JP5680898B2 - 苦味を抑制した速崩壊錠 - Google Patents

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Description

本発明は、主薬粒子及びその製造方法ならびに速崩壊錠に関し、より詳細には、苦味をマスキングし得る主薬粒子の製造方法並びにその口腔内崩壊錠剤を含む速崩壊錠に関する。
近年、急速に高齢者の人口に占める割合が増加し、それに伴って高齢者用薬剤の開発が進められている。種々の生理機能などが低下した高齢者による薬剤摂取を容易にするため、口腔内速崩壊錠を含む速崩壊錠が注目されている。このような速崩壊錠に関して、例えば、WO2006/085497(特許文献1)には、a)活性成分、b)糖または糖アルコール(乳糖、D−マンニトールなど)、c)冷水可溶分が10〜20重量%である部分アルファー化デンプン、およびd)崩壊剤(クロスポビドン、トウモロコシデンプンなど)を含有する口腔内崩壊錠が開示されている。また、WO00/078292(特許文献2)には、a)活性成分、b)平均粒子径が30μm〜300μmの糖または糖アルコール、c)崩壊剤(カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンなど)およびd)セルロース類(結晶セルロース、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースなど)を含有してなる速崩壊性固形製剤が開示され、固形製剤100重量部に対して、糖または糖アルコール40〜95重量部、崩壊剤0.5〜15重量部、セルロース類0.5〜40重量部を含有することも開示されている。特開2005−112861号公報(特許文献3)には、水への溶解度が0.5mg/mL以上の薬理活性成分、一次粒子の平均粒子径が30μm以上でかつ比表面積が0.4m/g以下であるD−マンニトールの結晶または微粒子およびクロスポビドンを含有する口腔内速崩壊性錠剤が開示され、滑沢剤が錠剤の表面にのみ含有されていることも開示されている。しかし、これらの製剤は吸湿膨潤しやすく、時間の経過に伴って硬度が低下し、錠剤が破損しやすくなる。
一方、口腔内崩壊錠は服用後、通常、口腔内で約30秒以内に崩壊するため、水なしで服用できる。しかし、口腔内崩壊錠は、服用時に主薬の苦味が不快に感じさせるものもある。そのため、主薬を胃又は腸内で吸収し易くする技術とともに、主薬の苦味をマスキングする技術の開発が盛んに行われている。それらの技術のうち、最もシンプルな方法としては、アスパルテーム、ステビア、糖アルコールなどの甘味剤と、L−メントールなどの香料を添加して、苦味を隠蔽する技術が提案されている(例えば、特許文献4〜7)。しかし、これらの技術は、苦味を他の味で隠すものであるため、完全に薬物の苦味を消すことは難しい。
そこで、主薬をコーティング剤で被覆する技術が提案されている。例えば、特開2005−343800号公報(特許文献8)には、一次平均粒径200〜600μmの苦味を有するカフェイン粒子に、水難溶性高分子および可塑剤を含むコーティング剤をコーティングしてなる被覆カフェイン粒子、この被覆カフェイン粒子を含有し、チュアブル錠または口腔内崩壊錠としての固形製剤が開示されている。また、特開2008−260712号公報(特許文献9)には、塩基性又は酸性の主薬粒子が水不溶性のコーティング膜で被覆されてなる主薬粒子であって、水不溶性のコーティング膜内部に、塩基性の主薬に対して酸性物質が、酸性の主薬に対して塩基性物質が含有されてなる主薬粒子及びこれを用いた口腔内崩壊錠が開示されている。特開2007−524575号公報(特許文献10)には、コア部を含む活性物質の被覆粒子であって、前記コア部が該活性物質および酸性化合物を含み、前記コア部が、pH5以下では可溶性かつpH5超では浸透性であるポリマーを主材とする味マスキング用コーティングで被覆されている被覆粒子が開示されている。特開2004−339071号公報(特許文献11)には、賦形剤と混合した苦味を有する薬物を水に不溶であるが消化液に可溶なフィルム形成ポリマーで造粒もしくは被覆してなる薬物顆粒、及び糖または糖アルコールを、水に不溶であるが親水性の造粒成分で造粒もしくは被覆してなる薬物不含有顆粒との混合圧縮成形物である、苦味を低減した口腔内崩壊錠について開示されている。
これらの先行技術文献では、流動層内に薬物単独あるいは薬物と糖アルコールとを流動させ、エチルセルロースあるいは水に不溶であるが消化液に可溶なフィルム形成ポリマーを含む液でコーティングがなされている。そのため、薬物が凝集したままの状態で流動造粒されることになり、ポリマーでコーティングしても均一な被覆が期待できない。また、このような被覆顆粒を用いて錠剤化すると、成形圧により顆粒が破壊されコーティングが施されていない面が現れ、その結果として苦味マスキングが不十分となることが考えられる。
さらに、これらの文献には、流動層内のボトムからスプレーコーティングするためのノズルを備えたワースタ型流動層造粒機、或いは流動層底面が回転する転動流動層造粒機で被覆粒子を調製する例が具体的に開示されており、このような装置で製造された被覆粒子は、通常、見掛け比重が0.5g/mL以上であり、円形度が0.7以上であると推測される。そのため、被覆粒子を、ただ単に口腔内速崩壊錠用の賦形剤と混合して打錠することを試みても、混合・打錠工程において賦形剤と被覆粒子との見かけ比重の相違および流動性の相違により偏析が生じる可能性が高く、薬物含量の均一性を向上できない。ここで「偏析」とは、賦形剤中に被覆粒子が均一に分散されておらず、不均一に分散され偏りを生じている状態をいう。
この偏析を原因として種々問題が生じる。例えば、1.打錠時の杵面と被覆粒子との接触により、また被覆粒子同士の接触により、打錠圧が直接被覆粒子に伝わる結果、被覆粒子が破壊され、錠剤化後の溶出促進が起き苦味を感ずること、2.偏析の度合いにより被覆粒子の破壊の程度も異なるため、目標とする溶出制御を、錠剤化後には高い再現性で実現できないこと、3.錠剤一錠中に含有される徐放性微粒子の数にばらつきが生じ、薬物の含量均一性が確保できないこと、などの問題が生じる。また、見掛け比重が大きく、円形度が大きくなることは、被覆粒子自体の表面積が小さくなるため、錠剤の成形性の低下、吸湿後の硬度低下の増大を示唆する。さらに速崩壊性顆粒には、吸湿膨潤しやすいクロスポピドンを含有させているため、さらに吸湿後の硬度低下を招き、速崩壊錠として満足のできる特性を具備しているとはいえない。
WO2006/085497(特許請求の範囲) WO00/078292(特許請求の範囲) 特開2005−112861号公報(特許請求の範囲) 特開平8−208517号公報 特開平10−101582号公報 特開2001−302510号公報 特開2001−106639号公報 特開2005−343800号公報 特開2008−260712号公報 特開2007−524575号公報 特開2004−339071号公報
本発明者らは、薬物(例えば、ゾニサミドなどの苦味を有する薬物)の製剤化において、次のような知見を得た。すなわち、先行文献の記載に従って、(1)薬物単独又は薬物と賦形剤(D−マンニトールなど)との混合粉末を、水不溶性ポリマー(エチルセルロースなど)を用いて、通常の流動層装置でコーティング(又は造粒)すると、得られた顆粒は薬物由来の苦味を有し、抑制が不十分であること、さらに(2)得られた顆粒を口腔内崩壊錠とすると、顆粒の滑らかな粒子表面形状に起因して、錠剤の成形性が悪く、また錠剤が摩損しやすくなること、(3)得られた被覆顆粒の比重が大きく、かつ円形度が大きくなり、薬物を含まない顆粒(以下、薬物不含有顆粒という場合がある)と混合及び圧縮成形すると、薬物不含有顆粒との比重差、流動性の差から、錠剤中の含量均一性が低下すること、(4)薬物不含有顆粒との結合力が劣り、吸湿後に硬度低下しやすいこと、(5)薬物不含有顆粒に、固形製剤で汎用される崩壊剤(スーパー崩壊剤と称される崩壊剤など)を配合すると、更に吸湿後に硬度低下しやすくなる、などの課題があることを知見した。
従って、本発明の目的は、薬物の不快な呈味(苦味など)をマスキングできるとともに、速やかに崩壊する速崩壊錠又は口腔内の少量の唾液により速やかに崩壊する口腔内崩壊錠(又は口腔内速崩錠)、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、錠剤硬度が高く、高湿度下で長期間に亘り保存しても錠剤硬度の低下を抑制できるとともに、少量の水分又は口腔内の少量の唾液で短時間に崩壊可能な口腔内崩壊錠、及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、苦味をマスキング可能な薬物粒子を有しているにも拘わらず、薬物の含量均一性に優れた口腔内崩壊錠を含む速崩壊錠、その製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、所定の顆粒と混合して打錠され、かつ薬物の不快な呈味が抑制された錠剤を調製するのに有用な顆粒とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記知見に基づき前記課題を達成するため鋭意検討した結果、粉末状薬物の凝集を抑制する流動化剤(特に、前記凝集抑制機能を有する製剤担体)の共存下、不快な呈味を有する粉末状薬物を、通常の流動層造粒機を利用して、水不溶性担体で造粒又は被覆すると、薬物の不快な呈味を顕著に抑制でき、見掛け比重及び円形度の小さな顆粒が得られること、このような第1の顆粒と、ベース成分としての糖類と、スーパー崩壊剤と称される崩壊剤ではなく水膨潤度の小さな崩壊剤とを、水溶液粘度の小さな少量の水溶性結合剤で造粒した第2の顆粒とを混合して打錠すると、薬物の不快な呈味を抑制でき、高い硬度を長期間に亘り維持しつつ、口腔内での崩壊性を著しく向上し、含量均一性をも改善された口腔内崩壊錠を含む速崩壊錠が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の速崩壊錠は、(a-1)不快な呈味(例えば、苦味)を有する粉末状薬物、(a-2)その粉末状薬物の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な流動化剤又は凝集抑制剤(例えば、製剤用担体)、及び(a-3)前記薬物と流動化剤との混合物を造粒又は被覆するための担体(例えば、前記混合物を造粒もしくは被覆する製剤用担体)とを含み、通常の流動層造粒機(流動層乾燥機とスプレーシステムとを組み合わせた単純型流動層造粒機)で流動層造粒された第1の顆粒(又は薬物含有顆粒)(A)と、(b-1)平均粒子径10〜500μmを有し、かつ糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分、(b-2)吸水時の膨潤率が1.3以下の崩壊剤、及び(b-3)水溶性結合剤を含有し、(b-3)前記水溶性結合剤の含有量が錠剤100重量部に対して1重量部以下であり、通常の流動層造粒機(流動層乾燥機とスプレーシステムとを組み合わせた単純型流動層造粒機)で流動層造粒された第2の顆粒(B)とを含んでいる。このような速崩壊錠では、薬物の呈味(例えば、苦味)が抑制されている。
このような速崩壊錠において、第1の顆粒(A)は苦味を有する薬物を含有し、第2の顆粒(B)は苦味を有する薬物を実質的に含有していなくてもよい。すなわち、第2の顆粒(B)は、薬物不含有顆粒であってもよい。また、担体(a-3)は水不溶性担体、例えば、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ワックス状物質から選択された少なくとも一種であってもよい。また、担体(a-3)は、エタノール又は含水エタノールに可溶な担体であってもよい。(a-2)流動化剤又は凝集抑制剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、及び含水二酸化ケイ素から選択された少なくとも一種の製剤用担体であってもよい。(a-2)流動化剤又は凝集抑制剤は、軽質無水ケイ酸及び含水二酸化ケイ素から選択された少なくとも一種の製剤用担体である場合が多い。
第1の顆粒(A)の見掛け比重は、0.1〜0.5g/ml程度であってもよく、第1の顆粒(A)の円形度は、0.2〜0.7程度であってもよい。
さらに、第2の顆粒(B)において、(b-2)崩壊剤は、結晶セルロース及びデンプン類から選択された少なくとも一種、例えば、結晶セルロース(嵩密度0.23g/cm以下の結晶セルロースなど)であってもよい。また、(b-2)崩壊剤の含有量は、錠剤100重量部に対して1〜30重量部程度であってもよい。さらに、(b-3)水溶性結合剤は、2重量%水溶液の粘度が3mPa・s(20℃)以下であってもよい。(b-3)水溶性結合剤は、2.0N/mm以上、特に2.5N/mm以上の錠剤強度を与える結合剤であってもよい。(b-3)水溶性結合剤は、例えば、ポリビニルアルコールであってもよい。また、第1の顆粒(A)と第2の顆粒(B)との円形度比は、1:3〜3:1程度であってもよい。
なお、速崩壊錠は、通常、滑沢剤(C)を含んでおり、この滑沢剤(C)は、第1の顆粒(A)及び/又は第2の顆粒(B)に含有させてもよく、第1の顆粒(A)と第2の顆粒(B)との混合物に含有させてもよい。
より具体的には、本発明の速崩壊錠は、例えば、(a-1)苦味を有する粉末状薬物と、(a-2)この薬物の凝集を抑制する製剤用担体と、(a-3)前記薬物と製剤用担体との混合物を含む混合物を流動層造粒により造粒又は被覆するためのエタノール又は含水エタノールに可溶な水不溶性高分子又はワックス状物質とを含み、見掛け比重が0.1〜0.5g/mlであり、かつ円形度が0.2〜0.7である第1の顆粒(A)と、(b-1)平均粒子径10〜500μmを有し、かつ糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分、(b-2)アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチ類、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンを含まず、結晶セルロース及びデンプン類から選択された少なくとも一種の崩壊剤、及び(b-3)2重量%水溶液の粘度3mPa・s(20℃)以下のポリビニルアルコールで構成された水溶性結合剤を含有し、(b-3)水溶性結合剤の含有量が錠剤100重量部に対して0.5重量部以下である第2の顆粒(B)とを含み、第1の顆粒(A)と第2の顆粒(B)との円形度比が1:3〜3:1であってもよい。この速崩壊錠は、(C)滑沢剤を含んでいてもよく、(C)滑沢剤の含有量は錠剤100重量部に対して0.5〜1.0重量部程度であってもよい。このような速崩壊錠は、薬物の苦味が抑制されている。
前記速崩壊錠は、口腔内崩壊錠であってもよい。また、前記速崩壊錠では薬物が均一に含有されており、例えば、薬物含量の変動係数が3.5%以下であってもよい。なお、薬物としては、例えば、不快な呈味を有する種々の薬物、例えば、ゾニサミド、レバミピド、オルメサルタンメドキソミルなどから選択された少なくとも一種の苦味を有する薬物であってもよい。
本発明は、(a-1)不快な呈味を有する粉末状薬物、(a-2)その粉末状薬物の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な流動化剤、及び(a-3)前記薬物と流動化剤との混合物を造粒又は被覆するための担体とを含む第1の顆粒(A)と、(b-1)平均粒子径10〜500μmを有し、かつ糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分、(b-2)吸水時の膨潤率が1.3以下の崩壊剤、及び(b-3)水溶性結合剤を含有し、(b-3)前記水溶性結合剤の含有量が錠剤100重量部に対して1重量部以下である第2の顆粒(B)と、滑沢剤(C)とを含む製剤組成物も包含する。
さらに、本発明は、(a-1)不快な呈味を有する粉末状薬物と、(a-2)その粉末状薬物の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な流動化剤との混合物を、(a-3)担体を用いて、前記単純型流動層造粒機で造粒又は被覆した第1の顆粒(A)と、(b-1)平均粒子径10〜500μmを有し、かつ糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分と、(b-2)吸水時の膨潤率が1.3以下の崩壊剤と、(b-3)水溶性結合剤を含有し、(b-3)前記水溶性結合剤の含有量が錠剤100重量部に対して1重量部以下である第2の顆粒(B)と、滑沢剤(C)とを含む混合物を打錠し、速崩壊錠を製造する方法も包含する。
さらには、本発明は、糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分、崩壊剤、及び水溶性結合剤を含有する顆粒と混合して打錠され、かつ薬物の不快な呈味が抑制された錠剤(例えば、口腔内崩壊錠などの速崩壊錠)を調製するための顆粒も包含する。この顆粒は、前記第1の顆粒(A)に相当しており、(a-1)不快な呈味を有する粉末状薬物、(a-2)その粉末状薬物の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な流動化剤、及び(a-3)前記薬物と流動化剤との混合物を造粒又は被覆するための担体(前記混合物を造粒又は被覆した担体)とを含んでいる。
なお、本明細書において、単純型流動層造粒機とは、流動層乾燥機とスプレーシステムとを組み合わせただけの流動層造粒機を意味し、単純型流動層造粒機にさらに転動、強制循環、整粒解砕及び/又は回転手段を付加した複合型流動層造粒機を含まない。結合剤の錠剤強度は、D−マンニトール99重量部と結合剤1重量部との混合物(又はD−マンニトール99重量部を結合剤1重量部の水溶液で造粒した造粒物)を、打錠圧5.0kNで製した錠剤(直径φ8mm、重量200mg)の硬度を錠剤の破断面積で除した値として規定できる。
本明細書における「薬物量の変動係数(CV%)」は、含量均一性の指標であり、例えば、第十五改正日本薬局方記載の試験法に従い含量均一性試験を行い、次式により算出する。
CV%=(個々の含量の標準偏差)/(含量の平均値)×100
「CV%が0〜3.5%」であるとき、錠剤中の薬物含量のばらつきが少なく、偏析を生じていないとみなすことができ、「薬物の含量均一性が確保される」ということができる。一方「CV%が3.5%を超える」とき、薬物含量のばらつきが大きく、偏析が生じているとみなすことができ、「含量均一性に劣る」ということができる。なお、本発明でいう変動係数の適切な範囲、すなわち「CV%が0−3.5%」は、品質保証上必要と考えられる数値であり、一定含量の薬物を含む組成物が得られることを示すものである。
また、第1の顆粒は、薬物含有顆粒ということもでき、第2の顆粒は、薬物を含有する必要がないため、薬物不含有顆粒ということもできる。なお、「第2の顆粒」及び「薬物不含有顆粒」とは、薬物の不快な呈味を示さない顆粒を意味し、不快な呈味を呈する薬物であっても、実質的に不快な呈味を奏さない少量であれば、薬物を含有してもよく、不快な呈味を奏しない薬物であれば、薬物を含有してもよいことを意味する。「第2の顆粒」及び「薬物不含有顆粒」は、通常、不快な呈味を奏する薬物を含有しない場合が多い。
本発明では、特定の第1の顆粒と特定の第2の顆粒とを含むため、薬物の不快な呈味(苦味など)が抑制され、小量の水又は口腔内の少量の唾液により錠剤を速やかに崩壊できる。特に、錠剤の硬度が高く、長期間に亘り保存しても硬度の低下を抑制できるとともに、薬物の含量均一性にも優れている。
[速崩壊錠及び製剤組成物]
速崩壊錠及び製剤組成物は、第1の顆粒(A)と第2の顆粒(B)とを含んでおり、第1の顆粒(A)により薬物の不快な呈味を抑制し、第2の顆粒(B)により主に速崩壊性を担保しつつ、前記成分(A)〜(C)により錠剤の硬度及び薬物含量の均一性を向上させている。速崩壊錠及び製剤組成物は、通常、さらに滑沢剤(C)を含有している。
[第1の顆粒又は薬物含有顆粒(A)]
第1の顆粒(A)は、(a-1)不快な呈味(苦味など)を有する粉末状薬物と、(a-2)粉末状薬物の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な流動化剤(例えば、製剤用担体)と、(a-3)前記薬物と流動化剤との混合物を造粒又は被覆するための担体(混合物を造粒又は被覆した製剤用担体)とを含んでおり、薬物の不快な呈味が抑制されている。
(a-1)不快な呈味を有する粉末状薬物
薬物の種類は不快な呈味(苦味など)を有する限り特に制限されず、薬理活性成分及び生理活性成分が含まれる。前記薬物としては、例えば、抗てんかん薬、抗パーキンソン病薬、消化性潰瘍用剤(胃粘膜修復剤など)、精神神経用剤(抗精神病剤など)、アルツハイマー型認知症治療剤、消化器官用剤(抗高脂血症剤、抗糖尿病薬、食後過血糖改善剤など)、睡眠導入剤又は催眠鎮静剤、低血圧治療剤、降圧剤、偏頭痛治療剤、抗ヒスタミン薬、アレルギー用剤、気管支喘息治療剤、H2受容体拮抗薬、不整脈用剤などが例示できる。これらの薬物は単独で又は二種以上組み合わせて合剤とすることができる。
不快な呈味を有する薬物のうち、苦味を有する代表的な薬物としては、例えば、ゾニサミド、レバミピド、オルメサルタンメドキソミル、アセトアミノフェン、メクロフェノキサート塩酸塩、クロラムフェニコール、アミノフィリン、エリスロマイシン、ジョサマイシン、インデロキサジン塩酸塩、ホパテン酸カルシウム、フェノバビタール、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、エチレフリン塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩、プロプラノロール塩酸塩、フルフェナム酸、ジギトキシン、テオフィリン、プロメタジン塩酸塩、キニーネ塩酸塩、スルピリン、イブプロフェン、アンブロキソール塩酸塩、炭酸カルシウム、アムロジピンベシル酸塩、ピオグリタゾン塩酸塩、メトホルミン塩酸塩、プラバスタチンナトリウム、クラリスロマイシン、セチリジン塩酸塩、アロプリノール、フェノキシフェナジン塩酸塩、オロパタジン塩酸塩、イミダプリル塩酸塩、ドネペジル塩酸塩、ゾピクロン、ニザチジン、トラネキサム酸、リスペリドン、イルソグラジンマレイン酸塩、セレギリン塩酸塩、プランルカスト水和物などが例示でき、それらの薬物も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
造粒又は被覆開始前の薬物の平均粒子径の上限としては、平均粒子径150μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、最も好ましくは30μm以下である。粒子径の大きい薬物粒子を含むと、造粒物の粒子径が粗大となり、口に含んだときにザラつきを感じる。一方、平均粒子径又は粒子径0.3μmより小さい薬物粒子が多いと、苦味抑制のために必要な担体の量が増加し、それに伴ってバイオアベイラビリティーが低下する。従って、薬物粒子の平均粒子径は、0.3〜150μm(例えば、0.5〜100μm、好ましくは1〜75μm、さらに好ましくは5〜50μm)程度であり、薬物粒子のうち粒子径0.3μm以下の粒子の割合は、体積基準で、10%以下、好ましくは5%以下である。
薬物の含有量は、薬物の種類に応じて広い範囲(例えば、錠剤100重量部に対して0.001〜50重量部)から選択でき、通常、錠剤100重量部に対して、0.01〜50重量部、好ましくは0.01〜30重量部程度、さらに好ましくは0.01〜20重量部程度であってもよい。
(a-2)流動化剤又は凝集抑制剤
流動化剤は、前記粉末状薬物(a-1)の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な成分(特に、製剤用担体)であればよい。(a-2)流動化剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素などが例示できる。これらの流動化剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい(a-2)流動化剤は、軽質無水ケイ酸及び含水二酸化ケイ素から選択された少なくとも一種の製剤用担体である。軽質無水ケイ酸などの流動化剤(a-2)の共存下で、薬物(a-1)を担体(a-3)で造粒又は被覆すると、薬物の流動性を改善するだけでなく、凝集した薬物が一次粒子になりやすくなり、その結果として、より効果的に苦味を抑制したコーティング(造粒)ができる。流動化剤(例えば、軽質無水ケイ酸)の比表面積は、例えば、30〜1000m/g(例えば、50〜750m/g,好ましくは100〜500m/g程度であってもよい。また、流動化剤(例えば、軽質無水ケイ酸)の容積試験は、通常、70ml/5g以上であってもよい。軽質無水ケイ酸としては、例えば、アドソリダー101(フロイント産業、平均粒子径:3.2μm、比表面積:300m/g、容積試験:90ml/5g)、アエロジル(日本アエロジル、一次粒子径:10〜40nm、比表面積:50〜380m/g)などが例示でき、アエロジルはアエロジル200(日本アエロジル製)であってもよい。含水二酸化ケイ素としては、例えば、アドソリダー102(フロイント産業、平均粒子径:5.0μm、比表面積:700m/g、容積試験:20ml/5g)などが例示できる。流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、特にアドソリダーを用いる場合が多い。
流動化剤の使用量は、薬物の凝集を抑制可能な範囲で使用でき、例えば、薬物100重量部に対し0.1重量部以上(例えば、0.5〜25重量部)、好ましくは1重量部以上(例えば、1〜15重量部)、さらに好ましくは2重量部以上(例えば、2〜10重量部)程度であり、1.5〜10重量部(例えば、2.5〜7.5重量部)程度であってもよい。
(a-3)担体(又は造粒担体)
(a-3)前記薬物と流動化剤との混合物を造粒又は被覆するための担体としては、種々の製剤用担体、例えば、水溶性担体、水不溶性担体が使用でき、通常、薬物のマスキング性を高めるため、水不溶性担体が使用される。
担体(a-3)は低分子物質又は高分子物質であってもよいが、通常、高分子物質(水不溶性高分子、腸溶性高分子、胃溶性高分子)、ワックス状物質などが挙げられる。水不溶性高分子としては、エチルセルロース(商品名、エトセル)、酢酸セルロースなどの水不溶性セルロースエーテル、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS(アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸トリメチルアンモニウムエチルコポリマー、商品名オイドラギットRL100、オイドラギットRL30D、オイドラギットRSPO、オイドラギットRS30D)、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液(商品名オイドラギットNE30D)などの水不溶性アクリル酸系コポリマー、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。腸溶性高分子としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒプロメロースフタル酸エステル(商品名HPMCP)、メタクリル酸コポリマーL(メタクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマー、商品名オイドラギットL)、メタクリル酸コポリマーLD(メタクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、商品名オイドラギットL30D−55)、メタクリル酸コポリマーS(メタクリル酸−メタクリル酸メチルコポリマー、商品名オイドラギットS)、メタクリル酸−アクリル酸n−ブチルコポリマーなどのメタクリル酸コポリマーが例示できる。胃溶性高分子としては、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートなどの胃溶性ポリビニル誘導体、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、商品名:オイドラギットE、レーム社製)などの胃溶性アクリル酸系コポリマーなどが挙げられる。ワックス状物質としては、例えば、硬化ひまし油、硬化ヤシ油、牛脂などの固形油脂、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの高級脂肪酸(特に、飽和高級脂肪酸)、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコールが挙げられる。これらの製剤用担体は単独で又は二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの担体のうち、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ワックス状物質から選択された少なくとも一種、特に、環境および人体に対して無害なエタノール又は含水エタノールに可溶な水不溶性高分子(例えば、エチルセルロース、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸トリメチルアンモニウムエチルコポリマーRS、メタクリル酸ポリマーL,LD,Sなど)又はワックス状物質(ステアリン酸などの高級脂肪酸)が好ましい。
本発明に用いられる製剤用担体には可塑剤を添加することが好ましい。かかる可塑剤としては、例えばトリアセチン、クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、オイドラギットNE30D等が挙げられる。
担体の使用量は、薬物の呈味(苦味など)の程度により調整でき、通常、薬物100重量部に対して0.5〜300重量部、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは3〜100重量部程度の範囲から選択でき、薬物の種類(例えば、ゾニサミドなど)によっては、薬物100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部程度であってもよい。
第1の顆粒(A)は、さらに、医薬的に許容される添加剤、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、香料、安定化剤、可塑剤、着色剤矯味剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、一種または二種以上を組み合わせて添加される。
第1の顆粒(A)は見掛け比重が小さく、円形度も小さいという特色がある。第1の顆粒(A)の見掛け比重は、例えば、0.1〜0.5g/mL、好ましくは0.15〜0.45g/mL、さらに好ましくは0.2〜0.45g/mL(例えば、0.25〜0.4g/mL)程度であってもよく、0.2〜0.35g/mL程度であってもよい。第1の顆粒(A)の円形度は、例えば、0.2〜0.7、好ましくは0.3〜0.6(例えば、0.35〜0.55)、さらに好ましくは0.37〜0.53(例えば、0.4〜0.5)程度である。円形度が0.2未満になると第1の顆粒の比表面積が増大し、薬物の苦味を十分に抑制できない。なお、前記見掛け比重が0.5g/mL以上であり、かつ円形度が0.7以上の第1の顆粒をただ単に速崩壊錠用の賦形剤と混合して打錠することを試みても、打錠工程において賦形剤と被覆粒子との見かけ比重の相違および流動性の相違により偏析が生じる可能性が高い。見掛け比重が大きく、円形度が高くなると、被覆粒子自体の表面積が小さくなるため、錠剤の成形性の低下、吸湿後の硬度低下の増大を示唆する。また、見掛け比重が小さくなると、第1の顆粒の比表面積が増大し、薬物の苦味が十分に抑制できない。
本明細書において『見掛け比重』とは、粉体の質量と容器に入れたときに占める体積との比(タッピング後)を意味する。見かけ比重が小さい程、粒子が中空であるか、又は多孔性であることを示唆する。見掛け比重は、例えば、かため見掛け比重測定用装置(ホソカワミクロン製、パウダーテスター)を用いて、一定回数(毎分60回、3分間)のタッピング操作を行ない、1cm当たりの粉体重量(g)から求めることができる。
本明細書において『円形度』とは、顆粒を光学顕微鏡で撮影し、該顆粒の面積に4πを乗じた値を該顆粒の周囲長の2乗で除した値になる。円形度は、0より大きく1以下の数値となり1に近いほど、その顆粒が真円に近いことを意味する。円形度は、例えば、画像処理インテグレーションソフトウェア(Win ROOF ver 5.6, MITANI CORPORATION)を用いて測定することができる。
第1の顆粒の平均粒子径が300μmを超えると、添加量又は噴霧固形分量を低減できるものの、口腔内でのザラつきや異物感を感じる場合がある。そのため、平均粒子径は、300μm以下、好ましくは250μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。一方、粒子径の小さな粒子が多いと薬物の比表面積が大きいため、苦味の抑制が充分でない場合がある。そのため、平均粒子径は50μm以上であることが好ましい。このような観点から、第1の顆粒(A)の平均粒子径は、例えば、50〜250μm、好ましくは70〜200μm、さらに好ましくは100〜200μm程度であってもよく、120〜200μm程度であってもよい。
第1の顆粒(A)は、通常の流動層造粒により得ることができる。なお、通常の流動層造粒機とは、流動層乾燥機と、この乾燥機にスプレーシステムとを組み合わせただけの単純型流動層造粒機であり、具体的には、パウレック社製「グラットWSG」,「FD型」、フロイント産業製「FLO型」、大河原社製「フローコーター」などが挙げられる。例えば、上記流動層造粒により前記薬物と流動化剤との混合物を含む混合物(粉粒体が流動した形態の混合物)を造粒又は被覆することにより第1の顆粒(A)を得ることができる。この造粒では、担体の溶液又は懸濁液を、流動層に噴霧して造粒又は被覆する通常の流動層造粒機を用いて行うことができる。前記担体の溶液又は懸濁液は、ボトムスプレー、トップスプレー、サイドスプレーなどの慣用の方法で流動層に噴霧でき、通常、トップスプレー方式で流動層に噴霧する場合が多い。なお、噴霧造粒し、流動層を乾燥することにより、第1の顆粒(A)を得ることができる。
通常の流動層造粒機以外の流動層造粒機は、造粒に噴流、転動、攪拌を伴う複合型造粒機を意味し、流動層の側面からの強制循環や、整粒解砕、流動層内のブレードローターの回転により、造粒物が噴流、転動、攪拌される複合型流動層造粒機である。具体的には、複合型流動層造粒機としては、流動層内に回転ディスクを備えた転動流動層造粒機(例えば、パウレック社製「マルチプレックス」、ホソカワミクロン社製「アグロマスタPJ型」、岡田精工社製「スピラコータ」など)、側面からの強制循環装置を備えるワースター法を改良した流動層造粒機(例えば、パウレック社製「SPC」など)、整粒解砕機構(スクリーン・インペラ方式やブレード・ステータ方式、クロススクリュー、ランプブレーカなど)付き流動層造粒機(例えば、パウレック社製「微粒子コーティング・造粒装置SFP−01」など)、回転流動層造粒機(例えば、奈良機械製作所社製「オムニテックス」など)などが挙げられる。これらの複合型流動層造粒機を用いて造粒又は被覆すると、側面からの強制循環や、整粒解砕、流動層内のブレードローターの回転により、造粒物が噴流、転動、攪拌され、得られた造粒物(顆粒)の見掛け比重が0.5g/mL以上、円形度が0.7以上となる。そのため、第1の顆粒を得るためには、上記造粒機以外の通常の流動層造粒機で造粒又は被覆するのが有効である。
第1の顆粒(A)は、前記のように、糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分、崩壊剤、及び水溶性結合剤を含有する顆粒と混合して打錠し、薬物の凝集が少なく、薬物の不快な呈味が抑制され、薬物含有量が均一な錠剤を調製するのに有用である。この顆粒においても、前記例示の流動化剤(a-2)、特に軽質無水ケイ酸及び含水二酸化ケイ素から選択された少なくとも一種の製剤用担体が使用され、前記例示の担体(a-3)、特に、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ワックス状物質から選択され、かつエタノール又は含水エタノールに可溶な水不溶性担体が使用される。
[第2の顆粒(B)]
第2の顆粒(B)は、(b-1)主に糖類で構成された粒状ベース成分と、(b-2)膨潤度の小さな崩壊剤と、(b-3)水溶性結合剤とを含んでいる。
(b-1)粒状ベース成分
第2の顆粒(B)のベース成分は薬理的に不活性な水溶性粒状物で構成されており、糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種が使用される。これらの粒状ベース成分は賦形剤として分類される場合がある。糖としては、例えば、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、トレハロース、ショ糖に酵素を作用させたパラチノース(三井製糖(株)、商標名)、パラチノースを水素添加したパラチニット(三井製糖(株)、商標名)などの単糖類及び二糖類などが挙げられる。糖アルコールとしては、例えば、マンニトール(D−マンニトール)、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトールなどが例示できる。これらの糖及び糖アルコールは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの糖及び糖アルコールのうち、乳糖や糖アルコール類(マンニトールなど)を用いる場合が多い。
アミノ酸としては、グリシン、アラニン、アルギニンなどが例示できる。これらのアミノ酸も単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、前記糖及び/又は糖アルコールと組み合わせて使用してもよい。これらのアミノ酸のうち、服用感の面からグリシン、アラニンが好ましい。
粒度の大きな粒状ベース成分を用いると、崩壊性は向上するものの、成形性が低下しやすくなり、錠剤が脆くなることから、ベース成分の平均粒子径は10〜500μm程度であるのが好ましい。粒状ベース成分の平均粒子径は、10〜500μmの範囲から選択でき、通常、15〜300μm、好ましくは30〜250μm、さらに好ましくは30〜200μm(例えば、30〜150μm)であり、30〜80μm程度であってもよい。粒状ベース成分の粒子径が大きいと、錠剤内への水又は唾液の浸透性が向上し崩壊時間が短縮されるが、口腔内崩壊錠の場合は粒子径が大きすぎると、口腔内のザラツキを感じ、服用感又は食感を損なう。本発明では、粒度の大きな粒状ベース成分を用いても、所定の崩壊剤(結晶セルロースなど)と滑沢剤(場合によっては微量の滑沢剤を上下杵、臼に噴霧することで粉末接触面に滑沢剤被膜を形成させる外部滑沢法)とを用いることにより、高い硬度と崩壊性を有する錠剤とすることができる。なお、粒状ベース成分の平均粒子径は、例えば、シンパテック(SYMPATEC)社製のレーザー回析式粒度測定器[ヘロスアンドロドス(HELOS&RODOS)]で測定できる。
粒状ベース成分の割合は、崩壊剤などの製剤成分の種類及び使用割合などに応じて選択でき、通常、錠剤100重量部に対して、40〜98重量部、好ましくは45〜95重量部、さらに好ましくは45〜85重量部である。
(b-2)崩壊剤
本発明では、スーパー崩壊剤などの汎用の崩壊剤ではなく、吸水時の膨潤率(吸水膨潤率)が1.3以下の崩壊剤を用いる。崩壊剤の吸水膨潤率は、例えば、0.5〜1.3、好ましくは0.6〜1.2、さらに好ましくは0.6〜1.1程度である。吸水時の膨潤率(吸水膨潤率)が1.3を越える崩壊剤を含有させると、湿度が高い(又は加湿)条件下では錠剤の硬度が著しく低下するか、錠剤中心部への水の浸透が低下して口腔内崩壊時間が遅延し、所望の速崩壊錠又は口腔内崩壊錠が得られなくなる。なお、吸水時の膨潤率は、次のようにして測定できる。室温(15〜25℃、特に20℃)で、試料10gをメスシリンダーに入れて試料の体積を測定して膨潤前の体積とし、さらに水を加えて100mLとし、1時間後の崩壊剤の体積を膨潤後の体積とする。この膨潤後の体積を膨潤前の体積で除した値を吸水時の膨潤率とすることができる。このような低膨潤率の崩壊剤としては、結晶セルロース及びデンプン類が該当する。種々の崩壊剤について吸水時の膨潤率を調べた結果を以下の表1に示す。
Figure 0005680898
上記表1から、吸水膨潤率が1.3以下の崩壊剤には、結晶セルロース及びデンプン類(ヒドロキシプロピルスターチを含む)が含まれ、これらの崩壊剤から選択された少なくとも一種が使用される。結晶セルロースは、粉粒体が使用され、目開き38μmの篩を大部分が通過する微粒子であってもよく造粒した粒状物であってもよい。結晶セルロースは、「セオラス」、「アビセル」、「セルフィア」、「ファーマセル」などの商品名で市販されている。デンプン類は、バレイョデンプン、トウモロコシデンプン、コメデンプン、コムギデンプンなどの未処理又は未加工デンプンの他、ヒドロキシプロピルスターチなどのヒドロキシアルキルスターチも含む。これらの崩壊剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましい崩壊剤は、結晶セルロース、未処理又は未加工デンプン(バレイョデンプン、トウモロコシデンプン、特にトウモロコシデンプン)で構成できる。なお、結晶セルロースは崩壊剤として機能するとともに賦形剤としても機能する。そのため、成形性の劣る組成物であっても、崩壊剤として結晶セルロースを用いることにより、成形性(又は打錠性)を向上できる。
なお、上記表からも明らかなように、本発明で用いる崩壊剤は、一般的な崩壊剤(スーパー崩壊剤と称される崩壊剤を含む)を含まない。すなわち、アルファー化デンプン(完全又は部分アルファー化デンプン)、カルボキシメチルスターチ類(カルボキシメチルスターチナトリウムなど)、カルボキシメチルセルロース類(カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなどのカルボキシメチルセルロース、その架橋物若しくはそれらのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンを含まない。
(b-2)崩壊剤の嵩密度(結晶セルロースなどの集合体の嵩密度)も崩壊性に影響を及ぼす。崩壊剤(結晶セルロースなど)の嵩密度は、例えば、0.23g/cm以下、好ましくは0.18g/cm以下、さらに好ましくは0.15g/cm以下であり、通常、0.08〜0.17g/cm程度である場合が多い。
崩壊剤の含有量は、崩壊剤の種類に応じて選択でき、錠剤100重量部に対して1〜40重量部(例えば、1〜30重量部)、好ましくは3〜30重量部程度であってもよく、通常、10〜35重量部程度である。より具体的には、結晶セルロースの割合は、錠剤100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは3〜25重量部、さらに好ましくは5〜15重量部である。デンプン類の割合は、錠剤100重量部に対して1〜40重量部、好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは7〜25重量部程度であり、10〜20重量部程度であってもよい。なお、崩壊剤の総量が多すぎると口腔内での服用感が損なわれ、少なすぎると所望の崩壊性及び錠剤硬度が得られない。
結晶セルロースとデンプン類とはそれぞれ単独で用いてもよいが、二種類併用するのが好ましい。結晶セルロースとデンプン類との重量割合は、前者/後者=5/95〜95/5程度の広い範囲から選択でき、通常、5/95〜80/20、好ましくは10/90〜75/25、さらに好ましくは15/85〜65/35程度であってもよい。
(b-3)水溶性結合剤
水溶性結合剤としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、セルロースエーテル類[メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など]などが例示できる。これらの水溶性結合剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい水溶性結合剤はポリビニルアルコール類及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)、特にポリビニルアルコール類で構成できる。ポリビニルアルコール類としては、例えば、ポリビニルアルコール(完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール)、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリエチレン・ポリビニルアルコールコポリマーなどが挙げられる。ポリビニルアルコール類としては、完全ケン化ポリビニルアルコールを用いる場合が多い。ポリビニルアルコール類も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ポリビニルアルコール類は、市販されている単品を使用してもよく、プレミックス品(OPA DRY AMB(日本カラコン社製、ポリビニルアルコールを含むプレミックス品)など)を使用してもよい。
水溶性結合剤は、高い錠剤硬度を付与する結合剤が好ましく、このような水溶性結合剤は、D−マンニトール99重量部と結合剤1重量部との混合物(又はD−マンニトール99重量部を結合剤1重量部の水溶液で、流動層造粒法で造粒した造粒物)を、打錠圧5.0kNで製した錠剤(直径φ8mm、重量200mg)の硬度を錠剤の破断面積で除した値(結合剤の錠剤強度)で評価できる。この結合剤の錠剤強度が大きいほど、結合剤の結合力が大きいといえる。水溶性結合剤は、結合剤の錠剤強度が2N/mm以上、好ましくは2.3N/mm以上、さらに好ましくは2.5N/mm以上であるのが好ましい。なお、流動層造粒法の条件は後述する実施例の条件を参照でき、例えば、42号の篩で篩過したD−マンニトール495gを流動層造粒乾燥機に投入し、給気温度70℃で、水溶性結合剤5gの水溶液(例えば、濃度0.4重量%水溶液)を噴霧して造粒し、乾燥し、生成した顆粒を22号の篩で整粒することにより、前記造粒物を得ることができる。
さらに、崩壊性を向上させるため、水溶性結合剤は低粘度タイプの結合剤であるのが好ましく、水溶性結合剤の2重量%水溶液の粘度は、温度20℃において、6mPa・s以下、好ましくは5mPa・s以下、さらに好ましくは4mPa・s以下、特に3mPa・s以下であってもよい。なお、結合剤の水溶液粘度は回転粘度計(B型粘度計、東京計器)を用いて測定できる。
口腔内での崩壊性を高めるため、本発明の錠剤は水溶性結合剤の含有量が少ないという特色がある。水溶性結合剤の含有量は、錠剤100重量部に対して、1重量部以下(例えば、0.05〜0.8重量部)、好ましくは0.7重量部以下(例えば、0.05〜0.7重量部)、さらに好ましくは0.5重量部以下(例えば、0.07〜0.5重量部)、特に0.1〜0.4重量部であり、0.07〜0.25重量部であってもよい。結合剤の割合が多すぎると、錠剤の硬度は大きくなるものの、速崩壊性が失われ、少なすぎると、錠剤の硬度が低下したり、打錠時に打錠障害が発生したりする。
なお、水溶性結合剤の使用量を少なくすると、錠剤の崩壊性を向上できるものの、錠剤の強度及び硬度が低下する。そのため、少量であっても錠剤の強度及び硬度を向上できる水溶性結合剤を用いるのが好ましい。このような水溶性結合剤は、前記錠剤強度で評価でき、HPC、HPMCなどのセルロースエーテル類に比べて、ポリビニルピロリドン(PVP)、特にポリビニルアルコール類は、少量であっても錠剤強度を向上できる。特に、低粘度の水溶性結合剤を用いると、少量であっても、速やかな崩壊性を維持しつつ、錠剤の強度及び硬度を向上できる。
第2の顆粒(B)は、必要であれば、薬物(例えば、不快な呈味を有さない薬物)を含有していてもよい。例えば、第2の顆粒(B)は、ビタミン類、ミネラル類などを含有していてもよい。不快な呈味を示さない薬物としては、例えば、フェニトイン、シンナリジン、クロルプロマジン・フェノールフタリネート、メシル酸ビトルテロール、ニフェジピン、塩酸プロメタジン、スルファメトキジン、ユビデカレノン、ピロミド酸、ボグリボース、アカルボース、カンデサルタンシレキセチル、ブロチゾラムなどが例示できる。第2の顆粒(B)は、不快な呈味(苦味など)を有する薬物を実質的に含有しない場合が多い。
第2の顆粒(B)は、第1の顆粒(A)と同じく、さらに、医薬的に許容される添加剤、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、香料、安定化剤、可塑剤、着色剤矯味剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、一種または二種以上を組み合わせて添加される。
第2の顆粒(B)は、少なくとも(b-1)粒状ベース成分及び(b-2)崩壊剤を含む混合物(粉粒状混合物)を、(b-3)水溶性結合剤の水溶液を用いて、前記第1の顆粒(A)と同様の流動層造粒法で調製できる。例えば、前記薬物と流動化剤との混合物を含む混合物(粉粒体が流動した形態の混合物)を流動層造粒により造粒又は被覆することにより得ることができる。この造粒では、水溶性結合剤を含む溶液又は懸濁液を、流動層に噴霧して造粒又は被覆する通常の流動層造粒機を用いて行うことができる。前記水溶性結合剤の溶液又は懸濁液は、ボトムスプレー、トップスプレー、サイドスプレーなどの慣用の方法で流動層に噴霧でき、通常、トップスプレー方式で流動層に噴霧する場合が多い。なお、噴霧造粒し、流動層を乾燥することにより、第2の顆粒(B)を得ることができる。
第2の顆粒(B)は、第1の顆粒(A)と同様の見掛け比重、円形度及び平均粒子径を有している。すなわち、第2の顆粒(B)の見掛け比重は、例えば、0.1〜0.5g/mL、好ましくは0.15〜0.45g/mL、さらに好ましくは0.2〜0.45g/mL(例えば、0.25〜0.35g/mL)程度であってもよく、0.2〜0.35g/mL程度であってもよい。第2の顆粒(B)の円形度は、例えば、0.2〜0.7、好ましくは0.3〜0.6(例えば、0.35〜0.55)、さらに好ましくは0.37〜0.53(例えば、0.4〜0.5)程度である。なお、第2の顆粒(B)の平均粒子径は、例えば、50〜300μm、好ましくは70〜250μm、さらに好ましくは100〜200μm(例えば、100〜200μm)程度であってもよい。
なお、前記先行技術文献には、不快な呈味を有する薬物を含有する製剤について、特定の比重、特定の円形度を有する第1の顆粒(A)、及び特定の組成の第2の顆粒(B)について開示されておらず、第1の顆粒(A)と第2の顆粒(B)とを含む混合物を圧縮成型して速崩壊錠又は口腔内崩壊錠を得ることも記載されていない。
第1の顆粒(A)と第2の顆粒(B)との円形度の比率は1:3〜3:1、好ましくは1:2〜2:1、さらに好ましくは1:1.5〜1.5:1(例えば、1:1.25〜1.25:1)程度である。円形度の比が大きくなると、それぞれの顆粒の流動性に大きな差が生じ、含量偏析の原因となるとともに、粒子間の結合力不足から成形性の低下や、吸湿後の大きな硬度低下の原因となる。
[(C)滑沢剤]
本発明の速崩壊錠又は口腔内崩壊錠(若しくは製剤組成物)は、通常、(C)滑沢剤を含んでおり、この滑沢剤は、前記第1の顆粒(A)及び/又は第2の顆粒(B)に含有させてもよいが、通常、第1の顆粒(A)及び第2の顆粒(B)に添加する外添加成分として錠剤又は組成物内に含有されている。
滑沢剤としては、例えば、飽和高級脂肪酸又はその金属塩若しくは多価アルコールとのエステル(又は飽和高級アルコールと多価カルボン酸とのエステル又はその塩)、タルクなどが例示できる。より具体的には、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩など)、ショ糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウムなどが例示できる。これらの滑沢剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
滑沢剤の含有量は、錠剤100重量部に対して5.0重量部以下、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。
[添加剤成分]
本発明の速崩壊錠又は口腔内崩壊錠及びそのための組成物(若しくは製剤組成物)は、前記成分に加えて、固形製剤で一般的に使用される添加剤、例えば、賦形剤(結晶セルロース、軽質無水ケイ酸など)、前記水膨潤度の小さな崩壊剤、流動化剤、滑沢剤、界面活性剤、甘味剤、酸味剤、発泡剤、香料、着色剤などを含有していてもよい。これらの添加剤の使用量は崩壊性及び錠剤硬度に悪影響を及ぼさない範囲で選択でき、添加剤の使用量は、例えば、錠剤100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜3重量部、さらに好ましくは0.05〜2重量部程度であってもよい。
本発明の錠剤は、薬物の不快な呈味(苦味など)を抑制しつつ、少量の水又は口腔内の少量の唾液により速やかに崩壊する。例えば、錠剤を噛まずに、錠剤が口腔内で完全に崩壊するまでの時間、及びその際の薬物の苦味を評価したとき、本発明の崩壊時間は日本薬局方の崩壊試験法で2分以内、好ましくは1.5分以内、さらに好ましくは1分以内である。また、速崩壊錠が口腔内速崩壊錠の口腔内での崩壊時間は、通常、10〜50秒、好ましくは10〜40秒(例えば、15〜35秒)、さらに好ましくは10〜30秒(例えば、15〜25秒)程度である。そのため、速崩壊錠又は口腔内崩壊錠として有用である。
また、本発明の錠剤は、薬物の不快な呈味(苦味など)は服用に問題ない程度に抑制され、好ましくはほとんど苦味を感じない程度に抑制される。さらに、本発明の錠剤は、錠剤硬度が高いだけでなく高湿度(加湿)条件下で保存しても硬度の低下を抑制できる。本発明の錠剤の初期硬度は、例えば、20N以上(例えば、25〜80N)、好ましくは25N以上(例えば、40〜75N)程度であってもよく、吸湿硬度は、25℃、相対湿度75%で1週間に亘り保存したとき、10N以上(例えば、15〜70N)、好ましくは15N以上(例えば、25〜55N)、さらに好ましくは20N以上(例えば、30〜45N)程度であってもよく、通常、25〜60N(例えば、30〜50N)程度であってもよい。
さらに、本発明の錠剤は、薬物が均一に含有されており、薬物含量の変動係数が小さい。すなわち、本発明の錠剤は、薬物含量の変動係数(CV%)が3.5%以下(0〜3.5%)、通常、0.5〜3%、好ましくは1〜2.5%(例えば、1.5〜2.3%)程度である。薬物含量の変動係数(CV%)は、薬物の偏析の程度を示し、複数の錠剤について薬物の含量を測定し、変動係数を算出することにより得ることができる。
[速崩壊錠の製造方法]
本発明の錠剤(口腔内崩壊錠を含む速崩壊錠)は、第1の顆粒(A)、第2の顆粒(B)、滑沢剤(C)、必要に応じて添加剤を含む混合物を打錠することにより得られる。この方法では、打錠という簡単な操作で、崩壊性に極めて優れ、硬度の高い口腔内崩壊錠を工業的に有利に製造できる。また、湿潤した粉末を用いる必要がないため、錠剤の生産性を高めることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例において、錠剤の特性を次のようにして測定した。
[口腔内崩壊時間]
口腔内崩壊時間は、成人男子4名で口腔内で錠剤を噛まずに、錠剤が完全に崩壊するまでの時間を測定し、平均値を崩壊時間とした。
[薬物の苦味の評価]
薬物の苦味の評価については、以下の基準に基づいて、成人男性4名で行い、平均値を苦味スコアとした。平均スコアが1以下の場合は苦味について服用に問題がない程度であり、2以上の場合は苦味のため服用が困難であると判断した。
スコア「0」:全く苦くない
スコア「1」:やや苦い
スコア「2」:苦い
スコア「3」:苦味が強いが我慢できる
スコア「4」:苦味が強く我慢できない
[口腔内速崩壊錠の硬度]
口腔内速崩壊錠の硬度は、デジタル硬度計(PTB311E、Pharm Test GmbH Germany)で測定した。吸湿後の錠剤の硬度(吸湿硬度)は25℃、相対湿度75%で1週間保存した錠剤について測定した。
[結合剤の錠剤強度]
各実施例および比較例に用いた結合剤の2重量%水溶液の粘度(20℃)および結合剤の錠剤強度を表2に示す。結合剤の粘度は回転粘度計(B型粘度計、東京計器(株)製)を用いて測定した。結合剤の錠剤強度測定用の検体は、β型D−マンニトール結晶(ロケット社:Pearlitol 160C)99重量部を結合剤1重量部の4重量%水溶液で流動層造粒した顆粒を単発式打錠機(Tabflex、岡田精工(株)製)で打錠して調製した。
Figure 0005680898
参考例1
表3に示す第1の顆粒原料(ゾニサミド、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、タルクを分散させたエチルセルロースの4.0重量%エタノール溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は50℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行いゾニサミド含有顆粒とした。ゾニサミド含有顆粒の平均粒子径は144μm、見掛け比重は0.3g/ml、円形度は0.48であり、苦味スコアは0であった。なお、表中、「部」は「重量部」を示す(以下同じ)。
Figure 0005680898
実施例1
表4に口腔内速崩壊錠の処方を示す。第2の顆粒原料(D−マンニトール結晶、トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、ポリビニルアルコールの0.4重量%水溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は70℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行い第2の顆粒とした。実施例1で製造した第1の顆粒、第2の顆粒と外添加原料(結晶セルロース、トウモロコシデンプン及び軽質無水ケイ酸、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウム)とをV型混合機(VI−10、(株)徳寿工作所製)で3分間混合し、打錠末を得た。打錠機(VIRGO、(株)菊水製作所製)を用いて杵立て数6本、ターンテーブル回転数30rpmにて打錠し錠剤(直径φ8mm及び重量200mg)を得た。
Figure 0005680898
得られた口腔内速崩壊錠の錠剤硬度(初期硬度)は50N、吸湿後の硬度(吸湿硬度)は35N、口腔内崩壊時間は20秒であり、苦味のスコアは0であった。また、含量均一性を評価した結果、CV%=2.1%を示し、良好な含量均一性であることが確認された。得られた錠剤の溶出試験の結果はD15min(15分後の溶出率)=72.5%(パドル法50rpm、試験液:水、900mL)であり、良好な溶出性を示した。
実施例2
表5に口腔内速崩壊錠の処方を示す。第1の顆粒原料(オルメサルタンメドキソミル、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、タルクを分散させたエチルセルロースの4.0重量%エタノール溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は50℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行いオルメサルタン含有顆粒とした。オルメサルタン含有顆粒の平均粒子径は130μm、見掛け比重は0.25g/ml、円形度は0.43であった。別に第2の顆粒原料(乳糖、トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチルコポリマーの0.4重量%水溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は70℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行い第2の顆粒とした。第1の顆粒、第2の顆粒と外添加原料(結晶セルロース、トウモロコシデンプン及び軽質無水ケイ酸、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウム)とをV型混合機(VI−10、(株)徳寿工作所製)で3分間混合し、打錠末を得た。打錠機(VIRGO、(株)菊水製作所製)を用いて杵立て数6本、ターンテーブル回転数30rpmにて打錠し錠剤(直径φ8mm及び重量200mg)を得た。
Figure 0005680898
得られた口腔内速崩壊錠の錠剤硬度(初期硬度)は50N、吸湿後の硬度(吸湿硬度)は33N、口腔内崩壊時間は22秒であり、苦味のスコアは0であった。また、含量均一性を評価した結果、CV%=1.8%を示し良好な含量均一性であることが確認された。得られた錠剤の溶出試験の結果はD15min=81.3%(パドル法50rpm、試験液:水、900mL)であり、良好な溶出性を示した。
実施例3
表6に口腔内速崩壊錠の処方を示す。第1の顆粒原料(ファモチジン、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、タルクを分散させたメタクリル酸コポリマーLの4.0重量%エタノール溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は50℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行いファモチジン含有顆粒とした。ファモチジン含有顆粒の平均粒子径は165μm、見掛け比重は0.28g/ml、円形度は0.42であった。別に第2の顆粒原料(グリシン、トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、ポリビニルアルコールの0.4重量%水溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は70℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行い第2の顆粒とした。第1の顆粒、第2の顆粒と外添加原料(結晶セルロース、トウモロコシデンプン及び軽質無水ケイ酸、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウム)とをV型混合機(VI−10、(株)徳寿工作所製)で3分間混合し、打錠末を得た。打錠機(VIRGO、(株)菊水製作所製)を用いて杵立て数6本、ターンテーブル回転数30rpmにて打錠し錠剤(直径φ8mm及び重量200mg)を得た。
Figure 0005680898
得られた口腔内速崩壊錠の錠剤硬度(初期硬度)は50N、吸湿後の硬度(吸湿硬度)は30N、口腔内崩壊時間は18秒であり、苦味のスコアは0であった。また、含量均一性を評価した結果、CV%=2.0%を示し良好な含量均一性であることが確認された。得られた錠剤の溶出試験の結果はD15min=80.3%(パドル法50rpm、試験液:水、900mL)であり、良好な溶出性を示した。
実施例4
表7に口腔内速崩壊錠の処方を示す。第1の顆粒原料(レバミピド、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、タルクを分散させたエチルセルロースの4.0重量%エタノール溶液を噴霧した後、ステアリン酸の2.0重量%エタノール溶液を噴霧し造粒を行った。給気温度は50℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行いレバミピド含有顆粒とした。レバミピド含有顆粒の平均粒子径は185μm、見掛け比重は0.26g/ml、円形度は0.40であった。別に第2の顆粒原料(D−マンニトール結晶、トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、ポリビニルアルコールの0.4重量%水溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は70℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行い第2の顆粒とした。第1の顆粒、第2の顆粒と外添加原料(結晶セルロース、トウモロコシデンプン及び軽質無水ケイ酸、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウム)とをV型混合機(VI−10、(株)徳寿工作所製)で3分間混合し、打錠末を得た。打錠機(VIRGO、(株)菊水製作所製)を用いて杵立て数6本、ターンテーブル回転数30rpmにて打錠し錠剤(直径φ10mm及び重量400mg)を得た。
Figure 0005680898
得られた口腔内速崩壊錠の錠剤硬度(初期硬度)は70N、吸湿後の硬度(吸湿硬度)は45N、口腔内崩壊時間は25秒であり、苦味のスコアは1であった。また、含量均一性を評価した結果、CV%=1.6%を示し良好な含量均一性であることが確認された。得られた錠剤の溶出試験の結果はD15min=68.3%(パドル法50rpm、試験液:水、900mL)であり、良好な溶出性を示した。
比較例1
表8に示すゾニサミドのみを42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、タルクを分散させたエチルセルロースの4.0重量%エタノール溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は50℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行いゾニサミド含有顆粒とした。ゾニサミド含有顆粒の平均粒子径は144μm、見掛け比重は0.3g/ml、円形度は0.48であり、苦味スコアは2であった。
Figure 0005680898
比較例2
表9に示す第1の顆粒原料(ゾニサミド、D−マンニトール)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、タルクを分散させたエチルセルロースの4.0重量%エタノール溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は50℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行いゾニサミド含有顆粒とした。ゾニサミド含有顆粒の平均粒子径は144μm、見掛け比重は0.3g/ml、円形度は0.48であり、苦味スコアは2であった。
Figure 0005680898
比較例3
表10に口腔内速崩壊錠の処方を示す。第2の顆粒原料(D−マンニトール結晶、トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、ポリビニルアルコールの0.4重量%水溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は70℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行い第2の顆粒とした。比較性2で得られた第1の顆粒、上記第2の顆粒と外添加原料(結晶セルロース、トウモロコシデンプン及び軽質無水ケイ酸、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウム)とをV型混合機(VI−10、(株)徳寿工作所製)で3分間混合し、打錠末を得た。打錠機(VIRGO、(株)菊水製作所製)を用いて杵立て数6本、ターンテーブル回転数30rpmにて打錠し錠剤(直径φ8mm及び重量200mg)を得た。
Figure 0005680898
得られた口腔内速崩壊錠の錠剤硬度(初期硬度)は52N、吸湿後の硬度(吸湿硬度)は37N、口腔内崩壊時間は21秒であり、苦味のスコアは2であった。また、含量均一性を評価した結果、CV%=2.0%を示し良好な含量均一性であることが確認された。得られた錠剤の溶出試験の結果はD15min=98.8%(パドル法50rpm、試験液:水、900mL)となり良好な溶出性を示した。
比較例4
表11に口腔内速崩壊錠の処方を示す。第1の顆粒原料(ゾニサミド、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、微粒子コーティング・造粒装置(SFP−01、パウレック(株)製)に投入し、タルクを分散させたエチルセルロースの4.0重量%エタノール溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は50℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行いゾニサミド含有顆粒とした。ゾニサミド含有顆粒の平均粒子径は130μm、見掛け比重は0.80g/ml、円形度は0.85であった。別に第2の顆粒原料(D−マンニトール結晶、軽質無水ケイ酸、トウモロコシデンプン)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、ポリビニルアルコールの0.4重量%水溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は70℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行い第2の顆粒とした。第1の顆粒、第2の顆粒と外添加原料(結晶セルロース、トウモロコシデンプン及び軽質無水ケイ酸、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウム)とをV型混合機(VI−10、(株)徳寿工作所製)で3分間混合し、打錠末を得た。打錠機(VIRGO、(株)菊水製作所製)を用いて杵立て数6本、ターンテーブル回転数30rpmにて打錠し錠剤(直径φ8mm及び重量200mg)を得た。
Figure 0005680898
得られた口腔内速崩壊錠の錠剤硬度(初期硬度)は40N、吸湿後の硬度(吸湿硬度)は16N、口腔内崩壊時間は20秒であり、苦味のスコアは0であった。また、含量均一性を評価した結果、CV%=3.8%を示し含量均一性が低いことが確認された。得られた錠剤の溶出試験の結果はD15min=20.5%(パドル法50rpm、試験液:水、900mL)となり遅い溶出性を示した。
比較例5
表12に口腔内速崩壊錠の処方を示す。第1の顆粒原料(ゾニサミド、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、微粒子コーティング・造粒乾燥機(SFP−01、パウレック(株)製)に投入し、タルクを分散させたエチルセルロースの4.0重量%エタノール溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は50℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行いゾニサミド含有顆粒とした。ゾニサミド含有顆粒の平均粒子径は130μm、見掛け比重は0.8g/ml、円形度は0.90であった。別に第2の顆粒原料(D−マンニトール結晶、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロースの4.0重量%水溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は70℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行い第2の顆粒とした。第1の顆粒、第2の顆粒と外添加原料(軽質無水ケイ酸、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウム)とをV型混合機(VI−10、(株)徳寿工作所製)で3分間混合し、打錠末を得た。打錠機(VIRGO、(株)菊水製作所製)を用いて杵立て数6本、ターンテーブル回転数30rpmにて打錠し錠剤(直径φ8mm及び重量200mg)を得た。
Figure 0005680898
得られた口腔内速崩壊錠の錠剤硬度(初期硬度)は40N、吸湿後の硬度(吸湿硬度)は8N、口腔内崩壊時間は35秒であり、苦味のスコアは0であった。また、含量均一性を評価した結果、CV%=4.2%を示し含量均一性が低いことが確認された。得られた錠剤の溶出試験の結果はD15min=17.8%(パドル法50rpm、試験液:水、900mL)となり遅い溶出性を示した。
比較例6
表13に口腔内速崩壊錠の処方を示す。第1の顆粒原料(オルメサルタンメドキソミル、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、タルクを分散させたアクアコート(商品名:AquacoatECD30、エチルセルロースの水分散液)の4.0重量%水溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は70℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行いオルメサルタン含有顆粒とした。オルメサルタン含有顆粒の平均粒子径は145μm、見掛け比重は0.31g/ml、円形度は0.78であった。別に第2の顆粒原料(D−マンニトール結晶、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸)を42メッシュ篩で篩過し、流動層造粒乾燥機(WSG−5、パウレック(株)製)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロースの4.0重量%水溶液を噴霧して造粒を行った。給気温度は70℃とし、乾燥の終点の排気温度を40℃とした。得られた顆粒を22メッシュ篩で整粒を行い第2の顆粒とした。第1の顆粒、第2の顆粒と外添加原料(軽質無水ケイ酸、アスパルテーム、ステアリン酸マグネシウム)とをV型混合機(VI−10、(株)徳寿工作所製)で3分間混合し、打錠末を得た。打錠機(VIRGO、(株)菊水製作所製)を用いて杵立て数6本、ターンテーブル回転数30rpmにて打錠し錠剤(直径φ8mm及び重量200mg)を得た。
Figure 0005680898
得られた口腔内速崩壊錠の錠剤硬度(初期硬度)は40N、吸湿後の硬度(吸湿硬度)は10N、口腔内崩壊時間は35秒であり、苦味のスコアは3であった。また、含量均一性を評価した結果、CV%=4.4%を示し含量均一性が低いことが確認された。得られた錠剤の溶出試験の結果はD15min=52.5%(パドル法50rpm、試験液:水、900mL)を示した。
実施例及び比較例の結果を表14及び表15に示す。
Figure 0005680898
Figure 0005680898
表14及び表15から明らかなように、比較例に比べて実施例では錠剤の初期硬度及び吸湿硬度のいずれもが高く、実用的に問題のない硬度を有している。また、口腔内での崩壊時間が約25秒以下、苦味スコアは1以下、溶出性もD15minで60%以上となり、口腔内崩壊錠として問題ない特性を備えている。さらに含量均一性の指標である変動係数は2.5%以下となり、比較例に比べ低い値となった。
本発明の錠剤は、水又は口腔内で速い崩壊性を有するとともに、錠剤硬度が高い。さらに良好な溶出性を確保しながら薬物の苦味を抑制し、含量均一性にも優れている。そのため、高齢者などであっても水なしで又は少量の水で容易に服用できるとともに、製造工程及び輸送工程並びに分包工程で錠剤のカケなどが生じることがなく、錠剤の品質を向上できる。

Claims (21)

  1. (a-1)不快な呈味を有する粉末状薬物、
    (a-2)その粉末状薬物の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な流動化剤、及び
    (a-3)担体を含み、
    予め混合した前記薬物(a-1)と前記流動化剤(a-2)との混合物が、前記担体(a-3)を用いて流動層造粒により造粒又は被覆され、見掛け比重が0.1〜0.5g/mlであり、かつ円形度が0.2〜0.7である第1の顆粒(A)と、
    (b-1)平均粒子径10〜500μmを有し、かつ糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分、
    (b-2)吸水時の膨潤率が1.3以下の崩壊剤、及び
    (b-3)水溶性結合剤を含有し、
    (b-3)前記水溶性結合剤の含有量が錠剤100重量部に対して1重量部以下であり、流動層造粒により造粒又は被覆された第2の顆粒(B)とを含む、速崩壊錠。
  2. 第1の顆粒(A)が苦味を有する薬物を含有し、第2の顆粒(B)が苦味を有する薬物を実質的に含有しない請求項1記載の速崩壊錠。
  3. (a-2)流動化剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、及び含水二酸化ケイ素から選択された少なくとも一種の製剤用担体である請求項1又は2記載の速崩壊錠。
  4. (a-2)流動化剤が、軽質無水ケイ酸及び含水二酸化ケイ素から選択された少なくとも一種の製剤用担体である請求項1〜3のいずれかに記載の速崩壊錠。
  5. 第1の顆粒(A)の見掛け比重が0.15〜0.45g/mlであり、かつ円形度が0.3〜0.6である請求項1〜4のいずれかに記載の速崩壊錠。
  6. 第1の顆粒(A)と第2の顆粒(B)との円形度比が1:3〜3:1である請求項1〜5のいずれかに記載の速崩壊錠。
  7. (a-3)担体が水不溶性担体である請求項1〜6のいずれかに記載の速崩壊錠。
  8. (a-3)担体が、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ワックス状物質から選択された少なくとも一種である請求項1〜7のいずれかに記載の速崩壊錠。
  9. (b-2)崩壊剤が、結晶セルロース及びデンプン類から選択された少なくとも一種である請求項1〜8のいずれかに記載の速崩壊錠。
  10. (b-2)崩壊剤が嵩密度0.23g/cm以下の結晶セルロースである請求項1〜9のいずれかに記載の速崩壊錠。
  11. (b-2)崩壊剤が結晶セルロースであり、崩壊剤の含有量が錠剤100重量部に対して1〜30重量部である請求項1〜10のいずれかに記載の速崩壊錠。
  12. (b-3)水溶性結合剤が、2重量%水溶液の粘度3mPa・s(20℃)以下を有しており、2.5N/mm以上の錠剤強度を与える請求項1〜11のいずれかに記載の速崩壊錠。
  13. (b-3)水溶性結合剤がポリビニルアルコールである請求項1〜12のいずれかに記載の速崩壊錠。
  14. (a-1)苦味を有する粉末状薬物と、
    (a-2)この薬物の凝集を抑制する製剤用担体と、
    (a-3)エタノール又は含水エタノールに可溶な水不溶性高分子又はワックス状物質とを含み、
    予め混合した前記薬物(a-1)と前記製剤用担体(a-2)との混合物が、前記水不溶性高分子又はワックス状物質(a-3)を用いて流動層造粒により造粒又は被覆され、見掛け比重が0.1〜0.5g/mlであり、かつ円形度が0.2〜0.7である第1の顆粒(A)と、
    (b-1)平均粒子径10〜500μmを有し、かつ糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分、
    (b-2)アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチ類、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びクロスポビドンを含まず、結晶セルロース及びデンプン類から選択された少なくとも一種の崩壊剤、及び
    (b-3)2重量%水溶液の粘度3mPa・s(20℃)以下のポリビニルアルコールで構成された水溶性結合剤を含有し、
    (b-3)水溶性結合剤の含有量が錠剤100重量部に対して0.5重量部以下である第2の顆粒(B)とを含み、
    第1の顆粒(A)と第2の顆粒(B)との円形度比が1:3〜3:1である、苦味が抑制された速崩壊錠。
  15. 口腔内崩壊錠である請求項1〜14のいずれかに記載の速崩壊錠。
  16. 薬物含量の変動係数が3.5%以下である請求項1〜15のいずれかに記載の速崩壊錠。
  17. 薬物が、ゾニサミド、レバミピド、オルメサルタンメドキソミルから選択された少なくとも一種の苦味を有する薬物である請求項1〜16のいずれかに記載の速崩壊錠。
  18. 糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分、崩壊剤、及び水溶性結合剤を含有する顆粒と混合して打錠され、かつ薬物の不快な呈味が抑制された錠剤を調製するための顆粒であって、(a-1)不快な呈味を有する粉末状薬物、(a-2)その粉末状薬物の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な流動化剤、及び(a-3)担体とを含み、予め混合した前記薬物(a-1)と前記流動化剤(a-2)との混合物が、前記担体(a-3)を用いて流動層造粒により造粒又は被覆され、見掛け比重が0.1〜0.5g/mlであり、かつ円形度が0.2〜0.7である顆粒。
  19. 流動化剤(a-2)が、軽質無水ケイ酸及び含水二酸化ケイ素から選択された少なくとも一種の製剤用担体であり、担体(a-3)が、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ワックス状物質から選択され、かつエタノール又は含水エタノールに可溶な水不溶性担体である請求項18記載の顆粒。
  20. (a-1)不快な呈味を有する粉末状薬物、
    (a-2)その粉末状薬物の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な流動化剤、及び
    (a-3)担体を含み、
    予め混合した前記薬物(a-1)と前記流動化剤(a-2)との混合物が、前記担体(a-3)を用いて流動層造粒により造粒又は被覆され、見掛け比重が0.1〜0.5g/mlであり、かつ円形度が0.2〜0.7である第1の顆粒(A)と、
    (b-1)平均粒子径10〜500μmを有し、かつ糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分、
    (b-2)吸水時の膨潤率が1.3以下の崩壊剤、及び
    (b-3)水溶性結合剤を含有し、(b-3)前記水溶性結合剤の含有量が錠剤100重量部に対して1重量部以下である第2の顆粒(B)とを含む製剤組成物。
  21. (a-1)不快な呈味を有する粉末状薬物と、(a-2)その粉末状薬物の凝集を抑制し、かつ生理学的に許容可能な流動化剤とを予め混合した後、(a-3)担体を用いて、流動層造粒により造粒又は被覆した顆粒であり、見掛け比重が0.1〜0.5g/mlであり、かつ円形度が0.2〜0.7である第1の顆粒(A)と、
    (b-1)平均粒子径10〜500μmを有し、かつ糖、糖アルコール及びアミノ酸から選択された少なくとも一種の粒状ベース成分と、(b-2)吸水時の膨潤率が1.3以下の崩壊剤と、(b-3)水溶性結合剤を含有し、(b-3)前記水溶性結合剤の含有量が錠剤100重量部に対して1重量部以下である第2の顆粒(B)とを含む混合物を打錠し、速崩壊錠を製造する方法。
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