JP2021508316A - サフィナミドを含む医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、サフィナミドを含む医薬組成物に、より具体的には、前記有効成分又はその薬学的に許容される塩を含む味覚マスキングされた粒子、前記粒子を含む経口投与製剤及びそれらを調製する方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、サフィナミドを含む医薬組成物に関し、より具体的には、前記有効成分又はその薬学的に許容される塩を含む味覚マスキングされた粒子、前記粒子を含む経口投与製剤、及びそれらを調製する方法に関する。
下式に示すサフィナミド、すなわち(2S)−2−[[4−[(3−フルオロフェニル)メトキシ]フェニル]メチルアミノ]プロパンアミド
Figure 2021508316
は、線条体におけるドーパミンの細胞外レベルの増加を引き起こす、選択の高い可逆的なMAO−B阻害剤である。サフィナミドは、電圧依存性ナトリウムチャネル(Na+)の状態依存的な阻害、及び刺激されたグルタメート放出の調節に関与する。
サフィナミドメタンスルホン酸塩は、経口タブレットの形で投与される、EMA承認された薬剤、Xadago(登録商標)の有効成分である。
Xadago(登録商標)は、レボドパ(L−ドーパ)単独、又は中期〜末期で変動するパーキンソン病患者用の他の薬剤との組合せを一定量で投与する療法に対する、突発性パーキンソン病に罹患する成人患者の治療のためのアドオン治療剤として認められており、サフィナミドは、ドーパミン作動性及びドーパミン非作動性のいずれの機構によっても作用する。
サフィナミドメタンスルホン酸塩の経口嚥下可能なフィルムコーティングされた錠剤が、50〜100mgの用量で現在市販されている。
これらの錠剤は、即時放出プロファイルを特徴とする。
これらの錠剤は、嚥下用であるため、治療を受ける患者が正しく嚥下動作を実行できなければならない。
しかしながら、例えば、高齢患者の場合、又は医療補助員による補助をほとんど受けられない患者の場合など、患者のカテゴリーによっては、特にパーキンソン病などの寡動が進行する病態のために嚥下が困難であることがわかっている。
これらの臨床的状況において、前記患者は、嚥下のために必要な動作、すなわち声門を閉鎖し、同時に喉頭の筋肉を収縮させて、全ての錠剤を食道を通過させなければならないが、それを調整することが困難である(嚥下障害)。
これらの場合、水と共に嚥下される錠剤を、嚥下がより容易になる他の経口投与製剤で置き換えるのが望ましい。
特許文献1(欧州特許第1613296号明細書、Newron Pharmaceuticals社)は、パーキンソン病を治療するための新規な組成物及び方法、具体的には、レボドパとの組合せでサフィナミドを投与することによるパーキンソン病の治療方法を記載する。
この特許は、前記有効成分を含むジェネリック医薬組成物、すなわち錠剤、カプセル、エリキシル、シロップ及び経口懸濁液などの経口投与用の製剤を記載する。
特許文献2(国際公開第2011/098456号パンフレット、Merck Serono SA社)は、ジスキネジア、好ましくは、ドーパミン作動性治療に関連するジスキネジアの治療及び予防に関する。前記文献は、サフィナミド、結合剤及び他の賦形剤を含むコアと、HPMCコーティングと、を有する錠剤組成物を開示する。
コアの中の粒子の存在は、明示的に開示されていない。
Xadago(登録商標)に関しEMAにより発行された承認書には、直径7mm、円形、両凹、オレンジ〜銅色、金属光沢有り、一面に「50」mg用量のエンボス有り(又は100mgでは異なる色)の、フィルムコーティング錠剤と記載されており、質的組成は下記の表1のとおりである。
表1:
Figure 2021508316
その製造工程としては、有効成分を賦形剤(内相)と混合して乾燥圧縮し、圧縮された材料を更なる賦形剤(外相)と混合し、最終的混合物を錠剤へ圧縮し、着色したポリマーフィルムにより後者をコーティングすることが考えられる。
特許文献3(中国特許出願公開第106983730号、Foshan City Hongtai Pharmaceutical R&D CO LTD)は、サフィナミドのマイクロペレット錠剤及びその調製物方法を開示し、該方法では、サフィナミドは流動床コーティング工程を通じて胃可溶性コーティングされたマイクロペレットに調製され、次に、乾式の錠剤化技術を通じてフィルムコーティングされた嚥下可能な錠剤に変換される。得られた錠剤は直接嚥下することができ、又は水中において急速にマイクロペレットに崩壊して、嚥下が困難な患者、特に小児により摂取可能な状態となる。
この出願では、薬剤の安定性を改善し、また貯蔵を容易にするために、いかなる適切な胃可溶性コーティングポリマーが使用できるかについては記載していない。
特許文献4(中国特許出願公開第104546747号、Xiamen Meijisi Pharmaceutical社)によると、賦形剤の比率を調整することにより、及び、主に、有効成分の粒径を超微粉砕(D90:5〜50μm)して制御することにより得られる良好な溶解プロファイルを有するサフィナミドメタンスルホン酸塩を含む医薬組成物を記載しており、広義には、前記組成物は、サフィナミドメシレート、ならびに親水性希釈剤、水溶性重合結合剤、崩壊剤、香料及び滑沢剤を含み、有効成分が約20〜30重量%で含まれる。
特に、実施例5は50mgのサフィナミドメタンスルホン酸塩を含む経口分散性の錠剤を記載しており、その質的及び量的組成を以下の表2に示す。
表2:
Figure 2021508316
上記のように、Xadago(登録商標)が必要となる、特にパーキンソン病などの臨床的症状では、水と共に嚥下される錠剤を、嚥下が容易な他の経口投与製剤に置き換えることが望ましい。
これらの経口剤型は、患者による嚥下が容易であるが、それらは、有効成分の分子と、患者の舌の味覚芽及び嗜好を全体的に左右する口腔内の他の受容体とが直接接触してしまう、という潜在的な技術的課題が存在する。
この理由から、それらは、患者が有効成分の味覚や口腔粘膜の炎症などの他の考えられる悪い感覚的効果を知覚しない態様で製剤化される必要があり、製薬分子の中には、非常に不快な味覚を特徴とするものがあり、また実際に、悪い場合には舌及び口蓋に炎症をもたらすものも存在する。
発明者らの知る限りでは、有効成分サフィナミド又はその薬学的に許容される塩の感覚刺激特性に関連する課題が、これまで先行技術において、開示されていないと考えられる。
上述した特許文献3(中国特許出願公開第106983730号)は、サフィナミドの苦い味覚について、それが嚥下可能な錠剤の外部フィルムコーティングにより被覆されうることについて言及している。
特に、上述した特許文献4(中国特許出願公開第104546747号)は、湿式造粒及びそれに続き圧縮する方法で、嚥下がより容易な経口分散性錠剤の調製例を提供するが、そこには有効成分の感覚刺激特性を修飾するいかなる試みも開示されていないと考えられる。
本発明者らは、フリーの塩基形態、及び/又は、その薬学的に許容される塩形態のサフィナミド、具体的にはサフィナミドメタンスルホン酸塩が、非常に不快な味覚を特徴とする分子であり、それが明らかに非常に強く収斂性のある苦い成分であり、そして、さらに、中咽頭の第1の区画の粘膜を刺激する顕著な傾向を有することに着目した。
患者がサフィナミドによる治療を拒否するのを回避するため、投与の間、有効成分の味覚を完全にマスキングすることが不可欠である。サフィナミドの味覚及び口あたりをマスキングせずに、口腔内で急速に崩解する錠剤を調製すると、患者に対して有効成分の不快な感覚をまともに与え、それにより当該剤形を許容できなくなり、治療を拒否することとなり、その結果、臨床的パターンの悪化をもたらすからである。
公知の技術的性質上の問題点に加えて、幾つかの活性医薬成分の好ましくない感覚刺激的特性は、嚥下がより容易な経口投与製剤にて製剤化しようとする際に遭遇する一つの大きな問題を提起する。
有効な味覚マスキングを確実に行う試みにおいて、通常用いられる技術には、化学的及び物理的性質を利用した多くの方法が含まれ、それらは必然的に、特定の有効成分の特性及び採用される剤形の特性を考慮しなければならないものである。
実際、製剤化の分野における当業者であれば、選択された剤形に添加される有効成分の固有の官能特性、サイズ、形状、粒度分布及び溶解性などに関する技術的限界を熟知している。
これらの好適でない感覚刺激的特性への対処方法としては、本分野の専門家に公知の一般的な製剤技術では、製剤中に調味料及び甘味料を含有させて、有効成分の不快なノートをマスキングすることが考えられる。
更に、先行技術においては、製剤のpHを最適に変化させることにより、幾つかの有効成分の刺激効果を低減又は完全に除去しうることが公知である。
本出願人による特許文献5(欧州特許第2594266号明細書)は、pHの適切な調整による、イブプロフェン又はその薬学的に許容される塩の刺激効果の除去を以下に行いうるかについて記載している。
サフィナミドメタンスルホン酸塩の場合、甘味料及び調味料を適切に組み合わせる技術的プラクティスも可能であるが、その感覚的性質を有効にマスキングすることができず、さらに製剤のpHを調整する試みも、結果として口腔内での刺激効果の低減にはつながらなかった。
この結果、サフィナミドメタンスルホン酸塩が嚥下のより容易な経口投与製剤に含まれるときには、患者が口腔内において、有効成分の不快な味覚及び刺激効果を知覚することとなるため、患者にとり不利益をもたらすものとなる。
サフィナミドメタンスルホン酸塩の味覚マスキングが困難である理由は、第1に、サフィナミドが一般的に強い収斂性に結びつく非常に強い苦味成分を有し、舌及び口蓋を刺激する傾向を有することであり、さらには、サフィナミドメタンスルホン酸塩が唾液中で可溶性であるため、患者がその味覚を直接的に感じてしまうことも挙げられる。
非常に苦味のある医薬分子は、実際には唾液中では難溶解性であり、サフィナミドの場合の様に即座に知覚されるものではないことが多い。
あるいは、他の味覚マスキング技術として、有効成分と口腔粘膜との間の物理的バリアの使用(高粘性のコロイド系)、例えば医薬製剤のpH調整又はカプセル化技術(造粒、コーティング、マイクロカプセル化など)によるその溶解度の低減が考えられ、さらに当業者であれば、有効成分及びそれと強く相互作用できる分子の化学的相互作用に基づくイオン交換樹脂と呼ばれる方法、又は有効成分の分子と環状ポリオール形状(シクロデキストリン)との分子間の可逆的複合体の形成など、他の味覚マスキング方法を熟知している。
しかしながら、上記の多くのアプローチは、医薬有効成分の多少の化学的及び/又は物理的修飾を伴い、それは、安定性、剤形、ならびに、なによりもその活性及び生物学的利用能の表れ方に影響を及ぼすものである。
欧州特許第1613296号明細書 国際公開第2011/098456号パンフレット 中国特許出願公開第106983730号明細書 中国特許出願公開第104546747号明細書 欧州特許第2594266号明細書
嚥下をより容易にするための剤形を調製するための各種技術が公知であるが、優れた官能特性を有しつつ、口腔内において、急速に崩壊できる、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の調製を可能にし、また、現在市販されている剤形と同等の動態において、消化管内での有効成分の放出を可能にする、革新的な方法を探索することに対するニーズが存在する。
本発明の発明者らは予想外にも、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩、特にサフィナミドメタンスルホン酸塩を、複数の固体粒子に変換することにより、また、あらゆる粒子上に味覚をマスキングするポリマーコーティング組成物を塗布することにより、有効成分の非常に好ましくない感覚刺激特性に関連する欠点が解決されることを見出した。
より容易な嚥下のために前記経口製剤を投与した際、本発明の主題を構成する前記粒子は、患者の口腔内を通過でき、またサフィナミド又はその薬学的に許容される塩による前記不快な感覚刺激特性を知覚させることがなく、そしてこの重要な結果により、嚥下困難を訴える患者が、当該薬剤処置による利益を十分に受けることができる。
したがって、本発明は、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩、好ましくはサフィナミドメタンスルホン酸塩が、例えば、口腔内において、急速に崩壊する錠剤、口腔内分散性フィルム、咀嚼錠、口腔内分散性マイクロタブレット、発泡錠、水分散性錠剤、口腔内分散性粉末剤、水和剤などの、嚥下の容易な経口投与製剤に添加された、医薬組成物及びその製造方法に関し、これらの調製物中では、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩は、消化管内における放出動態プロファイルを損なうことなく、有効成分の非常に好ましくない感覚刺激特性の完全なマスキングを確実にする形態で存在する。
したがって、本発明は複数の粒子に関し、それは各々、
a.サフィナミド又はその薬学的に許容される塩を含むコア
b.前記コア上にコーティングを形成する味覚マスキングポリマー組成物
を含み、前記コアは、結合剤の存在下で、前記サフィナミド又はその薬学的に許容される塩により積層された不活性粒子を含む。
本発明に係る粒子は、有効成分の感覚刺激特性をマスキングできる味覚マスキングポリマー組成物が適切に塗布された該有効成分を含むコアから実質的になる。
一般に前記粒子は、選択された医薬剤形そのものが、又はその一部が口腔内に導入されたときに好ましくない感覚知覚を回避するために500μm以下の適度なサイズを有する。
本発明の前記コアは、結合剤の存在下でサフィナミド又はその薬学的に許容される塩により積層された不活性粒子と、任意の一つ以上の医薬賦形剤とを含み、前記コアは通常、一般的な積層技術により調製され、ビーズ状、パール状、スフェロイド状、マイクロペレット状等に形成される。
通常、前記コアは150〜500μmの範囲のサイズ(好ましくは多分散でない)を有し、好ましくは、本発明では、前記コアは200〜450μmの範囲の粒径を有する。
サフィナミドは、好ましくは5〜50μmの範囲の平均粒径を有する結晶質固体の形で用いられる。
本発明によるサフィナミドの薬学的に許容される塩としては、例えば硝酸、塩酸、硫酸、過塩素酸及びリン酸などの無機酸による付加塩、又は、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸及びサリチル酸などの有機酸による付加塩が挙げられ、サフィナミドメタンスルホン酸塩が好適な塩である。
好ましくは、本発明により処方され、製造される粒子は10〜80重量%のサフィナミド塩基を、好ましくは、20〜60重量%のサフィナミド、又はそれらの当量の塩を含む。
好ましくは、本発明により処方され、製造される粒子を含む剤形は、50又は100mgのサフィナミド塩基又はそれらの当量の塩を含む。
本発明に係る不活性粒子という用語は、その表面に一つ以上の有効成分が積層される、一様な直径を有するマイクロスフェアを意味する。
不活性粒子は、多少の平滑な表面を有し、水溶性であっても水不溶性であってもよく、また、破砕及び高密度に対する高い抵抗性を有するという事実により特徴づけられ、それにより、有効成分を積層するために一般に用いられる工程の間に生じる物理的ストレスに対する耐久性を有する。
前記不活性粒子は分散した粒度分布を有さないことを特徴とし、それらは任意に、約50μmからはじまる粒子サイズのものであってもよい。
本発明に係る適切な薬学的に許容される不活性粒子の非限定的な例は、微結晶性セルロース(たとえばJRS社により調製されるVivapur MCC)、スクロース(たとえばColorcon社により調製されるSuglets)、デンプン(たとえばFreund社により調製されるNonpareil−101)、マンニトール(たとえばFreund社により調製されるNonpareil−108)、二酸化ケイ質(たとえばUmang社により調製されるAS sprayspheres(商標))、炭酸カルシウム(たとえばUmang社により調製されるCS sphere sprayspheres(商標))の粒子、並びに他の賦形剤の粒子である。
好適な本発明の態様において、前記不活性粒子は、微結晶性セルロース、デンプン及びスクロースの粒子であり、微結晶性セルロースがより好ましい。
前記不活性粒子は、50〜400μmの範囲の粒子サイズを有し、好ましくはそれらは100〜200μmの範囲の粒子サイズを有する。
さらに好適な態様において、前記不活性粒子は、微結晶性セルロースの粒子であり、100〜200μmの範囲の粒子サイズを有する。
本発明に係る結合剤という用語は、不活性粒子の表面にサフィナミド又はその薬学的に許容される塩の結晶を結合するのに適する医薬賦形剤を意味する。
本発明に係る結合剤の非限定的な例としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、メチルセルロース(MC)、ポビドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)、化工デンプンその他の、単独又は組み合わせが挙げられる。
本発明の好適な結合剤は、ポビドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び微結晶性セルロースから選択される。
本発明の粒子のコアは、好ましくは、0.5〜40重量%の範囲において、より好ましくは2〜10重量%の範囲のパーセンテージにおいて結合剤を含む。
本発明の粒子のコア中に任意に存在させてもよい薬学的に許容される賦形剤には、例えば微結晶性セルロース(MCC)、ラクトース(無水又は一水和物)、α化デンプン、マンニトール、イソマルト、ソルビトール及び類似の炭水化物、リン酸二カルシウム(無水又は二水和物)、マルトデキストリンその他の希釈剤、例えばクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、部分α化デンプンその他の崩壊剤、例えばコロイド状シリカ、ケイ酸カルシウム、マグネシウム三ケイ酸塩、タルク及びその他の凝集防止剤、並びに、例えばトリエチルシトレート(TEC)、ジブチルセバシン酸、グリセリンモノステアレート、ポリエチレングリコール(PEG)及びその他の可塑剤、が包含される。
本発明の粒子のこれらの任意の賦形剤は、好ましくは0〜10重量%の範囲の、好ましくは0〜5重量%の範囲のパーセンテージでコアに含まれる。
好適な態様において、本発明の粒子のコアは、一つ以上の結合剤及び一つ以上の凝集防止剤を含む。
他の好適な態様において、本発明の粒子のコアは、平滑面を有する丸い形状において、0.50〜0.90g/mlのかさ密度の範囲、好ましくは、0.60〜0.80g/mlのかさ密度の範囲を特徴とする。
サフィナミド又はその薬学的に許容される塩のコアは、不活性粒子が結合溶液により積層される従来の積層方法により得られる。
本発明の一態様において、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩のコアは、湿式の積層方法により得られ、該方法は、上記の少なくとも一つの結合剤の存在下で、適切なビヒクル液に溶解又は分散させた有効成分を含む結合溶液により不活性粒子を積層することを想定するものである。
非限定的なビヒクル液としては、水、緩衝化された水溶液、例えばアルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール)及びアプロティック溶媒(例えばアセトン)、及びそれらの混合液などの、製薬工程に適する有機溶媒が挙げられる。
好ましくは、好適なビヒクル液は、水などの水性ビヒクル液、又は水とアルコールもしくはケトン、好ましくはアセトンとの混合液である。
結合溶液に含まれる固形分の質量は、好ましくは15〜30重量%の量であり、そのうち、好ましくは、0.5〜10重量%が結合剤であり、0.5〜2.0重量%が凝集防止剤である。
当業者であれば、様々なビヒクル液において、本発明の目的で行われる積層プロセスにおいて最適なパフォーマンスを確実に得るために必要となる有用な技術的手段を理解するであろう。
ゆえに、例えば、結合溶液のビヒクル液として水を使用するときは、有効成分を完全に溶解させ、維持するために、全積層工程の間、加熱を行い、溶液の温度を27℃以下にしないことが望ましい。
前記手段は、室温で可能な量よりも多くの量の有効成分を、結合溶液中に溶解させることを可能にし、これにより、積層工程に必要とされる時間を顕著に短縮し、収率を向上させ、また結合溶液の調製に必要とされる水の量を減少させることが可能となる。
あるいは、緩衝化された水溶液を使用するときは、好ましくは7.0前後のpHを得るのが適切であり、それにより、有効成分が結合溶液に完全に分散した適切な状態が得られる。
本発明の他の一態様において、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩のコアは、乾式積層法として公知の方法により得られ、この工程では、有効成分は、乾燥粉末の直接的な堆積により不活性粒子に積層され、その際、結合溶液は、上記の適切なビヒクル液に溶解又は分散させた少なくとも一つの結合剤を含む。
前記少なくとも一つの結合剤は、約0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の濃度で存在し、また任意に、前記凝集防止剤は、溶液に対し、約0.2〜2.0重量%の濃度で存在する。
本発明に係るコーティングを前記コア上に形成する味覚マスキングポリマー組成物は、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー又はそれらの混合物を含んでもよい。
本発明に係る適切なポリマーは、pH−依存性水溶性ポリマー、ならびに水溶性及び水不溶性セルロースであり、例えば、塩基性ポリメタクリレートブチレート、エチルセルロース単独又はヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物、及びエチルセルロースの塩基性ポリメタクリレートブチレートの混合物である。
前記味覚マスキングポリマー組成物は、粉体として直接用いてもよく、また水分散液として、又は適切な有機溶剤中の溶液の形態で用いてもよい。
本発明で使用できる幾つかの市販の組成物としては、メタアクリル酸とセルロースとのコポリマーが挙げられ、それらは商標Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)L30D、Eudragit(登録商標)E100、Eudragit(登録商標)EPO(Evonik社)、Kollicoat(登録商標)Smartseal 30D、Kollicoat(登録商標)IR、Kollicoat(登録商標)MAE 30D、Aquacoat(登録商標)ECD、Aquacoat(登録商標)ARC、Aquacoat(登録商標)CPD(FMC社)、Surelease(登録商標)(Colorcon社)、METHOCEL(商標)などとして市販され、またそれらの適切な混合物であってもよい。
本発明の好ましい形態において、コアに適用されるポリマーフィルムは、セルロース系ポリマーの混合物からなり、水に不溶性及び可溶性の場合があり、当業者であれば、後者の場合には放出モジュレーターであることを通常理解する。
さらに好適な本発明の態様において、上記の混合物は、放出モジュレーターとしてエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなり、後者は、好ましくは、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩のコアに適用されるポリマーフィルムの5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%の割合である。
実際的な本発明の態様において、ポリマー混合物は、水に、又は有機溶剤に分散させる。
第1には、水可溶性ポリマーを、水中に完全に可溶化するまで室温で連続的に撹拌して包含させることが想定される。次に、不溶性のポリマーを導入し、プラネタリウムアジテーター、及び存在しうる他の機能性賦形剤の作用下において、それを溶液中に均一に分散させる。サフィナミドメタンスルホン酸塩又はその薬学的に許容される塩のコアのフィルム形成の間、ポリマー懸濁液を定常的に撹拌して維持する。
第2の調製手順では、ビヒクル液として、例えばエタノールやエタノール/水混合液などの有機溶媒が想定され、水溶性及び不溶性ポリマーが、室温にて、連続的に撹拌しながら添加され、必要に応じて、機能性賦形剤を添加しつつ完全に可溶化させる。
前記味覚マスキングポリマー組成物はまた、可塑剤、滑沢剤及び凝集防止剤から選択される、コーティング用の一つ以上の機能性賦形剤を含んでもよい。
好適な本発明の態様において、ポリマーコーティングは、可塑剤の機能を有する賦形剤を含む。
前記賦形剤の導入により、粒子が、損傷を受けることなく錠剤の製造工程の間に部分的に変形することができ、それにより、貴重な味覚マスキング効果が維持される。
可塑剤賦形剤の非限定的な例としては、各種の分子量のポリエチレングリコール(PEG)、トリエチルシトレート(TEC)、セバシン酸ジブチル(DBS)等が挙げられる。
可塑剤は、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩を含む粒子に対して0〜20重量%である。
好適な本発明の態様において、可塑剤は、かかる粒子に対して2〜10重量%の範囲の濃度で存在する。
コーティングフィルムに含まれる可塑剤は、サフィナミドメタンスルホン酸塩の粒子からの有効成分の放出を変化させることができるため、当業者であれば、可塑剤賦形剤のタイプを、コーティングポリマーフィルムの質的及び量的組成と慎重に組み合わせて、有効成分の放出をXadagoの嚥下可能錠剤と同等にしなければならないことを完全に認識するであろう。
前記味覚マスキングポリマーコーティング組成物の含量は、通常、粒子の10〜70重量%の範囲、好ましくは20〜40重量%の範囲である。
本発明の好適な態様において、本発明に係る粒子は、以下の表3に示す質的及び量的組成を有する:
表3:
Figure 2021508316
他の好適な態様において、本発明の粒子は、0.40〜0.80g/mlの範囲のかさ密度、好ましくは0.50〜0.70g/mlの範囲のかさ密度を特徴とする。
本発明の粒子は、以下を含む方法により調製される:
a.不活性粒子上に活性医薬成分を積層してコアを得る工程と、
b.味覚マスキングポリマー組成物により前記コアをコーティングする工程。
本発明に係る前記粒子は、公知の積層及びコーティング方法を用いて調製されるが、特に有効成分であるサフィナミドに対するその適用は、その物理化学的特性のため、当業者のルーチン作業を大きく越えた重要な意義を有することが証明されている。
不活性粒子上に有効成分を積層させてサフィナミド又はその薬学的に許容される塩のコアを得る工程は、流動床コーティング技術に基づく従来法により得られた。大規模な実験的作業のため、発明者は、様々な方法論、例えば、有効成分が結合溶液中に溶解又は分散されるときには湿式の積層法を、又は有効成分が粉末として直接用いられるときには乾式の積層法を、適用することができた。
本発明者らは、前記ポリマー系コーティングを本発明のコアに適用することで、有効成分の味覚マスキングを可能にした。
前記味覚マスキングポリマー組成物は、医薬品製造の分野において用いられる、例えば流動層コーティング、パンコーティング及びスプレーコーティングなどの一般的なコーティング技術により、本発明に係るコアに塗布できる。
コーティングポリマーを塗布するにあたり、本発明者らは、好適な態様として、当業者に周知の流動層技術を採用し、膨大な数の試験を実施した結果として、本発明者らは、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩のコアに対し、上記の質的及び量的組成を有する味覚マスキングポリマーコーティング組成物を適用することにより、その感覚刺激特性の効果的なマスキングが可能となることを明らかにした。
前記有効成分を含むコア上への味覚マスキングポリマーコーティング組成物の適用は、当業者に公知の技術である。
しかしながら、重要なことは、サフィナミドメタンスルホン酸塩の場合、良好な嚥下を提供するための経口投与製剤であっても、すでに市販されている嚥下可能な錠剤と同等の溶解プロファイル、すなわち好適な態様として迅速な溶解プロファイルを有しなければならず、それゆえ、数分間のみ持続し、その結果、薬剤の口腔内での移動の間のみ機能を発揮し、嚥下の直後に崩壊し、それにより、嚥下可能な錠剤と同等の放出プロファイルを示すタイプのコーティング膜を適用することが必要となる。
本発明の一態様において、積層及び味覚マスキングポリマー組成物によるコーティングは、同じ装置において、好ましくは同じ流動床において、行われる。
この場合、第一に、不活性粒子を流動化させ、その後、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩を含む結合溶液の噴霧により積層するか(湿式の積層)、あるいは、流動床を回転させながら、不活性粒子に粉体として直接サフィナミド又はその薬学的に許容される塩を適用し、同時に、上記のような結合溶液を噴霧することにより積層を実施してもよい(乾式の積層)。
このようにして得られたコアは吐出され、任意に、関心の粒度分析フラクションの回収のためにふるいにかけられ、流動床に再度ロードされ、更に味覚マスキングポリマー組成物の噴霧によりコアをコーティングし、続いて乾燥工程に供される。
これらの粒子は、好適な態様として、圧縮することを予定するか予定しない全てのタイプの経口投与剤形への添加に適しており、このタイプの粒子は容易に得ることができ、また偽球面形状、及び優れた流動性を有することを特徴とする。
このタイプの粒子は、圧縮プロセスの間に、それらが変形及び/又は開裂することでコーティング膜の保護による利益が失われない程度の特定の物理的特性を有するのが実際には望ましく、さらに、味覚マスキングポリマー系による効率的な粒子のコーティングを可能にするため、特に平滑な表面、及び球面幾何学的形状を有するコアを形成できる積層技術を用いることも望ましい。
本発明の発明者は、驚くべきことに、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩に対し、高密度なコアを形成しうる本発明に係る技術を適用することにより、この最適なタイプの、加えて、味覚マスキング用ポリマー組成物によるコーティングに求められる好適な形状を有することを特徴とする粒子を得た。
本発明に係る不活性粒子上への積層工程は、有効成分のローディング、所望の粒子サイズ、及び得られる粒子の形状、に関して、その工程収率の向上を可能にするものである。
さらに好適な態様において、本発明に係る粒子のコアは、以下の表4に示す組成を有する:
表4:
Figure 2021508316
本発明の実際的な、非限定的な実施形態において、湿式の積層とは、不活性粒子が適切な装置に、好ましくは流動床に添加され、それとは別に、任意の賦形剤を含む結合溶液が調製され、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩が前記溶液に添加されることが想定される。前記工程では、不活性粒子を流動化し、ノズルを備えた銃を用いてサフィナミドを含む結合溶液をそれらに対して噴霧することが想定され、前記銃は、トップスプレー式又はボトムスプレー式に流動床に配置することができる。有効成分の湿式の積層終了後、得られたコアを吐出し、乾燥させる。
あるいは、有効成分は、結合溶液中へそれを分散させずに、固形状態で(乾式の積層用いることができる。
実際的な、非限定的な実施形態において、前記方法は、ローター構成の流動床装置を使用し、ローター式で流動化された不活性粒子に対し、粉体として、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩を直接添加し、それと並行して結合溶液を噴霧することが想定される。有効成分の乾式の積層の終了後、得られたコアを乾燥させ、吐出する。
技術的観点から、上記の積層手順は、高密度な、規則的な形状を有するコアが確実に形成され、それは特に、次のコーティング及び任意の圧縮のステップに適するものである。
本発明者により記載されるように、不活性粒子への有効成分の積層は、一般的な有効成分を含む微小粒子の製造技術(例えば造粒又はペレット化)に勝るいくつかの利点を提供し、主な利点は、堆積する活性物質、得られる粒子サイズ及び球形状に関する、非常に高い工程収率に関連するものである。
さらに、得られた粒子は特に均一である。その製造工程は前述のそれらより非常に再現性が高く、調製された粒子の品位の高さを確実にする。
本発明者により記載される、不活性粒子上へのサフィナミドメタンスルホン酸塩の積層工程は、味覚マスキングコーティングのためにそれらの表面に適用するポリマーの量の低減を可能にするが、それは、それらの高い球形状及び均一性によるものであり、それにより、コーティング工程の間に発生するポリマーの回避不能な損失を顕著に最小限化することができる。
味覚マスキングポリマーの量を減少させることは、コーティング工程に要する時間及びコストを減少させるが、同時に粒子の重量を減少させることを意味するものであり、粒子を口腔分散性の錠剤に添加するときに、これは特に有益である。薬剤の用量を一定としつつ、錠剤の重量及びサイズを制限することで、患者のコンプライアンスを維持することが可能となる。
また、口腔内で崩壊する(超微細)錠剤の機能性賦形剤のための空間を多く確保することにより、圧縮工程の間、ポリマーフィルムがより良好な保護され、患者の口腔内での味覚マスキング効果の保護も可能となる。
最後に、上記の積層手順は、有効成分サフィナミド又はその薬学的に許容される塩の結晶構造及び安定性の維持において驚くほど有用であることが解った。
実際的な、非限定的な実施形態において、本発明のコアの味覚マスキングポリマーコーティングでは、前記サフィナミドメタンスルホン酸塩のコアが、適切な装置(好ましくは流動床)において空気と共に流動化され、それとは別に、コーティングポリマー(例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び可塑剤賦形剤)を含む水性懸濁液を調製し、トップスプレー又はボトムスプレーとして流動床に配置されうる、ノズルを備えた銃を用いてコア上に噴霧することが想定される。コーティング工程終了後、サフィナミドメタンスルホン酸塩粒子を乾燥させ、吐出させる。
重要なことは、本発明の粒子の上記の特性、すなわち、最適に処方されたコンパクトなコア及び有効な味覚マスキングコーティングが、所望の溶解時の挙動に完全に適合することが示されたことである。
上記の通り、本発明の粒子は次に、例えば口腔内分散性又は水分散性のサシェ剤などの嚥下が容易な製薬剤形において、そのまま用いてもよい。
好ましくは、本発明の粒子は、そのままの形で、又は任意に適切な薬学的に許容される賦形剤の存在と共に、嚥下が容易な剤形(例えば口腔内分散性のサシェ剤)中に添加する。
あるいは、本発明の粒子は、例えば、口腔内で迅速に崩壊する錠剤(ODT)、咀嚼錠、口腔内分散性マイクロタブレット、水分散性発泡錠及び口腔内分散性フィルムなどの、迅速に崩解しつつ嚥下の容易な複合剤形中にしてもよい。
したがって、本発明はさらに、経口投与製剤の調製への、上記の複数の粒子の使用に関する。
本発明の好適な剤形は、口腔内崩壊錠剤である。
本発明に係る口腔内崩壊錠剤という用語は、Ph.Eur.に定義される、嚥下される前に迅速に分散する経口投与用の素錠である口分散性錠剤を意味する。
したがって、本発明の実際的な実施形態では、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩を、乾式法、又は好ましくは湿式法により、少なくとも一つの結合剤溶液と共に積層し、このようにして得られるコアを適切な味覚マスキングポリマー組成物で次にコーティングし、また本発明の粒子を、次に適切な賦形剤と共に混合し、長期保管の後であっても味覚マスキング特性を有する口腔内崩壊錠剤に変換する。
したがって、本発明はさらに、口腔内崩壊錠剤の調製における、上記で得られた味覚マスキングされた粒子の使用に関する。
前記粒子は、圧縮に対する抵抗性及び流動性の特性を良好に有し、経口投与製剤の調製において、直接用いることができ、任意に、それに続く適切な医薬賦形剤との混合に供される。
本発明に係る剤形に含めることができる超微細(extraparticulate)賦形剤は、例えばマンニトール、ラクトース、イソマルト、ソルビトール、キシリトール、デンプン、マルトデキストリンなどの希釈剤又はそれらの組合せ、例えば微結晶性セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、中分子量ポリエチレングリコール、ラクトース、リン酸二カルシウム、アルギン酸、及びそれらの組み合わせなどの結合剤、例えばクロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースなどの崩壊剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウムなどの滑沢剤、である。
好適な本発明の態様において、希釈剤は、マンニトール、イソマルト、キシリトール、デンプン及びそれらの組合せから選択され、結合剤は、微結晶性セルロース、中分子量ポリエチレングリコール及びアルギン酸から選択され、崩壊剤は、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム及びクロスカルメロースから選択され、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム及びポリエチレングリコールから選択される。
好適な本発明の態様において、本発明の口腔内崩壊錠剤は、以下の表5に示す質的及び量的組成を有する:
表5:
Figure 2021508316
表5の組成は、圧縮工程の間に、本発明に係る粒子の健全性に影響を及ぼしうる口腔内崩壊錠剤の質的及び定量的組成に関連する様々な効果を評価するために本発明者により行われた鋭意研究の結果から得られたものである。
前記の研究では、口腔内崩壊錠剤の製造工程の間、粒子の味覚マスキングポリマーフィルムを完全に保つために、もろい、柔軟な、弾性のある挙動を示す超微細粒子賦形剤の適切な組合せを用いることが良好であることを見出している。
主にもろい挙動を示す好適な希釈剤は、例えばマンニトール、イソマルト及びキシリトールであり、主に柔軟な挙動を示すものは、例えばデンプンである。
主に弾性のある挙動を示す好適な結合剤は、例えば中分子量ポリエチレングリコール及びアルギン酸である。
さらに、圧縮中にサフィナミドメタンスルホン酸塩の粒子に損害を与える危険性を回避するため、味覚マスキングポリマーフィルム中に可塑剤賦形剤を存在させることが好ましく、それは好ましくは、粒子に対して少なくとも2重量%の量で、コアに適用される。
本発明の好適な可塑剤は、トリエチルシトレート(TEC)及びポリエチレングリコール(PEG)である。
好適な本発明の態様において、本発明の口腔内崩壊錠剤は、以下の表5−2に示す質的及び定量な組成を有する:
表5−2:
Figure 2021508316
上記のように、Xadago(登録商標)が必要となる特にパーキンソン病などの臨床的症状では、水と共に嚥下される錠剤を、嚥下が容易な他の経口投与製剤に置き換えることが望ましい。
発明者らの知る限りでは、有効成分サフィナミド又はその薬学的に許容される塩の感覚刺激特性に関連する課題が、これまで先行技術において、開示されていないと考える。
本発明は、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩を含む粒子を調製すること、ならびに、優れた官能的性質を有しつつ口腔内において、迅速に崩壊でき、またいわゆる即時放出と呼ばれるのと同等の薬物動態において、消化管内に有効成分を放出できる医薬組成物を処方すること、を可能にする。
当業者は、口腔内分散性の剤形を処方するとき、特に該剤形が好ましくない物理化学的及び/又は官能的性質を有する活性訳成分を添加するとき、多くの困難に直面する。
現在まで、当技術分野において、いかなる有効成分への適用にも適する汎用技術も存在しない。
特に、選択される味覚マスキング技術は、調製プロセスに、主に具体的な製品に関連する多くの基準を満たさなければならず、有効成分の安定性、粒子のサイズ及び形状、構造的及び物理的特性、ならびに味覚マスキングポリマーコーティング系の質的及び量的組成は、製剤化アプローチにおいて、考慮を要し、管理を要する多くの可変要因のほんの一部分である。
本発明に記載されている複数の固体粒子を用いることにより、患者が薬剤を摂取するときに、その所望の溶解プロファイルが変化せずに、サフィナミド又はその薬学的に許容される塩、好ましくはサフィナミドメタンスルホン酸塩の不快な官能プロファイルが十分にマスキングされる、嚥下の容易な経口投与製剤を調製することが可能となる。
したがって、文献にすでに記載されているものと比較し、本発明の組成物が有利であることは明らかである。
この目的に鑑み、本発明の錠剤は公的な薬局方に記載の要件:例えばインビボでの崩解時間が1分未満、を満たす物理的特性を有する。
さらに、本願において、特許請求される錠剤は、現在市販されている即効性錠剤と同等の、インビトロにおける溶解特性を有する。
本発明の粒子及び該粒子を含む口腔内崩壊錠剤の、胃内における即時放出に関する動態特性を、人工胃液又は0.1N塩酸中における剤形の溶解を試験したときの有効成分の放出のパーセンテージを測定することにより評価したところ、約30分間で用量の80%超が放出され、これは良好な結果であると考えられる。
最後に、本発明の粒子及び該粒子を含む口腔内崩壊錠剤の味覚マスキング特性を、pH約6.8の人工唾液中における剤形の溶解を試験したときの有効成分の放出のパーセンテージ解放を測定することにより評価したところ、1分間で用量の放出は10%未満であり、これは良好な結果であると考えられる。
本発明をより明瞭に例示するため、以下に非限定的な実施例を示す。
実施例1:コアの調製:湿式積層
a.流動床(トップスプレー式添加):
連続的に撹拌しながら30℃で水に結合剤賦形剤を添加し、可溶化終了後、サフィナミドメタンスルホン酸塩、次に凝集防止剤賦形剤を添加することにより、結合溶液を調製した。
一方、不活性粒子を流動床(GPCG 1.1;Glatt社製)に置き、約40〜45℃の温度に上昇させながら、50m3/hの流速で流動させた。
前記温度に達したとき、1.0mmの直径のノズルを備えた銃を用いて約10g/分の流速で、サフィナミドメタンスルホン酸塩を含む結合溶液を噴霧した。積層工程終了後、コアを45℃で30分間加熱し、次に室温まで冷却し、吐出させた。
乾燥工程終了後、生成物を吐出させ、篩にかけて200〜450μmの範囲のフラクションを回収した。
上記の手順を用い、以下の組成のコアを調製した。
コア1
サフィナミドメタンスルホン酸塩 68.6%
MCC100 25.0%
PVP K30 4.3%
タルク 2.1%
コア2
サフィナミドメタンスルホン酸塩 70.1%
MCC100 24.0%
α化デンプン RX 1500 3.8%
タルク 2.1%
コア3
サフィナミドメタンスルホン酸塩 69.2%
MCC100 24.0%
PEG 6000 4.5%
タルク 2.3%
b.流動床(ボトムスプレー式添加):
連続的に撹拌しながら30℃で水に結合剤賦形剤を添加し、可溶化終了後、サフィナミドメタンスルホン酸塩、次に凝集防止剤賦形剤を添加することにより、結合溶液を調製した。
一方、不活性粒子を流動床(GPCG 1.1;Glatt社製)に置き、約40〜45℃の温度に上昇させながら、50m3/hの流速で流動させた。
前記温度に達したとき、1.0mmの直径のノズルを備えた銃を用いて約15g/分の流速で、サフィナミドメタンスルホン酸塩を含む結合溶液を噴霧した。積層工程終了後、コアを45℃で30分間加熱し、次に室温まで冷却し、吐出させた。
乾燥工程終了後、生成物を吐出させ、篩にかけて200〜450μmの範囲のフラクションを回収した。
上記の手順を用い、以下の組成のコアを調製した。
コア4
サフィナミドメタンスルホン酸塩 68.7%
MCC100 24.8%
PVP K90 4.3%
タルク 2.2%
コア5
サフィナミドメタンスルホン酸塩 70.9%
MCC100 23.0%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 4.0%
タルク 2.1%
コア6
サフィナミドメタンスルホン酸塩 69.5%
MCC100 24.1%
PEG 6000 4.4%
タルク 2.0%
実施例2:コアの調製:乾式積層:
a.流動床(ローター):
連続的に撹拌しながら室温で水に結合剤賦形剤を添加し、完全に可溶化させることにより、結合溶液を調製した。不活性粒子を流動床(GXR−35ローターインサートを備えたVFC−LAB3、Freund Vactor社製)に置き、350rpmで駆動させ、室温でそれを維持した。サフィナミドメタンスルホン酸塩をK−tron圧気粉体供給システムに投入し、約25g/分の流速で流動床に添加し、同時に、約15g/分の流速で結合溶液を噴霧し、工程終了後、得られたコアを約30分間60℃で乾燥させた。造粒工程終了後、生成物を吐出させ、篩分けを行い、200〜450μmの範囲の粒度のフラクションを回収した。上記の手順を用い、以下の組成のコアを調製した。
コア10
サフィナミドメタンスルホン酸塩 67.2%
MCC100 26.0%
PEG6000 4.8%
タルク 2.0%
コア11
サフィナミドメタンスルホン酸塩 68.0%
MCC100 2.0%
PVP K30 4.3%
タルク2.7%
コア12
サフィナミドメタンスルホン酸塩 67.8%
MCC100 24.9%
デンプン RX1500 5.2%
タルク 2.1%
実施例3:コアのコーティング
a.ポリマーコーティング組成物:pH依存的
実施例1及び2の教示に従い調製したサフィナミドメタンスルホン酸塩のコアを流動層システム(GPCG 1.1)に投入し、Eudragit(登録商標)EPO及び機能性賦形剤の懸濁液によりコーティングした。コーティング工程は、コアの温度を約30〜35℃に維持しつつ、4〜5ml/分の噴霧速度及び2.0barの噴霧圧により行った。堆積工程終了後、粒子を流動床内部で45〜50℃で約30分間乾燥させた。
表6a:Eudragit(登録商標)EPOでコーティングしたコアの組成
Figure 2021508316
b.ポリマーコーティング組成物:セルロース
実施例1及び2の教示に従い調製したサフィナミドメタンスルホン酸塩のコアを流動層システム(GPCG 1.1)に投入し、エチルセルロース/ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Clear/Methocel(登録商標)E5)の懸濁液によりコーティングした。コーティング工程は、造粒物の温度を約44〜48℃に維持しつつ、7〜10ml/分の噴霧速度及び2.0barの噴霧圧により行った。堆積工程終了後、造粒物を流動床内部で45〜50℃で約30分間乾燥させた。
表6b:エチルセルロースでコーティングしたコアの組成
Figure 2021508316
実施例4:
実施例3に記載の手順の後、以下の組成を有する本発明の粒子を調製した。
粒子1
コア1 52.5%
Eudragit(登録商標) EPO 31.5%
ドデシル硫酸ナトリウム 2.5%
ステアリン酸 3.5%
タルク 10.0%
粒子2
コア1 68.40%
Surelease(登録商標)クリア 26.90%
Methocel(登録商標)E5 4.70%
粒子3
コア1 63.90%
Surelease(登録商標)クリア 27.30%
Methocel(登録商標)E5 4.80%
TEC 4.00%
粒子4
コア5 63.70%
Surelease(登録商標)クリア 22.50%
Methocel(登録商標)E5 9.70%
TEC 4.10%
粒子5
コア11 66.20%
Surelease(登録商標)クリア 25.10%
Methocel(登録商標)E5 4.40%
PEG 6000 4.30%
粒子6
コア1 80.00%
Surelease(登録商標)クリア 12.40%
Methocel(登録商標)E5 5.30%
TEC 2.30%
粒子7
コア11 80.10%
Surelease(登録商標)クリア 15.00%
Methocel(登録商標)E5 2.70%
TEC 2.20%
粒子8
コア4 81.60%
Surelease(登録商標)クリア 15.60%
Methocel(登録商標)E5 2.80%
実施例5:本発明による複数の粒子を含む口腔内崩壊錠(ODT)の調製
実施例3〜4の教示に従い調製したサフィナミドメタンスルホン酸塩及び適切なさらなる粒状賦形剤を含む粒子を回転体ミキサー(Cyclops Lab、IMA社)で20分間混合し、次に、滑沢剤はミキサーのコンテナに投入し、得られた混合物を更に3分間混合した。次に前記混合物を自動回転打錠機EA8(Ronchi社)投入し、直径11mmの両凸の丸型の錠剤を得た。圧縮力を10kN、及び回転速度は45rpmで設定した。
表7:サフィナミドメタンスルホン酸塩を含むODTの組成
Figure 2021508316
実施例6:
実施例5に記載の手順の後、以下の組成を有する口腔内崩壊錠剤を調製した。
錠剤1
粒子2 57.60%
マンニトール 21.80%
デンプン 4.40%
PEG 6000 3.70%
クロスポビドン 10.00%
ステアリン酸マグネシウム 2.50%
錠剤2
粒子3 56.00%
マンニトール 23.50%
デンプン 4.80%
PEG 6000 3.20%
クロスポビドン 10.00%
ステアリン酸マグネシウム 2.50%
錠剤3
粒子5 58.60%
マンニトール 20.00%
デンプン 4.30%
PEG 6000 3.80%
クロスポビドン 10.00%
ステアリン酸マグネシウム 2.50%
錠剤4
粒子8 53.80%
マンニトール 25.10%
デンプン 5.10%
PEG 6000 4.00%
クロスポビドン 9.60%
ステアリン酸マグネシウム 2.40%
実施例7:本発明による複数の粒子を含む口腔内分散性粉末の調製
実施例3及び4に記載の手順に従い調製した粒子を用いてサシェに充填し、サフィナミドメタンスルホン酸塩の口腔内可溶性の経口投与製剤を得た。粉体を、回転体ミキサーCyclops Lab(IMA)に充填し、適切な超微細賦形剤と共に15分間混合し、次に正味重量1.0gずつ粉体をサシェに分注した。
表8:サフィナミドの粒子を含む口腔内分散性粉体の組成
Figure 2021508316
実施例8:
実施例7に記載の手順の後、以下の組成物を有するサシェを調製した。
口腔内分散性紛体1
粒子1 36.6%
マンニトール 38.0%
炭酸カルシウム 25.4%
口腔内分散性紛体2
粒子4 29.2%
マンニトール 42.5%
炭酸カルシウム 28.3%
口腔内分散性紛体3
粒子5 29.3%
マンニトール 42.4%
炭酸カルシウム 28.3%
実施例9:有効成分サフィナミドの官能評価
活性医薬成分であるサフィナミドメタンスルホン酸の不快な味覚及び刺激感を評価するため、100mgのサフィナミド塩基と当量の、サフィナミドメタンスルホン酸を用いたインビボ試験を実施した。
官能評価では、2人の被験者を対象とし、薬剤の塊を嚥下せずに口腔内に前記の量を保持させた。
両被験者共に、即時の苦味を感じ、また数秒後に極度の苦味及び非常に強い刺激を知覚する官能プロフィルを知覚する結果となった。
試験終了後、参加者には多くの飲料水で口をすすがせたが、5分後においても、彼らの舌及び口蓋は未だ痛みを催していた。
官能評価において、有効成分の好ましくない感覚刺激特性を確認することとした。
実施例10:サフィナミドの粒子を含む口腔内崩壊錠剤の官能評価:
活性医薬成分(サフィナミドメタンスルホン酸塩)の味覚マスキングを評価するため、実施例6に記載される教示に従い調製した口腔内崩壊錠剤を用いた試験をインビボで実施した。
官能評価では、5人の被験者に、1分以内で、何らかの味覚を知覚するまで錠剤を口内に入れて保持させ、知覚した感覚を以下の基準にて報告させた。
1=不快な味覚も刺激感もない
2=苦みのノート及び若干の知覚可能な刺激あり
3=苦み及び明らかに知覚可能な刺激あり
4=苦み及び非常に強い刺激あり
5=極度の苦み及び耐え難い刺激あり
錠剤を1分間口腔内に保持させた後、試験参加者に多量の飲料水で口をすすがせ、錠剤に由来する塊の嚥下を控えさせた。
被験者が他の被験者の存在により影響されない環境において、各評価セッションを実施した。
本発明に係るサフィナミドメタンスルホン酸塩の粒子を含む口腔内崩壊錠剤の評価に係る試験結果を表9に示す。
表9:サフィナミドを含むODT錠剤の官能評価:
Figure 2021508316
感覚評価試験では、有効成分の好ましくない感覚刺激特性が効果的にマスキングされ、また口腔内崩壊錠剤の形態での活性医薬成分の投与が可能であることが確認された。
実施例11:サフィナミドメタンスルホン酸塩の粒子を含む口腔内分散性粉末の官能評価:
活性医薬成分(サフィナミドメタンスルホン酸塩)の味覚マスキングを評価するため、実施例8に記載の教示に従い調製した口腔内分散性粉末を用いた試験をインビボで実施した。
官能評価では、5人の被験者に、1グラムの口腔内分散粉体を口腔内に入れさせ、20秒間(嚥下できる半流動塊の形成に必要とされる時間)保持させ、知覚した感覚を以下の基準にて報告させた。
1=不快な味覚も刺激感もない
2=苦みのノート及び若干の知覚可能な刺激あり
3=苦み及び明らかに知覚可能な刺激あり
4=苦み及び非常に強い刺激あり
5=極度の苦み及び耐え難い刺激あり
粉末を20秒間口腔内に保持させた後、試験参加者に多量の飲料水で口をすすがせ、粉末に由来する塊の嚥下を控えさせた。
被験者が他の被験者の存在により影響されない環境において、各評価セッションを実施した。
本発明に係るサフィナミドメタンスルホン酸塩の粒子を含む口腔内分散性粉末の評価に係る試験結果を表10に示す。
表10:サフィナミドを含有する口腔内分散粉体の官能評価
Figure 2021508316
感覚評価試験では、有効成分の好ましくない感覚刺激特性が効果的にマスキングされ、また口腔内分散性粉末の形態での活性医薬成分の投与が可能であることが確認された。
実施例12:比較試験:中国特許出願第104546747号の実施例5〜6の口腔内崩壊錠剤の官能評価
引用文献の中国特許出願公開第104546747号の実施例5及び6の教示に従い調製した口腔内崩壊錠剤を用いて比較試験をインビボで実施した。
官能評価は、本発明の上記実施例10の記載に従い実施した。
比較試験の結果を下記の表11及び12に示す。
表11:CN'747の実施例5に係る、サフィナミドを含む口腔内崩壊錠剤の官能評価
Figure 2021508316
表12:CN'747の実施例6に係る、サフィナミドを含む口腔内崩壊錠剤の官能評価
Figure 2021508316
比較試験では、有効成分(サフィナミドメタンスルホン酸)の好ましくない感覚刺激特性の存在、また前記悪い感覚ノートが引用文献の口腔内分散組成物により全くマスキングされなかったという事実が確認された。
実施例13:比較試験:中国特許出願公開第104546747号の実施例5の口腔内崩壊錠剤の味覚マスキングのインビトロ評価:
引用文献の中国特許出願第104546747の実施例5の教示に従い調製した口腔内崩壊錠剤の味覚マスキング特性を、pH約6.8の人工唾液における前記剤形の溶解性を試験した際の有効成分の放出(%)を測定することにより評価した。該試験では、服用後1分以内の10%以下の放出を良好であると考えるものである。
溶解性試験の結果を下記の表13に示すが、その際、本発明の実施例6に記載の教示に従い調製した口腔内崩壊錠剤のサフィナミドの放出(%)との比較を行った。
表13:サフィナミドメシル酸塩を含む口腔内崩壊錠剤の分解
Figure 2021508316
上記の比較試験では、有効成分であるサフィナミド又はその薬学的に許容される塩に関連する好ましくない感覚刺激特性の課題が、従来技術により認識もされず、また対処もされなかったことが確認され、また前記比較試験は、有効なサフィナミド又はその薬学的に許容される塩の味覚マスキングが存在しない場合、従来技術の口腔内崩壊錠剤が、結果として、剤形が許容可能でなくなるのと併せて患者による有効成分の味覚の完全な知覚をもたらし、患者による治療の拒否、またその結果、臨床的パターンの悪化をもたらすことの証拠を提供するものであった。

Claims (15)

  1. a.サフィナミド又はその薬学的に許容される塩を含むコア
    b.前記コアの上にコーティングされた味覚マスキングポリマー組成物
    を各々含み、
    前記コアが、結合剤の存在下で前記サフィナミド又はその薬学的に許容される塩により積層された不活性粒子を含む、複数の粒子。
  2. 前記粒子が500μm以下の粒子サイズを有する、請求項1に記載の複数の粒子。
  3. 前記コアがサフィナミドメタンスルホン酸塩を含む、請求項1又は2に記載の複数の粒子。
  4. 前記結合剤が、ポビドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、微結晶性セルロース及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の複数の粒子。
  5. 前記不活性粒子が微結晶性セルロースの粒子である、請求項1に記載の複数の粒子。
  6. 前記味覚マスキングポリマー組成物が、10〜70%の量で存在する、請求項1に記載の複数の粒子。
  7. 前記味覚マスキングポリマー組成物が、20〜40%の量で存在する、請求項6に記載の複数の粒子。
  8. 前記味覚マスキングポリマー組成物が、不溶性及び水溶性のセルロース系ポリマーの混合物を含む、請求項1に記載の複数の粒子。
  9. 前記味覚マスキングポリマー組成物が可塑剤を含む、請求項1に記載の複数の粒子。
  10. 前記可塑剤が少なくとも2%の量で存在する、請求項9に記載の複数の粒子。
  11. a.医薬有効成分を不活性粒子に積層させてコアを形成することと、
    b.味覚マスキングポリマー組成物により前記コアをコーティングすることと、
    を含む、請求項1に記載の複数の粒子の調製方法。
  12. 結合剤の存在下で、水性ビヒクル中に前記医薬有効成分を溶解させるか、又は分散させることを更に含む、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1に記載の複数の粒子を含む、口腔内崩壊錠剤。
  14. 表5に示す質的及び量的組成を有する、請求項13に記載の口腔内崩壊錠剤:
    (表5)
    Figure 2021508316
  15. 経口投与製剤の調製における、請求項1に記載の複数の粒子の使用。
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