図1は、本発明の一実施形態である表示装置1の外観を模式的に示す図である。図2は、表示装置1の構成を示すブロック図である。表示装置1は、表示部2と、入力部である透明なタッチパネル3と、表示制御部6および入力制御部7を含む制御部5と、記憶部8と、演算部9とを含んで構成される。表示装置1は、タッチパネル3に対する入力操作により文字を手書き入力することによって、この手書き入力の座標データに基づく軌跡が表示部2に表示される装置である。
表示部2は、たとえば液晶ディスプレイによって構成され、表示面を有する。表示部2は、後述する表示制御部6から受け取る情報を表示面に表示する。
タッチパネル3は、X軸およびY軸を座標軸とする直交座標が設定された入力面を有し、表示部2の表示面上に積層されて、表示部2と一体的に形成されている。表示部2の表示面は、タッチパネル3の入力面と対向し、入力面と同様の直交座標が設定される。本実施形態では、表示部2の表示面およびタッチパネル3の入力面に設定される直交座標は、表示面および入力面に向かって左上の頂点を原点とし、右方向をX軸の正方向、下方向をY軸の正方向とするXY直交座標である。
制御部5は、表示制御部6と入力制御部7とを含んで構成される。入力制御部7は、タッチパネルドライバによって実現され、タッチパネル3の入力面に対する入力操作を検出する。入力制御部7は、位置検出部71、コマンド検出部72、接触検出部73、文字抽出部74、基準文字判別部75、入力方向判定部76、領域外文字入力判定部77、計時部78、およびキー制御部79を含んで構成される。
位置検出部71は、タッチパネル3の入力面のうち、タッチペンなどが接触した位置を検出する。そして、位置検出部71は、入力面に対するタッチペンなどによる入力操作によって指示された点の位置を表す座標データであって、タッチパネル3から出力される座標データを取得する。
コマンド検出部72は、表示部2の表示面に表示されているコマンド制御アイコンの中から、タッチペンなどによって選択されたコマンド制御アイコンに対応するコマンドを検出する。接触検出部73は、タッチペンなどがタッチパネル3に接触しているか否か、すなわち、タッチパネル3の入力面に対する入力操作が行われているか否かを検出する。
文字抽出部74は、タッチパネル3の入力面に対する入力操作によって手書きで文字が入力されることで、タッチパネル3から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する。
基準文字判別部75は、文字抽出部74にて抽出した文字のうち、所定の条件を満たす文字を基準文字として判別する。この基準文字判別部75が判別した基準文字は、後述する第1入力ガイド線生成部651が生成する第1入力ガイド線の基点となる文字となる。具体的には、基準文字判別部75は、タッチパネル3に対する最初の手書き入力である場合、タッチパネル3に対する文字入力終了から所定時間以上経過した後の手書き入力である場合、第1入力ガイド線に沿わない位置に手書き入力された文字であると判断されるような文字入力である場合の入力文字を、基準文字と判別する。
入力方向判定部76は、基準文字に対応する座標データと、基準文字に対応する入力面に対する入力操作終了後になされた文字の入力操作に応じた座標データとの位置関係に基づいて、入力面に対する手書き入力の入力方向をX軸およびY軸のいずれかの座標軸に沿った方向として判定する。たとえば、入力方向判定部76は、基準文字の入力終了後に入力面に対して入力された文字の入力開始点を示す座標データが、基準文字の軌跡の座標データよりもX軸の正方向の座標値を有する場合には、入力方向がX軸方向、すなわち、入力面に対する手書き入力が横書き入力であると判定する。また、入力方向判定部76は、基準文字の入力終了後に入力面に対して入力された文字の入力開始点を示す座標データが、基準文字の軌跡の座標データよりもY軸の正方向の座標値を有する場合には、入力方向がY軸方向、すなわち、入力面に対する手書き入力が縦書き入力であると判定する。
領域外文字入力判定部77は、後述する文字座標値算出部91が算出した算出結果のうち、各文字における、入力方向に平行な座標軸についての最大座標値を用いて、第1入力ガイド線に沿って手書き入力された文字が、表示部2の表示面の内方側に設定される表示面に対して予め定める割合で小さい仮想表示領域(たとえば、表示面の全領域に対して95%の領域)を超えているか否かを判定する。さらに、領域外文字入力判定部77は、仮想表示領域を超えていると判定した場合に、仮想表示領域を超えた文字が手書き入力されたことを表す領域外文字入力信号を出力する。すなわち、領域外文字入力判定部77は、第1入力ガイド線に沿った手書き入力が、仮想表示領域を超えてなされた手書き入力であると判定した場合に、改行されて手書き入力されることを想定して、領域外文字入力信号を出力する。
計時部78は、タッチパネル3の入力面に対する入力操作が行われているか否かを判定し、入力操作が行われていない期間を入力操作の待機時間として計時する。キー制御部79は、キーボード4によって入力される情報を、キーボード4から受け取る。
表示制御部6は、表示ドライバによって実現され、表示部2に情報を表示するための制御を行う。表示制御部6は、図形描画部61、アイコン表示部62、位置決定部63、軌跡表示制御部64、および入力ガイド線表示制御部65を含んで構成される。
図形描画部61は、表示部2に表示する図形としてのアイコンを作成する。すなわち、アイコンの描画イメージを作成する。アイコン表示部62は、描画等を行うためのアイコンとして、コマンド検出部72で検出されたコマンドに対応するアイコンを生成し表示する。具体的には、コマンド制御情報に基づいてアイコンを生成し表示する。位置決定部63は、表示面の領域内でアイコンを表示する位置、およびアイコンのサイズを決定する。
軌跡表示制御部64は、タッチパネル3の入力面に入力される手書き入力の座標データを表示部2に送信し、この座標データに基づいた手書き入力の軌跡を表示部2の表示面に表示させる。
入力ガイド線表示制御部65は、第1入力ガイド線生成部651、第2入力ガイド線生成部652、入力ガイド線位置補正部653、および入力ガイド線消去部654を含む。
第1入力ガイド線生成部651は、入力方向判定部76が判定した入力方向に沿った直線からなる第1入力ガイド線であって、基準文字判別部75が判別した基準文字と重ならないように、基準文字に対して入力方向と直交する方向に間隔をあけて表示部2の表示面の周縁端部まで延びる第1入力ガイド線を生成する。たとえば、入力方向がX軸方向、すなわち、入力面に対する手書き入力が横書き入力の場合、第1入力ガイド線生成部651は、基準文字と重ならない程度に基準文字に対してY軸正方向にずれた位置から表示面のX軸正方向端部まで延びる第1入力ガイド線を生成する。また、入力方向がY軸方向、すなわち、入力面に対する手書き入力が縦書き入力の場合、第1入力ガイド線生成部651は、基準文字と重ならない程度に基準文字に対してX軸負方向にずれた位置から表示面のY軸正方向端部まで延びる第1入力ガイド線を生成する。これによって、表示装置1は、手書き文字の入力位置を効果的に案内することができる。
入力ガイド線位置補正部653は、第1入力ガイド線生成部651が第1入力ガイド線を生成した後に入力面に対してなされた入力操作に応じてタッチパネル3から出力される、手書き入力の軌跡に対応する座標データに基づいて、入力面に対して第1入力ガイド線に重なる手書き入力がなされたか否かを判断する。さらに、入力ガイド線位置補正部653は、第1入力ガイド線に重なる手書き入力がなされたと判断した場合に、基準文字以降に手書き入力された全ての文字の軌跡と重ならないように、第1入力ガイド線を入力方向と直交する方向に平行移動させて、第1入力ガイド線の位置補正を行う。
本実施形態の表示装置1では、第1入力ガイド線に沿って手書き入力された文字が第1入力ガイド線に重なった場合に、入力ガイド線位置補正部653が、手書き入力の軌跡と重ならないように第1入力ガイド線を入力方向と直交する方向に平行移動させて、第1入力ガイド線の位置補正を行うので、手書き文字の入力位置を効果的に案内することを可能にした上で、手書き入力された文字を読みやすくすることができる。
また、第2入力ガイド線生成部652は、領域外文字入力判定部77が出力した領域外文字入力信号が入力されることで、改行されて手書き入力されることを想定して、表示部2の表示面に表示されている第1入力ガイド線に対して入力方向と直交する方向に、少なくとも文字座標値最大差(後述する文字座標値最大差算出部92が算出する値)に応じた間隔をあけた新たな第2入力ガイド線を生成し、既に表示面に表示されている第1入力ガイド線を消去する。これによって、改行されて入力されると想定される手書き文字の入力位置を効果的に案内することを可能にした上で、手書き入力された文字を読みやすくすることができる。
入力ガイド線消去部654は、計時部78により計時された待機時間が、予め定める時間以上となった場合に、表示部2に表示されている第1入力ガイド線を消去する。これによって、予め定める時間以上経過後に、現在設定されている第1入力ガイド線を消去することができる。このようにして第1入力ガイド線が消去された後、タッチパネル3の入力面に対して新たな手書き入力がなされると、基準文字判別部75が新たに基準文字を判別し、その新たな基準文字に対して入力方向と直交する方向にずれた位置から表示面の周縁端部まで延びる第1入力ガイド線が、第1入力ガイド線生成部651によって新たに生成される。
記憶部8は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置を含んで構成され、第1記憶部81と第2記憶部82とを含む。
第1記憶部81は、表示装置1におけるワーキングメモリとしての機能を有する。第1記憶部81は、表示情報記憶部811、座標データ記憶部812、座標値記憶部813、表示パネル周縁情報記憶部814、入力ガイド線表示位置記憶部815、入力文字数記憶部816、および入力モード記憶部817を含む。
表示情報記憶部811は、表示部2に表示されている表示情報を記憶する。座標データ記憶部812は、タッチパネル3の入力面に手書き入力された文字の座標データを記憶する。座標値記憶部813は、後述する文字座標値算出部91が算出する最大座標値および最小座標値、文字座標値最大差算出部92が算出する文字座標値最大差を記憶する。表示パネル周縁情報記憶部814は、表示部2の表示面の周縁部におけるX軸方向端部およびY軸方向端部の位置情報を記憶する。
入力ガイド線表示位置記憶部815は、第1入力ガイド線生成部651が生成して表示部2の表示面に表示させた第1入力ガイド線、および、第2入力ガイド線生成部652が生成して表示部2の表示面に表示させた第2入力ガイド線の、表示面に対する位置を記憶する。入力文字数記憶部816は、文字抽出部74が抽出した文字数を記憶する。入力モード記憶部817は、入力方向判定部76が判定した入力方向に基づいて、現在の入力モードが横書き入力を表す横書きモードか、または、縦書き入力を表す縦書きモードかを記憶する。
第2記憶部82は、ソフトウェア記憶部821、ドライバ記憶部822、ユーザ設定表示画面記憶部823、およびユーザ設定テーブル記憶部824を含む。
ソフトウェア記憶部821は、表示装置1を動作させるためのソフトウェアを記憶する。ドライバ記憶部822は、表示制御部6を実現する表示ドライバと、入力制御部7を実現するタッチパネルドライバとを記憶する。ユーザ設定表示画面記憶部823は、表示装置1を操作するユーザが設定する、表示部2の設定に関する情報を記憶する。ユーザ設定テーブル記憶部824は、ユーザが設定する第1入力ガイド線および第2入力ガイド線に関するテーブル情報を記憶する。ユーザ設定テーブル記憶部824に記憶されるテーブル情報には、第1,第2入力ガイド線の表示の要否、第1,第2入力ガイド線の線種(たとえば、実線、点線など)、第1,第2入力ガイド線の色(たとえば、黒色、グレー色、赤色など)などを関連付ける情報が含まれる。
演算部9は、文字座標値算出部91、文字座標値最大差算出部92、および図形文字判断部93を含む。
文字座標値算出部91は、文字抽出部74が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字におけるX軸およびY軸のそれぞれの座標軸についての最大座標値と最小座標値とを算出する。文字座標値最大差算出部92は、文字座標値算出部91による算出結果を用いて、各文字における、入力方向と直交する座標軸についての前記最大座標値と前記最小座標値との差を算出し、その算出した差の最大値である文字座標値最大差を求める。図形文字判断部93は、タッチパネル3の入力面に手書き入力された軌跡が図形であるか文字であるかを判断する。図形文字判断部93は、手書き入力された軌跡が文字認識可能な軌跡である場合に文字であると判断し、それ以外に図形であると判断する。なお、図形文字判断部93により図形と判断された軌跡については、第1入力ガイド線生成部651が第1入力ガイド線を生成するときに用いられる、基準文字判別部75が判別する基準文字とはならない。
次に、本実施形態の表示装置1の動作について説明する。図3Aおよび図3Bは、表示装置1の動作を示すフローチャートである。図4A,図4Bおよび図4Cは、表示装置1の動作を説明するための図である。なお、以下では、タッチパネル3に対して手書き入力された1文字目の基準文字11の座標データと、基準文字11の次に入力された2文字目の座標データとに基づいて、第1入力ガイド線16の生成処理が行われる場合について説明する。ただし、第1入力ガイド線16の生成処理は、2文字に基づくものに限定されるわけではなく、3文字以上の各文字に基づく処理、2文字以上の文節に基づく処理であってもよい。
また、以下の説明では、表示部2の表示面およびタッチパネル3の入力面に設定される直交座標は、表示面および入力面に向かって左上の頂点を原点とし、右方向をX軸の正方向、下方向をY軸の正方向とするXY直交座標である。
ステップs1では、制御部5は、第1入力ガイド線16の開始点15の座標を算出するときに用いる、基準文字11における基準点14から第1入力ガイド線16までの距離となる「M_down」値を設定する。たとえば、図4A(a)に示すような横書き入力(入力方向がX軸方向に平行な手書き入力)の場合、「M_down」値は、基準文字11の外接矩形11aの左下端部、すなわち、基準文字11における基準点14のY座標値と、第1入力ガイド線16の開始点15のY座標値との差である。ここで、基準点14は、基準文字11において、X軸についての最小座標値でかつY軸についての最大座標値を示す座標点である。
また、図4A(b)に示すような縦書き入力(入力方向がY軸方向に平行な手書き入力)の場合、「M_down」値は、基準文字11の外接矩形11aの左上端部、すなわち、基準文字11における基準点14のX座標値と、第1入力ガイド線16の開始点15のX座標値との差である。ここで、基準点14は、基準文字11において、X軸についての最小座標値でかつY軸についての最小座標値を示す座標点である。なお、「M_down」値は、キーボード4またはタッチパネル3に対するユーザによる入力操作により設定される。
ステップs2では、制御部5は、第2入力ガイド線19の開始点の座標を算出するときに用いる、入力方向と直交する方向に関して2文字における第1入力ガイド線16に対する最遠端部から、第1入力ガイド線16までの距離となる「M_up」値を設定する。たとえば、図4A(a)に示すような横書き入力(入力方向がX軸方向に平行な手書き入力)の場合、「M_up」値は、2文字(図では「I」と「F」との2文字)におけるY軸についての最小座標値と、第1入力ガイド線16の開始点15のY座標値との差である。また、図4A(b)に示すような縦書き入力(入力方向がY軸方向に平行な手書き入力)の場合、「M_up」値は、2文字におけるX軸についての最大座標値と、第1入力ガイド線16の開始点15のX座標値との差である。なお、「M_up」値は、キーボード4またはタッチパネル3に対するユーザによる入力操作により設定される。
次にステップs3では、入力ガイド線位置補正部653は、「はみ出しフラグ」を「0(ゼロ)」に設定する。「はみ出しフラグ」は、既に表示部2に表示されている第1入力ガイド線16からはみ出した手書き入力がなされた場合に「1」に設定されることになる。
ステップs4では、計時部78は、タッチパネル3に対する入力操作の待機時間の計時を開始する。次にステップs5では、制御部5は、基準文字11が入力可能な状態であるとして、入力文字数記憶部816に文字数「M=0(ゼロ)」を記憶させる。
次にステップs6では、接触検出部73は、タッチパネル3の入力面に対する入力操作が行われているか否かを検出する。接触検出部73が入力操作を検出した場合にはステップs10に進み、入力操作を検出しなかった場合にはステップs7に進む。ステップs7では、計時部78は、タッチパネル3に対する入力操作の待機時間が予め定める時間以上経過したか否かを判定する。計時部78が予め定める時間以上経過したと判断した場合にはステップs8に進み、予め定める時間以上経過していないと判断した場合にはステップs6に戻る。
ステップs8では、制御部5は、表示部2に第1入力ガイド線16が表示されているか否かを判断する。制御部5が第1入力ガイド線16の表示がされていると判断した場合にはステップs9に進み、第1入力ガイド線16の表示がされていないと判断した場合にはステップs4に戻る。ステップs9では、入力ガイド線消去部654は、現在、表示部2に表示されている第1入力ガイド線16を消去する。これによって、予め定める時間以上経過後に、現在設定されている第1入力ガイド線16を消去することができる。このとき、入力ガイド線消去部654は、入力ガイド線表示位置記憶部815に記憶されていた入力ガイド線に関するデータを消去する。
ステップs6において接触検出部73がタッチパネル3に対する入力操作を検出した後のステップs10では、計時部78は計時をクリアする。次にステップs11では、軌跡表示制御部64は、タッチパネル3の入力面に入力される手書き入力の座標データを表示部2に送信し、この座標データに基づいた手書き入力の軌跡を表示部2の表示面に表示させる。
ステップs12では、文字抽出部74は、タッチパネル3の入力面に対する入力操作によって手書きで文字が入力されることで、タッチパネル3から出力される手書き入力の軌跡に対応する座標データから文字を認識し、1文字ごとの座標データを抽出する。このようにして、文字抽出部74は、手書き入力の軌跡が文字として認識できたか否かを判断する。そして、文字座標値算出部91は、文字抽出部74が抽出した1文字ごとの座標データに基づいて、各文字におけるX軸およびY軸のそれぞれの座標軸についての最大座標値と最小座標値とを算出する。文字座標値算出部91が算出した各文字のそれぞれの座標軸についての最大座標値および最小座標値は、座標値記憶部813に記憶される。文字抽出部74が手書き入力の軌跡を文字として認識した場合にはステップs13に進み、文字として認識しなかった場合にはステップs6に戻る。
ステップs13では、基準文字判別部75は、ステップs12において抽出した文字を1文字目の基準文字11として判別する。このようにして基準文字判別部75が判別した基準文字11の座標データは、座標データ記憶部812に記憶される。
次にステップs14では、入力方向判定部76は、2文字目(文字数M=2)の文字が手書き入力されているか否か、すなわち、入力方向検出用文字13が手書き入力されているか否かを判断する。入力方向判定部76は、基準文字11が判別された後の2文字目の文字である入力方向検出用文字13がタッチパネル3から手書き入力開始されれば、その手書き入力が入力方向検出用文字13の入力開始であると判断する。入力方向判定部76が入力方向検出用文字13の入力開始であると判断した場合(文字数M=2)にはステップs15に進み、入力方向判定部76が入力方向検出用文字13の入力開始ではない(文字数M≠2)と判断した場合にはステップs6に戻る。
ステップs15では、入力方向判定部76は、基準文字11に対応する座標データと、基準文字11に対応するタッチパネル3に対する入力操作終了後になされた文字の入力操作に応じた座標データとの位置関係に基づいて、タッチパネル3に対する手書き入力の入力方向がX軸およびY軸のいずれの座標軸に沿った方向であるかを判定する。
たとえば、入力方向判定部76は、図4A(a)に示すように、基準文字11の入力終了後にタッチパネル3に対して入力された入力方向検出用文字13の入力開始点12を示す座標データが、基準文字11の軌跡の座標データよりもX軸の正方向の座標値を有する場合には、入力方向がX軸方向、すなわち、タッチパネル3に対する手書き入力が横書き入力であると判定する。また、入力方向判定部76は、図4A(b)に示すように、基準文字11の入力終了後にタッチパネル3に対して入力された入力方向検出用文字13の入力開始点12を示す座標データが、基準文字11の軌跡の座標データよりもY軸の正方向の座標値を有する場合には、入力方向がY軸方向、すなわち、タッチパネル3に対する手書き入力が縦書き入力であると判定する。このようにして入力方向判定部76が判定した入力方向に基づく、横書き入力または縦書き入力のいずれの入力モードであるかの判定結果は、入力モード記憶部817に記憶される。
次にステップs16では、制御部5は、表示部2に第1入力ガイド線16が表示されているか否かを判断する。制御部5が第1入力ガイド線16の表示がされていると判断した場合にはステップs17に進み、制御部5が第1入力ガイド線16の表示がされていないと判断した場合にはステップs21に進む。
ステップs17では、制御部5は、ステップs12において抽出された文字が、ステップs16において既に表示部2に表示されていると判断された第1入力ガイド線16に沿って手書き入力された文字であるか否かを判断する。制御部5が第1入力ガイド線16に沿った手書き入力であると判断した場合にはステップs19に進み、第1入力ガイド線16に沿った手書き入力ではないと判断した場合にはステップs18に進む。
ステップs18では、入力ガイド線消去部654は、現在、表示部2に表示されている第1入力ガイド線16を消去する。これによって、手書き入力された文字が、ステップs17において第1入力ガイド線16に沿った手書き入力された文字ではないと判断された場合、すなわち、手書き入力された文字が、別行の改行された文字であると判断された場合に、現在設定されている第1入力ガイド線16を消去することができる。
たとえば、図4B(c)に示すように、「IFは20%のダウンを目標」という手書き入力された文字からなる文17aが、表示部2に既に表示され、その後、タッチパネル3に対して「IFは20%のダウンを目標」という文17aとは別行に、「技術」という文字17bが手書き入力された場合、入力ガイド線消去部654は、「IFは20%のダウンを目標」という文17aに対して設定されていた第1入力ガイド線16を消去する。本実施形態の表示装置1では、前記のようにして、改行された「技術」という文字17bが手書き入力され、第1入力ガイド線16が消去された場合に、図4B(c)に示すように、後述のステップs31で、その改行された文字17bに対して新たな第1入力ガイド線16が生成されることになる。
ステップs19では、入力ガイド線位置補正部653は、既に表示部2に表示されている第1入力ガイド線16に沿って手書き入力された文字の軌跡に対応する座標データに基づいて、タッチパネル3に対して第1入力ガイド線16に重なる手書き入力がなされたか否かを判断する。
たとえば、図4B(d)に示すように、「技術」という文字17bに対して設定されていた第1入力ガイド線16に沿った手書き入力ではあるけれども、その第1入力ガイド線16からはみ出して「目標は」という文字17cが手書き入力されると、入力ガイド線位置補正部653は、タッチパネル3に対して第1入力ガイド線16に重なる手書き入力がなされたと判断する。入力ガイド線位置補正部653が第1入力ガイド線16に重なる手書き入力がなされたと判断した場合にはステップs20に進み、第1入力ガイド線16に重なる手書き入力がなされていないと判断した場合にはステップs21に進む。
ステップs20では、入力ガイド線位置補正部653は、第1入力ガイド線16からはみ出した手書き入力がなされたと判断したことに応じて、「はみ出しフラグ」を「1」に設定し、ステップs21に進む。本実施形態の表示装置1では、前記のようにして、第1入力ガイド線16からはみ出した手書き入力がなされたと判断された場合に、後述のステップs29で既存の第1入力ガイド線16が消去され、さらに、ステップs31で、手書き入力の軌跡と重ならないように第1入力ガイド線16を入力方向と直交する方向に平行移動させて、位置補正された新たな第1入力ガイド線16が第1入力ガイド線生成部651によって生成されることになる。
このようにして、第1入力ガイド線16の位置補正を行うので、手書き文字の入力位置を効果的に案内することを可能にした上で、手書き入力された文字を読みやすくすることができる。なお、図4B(d)に示すように、既存の第1入力ガイド線16からはみ出して「目標は」という文字17cが手書き入力されたことに応じて、第1入力ガイド線生成部651が新たな第1入力ガイド線16を生成する場合には、「目標は」という文字17cのうち、既存の第1入力ガイド線16からはみ出して最初に手書き入力された「目」を基準文字とし、「標」を2文字目として新たな第1入力ガイド線16を生成することになる。
ステップs21では、文字座標値最大差算出部92は、座標値記憶部813に記憶される、文字座標値算出部91が算出した各文字のそれぞれの座標軸についての最大座標値および最小座標値を用いて、各文字における、入力方向と直交する座標軸についての前記最大座標値と前記最小座標値との差を算出し、その算出した差の最大値である文字座標値最大差を求める。この文字座標値最大差算出部92が算出する文字座標値最大差は、各文字の文字高さに相当する。
次にステップs22では、制御部5は、図4A(a)および図4A(b)に示すように、第1入力ガイド線16の開始点15の座標を算出するときに用いる、基準文字11における基準点14の座標値(入力ガイド線基準座標値)を算出する。たとえば、図4A(a)に示すような横書き入力(入力方向がX軸方向に平行な手書き入力)の場合、制御部5は、基準文字11において、X軸についての最小座標値でかつY軸についての最大座標値を示す座標点を基準点14の座標値として算出する。また、図4A(b)に示すような縦書き入力(入力方向がY軸方向に平行な手書き入力)の場合、制御部5は、基準文字11において、X軸についての最小座標値でかつY軸についての最小座標値を示す座標点を基準点14の座標値として算出する。
次にステップs23では、領域外文字入力判定部77は、図4C(e)に示すように、座標値記憶部813に記憶されている、文字座標値算出部91が算出した算出結果のうち、各文字における、入力方向に平行な座標軸についての最大座標値を用いて、既に表示部2に表示されている第1入力ガイド線16に沿って手書き入力された文字が、仮想表示領域21を超えているか否かを判定する。図4C(e)に示す例では、「製品スケジュールに対して電源・IFのスケジュールを検討頂く」という文18aにおける、「く」という文末の文字18bが仮想表示領域21を超えているので、領域外文字入力判定部77は、仮想表示領域21を超えて手書き入力がなされたと判定する。
さらに、領域外文字入力判定部77は、仮想表示領域21を超えて手書き入力がなされたと判定した場合に、仮想表示領域21を超えた文字が手書き入力されたことを表す領域外文字入力信号を出力する。すなわち、領域外文字入力判定部77は、第1入力ガイド線16に沿った手書き入力が、仮想表示領域21を超えてなされた手書き入力であると判定した場合に、改行されて手書き入力されることを想定して、領域外文字入力信号を出力する。領域外文字入力判定部77が領域外文字入力信号を出力した場合にはステップs27に進み、領域外文字入力信号を出力しなかった場合にはステップs24に進む。
本実施形態の表示装置1では、前記のようにして、領域外文字入力判定部77が領域外文字入力信号を出力した場合に、ステップs29で既存の第1入力ガイド線16が消去され、さらに、ステップs31で、改行されて手書き入力されることを想定して、既存の第1入力ガイド線16に対して入力方向と直交する方向に、少なくとも前記文字座標値最大差に応じた間隔をあけた新たな第2入力ガイド線19が第2入力ガイド線生成部652によって生成されることになる。
そして、本実施形態の表示装置1では、第2入力ガイド線19に沿って文字が実際に手書き入力されると、第1入力ガイド線生成部651は、第2入力ガイド線19を消去した上で、第2入力ガイド線19に沿って最初に手書き入力された文字を基準文字とし、その次に手書き入力された文字を2文字目として、新たな第1入力ガイド線16を生成する。図4C(f)に示す例では、「製品スケジュールに対して電源・IFのスケジュールを検討頂く」という文18aに対してY軸正方向に間隔をあけて表示されていた第2入力ガイド線19に沿って、「毎週打合せすることをする」という文18cが手書き入力されると、文18cにおける文頭の文字「毎」を基準文字とし、その次の「週」という文字を2文字目として、新たな第1入力ガイド線16が生成される。
ステップs24では、第1入力ガイド線生成部651は、ステップs22において制御部5が算出した基準点14の座標値を用いて、第1入力ガイド線16の開始点15の座標を算出する。
たとえば、図4A(a)に示すような横書き入力(入力方向がX軸方向に平行な手書き入力)の場合、第1入力ガイド線生成部651は、X座標値が、基準文字11における基準点14のX座標値と一致し、Y座標値が、基準文字11における基準点14のY座標値に「M_down」値を加算した値となる座標を、第1入力ガイド線16の開始点15として算出する。また、図4A(b)に示すような縦書き入力(入力方向がY軸方向に平行な手書き入力)の場合、第1入力ガイド線生成部651は、X座標値が、基準文字11における基準点14のX座標値から「M_down」値を減算した値となり、Y座標値が、基準文字11における基準点14のY座標値と一致した座標を、第1入力ガイド線16の開始点15として算出する。
次にステップs25では、制御部5は、「はみ出しフラグ」が「1」に設定されているか否かを判断する。制御部5が「1」に設定されていると判断した場合にはステップs28に進み、「1」に設定されていないと判断した場合にはステップs26に進む。
ステップs26では、制御部5は、表示部2に第1入力ガイド線16が表示されているか否かを判断する。制御部5が第1入力ガイド線16の表示がされていると判断した場合にはステップs4に戻り、第1入力ガイド線16の表示がされていないと判断した場合にはステップs30に進む。
ステップs23で領域外文字入力判定部77が領域外文字入力信号を出力した場合において、ステップs27では、第2入力ガイド線生成部652は、第2入力ガイド線19の開始点の座標を算出する。本実施形態では、第2入力ガイド線生成部652は、領域外文字入力判定部77が仮想表示領域21を超えた手書き入力であると判定した文字が沿う第1入力ガイド線16の基点となる基準文字11の基準点14の座標値を用いて、第2入力ガイド線19の開始点の座標を算出する。
たとえば、横書き入力の場合、第2入力ガイド線生成部652は、X座標値が、基準文字11における基準点14のX座標値と一致し、Y座標値が、下記式(1)を満たす値となる座標を、第2入力ガイド線19の開始点として算出する。
Y座標値=Y1+Y2+Y3+(2×Y4) …(1)
[式中、Y1は基準点14のY座標値を示し、Y2は文字座標値最大差を示し、Y3は「M_up」を示し、Y4は「M_down」を示す。]
また、縦書き入力の場合、第2入力ガイド線生成部652は、X座標値が、下記式(2)を満たす値となり、Y座標値が、基準文字11における基準点14のY座標値と一致した座標を、第2入力ガイド線19の開始点として算出する。
X座標値=X1−X2−X3−(2×X4) …(2)
[式中、X1は基準点14のX座標値を示し、X2は文字座標値最大差を示し、X3は「M_up」を示し、X4は「M_down」を示す。]
ステップs28では、制御部5は、表示部2に第1入力ガイド線16が表示されているか否かを判断する。制御部5が第1入力ガイド線16の表示がされていると判断した場合にはステップs29に進み、第1入力ガイド線16の表示がされていないと判断した場合にはステップs30に進む。
ステップs29では、入力ガイド線消去部654は、現在、表示部2に表示されている第1入力ガイド線16を消去する。次にステップs30では、入力ガイド線位置補正部653は、「1」に設定されていた「はみ出しフラグ」を「0(ゼロ)」に設定する。
そして、ステップs31では、第1入力ガイド線生成部651は、ステップs24で算出した開始点15から入力方向に沿って表示部2の表示面における周縁端部まで延びる第1入力ガイド線16を生成し、その生成した第1入力ガイド線16を表示部2に表示させる。また、第2入力ガイド線生成部652は、ステップs27で算出した開始点から入力方向に沿って表示部2の表示面における周縁端部まで延びる第2入力ガイド線19を生成し、その生成した第2入力ガイド線19を表示部2に表示させる。
また本発明のさらに他の実施の形態として、コンピュータを前述した表示装置1として機能させるために、コンピュータに実行させるための表示プログラム(実行形式プログラム、中間コードプログラムおよびソースプログラムの少なくともいずれか1つ)、およびこの表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することも可能である。
なお、表示プログラムを記録する記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、たとえばCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)のようなものそのものがプログラムメディアであってもよいし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
いずれの場合においても、格納されている表示プログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいは、いずれの場合も表示プログラムを読み出し、読み出された表示プログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、その表示プログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスクやCD−ROM/MO(Magneto Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクのディスク系、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成を持つことで、通信ネットワークから表示プログラムをダウンロードするように流動的に表示プログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークから表示プログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。なお、本発明は、上記表示プログラムが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。