JP5683778B2 - 無鉛無ビスマスガラス組成物 - Google Patents

無鉛無ビスマスガラス組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5683778B2
JP5683778B2 JP2008249576A JP2008249576A JP5683778B2 JP 5683778 B2 JP5683778 B2 JP 5683778B2 JP 2008249576 A JP2008249576 A JP 2008249576A JP 2008249576 A JP2008249576 A JP 2008249576A JP 5683778 B2 JP5683778 B2 JP 5683778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
glass composition
glass
weight
free
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008249576A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010076993A (ja
Inventor
三紗子 桝井
三紗子 桝井
寿文 山元
寿文 山元
一郎 内山
一郎 内山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Yamamura Glass Co Ltd
Original Assignee
Nihon Yamamura Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Yamamura Glass Co Ltd filed Critical Nihon Yamamura Glass Co Ltd
Priority to JP2008249576A priority Critical patent/JP5683778B2/ja
Publication of JP2010076993A publication Critical patent/JP2010076993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5683778B2 publication Critical patent/JP5683778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Description

本発明は、新規な無鉛無ビスマスガラス組成物に関する。
従来、熱膨張係数の低い材料の被覆、接着又は接合(以下両者を「接着」と総称する。)、封止、焼結助剤等のために用いられる材料としては、鉛系ガラス粉末、シリカボレート系ガラス粉末等が広く利用されてきた。しかし、鉛系ガラスは鉛の有害性が問題視されはじめており、これに代わる材料が求められている。一方、シリカボレート系ガラスは高温での熱処理が必要である。特に、750℃を上回る高温での熱処理は被処理材料を傷めるおそれがあるため、熱処理温度は700℃以下とすることが望ましく、それゆえに用いるガラスの軟化点は650℃以下とすることが望ましい。また、被覆、接着、封止、焼結助剤等のための材料として用いるためには700℃以下の焼成温度で十分なフロー性を有する必要がある。Bi系ガラスは低軟化点でフロー性も良好であるものの、熱膨張係数が高いことの加え、Biの埋蔵量の低さから価格も高いという問題がある。このため、鉛やビスマスを含まなくとも、低膨張材料の被覆、接着、封止、焼結助剤等に適し、なおかつ、低軟化点でフロー性の良好なガラス材料の開発が切望されている。
このような要求に応えることができるガラスとして低融化も可能なZnO−B系ガラスが注目されている。しかし、ZnO−B系ガラスは、通常鉛系ガラスに比べて耐薬品性が低いため、メッキ工程、エッチング工程、酸又はアルカリを用いる洗浄工程等に適しておらず、実用上使い勝手が悪いという欠点がある。例えば、特許文献1、特許文献2等では、低膨張係数のZnO−Bガラスが提案されている。ところが、特許文献1では、1000℃前後の熱処理を要することから被封着材料を傷めるおそれがあり、またその耐薬品性については言及されていない。また、特許文献2では、結晶化することによってガラスを低膨張化できることが記載されているが、同様にその耐薬品性の問題については言及されていない。
また、特許文献3、特許文献4等では、低融点のガラス組成物が開示されているが、特許文献3ではRO(アルカリ金属酸化物)成分とRO成分(アルカリ土類金属酸化物)、特許文献4ではRO成分(アルカリ金属酸化物)を多く含むため、いずれも熱膨張係数が高い。このため、低熱膨張係数材料の被覆、接着、封止、焼結助剤等の用途には適していない。また、特許文献4で紹介されているガラスは、炭酸ソーダ水溶液中への浸漬でガラスが変色している場合は耐薬品性良好と評価しているが、本発明者の検討によれば特許文献2〜4に開示されているガラスは耐薬品性がいまだ十分なものとは言えず、その点においてさらに改善する必要性がある。
また、特許文献5〜7で提案されているガラスはRO成分を多く含むため、熱膨張係数が高くなりすぎ、低熱膨張係数材料の被覆、接着、封止、焼結助剤等に用いるには不適である。特許文献8で提案されているようなP系ガラスもまた低融化が可能であるが、耐薬品性に乏しいという問題点がある。
米国特許第4163656号 特開平11−79786号 特開2003−48750号 特開2005−320227号 特開2002−326839号 特開2005−53770号 特開205−219942号 国際公開WO2001/90012
従って、本発明の主な目的は、鉛及びビスマスを含有しない組成を有し、比較的低い熱膨張係数及び軟化点を有するとともに耐薬品性にも優れたガラス組成物を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するガラス組成物が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の無鉛無ビスマスガラス組成物に係る。
1. 無鉛無ビスマスガラス組成物であって、
(1)a)SiO:0.1重量%以上5重量%以下、b)B:36重量%以上60重量%以下、c)ZnO:30重量%以上60重量%以下、d)LiO、NaO及びKOの少なくとも1種:総和で0.1重量%以上5重量%以下、e)Al:0.1重量%以上3重量%未満を含有し、f)MgO、CaO、SrO及びBaOの少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物を4重量%以下の範囲内でさらに含有し、
(2)前記ZnO/Bの比が0.5〜(60/36)であり、
(3)50〜350℃における熱膨張係数が65×10−7/℃以下であり、
50〜350℃における熱膨張係数が65×10−7/℃以下である低熱膨張係数材料の被覆、接着、封止又は焼結助剤の少なくともいずれかに用いる、無鉛無ビスマスガラス組成物。
2. Cr、SnO、SnO及びフッ素を実質的に含まない、前記項1に記載の無鉛無ビスマスガラス組成物。
3. ZrOを5重量%以下の範囲内でさらに含有する、前記項1に記載の無鉛無ビスマスガラス組成物。
4. TiOを5重量%以下の範囲内でさらに含有する、前記項1に記載の無鉛無ビスマスガラス組成物。
5. Pを10重量%未満の範囲内でさらに含有する、前記項1に記載の無鉛無ビスマスガラス組成物。
本発明ガラス組成物は、鉛及びビスマスを含有しない組成でありながらも、組成物としての熱膨張係数が65×10−7/℃以下に制御されていることから、特に熱膨張係数が比較的低い材料の被覆、接着、封止又は焼結助剤のための材料として好適に用いることができる。また、本発明ガラス組成物では、軟化点が650℃以下(例えば550〜650℃)におさえることができるので、前記のような被覆、接着、封止又は焼結助剤としての使用が700℃以下で実現できるため、被処理材料を傷める事態も回避することができる。
同時に、本発明ガラス組成物は、フロー性が良好である一方で適度な結晶性をも有することから、優れた耐薬品性を発揮することができる。このため、本発明ガラス組成物は、プロセス上のさまざまな制約を受けることなく、種々の使用条件下で幅広く用いることができる。
本発明の無鉛無ビスマスガラス組成物は、(1)a)SiO:0.1重量%以上5重量%以下、b)B:26重量%以上60重量%以下、c)ZnO:30重量%以上60重量%以下、d)LiO、NaO及びKOの少なくとも1種:総和で0.1重量%以上5重量%以下、e)Al:0.1重量%以上3重量%未満を含有し、
(2)前記ZnO/Bの比が0.5〜2であり、
(3)50〜350℃における熱膨張係数が65×10−7/℃以下である、
ことを特徴とする。
本発明ガラス組成物は無鉛無ビスマスガラス組成物であり、鉛(Pb)成分及びビスマス(Bi)成分は含まれない。従って、本発明ガラス組成物は、例えばPbO等も含有していない。
SiO成分は、ガラスの骨格となる成分であり、ガラスの安定化、フロー性改善による接着強度向上等の役割をもつ。本発明ガラス組成物中におけるSiO成分の含有量は、通常0.1重量%以上5重量%以下とし、好ましくは0.1重量%以上4.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以上4.1重量%以下とする。SiO成分が5重量%を上回る場合は、ガラスの軟化点が650℃を上回る等の問題が生じる。また、SiO成分が0.1重量%未満の場合は、上記役割が果たせなくなる。
成分は、ガラスの骨格となる成分である。本発明ガラス組成物中におけるB成分の含有量は、通常26重量%以上60重量%以下とし、好ましくは33重量%以上58重量%以下、より好ましくは36重量%以上58重量%以下、最も好ましくは36重量%以上50重量%以下とする。B成分が60重量%を超える場合は、ガラスの耐薬品性が低下する。また、B成分が26重量%を下回る場合は、軟化点が650℃を上回る。
ZnO成分は、ガラスの修飾成分である。本発明ガラス組成物中におけるZnO成分の含有量は、通常30重量%以上60重量%以下とし、好ましくは34重量%以上59重量%以下とする。ZnO成分が60重量%を超える場合は、ガラスが失透しやすくなる。また、ZnO成分が30重量%を下回る場合は、耐薬品性が低下する。
本発明ガラス組成物におけるZnO/Bの比は、通常は0.5〜2の範囲とし、好ましくは0.7〜1.7の範囲とする。この範囲内に設定することによって、ガラスを適度に結晶化させることができ、これにより優れた耐薬品性を得ることができる。上記比が2を上回る場合は、結晶化傾向が強くなりすぎ、フロー性が損なわれてガラスが失透しやすくなる。また、上記比が0.5未満の場合は、ガラスの耐薬品性が低下する。
LiO、NaO及びKOの少なくとも1種(以下、これら3種を「アルカリ金属酸化物」と総称する。)は、軟化点を低下させる役割を有する。本発明ガラス組成物におけるアルカリ金属酸化物の含有量は、その総和で0.1重量%以上5重量%以下とし、好ましくは0.2重量%以上4.5重量%以下とし、より好ましくは0.2重量%以上3重量%未満とし、最も好ましくは0.2重量%以上2.8重量%以下とする。アルカリ金属酸化物の含有量が0.1重量%未満の場合は、ガラスの軟化点が650℃を超える。また、5重量%を超える場合は、ガラスの熱膨張係数が65×10−7/℃を超えるほか、耐薬品性も乏しくなる。
Al成分は、ガラスの失透を抑制ないしは防止する役割を担う。本発明ガラス組成物中におけるAl成分の含有量は、通常0.1重量%以上3重量%未満とし、好ましくは0.2重量%以上2重量%以下とする。Al成分が3重量%以上となる場合は、ガラスの軟化点が650℃を上回る。また、Al成分が0.1重量%を下回る場合は、上記の役割を果たせなくなる。
本発明ガラス組成物では、前記の必須成分のほか、下記の成分が含有される又は含有されないことが望ましい。
本発明ガラス組成物では、ガラスの耐薬品性等をより高めるためにZrO成分を含有させることできる。本発明ガラス組成物中におけるZrOの含有量は限定的でないが、通常は5重量%以下の範囲内で適宜設定することができる。この範囲内で設定することによって、ガラスの失透を抑えつつ、耐薬品性をより高めることが可能となる。なお、ZrOの含有量の下限値は制限されないが、通常は0.1重量%程度とすれば良い。
同様に、本発明ガラス組成物では、ガラスの耐薬品性等をより高めるためにTiO成分を含有させることできる。本発明ガラス組成物中におけるTiOの含有量は限定的でないが、通常は5重量%以下の範囲内で適宜設定することができる。この範囲内で設定することによって、ガラスの失透を抑えつつ、耐薬品性をより高めることが可能となる。なお、TiOの含有量の下限値は制限されないが、通常は0.1重量%程度とすれば良い。
また、本発明ガラス組成物では、ガラスの修飾成分としてガラスをより安定化させること等を目的としてMgO、CaO、SrO及びBaOの少なくとも1種(以下、これら4種を「アルカリ土類金属酸化物」と総称する。)を含有させることもできる。本発明ガラス組成物中におけるアルカリ土類金属酸化物の含有量は限定的でないが、通常は7重量%以下の範囲内で適宜設定することができる。この範囲内で設定することによって、所望の熱膨張係数を維持しながらガラスの安定性をいっそう高めることができる。なお、アルカリ土類金属酸化物の含有量の下限値は制限されないが、通常は0.1重量%程度とすれば良い。
本発明ガラス組成物では、ガラスをより安定化させ、失透をより効果的に抑制ないしは防止することを目的としてPを含有させることができる。本発明ガラス組成物中におけるPの含有量は限定的でないが、通常は10重量%未満の範囲内で適宜設定することができる。この範囲内で設定することによって、ガラスの安定性をよりいっそう高めるとともに、効果的に失透の抑制又は防止を図ることができる。なお、Pの含有量の下限値は制限されないが、通常は0.1重量%程度とすれば良い。
その他、本発明ガラス組成物では、その効果を妨げない限りは、例えばCeO、CuO、Fe、MnO、CoO等の1種又は2種以上を含有させることができる。その場合の含有量は、各成分2重量%未満の範囲内とすることが好ましい。
一方、本発明ガラス組成物では、Cr、SnO、SnO及びフッ素を実質的に含まないことが望ましい。Crは、人体又は環境に悪影響を及ぼすおそれのある有害物質である。また、SnO、SnO及びフッ素は、結晶性が高い本発明ガラス組成物を溶融冷却時に失透させる原因となる物質である。
本発明ガラス組成物は、これらの成分(原料化合物)を上記所定の割合で含有するものである。具体的な組成は、当該ガラス組成物の使用目的、用途等に応じて適宜調合することができる。例えば、耐薬品性に優れたガラス組成物を調製する場合は、(1)a)SiO:3重量%以上5重量%以下、b)B:47重量%以上49重量%以下、c)ZnO:36重量%以上39重量%以下、d)LiO:2重量%以上4重量%以下、e)Al:0.5重量%以上2重量%以下、f)TiO:0.5重量%以上2重量%以下、g)BaO:3重量%以上5重量%以下を含有する組成、又は(2)a)SiO:3重量%以上5重量%以下、b)B:37重量%以上39重量%以下、c)ZnO:51重量%以上53重量%以下、d)LiO:1.5重量%以上3.5重量%以下、e)Al:0.5重量%以上2.5重量%以下、f)ZrO:1重量%以上3重量%以下を含有する組成等を好適に採用することができる。
本発明ガラス組成物の物性として、50〜350℃における熱膨張係数が通常は65×10−7/℃以下であり、好ましくは60×10−7/℃以下である。また、本発明ガラス組成物の軟化点は、通常は650℃以下であり、好ましくは630℃以下、より好ましくは550〜630℃である。このような物性をもつ本発明ガラス組成物は、とりわけ低熱膨張係数材料の被覆、接着、封止又は焼結助剤のための材料として好適に用いることができる。
本発明ガラス組成物の製造方法としては、前記のような原料化合物を所定の割合で含有する混合物を出発原料として用い、これを溶融することにより本発明ガラス組成物を得ることができる。例えば、1)原料化合物を混合することにより混合物を得る第1工程、2)得られた混合物を溶融することにより溶融物を得る第2工程、3)前記溶融物を冷却する第3工程を含む製造方法によって本発明ガラス組成物を得ることができる。
第1工程では、原料化合物を公知の混合装置(ミキサー、ボールミル等)を用いて均一に混合すれば良い。この場合、各原料化合物の混合順序等は特に制限されず、同時に配合しても良いし、所定の化合物から順番に配合しても良い。
第2工程では、第1工程で得られた混合物を加熱により溶融する。加熱温度は限定的でなはないが、一般的には1200〜1300℃の範囲内とすれば良い。加熱雰囲気は、大気中又は酸化性雰囲気中とすれば良い。
第3工程では、溶融物を冷却するものであるが、予め所定の形状に成形してから冷却しても良いし、溶融物を水冷ロール等に接触させることにより成形と冷却を同時に実施しても良い。冷却速度は、特に制限されないが、通常は500℃/秒以上の急冷条件下にて冷却することが望ましい。なお、予め所定の形状に成形する場合は、例えば所定の形状を有する型に溶融物を充填してバルク体を形成した後、冷却すれば良い。この場合、前記バルク体は、そのまま使用しても良いが、公知の方法により粉砕、分級等を実施しても良い。
本発明ガラス組成物を粉末状とする場合、その平均粒子径はその使用目的、用途等に応じて適宜設定することができるが、一般的には0.6〜20μm程度の範囲内とすれば良い。この粒子径の調整は、分級、粉砕等の公知の方法に従って行えば良い。
本発明ガラス組成物は、特に熱膨張係数が比較的低い材料(50〜350℃における熱膨張係数が65×10−7/℃以下の低熱膨張係数材料)の被覆、接着、封止又は焼結助剤のための材料として有用である。前記低熱膨張係数材料としては、例えば1)CBN、AlN等のセラミックス(酸化物系セラミックス又は非酸化物系セラミックス)、2)シリコン、窒化ガリウム、炭化ケイ素等の半導体、3)ダイヤモンド、石英ガラス等の硬質材料等が挙げられる。特に、本発明ガラス組成物は、セラミックスの被覆、接着、封止又は焼結助剤として特に有用である。例えば、セラミックス同士の接着に好適に用いることができる。
これらの用途への適用方法自体は、公知のガラス組成物を用いる場合と同様にして実施することができる。例えば、本発明ガラス組成物を用いて材料の接着を行う場合は、被接着材料どうしの間に本発明ガラス組成物を充填した後、溶融させることにより好適に接着体(接合体)を得ることができる。ただし、上記のような低熱膨張係数材料の被覆、接着、封止又は焼結助剤のための材料として用いる場合において、クラック等の欠陥の発生をより効果的に防止するために、本発明ガラス組成物に低熱膨張フィラーを添加することにより熱膨張係数を50×10−7/℃以下まで下げることができる。前記の低熱膨張フィラーとしては、例えばコージェライト、ジルコン、リン酸ジルコニウム等の1種又は2種以上を用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
<実施例1〜17及び比較例1〜9>
表1〜表3に示す組成を有するガラス組成物をそれぞれ調製した。各表に示す組成(単位:重量%)となるようにガラス原料化合物を調合及び混合し、白金ルツボで1200〜1300℃にて1時間溶融したガラスを型に流してバルク体を作製し、その溶融ガラスを急冷することによりガラスフレークを得た。次いで、ポットミルでガラスフレークを粉砕し、平均粒子径約5μmの粉末状ガラス組成物を得た。
得られたガラス組成物について、1)熱膨張係数、2)軟化点、3)結晶化の有無、4)耐薬品性及び5)フロー性を調べた。その結果を表1〜表3に示す。なお、これら1)〜5)の物性の測定方法は以下の通りである。
1)熱膨張係数
前記のバルク体を5mm×5mm×15mmに切り出し、試験片を作製した。TMA測定装置を用いて50〜350℃の温度範囲における熱膨張係数を測定した。
2)軟化点
DTA測定装置を用いて変曲点から上記の方法で得られた粉末状ガラス組成物の軟化点を求めた。
3)結晶化の有無
粉末状ガラス組成物を700℃で焼成したものを粉砕して得られた粉末をX線回折装置により分析し、結晶性のピークが観察されたものについては「結晶化有り(○)」と表記した。
4)耐薬品性
得られた粉末状ガラス組成物を成形したものを焼成して得られたバルク体を5mm×5mm×15mmに切り出し、試験片を作製した。この試験片を40℃の1%NaOH水溶液中に1時間浸漬した場合の重量減少率を測定した。重量減少率が1%未満のものを耐薬品性良好「○」と表記し、重量減少率が0.2%未満のものを耐薬品性が非常に良好「◎」と表記した。
5)フロー性
得られた粉末状ガラス組成物8gに8MPaの圧力を加え、直径30mmの円柱状に成形して得られた成形体を所定の温度で焼成して焼成体を作製した。焼成体の直径Dと高さtの比(D/t)が成形体の直径Dと高さtの比(D/t)の値以下であるものをフロー性不良「×」と表記し、焼成体の直径Dと高さtの比(D/t)が成形体の直径Dと高さtの比(D/t)の値を超えるものをフロー性良好「○」と表記した。
表1〜表3の結果からも明らかなように、実施例のガラス組成物は、50〜350℃における熱膨張係数が65×10−7/℃以下であり、また軟化点が560〜650℃の範囲内にあることがわかる。また、実施例のガラス組成物は、良好なフロー性を維持しつつも適度な結晶性を有する結果、耐薬品性に優れていることがわかる。特に、実施例16及び実施例17のガラス組成物は、重量減少率が0.2%未満というきわめて優れた耐薬品性を発揮できることがわかる。
<実施例18〜20>
実施例14のガラス組成物を用い、これに表4に示す低熱膨張フィラーを配合してなる組成物(ガラス組成物:低熱膨張フィラー=85重量%:15重量%)について、前記と同様に熱膨張係数及び軟化点を調べた。その結果を表4に示す。
表4の結果からも明らかなように、本発明ガラス組成物に低熱膨張フィラーを配合することによって熱膨張係数をさらに下げることができる。

Claims (5)

  1. 無鉛無ビスマスガラス組成物であって、
    (1)a)SiO:0.1重量%以上5重量%以下、b)B:36重量%以上60重量%以下、c)ZnO:30重量%以上60重量%以下、d)LiO、NaO及びKOの少なくとも1種:総和で0.1重量%以上5重量%以下、e)Al:0.1重量%以上3重量%未満を含有し、f)MgO、CaO、SrO及びBaOの少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物を4重量%以下の範囲内でさらに含有し、
    (2)前記ZnO/Bの比が0.5〜(60/36)であり、
    (3)50〜350℃における熱膨張係数が65×10−7/℃以下であり、
    50〜350℃における熱膨張係数が65×10−7/℃以下である低熱膨張係数材料の被覆、接着、封止又は焼結助剤の少なくともいずれかに用いる、無鉛無ビスマスガラス組成物。
  2. Cr、SnO、SnO及びフッ素を実質的に含まない、請求項1に記載の無鉛無ビスマスガラス組成物。
  3. ZrOを5重量%以下の範囲内でさらに含有する、請求項1に記載の無鉛無ビスマスガラス組成物。
  4. TiOを5重量%以下の範囲内でさらに含有する、請求項1に記載の無鉛無ビスマスガラス組成物。
  5. を10重量%未満の範囲内でさらに含有する、請求項1に記載の無鉛無ビスマスガラス組成物。
JP2008249576A 2008-09-29 2008-09-29 無鉛無ビスマスガラス組成物 Active JP5683778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008249576A JP5683778B2 (ja) 2008-09-29 2008-09-29 無鉛無ビスマスガラス組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008249576A JP5683778B2 (ja) 2008-09-29 2008-09-29 無鉛無ビスマスガラス組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010076993A JP2010076993A (ja) 2010-04-08
JP5683778B2 true JP5683778B2 (ja) 2015-03-11

Family

ID=42207871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008249576A Active JP5683778B2 (ja) 2008-09-29 2008-09-29 無鉛無ビスマスガラス組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5683778B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20120025950A (ko) 2010-09-08 2012-03-16 주식회사 동진쎄미켐 ZnO계 글래스 프릿 조성물 및 이를 이용한 태양전지의 후면 전극용 알루미늄 페이스트 조성물
CN103748667B (zh) * 2011-08-29 2016-09-14 新电元工业株式会社 半导体接合保护用玻璃复合物、半导体装置的制造方法及半导体装置
CN103387340B (zh) * 2013-07-24 2016-02-10 宁波广博纳米新材料股份有限公司 用于太阳能电池铝浆的无铅玻璃粉及其制备方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3219941B2 (ja) * 1994-08-26 2001-10-15 ホーヤ株式会社 光学ガラス
JPH10231131A (ja) * 1996-12-19 1998-09-02 Hoya Corp モールド成形用成形予備体およびモールド成形品
JP2006342018A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Nihon Yamamura Glass Co Ltd リン酸亜鉛系無鉛ガラス組成物
JP2008100896A (ja) * 2006-09-20 2008-05-01 Asahi Glass Co Ltd 隔壁形成用無鉛ガラス及びプラズマディスプレイパネル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010076993A (ja) 2010-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4136346B2 (ja) 封着用組成物
JP6328566B2 (ja) 封着用ガラス組成物
KR101125169B1 (ko) 봉착용 조성물
JP5033339B2 (ja) ガラス組成物
CN110078371B (zh) 耐水性优异的低熔点玻璃组合物
JP2007332018A (ja) ビスマス系封着材料およびビスマス系ペースト材料
WO2007029425A1 (ja) 無鉛ガラス組成物
JP5683778B2 (ja) 無鉛無ビスマスガラス組成物
WO2015029792A1 (ja) 無鉛ガラス及び封着材料
JP4874492B2 (ja) ガラス組成物及び該組成物を含むガラス形成材料
JPWO2016108272A1 (ja) 低温封着材料
JP2008308393A (ja) 無鉛低軟化点ガラス、無鉛低軟化点ガラス組成物、無鉛低軟化点ガラスペースト、および蛍光表示管
JP2009062263A (ja) 封着材料およびその製造方法
JP2022155512A (ja) 封着用組成物
JP2005035840A (ja) 封着材料
CN113716874B (zh) 玻璃材料、玻璃粉、玻璃粉的制备方法及其应用
TWI751146B (zh) 陶瓷粉末的製造方法
JP2019031403A (ja) 封着材料
JP7216323B2 (ja) 半導体素子被覆用ガラス及びこれを用いた半導体被覆用材料
TW202132233A (zh) 低熱膨脹性密封、被覆用玻璃
JPWO2009119433A1 (ja) 無鉛ガラス及び無鉛ガラスセラミックス用組成物
JP5947758B2 (ja) 高耐熱性ガラス接合材
JP5868818B2 (ja) リン酸塩系ガラス接合材
JPWO2012133217A1 (ja) 封着用ガラス組成物及び封着材
JP2024091551A (ja) 封着材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5683778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250