JPH1192210A - カラー陶磁器の製造方法 - Google Patents

カラー陶磁器の製造方法

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JPH1192210A
JPH1192210A JP9250165A JP25016597A JPH1192210A JP H1192210 A JPH1192210 A JP H1192210A JP 9250165 A JP9250165 A JP 9250165A JP 25016597 A JP25016597 A JP 25016597A JP H1192210 A JPH1192210 A JP H1192210A
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colored powder
powder
colored
clay
color
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JP9250165A
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Inventor
Nobuyasu Okuda
信泰 奥田
Tokusaburo Satomi
徳三郎 里見
Keisuke Katayama
敬介 片山
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OOMI KAGAKU TOUKI KK
Original Assignee
OOMI KAGAKU TOUKI KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/60Production of ceramic materials or ceramic elements, e.g. substitution of clay or shale by alternative raw materials, e.g. ashes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の顔料添加により濃色の発現が可能で、
廃土や汚泥等の低級な原料を使用でき、簡単な工程で、
特に人口玉石の製造に適したカラー陶磁器の製造方法を
提供することにある。 【解決手段】 回転する容器の中で、所定の水分を含む
坏土(12)をボール状に成形してその表面14に着色
粉末をまぶし、次いで焼成し、ほぼ球状から変形した小
石状のカラー陶磁器10を得た。さらに、着色粉末と共
に抗菌性セラミック粉をまぶし、焼成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー陶磁器の製造
方法に関し、特に、建築資材や園芸資材等に適し安価で
色調の優れたボール状カラー陶磁器の製造方法に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、玄関とか玄関に
至るアプローチとか日本式の小庭とかに、自然玉石が敷
設されて用いられてきた。近年、生活環境についての関
心が高まり、個人の敷地内を美しくするだけでなく、公
園や街路等の公共地を緑化することが積極的に進められ
ている。これに伴い、玉石の需要も増大しつつあるが、
自然石であるために採掘や生産の量に限りがあり、需要
を十分に満たすことができない状態にある。また、園芸
分野で鉢物やプランターやコンテナー等の土面をカバー
するために使われたり、ホビー分野で鑑賞魚用水槽の底
に敷設されたり、その外、種々の用途が拡がりつつあ
り、玉石の供給量不足が問題化している。
【0003】そこで、自然玉石に替わる人工玉石が開発
されるようになり、例えば、プラスチック製やガラス製
の玉石状製品が、園芸用途とか各種ホビー用途に使われ
ている。また、屋外での使用に耐えるように耐候性を備
えた陶磁器製の人工玉石についての提案もなされてい
る。これらの玉石状製品は、自然玉石の代替えという位
置づけでスタートしたが、今ではそれぞれが自然玉石と
は異なる個性を備えた新製品として、従来の自然玉石が
使用されなかった分野にも新しい用途を開拓しつつあ
る。外観、物性、価格等々に魅力のある新しい素材が開
発されれば、さらに別の用途が開拓されて市場が形成さ
れ、人々の生活に潤いをもたらす一助となるであろう。
【0004】耐候性に優れた陶磁器製の人工玉石は、屋
外の過酷な環境下で使用できるので、建築資材や園芸資
材、その他の多くの用途で期待されている。人工玉石に
は、従来からの用途を想定して自然玉石に似せた外観・
色付けをしたものや、新しい用途展開を期待して自然玉
石にない外観・色付けをしたものがある。通常、陶磁器
の色付けは釉薬を用いて行うか、着色した原料を用いる
ことによって行われている。前者の場合、成形され乾燥
させられた坏土の表面に釉薬を塗り焼成する1段階焼成
の方式か、あるいは、いったん焼成された素焼きの陶磁
器の表面に釉薬を塗り、その釉薬を融解させるため再び
焼成する2段階焼成の方式か、どちらかの方法が選択さ
れる。しかし、いずれの方法にしても、釉薬を塗る工程
が必要であり、焼成工程においては、釉薬による融着が
生じないように注意しなければならいので、面倒な管理
を必要とし、生産性が低いだけでなく、コストが高い方
法である。また、焼成された製品の光沢が強いため、そ
の用途が限定される問題もある。
【0005】着色した原料を用いる後者の場合、もとも
との原料自身が着色していることもあるし、顔料等の着
色剤を混入させることによって着色させることもある。
赤土、黄土等、もともと着色してる原料の種類は限られ
ているので、多様な色が期待できず、着色剤を混入する
方法が主体とならざるをえない。ルチール、クロマイ
ト、鉄等の着色剤を使用する例が知られている。着色剤
を混入して原料を着色する方法によれば、釉薬を塗布す
る工程を省くことができるが、着色剤を均一に混入する
工夫が必要である。また、製品の外観色に寄与するのは
表面に存在する着色剤だけであるから、内部に存在する
着色剤は無用であり、その分だけ着色剤コストのアップ
となってしまう。このため高価な顔料は使用することが
できず、実用される色合いは限定されてしまう。その
上、混入された着色剤は粘土や骨材や焼結剤等の陶磁器
原料によって希釈されるので、製品の色は淡くなってし
まい鮮明な色合いを得ることができない問題がある。ま
た、原料に対する顔料粉等の添加は、坏土の粘性を低下
させ、成形が難しくなったり、焼成中の破損を招いた
り、製品の強度低下をきたしたりする恐れがある。した
がって、成形性や製品強度を維持するためには良質の原
料が必要であり、廃土や頁岩や汚泥等の安価な原料は使
用できないし、濃い色を出すために多量の着色剤を混入
することは非常に難しいという問題がある。
【0006】そこで本発明者は、少量の着色剤添加で濃
い発色が可能であり、低級で安価な原料を使用できて簡
単な工程の、特に人工玉石の製造に適した、カラー陶磁
器の製造方法について鋭意検討を重ねた結果本発明に至
ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるカラー陶
磁器の製造方法の要旨とするところは、所定の水分を含
む坏土を所望の形状に成形した後、その表面に着色粉末
をまぶし、その上を押しつけて該着色粉末を密着させ、
その後、焼成することにある。
【0008】また、本発明に係わるカラー陶磁器の製造
方法の他の要旨とするところは、回転する容器の中で、
所定の水分を含む坏土をボール状に成形しつつ、その表
面に着色粉末をまぶして密着させ、次いで焼成すること
にある。
【0009】さらに、かかるカラー陶磁器の製造方法に
おいて、前記坏土の構成成分として無機質の産業廃棄物
と/又は汚泥と/又は頁岩が用いられることにある。
【0010】またさらに、かかるカラー陶磁器の製造方
法において、前記着色粉末と共に抗菌性セラミック粉又
は抗菌材をまぶして表面に密着させることにある。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係わるカラー陶磁
器の製造方法について、まず、ボール状カラー陶磁器の
製造を例にして詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明に基づいて製造されたボー
ル状カラー陶磁器の一例を示す断面図である。ボール状
カラー陶磁器10の内部分12は通常の陶磁器原料から
焼成されるものと同じであり、本例においては顔料など
の着色剤を含んでいない。表層部14には多量の顔料が
含まれ、濃色の外観を呈している。
【0013】本発明に係わる製造方法によれば、陶磁器
の原料は特に限定されず、通常用いられるものでよい。
すなわち、カオリン、粘土、雲母、陶石等の可塑性原
料、長石、珪石、石灰石、マグネサイト、アルミナ等の
非可塑性原料、金属及び酸化鉄などの各種金属酸化物、
等々を用いることができる。また、本発明に係わり製造
されるボール状カラー陶磁器においては、その形状が丸
くて破損しにくいため、用いる原料も比較的低級の原料
を使用することができる。例えば、陶磁器の製造現場か
ら発生する多種類の坏土クズや、通常の陶磁器では用い
ることのできない頁岩や、廃土、汚泥等も用いることが
できる。顔料を原料に混入して色付けする従来技術で
は、顔料の混入により坏土の粘り気が失われるため、ボ
ール形状の陶磁器に対してでもこれらの低級原料を使用
することはできなかった。
【0014】適当に選択され調合された陶磁器原料を粉
砕し混練りする方法は、従来の一般的な方法と同じであ
り特に限定されるものではない。粉砕には、ボールミ
ル、インペラブレーカー、ディスクミル、スーパーサン
ザー等々を、混練りには、トロンミル、パックミル、ス
クリーンフィーダー等々を用いることができる。このよ
うにして調合され混練りされた坏土は、例えば、スクリ
ーンフィーダーやパックミルのような混練り機から直
接、又は、真空押し出し成形機のような機械を用いて、
図2に示されるような、シリンダー状の小さな塊にして
分取される。その1個づつが、ボール状のカラー陶磁器
10を形成するものであるから、その大きさは用途に応
じて適切に設定されなければならない。自然石的な感じ
が適する用途に対しては、焼成された最終製品の大きさ
や形状が適当にばらついている方がよく、前記小塊状坏
土の大きさを適当にばらつかせるとよい。また逆に、人
工的感じを強く出すため、大きさを揃えるのが適切な用
途もある。通常、直径3mmから100mm位の大きさ
が好ましく、特に好ましくは5mmから30mm位であ
る。
【0015】ここで分取された小塊状の坏土は、次の成
形工程に移されてボール状に丸められるが、この間、破
損したり崩れたりダンゴ状に固まったりしてはならな
い。そのためには適性な粘弾性を確保するための適度の
水分が必要である。水分が少な過ぎれば、粘性が乏しい
ために脆くて崩れ易く、水分が多過ぎれば、潰れたりダ
ンゴ状に固まったり、あるいは回転容器の内面に付着し
て成形できなくなったりしてしまう。一般的には、17
重量%〜23重量%の水分率が好ましいが、用いる原料
によって、その値が若干異なることはいうまでもない。
【0016】分取された小塊状の坏土は、回転軸が水平
方向又は所定の角度方向に傾斜させられた回転容器内に
入れられ、ボール状に丸められ、着色粉末をまぶされ
る。回転する容器としては、通常のロータリー乾燥機や
ロータリーミキサーを用いることができるし、同様のも
のを特別に製作して用いてもよい。適度の成形性を備え
た坏土の小塊は、回転する容器内で転がされ、容器の内
壁でその凸部を押しつぶされて次第に丸くなり、図2に
例示されるシリンダー状の形状からボール状に変形して
いく。成形時間を十分長くとれば、ほぼ球状に成形され
るし、成形時間を短かめにすれば、適度にばらついた形
状の小石状となる。すなわち、ボール状とは球状だけで
なく、不規則な形状をした小石状のものまで含む概念で
ある。
【0017】次に、予定された通りのボール状に成形さ
れたことを確認した後、着色粉末を該回転容器内に投入
しボール状坏土に付着させる。坏土は適当量の水分を含
んで適度の粘弾性を備えているから、坏土表面に付着し
た着色粉末は、回転容器の内壁に当たって押し込まれ坏
土表面に固着するようになる。このようにして付着と固
着のサイクルが繰り返され、坏土の表面がある程度の厚
さに着色粉末で覆われると、着色粉末を付着させる表面
粘性が失われるので、もはや新しく着色粉末が付着する
ことはなくなる。すなわち、自動的に着色粉末の付着量
がコントロールされる。このようにして形成されるカラ
ー表層部14の厚みは1mm以下、通常は0.5mm以
下であり非常に薄い層であるが、そこに含まれる顔料の
割合は高く数%にもなるので、従来技術では見ることの
できない濃色で鮮明な外観を得ることができる。着色粉
末の添加量は、成形されるボール状素地の大きさや固さ
によって異なり、坏土量に対して1〜30重量%である
が、一般的には、2〜10重量%である。着色粉末の供
給は、容器を回転させながら徐々に行い、個々の坏土塊
に均等に付着させる。ボール状の坏土表面を濡らして着
色粉末付着を容易にするため、着色粉末投入の直前に水
等の液体を噴霧する等により少量添加することもでき
る。
【0018】着色粉末は顔料粉をそのまま用いることも
できるが、素地との焼結性や耐火度や色合いを調整する
ため、他の成分と混合されて用いられるのが好ましい実
施態様である。すなわち、長石のような焼結剤や粘土の
ような可塑剤、石英等のガラス成分、ガラス廃材の粉末
等と混合して供給し、顔料の固着を助け色合いの調整を
行うことができる。顔料粉の割合は、通常20%以下で
あるが、これに限定されるものではない。
【0019】用いられる顔料粉は、通常陶磁器の製造に
用いられる物でよく、特に限定されない。例えば、青色
にはトルコ青やコバルトブルー、赤色にはマンガンピン
クや鉄赤、黄色にはプラセオジウム黄やルチール黄、緑
色には酸化クロム、等々を用いることができる。これら
の顔料粉を含んで調合された着色粉末は、陶磁器の焼成
温度、1200℃〜1300℃において融解せず素地と
焼結するため、焼成した陶磁器製品の色合いは、従来技
術では得られない、鈍い光沢で深い色調を示す物とな
る。顔料は一種類を単独に用いてもよいし、二種類以上
を混合して用い混色の製品を製造してもよい。また、異
なる顔料を含む着色粉末を段階的に分けてまぶし多色の
製品を製造してもよい。
【0020】着色粉末と抗菌性セラミック粉又は抗菌材
とを混合してまぶし、焼成して得たボール状カラー陶磁
器は、美観向上の効果と共に、抗菌作用に基づく水の浄
化効果も発揮するので、鑑賞魚や活魚の水槽、池等の水
中で用いられる用途において特に有用である。抗菌性セ
ラミック粉又は抗菌材は着色粉末と共に坏土の表面だけ
に高濃度で付着するので、水と接触効率がよくて抗菌効
果が高められる。抗菌性セラミックとしては、銀、銅、
錫、白金、チタン等々の抗菌性金属を含むセラミックを
用いることができるが、これらに限定されるものではな
い。また、抗菌材としては、上記抗菌性金属の粉末等々
を用いることができる。
【0021】本発明のカラー陶磁器の製造方法において
用いる着色粉末の大きさは、5μm以上1000μm以
下とするのが好ましく、さらに好ましくは10μm以上
100μm以下である。着色粉末が小さ過ぎると、坏土
に付着する量が少なくなるため濃色が得られず、粉砕コ
ストが高くなるため着色粉末の価格がアップするし、飛
散が生じやすいため作業性が悪くなるので好ましくな
い。また、着色粉末が大き過ぎると、坏土に付着しにく
くなるため、均一な色合いが得られなかったり、ロット
間のばらつきが大きくなったりして好ましくない。
【0022】着色粉末が固着したボール状の素地は回転
容器から取り出されて、焼成工程に移される。焼成は通
常の焼成窯を用いて行う。電気窯、ガス窯、灯油窯等の
機械窯や登り窯、穴窯等を用い、定法によって焼成され
る。例えば、トンネルキルン、シャットルキルン、ロー
ラハースキルン、ロータリーキルン等々を用いることが
できる。
【0023】このようにして製造されたボール状カラー
陶磁器10は、薄い表層部14だけに顔料が集中して含
まれるため、顔料の使用量が少ないにもかかわず、濃色
で鮮明で光沢が少なく深い色調の外観を得ることができ
る。また内部分12は、従来陶磁器と同じく、優れた強
度や耐久性を備えているので、屋外の過酷な環境下の使
用に十分耐えられるものである。さらに、従来技術の原
料着色方法では用いることのできなかった、廃土や頁岩
や汚泥等々を原料に使えるので、コストの大幅な低減が
可能であり、廃棄物の再利用、未開発資源の有効利用等
々の社会的要請に応えることもできる。
【0024】また、このようにして製造されたボール状
カラー陶磁器は、その優れた色調や形状によって、従来
の人工玉石、自然玉石が使用される用途はもちろん、新
しい種々の用途に展開されるものである。すなわち、砂
利と同様にして小石状で敷かれて使われたり、モルタル
床やコンクリートブロックやモルタル壁に埋め込まれた
りして使用される建材用途、庭の一部や街路樹の根元に
敷かれたり、庭池の底部に敷設されたり、鉢やプランタ
ーの表面をカバーして敷かれたり、水栽培鉢の用土とし
て使われたりする園芸用途、その他、鑑賞魚や活魚の水
槽に敷かれたり、手洗いの排水口に敷かれたり、インテ
リア部品として用いられたり、種々の用途に使用され
る。
【0025】特に、水槽内や池の中のように水中で使用
される用途において、抗菌性セラミックをまぶして製造
したボール状カラー陶磁器を用いれば、美観性の向上と
共に、抗菌性に基づく水浄化機能が発揮されるので、そ
こに飼われている魚類や植生されている植物の健全な成
長を助けることができる。
【0026】上述してきたように、本発明はボール状カ
ラー陶磁器の製造に適するが、これに限定されず他の種
々のカラー陶磁器の製造に適用され、その効果が確認で
きるものである。すなわち、本発明の骨子とするところ
は、すでに成形された坏土の表面に着色粉末をまぶし、
薄い表面部分に集中的に顔料を含ませ、少量の顔料を用
いて鮮明で深い濃色、従来にない色合いを発現させるこ
とにあり、その実施態様は様々である。着色粉末が付着
するため、及び、付着した着色粉末が押しつけられて坏
土に固着されるためには、坏土に適度の粘弾性が求めら
れ、坏土の粘弾性に影響する適正量の水分が必要であ
る。坏土表面が幾層かの着色粉末で覆われてしまうと、
もはや着色粉末は付着しなくなり、自動的に薄い表面層
が形成される。成形された坏土が適当量の水分を含むこ
と、及び、着色粉末がまぶされて押しつけられることが
本発明の必要条件であり、その結果、僅かの顔料を用い
るだけで優れた色調の陶磁器を製造できるのである。
【0027】例えば、本発明に係わる製造方法によっ
て、カラータイルを製造することができる。白色無地の
坏土をタイル状に成形し、その上から,着色粉末を振り
掛けてまぶし、平板プレス機で軽く抑え着色粉末を坏土
に固着する。次いで定法により焼成することにより、深
みのある濃色のタイルを得ることができる。それぞれに
色の異なる多種類の着色粉末を用いることにより、多色
模様のタイルとすることもできる。
【0028】また、本発明に係わる製造方法によって、
カップや花瓶等の工芸的な日常用陶磁器を製造すること
もできる。適当な形に成形された坏土表面に着色粉末を
振り掛けてまぶし、手作業で軽く押さえて固着させ、焼
成する。顔料粉の種類、まぶす箇所、まぶす量等々は製
作者の芸術的センスに負うところが多い。
【0029】更に、坏土をボール状に成形した後、着色
粉末をまぶして付着させる装置として、上述したように
回転容器を用いてバッチ式で構成するのも好ましいが、
回転軸を若干傾斜させた回転円筒を用い、連続式で構成
することも可能である。すなわち、回転円筒の上部端部
から所定の大きさにした坏土を順次投入し、その坏土を
回転させながら徐々に下部端部へ転がし、その間にボー
ル状に成形する。そして、同一の回転円筒内の適切な箇
所で、又は他の回転円筒にボール状に成形された坏土を
移し替えて、着色粉末をまぶして、成形体の表面に着色
粉末を付着させるのである。更に、これらバッチ式又は
連続式の装置を適宜組み合わせて構成することも可能で
あり、特に限定されない。
【0030】その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲内で、坏土の構成や調合割合、粉砕方法、混練り方
法、成形方法、着色粉末の調合方法や添加方法、顔料粉
の種類や添加量、焼成方法、陶磁器の種類等々につき、
当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加え
た態様で実施し得るものである。
【0031】本発明の実施例を、以下に詳しく説明す
る。
【0032】第1の実施例 木節粘土20部、長石40部、頁岩40部を、ボールミ
ルとスクリーンフィダーを用いて粉砕・混練りし、スク
リーンフィダーから図2に示されるのと同様のシリンダ
ー状小塊で取り出した。小塊の大きさは10mm〜50
mm位であり、水分量は18重量%であった。この坏土
小塊をロータリーミキサーに入れて回転させながら観察
したところ、3分後に大体小石状に丸くなったのが確認
されたので、青色の着色粉末を少しずつ加え、坏土に対
して10重量%添加した後しばらくして回転を止めた。
着色粉末は陶石55部、長石10部、木節粘土35部、
トルコ青10部から調合されたものであった。次に、こ
の小石状坏土を焼成匣に移し、95℃で乾燥させ、引き
続き1260℃で焼成した。焼成された磁器は平均直径
が約35mmの小石状で吸水性はなく、外観は深みのあ
る濃い青色であった。また、その断面は図1に示される
ようであり、表層部14の厚さは約0.2mmであっ
た。
【0033】同様にして、黄色顔料としてプラセオジウ
ム黄を、白色原料としてカオリンを用いることにより、
黄色と白色の小石状カラー陶磁を製造した。このように
して製造された、青、黄、白の小石状カラー陶磁器を混
ぜ合わせ、玄関へのアプローチや街路樹の根元に敷設し
たりすると、従来の自然玉石では見られないカラフルな
景観を生みだすことできた。
【0034】第2の実施例 ロータリーミキサーでの成型時間を12分と長くして、
坏土の形状をさらに丸くしほぼ球状としたこと、着色粉
末と共に銀系の抗菌剤を添加したことの他は、第1の実
施例と同じ条件で、抗菌性の球状カラー陶磁器を製造し
た。これを熱帯魚の水槽や庭の池底に敷いたところ、水
が濁らなくなり、抗菌による浄水効果が確認された。
【0035】
【発明の効果】本発明に係わるカラー陶磁器の製造方法
によれば、薄い表層部だけに顔料が集中して含まれるた
め、顔料の使用量が少ないにもかかわず、濃色で鮮明で
深い色調の、従来にない色合いの外観を得ることができ
る。また、顔料の使用量が少なくてすむため、従来技術
では使用することのできなかった高価な顔料も用いるこ
とができるようになる。また、内部分には顔料が含まれ
ないため、強度や耐久性が低下することがなく、従来技
術では用いることのできなかった廃土や頁岩や汚泥等を
原料に使えるので、コストの大幅な低減が可能であり、
廃棄物の再利用や、陶磁器の製造には適さなかった未開
発資源の有効利用等々の社会的要請に応えることもでき
る。
【0036】また、このようにして製造されたボール状
カラー陶磁器は、その優れた色調や形状によって、従来
の自然玉石、人工玉石が使用される用途はもちろん、新
しい種々の用途に展開される。すなわち、砂利と同様に
して小石状で敷かれて使われたり、モルタル床やコンク
リートブロックやモルタル壁に埋め込まれたりして使用
される建材用途、庭の一部や街路樹の根元に敷かれた
り、庭池の底部に敷設されたり、鉢やプランターの表面
をカバーして敷かれたり、水栽培鉢の用土として使われ
たりする園芸用途、その他、鑑賞魚や活魚の水槽に敷か
れたり、手洗いの排水口に敷かれたり、インテリア部品
として用いられたり、種々の用途に使用される。
【0037】特に、水槽内や池の中のように水中で使用
される用途において、抗菌性セラミックをまぶして製造
したボール状カラー陶磁器を用いれば、美観性の向上と
共に、抗菌性に基づく水浄化機能が発揮されるので、そ
こに飼われている魚類や植生された植物の健全な成長を
助けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わり製造される、ボール状カラー陶
磁器の一例を説明する拡大断面図である。
【図2】本発明に係わり、ボール状に成形される前の、
坏土の形状を拡大して説明する模式図である。
【符号の説明】
10:陶磁器 12:内部分 14:表層部 16:坏土
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 33/14 C04B 33/14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の水分を含む坏土を所望の形状に成
    形した後、その表面に着色粉末をまぶし、その上を押し
    つけて該着色粉末を密着させ、その後、焼成することを
    特徴とするカラー陶磁器の製造方法。
  2. 【請求項2】 回転する容器の中で、所定の水分を含む
    坏土をボール状に成形しつつ、その表面に着色粉末をま
    ぶして密着させ、次いで焼成することを特徴とするカラ
    ー陶磁器の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記坏土の構成成分として、無機質の産
    業廃棄物と/又は汚泥と/又は頁岩が用いられることを
    特徴とする前記請求項1又は請求項2に記載のカラー陶
    磁器の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記着色粉末と共に抗菌性セラミック粉
    又は抗菌材をまぶして表面に密着させることを特徴とす
    る前記請求項1〜請求項3に記載のカラー陶磁器の製造
    方法。
JP9250165A 1997-09-16 1997-09-16 カラー陶磁器の製造方法 Withdrawn JPH1192210A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2008126760A1 (ja) * 2007-04-10 2010-07-22 株式会社Inax 調湿建材及びその製造方法
KR101178004B1 (ko) 2010-02-26 2012-08-28 고경완 도자기 채색물감 조성물 및 그 제조방법
CN104496409A (zh) * 2015-01-18 2015-04-08 宾川县康庄农业观光开发有限公司 一种黄色陶器及制作方法
CN112592153A (zh) * 2020-12-15 2021-04-02 黄俊敏 一种利用云南境内硅质砂岩矿料的活性陶配方及烧制方法

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