JP6338173B2 - 穀類の精白または無水で穀類の洗処理が可能な穀類処理装置、および穀類処理装置に使用する攪拌体 - Google Patents

穀類の精白または無水で穀類の洗処理が可能な穀類処理装置、および穀類処理装置に使用する攪拌体 Download PDF

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本願発明は、米に代表される穀類を攪拌、対流させて精白し、または精白した穀類を水を使用せずに洗処理する穀物表面処理装置に関する。さらに、その穀物表面処理で使用する穀類撹拌体に関する。
穀類の精白装置、特に玄米を精白する精米装置は、業務用から家庭用まで広く使われるようになっている。特に、酸化を防止するために、なるべく表皮を有した穀類、例えば、玄米の状態で保管して食する前に精白し、よりおいしい穀類、例えば精米を食べたいという要求が高まっている。
例えば、主食である米については、農家から直接精米して出荷する場合や、スーパー等の小売で購入した玄米を精米して顧客に提供するサービス、さらには、家庭用の精米機を購入し自宅で精米してすぐに炊飯する、などの多様な形態が存在している。
また、精白後にあっても、穀類の表面は糠等の粉が付着して残存しているため、その粉を水を使用せずに除去できる穀類表面処理装置、例えば、洗米装置がある。
米を例として説明すると、精米前の玄米は中から胚乳、うまみ層(亜糊粉層)、糠層(肌糠、種皮、表皮等)からなっている。精米には、その糠層の残り具合や白米の程度により精白度、例えば、3分搗き、5分搗き、7分搗き、標準、白米、上白米等に一般的に分類される。精米機には通常希望する精白度で精白する機能を有しており、例えば、3分搗き、5分搗き、7分搗きという搗精歩合は、玄米の時の重量を100%としたときと、精白して白米としたときの精白度との間の精白度合を示している。3分搗き、5分搗き、7分搗きに従って精白米に近くなり、吸水特性や糊化特性も変化する。精白米を何%としたときを精白米とするかは、業者によっても、そして使用する米の種類によっても異なる場合がある。
精米機には、攪拌式と圧力式が広く知られている。圧力式による精米は、集まった米粒同士の間に圧力をかけることで、その表層を取り除く方式であり、比較的表面に糊粉層が残存するために、食味の低下や糠臭の原因になっている。また、精米から時間が経過するうちに、糊粉層が酸化して品質を劣化させる原因ともなっている。加えて、米どおしをすり合わせて表面を研ぎ落としていくために攪拌式と比較すると精米に時間も要する。
一方、攪拌式は、通常、精米カゴと呼ばれる容器の中に玄米を入れて撹拌、対流させながら、精米カゴの内壁へと衝突させてその表面を削り取る作用を続けて、所望の精白度まで精米するものである。
つまり、攪拌式は、容器内に投入された米等の穀類を撹拌しながら精白するものであり、その容器の内面には、撹拌により擦り付けられた穀類の表層を削り取れるような粗さを有するように表面処理がされており、不要な部分と穀類とを分離できるようになっている。例えば、穀物を撹拌する部材として、穀類が投入される容器内に装着して、回転させることによって、米等の穀類を撹拌する撹拌回転体が広く知られている。この撹拌回転体は、回転する軸の軸方向から見て回転中心から周囲へ横方向に羽根のように伸びる棒や板を有しているため、撹拌羽根とか精米羽根とも称されている。撹拌羽根回転体を使用して精米する手法はその取り扱いが簡単なために家庭用の精米機として広く使用されており、その形状も種々提案されている。
例えば、家庭用精米機の一例が、本出願人が出願した特開2002−282718号に開示されている。そこで開示されているものは、発明の名称からも明らかなように、精米機の機能以外にも洗米の機能をも有した処理装置である。
洗米とは、玄米を精米して得られた白米から肌糠や糠片やごみを落とす処理を主に言うが、それ以外にも、分搗き米においては、所望の分搗き終了後の米の表面に付着した糠片やごみを落とすことを洗米ともいう。精米後の白米においては、外側の「糠」の部分が取り除かれ、これを水でとぐと残りの「肌糠」も落ちる。
よく言われることだが、洗米が十分でないと米に糠片等が付着したままとなったり、また、過度に洗米を行うと砕米や米に亀裂が発生したりする場合がある。米に糠片や肌糠片等が付着したままとなると食味が低下したりする。また、砕米率が高いと炊いたご飯がべとべとして食味が低下し、亀裂が発生すると亀裂に糠片やごみ等が詰るため、亀裂の発生率が高いと食味が低下する。
特開2002−282718号では、上記で説明した攪拌式の精米機を使用して洗米も可能であることに着目し、精米後に精米と同一の精米羽根を用いて回転させることで米研ぎ(洗米)を行う洗米モードを設けることを提案し、水洗いが不要な精米機を開示している。
さらに本出願人は、特開2007−313494号においても、精米と洗米が可能な新たな装置を開示している。
以上で説明したように、攪拌式の精米機は、洗米装置としての機能もあわせもつことができ、小型軽量化を可能とし、業務用以外にも家庭用にも有用である。
ここで、精米機には、米が目的の白度に調整されることが必要であると同時に、米がなるべく粉砕されないように制御することが求められる。
特開2002−282718号は、後に詳細に説明するが、精米羽根の形状に特徴を与え、なるべく砕米が生じないように、精米量や洗米量に応じて精米時間(あるいは洗米時間)と精米羽根の回転数を異ならせるようにしている。
さらに特開2007−313494号公報では、精米工程の比較的初期の段階において、より高速な回転数でかつ比較的短い時間で精米羽根を回転させることで、不良米を粉砕して除去し、その後はより低速な回転数で回転させることで、米の温度上昇を抑えつつ、砕米の発生を抑えながら、より短時間で精米を行うことのできる新たな技術を開示している。この特開2007−313494号公報で開示された精米装置も洗米装置としての機能も併せ持っているのは上で述べたとおりである。
攪拌式の精米装置で使用される精米羽根回転体、つまり攪拌羽根回転体のいくつかのアイデアが各社より出されている。尚、精米と洗米とはその性質も違い米に対する処理も違うために、混同して使用することが本来できないが、上記したように、精米機が洗米機の機能も併せ持ち、同じ攪拌羽根回転体を使用できることから、本願では、精米羽根といった場合には、洗米羽根をも意味するものと解すべきである。
本出願人による特開2007−313494号の図12A〜12Dには、各種の形態の異なった精米羽根回転体を開示している。その基本的な構成は、精米羽根が回転軸中心のボスからほぼ直角方向に、精米かごと呼ばれる容器の底に対して略垂直に伸びた板状の部材からなっており、精米羽根の回転方向に対して板状の面が向き、その辺の縁が上蓋のほう、つまり回転軸の方向に向くような形状をしている。また、特開2007−313494号公報の図18も同様に、精米羽根は、その縁が回転軸の方向にほぼ向くように板の面が傾斜角αをもちながら、回転中心軸から外方向に伸びていくものである。
このように、従来の精米羽根回転体は、略縦方向の板状の部材が中心から外方向に一定の幅を有して伸びており、その面が精米かごの底から起立するようにしていた。これによって、回転体を回転させたとき、精米かごの底に滞留した米を起立した板状の面で押し出しながらその遠心力で精米かごの内側面(内面や内壁ともいう)へ押し出す力を発生させることで米を攪拌する。
しかし、回転体の攪拌するための回転速度は、毎分数百回転以上の高速であるため、その駆動軸の中心部付近では、米の量が少なくなり、精米羽根の板の縁や面が露出してしまう。そのような状況で、攪拌による対流や精米かごの内壁で弾かれてきて戻ってきた米が、高速に回転移動するその露出した板状の面や縁に当たったり、強く弾かれた米が他の部分や米どおしで勢いよく衝突することで、砕米が増えることが明らかとなっている。また、投入する米の量が少なくなると、より顕著に精米羽根が露出するために、砕米の率も高まることが明らかとなった。
特開2002−282718号には、図10から図13、図15で別の例の攪拌羽根回転体を開示している。段落0025には、攪拌羽根によって撹拌されて遠心力により外側に飛ばされ徐々に上昇した米が内側に下降する時、攪拌羽根に当たって、米が飛び跳ね、砕米、欠け米が生ずる可能性があることも言及し、比較的砕米率が少ない撹拌羽根回転体を図9から図13に開示している。図9で示された攪拌羽根回転体(当該公報は、「精米羽根組立体」とも呼んでいる)は、回転中心軸のボスに取り付けられた精米羽根を有しており、精米羽根の上方には、ボスから同心円状に遮へいの役目をする円盤51が備えられて、遠心力により生じた軸まわりの米が少ない領域に落ちてきたときにも、円盤51の上面に当たるようにして、この米が直接精米羽根に当たることを防止する構成を開示している(段落0026)。
しかしながら、図9から図13の精米羽根のいずれも、軸中心から四方に分技して伸びた精米羽根であることから、その精米かごの底に滞留した米を精米羽根とかごの底の面とで擦り合わせてしまい、砕米を生じさせてしまう。また、ボスから同心円状の遮へいは、精米羽根が弾き飛ばせることによって生じる砕米の程度を下げる効果はあるが、遮へいが大きいと遮へい上に米がたまって円滑な対流を阻害してしまい、遮へいが小さいと、少ない量の米を精米や洗米をする場合に、遠心力によって偏在した米によって精米羽根が露出して米を吹き飛ばしてしまうために、どの程度の大きさの遮へいを持たせるかといった調整が難しく、均一な精米にも支障が出る場合がある。
さらに、米の回転移動速度は、精米羽根の回転速度で決まり、高速で精米かごの底で回転移動させられるために、米自体に過度な力が加わることから、この衝撃も無視できない。
特開2002−282718号 特開2007−313494号
以上で説明したように、特開2002−282718号公報や特開2007−313494号公報の開示により、精米後や洗米後の米には、砕米が混入することが従来に比べて少なくなったが、それでも、精米かごから排出される米を調査したところ、本来砕米されてはならない米もあることがわかり、不要な砕米を防止する改善が求められていた。
加えて広く一般に使用されている攪拌式の精米機では、旧来の単に高速で回転して攪拌するものも少なくなく、精米かご内を精米羽根で飛ばされる音や米の砕米が依然として多いことから、精米機のユーザや店側からは、精米機の弱点として、米の割れが多少なりに生じてしまうとか、精米羽根の回転と同じ速度で精米かごの底の上で米が回転移動させられるために、音が大きい、といったイメージが強く植えつけられてしまっているのが実情である。
一方の圧力式の精米機では、米どおしを擦り合わせながら精米を行なうため比較的静かであり、米の仕上がり具合にむらが少ない一方、時間がかかり米の温度が上昇し易い、というイメージがもたれている。
本願発明の目的は、攪拌式の精米機の長所である、小型化と精米の時間の短さ、という長所を持ちつつ、騒音もより小さく、仕上がりの程度にばらつきがなく、砕米などの砕穀が抑えられて精白や無水洗処理可能な攪拌式処理装置、およびその攪拌式処理装置で使用できる新たな技術的思想による攪拌体を提供することである。
このような目的を達成するために、本願発明は、
[1]容器の内部に穀物を収容して攪拌しながら表面を削り取る装置であって、
容器の内部で軸回転可能に軸支されるようにした回転体を有し、
回転体は、収容された穀物を支えて表面を削り取った後の穀物が通り抜けない面からなり、当該面の上を遠心力で穀物が当該回転体の周辺部方向へ移動するようにし、回転体の周辺部領域には、回転体の軸回転移動に伴って移動し穀物に突き当てて攪拌作用を与える攪拌作用部を有する、装置。
[2]攪拌作用部は、回転体の周方向に複数設けられた凹凸又は孔の攪拌作用要素からなる、[1]に記載の装置。
[3]攪拌作用部は、網状に連なって形成された凹凸又は孔の攪拌作用要素からなる、[1]に記載の装置。
[4]回転体の周辺部領域は起立しており、攪拌作用部は当該起立した部分に形成された複数の凹凸又は孔の攪拌作用要素からなる、[1]に記載の装置。
[5]凹凸又は孔は、起立した部分の縁に形成されている、[4]に記載の装置。
[6]凹凸又は孔は、起立した部分の面に形成されている、[4]に記載の装置。
[7]孔は、表面を削り取った後の穀物が通らない程度の大きさの孔からなり、当該孔の縁が穀物の攪拌作用を発生させる、[2]に記載の装置。
[8]凹凸又は孔は、削り取った後の穀物が通らない程度のスリットからなり、当該スリットの縁が穀物の攪拌作用を発生させる、[2]に記載の装置。
[9]起立した部分は面からカーブが形成されて起立している、[4]に記載の装置。
[10]孔は網目、円形、楕円、多角形のいずれからまたはそれらの組み合わせからなる、[2]に記載の装置。
[11]面は、回転軸の軸中心から径方向に円形の羽根状に広っている、[1]に記載の装置。
[12]面の少なくともその一部には、削り取った後の穀物が通り抜けない程度の大きさの網目が形成されている、[1]に記載の装置。
[13]穀物は米である、[1]に記載の装置。
[14]穀物を収容して攪拌しながら表面を削り取る装置の容器の内部に配置され、軸回転可能に軸支されるようにした回転体であって、
回転体は、収容された穀物を支えて表面を削り取った後の穀物が通り抜けない面からなり、当該面の上を遠心力で穀物が当該回転体の周辺部方向へ移動するようにし、回転体の周辺部領域には、回転体の軸回転移動に伴って移動して穀物に突き当てて撹拌作用を与える攪拌作用部を有する、回転体。
[15]攪拌作用部は、回転体の周方向に複数設けられた凹凸又は孔の攪拌作用要素からなる、[14]に記載の回転体。
[16]攪拌作用部は、網状に連なって形成された凹凸又は孔の攪拌作用要素からなる、[14]に記載の回転体。
[17]回転体の周辺部領域は起立しており、攪拌作用部は当該起立した部分に形成された複数の凹凸又は孔からなる、[14]に記載の回転体。
[18]凹凸又は孔は、起立した部分の縁に形成されている、[17]に記載の回転体。
[19]凹凸又は孔は、起立した部分の面に形成されている、[17]に記載の回転体。
[20]孔は、表面を削り取った後の穀物が通らない程度の大きさの孔からなり、当該孔の縁が穀物の攪拌作用を発生させる、[15]に記載の回転体。
[21]凹凸又は孔は、削り取った後の穀物が通らない程度のスリットからなり、当該スリットの縁が穀物の攪拌作用を発生させる、[15]に記載の回転体。
[22]起立した部分は面からカーブが形成されて起立している、[17]に記載の回転体。
[23]孔は網目、円形、楕円、多角形のいずれからまたはそれらの組み合わせからなる、[15]に記載の回転体。
[24]面は、回転軸の軸中心から径方向に円形の羽根状に広っている、[14]に記載の回転体。
[25]面の少なくともその一部には、削り取った後の穀物が通り抜けない程度の大きさの網目が形成されている、[14]に記載の回転体。
[26]穀物は米である、[14]に記載の装置。
以上を開示するものである。
本願発明によれば、少なくとも駆動軸の中心から径方向に広がった面で投入された米を代表とする穀物を支え、その面が回転することで、穀物と面との表面摩擦によって穀物が回転の中心から外方向へ押し出されるように流れて周辺部領域に移動し、遠心力により穀物が押し合いへし合いをされながら周辺部領域や容器の内側へと偏在する。このとき、周辺部領域には周方向に複数の攪拌作用要素からなる攪拌作用部が存在し、攪拌作用部が回転体の回転に応じて高速移動することによって、攪拌される力が穀物に与えられて、遠心力と攪拌力の作用によって、精白容器の内面に擦り付けられたり穀粒同士が擦れ合うことで穀物の表面が削られる。
例えば、周辺部領域に攪拌作用部の攪拌作用要素として突起やスリット、あるいは周方向に凹凸や網目状の目を複数設けることで、穀物個々への攪拌作用の力を小さく抑えることができ、穀物が周辺部領域の凹凸やスリット、あるいは円周方向に連なる凹凸などの攪拌作用部に当たっても、従来の片状の羽根体のように強力な殴打から開放されるために、穀砕が軽減される。
しかも、穀類は回転中心から径方向外側に偏在するよう移動してくるから、攪拌作用部はそれを迎えればよく、周方向に複数設けられた凹凸等からなる攪拌作用部によって、周上の所々でそのような攪拌作用が絶え間なく起こることで、穀物全体がさらに攪拌され、その遠心力を有した攪拌作用で精白かごの内面と米が接触してその表面が削られるため、効率的な攪拌と精穀(または洗穀)が可能となる。また、穀物全体の重さと攪拌作用部の一つ一つの要素が穀物に及ぼす衝撃力を抑えることができるため、激しく飛散させられることなく周辺部領域近傍で全体がその力の作用により押し上げられて精白かごの内面で精白される。
さらには、従来のような、回転中心から径方向に伸びた板状の精米羽根のような穀類への攪拌面の必要がないために、結果として、露出部分を小さくすることも、あるいは無くすことも可能となり、これによって、従来生じていたような症状による米等の穀類の粉砕を少なくしながら、従来と同等程度の時間で精米や洗米などの穀物表面処理をすることが可能となった。
従来の精米羽根回転体を使用した精米機の実施例の全体の外観を示す斜視図である。 図1の精米機の上面図である。 図1の精米機の操作パネル部の拡大図である。 図2の精米機の図2の線IV−IVに沿った断面図である。 図3の精米機の断面図において要部を分解した状態の図である。 図2の精米機の断面図の一部拡大図である。 図1の精米機における精米かご5の金網の構成例を示す図である。 従来の精米羽根回転体9を利用した場合の図1の精米機の精米動作を説明する精米機の要部断面図である。 従来の精米羽根回転体9を図1の精米機の精米かご5に装着した状態を示す要部透視斜視図である。 図1の精米機における制御回路ボックス内の制御回路の構成例を示すブロック図である。 精米機における胚芽米モードの精米時間を示した表である。 精米機における白米モードの精米時間を示した表である。 精米機における精米羽根の第1のパターンの回転速度制御を説明するためのグラフである。 精米機における精米羽根の第2のパターンの回転速度制御を説明するためのグラフである。 新たな精米羽根回転体9の第1の実施形態(製品A)の全体斜視図である。 新たな精米羽根回転体9を使用した場合の精米機の精米動作を説明する精米機の要部断面図である。 Aは攪拌作用部である凸部9iが回転体の面上に設けられた状態の全体斜視図である。Bは攪拌作用部である凸部9iが回転体の起立した周囲部領域に設けられた状態の全体斜視図である。Cは図16Bに対して、攪拌作用部である凸部9iが2倍の数設けられた状態の全体斜視図である。 Aは第2の形態の精米羽根回転体の例示である。Bは第3の形態の精米羽根回転体の例示である。Cは第4の形態の精米羽根回転体の例示である。 従来の精米羽根回転体と新たな精米羽根回転体との精米率比較を示したグラフである。 従来の精米羽根回転体と新たな精米羽根回転体との砕米率比較を示したグラフである。 従来の精米羽根回転体と新たな精米羽根回転体との胚芽米残存比率比較を示したグラフである。 Aは第5の形態の精米羽根回転体の例示である。Bは第6の形態の精米羽根回転体の例示である。Cは第7の形態の精米羽根回転体の例示である。
以下に、精白、洗穀の対象を米を例として、本願発明の回転体が適用可能である精米機の基本構成の1例を図1から図12までを参照して説明する。
本願発明による精米羽根回転体は、精米用と洗米用とで兼用することが可能である。従って、精米羽根といった場合には、必ずしも精米のみに使用するものではなく、精米に、そして/または洗米に利用できる攪拌羽根回転体と理解すべきである。また、後に詳細に説明するが、本願発明による回転体は、その回転軸を中心にして羽根状に周囲に広く延びた面を有する精米羽根回転体であり、その性質上、米に対する攪拌作用が従来とは全く異なるものである。しかしながら、従来の羽根タイプの回転体に代えて利用することも可能であることから、従来の多様な精米機も有効に活用可能である。もちろん、使用する回転体の実施形態によって、必要とする回転数やその運転時間に合わせるよう調整が必要となる場合も当然予想されるが、その調整は一般的に実質上プログラムを変えるだけで可能であるために、ここではまず、従来型の精米羽根を利用した精米機として説明し、後述して、新たな精米羽根型の回転体を説明する。
ここで、中心軸からみて横方向に延びているものや、中心から周囲方向に広がったものなど、中心から横方向に飛び出して偏移しているものは広く「羽根状」と呼ばれていることから、この明細書でも、精米のために中心軸から左右に広がったものや、円形や楕円状に広がったものなど、軸中心から横方向に延びた攪拌体を総称して、[羽根」の用語を使用して精米羽根や攪拌羽根と呼んでいる。尚、精米に代えて穀類一般への精白を、ここでは「精穀」と呼び、穀類の表面を洗うことを「洗穀」と言うこととする。
図1は本願発明による回転体が利用可能な従来の精米機1の1実施形態の全体斜視図を示し、図2Aは精米機の平面図を示し、図2Bは図2Aの精米機の操作パネル7の拡大図を示している。図3は図2AのIV−IVに沿った要部断面図である。 図1から図3において、精米機1は、本体ケース11、本体ケースから底に続く底蓋14、本体ケース11の上部に設けられた上蓋3を有している。上蓋3は精米される玄米を投入後、糠ボックス6、精米かご5を覆うと共に、本体ケース11に施蓋される蓋体であり、本体ケース11、底蓋14そして上蓋3はともに例えばABS樹脂から成型して作ることができる。上蓋3は、図3の断面図に見られるように、外側フレーム4aと内側フレーム4b、そして該フレーム4a,4bに取り付けられた取っ手3a、そして、フレーム4a,4bに挟まれたガラス又はアクリル樹脂からなる透明な窓2を有する。フレーム4a,4bおよび取っ手3aは一体的に成型可能である。底蓋14の底部にはすべりを防止するためのゴム足15が取り付けられている。精米機1内部からは、電源プラグ28を末端に有した電源コード27が外に延びている。尚、精米かごに白米を入れて洗米動作にも利用できるため、精米羽根と同様に「精米かご」といった場合でも、必ずしも精米のみに使用されるものではなく、精米に、そして/または洗米に利用できる容器(かご)と理解すべきである。
図2Bを参照すると、操作パネル(操作部)7は、精米/洗米動作の開始、停止(スタート/ストップ)を指示するための運転/停止ボタン70、精米や洗米する玄米や白米の量(例えば1合〜5合)を設定するための精米/洗米量設定手段である精米/洗米量設定ボタン72、及び精米と洗米とを切り替え、精米の場合には、胚芽を残した精米を行う胚芽コースや精米する米の精白度を設定して分搗き米や精白米を生成するための精米度(精白度)設定手段である精米/洗米調整(精米度設定兼用)ダイヤル71を有する。精米量設定ボタン72の近傍には複数のLEDランプ73が設けられている。その複数のランプ73のそれぞれには、対応する精米量が、1合から5合まで合単位で印字されており、精米/洗米量設定ボタン72が押されると、設定された米量に応じて複数のLEDランプ73のうちのいずれかが点灯して設定した米量を認識できるようになっている。操作部の入力に応じて内蔵された制御回路にメモリされた所定の駆動マップでモータ10を駆動する。
精米度設定手段は、この例による精米機では精米を無段階に調整可能なダイヤル式を採用しており、ダイヤル71の周囲には、精米調整をおこなうために、複数の目盛がふってある。例えば、精米機1には、胚芽コースにおける弱精米(弱めの精米)コース、標準精米コース、強精米(強めの精米)コースの3段階を示す目盛、2分搗き(精白度20%)から8分搗き(精白度80%)までの分搗き米コースを示す目盛のほか、白米(精白度100%)を生成するための弱精米(弱めの精米)コース、標準精米コース、強精米(強めの精米)コースの3段階のコースを示す目盛が刻まれている。精米度設定手段は、この目盛にダイヤル71をあわせることにより各コースの設定が行えるようにしている。尚、精米度設定手段はダイヤル式に限らずスライドレバー式、或いは精米/洗米量設定手段の操作で説明したように、ボタン式とLEDランプとの組み合わせでも良い。また上蓋3の透明窓部2より精米中或いは精米後の米の精白状態が認識できるので、再精米ボタンや再洗米ボタンを別途設け、精米動作停止後に所望の精白度が得られていない場合には、その再精米ボタンや再洗米ボタンを押している間だけ精米や洗米動作を可能とするようにしてもよい。
図3の断面図に対して、図4はこの精米機の要部の分解図である。さらに、図5は、図3の一部拡大図である。図4及び図5において、5は玄米を収容する筒状特に臼型形状の精米かご、9は回転することにより精米かご5内の玄米を精米する羽根タイプの攪拌用回転体(本願では単に「精米羽根回転体」という)、6は精米かご5を収容すると共に精米かご5により玄米より削り落とされた糠を収容する例えばPP樹脂からなる筒状の糠ボックス、30は糠ボックス6を収容する例えばABS樹脂からなる筒状の糠ボックス収容ケースであり、その上端部30a及び底部開口端30bが本体ケース11に固定されることにより該糠ボックス収容ケース30は本体ケース11に固定される。精米羽根回転体9、精米かご5、糠ボックス6は、それぞれ着脱自在に構成され本体ケース11に収容されるようになっており、精米時には、糠ボックス6、精米かご5、精米羽根回転体9を本体ケース11内にセットした状態で、所望の量の玄米を精米かご5内に投入し、蓋体3を施蓋した状態で操作部より精米開始を指示することで精米が行なわれる。
後述するが、図4で示した精米羽根回転体9に代えて本願で新規に開示する精米羽根回転体を装着して使用することが可能である。
8は当該精米機の制御回路(図示せず)を収容する制御回路ボックスであり、制御回路はコードリール組立体26に収容された電源コード27の電源プラグ28(図1)を交流電源に接続することで給電される。10は制御回路により制御されるモータ、10aはモータ10の回転に伴い回転するモータ駆動軸、12はモータ駆動軸10aに固定されモータ駆動軸と共に回転するモータプーリー、13はモータプーリー12と所定の減速比を有して形成された駆動プーリー25とに巻き回されモータ駆動軸10aの回転を駆動プーリー25に伝える駆動ベルトである。駆動プーリー25は駆動軸23aの下端部に固定され、モータ10の回転に伴い駆動軸23aも回転する。駆動軸23aの上端部は例えばポリアセタール製の回転盤(下カップリング)20及び例えばゴム系の材質でできた上カップリング19を介して駆動軸16の本体16bの下端部に結合し、駆動軸23aの回転に伴い駆動軸16も回転するようにしている。モータ10の反出力軸側にはモータ回転数を検出する回転センサ86が備えられ、モータの回転速度を制御することにより精米かご5内の精米羽根の回転速度を制御する。尚、回転センサ86は駆動軸23a又は駆動プーリー25の回転をモニターするように設けても良い。また、回転盤20及び上カップリング19は周知のものである。
駆動プーリー25の軸中心から一方に延びた駆動軸23aは本体フレーム24の開口部24a及び糠ボックス収容ケース30の底部開口部を貫通している。駆動軸23aと本体フレーム24の開口部24aとの間及び駆動軸23aと糠ボックス収容ケース30の底部開口部との間にはベアリング21を収容したベアリングケース22が介在して配置され、駆動軸23aが本体フレーム24と糠ボックス収容ケース30のそれぞれの開口部内で軸回転可能なようにベアリング21が駆動軸23aと当接するようにしている。ベアリングケース22の下端部はネジ32により本体フレーム24に固定されている。本体フレーム24は本体ケース11に固定されている。また、モータ10は本体フレーム24上に搭載、固定されている。
次に、精米羽根回転体9、精米かご5、糠ボックス6、駆動軸16等の構成について図3−図5を参照して説明する。精米羽根回転体9は、精米かご5の底部を貫いて起立する駆動軸16の軸16aと嵌合している。駆動軸16の他方の軸は駆動プーリー25に連結され、内蔵されたモータ10の回転駆動力は、モータプーリー12、駆動ベルト13、駆動プーリー25、駆動軸23a、下カップリング20、上カップリング19からなる駆動機構によって精米羽根回転体9へと伝達され、精米羽根回転体9がその駆動軸16を軸として回転するようにしている。駆動軸16の本体16bは円筒状であり、例えばステンレスで一体成形されており、該駆動軸16の軸受である金属製の円筒状のスリーブメタル17に受け入れられており、該スリーブメタル17は例えばステンレス製のメタルケース18内に収容されている。駆動軸16の本体16bの下端部は上カップリング19にネジにより固定されている。これらスリーブメタル17及びメタルケース18は精米かご5の中空突出部5gの内周部に圧入固定されている。また、スリーブメタル17の下には調整ワッシャ34が設けられ、上カップリング19と回転盤20との噛み合いの程度を調整する。駆動軸16の先端部16aは樹脂(例えばポリアセタール)でコーティングされ、多角柱形状、例えば、六角柱形状をしており後述する精米羽根回転体9の角軸受部9cにきつく嵌合され、それにより駆動軸16の回転に伴い精米羽根回転体9を駆動軸16の軸を中心として軸回転させる。精米羽根回転体9には、精米羽根9aがその回転軸の中心から径方向に向かって外側に羽根のように延在しており、精米羽根回転体9の回転によって精米かご5の内部の底部近傍で回転移動する。
糠ボックス6の底部フレーム6fには円柱状の中空突出部6gが設けられて、底部中央に筒状の中空部6hを形成している。その中空部6hには上記のように上カップリング19と回転盤20等が遊離自在に収容される。糠ボックスの上方には、外側に突出した上部フレームフランジ6bを有し、上部フレームフランジ6bの周縁部は図3に示すように糠ボックス収容ケース30の上部フランジ30cの上面で受けられて支持される。こうして、糠ボックス6は着脱自在に糠ボックス収容ケース30内に収容される。また、糠ボックス収容ケース30の上端部30aは、上蓋3を受ける受け部で、糠ボックス6、精米かご5を内側フレーム4bで挟んだ状態で上蓋3で施蓋される。このとき上端部30aに設けられたノブ65が施蓋により付勢されて押され、これに連動してスイッチ66(図9参照)がオンし、装置電源が投入される。精米動作中上蓋3が外された場合は、ノブ65が解放されてスイッチ66がオフとなり精米羽根回転体9の回転が停止するようになっている。尚、本実施例では、糠ボックス6が本体11内に完全に収容され、精米かご5がその糠ボックス6に完全に収容されているが、他の変形した形態をとることもでき、例えば、それぞれが部分的に収容されるようなものであってもよい。
精米かご5は、底部中央に駆動軸(精米羽根駆動軸)16を備えた有底筒状且つ、臼型形状に形成され、図3および図5を参照すると、底部フレーム5jの上面側に延設された中空突出部5g及び下面側に延設された円筒状の下面側中空突出部5iを有し、これらは例えばステンレスで形成されている。精米かご5の側周部5a(図3)から底面5m(図5)に至っては金網が張られ底部フレーム5jに接合されている。尚、金網は精米かごの底部5mから下面側中空突出部5iまで達するようにしているが、必ずしも精米かごの底部5mに金網が張られるものに限定されるものではなく、精米かごの側周部のみに金網を張設しても良い。尚、本願発明のように穀類を載置する座面(面)を有する撹拌体の場合精米かごの底部にまで網を張設すると回転数を調節して糠切れをより向上できる。金網にはエキスパンドメタルを使用しても良い。さらには、糠を削ることのできる程度の硬さと強さ、そして細やかさを有する網目状のものであれば、必ずしも金網でなくても良い。下面側中空突出部5iの内径は糠ボックス6の中空突出部6gの外径とほぼ同一かあるいは僅かに大きく、中空突出部6gが下面側中空突出部5iの中空部にゆるく嵌合される。この時、上面側中空突出部5gの内径は中空突出部6gの内径より小さいため、精米かご5は糠ボックス6の中空突出部6gの上端に乗せられた状態となる。上記のように、上面側中空突出部5gの内周部にはスリーブメタル17及びメタルケース18が圧入固定され、駆動軸16を貫通させている。図3および図4に示されているように、精米かご5の上部には外側に突出した上部フレームフランジ5eが設けられ、該上部フレームフランジ5eの周縁部は糠ボックス6の上部フレームフランジ6bの上面で受けられて支持される。こうして、精米かご5は糠ボックス6内に着脱自在に収容される。尚、本実施例では、精米かご5に駆動軸(精米羽根駆動軸)16を形成し、糠ボックス6の底部に形成された中空部を貫通して回転駆動力を伝達するため駆動軸23aがその駆動軸16と嵌合するようにして、糠ボックス外部からの回転駆動力を精米羽根回転体へと伝達する回転駆動力伝達機構を形成しているが、駆動軸23aと嵌合する駆動軸(精米羽根駆動軸)16を糠ボックス6に形成し、その駆動軸(精米羽根駆動軸)16が精米かご5の底部に形成された中空部を貫通するようにした伝達機構としてもよく、あるいは他の回転駆動力伝達機構を採用してもよい。
図8は、精米かご5の駆動軸16に従来の既知の精米羽根回転体9が嵌合した状態を示すための、精米かご5の金網の一部を切断した外観斜視図である。精米かご5は下方に略円筒状に形成された下部円筒部5c、下部円筒部5cから上方に次第に拡径した傾斜筒部5b、さらに傾斜筒部5bから上方に延設された玄米投入口である略円筒状の上部開口部(上部筒部)5aからなる臼型形状に形成され、各々が滑らかな曲線で繋がっている。下部円筒部5cの高さ(深さ)は最低精米量(1合)を投入したときほぼ埋まる高さに形成され、これは後述する精米羽根の高さとほぼ同じである。図7は、図1の精米機の精米動作を行っているときの精米羽根によって攪拌される米粒40の動作の一例を模擬的に示した精米機の要部断面図である。精米かご5の形状を上記のように構成することで、米粒が押圧される下部円筒部5cで精米羽根9aによる搗精圧力を増して白度を向上させると共に糠切れを良好にし、米粒がスパイラル状に傾斜筒部5bを経て上部開口部(上部筒部)5aに向かって上昇しながら矢印で示すように循環する際に、大きく円周方向に振って米粒に掛かる衝撃力を和らげ、砕米を防ぐようにしている。ただし、これは例示であり、精米かごの形状は、底から同じ径の円柱状であるものや、あるいは、底から上にいくに従って一定の割合か、変則的な割合で径が大きくなるようにしたものでもよく、精米かごは多様な形態が可能である。
一方、いずれの精米かごであっても、従来の羽根タイプの回転体に代えて本願発明による新たな羽根タイプの回転体を装着して利用することができる。
精米かご5における金網の網目形状を図6に示す。網目形状は、この例では精米かごの底部から上部に向かって縦に長いひし形又は横に長いひし形を有している。精米時には玄米を前記精米かご内に入れて駆動軸を回転させることで精米羽根9aの回転により玄米が撹拌され、玄米はその遠心力により精米かご5の金網の網目に擦り付けられながら金網に沿って斜め上方に図6に矢印で示すように移動することで、糠が削り落とされる。ひし形のサイズは、米が金網の網目から飛び出さないようかつ網目に入り込まないよう、短目方向の長さSWが好ましくは約2.2−3.0mmの間、長目方向の長さLWが約2.8−4.6mmの間であり、組み合わせとしては例えば、(SW:LW)=(2.2mm:3.0mm)又は(2.5mm:3.5mm)又は(3.0mm:4.6mm)である。尚、金網の網目形状は四角形(長方形又は正方形)でも良く、その場合には縦及び横方向一辺の長さは共に約2.0−3.0mmの範囲である。また、網目形状は円形としても良く、その場合には直径が約1.3−3.0mmの範囲である。また、いずれの場合も、金網の厚さ、幅は共に例えば約0.4−0.6mmの間のものである。以上の網目形状と寸法により、精米される良米が精米かごのその側周部の金網から外の糠ボックスに出ることを防止し、粉砕された不良米は、その金網から出て外の糠ボックスに糠とともに収容されるため、比較的良米のみの精米が可能となる。
精米羽根9aは、精米羽根回転体9の中心軸部から周囲に延びている。図5を参照すると、精米羽根回転体9は、精米羽根9aの基部であって回転軸となる、例えばPP樹脂からなる筒状のボス(即ち、駆動軸16に着脱自在に嵌合されて該駆動軸と共に回転する部材)9bと、ボス9bから縮径して延設された角軸受部9cを有する。ボス9bと角軸受部9cは、例えばPP樹脂等の樹脂から一体的に成型して作ることができ、又はステンレス等の金属を成型加工して作っても良い。精米羽根9aは、精米羽根回転体9のボス9bから径方向に複数(例えば2つ)延設され、それぞれが板状を有する。複数の精米羽根9aは回転軸中心方向から見て周方向に略等角度間隔(2枚であれば180度対向配置)で配設されている。精米羽根9aは好ましくはボス9bと一体的に成型されているが、ボス9bに固着するように別途個別に形成してもよい。従来の精米羽根9aは、ボス9bの底面あるいは精米かごの底面に対してほぼ垂直(角度α=約90度)に配設されている。図3から図5を参照すると、ボス9bの中空部9dは精米かご5の上面側中空突出部5gを受けて収容する。角軸受部9cの中空部9eは六角柱形状としており、角軸受部9cが駆動軸16と一緒に回転しても容易に離脱しない程度に駆動軸16の先端部16aと嵌合可能となっている。これにより、精米羽根回転体9は駆動軸16の先端部16aに対して着脱自在に嵌合され、モータ10の回転に伴い回転される。尚、駆動軸16の先端部16a及び角軸受部9cの中空部9eの形状は六角柱形状に限らず三角柱、四角柱、五角柱形状などであり得る。尚、角軸受部9cは、利用者が容易に角軸受部9cにアクセス可能なように、精米かご5の上端とほぼ同じ高さまで延設され、精米かご5から脱着し易くなっていると共に、米粒が精米かご5の周壁をスパイラル状に上昇しながら図7の矢印のように循環する際に、精米羽根9aの軸(ボス9b、角軸受部9c)を中心に循環し易くされている。
従来の精米羽根の代表例として、図8に示すように精米羽根9aは精米かご5の底面5mに対してほぼ垂直に配設されており、これにより精米羽根9aには精米かご5の底面5mに対してほぼ垂直な米粒押圧面(押し出し面)9fが形成される。
次に、精米機の制御回路及び精米動作の例を説明する。図9は制御回路ボックス8内の制御回路(制御部)80の構成例を示すブロック図である。制御回路80はマイコン81とモータ10を駆動制御するモータ駆動回路88を有する。マイコン81は操作パネル7に接続されると共に、速度センサ86、モータ駆動回路88に接続された入出力(I/O)回路82と、CPU83とメモリ(ROM、RAM)84と、これらを接続するバス85を有する。メモリ84内には精米量に応じた精米度毎の精米羽根の回転速度(PWM比で与えられるモータ駆動により設定される精米羽根の回転速度、±20回転/分程度の精度)と精米時間(精米羽根の回転時間、±2秒程度の精度)が予め設定又はプログラムされている。
精米の動作を説明すると、先ず、糠ボックス収容ケース30に糠ボックス6を収容し、更に糠ボックス6に精米かご5を収容し、精米羽根回転体9を駆動軸16に嵌合した状態で、所望の量の玄米40を精米かご5に入れ、上蓋3を閉じる。次いで、電源プラグ28をコンセントに挿入すると、既に説明したようにノブ65に連動したスイッチ66がオンし、装置電源が投入される。尚、上蓋3を閉じる前に電源プラグ28をコンセントに挿入しても良い。次に、精米量設定ボタン72により投入された玄米の量に応じて精米量を設定し、精米度調整ダイヤル71により任意の精白度(白米/分づき/胚芽米)を設定したあと、運転/停止ボタン70を押すと、設定された精白度及び精米量に応じた回転数でモータ10が回転し精米羽根回転体9が回転する。すると、精米羽根9aの回転移動により玄米40が攪拌され、玄米はその遠心力により米粒同士の摩擦や精米かご5の側周部の金網の網目に擦り付けられて、糠が削り落とされる。更に、削り落とされた糠41は遠心力により網目から外側に飛ばされ糠ボックス6内に落とされる。精米羽根9aの回転により押圧された米粒は、図7に示すように、精米かご5の側周部5c、5bそして5aに掛けてスパイラル状に上昇し、精米かご5の上方に向かって移動し、精米かご5の上端部付近まで延びている円筒状のボス9b及び角軸受部9cでなる軸部に沿って流下するという軌跡を順次繰り返して精米される。このような玄米の対流が生じるために、玄米が全体的に精米かご内を図7の矢印に示すように循環するために精米かご内の玄米は全体として均一に精米される。モータ10が、設定された精白度及び精米量に応じた時間だけ回転すると、自動的に回転を終了し、所望の精白度の精米が完了する。こうして、玄米から糠が確実かつ容易に分離され、所望の精白度の米を得ることができる。
尚、精米状態を上蓋3の透明な窓2を介して見ることができるため、精米中の適当な時点で運転/停止ボタン70を押して精米を停止することもできる。精米後は、上蓋3を外し、更に精米羽根回転体9を駆動軸16から外して取り出し、精米かご5を取り出して精米かご5内の精米後の米を取り出す。この時、精米かご5内の米をそのままの状態として水をかけて洗米することも可能であるし、更には、精米かご5内の白米を無水で洗米処理することも可能である。洗米動作も、その米の量に応じてあらかじめプログラムされており、精米操作同様の操作で洗米を行なうことができる。精米や洗米を終えたら、糠ボックス6を取り出してその中の糠を取り出す。
精米羽根回転体の精米回転制御は、時間の経過の回転数の変化に応じて、大きく2つに分けることができる。一つは、時間が経過しても精米が終わるまでは精米羽根回転体(精米羽根)の回転速度を一定に維持する回転制御である。もう一つは、時間が経過するに応じて、精米羽根回転体(精米羽根)の回転を連続的に、あるいは不連続的に変化せる回転制御である。
本出願人が先に出願しその内容が公開された特開2007−313494号では、これらの2つの異なる回転制御の一例を開示しているので、その内容を以下に引用する。
特開2007−313494号の図19、図20を、本願の図10、図11に例示すると、図10および図11は、従来から広く一般に行なわれている定速度運転のみを行った1合から5合までの各精米量毎に要する標準的な精米時間を示したものである。図10は、胚芽モードで精米した場合の精米時間を表し、図11は、白米モードで精米した場合の精米時間を表している。もちろん当業者は理解しているように、より異なった精米度の回転制御も可能であり、ここでは、多種の精米度のなかから2つを例示しているにすぎない。
同様に特開2007−313494号で開示した他の一つ、つまり、時間が経過するに応じて精米羽根回転体(精米羽根)の回転を変化させる制御方法の一例は、図12、図13および下記表1〜5、表6〜10に示す。 このようにすでに開示した内容を例示するのは、新たな精米羽根回転体は、従来の精米羽根回転体で使用する精米機に対して非常に親和性が高いために、特段別の方法で例示する必要が無いからである。もちろん、当業者の通常の選択の範囲内で、その回転数や時間は調整しても良いが、その調整の範囲は、特段特徴的な部分がない限り、本願発明による新たな精米羽根回転体を利用した精米機においても自明の範囲内である。
図12は、精米動作における精米(攪拌)時間Tに対する精米羽根回転体9(精米羽根9a)の攪拌回転速度Vのグラフである。精米羽根の撹拌回転速度Vは、精米動作開始から終了に至るまでの間、複数の定速回転動作区分に分けられる。精米羽根9aは、精米動作開始から所定期間の第1段階aでは、比較的高速の一定の回転速度で回転し、次の中間の第2段階bでは、中間の回転速度で所定期間回転し、最後の第3段階cでは、比較的低速の回転速度で所定期間回転する、3つの動作区分a,bそしてcに分けられている。但し、精米量及び精米度によっては、必ずしも3段階の精米を行う必要がない場合もあることから、3段階の精米の他、1段階のみの精米、2段階による精米が可能なように、精米機のメモリ84に記憶又はプログラムされる。
以下の表1から表5は、精米量ごとに、精米度、米の種類に応じて予め設定された回転速度と、回転動作期間を示している。
(段階的逓減攪拌動作)




先ず、定速度回転(第1回転)のみによる精米を行う例を説明する。表1から表5までに見られるように、この第1回転による精米は比較的高回転で、短時間の精米で一気に糠を削り取るように精米するもので、1合〜5合までの各6分搗き(精白度60%)程度までの糠層を多く残した精米に好適である。この場合の精米羽根の回転速度は、精米量に応じて約2200〜2300回転/分の間で任意の一定速度とされ、精米時間は精米量に応じて多少増えるが概ね、最大合数(5合)でも1分40秒以内での精米となる。このように玄米の糠層を比較的多く残した精米の場合は、高回転で一気に糠を削り取るように定速度運転による精米が可能である。高速回転であっても玄米の糠層が衝撃力を吸収して剥離し、精米羽根を回転させる時間が短いので砕米の発生は少ない。
次に第1回転〜第2回転の2段階の速度で精米する場合の例を説明する。この場合の精米は、1合の7分搗き(精白度70%)、8分搗き(精白度80%)と、2合〜5合の各7分搗きコースに適用すると好適である。尚、1合の胚芽米における弱めの精米コースでは、第2回転と第3回転を同一速度として実質的に2段階の速度で精米する。第1回転では、高回転で一気に糠を削り取り、第2回転では速度を落として精米している。このように、精米羽根の回転速度を落とすことによって、米の回転方向(米粒個々の自転方向)が変わるので玄米の糠層の表面が均一に削り取られる。精米時間は、第1回転より第2回転を少し長めか、ほぼ同じ時間で精米すると米を磨く作用が生じ、糠切れも良くなり砕米の発生も抑制できる。このように精米することで、精米終了までの時間は1合の白米コースで1分35秒となっている。
次に第1回転〜第3回転の3段階の速度を使った精米の例を説明する。この場合の精米は1合の白米コース、胚芽米コースと、2合以上の精米量で、8分搗き(精白度80%)以上の分搗き米コース、及び白米、胚芽米コースに適用すると好適である。分搗き米及び白米コースにおける回転速度と時間の関係は、回転速度が、第1回転速度>第2回転速度>第3回転速度となり、精米時間(精米羽根駆動時間)が、第2回転>第1回転≧第3回転となるようにしている。但し、1合の白米コースでは、精米量が少なく米粒密度が小さいため精米時の米の飛び跳ね、蓋体への衝突により砕米が発生し易いので第1回転の精米時間を最小にしている。胚芽米コースにおける回転速度と時間の関係は、回転速度が、精米量に応じて第1回転速度>第2回転速度≧第3回転速度となり、精米時間(精米羽根駆動時間)が、第1回転>第2回転>第3回転となるようにしている。同様に1合〜2合程度の少ない精米量の場合には砕米が発生し易く、胚芽が取れてしまうため第1回転速度の精米時間を最小にしている。
精米初期の第1回転では高速回転でかつ比較的短い時間で一気に玄米表面を削り取るように精米する。但し、そのまま高速回転では砕米が増えるので次の第2回転では第1回転より回転速度を落とし、中速回転で精米を行う。この第2回転では、第1回転より精米時間を長めにして精米を行う。但し、3合以上の胚芽米コースの場合は第2回転の精米時間の方が短い。回転速度を落とすことにより米の回り方(米粒個々の自転方向)が変わるので、米表面を均一に精米する作用が生じる。次に第2回転の後にさらに回転速度を落として低速回転とした、第3回転で精米を行う。この第3回転は、基本的に第1回転や第2回転よりも精米時間が短く、減速により米の回り方(米の自転)がさらに変わるとともに、低速回転により糠を削り取るというよりも米の表面を磨くような作用が生じ糠切れを向上させた仕上げの精米工程となる。このように精米とすることで、5合の白米では、従来の定速度精米の場合に要した時間(約5分30秒)に対して約半分の約2分45秒、そして5合の胚芽米では、従来の定速度精米の場合に要した時間(約12分)の約3分の1の約3分10秒で精米が可能となる。
さらに、白米(1合〜5合)での砕米率(%)(砕米重量(g)/精白米の重量(g)x100)は約1%となり、従来例の約半分にすることができた。分搗きや精米量に応じて回転速度を2段階に設定しても同様の効果を得ることができる。さらに玄米の品種や硬度、水分率に応じて標準精米、強めの精米、弱めの精米コースを付加すると回転速度の制御と相俟ってより品質の良い精米が得られる。
精米機により、精米羽根回転体9(精米羽根9a)の回転を直線的に逓減させて精米する例を、図13及び表6〜表10を使用して説明する。
図13は、精米動作における精米(攪拌)時間Tに対する精米羽根回転体9(精米羽根9a)の攪拌回転速度Vのグラフである。精米羽根の撹拌回転速度Vは、精米開始初期においてはある一定期間比較的高速で一定であり、その一定期間経過後から精米終了に至るまでの間、一定の割合で直線的に減少する2区分に分けられる。すなわち、精米羽根9aは、精米動作開始(t=0)から所定期間(t=t)の第1段階では、回転速度vで一定であり、次の期間(t=t〜t=t)の第2段階では、回転速度v(=v)からv(v<v)に継続的に減少する。但し、精米量と精米度によっては、必ずしも2段階の精米を行う必要がない場合もあり、2段階の精米の他、1段階のみの精米が可能なように、精米機のメモリ84に記憶又はプログラムされている。
以下の表6から表10は、精米量ごとに、精米度、米の種類に応じて予め設定された回転速度と、回転動作期間を示している。
(直線的逓減攪拌動作)




先ず、一定速度回転のみによる精米を行う例を説明する。表6から表10に見られるように、この一定速度回転のみによる精米は基本的には、表1から表5で示した一定速度回転のみの精米と、その本来の目的は変わらず、一気に糠を削り取るように精米するものである。ただし、表1から表5と、表6から表10とでは、一部回転速度を異にしており、1合〜5合までの各5分搗き(精白度50%)程度までの糠層を多く残した精米に好適であるようにした。この場合の精米羽根の回転速度は、精米量に応じて約2150〜2300回転/分の間で任意の一定速度とされ、精米時間は精米量に応じて多少増えるが概ね、最大合数(5合)でも1分20秒の精米となる。このように玄米の糠層を比較的多く残した精米の場合は、高回転で一気に糠を削り取るように定速度運転による精米が可能である。高速回転であっても玄米の糠層が衝撃力を吸収して剥離し、精米羽根を回転させる時間が短いので砕米の発生は少ない。
次に、精米開始直後はある期間一定速回転とし、引き続き回転速度を継続的に逓減させて精米する場合の例を説明する。この場合の精米は、1合から5合に対して6分搗き(精白度60%)、7分搗き(精白度70%)、8分搗き(精白度80%)のコース、白米コース、胚芽米コースに適用すると好適である。最初の回転では、高回転で一気に糠を削り取り、次の継続逓減による回転では回転速度を時間経過とともに落としながら精米する。精米羽根の回転速度を次第に落とすことにより、米の回転方向(米粒個々の自転方向)や精米かご内での米の対流が変わるので玄米の糠層の表面がより均一に削り取られる。精米時間は、最初の第1段階の回転は比較的短時間に終了し、一方、第2段階の、回転速度が直線的に減少する時間を長くしている。特に、精米終了の低い回転速度に向かう第2段階の後半の精米動作により、糠を削り取るというより、米の表面を磨くような作用が生じることで、糠切れも良くなり、確実にうまみ層を維持しながら余分な糠を落とすことが可能となった。精米全体に要する時間は、例えば、1合の白米コース(標準)で1分35秒となっており、5合の白米コース(標準)で3分30秒であり、そのうち、継続的に減少する期間はそれぞれ80秒(1分20秒)、195秒(3分15秒)で全体のうちの多くを占めている。この継続的に減少する回転変化の初期では、一気に削り取られた米の不均一な表面を全体にならしていくとともに残りの糠をも削り取りながら、磨く処理へとその比重を移しながら精米後期へと移行し、本来求められる均一な白米を得ることができるのである。また、胚芽米の精米では、初期の回転速度を減じ、逓減期間も白米よりもより長くとることで、胚芽を残しながらも、それ以外の不要な糠の除去を可能とした。さらに、玄米の品質や、硬さ、湿度に応じて、白米コースと、胚芽米コースに、強、標準、弱を設けることにより微妙な制御を可能として、品質の良い精米を可能とし、人それぞれの微妙に異なる食感に対しても対応することができるようにした。精米機のメモリ84には、精米度と精米量に応じてどのように精米するかが予め記憶又はプログラムされており、ボタン操作で簡単に品質の良い精米が可能である。
このように精米開始から精米終了まで精米羽根の回転速度を、例えば3段階や2段階の複数に区分して、段階的に逓減させるようにし、あるいは継続的に逓減させるようにしたことで、精米中の米粒の自転方向が変わったり、精米かご内での米の挙動が変わり、米表面を均一に精米できるので、精米時間が短縮できる。精米時間が短縮できるので省エネが達成できると共に砕米も抑制され、米の温度が上がらないので玄米自身の水分率の相違による米割れも抑制できる。
尚、精米時には、精米の進行に応じて精米羽根回転体への負荷が変動する。その負荷の変動があっても回転体の回転数が一定となるように、単位時間の回転数を直接または間接的に監視して制御回路にフィードバックして一定の回転速度となるように制御する、いわゆるクローズドループ(閉ループ)制御によるものと、フィードバックを行わない、いわゆるオープンループによる制御のものがある。オープンループによる場合は精米初期の負荷が重い状態から精米終期の負荷が軽くなる状態に掛けて精米羽根の回転数が変動(増速)する。つまり、フィードバック方式の精米機では、決められた所望の回転速度を達成できるが、フィードバック制御を行わないと、糠が削り取られて負荷が軽くなるにしたがって、回転速度が増大する傾向にある。この例では、特に限定しない限り、時間経過に応じて回転数を引き下げているようにした精米機であれば、その間にたとえ回転数の変動を生じるような精米機であってもよい。また、精米度によっては、先の実施例でも示されているように一回の定速回転によって精米すれば十分なものもあると考えられるが、かかる定速回転による精米と、回転速度が段階的に又は継続的に逓減する精米の両方の機能を有する精米機であってもよい。糠層を多く残した分搗き米を生成したい場合には、所定の回転数で回転する単一の速度区分のみを制御回路のメモリに設定すれば良く、簡単な構成で所望の精白度の精米を得ることが可能となる。
当業者が上記説明から当然理解するように、精米羽根の回転速度や回転時間は、適宜改変可能である。例えば、表1から表5を参照して言えば、第2回転の精米時間を少し長めに設定して、第3回転の時間をその分短めに設定しても良く、或いは、第2回転の回転速度を少し高めに設定して、第2回転の時間を短くすると共に、第3回転の時間を延ばしたり、トータルとしての精米時間を変えずに、各速度区分の中で精米時間を微調整することも可能である。更に、少なくともいずれか1つの段階における回転速度を少し落としてその分精米時間を延ばして、精米完了までの総時間を多少延ばしても良く、得られる効果に影響はない。また、その精米羽根の回転を直線的に逓減させるほか、必要に応じて、曲線的に逓減させてもよく、段階的な逓減と連続的な逓減とを組み合わせてもよい。
又、分搗きコースは3分搗き、5分搗き、7分搗きのみを設定し、これら各分搗きコースに標準精米、弱めの精米、強めの精米の各コースを追加設定しても良い。このようにすることで、玄米の状態に応じた良質の分搗き米を得られると共に、各分搗きコースの略中間の精米度を持つ米が得られることから、2分搗き、4分搗き、6分搗き、8分搗きとほぼ同程度の分搗き米が得られる。
以上の実施例は、攪拌体として駆動軸から周囲に多数突出した従来型の精米羽根を例として、その構成および利用の仕方を説明した。
[新たな形態の精米羽根回転体]
次に、本願で新たに開示する羽根状の攪拌体について説明する。
ただし、この攪拌体は、家庭用、民生、業務用に限定されず、各種多様な攪拌用の精穀/洗穀装置に利用可能である。
(新たな形態の精米羽根回転体:製品A)
すでに述べたように、従来の精米羽根回転体に代えて、新規の精米羽根回転体を使用することが可能である。
図14は、新たな精米羽根回転体9の一例(製品A)の全体斜視図であり、図15は、新たな精米羽根回転体9を精米器の精米かごに装着して、その精米動作の状況を概略的に示した要部断面図である。
図14および図15を参照すると、精米羽根回転体9の角軸受部9cは、従来と同様の形状のものを利用することが可能であり、その角軸受部9cを中心にしてボス9bから同心円上に横方向へ円形の羽根状に伸びた面9gを有し、その面9gで精米かご内に投入された米全体を下から支えるようにしている。
軸を中心として円周上へと羽根状に広がった面9gは、周端領域にむかってカーブが形成され、面9gから径方向に周端部を見ると、起立した周辺部領域9hが同心円状に形成されている。
好ましくは、この面9gは平坦であり、そこからカーブが形成されて突出した周辺部領域9hへと続いている。また、好ましくは、面9gは、中心から円形の羽根のように広がった羽根であり、その周端領域が盛り上がった面を有して、全体で米を下から支えられるようにしている。周辺部領域9hを合わせてこの面9gは、一枚の例えば、ステンレス等の金属や他の材料のプレートから形成することができる。
周辺部領域9hには、米に攪拌作用を与える部分である凸部9iが一定の間隔で周方向に点在して攪拌作用部を形成している。この攪拌作用要素である凸部9iは、この例では、周辺部領域9hの面からある厚さを有した四角柱の形状を有するが、この形状には限定されず、例えば、円柱状や、他の多角形の形状を有していてもよく、あるいは、異なった形状のものが、周辺部領域9hに周上に配設されていてもよい。
また、凸部9iは、面9gと一体的に突設して形成して羽根体を形成しても良く、あるいは個別に製作して、凸部9iを周辺部領域9hに貼り付けるようにしてもよい。
例えば、面9gは、アルミやステンレス等の金属から形成されていてもよく、腐食性と耐久性を考慮し、人体に有害とならないような他の材料の使用や、使用による経年変化によっても人体に有害物質が飛散しないような処理を施している。
多種の実験を行ない、精米時の米の振る舞いを観察した結果、精米は次のようなプロセスで行なわれるものと推察できる。
図15を参照してその推察を説明すると、面9g上に置かれた米40は、精米羽根回転体9の回転により、その面9g上をすべりながら遠心力により径方向外側へと力を受け、周辺部領域9hへと移動する。精米羽根回転体9の回転によりその周端部領域で円を描いて高速に移動する攪拌作用要素の凸部9iは、移動してきた米にその凸部9iの縁とぶつかり、米を飛ばす力を与える。ある程度以上の量(例えば、1合以上)を投入された米は、周端部領域9h方向に集まり精米羽根回転体の中心に比べて多くの米が集まってくる。一方、その集まった米の底のほうにある米は次々と凸部9iの力を受け、周端部領域9hに集まった米全体に力を作用し、米どおしが突き当たりながら全体が遠心力の作用と米どうしの干渉の作用で、精米かごの内面に向かって押し上げられ、内面で削りとられながら落下し、それらが順次循環作用と攪拌作用を伴いながら全体が精米されていくものと考えられる。こまかく観察すると、精米かごの矢印で示した米の循環は、従来の循環と異なっており、従来の精米羽根回転体の場合よりも、より精米かごの内面付近で、米全体が大きく上方に伸びて持ち上げられ、持ち上げられる高さも一定の周期で高くなったり低くなったりすることが観察された。
新たな精米羽根回転体9の最外郭、つまり、この例で言う周端部は、精米かごの内面と近接しており、精米が周端部と精米かごの間を抜け落ちない程度の隙間が形成されている。つまり、その隙間は、精米羽根回転体9の製造寸法の誤差によって回転運動に編心が生じても周端部が精米かごの内面に当たらず、かつ精米で良品として残った米がその間をすり抜けて精米羽根回転体9の底にたまらないような大きさとなるよう、精米かごと精米羽根回転体9との間の寸法が設計されている。
このように、攪拌羽根は軸から横方向に広がった面からなり、その面の周辺部領域には凸部9i等の米に力を作用させて米自体に攪拌力を与える攪拌作用部が設けられている。米が回転体の面上を遠心力で周辺部領域に移動させられると、その周辺部領域では、回転体の回転力で攪拌作用部も回転移動して米に突き当たってその周りにある米との攪拌作用を起こさせる。周方向に複数設けられた凸部9i等の複数の攪拌作用要素からなる攪拌作用部によって、周上の所々でそのような攪拌作用が起こることで、米全体がさらに攪拌され、その遠心力を有した攪拌作用で精米かごの内面と米が接触してその表面が削られるため、米の一つ一つに対しては大きな衝撃力を与える必要がなく、極めて効率的な攪拌作用を与える攪拌作用部とすることができる。
従って、従来のような、回転中心から径方向に伸びた板状の精米羽根の米の押し出し面を大きくする必要がないために、結果として、米が偏在しても従来のような精米羽根が露出してしまうような部分を小さくすることもできるために、それによる米砕も防止できることとなった。
面9gの摩擦力が低いと、その上の米が遠心力によって効率的に周辺部方向に移動しないこともある。従って、そのような場合には、遠心力によって中心から周辺部領域に米を移動させる押し出し力を加えるために、例えば、米が遠心力によって周辺部領域に向かうように板状の誘導面を面9g上に周辺部領域の攪拌作用部とは離れて部分的に立てかけるように設けてもよい。この場合、攪拌によって戻ってきた米の多くがその誘導面の縁で強く弾かれて従来のような精米羽根の砕米が生じないように、なるべく高さを低くすることが好ましい。この誘導面は、回転する面9g上に形成するものであることから、従来のような、容器の底で米を回転体の速度で移動させるものとは異なり、騒音も低減され、しかも、面上ですべる米を低減させる目的であるために、その高さも低く抑えることができ、砕米が生じにくい。
この例では、面9gは孔の開いていない平らな面であるが、米の周辺領域に導くように、精米された後の米が通り抜けない程度の孔を複数設けても良く、あるいは溝を設けるようにしてもよい。
以下に図16A〜図16Cを参照しながら、攪拌作用部である凸部9iの作用を説明することで、プレート9gの新規で有用な機能を明らかにする。
図16Aは、プレート9gの平らな表面上の周辺部領域9hよりも軸に近い部分に凸部9iを円周方向に8箇所等間隔で設けた精米羽根回転体9である。一方、図16Bは、図14の精米羽根回転体9の凸部9iのある場所(つまり、周辺部領域9hの側面)は同じであるが、凸部9iの高さが図14のものより大分低い精米羽根回転体9である。さらに、図16Cは、図16Bに対して、凸部9iの径方向の位置は変わらないが、その回転方向、つまり円周方向に等間隔に、凸部9iの数を倍の16個に増やした精米羽根回転体9である。
精米条件として、精米量を1合の玄米とし、精米モードを白米にセットしてそれぞれの精米羽根回転体による精米の違いを実験した。その結果が次の表11のとおりである。
以上の実験結果からわかるように、凸部9iの高さが精米率および精白度に大きく影響を与え、高さが高いほど、精米率および精白度が高くなることが分かった。その理由は、凸部9iの高さがある程度なければ、米を巻き上げる攪拌作用を与えるだけの力が米に作用しないことが考えられる。
従って、凸部9iの高さを調整することで、理想とする白米を得るようにすればよい。参考値として、希望の白米モードを91±1%を精米率とした時、サンプル4も、それよりもわずかに届かなかったが、図14の精米羽根回転体は、その結果を参照して凸部9iの高さを調整し、凸部等の攪拌作用要素の数も、例えば8個でその効果が得られることが確認されている。もちろん、凸部9iの材質や、その縁の程度、さらには、大きさなども精米率に影響することは、本願の内容を読んだ当業者ならば容易に想像でき、多くのパラメータを考慮し調整して、希望する精米度を得るようにすることは、当業者の通常の創作の範囲内であり、本願発明の範囲に含まれるものと理解すべきである。
次に、その攪拌作用としては上記した例と同様の別な形態の精米羽根回転体を例示する。
(別な形態の精米羽根回転体:製品Cおよび製品B)
図17A〜17Cは別な形態の新たな精米羽根回転体(製品B〜製品D)を開示するものである。
図17Aは、面9g全面が面状の網からなる精米羽根回転体9(製品B)である。図14で示した形状と同様の形状をしているが、違いは、製品Bが精米羽根回転体9の角軸受部9cから羽根状に外に広がった円形の羽根の部分が網状となって周辺部領域9hまで続いており、図14の攪拌作用要素の凸部9iに代わって、網目自体が攪拌作用要素9iとなり網全体で攪拌作用部としての役割を有する点である。以下で説明するが、実験の結果、この実施形態(製品B)は、精白度も良好であり、砕米率も非常に軽減できることが確認されている。網目の孔の大きさは、精米後の良米がその孔から抜け落ちない程度の大きさと形状を有する。その一例としては、図6に示したものと同じように作ってもよい。また、網自体が強度的に弱い場合には、網全体または一部を下からカバーするステンレス等の金属やその他衝撃に強い材料からなるカバー部を設けるようにしても良い。ここから理解されるように、本願で面といった場合には、孔の無い板状の面に限定されず、網状の面等、精米や洗米された良米、つまり精米や洗米された後の米が通り抜けない程度の大きさの孔があいた面をも含むものである。
実験観察から精米方法とその原理を推察すると、図14の精米羽根回転体と同様に、米は、遠心力で周辺部領域9hに移動し、周辺部領域9hの起立した部分に沿って上昇する。周辺部領域9h全体が面状に形成された網の網目によって複数の孔が形成されているため、その孔の縁で全周に亘って多くの米が攪拌の作用を受けて、遠心力と攪拌作用で精米かご内面に擦られて精米が行なわれる。もちろん米どおしも擦りあわされてその表面が研米されて精米が進むことも考えられし、精米羽根回転体の網目部でもどの程度の作用かは不明だが、精米にも寄与しているものと思われる。また、回転軸中心部分に網目があったとしても、従来のような精米羽根回転体の板の縁や面で米を叩きつけるような作用が軽減されており、砕米率にも大きな影響を与えることがないことが確認された。
以上のように、周辺部領域が起立した状態であるため、水平方向から上昇への方向転換を促進し、米の上昇速度が速く、より強い摩擦力を生じ、起立した周辺部領域内面の網状部で米を牽引や衝撃力を与えて撹拌力を生じることで、精米が行なわれる。尚、網状部は周辺部領域の先端縁まで設けても良い。
つぎに図17Bの精米羽根回転体(製品C)を説明すると、図17Bと図14とで精米羽根回転体が違う点は、製品Cは、周辺部領域9hの面に凸部9iが無い代わりに、周辺部領域9hの縁が周方向に沿って複数の攪拌作用要素となる凹凸9iが形成されている点である。米は、遠心力で周辺部領域9hに移動し、周辺部領域9hの起立した部分に沿って上昇する。周辺部領域9hの凹凸9i部分に達した米は、回転移動する凹凸9iによって全周に亘って多くの米が牽引や衝撃力による攪拌の作用を受けて攪拌され、遠心力と攪拌作用が米に対して与えられて精米かご内面で擦られて精米が行なわれる。
この凹部や凸部の深さや形状は、適宜決めることはできる。しかし、精米かごの面に対する周辺部領域9hの傾きによっては、凹部が大きいと、精米によって本来残るべき米が、精米かごの内面と周辺部領域9hとの間ですり抜けて、精米羽根回転体(製品C)の裏に落ちてしまうために、そのような状態にならないように、周辺部領域9hの傾きと凹部の大きさとを調整する。
図17Cで示したで精米羽根回転体(製品D)を説明すると、図14の製品Aが、凸部9iを有して凹凸を形成しているかわりに、製品Cは、周端部領域の面に攪拌作用要素であるスリット(孔)9iを周方向に複数形成して、その孔によって複数の凹凸が形成されている点である。さらに、製品Bで示したように周端部(縁)にも周方向に沿って凹凸の攪拌作用要素9iを形成することで、重畳した攪拌作用を与えようとするものである。
上記製品A〜Dでは、周辺部領域9hがカーブを描いて米の上昇を促しているが、米が周辺部領域9hに集まって米自体同士で乗り合って上昇することも確認されている。従って、周辺部領域9hは上昇に寄与するカーブが形成されていることが好ましいが、曲線形状以外でも、直線的に起立しているものや段階的に起立しているものでもよく、あるいは、周辺部領域9hの凹凸の大きさや形状によって、急に折れ曲がって起立しているようなものであってもよい。
図17Aに戻ると、製品Bは、図14の凸部9iに代わって、網自体が米を攪拌する作用をおよぼす役割を有するようにしている点であり、精白度も良好であり、砕米率も非常に軽減できることが確認されている。
以下に、図17Aの製品Bと、図17Bの製品Cの精米率と砕米率とを調査した実験結果を具体的に示すことで、本願発明の有用性を明らかとする。
図18Aおよび図18Bは、従来の精米羽根回転体(従来製品という)と、図17A、17Bの新たな製品B、製品Cを使用して、同じ条件で精米した時の精米率および砕米率の比較を行なったグラフである。また、図18Cは、胚芽モードで精米した時の胚芽残存率を従来製品と製品Cとで比較を行なったものである。
図18Aの精米率を見ると、精米率は1合の場合、製品B(つまり、網状製品)およびC(つまり、凹凸端製品)ともに、白米モードとして今回目標とした規定した91±1%の精米率の範囲内に入ることが確認された。また、製品B(網状製品)では、1合〜5合間での精米率の変動も約0.7%程度に抑えられることが明らかとなった。一方、従来の製品では米の量が少ない1合の場合には過度に精米され、5合において適切な値に近づき、その変化の傾向が製品Bと従来品とでは、まったく正反対であることが明らかとなった。この結果によっても、従来とは精米の概念を変える新たな精米手法であることが分かる。
また、砕米率を比較した図18Bの例からも明らかなように、従来品の砕米率は、1合で約1.6%であるのに対して、製品Bでは、0.1%と一桁以上少なく、製品Cであっても、約0.4%弱であって砕米率が従来品に対して25%以下に押さえられることが明らかとなった。
従来品の砕米率は1合から5合に多くするに従い、1.6%強から0.5%弱に減るのは、砕米のメカニズムで予想したように、1合の少量では、従来型の精米羽根では、軸の中心部分にしたがって精米羽根が露出し、その縁で戻ってきた米をたたきつけてしまうことが一員にあるものと考えられる。一方、本願発明の実施例である製品A〜Dでは、そのような露出部分が押さえられることから、砕米防止に寄与しているものと考えられる。
さらに、従来品では、精米羽根の下に、つまり精米かごの底に滞留した米を精米羽根の底辺や底辺の縁で押し付けることによって、米割れが生じることも予想される。
特に、そのような過度の衝撃は、米の弱いところに顕著にでることが予想される。米の胚芽部分は、力に対して特に弱い部分であることから、胚芽モードで精米した時に胚芽の残存率の調査を行った結果を図18Cに示す。この図からも明らかなように、従来品に比べて、新たな製品Bは、1合胚芽モードで4倍以上の胚芽残存率を示し、3合胚芽モードでも従来品を上回っている。
これまで説明したように、新たな精米羽根回転体は、米が回転の遠心力により周囲に押しやられて偏在しても、回転中心部分に過度に衝撃を与える部分が米から露出しないか、あるいは露出しても大きな影響を与えない程度の撹拌羽根回転体であることが必要である。そして、遠心力の作用により米が周辺方向に偏在したときに、周辺部領域で米に対して撹拌作用を与える部分を独立して設けることで、効率的な攪拌と精米作用を及ぼすことができると考えられる。
図19A〜19Cは上記思想に基づく別な形態の回転羽根回転体を示している。
図19Aには、図14の面9gの平坦部分が網状となっている。図17A(製品B)の精米羽根回転体は網状部分を軸中心近傍にまで拡大しているが、図19Aの精米羽根回転体では、網状部分をそこまで広くとらずに平坦部を残している。面9gの平坦部は同心円状のわずかな段差を与えているが、これでも米は遠心力によりその段差を超えて終端部領域まで移動していくことがわかった。したがって、面9gは、必ずしもその平坦である必要はなく、その回転力と面9gの摩擦力に応じて、多様な形の面や大きさに調整すればよいことは他の実施形態と同様である。網目で構成される凹凸は、周辺領域にまで続いている。周辺部領域では、上記した他の実施の形態と同様、回転軸付近に比べて移動速度がより大きくなっているために、その領域で攪拌作用要素である凹凸等からなる攪拌作用部が設けられると、米に与える撹拌作用が強く働くこととなる。周辺端部は、この例では、菱形の2辺で構成される一端が周辺に沿って交互に突き出て凹凸を形成するようにしているが、必ずしもこれに限定されず、精米かごの内面に沿って円を描くように終端部を処理してもよい。
図19Bおよび図19Cは、回転の軸中心から周辺に向かって円形の羽根のように広がった面上に、その周辺部領域に凸部が周方向に点在する構成を示している。図19Bと図19Cは、その凸部の変形例の一部を示しており、周辺部領域に攪拌作用要素として米に突き合てる部分を有する凹凸が形成されるものであれば、この形状に限定されるものではない。当業者であればこれまでの説明から当然理解できるように、周辺部領域上に凸部を形成した位置に凸部の代わりにスリット等からなる複数の孔を設けることで周方向で凹凸が形成されるようにしてもよい。この孔は、精米や洗米後の米、すなわち、攪拌して表面を削り取った後の米が通らない程度の大きさを有する。図19Bおよび図19Cが図14の撹拌羽根回転体と違うのは、図19Bおよび図19Cは、周辺部領域に起立した側面を有しないことであるが、それでも精米羽根回転体として機能し、砕米防止にも寄与していることがわかった。
以上で説明したように、新たな精米羽根回転体は、面が精米機の底の領域で軸の中心部分から周りに伸びており、その周辺部領域に周方向に攪拌作用部が設けられている。したがって、攪拌作用部の攪拌作用要素の夫々について米等の穀類の突き当たる力と攪拌作用要素の数とを調整することで、穀物一つ一つへの衝撃力を低減させながら、攪拌作用を維持できることとなり、したがって、攪拌作用要素とは別の従来の板状の攪拌羽根を小さくするか、無くすこともでき、その結果、軸中心近傍には、米が遠心力により周方向に偏在しても、米を強力に殴打する部分を無くすか、あるいは極力少なくすることもできる。これにより、たとえ精米動作で攪拌されて戻ってきた米があっても、強く叩き飛ばされることがなくなるか、あるいは少なくなり、結果として砕米率も低下する。また、回転体としての羽根状に広がった面の周辺部領域には、回転する周方向に形成された攪拌作用部で周辺方向に遠心力で集まってきた米に力を次々に作用させることで、周辺領域部分に多く米を攪拌させて精米をすることが可能となる。また、下に潜り込んだ米を上から板や面で挟み込んで米を粉砕してしまうこともなくなり、良好な精米や洗米を可能とすることができる。
1 精米機
3 上蓋(蓋体)
5 精米かご
5a 上部円筒部
5b 傾斜筒部
5c 下部円筒部
6 糠ボックス
7 操作パネル
8 制御回路ボックス
9 精米羽根回転体
9a 精米羽根
9f 米粒押圧面
9g 回転体の面
9h 回転体の周辺部領域
9i 攪拌作用要素
10 モータ
11 本体ケース
16 駆動軸
23a 駆動軸
70 運転/停止ボタン
71 精米度調整ダイヤル
72 精米量設定ボタン
73 LEDランプ
80 制御回路

Claims (18)

  1. 容器の内部に穀物、例えば米、を収容して容器内に水を入れることなく攪拌しながら表面を削り取る装置であって、
    前記容器の内部で軸回転可能に軸支されるようにした回転体を有し、
    前記容器は、攪拌される穀物の表面を削り取り当該削り取られた物質を排出可能な複数の孔を有する側周部を有し、
    前記回転体は、表面を削り取った後の穀物が通り抜けない面であって、径方向に広がって穀物を支える当該面を有しこれによって穀物に加えられた遠心力によって当該穀物が当該面の上を移動するようにし、
    前記回転体は、前記面から起立した領域を有してもよく、少なくとも前記面及び前記面から起立した領域のいずれかに、前記回転体の軸回転に伴って周回移動して前記移動した穀物に当接して攪拌作用を与える攪拌作用部を有する、装置。
  2. 前記攪拌作用部は、凹部、凸部、孔部、又は網目が複数連なる網状部の少なくともいずれかからなる、請求項1に記載の装置。
  3. 前記起立した領域は前記回転体の周辺部領域起立している、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記凹部、凸部、又は孔部の少なくともいずれかは、前記起立した領域の縁または面に形成されている、請求項に記載の装置。
  5. 前記孔は、前記表面を削り取った後の穀物が通らない程度の大きさの孔、例えばスリットからなり、当該孔の縁が穀物の攪拌作用を発生させる、請求項2に記載の装置。
  6. 前記起立した領域は前記面からカーブが形成されて起立している、請求項に記載の装置。
  7. 前記孔部の目は網目、円形、楕円、多角形のいずれからまたはそれらの組み合わせからなる、請求項2に記載の装置。
  8. 前記面は、前記回転軸の軸中心から径方向に円形に広がっている、請求項1に記載の装置。
  9. 前記面及び前記起立した領域のうちの少なくとも一部が、削り取った後の穀物が通り抜けない程度の大きさの網目が複数連なる網状部から構成されている、請求項1に記載の装置。
  10. 穀物、例えば米、を収容して容器内に水を入れることなく攪拌しながら表面を削り取る装置の容器の内部に配置され、軸回転可能に軸支されるようにした回転体であって、
    前記容器は、攪拌される穀物の表面を削り取り当該削り取られた物質を排出可能な複数の孔を有する側周部を有し、
    前記回転体は、表面を削り取った後の穀物が通り抜けない面であって、径方向に広がって穀物を支える当該面を有しこれによって穀物に加えられた遠心力によって当該穀物が当該面の上を移動するようにし、
    前記回転体は、前記面から起立した領域を有してもよく、少なくとも前記面及び前記面から起立した領域のいずれかに、前記回転体の軸回転に伴って周回移動して前記移動した穀物に当接して攪拌作用を与える攪拌作用部を有する、回転体。
  11. 前記攪拌作用部は、複数設けられた凹部、凸部、孔部、又は網目が複数連なる網状部の少なくともいずれかからなる、請求項10に記載の回転体。
  12. 前記起立した領域は前記回転体の周辺部領域起立している、請求項10又は請求項11に記載の回転体。
  13. 前記凹部、凸部、又は孔部の少なくともいずれかは、前記起立した領域の縁または面に形成されている、請求項11に記載の回転体。
  14. 前記孔は、前記表面を削り取った後の穀物が通らない程度の大きさの孔、例えばスリット、からなり、当該孔の縁が穀物の攪拌作用を発生させる、請求項11に記載の回転体。
  15. 前記起立した領域は前記面からカーブが形成されて起立している、請求項10に記載の回転体。
  16. 前記孔部の目は網目、円形、楕円、多角形のいずれからまたはそれらの組み合わせからなる、請求項11に記載の回転体。
  17. 前記面は、前記回転軸の軸中心から径方向に円形に広がっている、請求項10に記載の回転体。
  18. 前記面及び前記起立した領域のうちの少なくとも一部が、削り取った後の穀物が通り抜けない程度の大きさの網目が複数連なる網状部から構成されている、請求項10に記載の回転体。
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