JP2009220073A - 胚芽付き搗精米、搗精用部材、撹拌式精米機および胚芽付き搗精米の製造方法 - Google Patents

胚芽付き搗精米、搗精用部材、撹拌式精米機および胚芽付き搗精米の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】食味、食感にすぐれ、栄養価が高い米を提供することを課題とする。
【解決手段】玄米を搗精して得られた胚芽付き搗精米であり、玄米の表面をブラシで剥いで、搗精歩合が約2.5〜3質量%とし、玄米表面から果皮層および種皮が取り除かれ、糊粉層及び胚芽が残存していることを特徴とする胚芽付き搗精米を提供する。
【選択図】図7

Description

本発明は、胚芽付き搗精米、搗精用羽根部材、撹拌式精米機および胚芽付き搗精米の製造方法に関し、詳しくは、玄米を撹拌しながら精米ブラシで表面を剥ぐことにより、玄米表面に糊粉層及び胚芽を残存させた状態で表面から維管束や果皮を分離除去するものである。
現在食用に供されている米として、玄米、精白米、分搗き米、発芽玄米、胚芽米が知られている。玄米は、図1に示すように、下端に胚芽1があり、最外層から順に、果皮2、種皮3、胚乳4(糊粉層4a、亜糊粉層4b、胚乳4c)により構成されている。玄米は、栄養価に富む胚芽1や糊粉層4a、亜糊粉層4bを含むが、果皮2および種皮3が存在すると、吸水性が悪く、炊飯の前に長時間水に漬けてアク出ししなくては渋みやエグ味がでるほか、かつ食感が悪く、そのため食味まで損なわれている。
そのため、糊粉層4aと胚乳4cの間の亜糊粉層4bは軟弱ではがれやすいので、これを利用して精米が行われる。精米を行うと、亜糊粉層4bの一部とその外側の糊粉層4a、種皮3、果皮2、及び胚芽1がはぎ取られて糠となり、残った亜糊粉層4bと胚乳4cからなるものが精白米である。このときの搗精歩合(搗精により除去される割合)は一般に約8〜9%程度である。精白米は吸水性がよく、うまみ成分が豊富な亜糊粉層4bを含み、食感も優れているが、栄養価が高い胚芽1や糊粉層4aが脱落し、亜糊粉層4bの一部も脱落している。
分搗き米は、精米の程度が小さいものを指す。従来の一般的な循環式精米機や一回通し精米機により搗精された分搗き米は、米の表面のある箇所においては糊粉層4aまで剥離し、表面の他の箇所においては果皮2や種皮3が残っているという状態であり、米粒の全表面が均一な剥離状態になりにくい。分搗き米には果皮2の一部が表面に残り、胚芽1は搗精の程度が進むほど残留する割合が急激に減る。
この分搗き米を精白米と同様に炊飯すると糠臭があり、炊飯の前に長時間水に漬けてアク出ししなくては、玄米と同様に渋みやエグ味がでるほか、食感が精白米に比べて落ちる。これを回避しようとして搗精歩合を上げると、栄養価の高い糊粉層4aや胚芽1の脱落が多くなり、特有の色むらが生じる。
前記循環式精米機や一回通し精米機は、いずれも米に圧力を加えて通路を通し、その過程で米粒同士強く擦り合わせて搗精する精米方式である。このうち循環式精米機は、ホッパーの下部に搗精室を設け、該搗精室内で精白ロール(スクリュー状)を回転させ、その回転によりホッパーから搗精室内に米を導入し、かつ搗精室から再びホッパーへと米を押し出し、このとき抵抗板等により米の移動に抵抗が加えられることにより、搗精室内で米同士が摩擦し合い精米が行われる(例えば、特開平5−253501号公報参照)。
この方式は、ホッパーから搗精室に導入された米が再びホッパーに戻され、これが繰り返されることで徐々に精米が行われることから、循環式と呼ばれている。
胚芽米は、胚芽が残っている点以外は通常の精白米と同様であり、果皮2、種皮3、糊粉層4aが搗精により除去されている。胚芽米は栄養価に富んだ胚芽が残留している点、水に短時間浸漬するだけで胚芽中にγ−アミノ酪酸が富化する点で着目されている。しかし、胚芽米を製造するには胚芽の脱落しにくい特殊な品種の玄米を使用する必要があり、この品種は一般に食味が落ちるという問題があるため、胚芽米は余り普及していない。また、栄養価及びうまみ成分の豊富な糊粉層4aが除去されている。
特開平5−253501号公報
本発明は、これまで食用に供されている各種の米のそれぞれの問題点に鑑み、食味、食感に優れ、栄養価が高く、さらに炊飯する場合に短時間で準備できる胚芽付き搗精米、該搗精用羽根部材、さらに、該羽根部材を備えた撹拌式精米機を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、第1の発明として、玄米を搗精して得られた胚芽付き搗精米であり、玄米の表面から果皮層および種皮が取り除かれ、糊粉層及び胚芽が残存していることを特徴とする胚芽付き搗精米を提供している。
前記本発明の胚芽付き搗精米は、玄米の表面に精米ブラシを当てて表面を剥ぐことにより搗精することにより、前記のように、玄米の表面から果皮層および種皮を取り除き、糊粉層を表面に露出させると共に胚芽を残存させている。
好ましくは、玄米の表面の果皮層および種皮は95%以上除去し、糊粉層は残存させ、胚芽を除く全表面積の95%以上に糊粉層を露出させている。
さらに、好ましくは、玄米の表面から果皮層および種皮を完全に除去している。
前記本発明の胚芽付き搗精米は、搗精歩合を約2.5〜3質量%としている。
前記本発明に係る胚芽付き搗精米は、糠臭及び渋みやエグ味の原因である果皮および種皮が除去される一方、栄養価に富むと共にうまみ成分が豊富は糊粉層、その下層の亜糊粉層を残存させている。よって、炊飯すると糠臭がなく、精白米に近いふっくら感があり、食味、食感に優れ、かつγ−アミノ酪酸等のアミノ酸、マグネシウム等のミネラル及び不溶性の食物繊維(いずれも糊粉層や胚芽に多い)が多く含まれ、栄養価を高いものとすることができる。
さらに、この胚芽付き搗精米を水に浸漬すると、胚芽及び糊粉層においてγ−アミノ酪酸が急速に富化する。果皮が残っていれば、γ−アミノ酪酸が富化するまで長時間を必要とするが、この胚芽付き搗精米は果皮および種皮が除去されているため吸水性がよく、短時間(1〜2時間で十分)でγ−アミノ酪酸が富化する。従って、炊飯前に短時間水に浸漬し、続いて炊飯すれば、γ−アミノ酪酸が豊富に含まれる米飯を食することができる。
本発明は第2の発明として、前記第1の発明の胚芽付き搗精米の製造に用いる搗精用部材を提供している。
該搗精用部材は、玄米を投入するホッパーからなる処理槽の底面を被う回転板と、該回転板と共に回転し、外表面に精米ブラシを起毛させた環状体とからなり、該環状体は前記回転板との間に隙間を開けてその上方に配置していることを特徴とする。
前記環状体を回転板に対し連結固着させる連結板が設けられていることが好ましい。
本発明は第3の発明として、第1の発明の胚芽付き搗精米の製造用の撹拌式精米機を提供しており、該精米機は第2の発明の搗精用部材を備えている。
詳しくは、
底壁と周壁とを有する上面開口の円筒状の処理槽と、
前記処理槽内に回転自在に収容する搗精用部材と、
前記処理槽の底壁を貫通して前記搗精用部材を回転駆動する駆動装置とを備え、
前記搗精用部材は前記駆動装置で水平方向に回転する回転板と、該回転板から突設した連結板を介して連結した環状体を備え、該環状体の外周全面に精米ブラシを突設し、
前記処理槽の周壁内面と前記精米ブラシを突設した搗精用部材の環状体の外周面との間の垂直方向を搗精空間としていることを特徴とする撹拌式精米機を提供している。
前記搗精空間を挟む前記処理槽の周壁内面は摩擦面とし、該摩擦面と前記精米ブラシの先端との空間幅は3〜10mmとし、かつ、前記駆動装置で精米ブラシの先端における周速度を9.5〜13.5m/sの範囲で回転させ、該搗精空間に玄米を複数回数循環させ、
前記駆動装置を動作させる精米時間を1合当たり15〜35秒間に制御する制御装置を備えていることが好ましい。
前記構成のように、玄米に対して相対的に回転動作して接触研磨する精米ブラシの周速度を9.5〜13.5m/sにすることで、玄米に最も適した状態、即ち、前記搗精歩合を約2.5〜3質量%とすることが可能となる。周速度を9.5m/s未満とすると、糠除去率が非常に小さくなり十分に精米できないからであり、周速度が13.5m/sを超えると、米粒への負荷が大きくなり割れ等が発生して搗精度合いが不均一となるからである。前記精米ブラシの先端における周速度は10.5〜12.0m/sとするとより好ましい。
また、処理槽の摩擦面と精米ブラシ先端間の距離を3〜10mmの範囲としているのは、3mm未満とすると、糊粉層も除去することなる一方、10mmよりも大きくすると維管束の完全除去率が低下するからである。この処理槽の摩擦面と精米ブラシ先端間の距離は好ましくは4〜6mm、特に5mmが好適である。
また、前記搗精空間を玄米の循環空間の一部とし、垂直方向の回転主軸を中心として水平方向に回転される前記精米ブラシに対して玄米を前記循環空間に垂直方向に循環させて、玄米にスピン回転を発生させ、該スピン回転により玄米表面の果皮層と種皮とを除去している。
前記のように、ブラシの移動方向と略直交方向から玄米を送り込むことで、玄米粒にスピン回転運動を発生させることができ、玄米がスピン回転しながら処理槽の摩擦面と回転する精米ブラシとの3〜10mmの隙間を通過させることで、玄米の表面に糊粉層を残して、果皮層と種皮とを略完全に効率良く除去できる。
前記処理槽の摩擦面と精米ブラシ先端間の距離を3〜10mmの範囲としているのは、3mm未満とすると、糊粉層も除去することなる一方、10mmよりも大きくすると維管束の完全除去率が低下するからである。この処理槽の摩擦面と精米ブラシ先端間の距離は好ましくは4〜6mm、特に5mmが好適である。
前記精米ブラシはナイロン製とし、線径は0.1〜0.3mm、前記環状体の外周面からの突出量が1mm〜6mm、1cm当たり200〜2500本の密度で均等に周壁に植毛していることが好ましい。
前記構成とすると、精米ブラシに腰があり且つ柔軟であるため、米粒の表面に適度な摩擦力を付与することができるので、糊粉層および胚芽を残存させた状態で果皮層および種皮を取り除き、米粒に割れを発生させることもない。なお、精米ブラシの突出量は2〜5mmとするとより好ましい。
前記処理槽は円筒状とし、該処理槽内に配置する搗精用部材の環状体は、円筒状でもよいし、断面多角形の筒状でもよい。
さらに、前記本発明の精米機では、前記搗精用部材の内周面に摺接する掻き落とし部材を備えていることが好ましい。
前記構成とすると、一部の米が遠心力で搗精用部材の内周面に貼り付いたとしても、掻き落とし部材が即座にその米粒を取り去って落下させることが可能となる。したがって、一部の玄米が搗精用部材に貼り付いて一緒に回転し、玄米ごとに撹拌度合いが不均一になることがなく、個々の玄米ごとに糠除去率が変動するのを防止できる。なお、前記掻き落とし部材は着脱自在としていることがメンテナンス性の観点から好ましい。また、掻き落とし部材は垂直方向に対して傾斜していると、米粒が落下し易くなり好適である。
また、前記搗精用部材の外径は前記搗精用部材の高さの2倍〜3倍としていると好ましい。2倍以上としているのは、2倍未満であると遠心力に比べて搗精用部材の壁が高く、米粒が搗精用部材を乗り越えることができずに円滑に循環されないからである。また、3倍以下としているのは、3倍を超えると搗精用部材の側壁面積の割合が減少し、米粒との摩擦面積が少なくなると共に、装置の小型化が図れないからである。
さらに、本発明では、第4の発明として、第3の発明の撹拌式精米機により、玄米の表面にブラシを当てて表面を研ぎ、玄米の表面から少なくとも果皮層を取り除き、糊粉層及び胚芽が残存する胚芽付き搗精米を得ることを特徴とする胚芽付き搗精米の製造方法を提供している。
前記搗精米の製造方法によれば、玄米の品種にかかわらず、従来の精米機のように胚芽が脱落することがなく、玄米の表面は外層側から順に研磨され、亜糊粉層において一気にはがれ落ちることなく搗精される。一般に約2.5〜3質量%の搗精歩合となったとき、搗精を停止すればよい。これにより、表面から少なくとも果皮層および種皮が取り除かれ、かつ糊粉層及び胚芽が残存する胚芽付き搗精米が製造できる。
第1の発明の胚芽付き搗精米は、食味、食感はほぼ精白米と同等であり、発芽玄米や胚芽米等と同等又はそれ以上に栄養価が高く、さらに炊飯する場合に精白米と余り違わない短時間でγ−アミノ酪酸が富化させ、栄養価の高い米飯を炊くことができる。
第2の発明の搗精用部材を用いると、環状体表面に植毛されている精米ブラシを玄米表面に当てて表面を剥ぐと、玄米表面から果皮層および種皮を糊粉層及び胚芽は残存させて効率よく除去できる効果がある。
第3の発明の撹拌式精米機を用い、搗精用部材の精米ブラシの先端における周速度を9.5〜13.5m/sとすることで、搗精歩合を2〜3%の状態にすることできる。
さらに、処理槽の摩擦面と精米ブラシの先端間の距離を3〜10mmに設定し、かつ、精米ブラシの回転方向(水平方向)と略直交方向の垂直方向の循環空間に玄米を送り込むと、玄米粒はスピン回転され、玄米と精米ブラシとの接触の機会が増加すると共に小さいカーブの稜線も精米ブラシと接触し、該稜線に位置する果皮層および種皮を確実に削ることができる。よって、糊粉層を残しながら、玄米表面の食味・食感を悪くする果皮層および種皮を除去することができ、食感・食味と栄養価に優れた米を得ることができる。
まず、本発明の胚芽付き搗精米を製造する撹拌式精米機の実施形態を示す図2乃至図6を参照して説明する。
実施形態の撹拌式精米機10は、図2に示すように、筐体11と、筐体11の上面側の凹部22に内嵌される処理槽12と、処理槽12内に回転自在に配置される搗精用部材13と、搗精用部材13を所定の速度で回転駆動する駆動装置(モータ)14と、駆動装置14の駆動時間を制御する制御装置21と、凹部22の開口を閉じる蓋30と、凹部22に連通した通気フィルターからなる糠収集袋18を設けた糠収容室17と、糠収容室17に連通する糠吸引装置19と、搗精された米を回収する米収容器20とを備えている。
筐体11の凹部22は、図2および図4に示すように、円筒状の側壁22aと、底壁22bとを備え、側壁22aの一部には外方に膨出して糠収集袋18に連通する糠排出部23を形成していると共に、側壁22aの対向する他部には米収容器20へ導く米排出路25に連通する開口部22dを穿設している。開口部22dには閉鎖する扉26を開閉自在に取り付けている。側壁22aの上端には処理槽12を載置するための段差部22cを設けている。また、糠排出部23の所要位置には通気孔23aを穿設している。
処理槽12はステンレスからなり、図5に示すように、円筒状の側壁12aと、底壁12bとを備えている。側壁12aは、凹部22の糠排出部23と対向する一部に形成された糠排出孔12dと、開口部22dの扉26と接する他部に形成された米排出穴12eと、糠排出孔12dおよび米排出穴12e以外の内面側に形成された凹凸である摩擦面12cと、上端縁で外方に突出した鍔部12gとを備えている。
底壁12bは、図1および図3に示すように、糠排出部23と連通する部位に糠排出孔12fを備えている。糠排出孔12dの大きさは、糠が通過して米が通過しない大きさに設定している。側壁12aは糠排出部23以外の凹部22の内周面にほぼ密着している。
搗精用部材13はナイロンで成形している。図2および図3に示すように、断面十六角形の筒状で外周面に精米ブラシ27を植毛した環状体13aと、環状体13aの下端縁より放射方向に対して傾斜した状態で間欠的に突出した連結板13cと、連結板13cを介して環状体13aに固定された円板の回転板13bと、回転板13bの中心より上方に突出して内部に軸穴33を有する軸取付部13dと、回転板13bの下面に放射方向に対して傾斜した状態で線状に植毛され処理槽12の底壁12bに接する(あるいは米粒が通過しない隙間をあけた)掃出ブラシ28とを備えている。
なお、精米ブラシ27は環状体13aの外周面において角部以外の平面部分に植毛している。これは植毛作業を平面に対して行わせることで搗精用部材13の製造を容易にするためである。
環状体13aと回転板13bとの間に形成された空隙は米の空間29aとしている。
精米ブラシ27は、66ナイロン製とし、線径が0.1〜0.3mmで突出量Dが1〜6mmとしている。1cm当たり200〜2500本の密度で均等に植毛している。
環状体13aの外径は、環状体13aの高さの2倍〜3倍としている。回転板13bの外径は環状体13aの外径よりも大としている。回転板13bの外径は処理槽12の内径よりやや小さく設定され(米が噛み込まない程度の微小隙間がある)、米は常に回転板13bの上で撹拌される。なお、掃出ブラシ28の代わりにゴム板のような可撓性材料を設けてもよい。
前記精米ブラシ27の先端と処理槽12の側壁12aの内周側の摩擦面12cとの間で垂直方向に延在する米の循環空間29bを設け、この空間29bの幅を3〜10mmとしている。前記垂直方向に延在する循環空間29bの下端は前記空間29aと連通すると共に上端は蓋30と搗精用部材13の環状体13aの上端との空間29cと連通し、前記上下空間29aと29cとが環状体13aの内部空間29dで連通し、前記空間29a、29b、29c、29dで玄米の循環空間29を形成している。
蓋30の下面には、搗精用部材13の環状体13aの内周面に摺接する一対の掻き落とし部材24を下方に向けて垂直方向に対して傾斜した状態で突出している。掻き落とし部材24は、蓋30と接続される棒部31と、棒部31の外面より外方に突出する摺接ブラシ32とを備えている。また、蓋30は通気孔30aを有している。
筐体11の凹部22の底壁22bおよび処理槽12の底壁12bの中心には軸受16を介して回転軸15を貫通しており、該回転軸15を搗精用部材13の軸穴33に内嵌固定している。
駆動装置14は、搗精用部材13の精米ブラシ27の先端における周速度が9.5〜13.5m/sとなるように回転軸15の回転速度を設定している。
制御装置21は、ユーザが開始ボタン(図示せず)を操作すると、駆動装置14を1合当たり15〜35秒間動作させて停止するようにタイマー制御する。
次に、前記撹拌式精米機10の動作について説明する。
ユーザは、搗精用部材13内の空間に玄米を入れた状態で蓋30をして開始ボタン(図示せず)を操作すると、駆動手段14により搗精用部材13が周速度9.5〜13.5m/sで回転して玄米が撹拌されると共に糠吸引装置19が作動する。
この搗精用部材13の回転による撹拌で、主に精米ブラシ27と処理槽12の摩擦面12cとの間の循環空間29bにおいて玄米の表面に摩擦力が付与され、玄米から糠が剥離される。
詳しくは、図6に示すように、搗精用部材13を回転させると、回転板13b上の米は遠心力で循環空間29aを通過して外周方向へ移動し、処理槽12の側壁12aに達した米は次々に押しやられてくる米の圧力で、摩擦面12cと精米ブラシ27の隙間の循環空間29bを通って精米されながら上昇し、上端に達した米は循環空間29cを通って搗精用部材12の内側の循環空間29dへ落下して循環を繰り返す。
前記循環空間29bで玄米から糠が剥離されると共に、垂直方向の循環空間29bに下方から垂直方向に上昇してくる玄米に対して精米ブラシ27が直交する水平方向に回転して摺接するため、玄米にはスピン回転することとなり、玄米の表面全体が内周側の精米ブラシ27と外周側の摩擦面12cと接触する。即ち、玄米の小さいカーブの稜線も精米ブラシ27および摩擦面12cと接触し、該稜線に位置する玄米表面の果皮層と種皮を削ることとなる。
かつ、循環空間29bの幅を3〜10mmとしているため、玄米の表面がかなり強く精米ブラシ27と摩擦面12cと接触することで、玄米の表面全体の果皮層と種皮とからなる固い層が削られることとなり、その結果、果皮層と種皮を玄米の表面から略均一に除去することができる。
この際、掻き落とし部材24の摺接ブラシ32が、回転する搗精用部材13の環状体13aの内周面に摺接するので、循環する一部の米が遠心力で環状体13aの内周面に貼り付いても即座に掻き落とすことができ、米粒ごとに循環度合いが不均一になるのを防止している。
除去された果皮層と種皮とからなる糠は、糠吸引装置19による空気の流れと搗精用部材13の回転による遠心力とで、糠排出孔12dを通過して糠排出部23に排出され、糠収集袋18に溜められる。また、除去された糠が処理槽12の底壁12b上に落ちたとしても、その糠は、搗精用部材13の回転に伴って回転板13bの下面で線状に突出した掃出ブラシ28により外周方向に掃き出され、糠排出孔12fから糠収集袋18へと排出される。
最終的には、設定された精米時間(20〜35秒)が経過すると扉26が開き、処理槽12内の米は撹拌の遠心力で米排出穴12e→開口部22d→米排出路25の順に通過して米収容器20へ落下する。
図7に示すように、前記精米機で製造された胚芽付き搗精米100は、玄米の表面から果皮層および種皮が取り除かれ、胚乳4の糊粉層4aが表面に露出すると共に、胚芽1が残存したものとなっている。
図1に示すように、胚乳4の糊粉層4a、亜糊粉層4b、胚乳4cは残存し、栄養価に富む胚芽1や糊粉層4a、亜糊粉層4bを含む一方、果皮および種皮は除去されているため、吸水性が良く、炊飯の前に短時間で水に漬けておくだけでよく、食感および食味が良好なものとすることができる。
詳細には、玄米の表面の果皮層および種皮は95%以上〜100%除去され、胚芽を除く表面の全面または95%以上で糊粉層が表面に露出している。
前記実施形態の撹拌式精米機10を使用した実験例について説明する。
図8は、1合の玄米を処理槽12に投入し、搗精用部材13が回転する精米時間が30秒となるように制御装置21を設定し、搗精用部材13の回転時における精米ブラシ27の先端の周速度を変化させて実験を行った結果を示している。
図18より、周速度を9.5〜13.5m/s、好ましくは10.5〜12.0m/sすれば、糠除去率(搗精歩合)は2.5〜3質量%にすることが出来ることが分かった。また、精米された後の米を観察すると、全粒がほぼ均一に搗精され、果皮層101は全て除去され、糊粉層103aはほぼ全てが残存し、胚芽104は約90%が残存していた。
また、図9は、1合の玄米を処理槽12に投入し、搗精用部材13の回転時における精米ブラシ27の先端の周速度を12m/sに設定し、精米時間を変化させて実験を行った結果を示している。
図9より、精米時間を20〜35秒にすれば、糠除去率を2〜3.5質量%にすることができることが確認出来た。
玄米の内部組織を説明する図である。 本発明の実施形態の撹拌式精米機の垂直断面図である。 搗精用部材の斜視図である。 撹拌式精米機の水平断面図である。 処理槽の斜視図である。 精米状況を説明する要部断面図である。 製造された米を示す図面である。 搗精歩合と周速度の関係を表すグラフである。 搗精歩合と精米時間の関係を表すグラフである。
符号の説明
1 胚芽
2 果皮
3 種皮
4 胚乳
4a 糊粉層
10 撹拌式精米機
11 筐体
12 処理槽
12c 摩擦面
13 搗精用部材
14 駆動装置
15 回転軸
20 米収容器
21 制御装置
24 掻き落とし部材
25 米排出路
27 精米ブラシ
29 循環空間
30 蓋

Claims (10)

  1. 玄米を搗精して得られた胚芽付き搗精米であり、玄米の表面から果皮層および種皮が取り除かれ、糊粉層及び胚芽が残存していることを特徴とする胚芽付き搗精米。
  2. 搗精歩合が約2.5〜3質量%であることを特徴とする請求項1に記載された胚芽付き搗精米。
  3. 前記玄米の表面の果皮層および種皮は95%以上除去され、糊粉層は残存させ、胚芽を除く全表面積の95%以上に糊粉層を露出させている請求項1に記載の胚芽付き搗精米。
  4. 玄米の表面にブラシを当てて表面を剥ぐことにより搗精したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の胚芽付き搗精米。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の胚芽付き搗精米の製造に用いる搗精用部材であって、
    玄米を投入するホッパーからなる処理槽の底面を被う回転板と、該回転板と共に回転し、外表面に精米ブラシを起毛させた環状体とからなり、該環状体は前記回転板との間に隙間を開けてその上方に配置していることを特徴とする搗精用部材。
  6. 上記環状体を回転板に対し連結固着させる連結板を設けている請求項5に記載の搗精用部材。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の胚芽付き搗精米の製造用の撹拌式精米機であって、
    底壁と周壁とを有する上面開口の円筒状の処理槽と、
    前記処理槽内に回転自在に収容する搗精用部材と、
    前記処理槽の底壁を貫通して前記搗精用部材を回転駆動する駆動装置とを備え、
    前記搗精用部材は前記駆動装置で水平方向に回転する回転板と、該回転板から突設した連結板を介して連結した環状体を備え、該環状体の外周全面に精米ブラシを突設し、
    前記処理槽の周壁内面と前記精米ブラシを突設した搗精用部材の環状体の外周面との間の垂直方向を搗精空間としていることを特徴とする撹拌式精米機。
  8. 前記精米ブラシはナイロン製とし、線径は0.1〜0.3mm、前記環状体の外周面からの突出量が1mm〜6mm、1cm当たり200〜2500本の密度で均等に周壁に植毛している請求項7に記載の撹拌式精米機。
  9. 前記搗精空間を挟む前記処理槽の周壁内面は摩擦面とし、該摩擦面と前記精米ブラシの先端との空間幅は3〜10mmとし、かつ、前記駆動装置で精米ブラシの先端における周速度を9.5〜13.5m/sの範囲で回転させ、該搗精空間に玄米を複数回数循環させ、
    前記駆動装置を動作させる精米時間を1合当たり15〜35秒間に制御する制御装置を備えている請求項7または請求項8に記載の撹拌式精米機。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の撹拌式精米機により、玄米の表面にブラシを当てて表面を剥ぎ、玄米の表面から少なくとも果皮層を取り除き、糊粉層及び胚芽が残存する胚芽付き搗精米を得ることを特徴とする胚芽付き搗精米の製造方法。
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