JP2795391B2 - 人工玉敷石及びその製造方法 - Google Patents

人工玉敷石及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は玄関、通路、庭池の底、
風呂場の床、或いは、墓地などに敷設する人工玉敷石及
びその製造方法に関するもので、特に、各種の模様を任
意に形成できる人工玉敷石及びその製造方法に関するも
のである。また、用途としてはビー球状の玩具としても
使用可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、玉敷石は殆どが天然品であり、自
然風化によって破壊された岩石が流水によって磨耗さ
れ、丸味を帯びて砂礫となったものを採取し、同種類の
色、大きさのものを選別して使用することが多い。そし
て、特に、美観が要求される場合には、白色の珪石、黒
色の頁岩、頁岩に石英脈が貫入して変質した褐色の角岩
及び緑色、紅色の変性岩等を素材とし、丸い小石状に加
工したものがあり、模様としては黒地、褐色地に白色の
石英の細脈が通ったもの、或いは、白地に褐色の酸化鉄
が埋まった脈状のものなどがある。天然の玉敷石の大き
さは20〜50[mm]で、丸型または楕円型に切断し、研
削加工をしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、天然の玉敷
石は岩石の種類が地域によって異なる場合が多いため、
同一形状の物を多量に揃えることは一般に困難である。
このため、例えば、黒色玉の代表である那智黒の玉敷石
は品質が一定しているが、限られた地域でしか採取でき
ないことから、高級品として出荷され、高価格となって
いる。そこで、白色玉、黒色玉ともに一般品は輸入に頼
っているのが現状である。
【0004】特に、模様入りの玉敷石の場合は、量を確
保することが困難であり、不揃いな模様となることによ
って2級品となり易い。また、光沢のない場合も多く、
汚れ易いことから、一般的には、低価値となっている。
【0005】そして、天然に産するものであるから、模
様は限定されており、任意に形成することができない難
点がある。
【0006】このようなことから、陶磁器原料を用いた
人工のセラミックスからなる玉敷石も考えられる。しか
し、粉砕用の高硬度を有するアルミナボール、ジルコニ
アボール、触媒担体としてのシリカ、アルミナ、合成ゼ
オライト等のファインセラミックスに属するボール状物
などは存在するが、玉敷石として供される人工セラミッ
ク品はないのが現状である。
【0007】そこで、本発明は、模様、形状等の品質が
一定で、しかも、任意に模様を形成できる人工玉敷石及
びその製造方法の提供を課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる人工玉敷
石は、所定含水率の坏土からなる無地または色模様入り
の棒状体を一定寸法に切断し、角取りした後、焼成した
ものである。
【0009】また、本発明にかかる人工玉敷石は、所定
含水率の坏土からなる無地または色模様入りの棒状体を
一定寸法に切断し、角取りした後、焼成及び研磨したも
のである。
【0010】更に、本発明にかかる人工玉敷石の製造方
法は、所定含水率の坏土から無地または色模様入りの棒
状体を形成する棒状体形成工程と、形成された無地また
は色模様入りの棒状体を一定寸法に切断し、角取りする
造粒工程と、造粒された成形体を焼成する焼成工程とか
らなる。
【0011】そして、本発明にかかる人工玉敷石の製造
方法は、所定含水率の坏土から無地または色模様入りの
棒状体を形成する棒状体形成工程と、形成された無地ま
たは色模様入りの棒状体を一定寸法に切断し、角取りす
る造粒工程と、造粒された成形体を焼成する焼成工程
と、焼成された焼成体の表面を研磨する研磨工程とから
なる。
【0012】
【作用】本発明においては、無地または色模様入りの棒
状体が所定含水率の坏土で形成されているので、簡単に
一定寸法に切断され、回転、振動などの手段によって角
取りされる。そして、角取りした後に焼成することによ
って、坏土は固化し、小石状態となる。完成した玉敷石
はほぼ一定の形状に形成されるとともに、棒状体に異色
粉粒体を混入し、または、異色の棒状体を撚り合わせ、
或いは、異色の板材を積層するなどによって簡単に各種
の模様を形成し得る。更に、焼成した後、研磨しない場
合には、表面に所要の光沢は出ないものの、水に濡れた
ときなどにおいて、その表面に水分を含み、独特の外観
を呈する。
【0013】また、別の発明においては、焼成後、研磨
しているので、特に、表面に光沢が生じ、優れた美観が
得られる。
【0014】更に、本発明においては、製造工程が棒状
体形成工程と、造粒工程と、焼成工程とからなる簡易な
工程によって高級品としての玉敷石を簡単に製造できる
ため、量産化が可能である。そして、焼成後、研磨しな
い場合には、製作時間を短縮できるとともに、製造コス
トを低減できる。
【0015】そして、別の発明においては、棒状体形成
工程と、造粒工程と、焼成工程と、研磨工程との簡易な
工程からなるので、上記と同じく、高級品としての玉敷
石を簡単に製造することができる。
【0016】ここにおいて、所定含水率の坏土即ち混練
素地は混練機、押出成形機、ロール成形機、撚り合せ機
などの装置を使用して加工するため、粘結剤として、M
C(メチルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム)などの水溶性高分子を加え、含水
率は25%程度としてひび割れ等を防止する。
【0017】また、棒状体に混入する着色粉粒体は、天
然の鉱物、着色素地焼成物の粉砕、分級品でもよいが、
工程を考慮すると、顔料を加えた素地泥をスプレードラ
イヤによって造粒乾燥物としたものが良く、この場合、
揃った粒子を得られ易く、工数的にも有利である。
【0018】素地の着色に使用する顔料としては、酸化
鉄、酸化クロム、マンガン、アルミナピンク、クロマイ
ト粉、チタン黄などがあり、その添加量は通常3%程度
である。素地の白色度を上げるためには亜鉛華を10%
以上加えるのがよい。
【0019】更に、押出成形機より押出された棒状体を
連続的に次の工程に供給する場合は別として、棒状体を
一旦保管して不連続的に供給する場合には、棒状体の表
面に潤滑剤を塗布すると良い。
【0020】焼成した後の表面研磨は砂ずり研磨法によ
って研磨するのが望ましい。光沢を付与するための研磨
砂は陶磁器の硬度に近い珪砂を用いるのが望ましく、ア
ランダム(Al2 3 )では所要の光沢は得られない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0022】本発明によって得られる各種の無地或いは
模様入りの人工玉敷石の例を図1に示す。
【0023】図1は本発明によって得られる各種の人工
玉敷石の例を示す外観図である。
【0024】図において、(a)は白色地、(b)は着
色地、(c)は彩色斑点模様、(d)は彩色斑点模様
帯、(e)は着色帯、(f)は褐色縞及び(g)は白色
縞であり、これらが代表的な人工玉敷石の外観である。
【0025】〈第一実施例〉まず、本発明の第一実施例
を図1の(c)の人工玉敷石を例として図1乃至図6に
基づき説明する。
【0026】図1の(c)において、人工玉敷石1は白
色地2に着色斑点3が混在したものである。着色斑点3
は任意の色とすることができ、第一実施例ではグリーン
色とした。
【0027】この人工玉敷石1は以下のようにして製造
した。
【0028】図2は本発明の第一実施例による人工玉敷
石の製造工程を示す工程図、図3は図2の着色粉粒体形
成工程において使用する着色粉粒体製造用装置の模式
図、図4は図2の棒状体形成工程において使用する連続
製造機の模式図、図5は本発明の第一実施例による人工
玉敷石の製造途中における棒状体を示す斜視図、図6は
本発明の第一実施例の人工玉敷石の製造において使用す
る造粒機の概略図である。
【0029】人工玉敷石1の製造においては、まず、着
色粉粒体形成工程Aで、着色粉粒体の成形を行なった。
【0030】着色粉粒体は、長石50%、陶石20%、
カオリン30%からなる磁器素地100[kg]を多数のア
ルミナボールを入れたトロンミル11に投入し、更に、
水100 [l]、酸化クロム2[kg]を加えて2時間攪拌混
合した。次いで、その混合液を取出し、CMCを0.3
[kg]添加し、供給ポンプ12を使用してスプレードライ
ヤ13の塔頂に送給した。スプレードライヤ13に供給
された混合液は傾斜壁に沿って回転しながら重力落下す
る間に遠心力で分散され、蒸気で間接加熱されて乾燥固
化される。これによって、グリーンに着色された60〜
80ミクロンの造粒乾燥物110[kg]を得た。引き続
き、この造粒乾燥物をシャトルキルン14で1200℃
に4時間保持してグリーンの焼成造粒素地即ち着色粉粒
体100[kg]を得た。
【0031】次に、棒状体形成工程Bで、図4に示す、
混合機、混練機、押出成形機からなる連続製造機21の
うちの混合機22に、前記長石50%、陶石20%、カ
オリン30%からなる磁器素地25[kg]、着色粉粒体形
成工程Aで得たグリーンの着色粉粒体25[kg]、水を全
体の25%である12.5 [l]及びCMC1[kg]を投入
して混合し、更に、混練機23で十分に混練して坏土を
作成した後、押出成形機24を使用して口金25から長
さ1000[mm]のグリーン斑点模様の棒状体31を得
た。
【0032】次いで、造粒工程Cで、グリーン斑点模様
の棒状体31を図6の供給機41の頂部に設けた供給口
から連続的に投入してねじりをつけながらその棒状体3
1を加圧押出しし、切断、角取りして略球形化の連続操
作が可能な造粒機42に供給した。造粒機42では、ま
ず、加圧押出部43で棒状体31を楕円形の半割金型に
より左右から連打して略楕円形の断面とした棒状体に加
圧変形させつつ送り出し、続いて、切断部に備えられた
対向する左右一対の回転刃44の接点部分で20[mm]の
一定長さに切断し、前記回転刃44の上側及び下側の曲
面部分で大まかな球形状に形成した。なお、切断後、切
断物同士が粘着することがあるので、菜種油1 [l]にパ
ラフィン3gを溶かした潤滑油を切断直前の棒状体31
に刷毛、ブラシ、スプレー等の塗装手段によって塗布し
ておいた。
【0033】一定の大きさに切断した切断物は、回転す
る円筒回転体45の内部に上蓋の開口部から落下させ、
回転する間に丸めて、長さ25〜30[mm]の偏平な紡錘
状成形物46とし、更に、円筒回転体44の下方に配設
された補集用ベルト47に落下させた後、収納箱48内
に保管した。紡錘状成形物46は1分間に20個の割合
で生成した。
【0034】この後、焼成工程Dで、予め、前記紡錘状
成形物46を20cm角の焼成サヤ5枚に入れ、最高20
0℃の乾燥室内で12時間乾燥してから、ガスシャトル
炉で1200℃に4時間保持し、徐冷して焼成体24[k
g]を得た。
【0035】得られた焼成体は、研磨工程Eで、その2
4[kg]を100[kg]トロンミルに投入し、珪砂50[k
g]、水60 [l]を加えて24時間回転させた後、10[m
m]網目皿を通して300 [l]槽に流し出し、網目皿上に
残った玉敷石を水洗し、広げて風乾した。
【0036】以上によって、最終的に得られた玉敷石は
重量が平均24g、平均寸法が25×25×17[mm]の
楕球状をなし、白地にグリーンの斑点模様が一様に入い
った小石状物であり、その表面は光沢があって優れた美
観を呈する。
【0037】なお、本実施例においては、着色粉粒体を
磁器素地に混入することによって白地にグリーンの斑点
模様の入いった人工玉敷石を形成したが、着色粉粒体を
混入せず、磁器素地そのものから、或いは、顔料を添加
した磁器素地から形成した無地の棒状体を使用した場合
には、図1の(a)或いは(b)の無模様の人工玉敷石
が形成される。
【0038】このように、上記実施例の人工玉敷石は、
磁器素地及びグリーンの着色粉粒体からなる所定含水率
の坏土から斑点模様入りの棒状体31を形成し、この棒
状体31を一定寸法に切断、角取りして略球形化した
後、焼成し、研磨したものである。
【0039】したがって、上記実施例によれば、磁器素
地色にグリーンの斑点模様入りの棒状体31が所定含水
率の坏土で形成されているので、簡単に一定寸法に切断
でき、かつ、回転、振動などの手段によって角取りして
球形化できる。そして、球形化した後、焼成することに
よって、坏土を固化し、ほぼ一定の形状、模様の小石状
態とすることができ、更に、表面を研磨することによっ
て、光沢が付与でき、優れた美観を得ることができる。
【0040】また、上記実施例の人工玉敷石の製造方法
は、所定含水率の坏土から斑点模様入りの棒状体31を
形成する棒状体形成工程Bと、形成された棒状体31を
一定寸法に切断し、角取りして球形化する造粒工程C
と、造粒された紡錘状成形物46を焼成する焼成工程D
と、焼成された焼成体の表面を研磨する研磨工程Eとか
らなる。
【0041】したがって、上記実施例によれば、棒状体
形成工程Bと、造粒工程Cと、焼成工程Dと、研磨工程
Eとからなる簡易な工程により、高級品としての人工玉
敷石1を簡単に製造することができ、量産が可能とな
る。
【0042】なお、この実施例は、請求項1乃至請求項
3、請求項6乃至請求項8の態様に相当する。
【0043】〈第二実施例〉次に、本発明の第二実施例
を図7に基づいて説明する。
【0044】図7は本発明の第二実施例の人工玉敷石の
製造において使用する造粒機の概略図である。図中、図
6と同一符号は第一実施例の構成部分と同一または相当
する部分である。
【0045】第二実施例では、図1の(d)及び(e)
の人工玉敷石を示す。
【0046】図1の(e)の人工玉敷石の製造は以下の
ようにして行なった。
【0047】まず、第一実施例で用いたと同一の長石5
0%、陶石20%、カオリン30%からなる磁器素地5
0[kg]を混合機22に投入し、これに水12.5 [l]、
CMC1[kg]を加えて混合し、混練機23で混練した
後、押出成形機24の口径20[mm]の口金25を通し
て、図5に示す、長さ1000[mm]の白色棒状体32を
成形し、湿布をかけて水の蒸発を防止しながら保管し
た。
【0048】同様にして、長石50%、陶石20%、カ
オリン30%からなる磁器素地50[kg]を混合機22に
投入し、これに陶試紅(マンガン−アルミナピンク顔
料)を1.5[kg]、水を13 [l]、CMCを1[kg]加え
て混合し、混練機23で混練した後、押出成形機24の
口径20[mm]の口金25を通して、図5に示す、長さ1
000[mm]の淡紅色棒状体33を成形し、湿布をかけて
水の蒸発を防止しながら保管した。
【0049】次に、前記白色棒状体32及び淡紅色棒状
体33を供給機41の頂部の2個の供給口から同時に供
給し、撚り合わせつつ造粒機42に送り出した。そし
て、加圧押出し部43で楕円形の半割金型により左右か
ら連打して略楕円形の断面とした棒状体に加圧変形し、
回転刃44を備えた切断部に送り出した。
【0050】以後は、第一実施例と同様の操作によっ
て、最終的に淡紅色の着色帯が白色部を流れるような、
図1(e)の模様の人工玉敷石を得た。この図1(e)
の模様の人工玉敷石も第一実施例の人工玉敷石とほぼ同
一の重量、寸法に形成されている。
【0051】なお、第二実施例では、白色棒状体32と
淡紅色棒状体33とを撚り合わせたが、例えば、白色棒
状体32と第一実施例のグリーン色の斑点模様入りの棒
状体31とを撚り合わせた場合には、白地にグリーン色
の斑点模様が帯状に流れた模様が得られる。この人工玉
敷石は図1(d)に相当し、上品な模様を表出する。即
ち、この第二実施例の人工玉敷石は、所定含水率の坏土
からなる白色棒状体32と淡紅色棒状体33とを撚り合
わせ、或いは、白色棒状体32とグリーン色の斑点模様
入りの棒状体31とを撚り合わせ、一定寸法に切断し、
球形化した後、焼成、研磨したものである。
【0052】したがって、第一実施例と同様の効果を期
待することができる。特に、このような上品な流れ模様
の玉敷石は仏教の極楽浄土の思想から5色の玉を揃えて
墓地の玉敷石とすることができ、また、美観に優れるこ
とから庭池の底に敷く玉敷石として適する。
【0053】なお、この実施例は、請求項1、請求項
2、請求項4、請求項6、請求項7及び請求項9の態様
に相当する。
【0054】〈第三実施例〉次に、本発明の第三実施例
を図8乃至図10に基づいて説明する。
【0055】図8は本発明の第三実施例の人工玉敷石の
製造において使用する2段ロール機を示す概略図、図9
は本発明の第三実施例の人工玉敷石の製造途中における
積層体を示す斜視図、図10は図9の積層体を裁断した
角型棒状体を示す斜視図である。
【0056】第三実施例は、図1の(f)、(g)の人
工玉敷石を示す。
【0057】図1の(f)の人工玉敷石の製造は以下の
ようにして行なった。
【0058】まず、第一実施例で用いたと同一の長石5
0%、陶石20%、カオリン30%及び白色度を高める
ために亜鉛華20%を混合してなる磁器素地50[kg]を
混合機に投入した。そして、水15 [l]、CMC1[kg]
を加えて混合し、混練機で混練した坏土を図8の二段ロ
ール機51を使用して押し広げ、厚さ5[mm]、幅300
[mm]、長さ500[mm]の薄板52を形成し、更に、表面
に湿布をかけて水分の蒸発を防ぎながら使用の際に一枚
ずつ取出し易いようにして保管した。
【0059】一方、これとは別に、磁器素地にベンガラ
(酸化鉄)10%、水60%を加えてポットミルで6時
間擦り上げ、その後、この混合液にCMCを磁器素地に
対して2%の割合で加えて泥漿化した着色泥を用意し
た。
【0060】そこで、前記薄板52を1枚広げ、その上
面に前記着色泥を刷毛等で塗布した後、着色泥の上面に
2枚目の薄板52を載せ、2回目の着色泥を塗布して、
以下、順次薄板52と着色泥とを交互に積層、塗布し、
最終的に5枚の薄板52の間に着色泥が介在する高さが
26[mm]の積層体53を得た。次いで、この積層体53
を図9の二点鎖線で示す、26[mm]の一定幅の切断線に
沿って裁断し、略26×26[mm]角の正方形断面で長さ
が500[mm]の角型棒状体54を得た。
【0061】次に、前記角型棒状体54を図6に示す供
給機41の頂部の片方の供給口から供給し、ねじりなが
ら造粒機42に送り出した。そして、加圧押出し部43
で楕円形の半割金型により左右から連打して角型棒状体
54を角取りして略楕円形の断面に加圧変形し、第一実
施例と同様の潤滑油を塗布した後、回転刃44を備えた
切断部に送り出した。そして、切断部では20[mm]の一
定長さに切断した。
【0062】以後は、第一実施例及び第二実施例と同様
の操作を行ない、25×25×17[mm]程度の大きさ
で、23.5gの重量があり、白地に褐色の細線が曲線
状に引かれた縞模様で光沢のある、図1(f)の模様の
小石状の人工玉敷石を得た。
【0063】なお、磁器素地にクロマイト(FeCr2
4 )を主成分とした黒色顔料を10%混合した着色素
地から薄板を成形し、層間に白色の磁器素地泥を塗布し
て積層し、裁断した角型棒状体を使用した場合には、黒
地に白色の曲線が引かれた光沢のある、図1(g)に示
した模様の人工玉敷石を得ることができる。
【0064】また、着色泥を塗布する代わりに、層間に
接着剤を塗布するなどして異色の薄板同士を交互に積層
して積層体とすることもできる。
【0065】これらの白地に褐色の曲線が入った縞模様
の人工玉敷石及び黒地に白色の曲線が入った縞模様の人
工玉敷石は天然の珪石、角岩の玉敷石を模したものであ
る。即ち、この第三実施例の人工玉敷石は、所定含水率
の坏土からなる無地の板材である白色の薄板52にベン
ガラを加えた着色泥を塗布し、或いは、黒色の薄板に白
色の磁器素地泥を塗布して積層し、一定幅に裁断した角
型棒状体54を一定長さに切断し、球形化した後、焼
成、研磨したものである。
【0066】したがって、第一実施例及び第二実施例と
同様の効果を期待することができる。
【0067】なお、この実施例は、請求項1、請求項
2、請求項5、請求項6、請求項7及び請求項10の態
様に相当する。
【0068】ところで、上記各実施例では、焼成後、最
終工程として研磨工程を設け、表面の光沢を出すように
しているが、本発明を実施する場合には、表面研磨を省
略してもよい。この場合には、光沢が出ないためにある
面では外観を低下させることになるが、雨水に濡れたと
きなどにおいて、その表面に水分を含み、乾燥状態と濡
れた状態とで色調が変化し易いため、外観の変化を楽し
むことができる。
【0069】また、研磨はトロンミル等を使用して長時
間運転する必要があるため、この工程を省略することに
よって製作時間が短縮するとともに、装置費が削減さ
れ、運転コスト等が低下するなどの効果がある。
【0070】研磨を省略した場合には、請求項2乃至請
求項5、請求項6乃至請求項10の態様に相当する。
【0071】更に、上記第二実施例及び第三実施例の人
工玉敷石は、2色で形成されているが、本発明を実施す
る場合には、3本以上の異色の棒状体を撚り合わせた
り、3色以上の薄板を積層することによって、カラフル
な人工玉敷石とすることもできる。
【0072】なお、本発明で使用する装置は、上記各実
施例に記載の装置に限定されるものではなく、窯業業界
等で既に使用されている各種の装置を適宜選定して使用
すればよい。
【0073】また、上記実施例では、人工玉敷石は略球
形化したものを前提としているが、本発明を実施する場
合は、球形化または略球形化に限定されるものでなく、
角を除去して角取りして敷石のイメージが表現できれば
よく、その全体形状として、球形、玉子形、それらの偏
平形等の形態が基本的形態となるが、結果的に、角を除
去して角取りし、敷石のイメージが表現できていればよ
い。
【0074】そして、本発明を実施する場合の人工玉敷
石は、その全周を研磨してもよいし、或いはその一部を
研磨したものとしてもよい。勿論、研磨しないものとす
ることもできる。そして、その研磨の程度についても格
別問うものでない。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明の人工玉敷石は、
所定含水率の坏土からなる無地または色模様入りの棒状
体を一定寸法に切断し、角取りした後、焼成したもので
ある。したがって、無地または色模様入りの棒状体が所
定含水率の坏土で形成されているので、簡単に一定寸法
に切断し、回転、振動などの手段によって敷石のイメー
ジが表現できる。そして、敷石のイメージに成形した
後、焼成することによって、坏土が固化し、小石状態に
形成できる。加えて、一定寸法に切断し、略球形化する
ことによってほぼ一定の形状に形成でき、かつ、異色粉
粒体を混入し、または、異色の棒を撚り合わせ、或い
は、異色の板を積層するなどして棒状体を形成すること
によって簡単に各種の模様を形成することができる。更
に、焼成後に研磨をしない場合には、所要の光沢は得ら
れないが、水に濡れたときなどにおいて、その表面に水
分を含み、独特の外観を呈する。
【0076】また、本発明の人工玉敷石は、所定含水率
の坏土からなる無地または色模様入りの棒状体を一定寸
法に切断し、角取りして略球形化した後、焼成及び研磨
したものである。したがって、特に、焼成した後の研磨
によって表面に光沢が生じるため、優れた美観を得るこ
とができる。
【0077】更に、本発明の人工玉敷石の製造方法は、
所定含水率の坏土から無地または色模様入りの棒状体を
形成する棒状体形成工程と、形成された無地または色模
様入りの棒状体を一定寸法に切断し、角取りして略球形
化する造粒工程と、造粒された成形体を焼成する焼成工
程とからなる。したがって、棒状体形成工程と、造粒工
程と、焼成工程とからなる簡易な工程により、高級品と
しての玉敷石を簡単に製造でき、量産が可能である。ま
た、焼成後、研磨をしない場合は、製作時間を短縮でき
るとともに、製造コストを低減できる。
【0078】そして、本発明の人工玉敷石の製造方法
は、所定含水率の坏土から無地または色模様入りの棒状
体を形成する棒状体形成工程と、形成された無地または
色模様入りの棒状体を一定寸法に切断し、角取りして略
球形化する造粒工程と、造粒された成形体を焼成する焼
成工程と、焼成された焼成体の表面を研磨する研磨工程
とからなる。したがって、棒状体形成工程と、造粒工程
と、焼成工程と、研磨工程とからなる簡易な工程によ
り、上記発明と同じく、高級品としての玉敷石を簡単に
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明によって得られる各種の人工玉敷
石の例を示す外観図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例による人工玉敷石の
製造工程を示す工程図である。
【図3】図3は図2の着色粉粒体形成工程において使用
する着色粉粒体製造用装置の模式図である。
【図4】図4は図2の棒状体形成工程において使用する
連続製造機の模式図である。
【図5】図5は本発明の第一実施例による人工玉敷石の
製造途中における棒状体を示す斜視図である。
【図6】図6は本発明の第一実施例の人工玉敷石の製造
において使用する造粒機の概略図である。
【図7】図7は本発明の第二実施例の人工玉敷石の製造
において使用する造粒機の概略図である。
【図8】図8は本発明の第三実施例の人工玉敷石の製造
において使用する2段ロール機を示す概略図である。
【図9】図9は本発明の第三実施例の人工玉敷石の製造
途中における積層体を示す斜視図である。
【図10】図10は図9の積層体を裁断した角型棒状体
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 人工玉敷石 31 棒状体 32 白色棒状体 33 淡紅色棒状体 46 紡錘状成形物 52 薄板 54 角型棒状体 A 着色粉粒体形成工程 B 棒状体形成工程 C 造粒工程 D 焼成工程 E 研磨工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 11/14 C04B 33/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定含水率の坏土からなる無地または色
    模様入りの棒状体を一定寸法に切断し、角取りした後、
    焼成してなることを特徴とする人工玉敷石。
  2. 【請求項2】 所定含水率の坏土からなる無地または色
    模様入りの棒状体を一定寸法に切断し、角取りした後、
    焼成し、更に、研磨してなることを特徴とする人工玉敷
    石。
  3. 【請求項3】 前記所定含水率の坏土からなる色模様入
    りの棒状体は、所定含水率の坏土に異色粉粒体を混入し
    て斑点模様に形成したことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の人工玉敷石。
  4. 【請求項4】 前記所定含水率の坏土からなる色模様入
    りの棒状体は、所定含水率の坏土からなる異色の棒状体
    を撚り合わせてなることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の人工玉敷石。
  5. 【請求項5】 前記所定含水率の坏土からなる色模様入
    りの棒状体は、所定含水率の坏土からなる異色の板材を
    積層し、一定寸法に裁断してなることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の人工玉敷石。
  6. 【請求項6】 所定含水率の坏土から無地または色模様
    入りの棒状体を形成する棒状体形成工程と、 形成された無地または色模様入りの棒状体を一定寸法に
    切断し、角取りする造粒工程と、 造粒された成形体を焼成する焼成工程とを具備すること
    を特徴とする人工玉敷石の製造方法。
  7. 【請求項7】 所定含水率の坏土から無地または色模様
    入りの棒状体を形成する棒状体形成工程と、 形成された無地または色模様入りの棒状体を一定寸法に
    切断し、角取りする造粒工程と、 造粒された成形体を焼成する焼成工程と、 焼成された焼成体の表面を研磨する研磨工程とを具備す
    ることを特徴とする人工玉敷石の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記所定含水率の坏土からなる色模様入
    りの棒状体は、所定含水率の坏土に異色粉粒体を混入し
    て斑点模様に形成したことを特徴とする請求項6または
    請求項7に記載の人工玉敷石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記所定含水率の坏土からなる色模様入
    りの棒状体は、所定含水率の坏土からなる異色の棒状体
    を撚り合わせて形成したことを特徴とする請求項6また
    は請求項7に記載の人工玉敷石の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記所定含水率の坏土からなる色模様
    入りの棒状体は、所定含水率の坏土からなる異色の板材
    を積層し、一定寸法に裁断して形成したことを特徴とす
    る請求項6または請求項7に記載の人工玉敷石の製造方
    法。
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