JP5682871B2 - 卓上精米器および精米方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、玄米を攪拌、対流させて精米するタイプの卓上精米器に関し、特に、白度、糠切れが良好で、且つ砕米を少なくし得る卓上精米器に関する。
精米前の玄米は中から胚乳、うまみ層(亜糊粉層)、糠層(肌糠、種皮、表皮等)となっており、精米して白米とすると肌糠を除いた糠部分が取り除かれる。その後、水で研ぐと残りの肌糠も落ちるがうまみ層までも落ちてしまう可能性が出る。水で研ぐ作業を軽減してうまみ層を残すためにも精白米の理想的な仕上がり状態は、玄米表面を均一に精米して糠層のみを取り除きその下の胚乳表面にあるうまみ層(亜糊粉層)を残すことである。
精米不足により糠が残った状態では、糠臭さや艶が無いなどにより美味しさを感じ難くなる。またこの状態で保存しておくと酸化が早まり、炊飯後に保温しておくとご飯が黄ばんだりする。また、精米し過ぎ(精米過多)の場合は、旨味・ご飯特有の甘味を感じ難くなり同様に美味しさを感じ難くなる。従ってうまみ層を残した最適な精米に仕上げるために精米工場や小売店では、玄米の品種、温度、水分や環境温度・湿度により長年の経験と勘、視覚、触覚により業務用精米器を微妙に調整して、いわば職人技で精米している。
回転羽根を使用して、その回転羽根の回転により精米する家庭用精米器も従来より種々提案されている。そのような家庭用精米器の場合には、基本的に精米する米の量に応じた設定(調整)であり、精米量に対応した駆動時間を予めプログラミングしたもの、あるいは記憶装置に予め記憶させたものであって、電動機の駆動パターンが単位時間の回転数を感知して制御回路にフィードバックして一定の回転速度となるように制御する、いわゆるクローズドループ(閉ループ)制御によるものと、フィードバックを行わない、いわゆるオープンループによる制御のものがある。オープンループによる場合は精米初期の負荷が重い状態から精米終期の負荷が軽くなる状態に掛けて精米羽根の回転数が変動(増速)する。
従来の家庭用精米器として、例えば特開2002−282718号に開示された卓上精米器について図16〜図20を参照して説明する。図16はこの卓上精米器の要部断面図であり、図17はこの卓上精米器の要部展開図である。本体ケース11内には糠ボックス6、精米かご5、精米羽根回転体9が着脱自在に収容され、精米羽根回転体9は、精米かご5の底部を貫いて起立する駆動軸16の軸16aと嵌合している。駆動軸16の他方の軸は駆動プーリー25に連結され、内蔵されたモータ10の回転駆動力は、モータプーリー12、駆動ベルト13、駆動プーリー25、駆動軸23a、下カップリング20、上カップリング19からなる駆動機構によって精米羽根回転体9へと伝達され、精米羽根回転体9がその駆動軸16を軸として回転するようにしている。精米羽根回転体9には、その回転軸の中心から外側に延在する精米羽根9aを有しており、精米羽根回転体9の軸回転により、精米羽根9aが精米かご5の内部で回転移動するようにしている。3は精米される玄米を投入後、糠ボックス6、精米かご5を覆うと共に、本体ケース11に施蓋される蓋体であり、7は、精米開始/停止ボタン、精米量や分搗き度合い・胚芽米など所望の精米度を設定する操作部が装備された操作パネルで、操作部の入力に応じて内蔵された制御回路にメモリされた所定の駆動マップでモータ10を駆動する。図17は、精米部を構成する精米羽根回転体9、精米かご5、糠ボックス6、駆動軸16および駆動軸への駆動を伝動するための手段の展開斜視図であり、精米羽根回転体9、精米かご5、糠ボックス6は、それぞれ着脱自在に構成され本体ケース11に収容されるようになっている。尚、図17では駆動軸23a、上カップリング19、下カップリング20は省略されている。精米時には、糠ボックス6、精米かご5、精米羽根回転体9を本体ケース11内にセットした状態で、所望の量の玄米を精米かご5内に投入し、蓋体3を施蓋した状態で操作部より精米開始を指示することで精米が行なわれる。
特開2002−282718号
従来は、精米開始から精米終了まで精米羽根の回転速度はほぼ一定(例えば、5合であれば2000回転/分前後)で行なわれ、精米に要する時間も5合であれば5分〜5分30秒は要していた。このことは一見安定した精米品質が得られるように見られるが、撹拌式の場合撹拌すればするほど歩留り(精米率=玄米重量に対する精米終了後の重量比)が悪くなり、砕米の虞が高くなる。また精米時間の経過と共に米の温度が上がり玄米の水分量が多ければ多いほど米割れの問題も出る。精米羽根の回転速度をほぼ一定にして精米時間を短くすれば、糠が取りきれなく糠切れが悪い精米品質となる。このことから使用される玄米の水分量等の状態に応じて極力精米時間を短くしつつ且つ糠切れも良い精米品質が求められる。また従来の精米かご5は、図17にも見られるように上方から下方までほぼ同内径の円筒状であるため、精米羽根により精米かご5の底部で遠心力により飛ばされた米粒は、急勾配となっているかごの内周壁面に沿って上方へ押し出されるため、米粒が受ける衝撃が強すぎ砕米が発生し易くなっていた。さらに、従来の精米羽根回転体9の側面図を表した図18で示したように、精米羽根9aは精米かご5の底面に対して傾斜(傾斜角α、0度<α<90度)して配設されているため、米粒は精米かご5の斜め上方に押しやられ、かごの内周壁で擦り付けられる搗精圧力が不足し、白度が出難くなる。また精米時間が長くなり、精米過多や砕米が発生し易い。また、精米量が少ない場合は、米粒は精米かごの上方に飛ばされたり蓋体に衝突したりするため砕米が発生し易くなる。
玄米には、未熟米や変色米等の不良米が混入している場合もあるために、このような不良米を精米時に効率的に取り除く必要もある。さらに、仕上げ精米は、精米後の洗米過程の品質を決めるうえでも重要である。洗米は、通常肌糠以外の糠部分が取り除かれた白米に対して、うまみ層(亜糊粉層)を維持しながらその上の肌糠層のみを落とす作業である。しかし、精米が十分でなくて白米に肌糠以外の糠が残っていたり、白米表面の精米が不均一であったりすると、洗米で肌糠のみを取り除くことが不可能となり、過度な洗米をしたり、あるいは肌糠が残り、米の食味が低下する原因となる。一方、精米を過度に行うと、うまみ層までを傷つけたりして、本来の米の味が損なわれる。
従って、本願発明の目的は、家庭用の撹拌対流式の精米器において、白度や糠切れが良好で砕米も少なく、白米表面の精米が均一で洗米も容易となる品質の良い精米を短時間の精米動作で得ることを目的とする。
このような目的を達成するために、請求項1による発明は、容器内に収容された玄米を当該容器内で回転可能に軸支された攪拌部材の回転によって攪拌しながら精米する卓上精米器あって、精米量と精米度に応じて玄米を攪拌する攪拌部材の回転度合いと攪拌時間が規定され、精米期間中比較的高速に攪拌部材を回転させて玄米表面を削り落とす処理と、比較的低速で攪拌部材を回転させて米の表面を磨く作用を米に与えることで糠切れを向上させる仕上げ処理と、それらの2つの処理の間に介在して前記攪拌部材の速度の間の速度で攪拌部材を回転させて精米する中間処理と、を含む精米処理の機能を有する卓上精米器を提供する。
また、本発明の請求項2による卓上精米器は、上記請求項1の発明において、白米への精米および玄米から白米の間の精米の複数の精米度のコースが規定されている。
また、本発明の請求項3による卓上精米器は、上記発明において、攪拌部材がハンチングを防止するために径方向に4つ延設されている。
また、本発明の請求項4による卓上精米器は、上記発明において、前述の精米処理において、撹拌部材の回転速度が継続的または段階的に逓減され、若しくは継続的な逓減と段階的な逓減が組み合わされている。
さらに、請求項5による発明は、容器内に収容された玄米を当該容器内で回転可能に軸支された攪拌部材の回転によって攪拌しながら精米する方法であって、攪拌部材を比較的高速に回転させて玄米表面を削り落とすステップと、攪拌部材の回転速度を下げて精米を継続するステップと、攪拌部材の回転を更に下げて米の表面を磨く作用を米に与えることで糠切れを向上させる仕上げのステップと、を含む精米方法を提供する。
実施例に記載の発明によれば、精米開始時には比較的高速の回転で精米し、その後はより低速の回転で精米すること、より具体的には、精米開始後のある期間は精米羽根の回転速度を一定にし、その後継続的に減少させたり、あるいは精米時の精米羽根の回転速度を複数の区分に分けて、その区分に応じて回転速度を段階的に変化させて減少させるようにしたので、玄米の胚乳やうまみ層を傷つけることなく糠層を短時間で払拭可能となる。即ち、精米初期の段階では高速回転でかつ比較的短い時間で、一気に玄米表面を削り落とすように精米を行なう。この初期の段階では糠層が高速回転時の衝撃力を吸収し剥離するので、砕米は発生しにくい。また、玄米には、未熟米や変色米等の不良米が混入している場合もあるが、このような不良米は、良米に比べてもろいことから、初期の高速回転により不良米が粉砕され、その初期段階あるいはその後の精米段階で精米かごを通過して糠ボックスへと収納されやすくなり、良米のみを精米かごで精米することができる。但し、そのまま高速回転を続けると良米に対しても砕米が発生するので次の第2段階では回転速度を次第に落としたり、あるいは、最初の段階の高速回転より低い中速回転で精米を行う。この第2段階では最初の段階より時間を長めにすることが好ましい。回転速度を落とすことにより米の回り方(米粒個々の自転方向)が変わるので、米表面を均一に精米できる。例えば、継続的に回転数を減じることで、その減少過程で米自身の多様な回転や、精米かご内での米の対流の変化をもたらすために、米どうしの衝突や精米かごの網目部分によって糠が削り取られやすくなり、適度に均質な精米が可能となる。段階的に回転数を落とす場合、好ましくは、第2段階の後にさらに回転速度を落として低速回転とした、第3段階の精米を行う。この第3段階では低速回転で優しく米表面を磨くように仕上げの精米工程となる。この第3段階では低速回転により糠を削り取るというより、米の表面を磨くような作用が生じ糠切れも向上する。一方、継続的に回転数を落とす場合にも、精米工程が最終に向かう過程の比較的低速になった精米羽根の回転によって、過度に精米される危険を避けながら、上記第3段階で行うような仕上げ精米を行うことが可能となる。このように精米開始から精米終了まで精米羽根の回転速度を、精米量や精米度によって、例えば、2段階や3段階の複数に区分して段階的に減少させたり、2段階目を次第に減少させたりしたので、米の自転方向が変わり満遍なく均一に精米できるので、精米時間が短縮できて省エネになると共に精米の質が向上する。更に、米の温度も過度に上がらず砕米も増えないのでより精米品質が向上するのである。
実施例に記載の発明によれば、白米コースと胚芽米コースをさらに標準精米、強めの精米、弱めの精米の各コースで精米可能にしたので、使用する玄米の状態に応じて良好な品質の白米または胚芽米を得ることができる。即ち、玄米の状態(品種、品質、保存状態、保存期間)により精白度が変わるので標準精米を基準として回転数や時間を加減して強めの精米コース又は弱めの精米コースを設定することで所望の精米が可能となる。例えば、硬度の高い玄米や古米などの含水率の低い玄米は精米し難いので、強めの精米コースで精米を行い、硬度の低い玄米や新米などの含水率の多い玄米の場合は弱めの精米コースで精米を行うようにすると良い。
実施例に記載の発明によれば、精米羽根の回転速度を制御することで、一般的に分搗きコースの常套手段である3分搗き、5分搗き、7分搗きの各分搗きコースの他に、2分搗きと8分搗き、さらに3分搗き、5分搗き、7分搗きの中間コースである4分搗き、6分搗きの分搗きコースでも精米可能となる。このように分搗きの精度を上げることができるので、分搗きコースを細分化して多彩な分搗き米を得ることができる。尚、偶数の分搗きコースを設ける代わりに、白米コースや胚芽米コースと同様に3分搗き、5分搗き、7分搗きの各分搗きコースに、それぞれ標準精米、弱めの精米、強めの精米コースを設けても良い。このようにすることで、請求項6と同様に品質の良い分搗き米が得られると共に、3分搗き、5分搗き、7分搗きの略中間の精米度を持つ米、即ち2分搗き、4分搗き、6分搗き、8分搗きとほぼ同程度の精米度を持つ米を得ることも可能となる。
実施例に記載の発明によれば、精米羽根の回転により水平方向に押し出された米粒が精米かごの内周壁をスパイラル状に上昇するときに作用する米粒への衝撃が、上方に拡径した精米かごの形状により緩和されるので、砕米の発生が抑制できる。さらに、精米かごの低部の内径が上方の内径に比して小さいので、精米羽根による搗精圧力が機能し白度が向上する。
実施例に記載の発明によれば、精米羽根の米粒を押圧する面が、精米かごの底面に対してほぼ垂直になるように配設したので、少ない精米量(例えば1合)の場合であっても、米粒が精米かごの上方に飛散することなく、精米かごの周壁に米粒を押し付ける力が増し、搗精圧力が向上して白度が向上する。また、請求項11記載の発明のように、精米羽根の高さは最低許容精米量(例えば、1合から5合用までの精米器であったならば、1合が最低許容精米量である)を投入した時ほぼ埋まるように構成するのがより好ましい。
実施例に記載の発明によれば、精米羽根を周方向に略等間隔で、3枚から5枚の間で任意に配置できるので、特に低速回転時における各羽根の間に精米中の米粒が落ちることにより、精米羽根の揺動に起因する器体の振動(ハンチング現象)を抑制することができる。
実施例に記載の発明によれば、センサにより回転駆動を間接又は直接に監視し、精米羽根回転体の回転速度を制御できるので、正確に所望の回転速度で精米羽根回転体を回転させることができ、精米動作をより精度よく行うことができる。
実施例に記載の発明によれば、糠ボックスは卓上精米器本体に着脱可能に収容され、精米かごは糠ボックスに着脱可能に収容されると共に軸回転動力を精米かごの外部から内部へ伝達する駆動軸を有し、該駆動軸に精米羽根回転体が着脱可能に嵌合しているために、精米終了後に精米羽根回転体を取り外しても精米かごが粒密に構成されているので米のこぼれがなく、精米かご内の米をそのままの状態として水をかけて洗米することも可能であり、更に、糠ボックスを取り出してその中の糠を簡単に取り出すことができ、洗浄等のメンテナンスが容易である。
本発明による卓上精米器の実施例の全体の外観を示す斜視図である。 図1の卓上精米器の上面図である。 図1の卓上精米器の操作パネル部の拡大図である。 図2の卓上精米器の図2の線IV−IVに沿った断面図である。 図3の卓上精米器の断面図において要部を分解した状態の図である。 図2の卓上精米器の断面図の一部拡大図である。 図1の卓上精米器における精米羽根回転体9の羽根9aの角度を説明するための側面図である。 図1の卓上精米器における精米かご5の金網の構成例を示す図である。 図1の卓上精米器の精米動作を説明する精米器の要部断面図である。 図1の卓上精米器に用いられる精米羽根回転体9を精米かご5に装着した状態を示す要部透視斜視図である。 本発明で用いられる第1の例による略臼型形状の精米かご5とその精米かご5に設置された精米羽根回転体9の状態の寸法関係を説明するための図である。 本発明で用いられる第2の例による略逆切頭円錐状の精米かご50とその精米かご50に設置された精米羽根回転体9の状態の寸法関係を説明するための図である。 本発明で用いられる精米羽根回転体の第1の変形例の全体斜視図である。 本発明で用いられる精米羽根回転体の第2の変形例の全体斜視図である。 本発明で用いられる精米羽根回転体の第3の変形例の全体斜視図である。 本発明で用いられる精米羽根回転体の第4の変形例の全体斜視図である。 図1の卓上精米器における制御回路ボックス内の制御回路の構成例を示すブロック図である。 本発明の卓上精米器における精米羽根の第1のパターンの回転速度制御を説明するためのグラフである。 本発明の卓上精米器における精米羽根の第2のパターンの回転速度制御を説明するためのグラフである。 従来の卓上精米器の要部断面図である。 図16の従来の卓上精米器における要部分解斜視図である。 図16の従来の卓上精米器に用いた精米羽根の角度を説明するための図である。 従来の卓上精米器における胚芽米モードの精米時間を示した表である。 従来の卓上精米器における白米モードの精米時間を示した表である。
以下に、本発明による卓上精米器の実施例の基本構成を図1から図14までを参照して説明する。
図1は本実施例の卓上精米器1の全体の斜視図を示し、図2Aは卓上精米器の平面図を示し、図2Bは図2Aの卓上精米器の操作パネル7の拡大図を示している。図3は図2AのIV−IVに沿った要部断面図である。
図1から図3において、本発明による卓上精米器1は、本体ケース11、本体ケースから底に続く底蓋14、本体ケース11の上部に設けられた上蓋3を有している。本体ケース11、底蓋14そして上蓋3はともに例えばABS樹脂から成型して作ることができる。上蓋3は、図3の断面図に見られるように、外側フレーム4aと内側フレーム4b、そして該フレーム4a,4bに取り付けられた取っ手3a、そして、フレーム4a,4bに挟まれたガラス又はアクリル樹脂からなる透明な窓2を有する。フレーム4a,4bおよび取っ手3aは一体的に成型可能である。底蓋14の底部にはすべりを防止するためのゴム足15が取り付けられている。卓上精米器1内部からは、電源プラグ28を末端に有した電源コード27が外に延びている。
図2Bを参照すると、操作パネル(操作部)7は、精米動作の開始、停止(スタート/ストップ)を指示するための運転/停止ボタン70、精米する玄米の量(例えば1合〜5合)を設定するための精米量設定手段である精米量設定ボタン72、及び胚芽を残した精米を行う胚芽コースや精米する米の精白度を設定して分搗き米や精白米を生成するための精米度(精白度)設定手段である精米調整(精米度設定)ダイヤル71を有する。精米量設定ボタン72の近傍には複数のLEDランプ73が設けられている。その複数のランプ73のそれぞれには、対応する精米量が、1合から5合まで合単位で印字されており、精米量設定ボタン72が押されると、設定された米量に応じて複数のLEDランプ73のうちのいずれかが点灯して設定した米量を認識できるようになっている。
精米度設定手段は、本実施例では無段階に調整可能なダイヤル式を採用しており、ダイヤル71の周囲には、精米調整をおこなうために、複数の目盛がふってある。例えば、本実施例による卓上精米器1では、胚芽コースにおける弱精米(弱めの精米)コース、標準精米コース、強精米(強めの精米)コースの3段階を示す目盛、2分搗き(精白度20%)から8分搗き(精白度80%)までの分搗き米コースを示す目盛のほか、白米(精白度100%)を生成するための弱精米(弱めの精米)コース、標準精米コース、強精米(強めの精米)コースの3段階のコースを示す目盛が刻まれている。精米度設定手段は、この目盛にダイヤル71をあわせることにより各コースの設定が行えるようにしている。尚、精米度設定手段はダイヤル式に限らずスライドレバー式、或いは精米量設定手段の操作で説明したように、ボタン式とLEDランプとの組み合わせでも良い。また上蓋3の透明窓部2より精米中或いは精米後の米の精白状態が認識できるので、再精米ボタンを別途設け、精米動作停止後に所望の精白度が得られていない場合には、その再精米ボタンを押している間だけ精米動作を可能とするようにしてもよい。
図3の断面図に対して、図4はこの卓上精米器の要部の分解図である。さらに、図5は、図3の一部拡大図である。図4及び図5において、5は玄米を収容する筒状特に臼型形状の精米かご、9は回転することにより精米かご5内の玄米を精米する精米羽根回転体、6は精米かご5を収容すると共に精米かご5により玄米より削り落とされた糠を収容する例えばPP樹脂からなる筒状の糠ボックス、30は糠ボックス6を収容する例えばABS樹脂からなる筒状の糠ボックス収容ケースであり、その上端部30a及び底部開口端30bが本体ケース11に固定されることにより該糠ボックス収容ケース30は本体ケース11に固定される。
8は当該卓上精米器の制御回路(図示せず)を収容する制御回路ボックスであり、制御回路はコードリール組立体26に収容された電源コード27の電源プラグ28(図1)を交流電源に接続することで給電される。10は制御回路により制御されるモータ、10aはモータ10の回転に伴い回転するモータ駆動軸、12はモータ駆動軸10aに固定されモータ駆動軸と共に回転するモータプーリー、13はモータプーリー12と所定の減速比を有して形成された駆動プーリー25とに巻き回されモータ駆動軸10aの回転を駆動プーリー25に伝える駆動ベルトである。駆動プーリー25は駆動軸23aの下端部に固定され、モータ10の回転に伴い駆動軸23aも回転する。駆動軸23aの上端部は例えばポリアセタール製の回転盤(下カップリング)20及び例えばゴム系の材質でできた上カップリング19を介して駆動軸16の本体16bの下端部に結合し、駆動軸23aの回転に伴い駆動軸16も回転するようにしている。モータ10の反出力軸側にはモータ回転数を検出する回転センサ86が備えられ、モータの回転速度を制御することにより精米かご5内の精米羽根の回転速度を制御する。尚、回転センサ86は駆動軸23a又は駆動プーリー25の回転をモニターするように設けても良い。また、回転盤20及び上カップリング19は周知のものである。
駆動プーリー25の軸中心から一方に延びた駆動軸23aは本体フレーム24の開口部24a及び糠ボックス収容ケース30の底部開口部を貫通している。駆動軸23aと本体フレーム24の開口部24aとの間及び駆動軸23aと糠ボックス収容ケース30の底部開口部との間にはベアリング21を収容したベアリングケース22が介在して配置され、駆動軸23aが本体フレーム24と糠ボックス収容ケース30のそれぞれの開口部内で軸回転可能なようにベアリング21が駆動軸23aと当接するようにしている。ベアリングケース22の下端部はネジ32により本体フレーム24に固定されている。本体フレーム24は本体ケース11に固定されている。また、モータ10は本体フレーム24上に搭載、固定されている。
次に、精米羽根回転体9、精米かご5、糠ボックス6、駆動軸16等の構成について図3−図5を参照して説明する。駆動軸16の本体16bは円筒状であり、例えばステンレスで一体成形されており、該駆動軸16の軸受である金属製の円筒状のスリーブメタル17に受け入れられており、該スリーブメタル17は例えばステンレス製のメタルケース18内に収容されている。駆動軸16の本体16bの下端部は上カップリング19にネジにより固定されている。これらスリーブメタル17及びメタルケース18は精米かご5の中空突出部5gの内周部に圧入固定されている。また、スリーブメタル17の下には調整ワッシャ34が設けられ、上カップリング19と回転盤20との噛み合いの程度を調整する。駆動軸16の先端部16aは樹脂(例えばポリアセタール)でコーティングされ、多角柱形状、例えば、六角柱形状をしており後述する精米羽根回転体9の角軸受部9cにきつく嵌合され、それにより駆動軸16の回転に伴い精米羽根回転体9を駆動軸16の軸を中心として軸回転させる。精米羽根回転体9には、精米羽根9aが軸回転の中心から径方向に向かって延在しており、精米羽根回転体9の回転によって精米かご5の底部近傍で移動する。
糠ボックス6の底部フレーム6fには円柱状の中空突出部6gが設けられて、底部中央に筒状の中空部6hを形成している。その中空部6hには上記のように上カップリング19と回転盤20等が遊離自在に収容される。糠ボックスの上方には、外側に突出した上部フレームフランジ6bを有し、上部フレームフランジ6bの周縁部は図3に示すように糠ボックス収容ケース30の上部フランジ30cの上面で受けられて支持される。こうして、糠ボックス6は着脱自在に糠ボックス収容ケース30内に収容される。また、糠ボックス収容ケース30の上端部30aは、上蓋3を受ける受け部で、糠ボックス6、精米かご5を内側フレーム4bで挟んだ状態で上蓋3で施蓋される。このとき上端部30aに設けられたノブ65が施蓋により付勢されて押され、これに連動してスイッチ66(図13参照)がオンし、装置電源が投入される。精米動作中上蓋3が外された場合は、ノブ65が解放されてスイッチ66がオフとなり精米羽根回転体9の回転が停止するようになっている。尚、本実施例では、糠ボックス6が本体11内に完全に収容され、精米かご5がその糠ボックス6に完全に収容されているが、他の変形した形態をとることもでき、例えば、それぞれが部分的に収容されるようなものであってもよい。
精米かご5は、底部中央に駆動軸(精米羽根駆動軸)16を備えた有底筒状且つ、臼型形状に形成され、図3および図5を参照すると、底部フレーム5jの上面側に延設された中空突出部5g及び下面側に延設された円筒状の下面側中空突出部5iを有し、これらは例えばステンレスで形成されている。精米かご5の側周部5a(図3)から底面5m(図5)に至っては金網が張られ底部フレーム5jに接合されている。尚、本実施例では、金網は精米かごの底部5mから下面側中空突出部5iまで達するようにしているが、必ずしも精米かごの底部5mに金網が張られるものに限定されるものではなく、精米かごの側周部のみに金網を張設しても良い。ここでは、金網としてはエキスパンドメタルを使用しても良い。さらには、糠を削ることのできる程度の硬さと強さ、そして細やかさを有する網目状のものであれば、必ずしも金網でなくても良い。下面側中空突出部5iの内径は糠ボックス6の中空突出部6gの外径とほぼ同一かあるいは僅かに大きく、中空突出部6gが下面側中空突出部5iの中空部にゆるく嵌合される。この時、上面側中空突出部5gの内径は中空突出部6gの内径より小さいため、精米かご5は糠ボックス6の中空突出部6gの上端に乗せられた状態となる。上記のように、上面側中空突出部5gの内周部にはスリーブメタル17及びメタルケース18が圧入固定され、駆動軸16を貫通させている。図3および図4に示されているように、精米かご5の上部には外側に突出した上部フレームフランジ5eが設けられ、該上部フレームフランジ5eの周縁部は糠ボックス6の上部フレームフランジ6bの上面で受けられて支持される。こうして、精米かご5は糠ボックス6内に着脱自在に収容される。尚、本実施例では、精米かご5に駆動軸(精米羽根駆動軸)16を形成し、糠ボックス6の底部に形成された中空部を貫通して回転駆動力を伝達するため駆動軸23aがその駆動軸16と嵌合するようにして、糠ボックス外部からの回転駆動力を精米羽根回転体へと伝達する回転駆動力伝達機構を形成しているが、駆動軸23aと嵌合する駆動軸(精米羽根駆動軸)16を糠ボックス6に形成し、その駆動軸(精米羽根駆動軸)16が精米かご5の底部に形成された中空部を貫通するようにした伝達機構としてもよく、あるいは他の回転駆動力伝達機構を採用してもよい。
図9は、精米かご5の駆動軸16に精米羽根回転体9が嵌合した状態を示すための、精米かご5の金網の一部を切断した外観斜視図である。本発明による精米かご5は下方に略円筒状に形成された下部円筒部5c、下部円筒部5cから上方に次第に拡径した傾斜筒部5b、さらに傾斜筒部5bから上方に延設された玄米投入口である略円筒状の上部開口部(上部筒部)5aからなる臼型形状に形成され、各々が滑らかな曲線で繋がっている。下部円筒部5cの高さ(深さ)は最低精米量(1合)を投入したときほぼ埋まる高さに形成され、これは後述する精米羽根の高さとほぼ同じである。図10は、精米かご5の中に精米羽根回転体9が設置された状態の精米かご5と精米羽根回転体9の寸法を示すための簡略化した側面図である。この図10を参照すると、下部円筒部5cの内径をd、上部開口部5aの内径をDとした時の比率d/Dを0.75〜0.9とし、精米かご5の高さHと下部円筒部5cの内径dとの比率H/dを0.7〜0.8としている。図8は、図1の卓上精米器の精米動作を行っているときの精米羽根によって攪拌される米粒40の動作の一例を模擬的に示した精米器の要部断面図である。精米かご5の形状を上記のように構成することで、米粒が押圧される下部円筒部5cで精米羽根9aによる搗精圧力を増して白度を向上させると共に糠切れを良好にし、米粒がスパイラル状に傾斜筒部5bを経て上部開口部(上部筒部)5aに向かって上昇しながら矢印で示すように循環する際に、大きく円周方向に振って米粒に掛かる衝撃力を和らげ、砕米を防ぐことができる。
図11は本発明の卓上精米器に用いる別な実施形態の精米かご50とその精米かご50内に設置した上記精米羽根回転体9の簡略化した側面図である。この精米かご50は、精米かごの底面から上方に次第に拡径する傾斜筒部50bと、該傾斜筒部50bから上方に延設された玄米投入口である略円筒状の上部開口部(上部筒部)50aとからなる逆切頭円錐状に形成され、傾斜筒部50bと上部開口部(上部筒部)50aは滑らかな曲線で繋がっている。この図11で示したように、傾斜筒部50bの底部の内径dと上部開口部50aの内径Dとの比率d/Dを0.75〜0.9とし、精米かご50の高さHと底部の内径dとの比率H/dを0.7〜0.8としている。このように構成することで、上述した臼型状精米かご5同様、米粒が押圧される傾斜筒部50bの下部周壁では精米羽根による搗精圧力を増して、白度を向上させると共に糠切れを良好にし、米粒がスパイラル状に傾斜筒部50bから上部筒部50aに向かって上昇するとき、大きく円周方向に振って米粒に掛かる衝撃力を和らげ、砕米を防ぐことができる。
尚、精米かごの高さ(深さ)を大きくすると精米かごに投入された玄米の表面と精米羽根との間の距離が大きくなり、精米羽根の回転力(即ち回転速度)を増大しなければならず米粒に掛かる撹拌力が大きくなり砕米が増える。また、精米かごの径を大きくすると必然的に精米羽根の水平方向の長さを大きくしなければならず、精米羽根の径方向端部での羽根周速が速くなるので砕米が増えやすい。従って上述のように精米かごの寸法を一定の比率内に収めると、精米かごの形状と相俟って品質の良い精米ができる。尚、精米かご5や精米かご50における各々上部筒部5aや50aは必ずしも円筒状である必要はなく、上述した比率を遵守すれば、傾斜筒部から滑らかに延設した延長傾斜筒部としても良い。また、一般的な精米容量が5〜6合の家庭用精米器においては、精米かごの底部の内径は約110〜130mmであり、頂部(玄米投入口)の内径は約140〜160mmとするのが良い。
精米かご5や50における金網の網目形状を図7に示す。網目形状は、精米かごの底部から上部に向かって縦に長いひし形又は横に長いひし形である。後述するように、精米時には玄米を前記精米かご内に入れて駆動軸を回転させることで精米羽根9aの回転により玄米が撹拌され、玄米はその遠心力により精米かご5や50の金網の網目に擦り付けられながら金網に沿って斜め上方に図7に矢印で示すように移動することで、糠が削り落とされる。ひし形のサイズは、米が金網の網目から飛び出さないようかつ網目に入り込まないよう、短目方向の長さSWが好ましくは約2.2−3.0mmの間、長目方向の長さLWが約2.8−4.6mmの間であり、組み合わせとしては例えば、(SW:LW)=(2.2mm:3.0mm)又は(2.5mm:3.5mm)又は(3.0mm:4.6mm)である。尚、金網の網目形状は四角形(長方形又は正方形)でも良く、その場合には縦及び横方向一辺の長さは共に約2.0−3.0mmの範囲である。また、網目形状は円形としても良く、その場合には直径が約1.3−3.0mmの範囲である。また、いずれの場合も、金網の厚さ、幅は共に例えば約0.4−0.6mmの間のものである。以上の網目形状と寸法により、精米される良米が精米かごのその側周部の金網から外の糠ボックスに出ることを防止するとともに、後に説明する精米初期の比較的高速な精米羽根の回転によって粉砕された不良米は、その金網から出て外の糠ボックスに糠とともに収容されるため、比較的良米のみの精米が可能となる。
図6は精米羽根回転体9を精米羽根9aが延在した方向からみた側面図である。精米羽根9aは、精米羽根回転体9の中心軸部から周囲に延びている。図5を参照すると、精米羽根回転体9は、精米羽根9aの基部であって回転軸となる、例えばPP樹脂からなる筒状のボス(即ち、駆動軸16に着脱自在に嵌合されて該駆動軸と共に回転する部材)9bと、ボス9bから縮径して延設された角軸受部9cを有する。ボス9bと角軸受部9cは、例えばPP樹脂等の樹脂から一体的に成型して作ることができ、又はステンレス等の金属を成型加工して作っても良い。精米羽根9aは、精米羽根回転体9のボス9bから径方向に複数(例えば2つ)延設され、それぞれが板状を有する。複数の精米羽根9aは回転軸中心方向から見て周方向に略等角度間隔(2枚であれば180度対向配置)で配設されている。精米羽根9aは好ましくはボス9bと一体的に成型されているが、ボス9bに固着するように別途個別に形成してもよい。精米羽根9aは、図6に示すようにボス9bの底面あるいは精米かごの底面に対してほぼ垂直(角度α=約90度)に配設されている。図3から図5を参照すると、ボス9bの中空部9dは精米かご5の上面側中空突出部5gを受けて収容する。角軸受部9cの中空部9eは六角柱形状としており、角軸受部9cが駆動軸16と一緒に回転しても容易に離脱しない程度に駆動軸16の先端部16aと嵌合可能となっている。これにより、精米羽根回転体9は駆動軸16の先端部16aに対して着脱自在に嵌合され、モータ10の回転に伴い回転される。尚、駆動軸16の先端部16a及び角軸受部9cの中空部9eの形状は六角柱形状に限らず三角柱、四角柱、五角柱形状などであり得る。尚、角軸受部9cは、利用者が容易に角軸受部9cにアクセス可能なように、精米かご5の上端とほぼ同じ高さまで延設され、精米かご5から脱着し易くなっていると共に、米粒が精米かご5の周壁をスパイラル状に上昇しながら図8の矢印のように循環する際に、精米羽根9aの軸(ボス9b、角軸受部9c)を中心に循環し易くされている。
図9に示すように精米羽根9aは精米かご5の底面5mに対してほぼ垂直に配設されており、これにより精米羽根9aには精米かご5の底面5mに対してほぼ垂直な米粒押圧面(押し出し面)9fが形成される。また、図10、図11に示すように精米羽根9aの高さh1は、精米かご5の下部円筒部5aの高さh2とほぼ同じであり、玄米の最低許容精米量(1合)が投入されたとき、該米粒押圧面9fは該玄米に埋まるようになる。従って、1合程度の最低許容精米量の場合であっても、精米羽根の回転により米粒が精米かごの上方に飛散することなく、精米かごの周壁に米粒を押し付ける力が増し、搗精圧力が増して白度が向上する。
図12A、12Bは精米羽根回転体の他の変形例90、91を示すものである。図12Aは、精米羽根90aを精米かごの底面に対して直交する方向にボス90bに固定された帯板片とし、帯板片の端部を上方に鉤状に隆起させた端部90aからなる精米羽根90aを有するものである。このように構成した精米羽根回転体90の場合でも精米かごの底面に対してほぼ垂直な米粒押圧面90f、90fが形成されるので、精米羽根回転体9と同様の作用を有するものである。図12Bは、同じく精米かごの底面に対して直交する方向に精米羽根91aがボス91bに固定された帯板片とし、その帯板片を、精米かごの底面に対し平行に略円弧状に屈曲させているものである。このように構成した精米羽根回転体91の場合でも、図12Bの矢印の方向に回転すると、精米かごの底面に対してほぼ垂直な米粒押圧面91fが形成されるので、精米羽根回転体9と同様の作用を有する。
尚、図8に示したように、精米羽根9aが2枚の場合は、低速回転で精米中の米が精米かご5の周壁を上昇して精米羽根回転体9の精米軸部外延に沿って流下する時、対向配置された精米羽根9aの間、即ち2枚の精米羽根9aで作る略180度の空間部に落下することになる。米が落下すると精米羽根9aの押圧面で米粒を押し出そうとする時大きな抵抗が加わり、精米羽根が揺動する。精米羽根が揺動するとハンチング現象が起こり、精米器の器体が振動することになる。器体が振動すると音響的に不快なばかりでなく精米羽根の揺動により米粒に局部的に衝撃が作用し砕米が増えると共に均一な精米ができなくなる。3合以上の比較的精米量が多い低速回転の時には特に振動が起き易くなる。従って、精米羽根9aの間に米粒が落ちる前か、或いは落ちても、米粒群が少量の時、即ち比較的米粒の抵抗が少ないうちに撹拌できることが好ましい。
図12Cはこのようなハンチング現象を防止する目的で精米羽根を2枚より多く、例えば4枚とした例の精米羽根回転体92を示すものである。即ち駆動軸16及び/又はボス92bを中心として、径方向に放射状に略等角度間隔で延設され且つ径方向長さが等しい精米羽根92aを4枚有している。このような精米羽根とすると、精米羽根の間の空間が狭くなるので、低速で精米中の米粒が精米かご5の底面5m(図9参照)に落ちる前に米を撹拌できるのでハンチング現象が発生し難くなる。尚、羽根の枚数は4枚に限らず、3枚〜5枚程度でも効果が出る。羽根枚数を必要以上に多くすると米粒が循環する際、羽根上部に当たって上方に飛散してしまい、精米かごの側周部への押圧力が乏しくなる上、砕米が増える。従って、該羽根の周方向の配置角度をAとすると(即ち、精米羽根の枚数をnとしたときA=略360/n度)、A又はnは、精米量と精米羽根の回転速度に応じて米粒の攪拌が適度に行われるように選択される。尚、精米容量を少なく設定した器体(例えば精米できる容量を1合〜2合程度に限定した器体)の場合は精米羽根を2枚としても良く、本例では、器体の精米容量に応じて精米羽根の枚数を2枚から5枚の間に任意に選択することができる。
図12Dは、第4の例の精米羽根回転体93を示すものである。図12Cと異なるのは、径方向に放射状に略等角度間隔で延設された精米羽根93aの一片(精米かごの底面側)に精米羽根93aの基部から径方向端部にかけて次第に幅小になると共に、矢印で示した回転方向の後方に突出する補強片93aを設けたことである。この補強片93aは、精米羽根93aの補強の役目をするもので、補強片により精米羽根の揺動がより効果的に抑制される。尚、補強片の幅は精米羽根の板厚、水平方向の長さや器体の精米容量に応じて適宜設定して良い。
次に、本発明による卓上精米器の制御回路及び精米動作を説明する。図13は制御回路ボックス8内の制御回路(制御部)80の構成例を示すブロック図である。制御回路80はマイコン81とモータ10を駆動制御するモータ駆動回路88を有する。マイコン81は操作パネル7に接続されると共に、速度センサ86、モータ駆動回路88に接続された入出力(I/O)回路82と、CPU83とメモリ(ROM、RAM)84と、これらを接続するバス85を有する。メモリ84内には精米量に応じた精米度毎の精米羽根の回転速度(PWM比で与えられるモータ駆動により設定される精米羽根の回転速度、±20回転/分程度の精度)と精米時間(精米羽根の回転時間、±2秒程度の精度)が予め設定又はプログラムされている。
精米の動作を説明すると、先ず、糠ボックス収容ケース30に糠ボックス6を収容し、更に糠ボックス6に精米かご5を収容し、精米羽根回転体9を駆動軸16に嵌合した状態で、所望の量の玄米40を精米かご5に入れ、上蓋3を閉じる。次いで、電源プラグ28をコンセントに挿入すると、既に説明したようにノブ65に連動したスイッチ66がオンし、装置電源が投入される。尚、上蓋3を閉じる前に電源プラグ28をコンセントに挿入しても良い。次に、精米量設定ボタン72により投入された玄米の量に応じて精米量を設定し、精米度調整ダイヤル71により任意の精白度(白米/分づき/胚芽米)を設定したあと、運転/停止ボタン70を押すと、設定された精白度及び精米量に応じた回転数でモータ10が回転し精米羽根回転体9が回転する。すると、精米羽根9aの回転移動により玄米40が攪拌され、玄米はその遠心力により米粒同士の摩擦や精米かご5の側周部の金網の網目に擦り付けられて、糠が削り落とされる。更に、削り落とされた糠41は遠心力により網目から外側に飛ばされ糠ボックス6内に落とされる。精米羽根9aの回転により押圧された米粒は、図8に示すように、精米かご5の側周部5c、5bそして5aに掛けてスパイラル状に上昇し、精米かご5の上方に向かって移動し、精米かご5の上端部付近まで延びている円筒状のボス9b及び角軸受部9cでなる軸部に沿って流下するという軌跡を順次繰り返して精米される。このような玄米の対流が生じるために、玄米が全体的に精米かご内を図8の矢印に示すように循環するために精米かご内の玄米は全体として均一に精米される。モータ10が、設定された精白度及び精米量に応じた時間だけ回転すると、自動的に回転を終了し、所望の精白度の精米が完了する。こうして、玄米から糠が確実かつ容易に分離され、所望の精白度の米を得ることができる。
尚、精米状態を上蓋3の透明な窓2を介して見ることができるため、精米中の適当な時点で運転/停止ボタン70を押して精米を停止することもできる。精米後は、上蓋3を外し、更に精米羽根回転体9を駆動軸16から外して取り出し、精米かご5を取り出して精米かご5内の精米後の米を取り出す。この時、精米かご5内の米をそのままの状態として水をかけて洗米することも可能である。更に、糠ボックス6を取り出してその中の糠を取り出す。
本発明の上記卓上精米器により、精米羽根回転体(精米羽根)の回転を段階的に逓減させて精米する例を、図14及び表1〜表5を使用して説明する。尚この実施例では精米最大許容容量を5合に設定してあるので、使用する精米羽根回転体は精米羽根を4枚備えた精米羽根回転体92、93(図12C、図12D参照)である。
図14は、精米動作における精米(攪拌)時間Tに対する精米羽根回転体92、93(精米羽根92a、93a)の攪拌回転速度Vのグラフである。精米羽根の撹拌回転速度Vは、精米動作開始から終了に至るまでの間、複数の定速回転動作区分に分けられる。図14の例では、精米羽根92a、93aは、精米動作開始から所定期間の第1段階aでは、比較的高速の一定の回転速度で回転し、次の中間の第2段階bでは、中間の回転速度で所定期間回転し、最後の第3段階cでは、比較的低速の回転速度で所定期間回転する、3つの動作区分a,bそしてcに分けられている。但し、精米量及び精米度によっては、必ずしも3段階の精米を行う必要がない場合もあることから、3段階の精米の他、1段階のみの精米、2段階による精米が可能なように、卓上精米器のメモリ84に記憶又はプログラムされる。
以下の表1から表5は、精米量ごとに、精米度、米の種類に応じて予め設定された回転速度と、回転動作期間を示している。
(段階的逓減攪拌動作)
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先ず、定速度回転(第1回転)のみによる精米を行う例を説明する。表1から表5までに見られるように、この第1回転による精米は比較的高回転で、短時間の精米で一気に糠を削り取るように精米するもので、1合〜5合までの各6分搗き(精白度60%)程度までの糠層を多く残した精米に好適である。この場合の精米羽根の回転速度は、精米量に応じて約2200〜2300回転/分の間で任意の一定速度とされ、精米時間は精米量に応じて多少増えるが概ね、最大合数(5合)でも1分40秒以内での精米となる。このように玄米の糠層を比較的多く残した精米の場合は、高回転で一気に糠を削り取るように定速度運転による精米が可能である。高速回転であっても玄米の糠層が衝撃力を吸収して剥離し、精米羽根を回転させる時間が短いので砕米の発生は少ない。
次に第1回転〜第2回転の2段階の速度で精米する場合の例を説明する。この場合の精米は、1合の7分搗き(精白度70%)、8分搗き(精白度80%)と、2合〜5合の各7分搗きコースに適用すると好適である。尚、1合の胚芽米における弱めの精米コースでは、第2回転と第3回転を同一速度として実質的に2段階の速度で精米する。第1回転では、高回転で一気に糠を削り取り、第2回転では速度を落として精米している。このように、精米羽根の回転速度を落とすことによって、米の回転方向(米粒個々の自転方向)が変わるので玄米の糠層の表面が均一に削り取られる。精米時間は、第1回転より第2回転を少し長めか、ほぼ同じ時間で精米すると米を磨く作用が生じ、糠切れも良くなり砕米の発生も抑制できる。このように精米することで、精米終了までの時間は1合の白米コースで1分35秒となっている。
次に第1回転〜第3回転の3段階の速度を使った精米の例を説明する。この場合の精米は1合の白米コース、胚芽米コースと、2合以上の精米量で、8分搗き(精白度80%)以上の分搗き米コース、及び白米、胚芽米コースに適用すると好適である。分搗き米及び白米コースにおける回転速度と時間の関係は、回転速度が、第1回転速度>第2回転速度>第3回転速度となり、精米時間(精米羽根駆動時間)が、第2回転>第1回転≧第3回転となるようにしている。但し、1合の白米コースでは、精米量が少なく米粒密度が小さいため精米時の米の飛び跳ね、蓋体への衝突により砕米が発生し易いので第1回転の精米時間を最小にしている。胚芽米コースにおける回転速度と時間の関係は、回転速度が、精米量に応じて第1回転速度>第2回転速度≧第3回転速度となり、精米時間(精米羽根駆動時間)が、第1回転>第2回転>第3回転となるようにしている。同様に1合〜2合程度の少ない精米量の場合には砕米が発生し易く、胚芽が取れてしまうため第1回転速度の精米時間を最小にしている。
精米初期の第1回転では高速回転でかつ比較的短い時間で一気に玄米表面を削り取るように精米する。但し、そのまま高速回転では砕米が増えるので次の第2回転では第1回転より回転速度を落とし、中速回転で精米を行う。この第2回転では、第1回転より精米時間を長めにして精米を行う。但し、3合以上の胚芽米コースの場合は第2回転の精米時間の方が短い。回転速度を落とすことにより米の回り方(米粒個々の自転方向)が変わるので、米表面を均一に精米する作用が生じる。次に第2回転の後にさらに回転速度を落として低速回転とした、第3回転で精米を行う。この第3回転は、基本的に第1回転や第2回転よりも精米時間が短く、減速により米の回り方(米の自転)がさらに変わるとともに、低速回転により糠を削り取るというよりも米の表面を磨くような作用が生じ糠切れを向上させた仕上げの精米工程となる。このように精米とすることで、5合の白米では、従来の定速度精米の場合に要した時間(約5分30秒)に対して約半分の約2分45秒、そして5合の胚芽米では、従来の定速度精米の場合に要した時間(約12分)の約3分の1の約3分10秒で精米が可能となる。
さらに、白米(1合〜5合)での砕米率(%)(砕米重量(g)/精白米の重量(g)x100)は約1%となり、従来例の約半分にすることができた。分搗きや精米量に応じて回転速度を2段階に設定しても同様の効果を得ることができる。さらに玄米の品種や硬度、水分率に応じて標準精米、強めの精米、弱めの精米コースを付加すると回転速度の制御と相俟ってより品質の良い精米が得られる。
本発明の上記卓上精米器により、精米羽根回転体92、93(精米羽根92a、93a)の回転を直線的に逓減させて精米する例を、図15及び表6〜表10を使用して説明する。
図15は、精米動作における精米(攪拌)時間Tに対する精米羽根回転体92、93(精米羽根92a、93a)の攪拌回転速度Vのグラフである。精米羽根の撹拌回転速度Vは、精米開始初期においてはある一定期間比較的高速で一定であり、その一定期間経過後から精米終了に至るまでの間、一定の割合で直線的に減少する2区分に分けられる。すなわち、精米羽根92a、93aは、精米動作開始(t=0)から所定期間(t=t)の第1段階では、回転速度vで一定であり、次の期間(t=t〜t=t)の第2段階では、回転速度v(=v)からv(v<v)に継続的に減少する。但し、精米量と精米度によっては、必ずしも2段階の精米を行う必要がない場合もあり、2段階の精米の他、1段階のみの精米が可能なように、卓上精米器のメモリ84に記憶又はプログラムされている。
以下の表6から表10は、精米量ごとに、精米度、米の種類に応じて予め設定された回転速度と、回転動作期間を示している。
(直線的逓減攪拌動作)
Figure 0005682871

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先ず、一定速度回転のみによる精米を行う例を説明する。表6から表10に見られるように、この一定速度回転のみによる精米は基本的には、表1から表5で示した一定速度回転のみの精米と、その本来の目的は変わらず、一気に糠を削り取るように精米するものである。ただし、表1から表5と、表6から表10とでは、一部回転速度を異にしており、1合〜5合までの各5分搗き(精白度50%)程度までの糠層を多く残した精米に好適であるようにした。この場合の精米羽根の回転速度は、精米量に応じて約2150〜2300回転/分の間で任意の一定速度とされ、精米時間は精米量に応じて多少増えるが概ね、最大合数(5合)でも1分20秒の精米となる。このように玄米の糠層を比較的多く残した精米の場合は、高回転で一気に糠を削り取るように定速度運転による精米が可能である。高速回転であっても玄米の糠層が衝撃力を吸収して剥離し、精米羽根を回転させる時間が短いので砕米の発生は少ない。
次に、精米開始直後はある期間一定速回転とし、引き続き回転速度を継続的に逓減させて精米する場合の例を説明する。この場合の精米は、1合から5合に対して6分搗き(精白度60%)、7分搗き(精白度70%)、8分搗き(精白度80%)のコース、白米コース、胚芽米コースに適用すると好適である。最初の回転では、高回転で一気に糠を削り取り、次の継続逓減による回転では回転速度を時間経過とともに落としながら精米する。精米羽根の回転速度を次第に落とすことにより、米の回転方向(米粒個々の自転方向)や精米かご内での米の対流が変わるので玄米の糠層の表面がより均一に削り取られる。精米時間は、最初の第1段階の回転は比較的短時間に終了し、一方、第2段階の、回転速度が直線的に減少する時間を長くしている。特に、精米終了の低い回転速度に向かう第2段階の後半の精米動作により、糠を削り取るというより、米の表面を磨くような作用が生じることで、糠切れも良くなり、確実にうまみ層を維持しながら余分な糠を落とすことが可能となった。精米全体に要する時間は、例えば、1合の白米コース(標準)で1分35秒となっており、5合の白米コース(標準)で3分30秒であり、そのうち、継続的に減少する期間はそれぞれ80秒(1分20秒)、195秒(3分15秒)で全体のうちの多くを占めている。この継続的に減少する回転変化の初期では、一気に削り取られた米の不均一な表面を全体にならしていくとともに残りの糠をも削り取りながら、磨く処理へとその比重を移しながら精米後期へと移行し、本来求められる均一な白米を得ることができるのである。また、胚芽米の精米では、初期の回転速度を減じ、逓減期間も白米よりもより長くとることで、胚芽を残しながらも、それ以外の不要な糠の除去を可能とした。さらに、玄米の品質や、硬さ、湿度に応じて、白米コースと、胚芽米コースに、強、標準、弱を設けることにより微妙な制御を可能として、品質の良い精米を可能とし、人それぞれの微妙に異なる食感に対しても対応することができるようにした。卓上精米器のメモリ84には、精米度と精米量に応じてどのように精米するかが予め記憶又はプログラムされており、ボタン操作で簡単に品質の良い精米が可能である。
従来は、表1から表10に示したような回転速度が減衰する精米動作ではなく、単に一定速度回転による精米動作であった。図19および図20は、従来の定速度運転でのみ行った1合から5合までの各精米量毎に要する標準的な精米時間を示したものである。図19は、胚芽米を精米した場合の従来の精米時間を表し、図20は、白米を精米した場合の従来の精米時間を表している。本発明の精米器による精米時間をこの図20の従来結果と比べると、従来では2分20秒と長時間を要しているに対し、段階的に回転速度を減少させた表1に示した1合の白米コース(標準)及び継続的に回転速度を減少させた表6に示した1合の白米コース(標準)の精米とも1分35秒であり、極めて短時間で精米できることがわかる。このように短時間で精米できることは、砕米が抑制され、玄米自身の水分率による影響(米割れ)も軽減されることをも意味する。尚、胚芽米コースの場合は、胚芽を残した精米とするので、分搗きや白米コースより低い回転数とし、全体の攪拌時間も分搗きや白米コースの場合より長くしてはいるが、それでも従来の精米時間よりも短期間で精米可能となり胚芽米品質が向上する。
このように精米開始から精米終了まで精米羽根の回転速度を、例えば3段階や2段階の複数に区分して、段階的に逓減させるようにし、あるいは継続的に逓減させるようにしたことで、精米中の米粒の自転方向が変わったり、精米かご内での米の挙動が変わり、米表面を均一に精米できるので、精米時間が短縮できる。精米時間が短縮できるので省エネが達成できると共に砕米も抑制され、米の温度が上がらないので玄米自身の水分率の相違による米割れも抑制できる。
尚、精米時には、精米の進行に応じて精米羽根回転体への負荷が変動する。したがって、回転速度を直接または間接的に監視し、その結果に応じて回転速度を制御する、いわゆるフィードバック方式の卓上精米器では、決められた所望の回転速度を達成できるが、フィードバック制御を行わないと、糠が削り取られて負荷が軽くなるにしたがって、回転速度が増大する場合もある。本発明では、特に限定しない限り、時間経過に応じて回転数を引き下げているようにした精米器であれば、その間にたとえ回転数の変動を生じるような精米器であっても、本発明の技術的範囲に属するものと解釈すべきである。また、精米度によっては、先の実施例でも示されているように一回の定速回転によって精米すれば十分なものもあると考えられるが、本発明は、かかる定速回転による精米と、回転速度が段階的に又は継続的に逓減する精米の両方の機能を有する精米器に対しても当然本発明の技術的範囲が及ぶものである。糠層を多く残した分搗き米を生成したい場合には、所定の回転数で回転する単一の速度区分のみを制御回路のメモリに設定すれば良く、簡単な構成で所望の精白度の精米を得ることが可能となる。
さらに、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、精米羽根の回転速度や回転時間は、この発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜改変可能である。例えば、表1から表5を参照して言えば、第2回転の精米時間を少し長めに設定して、第3回転の時間をその分短めに設定しても良く、或いは、第2回転の回転速度を少し高めに設定して、第2回転の時間を短くすると共に、第3回転の時間を延ばしたり、トータルとしての精米時間を変えずに、各速度区分の中で精米時間を微調整することも可能である。更に、少なくともいずれか1つの段階における回転速度を少し落としてその分精米時間を延ばして、精米完了までの総時間を多少延ばしても良く、得られる効果に影響はない。また、その精米羽根の回転を直線的に逓減させるほか、必要に応じて、曲線的に逓減させてもよく、段階的な逓減と連続的な逓減とを組み合わせてもよい。
又、分搗きコースは3分搗き、5分搗き、7分搗きのみを設定し、これら各分搗きコースに標準精米、弱めの精米、強めの精米の各コースを追加設定しても良い。このようにすることで、玄米の状態に応じた良質の分搗き米を得られると共に、各分搗きコースの略中間の精米度を持つ米が得られることから、2分搗き、4分搗き、6分搗き、8分搗きとほぼ同程度の分搗き米が得られる。
1 卓上精米器
3 上蓋(蓋体)
5、50 精米かご
5a、50a 上部円筒部
5b、50b 傾斜筒部
5c 下部円筒部
6 糠ボックス
7 操作パネル
8 制御回路ボックス
9、90、91、92、93 精米羽根回転体
9a、90a、91a、92a、93a 精米羽根
9f、90f、91f 米粒押圧面
10 モータ
11 本体ケース
16 駆動軸
23a 駆動軸
70 運転/停止ボタン
71 精米度調整ダイヤル
72 精米量設定ボタン
73 LEDランプ
80 制御回路

Claims (6)

  1. 容器内に収容された玄米を当該容器内で回転可能に軸支された攪拌部材の回転によって攪拌しながら精米する卓上精米器であって、
    精米量と精米度に応じて玄米を攪拌する攪拌部材の回転度合いと攪拌時間が規定され、
    比較的高速に攪拌部材を回転させて玄米表面を削り落とす処理と、比較的低速で攪拌部材を回転させて米の表面を磨く作用を米に与えることで糠切れを向上させる仕上げ処理と、前記2つの処理の間に介在して前記攪拌部材の速度の間の速度で攪拌部材を回転させて精米する中間処理と、を精米期間中にみ、
    前記玄米表面を削り落とす処理は前記中間処理に先行して設けられて当該中間処理の攪拌部材の回転速度と比較してより高速の回転速度で攪拌部材を回転させ、前記仕上げ処理に先行して設けられた前記中間処理は、前記削り落とす処理の攪拌部材の回転速度と前記仕上げ処理の攪拌部材の回転速度の間の回転速度で攪拌部材を回転させて精米する、精米処理の機能を有する卓上精米器。
  2. 白米への精米および玄米から白米の間の精米の複数の精米度のコースが規定されている、請求項1に記載の卓上精米器。
  3. 前記攪拌部材がハンチングを防止するために径方向に4つ延設されている請求項1又は2に記載の卓上精米器。
  4. 前記精米処理において、撹拌部材の回転速度が継続的または段階的に逓減され、若しくは継続的な逓減と段階的な逓減が組み合わされている、請求項1乃至3のいずれかに記載の卓上精米器。
  5. 容器内に収容された玄米を当該容器内で回転可能に軸支された攪拌部材の回転によって攪拌しながら精米する方法であって、
    攪拌部材を比較的高速に回転させて玄米表面を削り落とすステップと、
    前記攪拌部材の回転速度を下げて精米を継続する中間のステップと、
    前記攪拌部材の回転速度を更に下げて米の表面を磨く作用を米に与えることで糠切れを向上させる仕上げのステップと、を精米期間中に含み、
    前記削り落とすステップは、前記中間のステップに先行して設けられて当該中間のステップの攪拌部材の回転速度と比較してより高速の回転速度で攪拌部材を回転させ、
    前記仕上げのステップに先行する前記中間のステップは、前記削り落とすステップの攪拌部材の回転速度と前記仕上げのステップの攪拌部材の回転速度の間の回転速度で攪拌部材を回転させて精米する、方法。
  6. 攪拌部材の回転速度が継続的または段階的に逓減され、若しくは継続的な逓減と段階的な逓減が組み合わされている、請求項5に記載の精米方法。
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