JP5683195B2 - 車両のシート支持構造 - Google Patents
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Description
ところで、運転者シートの後方に荷台が備えられているタイプの車両では、車両レイアウト上の必要から運転者シートの下方に燃料タンクを配置する場合がある。
燃料タンクは、一定の大きさを確保する必要があるため、燃料タンクの上に運転者シートを配置するとシートの上面高さが高くなり易い。
しかし、足つき性の観点からシート上面の高さを低くすることが求められる。
請求項3に係る発明は、荷重受け部の前方には、前半部の上面に、車幅方向左右に2箇所配置されるサブ荷重受け部を設け、荷重受け部の厚さは、サブ荷重受け部の厚さよりも大きいことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、シートの底板は、前半部の上面と後半部の上面とを接続する傾斜面に沿うように後下方に傾斜することを特徴とする。
従って、本発明によれば、良好な乗り心地を確保しつつシート上面の高さを低くすることができる。
図1に示されているように、車両としての自動二輪車10に、ヘッドパイプ11と、このヘッドパイプ11から斜め後下方に延ばされるメインフレーム12と、このメインフレーム12の後端部に車幅方向に延ばされているフロントクロスフレーム13と、ヘッドパイプ11から車幅方向左右外方へ延ばされ、フロントクロスフレーム13の左右両端部に連結された後、車両後方へ延ばされ、中間部14にて、車両後方斜め上方へ延ばされた後、車両後方水平へ延ばされる左右のサイドフレーム15L、15R(図手前側の符号15Lのみ示す。)と、中間部14に付設され車幅方向左右にピボット軸16が渡される左右のピボットプレート17L、17R(図手前側の符号17Lのみ示す。)と、中間部14の車両後方で左右のサイドフレーム15L、15Rの後端部の間に渡される中間クロスフレーム19と、左右のサイドフレーム15L、15Rの後端部の間に渡されるリヤクロスフレーム18と、を主要素とする車体フレーム20が設けられ、ヘッドパイプ11の下方にてヘッドパイプ11に回動可能にフォーク部材31が設けられ、ヘッドパイプ11の上方にてヘッドパイプ11に回動可能にフォーク部材31と一体化した操向ハンドル32が設けられ、ピボット軸16に揺動自在にエンジン33及び変速機34を含むパワーユニット35が設けられ、このパワーユニット35と左サイドフレーム15Lの後部の間に、クッションユニット36が介在されている車両である。
前輪45と後輪46の間には、運転者が足を置くステップフロア47が設けられ、このステップフロア47の前方に風よけとしてのレッグシールド48が設けられ、ステップフロア47の後方でレッグシールド48に対向する位置に乗員シート49(シート49)が設けられている。地面からシート49の上面高さをHHとする。
このシート49は、中間クロスフレーム19及び左右のサイドフレーム15L、15Rによって支持されている燃料タンク51の上面52を覆うように取付けられている。
図2に示されているように、中間クロスフレーム19に燃料タンク51を支持する前タンクステー81が固着され、この前タンクステー81に締結部材82を介して燃料タンク51の前部が支持されている。また、左右のサイドフレーム15L、15Rに、各々、左右の後タンクステー83L、83R(図手前側の符号83Lのみ示す。)が固着され、これらの左右の後タンクステー83L、83Rに締結部材84、84(図手前側の符号84のみ示す。)を介して燃料タンク51の後部が支持されている。燃料タンク51の上面に、タンクカバー85が取付けられている。
メインシートストッパ用座101の車両前方側の位置でシートの底板97から下方へサブシートストッパ用座103が延ばされ、このサブシートストッパ用座103にサブシートストッパ104が取付けられている。
メイン荷重受け部108の面積は、サブ荷重受け部107の面積よりも大きく、メイン荷重受け部108でサブ荷重受け部107よりも大きな荷重を受けることができる。
図3に示されているように、シート支持用弾性部材を構成するメインシートストッパ102は、左メインシートストッパ102Lと右メインシートストッパ102Rとからなり、車幅方向左右に一対設けられている。左右のメインシートストッパ102L、102Rは、燃料タンクの後半部上面(図2、符号106)に当たる部材である。左のメインシートストッパ102Lは、芯部116と、この芯部116の上端部に形成され底板97に係合する鍔部117と、芯部116の上端部に形成される中空部118と、芯部116の下端部に形成されメイン荷重受け部(図2、符号108)に当たる内吸盤部119と、芯部116からその径方向に延ばされ内吸盤部119の外側に同心円状に形成されメイン荷重受け部(図2、符号108)に当たる外吸盤部121と、からなる。
なお、右のメインシートストッパ102Rは、左のメインシートストッパ102Lと同一の材質及び形状を有するものであり説明を省略する。
なお、本図には、図2の3−3線断面図の位置であって、メインシートストッパ102が燃料タンクの上面に接触せず荷重が加わっていないメインシートストッパ102の状態が示されている。
右のサブシートストッパ104Rは、左のサブシートストッパ104Lと同一の材質及び形状を有するものであり説明を省略する。
なお、本図には、図3の4−4線断面図の位置であって、サブシートストッパ104が燃料タンクの上面に接触せず荷重が加わっていないサブシートストッパ104の状態が示されている。
図5に示されているように、タンクカバー85は、シート支持用弾性部材を構成する左右のサブシートストッパ(図4、符号104L、104R)が通る左右のサブ開口112L、112Rと、これらの左右のサブ開口112L、112Rの車両後方に配置されサブ開口112L、112Rの車両後方に配置され左右のメインシートストッパ(図3、符号102L、102R)が通る左右のメイン開口111L、111Rと、左右のメイン開口111L、111Rの間に配置され、給油口113に対応する位置に開けられる燃料開口131と、この燃料開口131の周囲に燃料開口131を囲うように形成される壁部132と、サブ開口112の間で車両幅方向中心側に上方に膨出され後述する燃料ポンプ133の上方を覆うポンプカバー凸部135と、このポンプカバー凸部135から車両斜め右前方に延ばされ燃料ポンプ133の後部から延ばされ燃料ホース136の上方に位置し上方に膨出されるホースカバー凸部137と、ポンプカバー凸部135から車幅方向右側に延ばされ燃料ポンプ133から延びるハーネス139の上方に位置し上方に膨出されるハーネスカバー凸部138とを有する。
図6に示されているように、タンクカバー85に、燃料タンクの給油口(図5、符号113)に対応する位置にて燃料開口131が形成され、この燃料開口131を囲うように、タンクカバーの上面86に壁部132が立設され、この壁部132で囲われる領域に、フューエルトレー146が形成されている。
図7に示されているように、燃料タンク51の前部で車幅方向中心部にエンジン(図1、符号33)へ燃料を供給する燃料ポンプ133がリテーナ部材151で押さえられ、このリテーナ部材151の上方から複数の締結部材152により燃料タンク51に締結されている。
メイン荷重受け部108は、左メイン荷重受け部108Lと右のメイン荷重受け部108Rとからなり、後半部の上面(後部上面106)に、車幅方向左右に2箇所配置され、燃料タンクの給油口113は、左右のメイン荷重受け部108L、108Rの間に配置される。
サブ荷重受け部107は、左のサブ荷重受け部107Lと右のサブ荷重受け部107Rとからなり、前半部の上面(前部上面105)に車幅方向左右に2箇所配置されている。
図2に戻って、燃料タンクの前半部95の燃料タンクの底からの上面高さ(H1)は、後半部96の同様な上面高さ(H2)に較べて高く(H2<H1)設定されている。この後半部の上面(後部上面106)にシート支持用弾性部材からの荷重を受けるメイン荷重受け部108が設けられている。燃料タンクの前半部95の高さ(H1)に較べて燃料タンクの後半部96の高さ(H2)を低くしたので、高さ方向に所定の厚みが必要なシート支持用弾性部材(メインシートストッパ102)を配置することができる。従って、シート49のクッション厚さを容易に確保することができるようになる。
従って、本発明によれば、良好な乗り心地を確保しつつ、地面からのシート上面の高さ(図1、符号HH)を低くすることができる。
タンクカバー85で燃料タンクの上面52を広範囲に覆うことができるので、燃料タンク上面52の外観性を高めることができる。また、シート支持用弾性部材であるメインシートストッパ102及びサブシートストッパ104の位置に対応する位置に開口111L、111R、112L、112Rが形成されているので、シート49に荷重がかかったときに、メインシートストッパ102及びサブシートストッパ104は燃料タンクの上面52に当たることになる。従って、タンクカバー85に力がかかる心配はない。
シート底板97のたわみの少ない位置に燃料ポンプ133を配置することができるので、シート底板97と燃料ポンプ133とのクリアランスを最小限にすることができる。
図8に示されているように、燃料タンク51の上面に取付けられ燃料タンク51を覆うタンクカバー85は、シート支持用弾性部材を構成する左右のサブシートストッパ(図4、符号104L、104R)が通る左右のサブ開口112L、112Rと、これらの左右のサブ開口112L、112Rの車両後方に配置されサブ開口112L、112Rの車両後方に配置され後述する左右のメインシートストッパ(図9、符号102L、102R)が通る左右のメイン開口111L、111Rを有する。
実施例1と大きく異なる点は、左右のメイン開口111L、111Rの形状が長円状を呈し、この長円の長軸が車両前方に開放されるハ字状となるような向きに配置されている点と、それに伴い、フューエルトレー146の形状が異なっている点にある。その他、大きく異なる点はなく説明を省略する。以下、実施例1と異なる形状をもつメインストッパ及びその支持部の構造について説明する。
左右のメインシートストッパ102L、102Rは、各々、下から見たときに長円状を呈する弾性体で構成されており、燃料タンク51にシート49を載置したときに、左右のメイン開口111L、111Rを通って燃料タンク51のメイン荷重受け部108L、108Rに当接する。
上記左右のメインシートストッパ102L、102Rによって、燃料タンク51のキャップとシートの底板97との間に所定のクリアランスが確保される。
請求項1では、燃料タンクの上面を覆うタンクカバーを省くことは差し支えない。
請求項2では、タンクカバーに形成されているフューエルトレーを省くことは差し支えない。
Claims (4)
- 車体にヒンジ(90)を介してシート(49)を開閉可能に取付け、このシート(49)を上方に開けたときにシート(49)下方に配置される燃料タンク(51)に燃料の補給ができるようにし、このシート(49)を降ろしたときにこのシートの底板(97)に設けたシート支持用弾性部材(102)を、前記燃料タンクの上面(52)に形成された荷重受け部(108)に当て、この荷重受け部(108)で前記シート(49)に着座した運転者の荷重を支えるようにした車両のシート支持構造において、
前記燃料タンク(51)は、車両に載せたときに、車両前側に位置する前半部(95)と、この前半部の後方に位置する後半部(96)とからなり、
前記荷重受け部(108)は、前記前半部(95)の上面(105)の高さよりも低い高さに設定される前記後半部の上面(106)に、車幅方向左右に2箇所配置され、
前記燃料タンクの給油口(113)は、前記左右の荷重受け部(108)の間に配置され、
前記燃料タンクの上面(52)は、タンクカバー(85)で覆われ、このタンクカバー(85)に、前記シート支持用弾性部材(102)の位置に対応する位置にて開口(111)が形成され、
前記タンクカバー(85)に、前記給油口(113)からこぼれた燃料を受けるフューエルトレー(146)が形成されており、このフューエルトレー(146)は、車両平面視で、前記開口(111)のうちの左右一方の開口の前方を通るように略L字状又は略T字状に形成されていることを特徴とする車両のシート支持構造。 - 前記前半部の上面(105)に燃料ポンプ(133)が取付けられ、この燃料ポンプ(133)から燃料ホース(136)又は電装ケーブル(139)が延ばされ、前記燃料ホース(136)又は電装ケーブル(139)は、前記開口(111)のうちの左右他方の開口の前方を通るように配索されていることを特徴とする請求項1記載の車両のシート支持構造。
- 前記荷重受け部(108)の前方には、前記前半部の上面(105)に、車幅方向左右に2箇所配置されるサブ荷重受け部(107)を設け、前記荷重受け部(108)の厚さは、前記サブ荷重受け部(107)の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項記載の車両のシート支持構造。
- 前記シート(49)の底板(97)は、前記前半部(95)の上面(105)と前記後半部(96)の上面(106)とを接続する傾斜面(109)に沿うように後下方に傾斜することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両のシート支持構造。
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