JP5678950B2 - ガラスセラミックス焼結体及び配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスセラミックス焼結体及び配線基板に関する。詳しくは、各種モジュール基板、半導体素子収納用パッケージ等に用いられるガラスセラミックス焼結体及び配線基板に関する。
近年、情報通信の高速化に伴い、集積化したLSIや各種電子部品を搭載する配線基板においては、小型化や信頼性等の要求から基板材料としてアルミナを用いたアルミナ基板、ガラスセラミックスを用いた低温焼成基板等が使用されている。ガラスセラミックス材料は、ガラス材料に骨材と呼ばれるアルミナ等のセラミックス材料とを混合し、焼成することによって製造される。
アルミナ基板は強度が大きく、耐熱性に優れる等の利点を有するため、アルミナ基板が配線基板として、占める割合が大きい。しかしながら、比誘電率が大きいため伝送信号の遅延の原因になりやすいという高周波化対応における問題を有している。さらに、アルミナ基板は焼成温度が1500℃以上と高いため、内層の配線に、融点が高いWやMo等の材料を使用しなければならない。これらの材料は電気抵抗が大きいので、配線を微細化すると電気抵抗が大きくなるという問題点も有している。
一方、ガラスセラミックス材料を用いた配線基板は、アルミナ基板に比べて、比誘電率を小さくでき、さらにCu、AgやAg−Pd等の低融点で低抵抗の金属材料を内層の配線に利用できるという利点からその採用が増えつつある。
ガラスセラミックス材料は、一般的にガラス材料とセラミックス材料を組み合わせることにより焼成の際に相乗作用が働き、得られるセラミックス基板の特性(比誘電率、損失特性、熱膨張係数、焼成温度、抗析強度等)をコントロールできる。そのため、最良の組み合わせを見つけ、さらに、常に一定の特性を出現させることができるように、安定した組成や構造とすることが技術課題となっている。
また、携帯電話や無線LAN等の高周波帯の周波数を利用する機器の増大と、環境面から省エネ対応が要求されつつある。電子部品において、省エネの観点から低損失化が求められており、それに使用される材料に対しても、低損失化が求められている。特にマイクロ波やミリ波帯域においては損失の小さな材料が求められている。
上記のようにガラスセラミックス材料は、比誘電率が低く、誘電損失が小さい特性を有するため、ガラスセラミックス材料に使用するガラスとして、結晶化ガラスが注目されるようになってきている。なかでも、CaMgSiで示されるディオプサイド型結晶相を主相とする結晶化ガラス材料は、誘電損失が小さいという点で注目されている。
このような結晶化ガラスは、焼成時にガラスを結晶化させるものであり、焼結体そのものが白色で半透明であり、透光性を有する。また、骨材として用いるセラミックス材料も低誘電率、低損失化の観点からアルミナ、コーディライト、ムライト、スピネル、石英、アモルファスシリカ等が使用され、いずれも白色系の色合いをしている。従って、ガラスセラミックス材としても焼結体としては白色系の色合いをしたものとなる。
また、近年、電子機器の小型化や高密度化に伴い、ガラスセラミックス基板も小型化されてきており、このような小型のガラスセラミックス基板上に電子部品を、正確且つ高密度に実装することが必要とされている。
上記のような小型のガラスセラミックス基板の表面には、金めっき層が被着された配線導体を形成した、ガラスセラミックス配線基板が従来から用いられている。
しかし、ガラスセラミックス配線基板が、白色系の色合いを有しており、基板表面の配線導体に被着された、金めっき層が白色に近い色であるため、画像認識によって電子部品を実装する自動機を使用して、配線導体を基準に半導体素子等の電子部品をガラスセラミックス配線基板上に実装する場合、配線導体を画像認識することが困難となり、電子部品の位置決めも困難になるという問題があった。
半導体素子等の電子部品の各電極(端子)と、配線導体とをワイヤボンディング接続しようとしたときにも、電子部品の各電極を所定の配線導体に正確に接続することが困難であるという問題もあった。
さらには、カメラモジュール用途に用いられる場合、受光素子となる半導体素子が実装される基板において、白色系の色合いをした基板では光の反射が生じやすくなり、不具合の原因となりやすい問題もあった。
また、昨今の機器の薄型化に対応するため、セラミック基板に対しても薄型化が求められており、多層で基板を形成する場合には、1層当りの厚みも薄い事が求められている。特に50μmを切るような層間厚みとなる場合には、白色系の色合いをした基板では、表面から下の層のパターンが透けて見えるため、場合によっては、外観を確認する際、表面のパターンとの誤認識を引き起こす問題も生じている。
以上のような課題の対応としては、配線基板は、より望ましくは、黒色系もしくは茶色系の色合いを持つガラスセラミックス焼結体であることが求められている。
これらの問題を解決するために、ガラスセラミックス配線基板に着色顔料を添加して、ガラスセラミックスを着色することが提案されている。
特許文献1では、ガラスと結晶とからなり金属元素を含有しているセラミックス基板であって、Cr、Ti、Cu、Mn、Co及びFeから選ばれた1種又は2種以上の化合物、又は、これらの化合物の混合物を含有させることにより、セラミックス基板を灰色又は黒色に着色することが提案されている。
特許文献2では、CrをCr換算で0.05重量部以上で、且つCu、V、Fe、Ni、MnおよびCoの群から選ばれる少なくとも1種を酸化物換算で上記CrのCr換算量との合計で10重量部以下含有することにより得られる着色ガラスセラミックス焼結体が提案されている。
特許文献3では、少なくともMg、Ca、Si、Alを含むディオプサイド型酸化物結晶相と、Mg及び/またはZn,Tiとを含有する複合酸化物結晶相とを含有している高周波用磁器が提案されている。
特開平7−82011号公報 特許第3619349号公報 特許第3064273号公報
しかしながら、上記特開平7−82011号公報や特許第3619349号公報に開示された着色用の酸化物を添加した場合、誘電損失の増大等による特性劣化や、添加量を増やすことにより焼結密度が低下する可能性がある。
また、特許第3064273号公報では、誘電損失の小さな添加材が提案されているが、着色効果が不十分であり、誘電率も高くなる可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、色あいで識別することが可能な配線基板、各種モジュール基板、半導体素子収納用パッケージ等に用いられるガラスセラミックス焼結体及び配線基板を提供する。またCuやAg等からなる配線層と同時焼成でき、着色剤に起因する高周波帯域での誘電損失の増大を抑制し、物性変動の小さいガラスセラミックス焼結体および配線基板の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明のガラスセラミックス焼結体は、ガラス成分、セラミックスフィラー及び着色顔料を含有するガラスセラミックス焼結体であり、前記ガラス成分は、少なくともMg、Ca、Siを含むディオプサイド型酸化物結晶相を析出するガラス成分であり、前記着色顔料としては、少なくともZn、Ti、Mn、Feを含有し、イルメナイト型結晶相もしくはスピネル型結晶相で表される、結晶相を有する複合酸化物を含有することを特徴としたガラスセラミックス焼結体である。
上記の少なくともMg、Ca、Siを含むディオプサイド型酸化物結晶相を析出するガラス成分は、1000℃以下で低損失の結晶相が析出可能であり、残存するガラス相を極めて少なく出来るため、結晶化度を高くすることが出来る。それにより、誘電体損失を低く抑えることが可能となる。
また、上記着色顔料(着色剤)の結晶相を有する複合酸化物は、少なくともZn、Ti、Mn、Feを含有することで、効果的に、黒色系もしくは茶色系の色合いを有する焼結体を作製することが可能となる。
黒色反応を示すMn,Feの代表的な複合酸化物である、Fe−Mn−O系酸化物等を用いると誘電損失が大きくなってしまう。しかし、本発明の着色顔料のように、少なくともZn、Ti、Mn、Feを含有し、イルメナイト型結晶相又は、スピネル型結晶相で表される結晶相を有する複合酸化物を用いる事で、誘電体材料として比較的小さな損失となる。そのため、ガラスセラミックスとしての誘電損失の増大を防止することが可能となる。
また黒色系もしくは、茶色系の色合いを調整する場合、Co,Cu,Mg,Ni等を含有させても良い。これらの元素はZn,Mn,Feと同様に、イルメナイト型結晶相もしくは、スピネル型結晶相の結晶形態を形成する事が可能である。従って、誘電損失の増大を抑制する効果を満たし、ガラスセラミックス焼結体の色合いの調整が可能となる。
さらには、イルメナイト型結晶相もしくは、スピネル型結晶相以外の結晶形態でMnやFeを含む場合は、ガラスセラミックス焼結体における焼結密度の低下が見られる。焼結密度が低下する要因としては、FeやMnO等の酸化物において、ガラス成分の結晶化温度の低下が生じる場合があり、その結果、焼成過程において焼結体中にポアが発生し、増加することが挙げられる。
以上の理由により、本発明において、イルメナイト型結晶相、もしくはスピネル型結晶相を有する複合酸化物を用いることで、ガラスの結晶化挙動へ与える影響を小さくし、焼結密度の低下を抑えることを可能なものとする。
前記着色顔料のイルメナイト型結晶相もしくは、スピネル型結晶相等の複合酸化物は、ガラス成分に対し、2〜10質量%含有することが好ましい。2質量%より少ないと、着色効果が不十分なものとなり、表面から、下の層のパターンが透けて見えてしまい、場合によっては外観上不良と認識されてしまう可能性がある。10質量%より多い場合、ガラスセラミックス焼結体の焼結密度の低下が見られ、基板強度等の信頼性が問題となる可能性がある。
さらに、本件の着色顔料に含まれるFeとMnの合計は、酸化物換算で20〜60質量%含有することが望ましい。前記の範囲に調整することで、着色顔料として黒色の色合いが強くなり、黒色系もしくは色合いの強いガラスセラミックス焼結体となる。20質量%より少ない場合には、顔料として色合いが不十分であり、ガラスセラミックス焼結体に対する着色性が弱く、パターン等の識別ができない。また、60質量%より多い場合には、FeやMnO等の異相が多く見られるようになり、誘電損失が増大し、配線基板での特性を満足しない。
本件は、前述の複数層のガラスセラミックス焼結体から成る絶縁基体の内部及び表面に配線導体を被着させて成る配線基板を提供する。
本発明のガラスセラミックス焼結体及び配線基板によれば、誘電損失の増大や、焼結密度の低下をまねくことなく、基体の着色が可能となり、配線導体を半導体素子等の電子部品のガラスセラミックス配線基板上に実装しようとしたときに、配線導体を正確に画像認識することが可能となり、パターンの誤認識を防ぐことが可能となる。それにより歩留まりが向上し、工程上の安定化がはかれる。また、光の反射軽減ができるため、カメラモジュール等の用途でも利用が可能になる。
本発明のガラスセラミックス配線基板の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 (a)は、基板焼成前の各種パターンが形成された基板用グリーンシートの模式断面図である。 (b)は、(a)で準備された基板用グリーンシートを積層した焼成前のガラスセラミック配線基板の模式断面図である。 (c)は、(b)を焼成することにより得られたガラスセラミック配線基板の模式断面図である。 本発明のガラスセラミックス基板の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の好適な実施形態であるガラスセラミックス配線基板を模式的に示す断面図である。
本発明のガラスセラミックス焼結体は、CaMgSiで示されるディオプサイド型結晶相を主相とするガラス成分と、アルミナフィラー等のセラミックスフィラー、例えば、マグネシア、スピネル、シリカ、ムライト、フォルステライト、ステアタイト、コージェライト、ストロンチウム長石、石英、ケイ酸亜鉛、ジルコニア及びチタニアからなる群より選ばれる少なくとも一種の材料によって形成されたセラミックスフィラーと、着色を可能にする複合酸化物からなる着色顔料により構成される。
セラミックスフィラーの割合は、ガラスセラミックス焼結体中の15体積%〜40体積%含まれることが好ましい。誘電損失等の特性を損なわない範囲で上記成分以外の成分を含んでもよい。
本発明の着色顔料組成物は、イルメナイト型結晶相が、組成式MTiOと表される。また、スピネル型結晶相は、組成式MTiOで表される。ここで、Mは、Zn1−aFe1−bMn1−cであり、すなわち、(Zn1−aFe1−bMn1−c)TiOもしくは(Zn1−aFe1−bMn1−c)TiO型の混合物が必ず含まれたものから構成される(ここでa,b,cはそれぞれ0<a<1、0<b<1、0<c<1でありa+b+c=1)。
本発明に係る着色顔料組成物において、前記組成式にも示す通り、TiとZnを含む事が一つの特徴である。前記複合酸化物としては、 MTiO,MTiOの結晶構造で示される。MTiO,MTiOは、製造条件の制御により得られるものであり、特に焼成条件を変えることにより得られる。本件は、どちらの結晶構造を示しても同等の効果を得る事ができる。特にZnを含ませることで、低温での結晶化が可能となり、安定したMTiO,MTiOの結晶構造を生成することが可能となる。
イルメナイト型結晶相、もしくはスピネル型結晶相を示すものであれば、Znの一部をCo、Cu、Mg、Ni等で置換したものが含まれていてもよい。
なお、上記Mにおいて、含有されるZn,Fe,Mnの割合を適宜調整し、適切な色合いの基体を得ることができる。また、Znの一部をCo、Cu、Mg、Ni等で置換しても、微妙な色合いを調整することが可能となる。
前記着色顔料組成物に含まれるFeとMnの合計は、酸化物換算で20〜60質量%含まれることが好ましい。前記範囲に調整することで、着色顔料として黒色の色合いが強くなり、黒色系もしくは色合いの強いガラスセラミックス焼結体となる。20質量%より少ない場合には、顔料として色合いが不十分であり、ガラスセラミックス焼結体に対する着色性が弱く、パターン等の識別がしにくくなる。また、60質量%より多い場合には、FeやMnO等の異相が多く見られるようになり、誘電損失が増大し、配線基板での特性を満足しない。
また、TiOに対して、Mからなる複合酸化物量が少ないとTiOの結晶相の析出がみられるようになる。TiO結晶相が増えると、誘電率の増加がみられるようになるので、特性の変化を考慮しながら、着色顔料組成を調整する。
本発明の着色顔料組成物は、例えば、以下に示す製造プロセスにしたがって作製することができる。製造プロセスは、混合工程、仮焼成工程、粉砕工程、乾燥工程とから構成されるものである。
着色顔料組成物の製造に際しては、先ず、主成分の原料粉末を所定量秤量し、これらを混合する(混合工程)。原料粉末としては、各構成元素の酸化物粉末の他、加熱により酸化物となる化合物、例えば炭酸塩、水酸化物、蓚酸塩、硝酸塩等の粉末を用いることができる。この場合、1種類の金属の酸化物(化合物)に限らず、例えば2種類以上の金属を含む酸化物化合物の粉末を原料粉末としてもよい。各原料粉末の平均粒径は、0.1μm〜5.0μmの範囲内で適宜選択すればよい。
混合方法としては、例えばボールミルによる湿式混合等を採用することができ、混合の後、乾燥、粉砕、篩いかけをし、仮焼成工程を行う。仮焼成工程では、例えば電気炉等を用い、800℃〜1300℃の温度範囲で所定時間保持し、仮焼を行う。このときの雰囲気は、特に規定されず、任意であるが望ましくは酸化雰囲気で行うことが好ましい。また、仮焼における保持時間は、0.5〜5.0時間の範囲で適宜選択すればよい。
仮焼後、粉砕工程において、仮焼体を例えば平均粒径0.5μm〜2.0μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、例えばボールミル等を用いることができる。
粉砕後、乾燥工程にて微粉砕粉末を乾燥させる。乾燥方法としてはスプレードライヤー等を用いる事ができる。以上により着色顔料を準備する。
以上により、本発明の着色顔料組成物は、黒色系あるいは茶色系の色合いを有するため、ガラスセラミックス中へ添加した場合の着色材として機能し、さらに誘電損失の増大を抑制するため、高周波、特にマイクロ波用ガラスセラミックス焼結体の材料として好適に用いることができる。
次に本発明に係るガラスセラミックス焼結体のガラス成分について説明する。
本発明のガラスセラミックス焼結体は、結晶化ガラス系材料を用いて形成されるものであることが好ましく、結晶化ガラス系材料としては、例えば、SiO、CaO、MgOを含有するディオプサイド結晶ガラスを用いることが好ましい。
本発明におけるSiO、CaO、MgO、Al3、CuO、SrO、ZnO、TiOからなるディオプサイド結晶ガラスについて説明する。ディオプサイド結晶ガラスは、焼成によって主結晶としてディオプサイド結晶を析出するものである。
ディオプサイド結晶ガラスにおいて、SiOはガラスのネットワークフォーマーであるとともに、ディオプサイド結晶の構成成分である。SiOの含有量は、ディオプサイド結晶ガラス全量を基準として、好ましくは40〜65質量%であり、より好ましくは45〜65質量%である。SiOの含有量が40質量%未満であるとガラス化が困難になる傾向にある。一方、SiOの含有量が65質量%を超えると密度が低くなる傾向にある。
ディオプサイド結晶ガラスにおいて、CaOはディオプサイド結晶の構成成分である。CaOの含有量は、ディオプサイド結晶ガラス全量に対して、好ましくは20〜35質量%であり、より好ましくは25〜30質量%である。CaOの含有量が20質量%未満であると誘電損失が高くなる傾向にある。一方、CaOの含有量が35質量%を超えると製造時におけるガラス化が困難になる傾向にある。
ディオプサイド結晶ガラスにおいて、MgOはディオプサイド結晶の構成成分である。MgOの含有量は、ディオプサイド結晶ガラス全量に対して、好ましくは11〜30質量%であり、より好ましくは12〜25質量%である。MgOの含有量が11質量%未満であると結晶が析出し難くなる傾向にある。一方、MgOの含有量が30質量%を超えると製造時におけるガラス化が困難になる傾向にある。
ディオプサイド結晶ガラスにおいて、Alはガラスの結晶性を調節する成分である。Alの含有量は、ディオプサイド結晶ガラス全量に対して、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。Alの含有量が0.5質量%未満であると結晶性が強くなりすぎてガラス成形が困難になる傾向にある。一方、Alの含有量が10質量%を超えるとディオプサイド結晶が析出し難くなる傾向にある。
ディオプサイド結晶ガラスにおいて、CuOはAgに電子を与え、ガラスセラミックス中への拡散を抑制する成分である。CuOの含有量は、ディオプサイド結晶ガラス成分全量に対して、好ましくは0.01〜1.0質量%である。CuOの含有量が0.01質量%未満であると上述の効果が十分に発揮されない傾向にある。一方、CuOの含有量が1.0質量%を超えると誘電損失が大きくなり過ぎる傾向にある。
ディオプサイド結晶ガラス成分において、SrO、ZnO、TiOはガラス化を容易にするために添加する成分である。ディオプサイド結晶ガラス成分全量に対する含有量は、各成分とも好ましくは0〜10質量%であり、より好ましくは0〜5質量%である。これらの成分が各々10質量%より多くなると結晶性が弱くなり、ディオプサイドの析出量が少なくなって誘電損失が大きくなる傾向にある。
また、ディオプサイド結晶ガラス成分としては、誘電損失等の特性を損なわない範囲で上記以外の成分を含んでいてもよい。
本発明のガラスセラミックス焼結体は、CaMgSiで示されるディオプサイド型結晶相を主相とするガラス成分と、アルミナフィラー等のセラミックスフィラーと着色顔料により構成される。それらを以下の混合工程、シート成型工程、積層工程、焼成工程を経ることにより、ガラスセラミックス焼結体を作製する。
ガラス粉末、セラミックスフィラーおよび着色顔料と、結合剤、溶剤、可塑剤及び分散剤等を含む有機ビヒクルとを混合し、スラリー状の塗料を調製する。混合は、ボールミル等一般的な塗料製造装置が使用できる。その後のシート成型厚み、塗料装置により、各種添加材の添加量は適宜決定される。
着色顔料の好ましい範囲としては、ガラス成分に対して2質量%〜10質量%を含有することが好ましい。2質量%より少ないと着色効果が不十分なものとなり、表面から下の層のパターンが透けて見えてしまい、設計パターンによっては外観上不良と認識されてしまう可能性がある。10質量%より多い場合、ガラスセラミックス焼結体の焼結密度の低下傾向が見られ、基板強度等の信頼性が問題となる可能性がある。
結合剤としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂及びメタアクリル酸樹脂等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル等が挙げられる。溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
調製した塗料を、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート等の支持体上に成膜する。これによって、支持体上に基板用グリーンシートを形成することができる。成膜方法としては、ドクターブレード法、カレンダーロール等の成型方法が使用できる。
その後、所定の厚みとなるように複数枚のシートを積層圧着し、積層基板を成型する。
次に、成型した積層基板中の有機ビヒクル等の成分を加熱大気雰囲気中で除去した後、800〜1000℃の大気雰囲気中で焼成を行う。これにより、CaMgSiで示されるディオプサイド型結晶相が析出され、緻密な低損失のガラスセラミックス焼結体となるとともに着色された状態が実現される。
次に、本発明のガラスセラミックス配線基板の製造方法の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、ガラスセラミックス配線基板の製造過程を説明するための断面図である。
本実施形態のガラスセラミックス配線基板の製造方法では、まず、図1(a)に示すように、ビア導体パターン3、内部導体パターン5及び表面導体パターン6の少なくとも一つが形成された基板用グリーンシート2a〜2d を用意する。まずは、基板用グリーンシート2a〜2dに、導体パターン(内部導体パターン、表面導体パターン、実装用の表面端子パターンや、ビア導体パターン等)を形成する。具体的には、基板用グリーンシート2a〜2dの所定の位置に貫通孔(ビアホール)を形成し、ここに導体ペーストを充填することによりビア導体パターン3を形成する。また、内層となる基板用グリーンシート2b及び2cの表面に所定のパターンで導体ペーストを印刷し、内部導体パターン5を形成する。さらに、最も外側に配置される基板用グリーンシート2a及び2dには、表面導体パターン6および実装用の表面端子パターン4を形成する。なお、基板用グリーンシート2a〜2dには、必要に応じて電子素子(インダクタやキャパシタ等)を形成してもよい。
導体パターンの形成に用いる導電ペーストは、例えば、Ag、Ag−Pd合金、Cu、Ni等の各種導電性金属や合金からなる導電材料と有機ビヒクルとを混練することにより調製することができる。導電ペーストに用いられる有機ビヒクルは、バインダと溶剤とを主たる成分として含有する。バインダ、溶剤及び導電材料の配合比に特に制限はなく、例えば、導電材料に対して、バインダを1〜15質量%、溶剤を10〜50質量%配合することができる。導電ペーストには、必要に応じて各種分散剤や可塑剤等から選択される添加物を添加してもよい。
次に、図1(b)に示すように、基板用グリーンシート2a,2b,2c及び2dをこの順で積層してガラスセラミックス配線積層体111を得る。
次に、ガラスセラミックス配線積層体111をプレスする。プレス後に、焼成を行うことにより、図1(c)に示すようなガラスセラミックス基板112となる。また、ビアホール内のビア導体パターン3はビア導体31となる。また、実装用の表面端子パターン4は実装用の表面端子41となり、内部導体パターン5は内部導体51となり、表面導体パターン6は表面導体61となる。
次に、場合によっては、めっきにより、金を表面導体パターン上に施しても良い。その際には、金めっきの下地としてニッケル、パラジウム等の金属を施しても良い。
以上、図1に示すガラスセラミックス配線基板の製造方法を説明したが、本発明のガラスセラミックス基板及びガラスセラミックス配線基板の製造方法は上述の方法に限られるものではない。また、このように得られたガラスセラミックス配線基板について、その表面導体パターンの認識性について評価することで、その効果が確認される。
実施例及び比較例を参照して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[着色顔料の作製]
TiO2、ZnO、MnCO、Fe、Co、CuOを用意し、仮焼、微粉砕後の組成比が表1の顔料1に示す値となるように秤量し、ボールミルを用いて湿式混合を16時間行った。得られたスラリーを十分に乾燥させた後、大気中、1100℃で2時間保持する仮焼を行い、仮焼体を得た。その後、仮焼体が平均粒径1.0μmになるまでボールミルにより微粉砕した後、微粉砕粉末を乾燥させ着色顔料粉末を準備した。
[ガラスセラミックス基板の作製]
ガラス粉末(SiO=50質量%、CaO=16質量%、MgO=20質量%、Al2O3=5質量%となるディオプサイドを析出する結晶化ガラス粉末)とアルミナフィラーおよび前述の着色顔料を準備した。アルミナフィラーは平均粒径が1.5μmのものを準備した。
アクリル系樹脂を19.4g、トルエンを59.1g、エタノールを3g、可塑剤(ブチルフタリルグリコール酸ブチル)を6.5g混合して、有機ビヒクルを調製した。そして、ガラス粉末、アルミナフィラー、着色顔料及び調製した有機ビヒクルを配合し、ボールミルを用いて24時間混合して、基板用グリーンシート2a〜2dを形成するための塗料を調製した。
上述の基板用グリーンシート用塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ドクターブレード法により成膜して基板用グリーンシートを形成した。なお、グリーンシートの厚みは、焼成後に50μmとなるように調整した。その後、表層用シートに銀ペーストを用いて表面導体用パターン(表面導体パターンや実装用の表面端子パターン)をスクリーン印刷した。
次にこれらを所定の順序に重ねた後、74MPaでプレス後、大気中、900℃で2時間焼成し、図2に断面構造を示した多層構造の表面導体8を有するガラスセラミックス基板113を得た。焼成後のガラスセラミックス基板の厚さは0.2mmであった。その後、表面導体上にニッケルを下地にした後、金めっきを施した。ガラスセラミックス基板の素地部分に使用したアルミナフィラー、着色顔料の含有量は、表2に示すとおりであった。
(比較例1)
着色顔料添加しないことを除いて、実施例1と同様の方法にてガラスセラミックス基板を作製した。ガラスセラミックス基板におけるガラス成分、アルミナフィラーの組成は、表2に示すとおりであった。
(実施例2)
[着色顔料の作製]
出発原料をTiO2、ZnO、MnCO、Feとした以外は実施例1と同じ条件で作製した。組成比は表2に示した。
[ガラスセラミックス基板の作製]
着色顔料が上記組成であること以外を除いては、実施例1と同様の方法にてガラスセラミックス基板を作製した。
(実施例3)
[着色顔料の作製]
出発原料をTiO2、ZnO、MnCO、Fe、Coとした以外は実施例1と同じ条件で作製した。組成比については表1に示した。
[ガラスセラミックス基板の作製]
着色顔料が上記組成であること以外を除いては、実施例1と同様の方法にてガラスセラミックス基板を作製した。
(実施例4)
[着色顔料の作製]
仮焼き温度を900℃とした以外は実施例3と同じ条件で作製した。組成比は表2に示した。
[ガラスセラミックス基板の作製]
着色顔料の仮焼き温度が上記900℃で組成が上記組成であること以外を除いては、実施例1と同様の方法にてガラスセラミックス基板を作製した。
(比較例2)
[着色顔料の作製]
MnCO、Fe、CuOを用意した。これら原料粉末を、表1に示したそれぞれの酸化物換算で、仮焼、微粉砕後の組成比が表1に示す値となるように秤量し、ボールミルを用いて湿式混合を16時間行った。得られたスラリーを十分に乾燥させた後、大気中、1100℃で2時間保持する仮焼を行い、仮焼体を得た。その後、仮焼体が平均粒径1.0μmになるまでボールミルにより微粉砕した後、微粉砕粉末を乾燥させ着色顔料を準備した。
[ガラスセラミックス基板の作製]
着色顔料が上記組成であること以外を除いては、実施例1と同様の方法にてガラスセラミックス基板を作製した。
(比較例3)
[ガラスセラミックス基板の作製]
着色顔料をFeとしたこと以外を除いては、実施例1と同様の方法にてガラスセラミックス基板を作製した。
(実施例5)
[着色顔料の作製]
実施例1と同じ条件で着色顔料を準備した。
[ガラスセラミックス基板の作製]
ガラスセラミックス焼結体におけるガラス、アルミナフィラー、着色顔料の組成が異なる以外は、実施例1と同様の方法にてガラスセラミックス基板を作製した。なお、組成比については表1に示した。
Figure 0005678950
[ガラスセラミックス基板評価]
かくして得られたガラスセラミックス基板について、比誘電率、誘電損失、相対密度、結晶性、表面導体パターンの認識性、ガラスセラミックス基板素地の色合いについて評価しし、結果を表2に示した。
各種評価項目については以下の方法にて評価した。
(1)比誘電率εr及び誘電損失tanδ
比誘電率εr及び誘電損失tanδについては、空洞共振器摂動法を使って2GHzでの特性を評価した。この際、評価として導体パターン(内部導体パターン、表面導体パターン、実装用の表面端子パターンやビア導体パターン等)は形成せず、ガラスセラミックス焼結体を所定の形状に成型して評価を行った。
(2)焼結相対密度
焼結相対密度については、上記と同様に導体パターンを含まないガラスセラミックス焼結体をアルキメデス法により比重を測定(Sg)した後、以下の計算式により焼結相対密度とした。相対密度(%)=Sg/[(ガラスの比重×含有率(%))+(セラミックスフィラーの比重×含有率(%))+(着色顔料の比重×含有率(%))]
(3)表面導体パターン認識性
表面導体パターン認識性に関しては、マウンタ装置でのパターン認識性による評価を行い、結果を表2に示した。

Figure 0005678950
表2から明らかな通り、比較例1にある着色顔料を添加しない場合においては、比誘電率εr8以下、誘電損失tanδ4×10−4以下、焼結相対密度98%以上となり、実用上問題ない。しかし、ガラスセラミックス素地が白色であるため、表面導体とガラスセラミック素地とのコントラストがはっきりせず、表面導体パターン認識性が悪く、不具体が生じた。
比較例2は、表面導体とガラスセラミックス素地とのコントラストがはっきりし、表面導体パターン認識上問題はなかったが、誘電損失の増大、焼結密度の低下が見られた。比較例3は、着色顔料を添加しない場合と比較すると、若干の着色は確認出来たが、表面導体パターン認識性を十分に満足するものではなかった。
それに対して、本発明の範囲内となる実施例1〜5いずれにおいても、比誘電率εr8以下、誘電損失tanδ4×10−4以下、焼結相対密度98%以上であり、実用上十分な特性が得られた。更に、ガラスセラミックス素地が濃茶系の色合いを示し、表面導体パターン認識性についても問題のないものとなっていた。また、実施例4にも見られるように着色顔料の製造条件を変え、結晶相を変化させたものにおいても大きな違いは見られず良好なものとなっていた。
(実施例6、7、8、9)
[着色顔料の作製]
実施例1に同じ条件にて、同様の着色顔料を準備した。
[ガラスセラミックス配線基板の作製]
ガラス粉末(SiO=50質量%、CaO=19質量%、MgO=22質量%、Al2O3=1質量%、CuO=0.05質量%、SrO=8質量%となるディオプサイドを析出する結晶化ガラス粉末)とアルミナフィラーとを準備した。アルミナフィラーは平均粒径が2.5μmのものを準備した。
アクリル系樹脂を19.4g、トルエンを59.1g、エタノールを3g、可塑剤(ブチルフタリルグリコール酸ブチル)を6.5g混合して、有機ビヒクルを調製した。そして、ガラス粉末、アルミナフィラー、着色顔料及び調製した有機ビヒクルを配合し、ボールミルを用いて24時間混合して基板用グリーンシート用塗料を調製した。
調製した基板用グリーンシート用塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム上にドクターブレード法により成膜して基板用グリーンシートを複数形成した。なお、グリーンシートの厚みは焼成後に25μmとなるように調整した。その後、表層用シートに銀ペーストを用いて表面導体用パターン(表面導体パターンや実装用の表面端子パターン)をスクリーン印刷した。表層用シート以外のシートに関しても所望の回路に応じて、内層の導体パターン(内部導体パターンやビア導体パターン等)をスクリーン印刷により形成しておく。本実施形態においては、各基板用グリーンシートの所定の位置に貫通孔(ビアホール)を形成し、ここに導体ペーストを充填することによりビア導体パターンを形成している。また、内層となる基板用グリーンシートの表面に所定のパターンで導体ペーストを印刷し、内部導体パターンを形成している。さらに、最も外側に配置される基板用グリーンシートには、表面導体パターンおよび実装用の表面端子パターンを形成したものをそれぞれ準備した。なお、場合によっては各基板用グリーンシートには、必要に応じて電子素子(インダクタやキャパシタ等)を作り込んでおいてもよい。次にこれらを所定の順序に重ねた後、74MPaでプレス後、大気中、900℃で2時間焼成し、図3に断面構造を示したビア導体9、表面端子10、内部導体11、表面導体12を含む多層構造のガラスセラミックス配線基板114を得た。なお、焼成後のガラスセラミックス配線基板の合計厚さは0.10mm、表面導体15が形成された最表層部の厚みは25μmであった。その後、表面導体上にニッケルを下地にした後、金めっきを施した。ガラスセラミックス配線基板の素地部分に使用したアルミナフィラー、着色顔料の含有量は、表3に示すとおりであった。
(実施例10,11)
[着色顔料の作製]
実施例1に同じ条件にて、同様の着色顔料を準備した(顔料1)。
[ガラスセラミックス配線基板の作製]
着色顔料の含有量が異なる以外は、実施例6と同様の方法でガラスセラミックス配線基板を作製した。
(実施例12,13)
[着色顔料の作製]
出発原料におけるTiO2、ZnO、MnCO、Fe組成比を変えた以外は、実施例2と同じ条件で作製した。組成比については表2に示した。
[ガラスセラミックス基板の作製]
着色顔料が上記組成であること以外を除いては、実施例6と同様の方法にてガラスセラミックス基板を作製した。
[ガラスセラミックス配線基板評価]
かくして得られたガラスセラミック配線基板について、比誘電率ε、誘電損失tanδ、焼結相対密度、表面導体パターン認識性、基板素地の色合い、下層パターンの認識性について評価した。下層パターンの認識がしにくいものを○、やや認識しにくいものを△として、表記した。表3に結果を示した。
Figure 0005678950
表3から明らかな通り、実施例6〜11いずれにおいても、ガラスセラミックス素地が濃茶系の色合いを示し、表面導体パターン認識性についても問題のないものとなっていた。
実施例10は、下層のパターンが、少し透けて見えてしまう事が確認された。このような場合、表面導体が形成された最表層の厚みが極端に薄くなると、下層のパターンが透けて外観検査による不具合の可能性が生じる。
実施例11は、下層のパターンが透けて見えることもなく、外観検査における誤認識の発生は確認されなかった。着色顔料のガラスに対する添加量としては、2〜10質量%とすることで、比誘電率ε8以下、誘電損失tanδ4×10−4以下、焼結相対密度98%以上となり、実用上優れた特性を有する。また、ガラスセラミックス素地が濃茶系の色合いを示し、下層パターン透過の影響による外観検査における誤認識の可能性もなく、安定した量産に対応できるものとなる。
実施例12、13においても、ガラスセラミックス素地が濃茶系の色合いを示し、表面導体パターン認識性についても問題のないものとなっていた。
実施例12は、やや誘電損失の上昇傾向が見られ、実施例13においては、下層のパターンがやや透けて見えた。このように、着色顔料に含まれるFe及び/またはMnの合計が、FeおよびMnOとなる酸化物換算で20〜60質量%含有させることで、より安定した低損失配線基板が可能なものとなることが確認された。
本発明によれば、表面導体のパターン認識性に優れ、尚且つ着色された高周波帯域で使用可能な低損失ガラスセラミックス焼結体及びそのようなガラスセラミックス焼結体を備える配線基板を提供することができる。
2a,2b,2c,2d 基板用グリーンシート
3 ビア導体パターン
4 実装用の表面端子パターン
5 内部導体パターン
6 表面導体パターン
111 ガラスセラミックス配線積層体
112 ガラスセラミックス配線基板
31 ビア導体
41 実装用の表面端子
51 内部導体
61 表面導体
8 表面導体
113 ガラスセラミックス基板
9 ビア導体
10 実装用の表面端子
11 内部導体
12 表面導体
114 ガラスセラミックス配線基板

Claims (2)

  1. ガラス成分、セラミックスフィラー及び着色顔料を含有するガラスセラミックス焼結体であり、前記ガラス成分は、少なくともMgO、CaO、SiOを含むディオプサイド型酸化物結晶相を析出する結晶化ガラスであり、前記SiOの含有量は、前記結晶化ガラス全量を基準として、40〜65質量%含有し、
    前記着色顔料としては、少なくともZnO、TiO、MnO、Fe を含、前記FeとMnの合計は酸化物換算、すなわち、FeとMnOの合計で20〜60質量%含有する、イルメナイト型結晶相もしくはスピネル型結晶相で表される、結晶相を有する複合酸化物である、
    前記着色顔料は、前記結晶化ガラス成分に対して2〜10質量%を含有することを特徴とするガラスセラミックス焼結体。
  2. 絶縁基体の内部及び表面に配線導体を形成した積層構造を持ち、前記絶縁基体は請求項1記載のガラスセラミックス焼結体からなる配線基板。
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