以下、本発明の実施形態について、図1〜図17を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態の説明において記す前後左右とは、遊技者から見た、つまり遊技機に向かって見た方向を指すものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機(パチンコ機)の遊技盤1の正面側斜視図である。
図1に示すように、遊技盤1は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体2の表面に、区画部材としてのガイドレール10等を設けることで略円形状の遊技領域11を区画形成している。
遊技機は、遊技者の操作に基づいて発射装置(図示省略)から遊技球を発射させ、遊技領域11内に流下させることにより遊技を行うものである。遊技者は、遊技盤1を覆うカバーガラス(図示省略)を通じて遊技領域11を視認することができる。
遊技領域11には、開口窓部21aを有するセンターケース(包囲枠体)21が配設される。センターケース21の後方には、複数の識別情報を変動表示する表示装置22が、その表示部22aがセンターケース21の開口窓部21aに臨む状態で配設される。
遊技盤1にはセンターケース21の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース21は、その開口に遊技盤1の前方から嵌装される。また、センターケース21の開口窓部21aは、開口窓部21aから臨む表示装置22の表示部22aが遊技領域11のほぼ中央に配置されるように形成されている。
表示装置22では、図15に示すように表示部22aに複数の変動表示領域1501〜1503(例えば、左側、中央、右側の3つの変動表示領域等)を設定して各表示領域の各々で独立して画像表示がなされる。本実施の形態では、例えば、任意の画像を表示可能な液晶表示器等で表示画面部分が構成され、この表示画面上の各変動表示領域には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。
遊技領域11におけるセンターケース21の下方でかつ遊技領域11の略中央には、普通変動入賞装置(可動部材)23を有するチューリップタイプの下側始動入賞口(第2始動入賞口)24が配設される。この下側始動入賞口24の下方には、表示装置22の作動結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れやすい状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)25が配設される。また、遊技領域11におけるセンターケース21の左側方には、普図変動表示ゲーム(第2補助遊技)を実行する契機となる普通図柄始動ゲート26が配設される。
また、下側始動入賞口24の上方には上側始動入賞口(第1始動入賞口)29が配設される。上側始動入賞口29は、下側始動入賞口24の入口を覆うように配設される。
普通変動入賞装置23は、下側始動入賞口24の入口を拡縮するように、左右方向に開閉可能な一対の羽根部材であり、通常時には下側始動入賞口24に遊技球が入賞しない状態、若しくは、入賞しにくい(遊技者に不利な状態)である閉状態であり、普図変動表示ゲームの結果態様が特別の結果態様になった場合に下側始動入賞口24に遊技球がしやすい状態(遊技者に有利な状態)である開状態に変換される。
上側始動入賞口29は、閉状態となった普通変動入賞装置23からわずか上方の位置に配設されるので、普通変動入賞装置23が閉状態となっているときには、下側始動入賞口24に遊技球が入賞しない、若しくは入賞する確率は非常に少ない。一方、普通変動入賞装置23が開状態となっているときには、図12に示すように、開状態となった普通変動入賞装置23は上側始動入賞口29の左右方向から突出するので、普通変動入賞装置23が開状態となっている場合の下側始動入賞口24に入賞する確率は、普通変動入賞装置23が閉状態となっている場合の下側始動入賞口24に入賞する確率よりも大きくなる。
センターケース21の左側部及び右側部には、遊技領域11を流下する遊技球をステージ50の中央部に向かって排出することによって、遊技球をステージ50に案内する第1ワープ装置(第1誘導路)70が配設される。
第1ワープ装置70は、遊技領域11を流下する遊技球を第1ワープ装置70内に導入する第1導入口(第1球導入部)71、第1導入口71から第1ワープ装置70内に導入された遊技球をステージ50へ排出する第1導出口(第1球導出部)73、及び、第1導入口71と第1導出口73とを連通する第1ワープ流路72と、を有する。
なお、第1導入口71が第1ワープ流路72の上流端であり、第1導出口73が第1ワープ流路72の下流端である。
また、センターケース21の上側には、遊技領域11を流下する遊技球を開状態となった普通変動入賞装置23の上方に流下させる第2ワープ装置(第2誘導路)60に導入する第2導入口(第2球導入部)61が配設される。
第2ワープ装置60は、第2導入口61、第2導入口61から第2ワープ装置60内に導入された遊技球を開状態となった普通変動入賞装置23の上方に流下させ、下側始動入賞口24に入賞させる第2導出口63A、63B(総称して、第2導出口63という)、及び、第2導入口61と第2導出口63とを連通し、センターケース21の内側を沿うように配設される第2ワープ流路62(図4及び図5参照)と、を有する。
なお、第2導入口61が第2ワープ流路62の上流端であり、第2導出口63が第2ワープ流路62の下流端である。
遊技盤1の右下部分には、特図変動表示ゲーム(第1補助遊技)の特別図柄を変動表示させる特図変動表示器321A、特図始動記憶数を表示する特図始動記憶表示器321B、普図変動表示ゲームの普通図柄を変動表示させる普図変動表示器322A、及び普図始動記憶数を表示する普図始動記憶表示器322Bが配設される。
遊技領域11における下側始動入賞口24の左右両側方には、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口27が配設される。
遊技領域11には、この他に、遊技球の落下方向を変える風車(図示省略)や釘(図示省略)等の方向変換部材、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口30、及び発光により各種の装飾表示を行う装飾用基板12(図2及び図4参照)が配設される。
発射装置によって打ち出された遊技球は、ガイドレール10の左側部側に区画され遊技球を案内する発射球案内通路31から遊技領域11に発射され、遊技領域11内の各所に配置された方向変換部材によって落下方向を変えながら遊技領域11を流下し、普通図柄始動ゲート26、上側始動入賞口29、下側始動入賞口24、一般入賞口27、又は特別変動入賞装置25に入賞するか、遊技領域11の最下部に設けられたアウト口30から排出される。
一般入賞口27及び特別変動入賞装置25に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置(図示省略)から排出される。
上側始動入賞口29又は下側始動入賞口24(以下、始動入賞口)に遊技球が入賞すると、表示装置22では、前述した数字等で構成される識別情報が順に変動表示する特図変動表示ゲーム(第1補助遊技)が開始され、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。
始動入賞口への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされたときには大当り状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置25は、大入賞口ソレノイド(SOL)25B(図2参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、大入賞口が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者には、多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
なお、大当たり状態の終了後に、大当たりになる確率を高くする確変状態、又は、特図変動表示ゲームの実行時間を通常状態よりも短縮する(加えて、下側始動入賞口24に設けた可動部材の開状態となる時間が長くなる場合もある)時短状態が発生する場合がある。
確変状態又は時短状態が発生する確率は、上側始動入賞口29に入賞した場合よりも下側始動入賞口24に入賞した場合の方が高く設定されている。
また、普通図柄始動ゲート26を遊技球が通過すると、上限数の範囲内で普図始動記憶が記憶され、普図変動表示器322Aで普図変動表示ゲームが開始される。普通図柄始動ゲート26への遊技球の通過が所定のタイミングでなされたときには普通図柄に関する当り状態となり、普図変動表示器322Aに表示される普通図柄が当り状態で停止する。このとき、下側始動入賞口24に設けられた普通変動入賞装置23は、普通電動役物ソレノイド(普電SOL)23A(図2参照)への通電によって、下側始動入賞口24への入口が所定の時間だけ拡開するように変換され、下側始動入賞口24への遊技球の入賞可能性が高められる。
次に、遊技機の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態の遊技機のブロック図である。
遊技機は、遊技機で行われる遊技を統括的に制御し、表示装置22等で各種演出を制御する制御装置500、及び、遊技球を払い出すために図示しない払出モータを制御する払出制御装置580を備える。
図2では、制御装置500について説明する。
制御装置500は、マイクロプロセッサ502、ROM503、RAM504、入力I/F(Interface)505、出力I/F(Interface)506、及び外部通信端子507を備える。
マイクロプロセッサ502は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM503は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM504は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
外部通信端子507は、制御装置500の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に制御装置500を接続する。
マイクロプロセッサ502は、入力I/F505を介して各種入力装置(上側始動入賞口SW29A、下側始動入賞口SW24A、一般入賞口SW27A〜27N、普通図柄始動ゲートSW26A、カウントSW25A、枠開放SW18A、演出ボタンSW33A、及び通過SW61A)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
上側始動入賞口SW29Aは、上側始動入賞口29に入賞した遊技球を検出し、下側始動入賞口SW24Aは、下側始動入賞口24に入賞した遊技球を検出し、一般入賞口SW27A〜27Nは、一般入賞口27に入賞した遊技球を検出し、普通図柄始動ゲートSW26Aは、普通図柄始動ゲート26を通過した遊技球(つまり、普通図柄始動ゲート26に入賞した遊技球)を検出し、カウントSW25Aは、大入賞口に入賞した遊技球を検出する。
枠開放SW18Aは、遊技盤1を覆うカバーガラスを備えるガラス枠(図示省略)が開放されたことを検出するスイッチである。
演出ボタンSW33Aは、変動表示ゲームにおいて遊技者が演出などを選択するための演出ボタン(不図示)が操作されたことを検出する。なお、演出ボタンは、遊技者が操作可能な位置に配設される。通過SW61Aは、第2導入口61を通過した遊技球を検出する。
また、マイクロプロセッサ502は、出力I/F506を介して、特図表示器321(特図変動表示器321A及び特図始動記憶表示器321B)、普図表示器322(普図変動表示器322A及び普図始動記憶表示器322B)、普電SOL23A、大入賞口SOL25B、LED基板13、払出制御装置580、表示装置22、装飾用基板12、及びスピーカ28に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
普電SOL23Aは、下側始動入賞口24の入口を所定時間拡開するように普通変動入賞装置23を動作させる。
大入賞口SOL25Bは、特別変動入賞装置25の大入賞口が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)にする。
LED基板13は、ステージ50を下方から照射可能なLEDが配置された基板である。
装飾用基板12は、センターケース21等に配設されるLED等を点滅させ、遊技機を装飾する。
また、制御装置500は、遊技機データ(例えば、変動表示ゲームの実行を示すスタート信号、及び大当たり状態が発生したことを示す特賞信号等)を、外部端子板508を介して、遊技機に接続される情報収集端末装置に出力する。
次に、図3〜図5を用いてセンターケース21を説明する。
図3は、本発明の実施形態のセンターケース21の斜視図である。図4は、本発明の実施形態のセンターケース21の分解斜視図である。図5は、本発明の実施形態のセンターケースの背面斜視図である。
センターケース21は、前述したように遊技領域11のほぼ中央に配在されるものである。具体的には、遊技盤1にはセンターケース21の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース21は、その開口に遊技盤1の前方から嵌装される。また、センターケース21の開口窓部21aは、開口窓部21aから臨む表示装置22の表示部22aが遊技領域11のほぼ中央に配置されるように形成されている。センターケース21は、合成樹脂にて形成される。
センターケース21は、遊技盤1に形成された開口に嵌装される嵌装部80aと、嵌装部80aに対して鍔状に形成された鍔部80bとからなる本体ベース80を備え、鍔部80bを介して遊技盤1に固定される。つまり、鍔部80bよりも前方側が遊技領域11内に配設されることになる。このように、遊技盤1には、前面体35の開口部を入口とする凹室40が形成される。
本体ベース80の鍔部80bの前面には、前方に立設し、遊技領域11を流下する遊技球の凹室40内への流入を防止するガイド81が形成される。したがって、センターケース21の内側は通常は遊技球が流下しないようになっている。
ガイド81は、円弧状に形成された上部ガイド81aと、上部ガイド81aの左端部から円弧状に延びる傾斜した左側部ガイド81bと、上部ガイド81aの右端部から円弧状に延びる右側部ガイド81dとからなる。
図1に示す発射球案内通路31から遊技領域11内に発射された遊技球は、ガイドレール10とガイド81との間の領域を流下する。発射装置から発射された遊技球のうち、勢いの強い遊技球は右側の遊技領域11を流下し、勢いの弱い遊技球は左側の遊技領域11を流下する。
センターケース21の内側底部、つまり凹室40の底部には、遊技球が転動可能なステージ50が配設される。
センターケース21の左側部及び右側部には、遊技領域11を流下する遊技球をセンターケース21の凹室40内(ステージ50)に導くための第1ワープ装置70が配設される。
第1ワープ装置70の第1導入口71は、左側部ガイド81b及び右側部ガイド81dに沿って、遊技領域11に向かって開口している。なお、第1導入口71によって、第1ワープ装置70内に導入された遊技球は、第1ワープ流路72を流下して、第1ステージ51の上方に臨む第1導出口73から、第1ステージ51に排出される。
次に、ステージ50について説明する。
ステージ50は、センターケース21の内側底部に左右方向に延設され、かつ中央部が上側始動入賞口29及び下側始動入賞口24の直上方となるように配設される。ステージ50は、左右両端部及び中央部が高く全体として波型状に形成される。ステージ50は有色透明な合成樹脂にて形成される。
ステージ50は、遊技球が転動可能に左右方向に延設され、センターケース21の内底部の奥側に配設される第1ステージ51と、遊技球が転動可能に左右方向に延設され、第1ステージ51よりも手前側であって、下方に配設され、遊技領域11に臨む第2ステージ52と、を有する。このように、第1ステージ51及び第2ステージ52は、左右方向に平行に配設される。
上側始動入賞口29の鉛直上方向の第2ステージ52の壁部には、上側始動入賞口29に遊技球を流下させる流出口524が形成されている。また、普通変動入賞装置23が開状態に変換されている場合に左側の普通変動入賞装置23の上方に遊技球を流下させる第2導出口63Aが流出口524の左側に形成され、普通変動入賞装置23が開状態に変換されている場合に右側の普通変動入賞装置23の上方に遊技球を流下させる第2導出口63Bが流出口524の右側に形成されている。
第1ステージ51の遊技球が転動可能な第1転動面510の中央部は隆起して形成される。そして、その隆起した部分の前方には、遊技球を受け入れる流入口511が形成され、流入口511の後方には流入口511へ遊技球を導く流入口誘導部512が形成されている。流入口誘導部512は、前方に向かって下り傾斜し、かつ前方に向かって幅が広く形成されている。また、流入口511に受け入れられた遊技球は、流出口524へ遊技球を案内する球案内流路53(図9参照)を通過して、流出口524から流下する。
第1転動面510の中央部は隆起して形成されるため、第1転動面510の中央部の左右側は窪んで形成され、その窪んだ部分には、前方に遊技球を誘導する第1側方誘導部513が形成される。第1側方誘導部513は、前方に向かって下り傾斜し、かつ前方に向かって幅が広く形成される。
第1転動面510を転動する遊技球は、流入口511に流入するか、第1転動面510の下り傾斜によって第2ステージ52の第2転動面520へ流下し、第2転動面を転動する。
第2転動面520の中央部は隆起して形成される。そして、その隆起した部分の前方であって、かつ、上側始動入賞口29の鉛直上方向に対応する位置には、第2転動面520の下方の遊技領域11へ遊技球を排出する中央誘導部521が形成されている。中央誘導部521は、前方に向かって下り傾斜し、かつ前方に向かって幅が広く形成されている。
また、第2転動面520の中央誘導部521の左側には第2誘導路60の内部に遊技球を導く第2誘導路誘導口522A、及び第2転動面520の中央誘導部521の右側には第2誘導路60の内部に遊技球を導く第2誘導路誘導口522Bが形成されている。
第2転動面520の中央部は隆起して形成されるため、第2転動面520の中央部の左右側は窪んで形成され、その窪んだ部分には、前方に遊技球を誘導する第2側方誘導部523が形成される。第2側方誘導部523は、前方に向かって下り傾斜し、かつ前方に向かって幅が広く形成される。
ステージ50をこのように構成することによって、第1導出口73から排出された遊技球は第1転動面510を転動する。ここで、第1転動面510を転動する遊技球の勢いが弱ければ、中央の隆起を上ることができずに、左右の窪みから第2転動面520へ流下する。
また、第1転動面510を転動する遊技球の勢いが強ければ、中央の隆起を上り、流入口誘導部512によって流入口511へ案内され、流出口524から上側始動入賞口29の上方へ排出される。
一方、遊技球が第2転動面520の左右の窪み付近に第1転動面510から流下した場合には、左右の窪みから遊技領域11へ排出される。また、遊技球が第2転動面520の中央の隆起付近に第1転動面510から流下した場合には、中央誘導部521から上側始動入賞口29の上方へ向かって排出されるか、第2誘導路誘導口522A、522B(総称して、第2誘導路誘導口522)から第2導出口63に導かれ、第2導出口63から遊技領域11に排出されるか、左右の窪みまで流下して、左右の窪みから遊技領域11へ排出される。
なお、中央誘導部521から上側始動入賞口29までの距離は、流出口524から上側始動入賞口29までの距離よりも長いので、中央誘導部521から排出された遊技球が上側始動入賞口29に入賞する確率は、流出口524から排出された遊技球が上側始動入賞口29に入賞する確率よりも低い。
次に、図4及び図5を用いて、第2ワープ装置(第2誘導路)60を説明する。
第2ワープ装置60の第2ワープ流路62は、図5に示すように、リング状のセンターケース21の周囲を一周するようなリング状の形状に形成され、センターケース21の凹室40に収装される。
第2ワープ流路62は、上部流路621と下部流路622とに分けられ、下部流路622は、図5に示すように、第1ステージ51の裏面側に形成される。
上部流路621は、円弧状に形成された上部流路621aと、上部流路621aの図4に示す右側の右端部から円弧状に延びる上部右側流路621bと、上部流路621aの図4に示す左側の左端部から円弧状に延びる上部左側流路621cと、上部右側流路621bの下方から直線上に延びる右側部流路621dと、上部左側流路621cの下方から直線上に延びる左側部流路621eと、からなる。
なお、上部右側流路621b及び上部左側流路621cの前方には、装飾用基板12が配設される。
下部流路622は、図5に示すように、右側部流路621dと連通する下部右側流路622bと、左側部流路621e(図4参照)と連通する下部左側流路622aと、からなる。
下部左側流路622aを流下する遊技球は、図11に示すように、方向変換部6221aに当接することによって、遊技機の前方に向かうように方向変換されて、第2導出口63Aから排出される。
また、下部右側流路622bを流下する遊技球は、図11に示すように、方向変換部6221bに当接することによって、遊技機の前方に向かうように方向変換されて、第2導出口63Bから排出される。
図5に示すように、下部右側流路622bの上面が第1転動面510の右側の窪みを形成し、下部左側流路622aの上面が第1転動面510の左側の窪みを形成している。このように、第1転動面510の少なくとも一部が下部流路622の上面によって形成されるので、部品点数を削減でき、製造コストを削減できる。
図5に示すように、ガイド81の頂部には第2導入口61が設けられ、第2導入口61を上部流路621aに導くための第2導入口案内流路611が設けられる。第2導入口案内流路611は、図5に示す手前側(遊技機の後方)に向かって下り傾斜する。
この第2導入口案内流路611は、第2導入口61から図5に示す手前側(遊技機の後方)に向かって延出するガイド側第2導入口案内流路611aと、上部流路621aの上面の頂部から図5に示す後方(遊技機の前方)に向かって延出する第2ワープ流路側第2導入口案内流路611bと、からなる。
図5に示すように、第2ワープ流路側第2導入口案内流路611bの下方には、通過SW収納部6211aが形成され、この通過SW収納部6211aに通過SW61Aが収納される。このため、通過SW61Aは、第2導入口案内流路611を流下し、上部流路621aに受け入れられる遊技球を検出することになる。
また、図5に示すように、上部流路621aの底面の第2導入口案内流路611から遊技球が流下する位置(上部流路621の底面の頂部)には、突出部64が形成されている。このため、第2導入口案内流路611から流下した遊技球が左側の第2ワープ流路62、又は右側の第2ワープ流路62に振り分けられやすくなり、第2導入口案内流路611から流下した遊技球が通過SW61A付近で球詰まりしてしまうことを防止できる。
第1ワープ装置70の第1ワープ流路72は、図4に示すように、後方に向かって下り傾斜して延出する後方延出部721、及び、後方延出部721の下流端から下方に向かって延出する下方延出部722を有する。
図5に示すように、下方延出部722が右側部流路621d及び左側部流路621eの内側に位置し、後方延出部721が右側部流路621d及び左側部流路621eの前方に位置するように、第1ワープ装置70が第2ワープ流路62に取り付けられる。
そして、第1ワープ装置70の第1導入口71がガイド81の左側部ガイド81b及び右側部ガイド81cの下端に位置するように、ガイド81が第1ワープ装置70に取り付けられる。
図4に示すように、第1ステージ51の前面には、下部左側流路622aを第2ステージ52の第2導出口63Aに連通させるための左側連通口631A、及び下部右側流路622bを第2導出口63Bに連通させるための右側連通口631Bが形成されている。
また、左側連通口631Aと右側連通口631Bとの間には、第1ステージ51の流入口511に受け入れられた遊技球を第2ステージ52の前面に形成された流出口524に導く球案内流路53を連通させるための中央連通口531が形成される。具体的には、中央連通口531は、第1ステージ51に形成される球案内流路53A(図9参照)と第2ステージ52に形成される球案内流路53Bとを連通する。
なお、図1及び図4に示すように、センターケース21の開口窓部21aの上方には、飾り34が取り付けられる。
次に、遊技領域11に配設される障害釘について図6〜図8を用いて説明する。
図6は、本発明の実施形態の第2導入口61付近の第2導入口障害釘群600の配設位置の説明図である。
第2導入口61の鉛直上方向の遊技領域11には、障害釘がハの字状に配設され、第2導入口障害釘群600を形成している。
第2導入口障害釘群600の左側の障害釘群は第2導入口左側障害釘群600Aといい、第2導入口障害釘群600の右側の障害釘群は第2導入口右側障害釘群600Bという。
第2導入口左側障害釘群600Aの最も上側に位置する障害釘は、第2導入口61の開口を区画形成する上部ガイド81aの左側の壁部611cの鉛直上方に位置するように遊技領域11に配設される。
また、第2導入口右側障害釘群600Bの最も上側に位置する障害釘は、第2導入口61の開口を区画形成する上部ガイド81aの壁部611dの鉛直上方に位置するように遊技領域11に配設される。
第2導入口61の開口は、遊技球一個が通過可能なように、遊技球の直径よりわずかに大きく区画形成されるので、第2導入口左側障害釘群600Aの最も上側に位置する障害釘と第2導入口右側障害釘群600Bの最も上側に位置する障害釘とは、遊技球の直径よりわずかに離間している。
また、第2導入口左側障害釘群600Aは、最も上側に位置する障害釘から左側に向かって下り傾斜するように障害釘が配設されており、第2導入口右側障害釘群600Bは、最も上側に位置する障害釘から右側に向かって下り傾斜するように障害釘が配設されている。
このため、遊技者は、第2導入口左側障害釘群600Aの最も上側に位置する障害釘と第2導入口右側障害釘群600Bの最も上側に位置する障害釘との間を狙って、発射ハンドルを操作して遊技球を遊技領域11へ発射しなければ、第2導入口61に遊技球が導入されにくくなっている。
また、第2導入口左側障害釘群600Aの最も上側に位置する障害釘及び第2導入口右側障害釘群600Bの最も上側に位置する障害釘の少なくとも一方を左右方向に調整して(つまり、これらの障害釘の遊技領域11に対する角度を左右方向に調整して)、第2導入口左側障害釘群600Aの最も上側に位置する障害釘と第2導入口右側障害釘群600Bの最も上側に位置する障害釘との間の距離を拡縮することによって、第2導入口61への遊技球の導入確率を変化させることができる。
図7は、本発明の実施形態の第1導入口71付近の第1導入口障害釘700の配設位置の説明図である。
第1導入口71の左側方の遊技領域11には、第1導入口障害釘700(700A,700B)が配設される。第1導入口障害釘700は、上側に位置する第1導入口上側障害釘700Aと、下側に位置する第1導入口下側障害釘700Bとからなる。
具体的には、第1導入口71の開口の上側部分を区画形成する上側壁部71Aの真横に第1導入口上側障害釘700Aが配設され、第1導入口71の開口の下側壁部71Bの真横に第1導入口下側障害釘700Bが配設される。
第1導入口71の開口は、遊技球一個が通過可能なように、遊技球の直径よりわずかに大きく区画形成されるので、第1導入口上側障害釘700Aと第1導入口下側障害釘700Bとは、遊技球の直径よりわずかに離間している。
このため、遊技者は、第1導入口上側障害釘700Aと第1導入口下側障害釘700Bとの間を狙って、発射ハンドルを操作して遊技球を遊技領域11へ発射しなければ、第1導入口71に遊技球が導入されにくくなる。
また、第1導入口上側障害釘700A及び第1導入口下側障害釘700Bの少なくとも一方を上下方向に調整して(つまり、これらの障害釘の遊技領域11に対する角度を上下方向に調整して)、第1導入口上側障害釘700Aと第1導入口下側障害釘700Bとの間の距離を拡縮することによって、第1導入口71への遊技球の導入確率を変化させることができる。
図8は、本発明の実施形態の上側始動入賞口29付近の障害釘の配設位置の説明図である。
第2ステージ52の下方であって、上側始動入賞口29の上方の遊技領域11には、左右方向から上側始動入賞口29側(中央方向)に向かって遊技球を案内する道釘群800、上側始動入賞口29の鉛直上方に位置する命釘801(801A,801B)、及び道釘群800の最も上側始動入賞口29側に位置する下端釘802と命釘801との間に位置するジャンプ釘803が配設される。
道釘群800は、上側始動入賞口29の左側に位置する左側道釘群800Aと、上側始動入賞口29の右側に位置する右側道釘群800Bとからなる。
左側道釘群800Aは、右方向に向かって下り傾斜し、上側始動入賞口29側に遊技球を案内し、右側道釘群800Bは、左方向に向かって下り傾斜し、上側始動入賞口29側に遊技球を案内する。
命釘801は、左側に位置する左側命釘801Aと、右側に位置する右側命釘801Bとからなる。
左側命釘801Aは、上側始動入賞口29の開口の左側を形成する左壁部29Bの鉛直上方に配設されており、右側命釘801Bは、上側始動入賞口29の開口の右側を形成する右壁部29Cの鉛直上方に配設されている。
上側始動入賞口29の開口は、遊技球一個が通過可能なように、遊技球の直径よりもわずかに大きく区画形成されるので、左側命釘801Aと右側命釘801Bとは、遊技球の直径よりもわずかに離間している。
左側命釘801Aと右側命釘801Bとの間の上方には、流出口524が位置するので、流出口524から排出された遊技球は、左側命釘801Aと右側命釘801Bとの間を流下して、上側始動入賞口29へ案内される。
なお、左側命釘801Aと右側命釘801Bとの間の距離を、左側命釘801A及び右側命釘801Bのいずれか一方を左右方向に調整することによって、拡縮することによって、上側始動入賞口29への遊技球の入賞確率を変化させることができる。
ジャンプ釘803は、左側命釘801Aの下方左側に位置する左側ジャンプ釘803Aと、右側命釘801Bの下方右側に位置する右側ジャンプ釘803Bとからなる。ジャンプ釘803は、道釘群800の下端から流下する遊技球を上方向に飛翔させることが可能である。
このため、ジャンプ釘803の遊技領域11に対する配設角度を上下方向に調整することで、上側始動入賞口29への遊技球の入賞確率を変化させることができる。具体的には、ジャンプ釘803を上方向に調整した場合には、ジャンプ釘803によって上方向に飛翔する確率が高くなるので、上側始動入賞口29への入賞確率も高くなる。また、ジャンプ釘803を下方向に調整した場合には、ジャンプ釘803によって上方向に飛翔する確率が低くなるので、上側始動入賞口29への入賞確率も低くなる。
左側ジャンプ釘803Aは、左側命釘801Aから遊技球の直径よりもわずかに離間した位置に配設され、右側ジャンプ釘803Bは、右側命釘801Bから遊技球の直径よりもわずかに離間した位置に配設される。このため、左側ジャンプ釘803Aと左側命釘801Aとの間には遊技球一個が流下可能な左側流下空間805Aが形成され、右側ジャンプ釘803Bと右側命釘801Bとの間には遊技球一個が流下可能な右側流下空間805Bが形成される。
左側流下空間805Aの鉛直上方には第2導出口63Aが位置し、左側流下空間805Aの鉛直下方には開状態となった場合の普通変動入賞装置(可動部材)23が位置する。同様に、右側流下空間805Bの鉛直上方には第2導出口63Bが位置し、右側流下空間805Bの鉛直下方には開状態となった場合の普通変動入賞装置23が位置する。以下では、左側流下空間805A及び右側流下空間805Bを総称して、流下空間805という。このため、第2導出口63から排出された遊技球は流下空間805を流下して、開状態となっている普通変動入賞装置(可動部材)23の上方に流下し、開状態となっている普通変動入賞装置23を転動して、下側始動入賞口24に入賞する。
また、普通変動入賞装置23が閉状態となっている場合に、第2導出口63から遊技球が排出されると、流下空間805を流下して、いずれの入賞口にも入賞せずに、アウト口30によって入る。
図9は、本発明の実施形態のステージ50の幅方向中央付近の断面図である。
流入口511から球案内流路53内に案内された遊技球は、球案内流路53を流下して、第2ステージ52の前面に形成された流出口524から排出される。
具体的には、流入口511によって受け入れられた遊技球は、第1ステージ51に形成された球案内流路53Aによって、鉛直下方に流下する。そして、この遊技球は球案内流路53Aの底部531Aと当接することによって、前方(図9に示す左側)に向かって流下し、中央連通口531を通って、球案内流路53Bに導かれ、流出口524から第2ステージ52の下方の遊技領域11へ排出される。
図10は、本発明の実施形態の流出口524から排出された遊技球の流下の説明図である。
流出口524から排出された遊技球は、図8で説明したように、左側命釘801Aと右側命釘801Bとの間を高確率で流下し、上側始動入賞口29へ入賞する。
図11は、本発明の実施形態の下部流路622の断面斜視図である。
下部流路622を流下する遊技球は、方向変換部6221(6221a、6221b)に当接することによって、遊技機の前方に向かうように方向変換されて、第2導出口63から第2ステージ52の下方の遊技領域11へ排出される。
図12は、本発明の実施形態の第2導出口63から排出された遊技球の流下の説明図である。
第2導出口63(63A、63B)から排出された遊技球は、流下空間805(805A、805B)を流下する。この場合、普通変動入賞装置23が開状態になっている場合、普通変動入賞装置23は、流下空間805を流下する遊技球の流下を遮断するように、位置する。
このため、普通変動入賞装置23が開状態になっている場合には、流下空間805を流下した遊技球は、普通変動入賞装置(可動部材)23に当接して、開状態となっている普通変動入賞装置23(可動部材)上を転動する。これによって、流下空間805を流下した遊技球は、上側始動入賞口29と開状態となっている普通変動入賞装置(可動部材)23との間を流下して、下側始動入賞口24に入賞する。
次に、特定の遊技状態(確変状態、時短状態)時に第2ワープ装置60に遊技球が所定回数流入すると、特定の変動表示パターンで特図変動表示ゲームを実行する処理について、図13及び図14を用いて説明する。
図13は、本発明の実施形態の球カウント値更新処理のフローチャートである。
球カウント値更新処理は、第2ワープ装置60への遊技球の流入回数を示す球カウント値を更新する処理であり、制御装置500のマイクロプロセッサ502によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、制御装置500は、遊技機の現在の遊技状態が確変状態又は時短状態中(特定遊技状態)であるか否かを判定する(1301)。
確変状態及び時短状態中には、普通図柄始動ゲート26を遊技球が通過した場合に実行される普図変動表示ゲームの実行時間(普通図柄が変動してから停止するまでの時間)が短くなるように設定されているため、普図変動表示ゲームが通常状態よりも早く消化される。このため、単位時間当たりに普通変動入賞装置23が開状態となっている時間が、通常状態よりも長くなる。
つまり、通常状態と時短状態中とでは、普通図柄始動ゲート26を遊技球が通過する確率は同じであり、普図始動記憶の上限数も決められているので、普図変動表示ゲームの実行時間が短く設定された時短状態中のほうが、より多くの普図変動表示ゲームを実行できる。このため、確変状態及び時短状態中には、単位時間当たりに普通変動入賞装置23が開状態となっている時間が、通常状態よりも長くなる。
さらに、確変状態中又は時短状態中には、普図変動表示ゲームのあたり状態となる確率が通常状態よりも高く設定されてもよいし、普通変動入賞装置23が開状態となっている時間が通常状態よりも長くなるように設定されていてもよい。
ステップ1301の処理で、現在の遊技状態が確変状態又は時短状態中であると判定された場合には、制御装置500は、確変状態及び時短状態でない遊技状態を示す通常遊技状態中に通過SW61Aが検出した遊技球数(通過球数)を示す通常球カウント値を「0」に設定する(1302)。
そして、制御装置500は、通過SW61Aが遊技球を検出したか否かを判定する(1303)。
ステップ1303の処理で、通過SW61Aが遊技球を検出していないと判定された場合、通過球数をカウントする必要がないので、球カウント値更新処理を終了する。
一方、ステップ1303の処理で、通過SW61Aが遊技球を検出したと判定された場合、制御装置500は、確変状態又は時短状態である特定遊技状態中に通過SW61Aが検出した遊技球数(通過球数)を示す特定球カウント値は上限数よりも小さいか否かを判定する(1304)。
ステップ1304の処理で、特定球カウント値は上限数以上であると判定された場合、これ以上通過球数をカウントできないので、球カウント値更新処理を終了する。
一方、ステップ1304の処理で、特定球カウント値は上限数よりも小さいと判定された場合、制御装置500は、特定球カウント値をインクリメントし(1305)、球カウント値更新処理を終了する。
一方、ステップ1301の処理で、現在の遊技状態が確変状態又は時短状態中でない、つまり現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定された場合には、制御装置500は、特定球カウント値を「0」に設定する(1306)。
そして、制御装置500は、通過SW61Aが遊技球を検出したか否かを判定する(1307)。
ステップ1307の処理で、通過SW61Aが遊技球を検出していないと判定された場合、通過球数をカウントする必要がないので、球カウント値更新処理を終了する。
一方、ステップ1307の処理で、通過SW61Aが遊技球を検出したと判定された場合、制御装置500は、通常球カウント値は上限数よりも小さいか否かを判定する(1308)。
ステップ1308の処理で、通常球カウント値は上限数以上であると判定された場合、これ以上通過球数をカウントできないので、球カウント値更新処理を終了する。
一方、ステップ1308の処理で、通常球カウント値は上限数よりも小さいと判定された場合、制御装置500は、通常球カウント値をインクリメントする(1309)。
そして、制御装置500は、通常球カウント値が予め設定された警告値よりも大きいか否かを判定する(1310)。
ステップ1310の処理で、通常球カウント値が予め設定された警告値よりも大きいと判定された場合、通常遊技状態中に第2ワープ装置60に所定数よりも多く遊技球が流入したので、遊技者に警告報知を行い(1311)、球カウント値更新処理を終了する。
通常遊技状態中には、単位時間当たりに普通変動入賞装置23が開状態となっている時間が特定遊技状態中よりも短くなっている。
したがって、通常遊技状態中に第2ワープ装置60に遊技球が流入しても、開状態になっている普通変動入賞装置23に流下する可能性は、特定遊技状態中よりも少ない。また、普通変動入賞装置23が閉状態になっている場合に、第2導出口63から排出された遊技球は、上側始動入賞口29及び下側始動入賞口24にも入賞せずに、アウト口30に流入する。
このため、通常遊技状態中に第2導入口61に遊技球を流入させた場合には、始動入賞口に入賞する可能性は遊技者にとって不利な状態であり、通常遊技状態中に所定回数第2ワープ装置60に流入した場合には、遊技者が狙う箇所を変更する旨を報知する警告報知を行う。
なお、警告報知は、スピーカ28から出力される音によって行ってもよいし、表示装置22に表示される表示内容によって行ってもよい。
また、ステップ1310の処理では、通常球カウント値に基づいて単位時間当たりの第2導入口61への遊技球の導入個数を算出し、算出された単位時間当たりの導入個数が所定の警告値よりも大きいか否かを判定してもよい。
図14は、本発明の実施形態の変動表示パターン決定処理のフローチャートである。
変動表示パターン設定処理は、球カウント値に基づいて、変動表示パターンを決定する処理であり、制御装置500のマイクロプロセッサ502によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、制御装置500は、特図始動記憶が記憶されているか否かを判定する(1401)。
ステップ1401の処理で、特図始動記憶が記憶されていないと判定された場合には、特図変動表示ゲームが実行されないので、変動表示パターン決定処理を終了する。
一方、ステップ1401の処理で、特図始動記憶が記憶されていると判定された場合には、制御装置500は、現在の遊技状態が確変状態中又は時短状態中であるか否かを判定する(1402)。
ステップ1402の処理で、現在の遊技状態が確変状態中又は時短状態中でないと判定された場合には、通常の変動表示パターンが複数登録されている通常選択テーブルから、始動入賞口に入賞したタイミングで取得した演出乱数値に基づいて、変動表示パターンを決定し(1403)、変動表示パターン決定処理を終了する。演出乱数値は、特図変動表示ゲームにおける演出を決定するための乱数である。
一方、ステップ1402の処理で、現在の遊技状態が確変状態中又は時短状態中であると判定された場合には、制御装置500は、特定球カウント値が所定値よりも大きいか否かを判定する(1404)。
ステップ1404の処理で、特定球カウント値が所定値以下であると判定された場合、ステップ1403の処理に進む。
一方、ステップ1404の処理で、特定球カウント値が所定値(N)よりも大きいと判定された場合、制御装置500は、スペシャルリーチ(SPリーチ)を示す変動表示パターンが複数登録されている通常選択テーブルから、始動入賞口に入賞したタイミングで取得した演出乱数値に基づいて、変動表示パターンを決定する(1405)。
ここで、リーチとは、二つの変動表示領域で図柄が大当りを発生可能な図柄態様で仮停止し、一つの変動表示領域で図柄が変動表示されており、少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。なお、図柄の仮停止とは、図柄が他の図柄に変動せずに、一定の図柄が表示されていることを意味する。また、SPリーチは、大当りを発生させる信頼度が通常のリーチよりも高く設定されている。
また、SPリーチは、図柄が変動表示してからすべての変動表示領域で図柄が停止するまでの時間が、通常のリーチよりも長く設定されていてもよい。
次に、制御装置500は、特定球カウント値から所定値(N)を減じ(1406)、特図始動記憶をデクリメントして(1407)、変動表示パターン決定処理を終了する。
これによって、確変状態又は時短状態中に、所定数の遊技球が第2ワープ装置60に流入した場合には、大当りの信頼度が高く設定された変動表示パターンで特図変動表示ゲームが実行されるようになるため、遊技者は、確変状態又は時短状態中には、第2導入口61を狙って遊技球を発射させる可能性が高くなり、遊技状態に合わせて狙う場所が異なり、遊技の興趣が向上する。
図15は、本発明の実施形態の表示装置22に表示される表示画面1500についての説明図である。
表示画面1500は、左図柄変動表示領域1501、中図柄変動表示領域1502、右図柄変動表示領域1503、特図始動記憶表示領域1504、及び特定球カウント値表示領域1505を含む。
変動表示領域1501〜1503には、特図変動表示ゲームで図柄が変動表示する領域であり、図15では、左図柄変動表示領域1501で「7」が停止し、右図柄変動表示領域1503で「7」が停止し、中図柄変動表示領域1502の図柄が変動表示中である。なお、すべての図柄が「7」で停止すると大当りになるので、図15に示す状態は、リーチ状態である。
左図柄変動表示領域1501の下方には、現在の特図始動記憶数を表示する特図始動記憶表示領域1504が位置する。
中図柄変動表示領域1502の上方には、確変状態又は時短状態が発生している場合の特定球カウント値を表示する特定球カウント値表示領域1505が位置する。
なお、特定球カウント値表示領域1505では、特定球カウント値が所定値よりも大きい場合に、SPリーチ選択テーブルから変動表示パターンが決定され、決定された変動表示パターンで特図変動表示ゲームが実行された場合には、ステップ1406の処理で、特定球カウント値から所定値が減算されるので、減算後の特定球カウント値が表示されることになる。
また、特定球カウント値表示領域1505には、通常球カウント値を表示してもよい。
次に、本発明の実施形態の変形例を図16及び図17を用いて説明する。
本発明の実施形態では、センターケース21の左右両側に第1ワープ装置70が配設されていたが、本発明の実施形態の変形例では、センターケース21の左右一側(例えば、左側)に第1ワープ装置70の第1導入口71が配設され、センターケース21の左右他側(例えば、右側)に第2ワープ装置60の第2導入口61が配設される。
図16は、本発明の実施形態の変形例のセンターケース21の右側部付近の拡大斜視図である。
右側部ガイド81dの下端には、第2ワープ装置60の右側第2導入口612が配設される。また、右側第2導入口612の後方には、右側第2導入口612から受け入れた遊技球を第2ワープ流路62に案内するための右側誘導流路613が配設されている。
右側誘導流路613は、第2ワープ流路62に遊技球を案内するために、後方に向かって下り傾斜する。また、右側誘導流路613の後端は右側部流路621dに接続されている。
図17は、本発明の実施形態の変形例の右側誘導流路613の幅方向中央付近の断面図である。
右側誘導流路613と右側部流路621dとの接続箇所65の下方には、通過SW61Aを収納する右側通過SW収納部651が形成される。
この右側通過SW収納部651に収納される通過SW61Aは、右側第2導入口612から受け入れられ、第2ワープ流路62を流下する遊技球を検出する。
以上によって、センターケース21の左右一側には第1導入口71が配設され、センターケース21の左右他側には第2導入口61が配設されるので、遊技者は、遊技領域11のセンターケース21を中心として左側と右側とに遊技球を打ち分けるので、遊技者が積極的に遊技球の打ち分けを行うことによって、遊技性及び遊技の興趣を向上させることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点の代表的なものとして、次のものがあげられる。
(1)遊技球が内部に入ることを規制する壁が設けられた包囲枠体、第1補助遊技の始動条件を付与する始動入賞部、及び第2補助遊技の始動条件を付与する補助始動入賞部が、発射された遊技球が流下可能な遊技領域に、配設され、前記始動入賞部への遊技球の入賞に基づき第1補助遊技を実行し、該第1補助遊技の結果態様に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能であるとともに、前記補助始動入賞部への遊技球の入賞に基づき第2補助遊技を実行し、該第2補助遊技の結果態様に基づいて前記始動入賞部に設けた可動部材を遊技者に不利な閉状態から遊技者に有利な開状態に変換可能な遊技機において、前記始動入賞部は前記包囲枠体の下方に配設され、前記可動部材は、前記始動入賞部の入口を拡縮させるように回動し、前記包囲枠体は、遊技球を転動させた後に前記包囲枠体の下方の遊技領域へ流下させる球転動領域と、前記遊技領域を流下する遊技球を前記球転動領域へ誘導可能な第1誘導路と、前記遊技領域を流下する遊技球を、前記開状態に変換された前記可動部材に誘導する第2誘導路と、を備え、前記第1誘導路の上流端となる第1球導入部を前記遊技領域に臨ませるとともに、前記第1誘導路の下流端となる第1球導出部から流出する遊技球が前記球転動領域に案内されるように、前記第1球導出部を配設し、前記第2誘導路の上流端となる第2球導入部を前記遊技領域に臨ませるとともに、前記第2誘導路の下流端となる第2球導出部から流出する遊技球が前記開状態に変換された前記可動部材に案内されて前記始動入賞口に入賞するように、前記第2球導出部を配設し、前記第1球導入部と前記第2球導入部とを離間した位置に配置したことを特徴とする遊技機。
(2)遊技機は、前記特別遊技状態の終了後に、単位時間当たりの前記可動部材が前記開状態に変換されている時間が、通常の遊技状態よりも長くすることが可能な特定遊技状態を発生可能であり、前記第1導入部を前記包囲枠体の左右一側に配置し、前記第2導入部を前記包囲枠体の左右他側に配置したことを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記始動入賞部は、第1始動入賞部と、前記可動部材が設けられる第2始動入賞部と、を有し、前記第1始動入賞部は、前記第2始動入賞部を上方を覆うように、前記第2始動入賞部の上方に配置され、前記可動部材が前記開状態に変換された場合には、前記開状態に変換された可動部材は、前記第2始動入賞部を覆う前記第1始動入賞部の位置の左右方向から前記遊技領域に突出し、前記球転動領域は、前記第1始動入賞部の鉛直上方向に前記第1始動入賞部へ遊技球を流出させる球流出部と、前記球転動領域を転動する遊技球を受け入れ、前記受け入れた遊技球を前記球流出部へ案内する球案内流路と、を有し、前記第2球導出部は、前記球流出部の側方に配置されることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
(4)前記第2球導出部は、前記球流出部よりも下方に配置されることを特徴とする(3)に記載の遊技機。
(5)前記球転動領域は、前記包囲枠体に位置する第1球転動部と、前記第1球転動部よりも手前側に位置する第2球転動部と、を有し、前記第1球導出部は、前記第1球転動部の上方に臨み、前記第1球導出部から排出された遊技球は、前記第1球転動部上を転動し、前記第2球転動部は前記第1球転動部よりも下方に位置するとともに、前記第1球転動部から流下した遊技球が前記第2球転動部上を転動し、前記第1球転動部における遊技球が転動する面の少なくとも一部は、前記第2誘導路の上面によって構成され、前記第2球転動部の前面には、前記第2球導出部及び前記球流出部が形成されることを特徴とする(4)に記載の遊技機。
(6)前記第2誘導路を通過する遊技球を検出する検出手段と、前記通常の遊技状態である場合に、前記検出手段によって検出された遊技球の数が所定値に到達しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記検出手段によって検出された遊技球の数が所定値に到達していると判定された場合には、遊技機の遊技者に警告報知を行う警告報知手段と、を備えることを特徴とする(2)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機。
(7)前記第1補助遊技は、遊技機に備わる表示部で複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームであり、遊技機は、前記変動表示ゲームの変動表示パターンを複数種類の変動表示パターンから決定する変動表示パターン決定手段と、前記変動表示パターン決定手段によって決定された変動表示パターンで、識別情報を変動表示させる変動表示手段と、前記第2誘導路を通過する遊技球を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された遊技球の数を通過球数として記憶する通過球数記憶手段と、を備え、前記変動表示パターン決定手段は、前記通過球数記憶手段によって記憶された通過球数が所定値よりも大きい場合には、前記変動表示ゲームの変動表示パターンを、特定の変動表示パターンに決定することを特徴とする(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機。
(8)前記通過球数記憶手段によって記憶された通過球数を表示させる通過球数表示手段を備え、前記通過球数記憶手段は、前記特定の変動表示パターンで識別情報が変動表示された場合に、前記記憶している通過球数から所定数を減算して、前記減算された値を前記通過球数として記憶することを特徴とする(7)に記載の遊技機。
上記(1)〜(8)の発明は、特許文献1に記載の遊技機等では、遊技者が一定の発射勢で遊技球を発射して誘導路(ワープ流路)の球導入口を狙って遊技を行っており、積極的に遊技に参加していないため、始動入賞口に設けた可動部材の変換状態に応じて遊技球の発射態様を変化させるようにすることにより、遊技者に積極的に遊技に参加させ、遊技性及び遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1)の発明によると、可動部材が閉状態となっている場合には第1誘導路の球導入部を狙って遊技球を発射し、可動部材が開状態となる場合には第2誘導路の球導入部に遊技球が導入されるように狙って発射することで遊技者に有利な度合いが変化するので、遊技者が積極的に遊技球の打ち分けを行うようになり、遊技性及び遊技の興趣が向上する。
(2)の発明によると、遊技状態(通常遊技状態又は特定遊技状態)に応じて、遊技者は、第1誘導路の球導入部と第2誘導路の球導入部に遊技球が導入されるように、包囲枠体を挟んで遊技領域の左側と右側とに遊技球を打ち分ける(発射する)ことによって、遊技者に有利な度合いが変化するので、遊技者が積極的に遊技球の打ち分けを行うようになり、遊技性及び遊技の興趣が向上する。
(3)の発明によると、第1誘導路の第1球導入部又は第2誘導路の第2球導入部の何れを狙って遊技球を発射させたとしても、遊技者は注目する箇所は球転動領域付近となり、複数の箇所を注目しなくてもよいので、遊技者が集中して遊技を行うことが可能になる。
(4)の発明によると、第1始動入賞部及び第2始動入賞部の位置関係に応じて、球流出部と第2球導出部とが配置されるので、球流出部及び第2球導出部からの遊技球が安定して第1始動入賞部及び第2始動入賞部に入賞可能となる。
(5)の発明によると、第1球転動部における遊技球が転動する面の少なくとも一部は、第2誘導路の上面によって構成されるので、部品点数を少なくでき、製造コストを削減できる。
(6)の発明によると、特定遊技状態ではない通常遊技状態になっている場合に、所定数の遊技球が第2誘導路を通過した場合には、警告報知により遊技球の発射状態が遊技者にとって不利となっていることを遊技者に報知でき、始動入賞部に遊技球が入賞し難くなって遊技者が損をすることがなくなる。
(7)の発明によると、特定の変動表示パターンで変動表示ゲームを実行させようと第2誘導路の第2球導入部を狙って遊技球を発射するようになり、遊技者を遊技に積極的に参加させることができ、遊技性及び遊技の興趣が向上する。
(8)の発明によると、特定の変動表示パターンで変動表示ゲームが実行されることで表示されている通過球数が減算されるので、再度特定の変動表示パターンを実行させようと第2誘導路の第2球導入部を狙って遊技球を発射するようになり、遊技者を遊技に積極的に参加させることができて遊技性及び遊技の興趣が向上する。