115と、光学フィルター116と、撮像ユニット117と、表示部118とを備えて構成されている。撮像ユニット117は、図示しないレンズ等の光学系と光検出部を備え、該光検出部は第1の実施形態の赤外線検出素子3または第2の実施形態の赤外線検出素子36を備えている。そして、赤外線検出素子3または赤外線検出素子36の赤外線検出部4が備える赤外線吸収膜30の吸収波長はテラヘルツ域となっている。
制御ユニット114は、本装置全体を制御するシステムコントローラーを含み、該システムコントローラーは制御ユニットに含まれる光源駆動部及び画像処理ユニットを制御する。照射光ユニット115は、波長が100μm〜1000μmの範囲にある電磁波であるテラヘルツ光を射出するレーザー装置と光学系を含み、テラヘルツ光を検査対象の人物119に照射する。
人物119と撮像ユニット117との間には光学フィルター116が配置されている。光学フィルター116は探知対象である特定物質120の分光スペクトルのみを通過させる。人物119から反射するテラヘルツ光は、光学フィルター116にて分離されて特定物質120の分光スペクトルのみ撮像ユニット117に受光される。撮像ユニット117で生成された画像信号は、制御ユニット114の画像処理ユニットで所定の画像処理が施され、その画像信号が表示部118へ出力される。そして人物119の衣服内等に特定物質120が存在するか否かにより受光信号の強度が異なるので特定物質120の存在が判別できる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、特定物質探知装置113は撮像ユニット117に光検出部を備え、光検出部には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。光検出部の赤外線検出素子3または赤外線検出素子36は品質良く赤外線を検出するので、特定物質探知装置113は撮像ユニット117に品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子を備えた電子機器とすることができる。
(1)本実施形態によれば、特定物質探知装置113は撮像ユニット117に光検出部を備え、光検出部には赤外線検出素子3または赤外線検出素子36が用いられている。光検出部の赤外線検出素子3または赤外線検出素子36は品質良く赤外線を検出するので、特定物質探知装置113は撮像ユニット117に品質良く赤外線を検出する赤外線検出素子を備えた電子機器とすることができる。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例は総て本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
本発明は、種々の焦電型検出器に広く適用することができる。検出する光の波長は問わない。また、焦電型検出器または焦電型検出装置、あるいはそれらを有する電子機器は、例えば、供給する熱量と流体が奪う熱量とが均衡する条件下にて流体の流量を検出するフローセンサー等にも適用できる。このフローセンサーに設けられる熱電対等に代えて本発明の焦電型検出器または焦電型検出装置を設けることができ、光以外を検出対象とすることができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、2つの梁22が設置されたが、梁22の個数は限定されない。梁22の個数は1個でも良く、3個以上でも良い。支持部23を安定して支持できれば良い。また、梁22は折れ曲がった角柱状であったが、梁22の形状は曲線でも良く、真直ぐでもよい。支持部23を安定して支持できれば良く、設計し易い形状にしても良い。また、梁22を長くすることにより梁22を介して熱伝導する熱量を減らすことができる。
前記第1の実施形態では、2つの梁22が設置されたが、梁22の個数は限定されない。梁22の個数は1個でも良く、3個以上でも良い。支持部23を安定して支持できれば良い。また、梁22は折れ曲がった角柱状であったが、梁22の形状は曲線でも良く、真直ぐでもよい。支持部23を安定して支持できれば良く、設計し易い形状にしても良い。また、梁22を長くすることにより梁22を介して熱伝導する熱量を減らすことができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、基板2上に駆動回路9を設置し、同じ基板2上に赤外線検出素子3を配列して形成した。駆動回路9は基板2でなく外部基板に設置しても良い。バンプを接点に用いて基板2と外部基板との間で通信しても良い。良品の駆動回路9と赤外線検出素子3が配列した良品のセンサーアレイとを組み立ててセンサーデバイスとする。従って、歩留まり良くセンサーデバイスを製造できるので、生産性良くセンサーデバイスを製造することできる。
前記第1の実施形態では、基板2上に駆動回路9を設置し、同じ基板2上に赤外線検出素子3を配列して形成した。駆動回路9は基板2でなく外部基板に設置しても良い。バンプを接点に用いて基板2と外部基板との間で通信しても良い。良品の駆動回路9と赤外線検出素子3が配列した良品のセンサーアレイとを組み立ててセンサーデバイスとする。従って、歩留まり良くセンサーデバイスを製造できるので、生産性良くセンサーデバイスを製造することできる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、ステップS12の検出部形成工程の後にステップS9の支持部形成工程を行った。ステップS9はステップS5の支持部材形成工程とステップS6の貫通電極形成工程との間に行われても良い。また、ステップS9はステップS6の貫通電極形成工程とステップS12の検出部形成工程との間に行われても良い。製造し易いステップ順にて行っても良い。
前記第1の実施形態では、ステップS12の検出部形成工程の後にステップS9の支持部形成工程を行った。ステップS9はステップS5の支持部材形成工程とステップS6の貫通電極形成工程との間に行われても良い。また、ステップS9はステップS6の貫通電極形成工程とステップS12の検出部形成工程との間に行われても良い。製造し易いステップ順にて行っても良い。
2…基板、2a…表面としての基板表面、4…赤外線検出部、7…貫通電極としての上貫通電極、8…貫通電極としての下貫通電極、12…配線、14…絶縁膜、15…凹部、16,41…空隙、22…梁、23…支持部、31…反り抑制膜、33…犠牲膜、37…第1絶縁膜、38…第1凹部、38a…斜面としての側面、39…第2絶縁膜、40…第2凹部、46…電子機器としてのセンサーデバイス、52…電子機器としての赤外線カメラ、54,93…光検出部、62…電子機器としての運転支援装置、73…電子機器としてのセキュリティー機器、84…電子機器としてのコントローラー、97…電子機器としてのゲーム機器、106…電子機器としての体温測定装置、113…電子機器としての特定物質探知装置。
Claims (11)
- 基板上に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜上に支持部を形成する支持部形成工程と、
前記支持部上に赤外線検出部を形成する検出部形成工程と、
エッチング液を用いて前記犠牲膜をエッチングするエッチング工程と、を有し、
前記絶縁膜は前記エッチング液に対して耐食性を有することを特徴とする赤外線検出素子の製造方法。 - 請求項1に記載の赤外線検出素子の製造方法であって、
前記基板と前記絶縁膜との間に配線層を形成する工程をさらに有し、
前記配線層は配線と層間絶縁膜とが積層され、前記層間絶縁膜と前記絶縁膜とは異なる材料であることを特徴とする赤外線検出素子の製造方法。 - 請求項2に記載の赤外線検出素子の製造方法であって、
前記層間絶縁膜が酸化シリコンであり、前記絶縁膜が窒化シリコンまたは炭窒化シリコンであることを特徴とする赤外線検出素子の製造方法。 - 基板上に酸化シリコンからなる第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程と、
底面の向きが前記基板の表面と同じ向きであり側面が前記表面に対して傾斜する第1凹部を前記第1絶縁膜に形成する第1凹部形成工程と、
前記第1凹部に第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程と、
前記第2絶縁膜に第2凹部を形成する第2凹部形成工程と、
前記第2凹部に犠牲膜を形成する犠牲膜形成工程と、
前記犠牲膜上に支持部を形成する支持部形成工程と、
前記支持部上に赤外線検出部を形成する検出部形成工程と、
エッチング液を用いて前記犠牲膜をエッチングするエッチング工程と、を有し、
前記第2絶縁膜は前記エッチング液に対して耐食性を有し、
前記第1絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第1凹部の面とが交差する場所と前記第2絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第2凹部の面とが交差する場所との距離は前記第1凹部の深さより長いことを特徴とする赤外線検出素子の製造方法。 - 基板と、
前記基板上に設置され凹部を備えた絶縁膜と、
前記基板に一端が固定される梁によって保持され前記凹部の上方に空隙を介して位置する支持部と、
前記支持部上に設置され赤外線を検出する赤外線検出部と、を備え、
前記絶縁膜は窒化シリコンまたは炭窒化シリコンからなることを特徴とする赤外線検出素子。 - 請求項5に記載の赤外線検出素子であって、
前記基板と前記絶縁膜の間に配線層を備え、前記配線層は配線と層間絶縁膜とが積層され、前記層間絶縁膜は酸化シリコンからなることを特徴とする赤外線検出素子。 - 請求項6に記載の赤外線検出素子であって、
前記絶縁膜は窒化シリコンからなり、前記絶縁膜には前記赤外線検出部と接続し前記絶縁膜を貫通する貫通電極が設置されていることを特徴とする赤外線検出素子。 - 基板と、
底面の向きが前記基板の表面と同じ向きであり側面が前記表面に対して傾斜する第1凹部を備え前記基板上に設置され酸化シリコンからなる第1絶縁膜と、
窒化シリコンまたは炭窒化シリコンからなり第2凹部を備え前記第1凹部に設置された第2絶縁膜と、
前記基板に一端が固定される梁によって保持され前記第2凹部の上方に空隙を介して位置する支持部と、
前記支持部上に設置され赤外線を検出する赤外線検出部と、
前記赤外線検出部と接続され前記第1絶縁膜を挟む配線と、を備え、
前記第1絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第1凹部の面とが交差する場所と前記第2絶縁膜の前記支持部を向く面と前記第2凹部の面とが交差する場所との距離は前記第1凹部の深さより長いことを特徴とする赤外線検出素子。 - 請求項8に記載の赤外線検出素子であって、
前記第2絶縁膜は窒化シリコンからなることを特徴とする赤外線検出素子。 - 請求項5〜9のいずれか一項に記載の赤外線検出素子であって、
前記基板において前記支持部を向く面の反対側の面には反り抑制膜を備えることを特徴とする赤外線検出素子。 - 赤外線を検出する光検出部を備える電子機器であって、
前記光検出部に請求項5〜10のいずれか一項に記載の赤外線検出素子を備えることを特徴とする電子機器。
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JP2011195741A JP2013057582A (ja) | 2011-09-08 | 2011-09-08 | 赤外線検出素子の製造方法、赤外線検出素子及び電子機器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019069559A1 (ja) * | 2017-10-03 | 2019-04-11 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 撮像装置 |
-
2011
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