図1は、本発明の一実施形態である表示装置1の外観を示す図である。図2は、表示装置1の構成を示すブロック図である。表示装置1は、たとえば電子白板によって構成される。表示装置1は、ユーザがタッチペンなどによって、表示部40の表示画面に対向して設けられるタッチパネル41に文字や図形などを記入すると、記入された文字や図形などを表示画面に表示する装置である。
表示装置1は、制御部10、記憶部20、演算部30、表示部40、タッチパネル41、キーボード42および後述するタッチペン43を含んで構成される。制御部10は、記憶部20に記憶されるプログラムを実行することによって、記憶部20、演算部30、表示部40、タッチパネル41およびキーボード42を制御する。
制御手段である制御部10は、表示制御部11、入力検出部12、時間測定部13およびキー制御部14を含んで構成される。表示制御部11は、表示部40に情報を表示するための制御を行う。表示制御部11は、図形描画部111、アイコン表示部112および位置決定部113を含んで構成される。図形描画部111は、表示部40に表示する図形としてのアイコンを作成する。すなわち、アイコンの描画イメージを作成する。アイコン表示部112は、描画等を行うためのアイコンとして、コマンド検出部122で検出されたコマンドに対応するアイコンを生成し表示する。具体的には、後述するコマンド制御情報に基づいてアイコンを生成し表示する。位置決定部113は、表示画面の領域内でアイコンを表示する位置、およびアイコンのサイズを決定する。
入力検出部12は、タッチパネル41に対する操作を検出する。入力検出部12は、位置検出部121、コマンド検出部122、接触検出部123およびサイズ検出部124を含んで構成される。位置検出部121は、表示画面の表示領域のうち、つまり表示部40の表示画面に対向して設けられるタッチパネル41のタッチ領域のうち、タッチペン43がタッチパネル41に接触した位置を検出する。位置は、たとえば表示画面に向かって左上の頂点を原点とし、右方向をX軸の正方向、および下方向をY軸の正方向とするXY座標で表わされる。
コマンド検出部122は、表示部40の表示画面に表示されているコマンド制御アイコンの中から、タッチペン43によって選択されたコマンド制御アイコンに対応するコマンドを検出する。接触検出部123は、タッチペン43がタッチパネル41に接触しているか否かを検出する。サイズ検出部124は、スクロール付きウィンドウ(以下「スクロールウィンドウ」という)の範囲に応じたサイズのアイコンを生成する。
時間測定部13は、時刻を計時する時計などの計時手段を含み、タッチパネル41に対するタッチペン43の入力時間、およびタッチパネル41に対するタッチペン43の解除時間を計測する。時間測定部13によって計測される時間は、タイムアウト検出のために用いられる。キー制御部14は、キーボード42によって入力される情報を、キーボード42から受け取る。
記憶部20は、始点・終点座標記憶部21、スクロール座標記憶部22、スクロール外画像記憶部23、スクロール内画像記憶24部、コマンド制御部25およびファイル出力部26を含んで構成される。記憶部20は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置を含んで構成される。始点・終点座標記憶部21、スクロール座標記憶部22、スクロール外画像記憶部23およびスクロール内画像記憶部24は、該記憶装置に形成される記憶領域である。
表示制御部11、入力検出部12、時間測定部13、キー制御部14、コマンド制御部25およびファイル出力部26は、記憶部20に記憶されるプログラムが制御部10によって実行されることによって実現される機能である。
始点・終点座標記憶部21は、スクロールウィンドウの領域の始点座標および終点座標を記憶する。スクロール座標記憶部22は、スクロールした座標を記憶する。スクロール外画像記憶部23は、表示部40の表示画面に表示する情報のうち、スクロールウィンドウに表示する情報を除く残余の情報を記憶する。スクロール内画像記憶部24は、スクロールウィンドウに表示する情報を記憶する。
接触位置27およびドラッグ距離28は、記憶部20に記憶される。接触位置27は、表示画面の領域内でタッチペン43が接触した始点の位置を表す情報である。ドラッグ距離28は、タッチペン43によってドラッグされた始点から終点までの移動距離を表す情報である。
コマンド制御部25は、表示画面に表示されているアイコンに対する操作によって指示されるコマンドを、後述するコマンド制御情報に基づいて制御する。印刷手段であるファイル出力部26は、記憶部20に記憶されるファイルをプリンタなどの印刷装置に出力する。また、ファイル出力部26は、記憶部20に記憶されるファイルをセーブする。セーブするとは、記憶部20に形成されるセーブ領域に記憶することである。
演算部30は、スクロールウィンドウに関する座標の演算を行うとともに、ファイル出力時の画像縮小の演算を行う。演算部30は、座標演算部31およびイメージサイズ演算部32を含んで構成される。座標演算部31は、スクロールウィンドウに関する座標の演算を行う。イメージサイズ演算部32は、ファイル出力時の画像縮小の演算を行う。
表示手段である表示部40は、たとえば液晶ディスプレイによって構成され、表示画面を有する。表示部40は、表示制御部11から受け取る情報を表示画面に表示する。タッチパネル41は、表示部40の表示画面に対向し、かつ近接して設けられる入力装置である。タッチパネル41は、タッチペン43が接触していること、および接触している位置を検出し、接触していることを接触検出部123に知らせ、接触している位置を位置検出部121に知らせる。
キーボード42は、文字、数字および記号などの情報を入力するためのキーを有する入力装置である。キーボード42は、ユーザによって操作されたキーに対応する情報をキー制御部14に送る。タッチペン43は、タッチパネル41にタッチすること、つまり接触することによって、接触した位置を指示するための指示具である。指示具は、タッチペンでもよいし、人間の指などでもよい。タッチペン43は、指定手段、入力手段および選択手段である。
図3は、コマンド制御情報50の構成を示す図である。コマンド制御情報50は、アイコン51、対応コマンド52、色53および線種デフォルト54などの情報を含む。アイコン51には、表示画面に表示するコマンド制御アイコンの形状が記憶される。対応コマンド52には、コマンド制御アイコンに対応するコマンドの名称が記憶される。色53には、対応するコマンドによって描画される線の色が記憶される。線種デフォルト54には、対応するコマンドによって描画されるデフォルトの線種が記憶される。
コマンド制御情報50は、テーブル構造であり、最上段にアイコン51が配置され、各アイコン51の下に、アイコン51に対応する対応コマンド52、アイコン51に対応する色53、およびアイコン51に対応する線種デフォルト54が、この順序で配置される。
図3に示したコマンド制御情報50には、対応コマンド52として、「ペン」、「線幅」、「ドラッグ」および「消去」が表示される。対応コマンド52「ペン」、「線幅」、「ドラッグ」および「消去」にそれぞれ対応するアイコン51の形状が最上段に示され、それぞれの下に色53として、「黒」、「黒」、「グレー」および「白」が表示され、さらにその下に、線種デフォルト54として、直線、直線、点線および「Box」が表示されている。
図4は、表示画面例60の一例を示す図である。表示画面例60には、表示画面に表示されている画像の例が示されている。表示画面例60には、表示画面の領域内の左側に、コマンド制御アイコン群61が表示されている。コマンド制御アイコン群61は、ペンアイコン611、消しゴムアイコン612、線種アイコン613、色アイコン614、スクロールアイコン615、印刷アイコン616およびファイルアイコン617などのコマンド制御アイコンを含む。
ユーザは、タッチパネル41上の各コマンド制御アイコンが表示されている位置に、タッチペン43を接触させることによって、各コマンド制御アイコンに対応するコマンドを選択することができる。表示装置1は、選択されたコマンド制御アイコンに対応するコマンドを実行するためのモードになる。ペンアイコン611は、タッチペン43による描画を行うためのペンモードとする。消しゴムアイコン612は、タッチペン43による消去を行うための消しゴムモードとする。線種アイコン613は、タッチペン43による線種の変更を行うための線種モードとする。色アイコン614は、タッチペン43による色の変更を行うための色モードとする。スクロールアイコン615は、スクロールエリア設定処理モードとする。印刷アイコン616は、印刷処理モードとする。ファイルアイコン617は、ファイル処理モードとする。
図5は、スクロールアイコン615を選択する表示画面例61の一例を示す図である。図5は、ユーザが、タッチペン43をコマンド制御アイコン群61のうちスクロールアイコン615に接触させている状態を示している。タッチペン43がスクロールアイコン615に接触したので、スクロールエリア設定処理モードとなる。
図6は、スクロールウィンドウ領域指定の始点設定の表示画面例62の一例を示す図である。スクロールエリア設定処理モードのとき、ユーザは、タッチペン43をタッチパネル41に接触させることによって、スクロールウィンドウの領域の始点を指定することができる。図6では、タッチペン43がタッチパネル41に接触した位置が始点621となる。
図7は、スクロールウィンドウ領域指定の終点設定の表示画面例63の一例を示す図である。スクロールエリア設定処理モードのとき、ユーザは、始点621の位置から、タッチペン43を右下方向にドラッグし、タッチペン43をタッチパネル41から離反させることによって、スクロールウィンドウの領域の終点を指定することができる。図7では、タッチペン43がタッチパネル41から離反した位置が終点631となる。図7には、始点621および終点631を対角の頂点とする矩形の領域(以下「矩形領域」ともいう)がドラッグ表示632として表示されている。
図8は、スクロールウィンドウ641が表示された表示画面例64の一例を示す図である。図6(a)は、表示画面例64全体を示す図であり、図6(b)は、スクロールカーソル周辺644を拡大した図である。
表示画面例64には、スクロールウィンドウ641が表示されている。スクロールウィンドウ641が表示されると、スクロールエリア設定処理モードは終了する。スクロールウィンドウ641の領域は、始点621および終点631を対角の頂点とする矩形の領域632と同じ領域である。スクロールウィンドウ641内には、右側に、スクロールウィンドウ641内の画像を、スクロールウィンドウ641内で上下方向に移動させるための上下方向スクロールバー642が表示され、下側に、スクロールウィンドウ641内の画像を、スクロールウィンドウ641内で左右方向に移動させるための左右方向スクロールバー643が表示されている。以下、スクロールウィンドウ641内の画像のことを、スクロールウィンドウ641内のイメージ、あるいはスクロール部のイメージともいう。
上下方向スクロールバー642には、上端に上方向スクロールカーソル645が設けられ、下端に下方向スクロールカーソル646が設けられている。左右方向スクロールバー643には、右端に右方向スクロールカーソル647が設けられ、左端に左方向スクロールカーソル648が設けられている。ユーザは、タッチペン43をこれらのスクロールカーソルに接触させることによって、スクロールウィンドウ641内の画像を、上下左右にスクロールさせることができる。以下、上方向スクロールカーソル645、下方向スクロールカーソル646、右方向スクロールカーソル647、および左方向スクロールカーソル648を総称して、スクロールカーソルという。スクロールカーソルは、スクロール手段である。
図9は、スクロールウィンドウ641内のイメージを上方向にスクロールさせる表示画面例65の一例を示す図である。図9(a)は、ユーザが、スクロールウィンドウ641に表示されるイメージを上方向に移動させるために、タッチペン43を下方向スクロールカーソル646に接触させている状態を示している。図9(b)は、スクロールウィンドウ641内のイメージを上方向に移動させたスクロールウィンドウ651が表示される表示画面例65aの一例を示す図である。スクロールウィンドウ651内の下側に、空白のスペースである空白領域652が形成されている。
図10は、スクロールウィンドウ641内のイメージを左方向にスクロールさせる表示画面例66の一例を示す図である。図10(a)は、ユーザが、スクロールウィンドウ641に表示されるイメージを左方向に移動させるために、タッチペン43を右方向スクロールカーソル647に接触させている状態を示している。図10(b)は、スクロールウィンドウ641内の画像を左方向に移動させたスクロールウィンドウ661が表示される表示画面例66aの一例を示す図である。スクロールウィンドウ661内の右側に、空白のスペースである空白領域662が形成されている。
図11は、印刷アイコン616を選択する表示画面例67の一例を示す図である。図11は、ユーザが、タッチペン43をコマンド制御アイコン群61のうち印刷アイコン616に接触させている状態を示している。タッチペン43が印刷アイコン616に接触したので、印刷処理モードとなる。
図12は、モード選択メニュー681が表示された表示画面例の一例を示す図である。図11に示した表示画面例67で、ユーザがタッチペン43を印刷アイコン616の位置に接触させると、モード選択メニュー681が表示される。モード選択メニュー681には、モード1(以下「MODE1」という)およびモード2(以下「MODE2」という)が表示されている。MODE1およびMODE2は、印刷処理モードに含まれるモードである。
MODE1は、スクロールウィンドウ682内に表示すべき情報を、表示画面に表示されている情報のうちスクロールウィンドウ682内に表示すべき情報を除く残余の情報と分離して印刷する分割表示モードである。MODE2は、スクロールウィンドウ682内に表示すべき情報を、スクロールウィンドウ682内に入るように縮小して印刷する圧縮表示モードである。ここで、情報とは、イメージとして表示すべき情報のことである。
図12(a)は、MODE1を選択する表示画面例68の一例を示す図である。ユーザがモード選択メニュー681のうちの「MODE1」にタッチペン43を接触させると、印刷処理モードが分割表示モードとなる。図12(b)は、MODE2を選択する表示画面例68の一例を示す図である。ユーザがモード選択メニュー681のうちの「MODE2」にタッチペン43を接触させると、印刷処理モードが圧縮表示モードとなる。
図13は、分割表示モードで印刷した印刷例を示す図である。図13(a)は、分割表示モードで印刷した印刷例81を示す図である。印刷例81には、表示画面に表示される情報のうち、スクロールウィンドウ内に表示すべき情報を除く残余の情報とともに、スクロールウィンドウがあった領域811に「別表あり」とのコメント812が印刷されている。図13(b)は、スクロールウィンドウ内に表示すべき情報を、別表として印刷した印刷例82を示す。
図14は、圧縮表示モードで印刷した印刷例83を示す図である。印刷例83は、圧縮表示モードで印刷したものである。印刷例83には、表示画面に表示される情報のうち、スクロールウィンドウ内に表示すべき情報を除く残余の情報とともに、スクロールウィンドウがあった領域831に、スクロールウィンドウ内に表示すべき情報が、スクロールウィンドウがあった領域831に入るように縮小されて印刷されている。
図15は、ファイルアイコン617を選択する表示画面例69の一例を示す図である。図15は、ユーザが、タッチペン43をコマンド制御アイコン群61のうちファイルアイコン617に接触させている状態を示している。表示装置1は、タッチペン43がファイルアイコン617に接触したので、ファイル処理モードとなる。
図16は、セーブ(以下「SAVE」という)/オープン(以下「OPEN」という)選択メニュー701が表示された表示画面例の一例を示す図である。図15に示した表示画面例69で、ユーザがタッチペン43をファイルアイコン617の位置に接触させると、SAVE/OPEN選択メニュー701が表示される。SAVEおよびOPENは、ファイル処理モードに含まれるモードである。
SAVEは、表示画面に表示されている情報を、記憶部20に形成されるセーブ領域に記憶するSAVEモードである。この場合、表示画面に表示されている情報には、スクロールウィンドウに表示すべき情報を含む。以下、表示画面に表示されている情報であって、スクロールウィンドウに表示すべき情報を含む情報を表示情報という。OPENは、記憶部20のセーブ領域に記憶されている表示情報を表示部40の表示画面に表示するOPENモードである。
図16(a)は、SAVEを選択する表示画面例70の一例を示す図である。ユーザがSAVE/OPEN選択メニュー701のうちの「SAVE」にタッチペン43を接触させると、ファイル処理モードがSAVEモードとなる。図16(b)は、OPENを選択する表示画面例70aの一例を示す図である。ユーザがSAVE/OPEN選択メニュー701のうちの「OPEN」にタッチペン43を接触させると、ファイル処理モードがOPENモードとなる。
図17は、ファイル指定ウィンドウが表示される表示画面例を示す図である。図17(a)は、図16に示した表示画面例のSAVE/OPEN選択メニュー701で、「SAVE」を選択したときに表示されるSAVEファイル指定ウィンドウ711を示す。SAVEファイル指定ウィンドウ711には、ファイル名一覧欄712、ファイル名指定欄713、およびSAVEボタン714が形成されている。
ファイル名一覧欄712は、記憶部20のセーブ領域にセーブされているファイル名、つまりすでに記憶されているファイル名の一覧を示す欄である。ファイル名指定欄713は、表示部40の表示画面に表示されている情報に、新たなファイル名を命名して記憶部20のセーブ領域に記憶するときに、その新たなファイル名を指定する欄である。SAVEボタン714は、表示部40の表示画面に表示されている情報を記憶部20のセーブ領域に記憶することを指示する操作ボタンである。
図17(b)は、図16に示した表示画面例のSAVE/OPEN選択メニュー701で、「OPEN」を選択したときに表示されるOPENファイル指定ウィンドウ721を示す。OPENファイル指定ウィンドウ721には、ファイル名一覧欄722、選択ファイル名欄723、およびOPENボタン724が形成されている。
ファイル名一覧欄722は、記憶部20のセーブ領域に記憶されているファイル名の一覧を示す欄である。選択ファイル名欄723は、記憶部20のセーブ領域に記憶されているファイル名の中から選択されたファイル名が表示される欄である。OPENボタン724は、記憶部20のセーブ領域に記憶されているファイルのうち、選択ファイル名欄723で選択されたファイル名のファイルを、記憶部20のセーブ領域から読み出して、表示部40の表示画面に表示することを指示する操作ボタンである。
図18は、ファイルのセーブまたはオープンを実行する表示画面例を示す図である。図18(a)は、ファイルのセーブを実行する表示画面例71aの一例を示す図である。ユーザは、SAVEファイル指定ウィンドウ711のSAVEボタン714の位置に、タッチペン43を接触させることによって、ファイルのセーブを実行することができる。図18(b)は、ファイルのオープンを実行する表示画面例72aの一例を示す図である。ユーザは、OPENファイル指定ウィンドウ721のOPENボタン724の位置に、タッチペン43を接触させることによって、ファイルのオープンを実行することができる。
図18(c)は、ファイルのオープン時に表示される上書き確認ウィンドウ725が表示される表示画面例72bの一例を示す図である。タッチペン43がOPENボタン724に接触したとき、すでに表示画面に表示情報が表示されている場合、上書き確認ウィンドウ725が表示される。上書きとは、すでに表示画面に表示されている表示情報を消去して、記憶部20のセーブ領域に記憶されているファイルのうち、選択ファイル名欄723で選択されたファイル名のファイルを、記憶部20のセーブ領域から読み出して、表示画面に表示することである。
上書き確認ウィンドウ725には、上書きしてよいか否かを確認するためのメッセージである「OVERWRITE?」が表示され、「OK」ボタン726および「NG」ボタン727が形成されている。「OK」ボタン726は、上書きしてもよいことを示し、「OK」ボタン726の位置にタッチペン43を接触させると、上書きが実行される。「NG」ボタン727は、上書きしてはいけないことを示し、「NG」ボタン727の位置にタッチペン43を接触させると、ファイルのオープンは中止される。
図19は、表示処理の処理手順を示すフローチャートである。表示装置1の電源が投入され、動作の準備が完了すると、ステップA1に移る。
ステップA1では、制御部10は、表示装置1のモードをペンモードに設定する。ステップA2では、制御部10は、モードを記憶する。具体的には、ペンモードであることを記憶部20に記憶する。ステップA3では、制御部10は、タッチパネル41への接触を検出したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出すると、タッチパネル41への接触が検出されたと判定し、ステップA4に進む。接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出しないと、タッチパネル41への接触が検出されなかったと判定し、ステップA3に戻る。ステップA4では、制御部10は、接触位置を検出する。具体的には、制御部10は、位置検出部121からタッチペン43がタッチパネル41に接触した位置を受け取る。
ステップA5では、制御部10は、アイコンを検出したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、位置検出部121から受け取った位置が、コマンド制御アイコン群61のアイコンおよびスクロールウィンドウのスクロールアイコンのうちのいずれかのアイコンの位置であると、アイコンを検出したと判定し、位置検出部121から受け取った位置にあるアイコンに対応する処理のステップに分岐する。
すなわち、制御部10は、位置検出部121から受け取った位置にあるアイコンが、ペンアイコン611の位置であると、ステップA10に進み、位置検出部121から受け取った位置にあるアイコンが、消しゴムアイコン612の位置であると、ステップA12に進み、位置検出部121から受け取った位置にあるアイコンが、線種アイコン613の位置であると、ステップA13に進み、位置検出部121から受け取った位置にあるアイコンが、色アイコン614の位置であると、ステップA14に進み、位置検出部121から受け取った位置にあるアイコンが、スクロールアイコン615の位置であると、ステップA15に進み、位置検出部121から受け取った位置が、スクロールカーソル645〜648のうちのいずれかのスクロールカーソルの位置であると、ステップA16に進み、位置検出部121から受け取った位置が、印刷アイコン616の位置であると、ステップA17に進み、位置検出部121から受け取った位置が、ファイルアイコン617の位置であると、ステップA18に進む。
また、制御部10は、位置検出部121から受け取った位置が、コマンド制御アイコン群61のアイコンおよびスクロールウィンドウのスクロールアイコンのうちのいずれのアイコンの位置でもないと、アイコンを検出しなかったと判定し、ステップA6に進む。
ステップA6では、制御部10は、モードを判別する。具体的には、制御部10は、記憶部20に記憶したモードを読み出す。ステップA7では、制御部10は、モードに応じたファンクションを実行して、ステップA3に戻る。すなわち、制御部10は、記憶部20から読み出したモードに応じた処理を実行して、ステップA3に戻る。具体的には、制御部10は、記憶部20から読み出したモードがペンモードの場合、描画を実行し、記憶部20から読み出したモードが消しゴムモードの場合、消去を実行し、記憶部20から読み出したモードが線種モードの場合、線幅の変更を実行し、記憶部20から読み出したモードが色モードの場合、色の変更を実行し、ステップA3に戻る。
ステップA10では、制御部10は、表示装置1をペンモードに設定する。ステップA11では、制御部10は、設定したモードを記憶する。具体的には、制御部10は、ステップA10,A12〜A14で設定されたモードを記憶部20に記憶する。ステップA12では、制御部10は、消しゴムモードに設定して、ステップA11に進む。ステップA13では、制御部10は、線種モードに設定して、ステップA11に進む。ステップA14では、制御部10は、色モードに設定して、ステップA11に進む。
ステップA15では、制御部10は、後述するスクロールエリア設定処理を実行して、ステップA6に進む。ステップA16では、制御部10は、後述するスクロールカーソル処理を実行して、ステップA6に進む。ステップA17では、制御部10は、後述する印刷処理を実行して、ステップA6に進む。ステップA18では、制御部10は、後述するファイル処理を実行して、ステップA6に進む。
図20は、スクロールエリア設定処理の処理手順を示すフローチャートである。図19に示したステップA15が実行されると、ステップB1に移る。
ステップB1では、制御部10は、タッチパネル41への接触を検出したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出すると、タッチパネル41への接触が検出されたと判定し、ステップB2に進む。接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出しないと、タッチパネル41への接触が検出されなかったと判定し、ステップB11に進む。
ステップB2では、制御部10は、接触位置を検出する。具体的には、制御部10は、位置検出部121からタッチペン43がタッチパネル41に接触した位置を受け取る。ステップB3では、制御部10は、接触位置検出座標を始点座標として記憶部20の接触位置27として記憶する。ここでの接触位置検出座標は、ステップB2でタッチペン43が接触した位置として検出されたXY座標系における座標である。
ステップB4では、制御部10は、接触位置を検出する。具体的には、制御部10は、位置検出部121からタッチペン43がタッチパネル41に接触した位置を受け取る。ステップB5では、制御部10は、ドラッグ表示を行う。具体的には、始点座標と、ステップB4で検出された位置の座標とを対角の頂点とする矩形の領域であるドラッグ表示、たとえば図7に示したドラッグ表示632を表示する。ステップB6では、制御部10は、ドラッグ終了であるか否かを判定する。制御部10は、接触検出部123が、タッチペン43がタッチパネル41から離反したことを検出すると、ドラッグ終了であると判定し、ステップB7に進む。接触検出部123が、タッチペン43がタッチパネル41から離反したことを検出しないと、ドラッグ終了でないと判定し、ステップB4に戻る。
ステップB7では、制御部10は、接触位置検出座標を終点座標として記憶部20に記憶する。ここでの接触位置検出座標は、ステップB4で、タッチペン43が接触した位置として最後に検出されたXY座標系における座標である。ステップB8では、制御部10は、表示画面の表示を、始点座標と終点座標とで決まるドラッグ表示から、スクロールウィンドウ表示、たとえば図8(a)に示すスクロールウィンドウ641に変える。
ステップB9では、制御部10は、始点から終点座標をウィンドウサイズとして記憶する。具体的には、始点座標WS(X,Y)および終点座標WE(X,Y)を始点・終点座標記憶部21に記憶する。ステップB10では、制御部10は、ドラッグで指定した範囲のイメージを切り出して、スクロールエリア設定処理を終了する。具体的には、制御部10は、始点座標WS(X,Y)および終点座標WE(X,Y)を対角の頂点とする矩形の領域内に表示している情報を切り出して、切り出した情報を記憶部20に記憶し、スクロールエリア設定処理を終了する。イメージとは、画像であり、表示すべき情報をビットマップイメージで表した情報である。
ステップB11では、制御部10は、所定時間経過したか否かを判定する。制御部10は、入力時刻から時間測定部13によって測定された時間が所定時間、たとえば5秒経過したとき、所定時間経過したと判定し、スクロールエリア設定処理を終了する。入力時刻から時間測定部13によって測定された時間が所定時間、たとえば5秒経過していないとき、所定時間経過しなかったと判定し、ステップB1に戻る。入力時刻は、ステップB2で接触位置を検出した時刻である。
図21,図22は、スクロールカーソル処理の処理手順を示すフローチャートである。図19に示したステップA16が実行されると、ステップC1に移る。
ステップC1では、制御部10は、始点・終点座標を読み出し、読み出した始点座標WS(X,Y)を移動始点座標IS(X,Y)に代入し、読み出した終点座標WE(X,Y)を移動終点座標IE(X,Y)に代入する。ステップC2では、制御部10は、スクロール方向はいずれの方向であるのか判定し、判定されたスクロール方向に対応するステップに分岐する。制御部10は、タッチペン43が接触した位置のスクロールカーソルが、上方向スクロールカーソル645であるとき、ステップC3に進む。タッチペン43が接触した位置のスクロールカーソルが、下方向スクロールカーソル646であるとき、ステップC3に進む。タッチペン43が接触した位置のスクロールカーソルが、右方向スクロールカーソル647であるとき、ステップC3に進む。タッチペン43が接触した位置のスクロールカーソルが、左方向スクロールカーソル648であるとき、ステップC3に進む。
図23は、イメージが移動後の始点座標および終点座標を説明するための図である。領域91は、タッチペン43によって指定された始点座標WS(X,Y)およびタッチペン43によって指定された終点座標WE(X,Y)を、対角の頂点とする矩形の領域であり、タッチペン43によって形成されたスクロールウィンドウの領域である。領域92は、スクロールによってスクロールウィンドウに表示されていたイメージを移動した後の領域であり、移動始点座標IS(X,Y)および移動終点座標IE(X,Y)を、対角の頂点とする矩形の領域である。
図24は、スクロールによるイメージの移動方向を説明するための図である。図24(a)は、スクロールウィンドウに表示されていたイメージを矢印Aの方向、つまり右下方向に移動した例である。スクロールウィンドウの領域91から、移動後のイメージの領域92aを除いた部分に、余白領域93aが形成される。この場合、X軸方向の移動量は、「−X」であり、Y軸方向の移動量は、「−Y」である。
図24(b)は、スクロールウィンドウに表示されていたイメージを矢印Bの方向、つまり左上方向に移動した例である。スクロールウィンドウの領域91から、移動後のイメージの領域92bを除いた部分に、余白領域93bが形成される。この場合、X軸方向の移動量は、「+X」であり、Y軸方向の移動量は、「+Y」である。余白領域93a,93bには、タッチペン43で文字や図形等を記入することができる。
図21を参照して、ステップC3では、制御部10は、始点から終点座標のイメージを画面下方向に移動する。すなわち、始点座標と終点座標とを対角の頂点とする矩形の領域に表示されていたイメージを、表示画面の下方向に移動する。ステップC4では、制御部10は、移動始点座標IS(X,Y)および移動終点座標IE(X,Y)を移動後の座標に更新する。ステップC5では、制御部10は、始点・終点座標記憶部21から始点座標WS(X,Y)および終点座標WE(X,Y)を読み出す。
ステップC6では、制御部10は、スクロールウィンドウの始点のX座標が移動後の始点のX座標以下であり、かつスクロールウィンドウの始点のY座標が移動後の始点のY座標以下であるとき、ステップC10に進む。スクロールウィンドウの始点のX座標が移動後の始点のX座標以下でないか、またはスクロールウィンドウの始点のY座標が移動後の始点のY座標以下でないとき、ステップC20に進む。
ステップC7では、制御部10は、始点から終点座標のイメージを画面上方向に移動する。すなわち、始点座標と終点座標とを対角の頂点とする矩形の領域に表示されていたイメージを、表示画面の上方向に移動して、ステップC4に進む。ステップC8では、制御部10は、始点から終点座標のイメージを画面左方向に移動する。すなわち、始点座標と終点座標とを対角の頂点とする矩形の領域に表示されていたイメージを、表示画面の左方向に移動して、ステップC4に進む。ステップC9では、制御部10は、始点から終点座標のイメージを画面右方向に移動する。すなわち、始点座標と終点座標とを対角の頂点とする矩形の領域に表示されていたイメージを、表示画面の右方向に移動して、ステップC4に進む。
ステップC10では、制御部10は、スクロールウィンドウの終点のX座標が移動後の終点のX座標以上であり、かつスクロールウィンドウの終点のY座標が移動後の終点のY座標以上であるとき、スクロールカーソル処理を終了する。スクロールウィンドウの終点のX座標が移動後の終点のX座標以上でないか、またはスクロールウィンドウの終点のY座標が移動後の終点のY座標以上でないとき、ステップC20に進む。
ステップC20では、制御部10は、始点座標と移動後の始点座標とから(X,Y)移動量を計算する。ステップC21では、制御部10は、計算した(X,Y)移動量、つまりX座標の移動量およびY座標の移動量を記憶部20に記憶する。
ステップC22では、制御部10は、X座標の移動量およびY座標の移動量からスクロールウィンドウ内の新たな描画領域(以下「余白領域」という)を追加する。座標が(−X,Y)の場合、切り出しイメージの左側に余白領域を追加する。移動量を表す移動量座標が(+X,Y)の場合、切り出しイメージの右側に余白領域を追加する。移動量座標が(X,−Y)の場合、切り出しイメージの上側に余白領域を追加する。移動量座標が(X,+Y)の場合、切り出しイメージの下側に余白領域を追加する。移動量座標が(−X,−Y)の場合、切り出しイメージの左側および上側に余白領域を追加する。移動量座標が(+X,+Y)の場合、切り出しイメージの右側および下側に余白領域を追加する。
移動量座標は、移動後の位置を起点とする移動前の位置の相対的な位置関係を表し、「−X」は、イメージがX軸方向の正方向、つまり右方向に移動したことを表し、「X」は、イメージがX軸方向に移動しなかったことを表し、「+X」は、イメージがX軸方向の負方向、つまり左方向に移動したことを表し、「−Y」は、イメージがY軸方向の正方向、つまり上方向に移動したことを表し、「Y」は、イメージがY軸方向に移動しなかったことを表し、「+Y」は、イメージがY軸方向の負方向、つまり下方向に移動したことを表す。
ステップC23では、制御部10は、移動量のX座標が「−X」となるか否かを判定する。移動量のX座標が「−X」となるとき、ステップC27に進み、移動量のX座標が「−X」とならないとき、ステップC24に進む。ステップC24では、制御部10は、移動量のY座標が「−Y」となるか否かを判定する。移動量のY座標が「−Y」となるとき、ステップC29に進み、移動量のY座標が「−Y」とならないとき、ステップC25に進む。ステップC25では、制御部10は、移動量のX座標が「+X」となるか否かを判定する。移動量のX座標が「+X」となるとき、ステップC31に進み、移動量のX座標が「+X」とならないとき、ステップC26に進む。ステップC26では、制御部10は、移動量のY座標が「+Y」となるか否かを判定する。移動量のX座標が「+Y」となるとき、ステップC33に進み、移動量のY座標が「+Y」とならないとき、スクロールカーソル処理を終了する。
ステップC27では、制御部10は、移動始点座標IS(X,Y)について、移動前の始点座標をそのまま新たな始点座標とする。ステップC28では、制御部10は、移動終点座標IE(X,Y)について、移動後の終点座標を新たな終点座標とし、ステップC24に進む。ステップC29では、制御部10は、移動始点座標IS(X,Y)について、移動前の始点座標をそのまま新たな始点座標とする。ステップC30では、制御部10は、移動終点座標IE(X,Y)について、移動後の終点座標を新たな終点座標とし、ステップC25に進む。ステップC31では、制御部10は、移動始点座標IS(X,Y)について、移動後の始点座標を新たな始点座標とする。ステップC32では、制御部10は、移動終点座標IE(X,Y)について、移動前の終点座標をそのまま新たな終点座標とし、ステップC26に進む。ステップC33では、制御部10は、移動始点座標IS(X,Y)について、移動後の始点座標を新たな始点座標とする。ステップC34では、制御部10は、移動終点座標IE(X,Y)について、移動前の終点座標をそのまま新たな終点座標とし、スクロールカーソル処理を終了する。
図25は、印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。図19に示したステップA17が実行されると、ステップD1に移る。
ステップD1では、制御部10は、タッチパネル41への接触を検出したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出すると、タッチパネル41への接触が検出されたと判定し、ステップD2に進む。制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出しないと、タッチパネル41への接触が検出されなかったと判定し、ステップD1に戻る。ステップD2では、制御部10は、接触位置を検出する。具体的には、制御部10は、位置検出部121からタッチペン43がタッチパネル41に接触した位置を受け取る。
ステップD3では、制御部10は、モード選択メニュー681で選択されたモードがMODE1であるか否かを判定する。制御部10は、位置検出部121から受け取った位置が、モード選択メニュー681のMODE1の位置であるとき、モード選択メニュー681で選択されたモードがMODE1であると判定し、ステップD11に進む。制御部10は、位置検出部121から受け取った位置が、モード選択メニュー681のMODE2の位置であるとき、モード選択メニュー681で選択されたモードがMODE1でないと判定し、ステップD4に進む。
ステップD4では、制御部10は、始点座標、終点座標および移動量を記憶部20から読み出す。ステップD5では、制御部10は、始点座標、終点座標および移動量から縮小サイズ、つまり縮小率を計算する。縮小率は、スクロールしたことによって余白領域が追加された領域の大きさを、タッチペン43で指定された始点および終点を対角とする矩形の領域の大きさにする縮小率である。縮小率は、X軸方向およびY軸方向についてそれぞれ計算する。
ステップD6では、制御部10は、スクロール部イメージを記憶部20に展開する。すなわち、スクロールしたことによって余白領域が追加された領域に表示すべき情報を、スクロール部イメージとして記憶部20に記憶する。ステップD7では、制御部10は、スクロールしたことによって余白領域が追加された領域に表示すべき情報を、ステップD5で求めた縮小率でX軸方向およびY軸方向に縮小する。
ステップD8では、制御部10は、スクロール部を除く全体のイメージを記憶部20に展開する。すなわち、制御部10は、表示画面全体に表示する情報のうち、スクロール部に表示すべき情報を除く残余の情報を、全体のイメージとして記憶部20に記憶する。ステップD9では、制御部10は、全体のイメージの中のスクロール部の領域に縮小イメージを合成処理する。縮小イメージは、ステップD7で縮小された情報のイメージである。ステップD10では、制御部10は、ファイル出力部26によって、合成したイメージを出力処理、たとえば印刷して、印刷処理を終了する。
ステップD11では、制御部10は、スクロール部を除く全体のイメージを記憶部20に展開する。すなわち、制御部10は、表示画面全体に表示する情報のうち、スクロール部に表示すべき情報を除く残余の情報を、全体のイメージとして記憶部20に記憶する。ステップD12では、制御部10は、全体のイメージの中のスクロール部の領域に、メッセージ「別表あり」の表記を追加する。ステップD13では、制御部10は、全体のイメージに、メッセージ「別表あり」を追加したイメージを、ファイル出力部26によって、出力処理、たとえば印刷する。
ステップD14では、制御部10は、スクロール部イメージを記憶部20に展開する。すなわち、制御部10は、スクロールしたことによって余白領域が追加された領域に表示すべき情報を、スクロール部イメージとして記憶部20に記憶する。ステップD15では、制御部10は、スクロール部イメージを出力処理、たとえば印刷して、印刷処理を終了する。
図26は、ファイル処理の処理手順を示すフローチャートである。図19に示したステップA18が実行されると、ステップE1に移る。
ステップE1では、制御部10は、タッチパネル41への接触を検出したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出すると、タッチパネル41への接触が検出されたと判定し、ステップE2に進む。制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出しないと、タッチパネル41への接触が検出されなかったと判定し、ステップE1に戻る。ステップE2では、制御部10は、接触位置を検出する。具体的には、制御部10は、位置検出部121からタッチペン43がタッチパネル41に接触した位置を受け取る。
ステップE3では、制御部10は、SAVE/OPEN選択メニュー701で選択されたモードがOPENであるか否かを判定する。制御部10は、位置検出部121から受け取った位置が、SAVE/OPEN選択メニュー701のOPENの位置であるとき、SAVE/OPEN選択メニュー701で選択されたモードがOPENであると判定し、ステップE13に進む。制御部10は、位置検出部121から受け取った位置が、SAVE/OPEN選択メニュー701のSAVEの位置であるとき、SAVE/OPEN選択メニュー701で選択されたモードがOPENでないと判定し、ステップE4に進む。
ステップE4では、制御部10は、ファイル操作メニューを表示する。具体的には、制御部10は、ファイル操作メニューとして、SAVEファイル指定ウィンドウ711を表示する。ステップE5では、制御部10は、キーボード入力があるか否かを判定する。制御部10は、キー制御部14からキーボード42による情報の入力があったことを知らされたとき、キーボード入力があると判定し、ステップE7に進む。すなわち、制御部10は、キーボード42によって、ファイル名指定欄713にファイル名の入力があったとき、ステップE7に進む。制御部10は、キー制御部14からキーボード42による情報の入力があったことを知らされなかったとき、キーボード入力がないと判定し、ステップE6に進む。
ステップE6では、制御部10は、ファイル番号+1をセットする。すなわち、制御部10は、ファイル名一覧欄712に表示されているファイル名のファイル番号うち最大の値に「1」を加算したファイル番号のファイル名をファイル名指定欄713に表示する。たとえば、図17(a)に示した例では、ファイル名「FILE0002」のファイル番号「0002」に「1」を加算したファイル名「FILE0003」をファイル名指定欄713に表示する。
ステップE7では、制御部10は、始点座標、終点座標、ウィンドウサイズをセットする。すなわち、制御部10は、始点座標WS(X,Y)および終点座標WE(X,Y)で表わされるスクロールウィンドウのウィンドウサイズを、スクロール座標記憶部22に記憶する。ステップE8では、制御部10は、スクロール部を除く全体イメージをセットする。すなわち、制御部10は、スクロール部を除く全体イメージをスクロール外画像記憶部23に記憶する。ステップE9では、制御部10は、スクロール部のイメージをセットする。すなわち、制御部10は、スクロール部のイメージをスクロール内画像記憶部24に記憶する。スクロール部を除く全体イメージは、領域外情報であり、スクロール部のイメージは、領域内情報である。
ステップE10では、制御部10は、タッチパネル41への接触を検出したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出すると、タッチパネル41への接触が検出されたと判定し、ステップE11に進む。制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出しないと、タッチパネル41への接触が検出されなかったと判定し、ステップE10に戻る。ステップE11では、制御部10は、接触位置を検出する。具体的には、制御部10は、位置検出部121からタッチペン43がタッチパネル41に接触した位置を受け取る。
ステップE12では、制御部10は、セーブを実行し、ファイル処理を終了する。すなわち、制御部10は、位置検出部121から受け取った位置が、SAVEファイル指定ウィンドウ711のSAVEボタン714の位置であるとき、スクロール座標記憶部22に記憶された始点座標WS(X,Y)および終点座標でWE(X,Y)、スクロール外画像記憶部23に記憶されたスクロール部を除く全体イメージ、ならびにスクロール内画像記憶部24に記憶されたスクロール部のイメージを、記憶部20のセーブ領域に記憶して、ファイル処理を終了する。
ステップE13では、制御部10は、ファイル操作メニューを表示する。具体的には、制御部10は、ファイル操作メニューとして、OPENファイル指定ウィンドウ721を表示する。
ステップE14では、制御部10は、タッチパネル41への接触を検出したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出すると、タッチパネル41への接触が検出されたと判定し、ステップE15に進む。制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出しないと、タッチパネル41への接触が検出されなかったと判定し、ステップE14に戻る。ステップE15では、制御部10は、接触位置を検出する。具体的には、制御部10は、位置検出部121からタッチペン43がタッチパネル41に接触した位置を受け取る。
ステップE16では、制御部10は、ファイル名を指定する。すなわち、制御部10は、ファイル名一覧欄722に表示されるファイル名のうち、位置検出部121から受け取った位置にあるファイル名が指定されたものとして、指定されたファイル名を選択ファイル名欄723に表示する。
ステップE17では、制御部10は、始点座標、終点座標、ウィンドウサイズをセットする。すなわち、制御部10は、記憶部20のセーブ領域から、始点座標WS(X,Y)および終点座標でWE(X,Y)を読み出して、スクロール座標記憶部22に記憶する。ステップE18では、制御部10は、スクロール部を除く全体イメージをセットする。すなわち、制御部10は、記憶部20のセーブ領域から、スクロール部を除く全体イメージを読み出して、スクロール外画像記憶部23に記憶する。ステップE19では、制御部10は、スクロール部のイメージをセットする。すなわち、制御部10は、記憶部20のセーブ領域から、スクロール部のイメージを読み出して、スクロール内画像記憶部24に記憶する。
ステップE20では、制御部10は、タッチパネル41への接触を検出したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出すると、タッチパネル41への接触が検出されたと判定し、ステップE21に進む。制御部10は、接触検出部123がタッチパネル41にタッチペン43が接触したことを検出しないと、タッチパネル41への接触が検出されなかったと判定し、ステップE20に戻る。ステップE21では、制御部10は、接触位置を検出する。具体的には、制御部10は、位置検出部121からタッチペン43がタッチパネル41に接触した位置を受け取る。
ステップE22では、制御部10は、オープンを実行して、ファイル処理を終了する。すなわち、制御部10は、位置検出部121から受け取った位置が、OPENファイル指定ウィンドウ721のOPENボタン724の位置であるとき、スクロール外画像記憶部23に記憶されたスクロール部を除く全体イメージを表示部40の表示画面に表示するとともに、スクロール座標記憶部22に記憶された始点座標WS(X,Y)および終点座標WE(X,Y)を対角の頂点とする矩形の領域に、スクロールウィンドウを形成し、スクロールウィンドウ内に、スクロール内画像記憶部24に記憶されたスクロール部のイメージを表示して、ファイル処理を終了する。
このように、表示部40は、表示画面を有し、情報を表示画面に表示する。タッチペン43は、表示画面の表示領域内に矩形領域を指定する。そして、制御部10は、表示画面の表示領域のうちタッチペン43によって指定された矩形領域を除く残余の領域に表示されている矩形領域外情報、つまりスクロール部を除く全体イメージの表示状態を維持したままで、タッチペン43によって指定された矩形領域内に表示されている矩形領域内情報、つまりスクロール部のイメージを、該矩形領域内でスクロール可能に表示部40に表示させる。したがって、表示画面内の任意の位置に新たな表示領域を確保することができる。
さらに、スクロールカーソルは、前記矩形領域内情報を前記矩形領域内でスクロールさせる。タッチペン43は、前記矩形領域内に情報を入力する。そして、制御部10は、スクロールカーソルが矩形領域内情報をスクロールすると、前記矩形領域内に空白部分を形成し、該空白部分が形成されたとき、タッチペン43によって情報が入力されると、入力された情報を前記空白部分に表示する。したがって、新たに確保した表示領域に文字等を記入することができる。
さらに、ファイル出力部26が、前記表示画面に表示される情報を印刷するに際して、そして、制御部10は、前記矩形領域内情報およびタッチペン43によって前記空白部分に入力された情報を、前記矩形領域外情報とは分離して、ファイル出力部26に印刷させる。したがって、矩形領域内の情報を分離して印刷するので、文字等が縮小されて見難くなることがない。
さらに、制御部10は、前記矩形領域外情報をファイル出力部26に印刷させるとき、前記矩形領域内情報およびタッチペン43によって前記空白部分に入力された情報が、前記領矩形域外情報とは分離して印刷される旨を、前記矩形領域外情報に追加して印刷するようにファイル出力部26を制御する。したがって、分離されて印刷されることが明示されるので、矩形領域内に表示されていると誤解することを防止することができる。
さらに、ファイル出力部26が、前記表示画面に表示される情報を印刷するに際して、そして、制御部10は、前記矩形領域内情報およびタッチペン43によって前記空白部分に入力された情報を、前記矩形領域内に入る大きさに縮小し、縮小した情報を前記矩形領域内に印刷するようにファイル出力部26を制御する。したがって、矩形領域内の情報も矩形領域外の情報と同じ頁に印刷されるので、矩形領域外の情報との位置関係を容易に理解することができる。
さらに、ファイル出力部26が、前記表示画面に表示される情報を印刷するに際して、タッチペン43は、前記矩形領域内情報およびタッチペン43によって前記空白部分に入力された情報を、前記矩形領域外情報とは分離して表示するか、前記矩形領域内に表示するかを選択する。そして、制御部10は、タッチペン43によって、前記矩形領域外情報とは分離して表示することが選択されたとき、前記矩形領域内情報およびタッチペン43によって前記空白部分に入力された情報を、前記矩形領域外情報とは分離して印刷し、タッチペン43によって、前記矩形領域内に表示することが選択されたとき、前記矩形領域内情報およびタッチペン43によって前記空白部分に入力された情報を、前記矩形領域内に入る大きさに縮小し、縮小した情報を前記矩形領域内に印刷するように、ファイル出力部26を制御する。したがって、文字の大きさと矩形領域外の情報との関係とを考慮して、分離して印刷するか、矩形領域内に印刷するかを選択することができる。