JP5684506B2 - 数個のカチオン基を含むモノマー化合物及びそれに由来する単位を含むポリマー - Google Patents
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Description
− R1は、水素原子又はメチル若しくはエチル基であり、
− R2、R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なりそして線状又は分枝状C1〜C6好ましくはC1〜C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はアミノアルキル基であり、
− mは、1から10の整数たとえば1であり、
− nは、1から6好ましくは2から4の整数であり、
− Zは、−C(O)O−若しくは−C(O)NH−基又は酸素原子を表し、
− Aは、(CH2)p基を表し、pは1から6好ましくは2から4の整数であり、
− Bは、線状又は分枝状C2〜C12有利にはC3〜C6ポリメチレン鎖を表し、しかもこのポリメチレン鎖は、1個又はそれ以上のヘテロ原子又はヘテロ基特にO又はNHにより随意に中断され及び1個又はそれ以上のヒドロキシル又はアミノ基好ましくはヒドロキシル基により随意に置換され、
− Xは、同一又は異なりそして対イオンを表す〕
を有するポリカチオン性モノマーを記載する。
第1側面において、本発明は、次式(I)
− R1は、水素原子、メチル基又はエチル基であり、
− Aは、同一又は異なりそして式−A1−C(O)−O−A2−のエステル基又は式−A1−C(O)−NR10−A2−のアミド基
(ここで、
− R10は、同一又は異なりそして水素又はアルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアミノアルキルC1〜C6線状若しくは分枝状基であり、
− A1は、同一又は異なりそして共有結合又は式−(CH2)p1−(ここで、p1は1から6の整数好ましくは1である)の基であり、
− A2は、同一又は異なりそして線状又は分枝状炭化水素基であり、しかもこの炭化水素基は、N、O又はSのヘテロ原子又はヘテロ基を随意に含み、随意に置換され、複素環のような環を随意に形成し又は含み、そしてA2は好ましくは式−(CH2)p2−(ここで、p2は1から6の整数である)の基である)
を含む基であり、
− R1、R2、R3、R5及びR6は、同一又は異なりそして水素、アルキル、ヒドロキシアルキル又はアミノアルキルC1〜C6線状又は分枝状基であり、あるいは角括弧内にある場合基A2と複素環を形成し、
− mは、1から10好ましくは1から2の整数であり、
− nは、1から6好ましくは2又は4の整数であり、
− Zは、−O−、−C(O)O−又は−C(O)NH−であり、
− Bは、線状又は分枝状C2〜C12ポリメチレン鎖好ましくはC3〜C6のものであり、しかもこのポリメチレン鎖は、O又はNHのようなヘテロ原子又はヘテロ基を随意に含み及び1個又は数個のヒドロキシ又はアミノ基で随意に置換され、そして
− X-は、同一又は異なりそして対イオンである〕
を有するところの、数個のカチオン基を含むモノマー化合物に関する。
− R1′は、H又はCH3であり、
− n′は、1から6の整数であり、好ましくは3に等しく、
− Yは、同一又は異なりそして式−O−又は−NR10−(ここで、R10は水素又はアルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアミノアルキルC1〜C6線状若しくは分枝状基である)の基であり、
− m′は、同一又は異なりそして1から6の整数であり、好ましくは1に等しく、
− Rは、同一又は異なりそして式−(CH2)p2−(ここで、p2は1から6の整数であり、好ましくは3に等しい)の基又は式−CH2−CH2−N(CH2−CH2−)(CH2−CH2−)の基であり、
− s′は、1から10の整数であり、
− Bは、線状又は分枝状C2〜C12ポリメチレン鎖好ましくはC3〜C6のものであり、しかもこのポリメチレン鎖は、−O−又は−NH−のようなヘテロ原子又はヘテロ基を随意に含み及び1個又は数個のヒドロキシ又はアミノ基で随意に置換され、好ましくは式
− R2′、R3′、R4′、R5′、R6′は、同一又は異なりそしてアルキル基好ましくはメチル又はエチル基であり、
− Tは、アンモニウム基とは異なる末端有機基、すなわち、線状若しくは分枝状炭化水素基であってしかもN、O若しくはSのヘテロ原子若しくはヘテロ基を随意に含み、随意に置換され、環を随意に形成する若しくは含む炭化水素基たとえばアルキル基、又は好ましくは式−N+R7′R8′R9′X-(ここで、R7′、R8′、R9′は同一又は異なりそしてアルキル基好ましくはメチル又はエチル基である)のアンモニウム基であり、そして
− X-は、同一又は異なりそして対イオンである〕
を有するところの、数個のカチオン基を含むモノマー化合物に関する。
− R1′は、H又はCH3であり、
− n′は、1から6の整数であり、好ましくは3に等しく、
− Yは、同一又は異なりそして式−O−又は−NR10−(ここで、R10は水素又はアルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアミノアルキルC1〜C6線状若しくは分枝状基である)の基であり、
− m′は、同一又は異なりそして1から6の整数であり、好ましくは1に等しく、
− Rは、同一又は異なりそして式−(CH2)p2−(ここで、p2は1から6の整数であり、好ましくは3に等しい)の基又は式−CH2−CH2−N(CH2−CH2−)(CH2−CH2−)の基であり、
− s″は、2から10の整数であり、好ましくは3に等しく、
− R2′、R3′、R4′、R5′、R6′は、同一又は異なりそしてアルキル基好ましくはメチル又はエチル基であり、
− X-は、同一又は異なりそして対イオンであり、そして
− R7″は、線状又は分枝状炭化水素基であってしかもN、O又はSのヘテロ原子又はヘテロ基を随意に含み、随意に置換され、環を随意に形成する又は含む炭化水素基たとえばアルキル基のような、アンモニウムとは異なる末端有機基である〕
を有するところの、数個のカチオン基を含むモノマー化合物に関する。
モノマー化合物
第1側面
第1側面によるモノマー化合物は、好ましくは、次のとおりである。すなわち、
− Zは、−C(O)NH−であり、
− nは、2又は3に等しく、好ましくは3に等しく、そして
− Bは、次式
mが1に等しいところの第1側面によるモノマー化合物が、有利な具体的態様である。
− A1が、−(CH2)p1−(ここで、p1は1から6の整数好ましくは1である)であり、そして
− A2が、式−(CH2)p2−(ここで、p2は1から6の整数である)を有する
ことも好ましい。
−CH2−CH2−N(CH2−CH2−)(CH2−CH2−)
を有し、しかも基−N(CH2−CH2−)(CH2−CH2−)は、角括弧内のN原子及び角括弧内のR2又はR3基と共に、2個のN原子を含む複素環を形成する。
本発明の第2側面によるモノマー化合物は、好ましくは次式(II′)を有する。すなわち、
− R1′は、H又はCH3であり、
− n′は、1から6の整数であり、好ましくは3に等しく、
− m′は、同一又は異なりそして1から6の整数であり、好ましくは1に等しく、
− qは、1から4の整数であり、好ましくは1に等しく、
− Rは、同一又は異なりそして式−(CH2)p2(ここで、p2は1から6の整数であり、好ましくは3に等しい)の基であり、
− s′は、1から10の整数であり、好ましくは1に等しく、そして
− R2′、R3′、R4′、R5′、R6′、R7′、R8′、R9′は、メチル基であり、そして
− X-は、同一又は異なりそしてハロゲン、スルホン酸、硫酸、硫酸水素、リン酸、ホスホン酸、クエン酸、ギ酸又は酢酸アニオン(式Cl-、Br-、I-又はCH3OSO3 -のアニオンのような)である。
方法の第1側面
本発明の第1側面による上記に定められたモノマー化合物は、次の工程a)からd)を含む方法により製造され得る。
随意に、次の反応スキームI:
H2C=CR1−Z−(CH2)n−X + HNR2R3 → H2C=CR1−Z−(CH2)n−NR2R3(中間体I)
〔ここで、Z、R1、R2、R3、X、nは上記に定義されたとおりである〕
を行う。工程a)は、中間体Iが通常商業的に入手できるので随意である。
次の反応スキームII、次いでIIIを行う。
反応スキームII:
(中間体I) + X−A1−C(O)−O−R4′ → H2C=CR1−Z−(CH2)−N+R2R3−A1−C(O)−O−R4′X-(中間体II)
ここで、X(同一又は異なる)及びA1は上記に定義されたとおりであり、そしてR4′はアルキル基好ましくはエチルである。
(中間体II) + HW−A2−NR2R3(ここで、Wは−O又は−NR10である) → H2C=CR1−Z−(CH2)−N+R2R3−A1−C(O)−W−A2−NR2R3X-(中間体III)
ここで、R2、R3(同一又は異なる)、A2及びR10は上記に定義されたとおりである。
工程b)において又は前の実行において用いられたものと同一又は異なる反応体を用いて、次の反応スキームIIa、次いでIIIaを(m−1)回実行する。
H2C=CR1−Z−(CH2)−N+R2R3[−A1−C(O)−W−A2−N+R2R3]m-2−A1−C(O)−W−A2−NR2R3X- m(中間体III又はIIIaである) + X−A1−C(O)−O−R4′ → H2C=CR1−Z−(CH2)−N+R2R3[−A1−C(O)−W−A2−N+R2R3]m-1−A1−C(O)−O−R4′X- m+1(中間体IIa)
ここで、X及びA1(同一又は異なる)は上記に定義されたとおりであり、そしてR4′はアルキル基好ましくはエチルである。
(中間体II又はIIa) + HW−A2−NR2R3(ここで、Wは−O又は−NR10である) → H2C=CR1−Z−(CH2)−N+R2R3[−A1−C(O)−W−A2−N+R2R3]m-1−A1−C(O)−W−A2−NR2R3X- m+1(中間体IIIa)
ここで、A2、R10、R2及びR3(同一又は異なる)は上記に定義されたとおりである。
次の反応スキームIVを行う。
反応スキームIV:
(中間体III又はIIIa) + X−B−N+R4R5R6X- → 上記のとおりのモノマー化合物
ここで、X、B、R4、R5及びR6(同一又は異なる)は上記に定義されたとおりである。
本発明の第2側面による上記に定められたモノマー化合物は、次の工程b′)からd′)を含む方法により製造され得る。
次の反応スキームII′、次いでIII′を行う。
反応スキームII′:
工程b′)において又は前の実行において用いられたものと同一又は異なる反応体を用いて、次の反応スキームII′a、次いでIII′aを(s′−1)回実行する。
反応スキームII′a:
次の反応スキームIV′を行う。
反応スキームIV′:
本発明の第3側面による上記に定められたモノマー化合物は、次の工程b″)からd″)を含む方法により製造され得る。
工程b″): 工程b′)と同じ工程。
工程c″): 反応スキームII′a、次いでIII′aを(s″−2)回実行する。
工程d″): 反応スキームIII′aを、反応体HY−R7′の代わりに反応体HY−R7″(ここで、Y及びR7″は上記に定義されたとおりの基である)でもって実行する。典型的には、HY−R7″は、アルキルアミノアルキルアルコールである。
本発明はまた、上記に定められたようなジカチオン性ポリカチオン性モノマーに好ましくはトリカチオン性モノマーに由来するポリカチオン性単位を含むポリマーに関する。ポリカチオン性単位を含むポリマーは、上記に定められたポリカチオン性単位及び他の単位を含むホモポリマー及びコポリマーを包含する。他の単位は、次のものを包含する。すなわち、
− カチオン性単位(上記に定められたものとは異なるモノカチオン性、ジカチオン性、ポリカチオン性)、
− 中性単位、又は
− アニオン基又は潜在的にアニオンの基を含む単位。
− 上記に定められたようなモノマーに由来するポリカチオン性単位C、
− 中性単位N、好ましくはエチレン不飽和モノマーに由来するもの、及び
− 随意に、アニオン基又は潜在的にアニオンの基を含む単位(単位Bと称される)、これらの単位は好ましくはエチレン不飽和モノマーに由来する。
− 1個又は数個のアニオン基を含む単位、
− 1個又は数個の潜在的にアニオンの基を含む単位、
− 両性基を含む単位、及び
− ツビッターイオン性単位。
−[C]z−[B]y−[N]x−
〔ここで、zは0より大きく、yは0より大きいか又は等しく、xは0より大きい〕
を有する。
− アミノアルキル(メト)アクリレート、(メト)アミノアルキル(メト)アクリルアミド、
− 少なくとも1個の第2級、第3級若しくは第4級アミン官能基又は窒素原子含有複素環式基を含むモノマー、ビニルアミン又はエチレンイミン、
− ジアリルジアルキルアンモニウム塩、
− それらの混合物、それらの塩、及びそれらに由来するマクロモノマー。
− ジメチルアミノエチル(メト)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メト)アクリレート、ジ第3級ブチルアミノエチル(メト)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メト)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メト)アクリルアミド、
− エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、
− トリメチルアンモニウムエチル(メト)アクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メト)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メト)アクリレートベンジルクロライド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メト)アクリルアミドクロライド、トリメチルアンモニウムプロピル(メト)アクリルアミドクロライド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、及び
− ジアリルジメチルアンモニウムクロライド。
− ホスフェート又はホスホネート基を含むアルファエチレン不飽和モノマー、
− アルファエチレン不飽和モノカルボン酸、
− アルファエチレン不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、
− アルファエチレン不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、
− スルホン酸基を含むアルファエチレン不飽和化合物、及びスルホン酸基を含むアルファエチレン不飽和化合物の塩。
− アクリル酸、メタクリル酸、
− ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、
− ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、
− アルファ−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、アルファ−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、
− 2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩、
− アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩、
− スチレンスルホネート(SS)、
− α−エタクリル酸、β,β−ジメチルアクリル酸、メチレンマロン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、エチリジン酢酸、プロピリジン酢酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、N−(メタクロイル)アラニン、N−(アクリロイル)ヒドロキシグリシン、スルホプロピルアクリレート、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、ホスホエチルアクリレート、ホスホノエチルアクリレート、ホスホプロピルアクリレート、ホスホノプロピルアクリレート、ホスホエチルメタクリレート、ホスホノエチルメタクリレート、ホスホプロピルメタクリレート、ホスホノプロピルメタクリレート、並びにそれらのアルカリ金属及びアンモニウム塩。
− ビニルアセテート、
− スチレン、
− アクリルアミド、メタクリルアミド、
− アクリロニトリル、
− メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、及び
− 2−ヒドロキシエチルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート。
〔ここで、
− C単位は、N,N,N,N′,N′,N″,N″−ヘプタメチル−N″−3−(1−オキソ−2−メチル−2−プロペニル)アミノプロピル−9−オキソ−8−アゾ−デカン−1,4,10−トリアンモニウムトリクロライドに由来し、
− N単位は、2−ヒドロキシエチルアクリレートに由来し、
− xは、1より大きい整数であり、
− zは、1より大きい整数である〕
のコポリマーである。
外観 無色透明な液体
固形分 21.68%
計算活性ポリマー 21.48%
カチオン電荷 4.84meq/g
pH 6.27
残留モノマー <0.2%
B.V.(LV2,60rpm,25℃) 210cp
実施例#1〜3は、モノマーの製造を実例で示す。
実施例#1
この例は、精製なしにトリクァトを製造するためのワンポット法を示す。これは、機械撹拌機、ガス導入口、凝縮器及び温度計を備えたジャケット付き反応フラスコ中で三工程反応を行うことにより達成された。機械式撹拌及び空気パージを、反応中ずっと維持した。かくして、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)340.52g、メチルクロロアセテート238.75g、MEHQ(メタクリル酸2−エチルヘキシル)0.34g及びメタノール425gを反応器中に秤量し、そして65〜70℃にておおよそ5時間加熱して、(メタクリルアミドプロピル)(メトキシカルボニルメチル)ジメチルアンモニウムクロライド(MMDMAC)が得られた。100%転化を確実にするために、サンプルを2時間ごとに採取し、そしてHPLC分析により分析し、またCl-をAgNO3で滴定した(第1工程)。第2工程において、MMDMAC溶液にそれが室温に冷却された後、MEHQ0.365g及びジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)224.5gをゆっくり添加した。発熱反応が観察され、そして混合物は薄黄色に変わった。加熱を65〜70℃にて2時間続行し、そして次いでメタノールを真空下で蒸留除去した。第2工程においてすべてのエステルがアミドに転化されたことをHPLCにより確認した後、次いで65%(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(クァト−188)637gを添加して第3工程に進めた。温度を、65〜70℃に2時間保った。この期間中、残留量のメタノールをストリッピング除去し、そして水を添加して約55%の固形分含有率にした。反応を水中で更に1時間続行して、トリクァトモノマーが得られた(第3工程)。この生成物はわずかに粘稠であり、また淡黄色及び7.8のpHを有していた。代替的に、メタノールをエタノールで置き換えることにより又はメチルクロロアセテートをエチルクロロアセテートで置き換えることにより、トリクァトモノマーを製造した。各工程からの反応生成物の構造を、C−13NMR測定により確認した。そのように合成されたトリクァトは、クロロアセテート及びDMAPAのわずかに過剰の使用に因り、少量のマルチプルクァトを不純物として含有すると予期された。これらのマルチプルクァトは、重合にとって及びトリクァトの使用にとって懸念事項でなかった。高純度のトリクァト又はマルチプルクァトが要求されるならば、反応の次工程に進む前に、過剰量のクロロアセテート及びDMAPAは真空下で除去され得る。工程1及び2を工程3と共に又は工程3なしに繰り返すと、より高次のクァトがもたらされることになる。
この例は、更なる官能基化のための中間体である純粋な(メタクリルアミドプロピル)(エトキシカルボニルメチル)ジメチルアンモニウムクロライド(MEDMAC)又はMMDMACを製造する仕方を実例で示した。MEHQ0.034g、DMAPMA34.05g、テトラヒドロフラン40.0g及びエチルクロロアセテート36.9gを、還流及び空気パージ下で65〜67℃にて加熱した。相分離が10分後に観察され、そして結晶化が反応の約1時間後に観察された。テトラヒドロフラン40gを添加し、反応を更に2時間続行し、しかしてHPLC分析により99.4%のDMAPMAが転化されたことが示された。固体を濾別しそしてTHFで3回洗浄し、そして次いで真空中で一晩乾燥して、MMDMAC58.5g(HPLCによる>99%の純度でもって100%収率)が得られた。MEDMACは、メタノール中で室温にて一晩でほぼ定量的にDMAPMと反応することが分かった。代替的に、純粋なMMDMACをメチルクロロアセテートから、等モルの該クロロアセテートでもって同じ手順に従うことにより製造した。
この例は、ワンポット法におけるモルフィン複素環官能基を有するモノマーの製造を実例で示す。DMAPMA17.03g、メチルクロロアセテート10.85g、エタノール27.8gを、すべてのDMAPMAが転化されるまで、空気パージ下で65℃にて5時間加熱した。次いで、アミノプロピルモルフィン14.42g及びMEHQ0.050gを添加し、そして加熱及びパージを3時間続行した。次いで、メタノールをストリッピング除去しそして水を添加して、生成物の水溶液がもたらされた。代替的に、等モル量のアミノエチルピペラジンをアミノプロピルモルフィンの代わりに用いて、ピペラジン官能基化モノマーが得られた。ただ一つのピークがHPLC分析から観察され、しかして6員環上の第2級アミンよりむしろ第1級アミンが反応されたことが指摘された。クァト−188での更なる四級化及び中和により、テトラクァトがもたらされた。
機械撹拌機、凝縮器、ガス導入口及び温度計を備えた反応器に、実施例#1において製造されたような水中50%活性物質におけるトリクァトモノマー200g及び脱イオン水300gを添加した。この内容物を、窒素パージ下で70℃に加熱した。撹拌及びパージを、反応中ずっと維持した。温度が70℃に達しそして1時間渦動した後、ワコ(Wako)V−50を0.05g添加した。粘度が、30分後に上昇し始めた。2時間後、ワコ(Wako)V−50の更なる分量0.05gを添加し、このバッチを70℃に更に1時間保った。重合を70℃にて更に3時間続行し、しかも1時間ごとに、脱イオン水1ml中の過硫酸ナトリウム0.10g及び脱イオン水1ml中のメタ重亜硫酸ナトリウム0.20gを添加した。そのようにして得られた生成物は、25℃における1070cpのブルックフィールド粘度、21.2%の固形分、6.01のpH及び500ppm未満の残留トリクァトを有していた。PVSKで滴定して4.8meq/gのカチオン電荷密度。
実施例#4についてと同じ装填及び手順に従ったが、但し反応を75℃にて行い、そして開始剤の1回目及び2回目の注入がそれぞれ脱イオン水1ml中の過硫酸ナトリウム0.10g及び脱イオン水1ml中のメタ重亜硫酸ナトリウム0.20gであった。生成物は、21.7%の固形分含有率、6.21のpH、210cpの粘度及び4.84meq/gの電荷密度を有していた。
機械撹拌機、凝縮器、ガス導入口及び温度計を備えた反応器に、水中54.8%活性物質におけるトリクァトモノマー269.76g、50%アクリルアミド(AM)4.35g、脱イオン水225.9gを添加した。この内容物を、窒素パージ下で75℃に加熱した。パージ及び混合を、反応中ずっと維持した。1時間パージしそして温度が75℃に達した後、水2ml中の過硫酸ナトリウム0.11gを添加した。この内容物を75℃に2時間保持し、そして1時間ごとの終わりに水2ml中の過硫酸ナトリウム0.10gを反応物に添加して更に2時間続行した。温度は過硫酸塩の3回目の添加後に85〜90℃に増加し、そしてこの温度に2時間保った。この内容物を65℃に冷却した後、水2ml中のメタ重亜硫酸ナトリウム0.2gを添加した。この反応物を、65℃に1時間保った。次いで、アクリルアミド及びトリクァトの残留モノマーを、HPLC分析により検査した。最後の工程を、残留モノマーが受容レベルに達するまで繰り返した。そのようにして得られたポリマーは、透明であり、1260cpの粘度、30.2%の固形分、5.48のpH、76ppmのアクリルアミド及び検出され得ないトリクァトを有していた。
これらの例において、トリクァト及びアクリルアミドの量を、表1に示されたように変動した。実施例6に記載された手順に従って反応を行ったが、但し表1に示された開始剤の1回目の注入及び/又は温度を用いた。
[実施形態1]
次式
− R1は、水素原子、メチル基又はエチル基であり、
− Aは、同一又は異なりそして式−A1−C(O)−O−A2−のエステル基又は式−A1−C(O)−NR10−A2−のアミド基
(ここで、
− R10は、同一又は異なりそして水素又はアルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアミノアルキルC1〜C6線状若しくは分枝状基であり、
− A1は、同一又は異なりそして共有結合又は式−(CH2)p1−(ここで、p1は1から6の整数好ましくは1である)の基であり、
− A2は、同一又は異なりそして線状又は分枝状炭化水素基であり、しかもこの炭化水素基は、N、O又はSのヘテロ原子又はヘテロ基を随意に含み、随意に置換され、複素環のような環を随意に形成し又は含み、そしてA2は好ましくは式−(CH2)p2−(ここで、p2は1から6の整数である)の基である)
を含む基であり、
− R1、R2、R3、R5及びR6は、同一又は異なりそして水素、アルキル、ヒドロキシアルキル又はアミノアルキルC1〜C6線状又は分枝状基であり、あるいは角括弧内にある場合基A2と複素環を形成し、
− mは、1から10好ましくは1から2の整数であり、
− nは、1から6好ましくは2又は4の整数であり、
− Zは、−O−、−C(O)O−又は−C(O)NH−であり、
− Bは、線状又は分枝状C2〜C12ポリメチレン鎖好ましくはC3〜C6のものであり、しかもこのポリメチレン鎖は、O又はNHのようなヘテロ原子又はヘテロ基を随意に含み及び1個又は数個のヒドロキシ又はアミノ基で随意に置換され、そして
− X-は、同一又は異なりそして対イオンである〕
を有するところの、数個のカチオン基を含むモノマー化合物。
[実施形態2]
次式(I′)
− R1′は、H又はCH3であり、
− n′は、1から6の整数であり、好ましくは3に等しく、
− Yは、同一又は異なりそして式−O−又は−NR10−(ここで、R10は水素又はアルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアミノアルキルC1〜C6線状若しくは分枝状基である)の基であり、
− m′は、同一又は異なりそして1から6の整数であり、好ましくは1に等しく、
− Rは、同一又は異なりそして式−(CH2)p2−(ここで、p2は1から6の整数であり、好ましくは3に等しい)の基又は式−CH2−CH2−N(CH2−CH2−)(CH2−CH2−)の基であり、
− s′は、1から10の整数であり、
− Bは、線状又は分枝状C2〜C12ポリメチレン鎖好ましくはC3〜C6のものであり、しかもこのポリメチレン鎖は、−O−又は−NH−のようなヘテロ原子又はヘテロ基を随意に含み及び1個又は数個のヒドロキシ又はアミノ基で随意に置換され、好ましくは式
− R2′、R3′、R4′、R5′、R6′は、同一又は異なりそしてアルキル基好ましくはメチル又はエチル基であり、
− Tは、線状若しくは分枝状炭化水素基であってしかもN、O若しくはSのヘテロ原子若しくはヘテロ基を随意に含み、随意に置換され、環を随意に形成する若しくは含む炭化水素基たとえばアルキル基のような、アンモニウム基とは異なる末端有機基、又は好ましくは式−N+R7′R8′R9′X-(ここで、R7′、R8′、R9′は同一又は異なりそしてアルキル基好ましくはメチル又はエチル基である)のアンモニウム基であり、そして
− X-は、同一又は異なりそして対イオンである〕
を有するところの、数個のカチオン基を含むモノマー化合物。
[実施形態3]
次式(II′)
− R1′は、H又はCH3であり、
− n′は、1から6の整数であり、好ましくは3に等しく、
− m′は、同一又は異なりそして1から6の整数であり、好ましくは1に等しく、
− qは、1から4の整数であり、好ましくは1に等しく、
− Rは、同一又は異なりそして式−(CH2)p2(ここで、p2は1から6の整数であり、好ましくは3に等しい)の基であり、
− s′は、1から10の整数であり、好ましくは1に等しく、そして
− R2′、R3′、R4′、R5′、R6′、R7′、R8′、R9′は、メチル基であり、そして
− X-は、同一又は異なりそしてハロゲン、又は、スルホン酸、硫酸、硫酸水素、リン酸、ホスホン酸、クエン酸、ギ酸若しくは酢酸アニオン(式Cl-、Br-、I-又はCH3OSO3 -のアニオンのような)である〕
を有する、実施形態2に記載のモノマー化合物。
[実施形態4]
次式
を有するところの、数個のカチオン性単位を含むモノマー化合物。
[実施形態5]
次式(I″)
− R1′は、H又はCH3であり、
− n′は、1から6の整数であり、好ましくは3に等しく、
− Yは、同一又は異なりそして式−O−又は−NR10−(ここで、R10は水素又はアルキル、ヒドロキシアルキル若しくはアミノアルキルC1〜C6線状若しくは分枝状基である)の基であり、
− m′は、同一又は異なりそして1から6の整数であり、好ましくは1に等しく、
− Rは、同一又は異なりそして式−(CH2)p2−(ここで、p2は1から6の整数であり、好ましくは3に等しい)の基又は式−CH2−CH2−N(CH2−CH2−)(CH2−CH2−)の基であり、
− s′は、1から10の整数であり、好ましくは3に等しく、
− R2′、R3′、R4′、R5′、R6′は、同一又は異なりそしてアルキル基好ましくはメチル又はエチル基であり、
− X-は、同一又は異なりそして対イオンであり、そして
− R7″は、線状又は分枝状炭化水素基であってしかもN、O又はSのヘテロ原子又はヘテロ基を随意に含み、随意に置換され、環を随意に形成する又は含む炭化水素基たとえばアルキル基のような、アンモニウムとは異なる末端有機基である〕
を有するところの、数個のカチオン基を含むモノマー化合物。
[実施形態6]
実施形態1に記載のモノマー化合物に由来する反復単位を含むポリマー。
[実施形態7]
ランダム、ブロック、星形又はグラフトコポリマーである、実施形態6に記載のポリマー。
[実施形態8]
ポリマーが、
− 実施形態1から4のいずれか一項に記載のモノマーに由来するポリカチオン性単位C、
− 中性単位N、好ましくはエチレン不飽和モノマーに由来するもの、及び
− 随意に、アニオン基又は潜在的にアニオンの基を含む単位(単位Bと称される)、これらの単位は好ましくはエチレン不飽和モノマーに由来する
を含むランダムコポリマーである、実施形態6に記載のポリマー。
[実施形態9]
ポリカチオン性単位が、2、3又は4個のアンモニウム基を含む、実施形態7に記載のポリマー。
[実施形態10]
次式
−[C]z−[N]x−
〔ここで、
− C単位は、N,N,N,N′,N′,N″,N″−ヘプタメチル−N″−3−(1−オキソ−2−メチル−2−プロペニル)アミノプロピル−9−オキソ−8−アゾ−デカン−1,4,10−トリアンモニウムトリクロライドに由来し、
− N単位は、2−ヒドロキシエチルアクリレートに由来し、
− xは、1より大きい整数であり、そして
− zは、1より大きい整数である〕
を有する、実施形態8に記載のポリマー。
Claims (4)
- 式−[C] z −[N] x −の構造を含むポリマーであって、
この式中、C単位は、
次式(II′)
− R1′は、CH 3 であり、
− n′は、3であり、
− m′は、1であり、
− qは、1であり、
− Rは、式−(CH2)p2(ここで、p2は3である)の基であり、
− s′は、1であり、そして
− R2′、R3′、R4′、R5′、R6′、R7′、R8′、R9′は、メチル基であり、そして
− X-は、塩化物アニオンであり、
− xは、1より大きい整数であり、そして
− zは、1より大きい整数であり、]を有する化学構造に由来するポリカチオン性単位であり、
また、
−中性単位Nが、ビニルアセテート、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、及びそれらの混合物、からなる群から選択されたモノマーに由来する、ポリマー。 - ランダム、ブロック、星形又はグラフトコポリマーである、請求項1に記載のポリマー。
- ポリマーが、ランダムコポリマーである、請求項1に記載のポリマー。
- さらに、
− アクリル酸、メタクリル酸、
− ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、
− ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、
− アルファ−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、アルファ−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、
− 2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩、
− アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩、
− スチレンスルホネート(SS)、
− α−エタクリル酸、β,β−ジメチルアクリル酸、メチレンマロン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、エチリジン酢酸、プロピリジン酢酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、N−(メタクロイル)アラニン、N−(アクリロイル)ヒドロキシグリシン、スルホプロピルアクリレート、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、ホスホエチルアクリレート、ホスホノエチルアクリレート、ホスホプロピルアクリレート、ホスホノプロピルアクリレート、ホスホエチルメタクリレート、ホスホノエチルメタクリレート、ホスホプロピルメタクリレート、ホスホノプロピルメタクリレート、並びにそれらのアルカリ金属及びアンモニウム塩及びそれらの混合物からなる群から選択されたモノマーに由来するアニオン単位を含む、請求項1に記載のポリマー。
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