JP5677648B2 - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の一実施形態は、グリーンハニカム成形体の封口用治具及びハニカム構造体の製造方法に関し、焼成することによりハニカム構造体となるグリーンハニカム成形体の封口用治具及びハニカム構造体の製造方法に関する。
従来より、例えば、断面多角形の複数の貫通孔を有するセラミック製のハニカム構造体が知られている。このようなハニカム構造体は、ディーゼルパティキュレートフィルタ(ディーゼル粒子フィルタ:Diesel particulate filter)等に用いられる。このようなハニカム構造体は、セラミック原料粉を押出し法等により成形してグリーンハニカム成形体を作製し、このグリーンハニカム成形体を所望の長さに切断後、封口、焼成することにより製造される。特許文献1には、このようなハニカムフィルタを製造する方法が開示されている。特許文献1では、シリンダ内に配置したハニカム構造体の一端に対して、ピストンにより封口材を押圧することにより、ハニカム構造体の貫通孔の端部に封口材を供給し、貫通孔を封口している。
特公昭63−24731号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、封口材の注入や封口箇所を選択するためのマスクの使用、乾燥工程後の精密切断工程が必要となる。
本発明の一実施形態は上記課題に鑑みてなされたものであり、工程数を低減することが可能なハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、柱体の端面で開口し互いに隔壁で区画された複数の貫通孔の一部が封口されたハニカム構造体の製造方法であって、柱体の端面に互いに隔壁で区画された複数の六角形状の貫通孔が開口しているグリーンハニカム成形体の複数の貫通孔の一部に封口用治具を挿入することにより、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口する封口工程を含むハニカム構造体の製造方法である。
この構成によれば、ハニカム成形体の製造において極めて簡単に貫通孔の封口を行うことができる。また、製造されたハニカム構造体は、ディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、ガスの流路の入口を従来の封口方法による物より広くできるため、圧力損失を低減させることが可能となる。このとき、焼成することによりハニカム構造体となるグリーンハニカム成形体を原料から押出成形し、所定の長さに切断した直後に前記封口工程に供することができる。また、原料から押出成形され、所定の長さに切断された直後のグリーンハニカム成形体の貫通孔は六角形状である。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に、ガスの流路において、四角形の孔に比べて短いセル壁の長さで多くの孔が開口したものとなり、ディーゼル粒子フィルタとしてより特性に優れたものとできる。
本発明の他の実施形態では、グリーンハニカム成形体は、1つの第1の貫通孔と、1つの第1の貫通孔の周囲に隔壁を介して隣接した第1の貫通孔よりも小さい開口面積を有する6つの第2の貫通孔とを有し、封口工程では、底面が菱形となる四角錐状及び/又は四角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起を長い方の側辺が第1の貫通孔の隔壁に当接するようにして第2の貫通孔に挿入することにより、隔壁同士を圧着させて第1の貫通孔を封口することができる。
この構成によれば、グリーンハニカム成形体は、1つの第1の貫通孔と、1つの第1の貫通孔の周囲に隔壁を介して隣接した第1の貫通孔よりも小さい開口面積を有する6つの第2の貫通孔とを有している。このため、例えばハニカム構造体をディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、ディーゼル粒子フィルタの入口側で開口面積の大きい第1の貫通孔を封口しつつ開口面積の小さい第2の貫通孔を開口させ、出口側で開口面積の小さい第2の貫通孔を封口しつつ開口面積の大きい第1の貫通孔を開口させることにより、等しい開口面積の貫通孔同士が隣接しているものよりも濾過面積を大きくすることができる。このため、ディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、煤が溜まった時の圧力損失が小さく、煤の捕集効率が高いものとできる。さらに、封口工程では、底面が菱形となる四角錐状及び/又は四角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起を長い方の側辺が第1の貫通孔の隔壁に当接するようにして第2の貫通孔に挿入することにより、隔壁同士を圧着させて第1の貫通孔を封口する。これにより、第2の貫通孔に周囲を囲まれた第1の貫通孔を容易に封口することができる。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に、入口側に適用した場合により特性の優れたものとできる。
また、本発明の他の実施形態では、封口工程では、三角錐状及び/又は三角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起を1個の貫通孔の周囲に隣接する6個の貫通孔ごとに挿入することにより、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口することができる。
この構成によれば、封口工程では、三角錐状及び/又は三角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起を1個の貫通孔の周囲に隣接する6個の貫通孔ごとに挿入することにより、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口する。このため、例えば、複数の三角錐状の封口用突起の側辺それぞれが六角形状の貫通孔の隔壁に当接するようにして、封口用突起が貫通孔に挿入されることにより、容易に互いに隣接する7個の貫通孔の内で中央の1個の貫通孔を封口することができる。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に入口側となる側の封口を効率良く行うことができる。
また、本発明の他の実施形態では、封口工程では、円錐状及び/又は円錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起を6個の貫通孔に周囲を囲まれた1個の貫通孔ごとに挿入することにより、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口することができる。
この構成よれば、封口工程では、円錐状及び/又は円錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起を6個の貫通孔に周囲を囲まれた1個の貫通孔ごとに挿入することにより、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口する。このため、例えば、複数の円錐状の封口用突起の側面が六角形状の貫通孔の隔壁に当接するようにして、封口用突起が貫通孔に挿入されることにより、容易に互いに隣接する7個の貫通孔の内で周囲の6個の貫通孔を封口することができる。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に出口側となる側の封口を効率良く行うことができる。
また、本発明の他の実施形態では、封口工程では、六角錐状及び/又は六角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起を6個の貫通孔に周囲を囲まれた1個の貫通孔ごとに挿入することにより、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口することができる。
この構成によれば、封口工程では、六角錐状及び/又は六角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起を6個の貫通孔に周囲を囲まれた1個の貫通孔ごとに挿入することにより、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口する。このため、複数の六角錐状の封口用突起が同じ六角形状の貫通孔に挿入されることにより、容易に互いに隣接する7個の貫通孔の内で周囲の6個の貫通孔をより滑らかに封口することができる。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に出口側となる側の封口を効率良く行うことができる。
この場合、封口工程では、封口用突起それぞれが六角錐状及び/又は六角錐台状の形状の側辺の部分で最も近接している封口用突起を有する封口用治具により貫通孔を封口することができる。
この構成によれば、封口工程では、封口用突起それぞれが六角錐状及び/又は六角錐台状の形状の側辺の部分で最も近接している封口用突起を有する封口用治具により貫通孔を封口する。このため、封口用突起それぞれは比較的に距離を置いて配置されることになり、封口用治具の製造が容易となる。また、封口後にハニカム構造体の端面に開口した六角形状の孔同士は辺の部分では比較的に距離を置いて配置されることになり、封口された部分が厚くなるため、より高い強度を有するものとできる。
また、本発明の他の実施形態では、封口工程では、封口用突起それぞれが六角錐状及び/又は六角錐台状の形状の底辺の部分を互いに対向させつつ互いに密接している封口用突起を有する封口用治具により貫通孔を封口することができる。
この構成によれば、封口用突起それぞれが六角錐状及び/又は六角錐台状の形状の底辺の部分を互いに対向させつつ互いに密接している封口用突起を有する封口用治具により貫通孔を封口する。そのため、封口後にハニカム構造体の端面に開口した六角形状の孔同士は比較的に密接して配置されることになり、封口された部分の面積が狭くなるため、より圧力損失を低減させることが可能となる。
また、本発明の他の実施形態では、封口工程では、複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起それぞれの谷間に溝を含む封口用治具により貫通孔を封口することにより、圧着された隔壁同士が端面から所定の長さにわたって互いに平行な状態となるように貫通孔を封口することができる。
この構成によれば、封口工程では、複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起それぞれの谷間に溝を含む封口用治具により貫通孔を封口することにより、圧着された隔壁同士が端面から所定の長さにわたって互いに平行な状態となるように貫通孔を封口する。従って、封口後に隔壁同士が互いに平行な状態で圧着されている長さが所定の長さにわたるため、圧着の強度がより向上したものとなる。また、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に、隔壁同士の圧着部における空気抵抗が小さくなり、圧力損失を低減させることが可能となる。
また、本発明の他の実施形態では、封口工程では、複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起それぞれの谷間に丸み面取りがなされている封口用治具により貫通孔を封口することにより、圧着された隔壁同士が端面で丸みを帯びるように貫通孔を封口することができる。
この構成によれば、封口工程では、複数の封口用突起を有する封口用治具の封口用突起それぞれの谷間に丸み面取りがなされている封口用治具により貫通孔を封口することにより、圧着された隔壁同士が端面で丸みを帯びるように貫通孔を封口する。このため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に、隔壁同士の接合部における空気抵抗が小さくなり、圧力損失を低減させることが可能となる。また、接合された端部において、欠け等を生じにくくすることができる。
また、本発明の他の実施形態では、封口工程では、グリーンハニカム成形体が原料から押出成形され、所定の長さに切断された直後に、グリーンハニカム成形体の両方の端面の貫通孔を同時に封口し、グリーンハニカム成形体の少なくとも片方の端面の貫通孔は、複数の貫通孔の一部に封口用治具をそれぞれ挿入することにより、貫通孔を封口することができる。
この構成によれば、封口工程では、グリーンハニカム成形体が原料から押出成形され、所定の長さに切断された直後に、グリーンハニカム成形体の両方の端面の貫通孔を同時に封口し、グリーンハニカム成形体の少なくとも片方の端面の貫通孔は、複数の貫通孔の一部に封口用治具をそれぞれ挿入することにより、貫通孔を封口する。このため、片方の端面ごとに貫通孔の封口を行う方法よりも効率良く貫通孔の封口を行うことができる。
また、本発明の他の実施形態では、原料から鉛直下方に押出成形された直後のグリーンハニカム成形体の下側の端面を封口用治具で支持する支持工程をさらに備え、封口工程では、支持工程で支持された後のグリーンハニカム成形体の下側の端面の貫通孔の一部に封口用治具の複数の封口用突起をそれぞれ挿入することにより、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口することができる。
グリーンハニカム成形体の直径が大きくなると、原料から水平方向にグリーンハニカム成形体を押出成形した場合に重力による曲りが大きくなり、グリーンハニカム成形体を側面で支持することが難しい場合がある。しかし、この構成によれば、支持工程では、原料から鉛直下方に押出成形された直後のグリーンハニカム成形体の下側の端面を封口用治具で支持する。これにより、大直径のグリーンハニカム成形体でも、曲りや貫通孔の歪みを生じさせずにグリーンハニカム成形体を支持することができる。さらに、その後の封口工程では、支持工程で支持された後のグリーンハニカム成形体の下側の端面の貫通孔の一部に封口用治具の複数の封口用突起をそれぞれ挿入することにより、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口する。これにより、支持工程と封口工程とを連続して効率良く行うことができる。
また、本発明の他の実施形態では、封口用治具は、支持面の内側に封口用突起を収容した状態と、支持面の外側に封口用突起を突出させた状態とを選択的に変更可能であり、支持工程では、支持面の内側に封口用突起を収容した状態の封口用治具の支持面によって、原料から鉛直下方に押出成形された直後のグリーンハニカム成形体の下側の端面を支持し、封口工程では、支持面の外側に封口用突起を突出させた状態の封口用治具の封口用突起をグリーンハニカム成形体の下側の端面の貫通孔の一部にそれぞれ挿入することによって、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口することができる。
この構成によれば、封口用治具は、支持面の内側に封口用突起を収容した状態と、支持面の外側に封口用突起を突出させた状態とを選択的に変更可能であり、支持工程では、支持面の内側に封口用突起を収容した状態の封口用治具の支持面によって、原料から鉛直下方に押出成形された直後のグリーンハニカム成形体の下側の端面を支持する。このため、大直径のグリーンハニカム成形体でも、曲りや貫通孔の歪みを生じさせずにグリーンハニカム成形体をより安定させて支持することができる。また、封口工程では、支持面の外側に封口用突起を突出させた状態の封口用治具の封口用突起をグリーンハニカム成形体の下側の端面の貫通孔の一部にそれぞれ挿入することによって、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口する。これにより、グリーンハニカム成形体を支持しつつ、隔壁同士を圧着させて貫通孔を封口することができる。
本発明の一実施形態のハニカム構造体の製造方法によれば、工程数を低減することが可能となる。
(a)は封口前の六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の斜視図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 第1実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の入口側用の封口用治具の部分断面図である。 図2の部分Aを拡大した斜視図である。 図2の部分Aを拡大した平面図である。 図2の部分Aを拡大した断面図である。 第1実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の出口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した平面図である。 第1実施形態に係るグリーンハニカム成形体の切断工程を示す側面図である。 第1実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の入口側の封口工程の初期の状態を示す部分断面図である。 図8のIX−IX線による断面図である。 図9の封口工程の中期の状態を示す部分断面図である。 図10のXI−XI線による断面図である。 図9の封口工程の終期の状態を示す部分断面図である。 図12のXIII−XIII線による断面図である。 別形態の封口用治具を用いた場合における図12のXIII−XIII線による断面図である。 第1実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の出口側の封口工程の初期の状態を示す部分断面図である。 図15のXV−XV線による断面図である。 図15の封口工程の中期の状態を示す部分断面図である。 図17のXVII−XVII線による断面図である。 図15の封口工程の終期の状態を示す部分断面図である。 図19のXIX−XIX線による断面図である。 (a)は従来の封口されたセルを通過するガスの流れを示す図であり、(b)は本発明の実施形態に係る封口されたセルを通過するガスの流れを示す図である。 第2実施形態に係るグリーンハニカム成形体の封口工程の初期の状態を示す部分断面図である。 図22の封口工程の中期の状態を示す部分断面図である。 図22の封口工程の終期の状態を示す部分断面図である。 第3実施形態に係るグリーンハニカム成形体の封口用治具の部分断面図であって封口用突起を収容した状態を示す図である。 第3実施形態に係るグリーンハニカム成形体の封口用治具の部分断面図であって封口用突起を突出させた状態を示す図である。 第3実施形態に係るグリーンハニカム成形体の切断工程の初期の状態を示す部分断面図である。 図27の切断工程の中期の状態を示す部分断面図である。 第3実施形態に係るグリーンハニカム成形体の封口工程の初期の状態を示す部分断面図である。 図29の封口工程の中期の状態を示す部分断面図である。 図30の封口工程がさらに進行した状態を示す部分断面図である。 第4実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の入口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した斜視図である。 第4実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の入口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した平面図である。 第4実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の入口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した断面図である。 第4実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の出口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した斜視図である。 第4実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の出口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した平面図である。 第4実施形態に係る出口側の封口工程における図15のXV−XV線による断面に対応した断面図である。 第4実施形態に係る出口側の封口工程における図17のXVII−XVIII線による断面に対応した断面図である。 第4実施形態に係る出口側の封口工程における図19のXIX−XIX線による断面に対応した断面図である。 第5実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の出口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した斜視図である。 第5実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の出口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した平面図である。 第5実施形態に係る出口側の封口工程における図15のXV−XV線による断面に対応した断面図である。 第5実施形態に係る出口側の封口工程における図17のXVII−XVII線による断面に対応した断面図である。 第5実施形態に係る出口側の封口工程における図19のXIX−XIX線による断面に対応した断面図である。 (a)は封口前の入口側と出口側とで異なる開口面積の六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の斜視図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 入口側と出口側とで同じ開口面積の六角形のセルを示す図である。 第6実施形態に係る入口側と出口側とで異なる開口面積の六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の入口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した斜視図である。 第6実施形態に係る入口側と出口側とで異なる開口面積の六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の入口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した平面図である。 第6実施形態に係る入口側の封口工程における図8のIX−IX線による断面に対応した断面図である。 第6実施形態に係る入口側の封口工程における図10のXI−XI線による断面に対応した断面図である。 第6実施形態に係る入口側の封口工程における図12のXIII−XIII線による断面に対応した断面図である。 第6実施形態に係る出口側の封口工程における図15のXV−XV線による断面に対応した断面図である。 第6実施形態に係る出口側の封口工程における図17のXVII−XVII線による断面に対応した断面図である。 第6実施形態に係る出口側の封口工程における図19のXIX−XIX線による断面に対応した断面図である。 第6実施形態に係る別態様の出口側の封口工程における図15のXV−XV線による断面に対応した断面図である。 第6実施形態に係る別態様の出口側の封口工程における図17のXVII−XVII線による断面に対応した断面図である。 第6実施形態に係る別態様の出口側の封口工程における図19のXIX−XIX線による断面に対応した断面図である。 第7実施形態に係る封口用治具及び封口用治具によって封口されたグリーンハニカム成形体を示す縦断面図である。 第7実施形態に係る封口されたグリーンハニカム成形体を示す斜視図である。 第8実施形態に係る封口用治具及び封口用治具によって封口されたグリーンハニカム成形体を示す縦断面図である。 第8実施形態に係る封口されたグリーンハニカム成形体を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
(グリーンハニカム成形体(六角形セル))
まず、本発明の第1実施形態において加工の対象となるグリーンハニカム成形体について説明する。図1(a)に示すように、本実施形態に係るグリーンハニカム成形体70は、例えば、上面71a、下面71b及び側面71cを有し、上面71a及び下面71bに複数の六角形状の貫通孔である六角形セル70hが略平行に配置された円柱体である。グリーンハニカム成形体70は、後で焼成することにより多孔質のセラミックとなる未焼成成形体である。また、グリーンハニカム成形体70の六角形セル70hが延びる方向の長さは限定されないが、例えば、40〜400mmとすることができる。また、グリーンハニカム成形体70の外径も限定されないが、例えば、10〜360mmとすることできる。
六角形セル70hそれぞれは、グリーンハニカム成形体70の中心軸に略平行に延びる隔壁70Wによって隔てられている。隔壁70Wの厚さとしては、0.8mm以下又は0.5mm以下にでき、0.1mm以上にできる。なお、グリーンハニカム成形体70の外形形状は円柱体に限定されず、楕円柱、角柱(例えば三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等の正多角柱や、正多角柱以外の三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等)等であっても良いが、本実施形態においては、ハニカム構造体70が円柱体である場合について説明する。また、本実施形態では例として正六角形状の貫通孔である六角形セル70hを有するグリーンハニカム成形体70を挙げるが、正六角形以外の六角形状や、異なる大きさの六角形状を有する貫通孔であるセルを有するグリーンハニカム成形体70でも良い。
このようなグリーンハニカム成形体70は、セラミック組成物を押出成形機により押出成形することにより製造される。この場合、セラミック組成物を調製するために、セラミック原料である無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加される添加物を用意する。
無機化合物源粉末は、アルミニウム源粉末、マグネシウム源粉末、ケイ素源粉末およびチタニウム源粉末からなる群から選択される二種以上を含むのもの、又は、炭化ケイ素源粉末、窒化ケイ素源粉末および窒化アルミニウム源粉末のうちいずれか一種以上を含むものが挙げられる。また、製品の耐熱性や機械的強度向上のため、前記無機化合物源粉末に炭素源粉末、ジルコニウム源粉末、モリブデン源粉末およびカルシウム源粉末のうちいずれか一種以上を添加しても良い。アルミニウム源粉末、マグネシウム源粉末、チタニウム源粉末及びケイ素源粉末を含むと耐熱性を向上させることができる。有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩を例示できる。添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
用意した原料を混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁70Wの断面形状に対応する出口開口を有する押出成形機から押し出すことにより、本実施形態に係るグリーンハニカム成形体が製造される。
(封口用治具)
以下、本実施形態の封口用治具について説明する。本実施形態では、六角形セル70hを有するグリーンハニカム成形体70の両端面でそれぞれ異なる態様で六角形セル70hの封口を行う。まず、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aを封口するための封口用治具について説明する。
図2に示すように、本実施形態の封口用治具400は、グリーンハニカム成形体70の封口を行うための封口面401aと、グリーンハニカム成形体70の端部が嵌合される支持ソケット部450を有している。封口面401aには、六角形セル70hの一部に対応した位置に配置され、六角形セル70hの一部にそれぞれ挿入されることにより、隔壁70W同士を圧着させて六角形セル70hを封口するための複数の封口用突起410aを備えている。支持ソケット部450は、封口するグリーンハニカム成形体70の直径に対応した円筒状の凹部から成る。支持ソケット450の内周面は、グリーンハニカム成形体70の端部を差し込み易いように、封口面401aから離れるほど支持ソケット部450の内径が拡がるような傾斜面451が設けられている。
図2の部分Aを拡大した図3〜図5に示すように、封口用突起410aは、三角錐状基部411と円錐状先端部412とを有している。三角錐状基部411は、封口用突起410aの基部に位置し、封口面401aから突出している。三角錐状基部411は、円錐状先端部412よりも頂角が大きい三角錐から相似に縮小した三角錐を取り除いた三角錐台状をなす。円錐状先端部412は、封口用突起410aの先端部であって三角錐状基部411の上部に位置する。円錐状先端部412は、三角錐状基部411の上面に対応した大きさの底面を有する円錐状をなす。円錐状先端部412の頂角は、三角錐状基部411の三角錐台の側辺がなす頂角よりも小さい。
三角錐状基部411は、三角錐台の側面の三角錐側面部413と三角錐台の側辺の丸み面取り側辺部415を含む。丸み面取り側辺部415には、三角錐台の側辺それぞれに対して所定の曲率による丸み面取りがなされている。また、隣接する封口用突起410aの三角錐状基部411同士の谷間には、所定の曲率による丸み面取りがなされた凹部である丸み面取り谷間部414を含む。
図4に示すように、封口用突起410aそれぞれは、その円錐状先端部412の頂部それぞれが、グリーンハニカム成形体70の複数の六角形セル70hの内の1つの六角形セル70hを中心としてその周囲にそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに対応した位置となるように配置されている。また、封口用突起410aそれぞれは、その三角錐状基部411の丸み面取り側辺部415が隔壁70Wに当接する向きに配置されている。三角錐状基部411それぞれの大きさは、丸み面取り側辺部415を封口面401aの直上から封口面401a上に投影した長さが、グリーンハニカム成形体70の隣接する六角形セル70h同士の中心間の長さよりも短い長さとなるようにしている。
一方、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bを封口するための封口用治具400について説明する。図6に示すように、下面71bを封口するための封口面401bには、円錐状の封口用突起410bを備えている。封口用突起410bは、円錐側面部422を有する。封口面401aと同様に、隣接する封口用突起410b同士の谷間には、所定の曲率による丸み面取りがなされた凹部である丸み面取り谷間部414を含む。なお、円錐状の封口用突起410bは、先端から相似に縮小した円錐を取り除いた円錐台状をなしていても良い。
図6に示すように、封口用突起410bそれぞれは、その頂部それぞれが、グリーンハニカム成形体70の複数の六角形セル70hの内で、その周囲をそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに囲まれた1つの六角形セル70hに対応した位置となるように配置されている。この封口用突起410bが対応した位置にある1つの六角形セル70hは、上面71aにおいて封口用突起410aが対応した位置にある隣接した6つの六角形セル70hに周囲を囲まれた1つの六角形セル70hである。
したがって、上面71aでは、1つの六角形セル70hを中心としてその周囲にそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに対して封口用突起410aが挿入され、下面71bでは、上面71aで封口用突起410aを挿入された隣接した6つの六角形セル70hに周囲を囲まれた1つの六角形セル70hに対して封口用突起410bが挿入される。封口用突起410bそれぞれの大きさは、封口用突起410bの底面の半径が、グリーンハニカム成形体70の六角形セル70hの対辺間の長さか、それよりも僅かに短い長さとなるようにしている。
(切断工程)
以下、本実施形態のグリーンハニカム成形体70の切断工程について説明する。図7に示すように、上述したようにして用意した原料混合物を隔壁70Wの断面形状に対応する出口開口を有する押出成形機100から押し出すことにより、本実施形態に係るグリーンハニカム成形体70が製造される。
押し出されたグリーンハニカム成形体70は、受台120によって、所定の長さだけ押し出されるたびに支持される。グリーンハニカム成形体70を支持した受台120それぞれは、ローラコンベア140上で、グリーンハニカム成形体70が押し出される方向に順次搬送される。搬送されたグリーンハニカム成形体70は、側面71cに垂直な上面71a及び下面71bを成すように、切断刃240で所定の長さに切断される。グリーンハニカム成形体70の切断は、切断刃240の替りにワイヤーで行われても良い。
(封口工程)
以下、本実施形態のグリーンハニカム成形体70の封口工程について説明する。まず、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aの封口工程について説明する。
図8に示すように、グリーンハニカム成形体70の上面71a側の端部が、封口用治具400の支持ソケット部450に挿入される。封口面401aの封口用突起410aの先端が六角形セル70hの一部に挿入される。図9に示すように、1つの六角形セル70hを中心としてその周囲にそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに対して、封口用突起401aの円錐状先端部412が挿入される。
図10に示すように、封口用突起410aがさらに六角形セル70hに挿入されると、図11に示すように、封口用突起410aの三角錐状基部411が六角形セル70hに挿入される。三角錐状基部411の丸み面取り側辺部415それぞれは、隔壁70Wに当接させられる。封口用突起410aにより隔壁70Wは圧力を加えられ、それぞれ封口用突起410aを挿入された6つの六角形セル70hの中心の封口用突起410aを挿入されていない六角形セル70hを封口するように押し付けられる。
図12に示すように、封口用突起410aがさらに六角形セル70hに挿入されると、図13に示すように、三角錐状基部411の丸み面取り側辺部415及び三角錐側面部413により六方向から押圧された隔壁70W同士は一体に圧着される。圧着された隔壁70Wの端部は、封口面401aの丸み面取り谷間部414に当接させられ、丸み面取り谷間部414の形状に対応した丸み面取りがなされた状態で丸み隔壁接合端部73が形成され、封口が完了する。これにより、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aでは、その周囲をそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに囲まれた1つの六角形セル70hが封口される。
なお、封口用治具400の三角錐状基部411の三角錐側面部413が丸みを帯びずにほぼ平面形状である場合には、図13に代えて図14のように、封口部の隔壁の厚みをほぼ均一にすることができる。
次に、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bの封口工程について説明する。図15に示すように、グリーンハニカム成形体70の下面71b側の端部が、封口用治具400の支持ソケット部450に挿入される。封口面401bの封口用突起410bの先端が六角形セル70hの一部に挿入される。図16に示すように、隣接した6つの六角形セル70hに周囲を囲まれた1つの六角形セル70hに対して、封口用突起410bが挿入される。上述したように、下面71bにおいて封口用突起410bが挿入される六角形セル70hは、上面71aにおいて封口用突起410aが挿入されなかった六角形セル70hである。
図17に示すように、封口用突起410bがさらに六角形セル70hに挿入されると、図18に示すように、封口用突起410bの円錐側面部422は、隔壁70Wに当接させられる。封口用突起410bにより隔壁70Wは圧力を加えられ、それぞれ封口用突起410bを挿入された六角形セル70hの中間の封口用突起410bを挿入されていない六角形セル70hを封口するように押し付けられる。
図19に示すように、封口用突起410bがさらに六角形セル70hに挿入されると、図20に示すように、封口用突起410bの円錐側面部422により押圧された隔壁70W同士は一体に圧着される。圧着された隔壁70Wの端部は、封口面401bの丸み面取り谷間部414に当接させられ、丸み面取り谷間部414の形状に対応した丸み面取りがなされた状態で丸み隔壁接合端部73が形成され、封口が完了する。これにより、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bでは、上面71aで封口された1つの六角形セル70hの周囲にそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hが封口される。このようにして、上面71a及び下面71bでの封口が終了した後に、乾燥工程及び焼成工程を経て、上記のグリーンハニカム成形体70と同様の形状を有するハニカム構造体が製造される。
本実施形態では、柱体の端面に互いに隔壁で区画された複数の貫通孔が開口したハニカム構造体の製造方法であって、柱体の端面に互いに隔壁70Wで区画された複数の六角形セル70hが開口しており、焼成することによりハニカム構造体となるグリーンハニカム成形体70が原料から押出成形され、所定の長さに切断された直後に、グリーンハニカム成形体70の複数の六角形セル70hの一部に封口用治具400を挿入することにより、隔壁70W同士を圧着させて六角形セル70hを封口する封口工程を含む。
このため、ハニカム成形体の製造において極めて簡単に六角形セル70hの封口を行うことができ、従来に行われていた封口材の注入や封口箇所を選択するためのマスクの使用、乾燥工程後の精密切断工程が不要となる。また、封口材や精密切断の切断くず等が不要となるため、材料使用量を低減することができる。
また、製造されたハニカム構造体は、ディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、ガスの流路の入口を従来の封口方法による物より広くできるため、圧力損失を低減させることが可能となる。図21(a)に示すように、従来の封口材70Pにより封口された六角形セル70hでは、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aにおいて空気抵抗が大きい欠点がある。一方、図21(b)に示すように、本実施形態の製造方法により封口された上面71aは、ガスの流路の入口が大きく、封口された隔壁70W同士の端部が先端で細くされているため、空気抵抗が極めて低減されていることが判る。
また、原料から押出成形され、所定の長さに切断された直後のグリーンハニカム成形体70の六角形セル70hは六角形状である。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に、ガスの流路において、四辺形の孔に比べて短い隔壁70Wの長さで多くの孔が開口したものとなり、ディーゼル粒子フィルタとしてより特性に優れたものとできる。
また、本実施形態では、三角錐台状の形状を含む複数の封口用突起401aを有する封口用治具400の封口用突起401aを1個の六角形セル70hの周囲に隣接する6個の六角形セル70hごとに挿入することにより、隔壁70W同士を圧着させて六角形セル70hを封口する。このため、例えば、複数の三角錐状の封口用突起401aの側辺部415それぞれが六角形セル70hの隔壁70Wに当接するようにして、封口用突起401aが六角形セル70hに挿入されることにより、容易に互いに隣接する7個の六角形セル70hの内で中央の1個の六角形セル70hを封口することができる。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に入口側となる側の封口を効率良く行うことができる。
また、本実施形態では、円錐状の複数の封口用突起401bを有する封口用治具400の封口用突起401bを6個の六角形セル70hに周囲を囲まれた1個の六角形セル70hごとに挿入することにより、隔壁70h同士を圧着させて六角形セル70hを封口する。このため、例えば、複数の円錐状の封口用突起401bの円錐側面部422が六角形セル70hの隔壁70Wに当接するようにして、封口用突起401bが六角形セル70hに挿入されることにより、容易に互いに隣接する7個の六角形セル70hの内で周囲の6個の六角形セル70hを封口することができる。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に出口側となる側の封口を効率良く行うことができる。
また、本実施形態では、封口用突起401a,401bそれぞれの谷間に丸み面取り谷間部414を有する封口用治具400により六角形セル70hを封口することにより、圧着された隔壁70W同士が端面で丸みを帯びた丸み隔壁接合端部73が形成されるように六角形セル70hを封口する。このため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に、隔壁70W同士の接合部における空気抵抗が小さくなり、圧力損失を低減させることが可能となる。また、接合された丸み隔壁接合端部73において、欠け等を生じにくくすることができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図22に示すように、本実施形態では、六角形セル70hを有するグリーンハニカム成形体70の上面71a及び下面71bの六角形セル70hを同時に封口する。上記第1実施形態と同様に切断工程が行われたグリーンハニカム成形体70に対して、上記第1実施形態と同様に、上面71aに封口面401aを有する封口用治具400を当接させ、下面71bに封口面401bを有する封口用治具400を当接させる。その後、図23及び図24に示すように、上記第1実施形態と同様に封口工程が進行する。これにより、上面71a及び下面71bそれぞれにおいて、上記第1実施形態と同様に封口が行われる。このようにして、上面71a及び下面71bでの封口が終了した後に、乾燥工程及び焼成工程を経て、上記のグリーンハニカム成形体70と同様の形状を有するハニカム構造体が製造される。
本実施形態によれば、封口工程では、グリーンハニカム成形体70の上面71a及び下面71bの両方の六角形セル70hを同時に封口する。このため、上面71a及び下面71bの片方ごとに六角形セル70hの封口を行う方法よりも効率良く六角形セル70hの封口を行うことができる。
なお、上面71a及び下面71bの両方を本実施形態のように、封口用治具400を用いて封口を行う必要は無く、上面71a又は下面71bの片側のみで、封口用治具400により隔壁70W同士を圧着させて六角形セル70hの封口を行うことができる。
〔第3実施形態〕
(封口用治具)
以下、本発明の第3実施形態について説明する。図25及び図26に示すように、本実施形態のグリーンハニカム成形体70の下面71b用の封口用治具400’は、封口面401bの内側に封口用突起410bを収容した状態と、封口面401bの外側に封口用突起410bを突出させた状態とを選択的に変更可能とされている。封口用突起410bは、上記第1実施形態と同様に配置されており、封口用突起410bの底面と同じ直径の孔を介して封口面401bの内側への収容及び封口面401bの外側への突出が自在となっている。封口用突起410bの収容及び突出は、空気圧あるいは油圧機構により行うことができる。
なお、封口用突起410bを収容した状態の封口面401bには、上記第1実施形態と同様の丸み面取り谷間部414が残こり、必ずしも完全な平面とならなくても良い。以上の構成は、グリーンハニカム成形体70の上面71a用の封口用治具400’についても同様である。
(切断工程)
以下、本実施形態のグリーンハニカム成形体70の切断工程について説明する。図27に示すように、原料から押出成形機100によって鉛直下方に押出成形された直後の六角形セル70hを有するグリーンハニカム成形体70の下面71bを封口用治具400’の封口面401bによって支持する。このとき、封口用治具400’は、封口面401bの内側に封口用突起410bを収容した状態である。次に、図28にあるように、グリーンハニカム成形体70が封口用治具400’により支持された状態で、切断刃240により、グリーンハニカム成形体70が切断される。グリーンハニカム成形体70の切断は、切断刃240の替りにワイヤーで行われても良い。
(封口工程)
次に、本実施形態のグリーンハニカム成形体70の封口工程について説明する。図29及び図30に示すように、切断工程で切断された上面71aを封口用治具400’の封口面401aによって支持する。このとき、封口用治具400’は、封口面401aの内側に封口用突起410aを収容した状態である。
次に、図31に示すように、封口用治具400’の封口面401a,401bそれぞれから封口用突起410a,410bが突出した状態とされ、封口用突起410a,410bが六角形セル70hの一部にそれぞれ挿入されることにより、上記第1実施形態と同様に六角形セル70hの封口が行われる。
なお、上面71a及び下面71bの両方を本実施形態のように、封口用治具400’を用いて封口を行う必要は無く、上面71a又は下面71bの片側のみで、封口用治具400’により隔壁70W同士を圧着させて六角形セル70hの封口を行うこととしても良い。この場合は、上面71aにおいて封口面401aを有する封口用治具400’で封口を行い、下面70bにおいては、上面71aにおいて封口が行われなかった六角形セル70hについて従来と同様の封口材を用いた封口を行うことができるし、または、下面71bにおいて封口面401bを有する封口用治具400’で封口を行い、上面71aにおいては、下面71bにおいて封口が行われなかった正六角形セル70hについて従来と同様の封口材を用いた封口を行うことができる。
グリーンハニカム成形体70の直径が大きくなると、原料から水平方向にグリーンハニカム成形体70を押出成形した場合に重力による曲りが大きくなり、グリーンハニカム成形体70を側面71cで支持することが難しい場合がある。しかし、本実施形態によれば、原料から押出成形機100により鉛直下方に押出成形された直後のグリーンハニカム成形体70の下面71bを封口用治具400’で支持する。これにより、大直径のグリーンハニカム成形体70でも、曲りや六角形セル70hの歪みを生じさせずにグリーンハニカム成形体70を支持することができる。さらに、その後の封口工程では、支持された後のグリーンハニカム成形体70の六角形セル70hの一部に封口用治具400’の複数の封口用突起410a,410bをそれぞれ挿入することにより、隔壁70W同士を圧着させて六角形セル70hを封口する。これにより、グリーンハニカム成形体70の支持と封口とを連続して効率良く行うことができる。
また、本実施形態によれば、封口用治具400’は、封口面401bの内側に封口用突起410bを収容した状態と、封口面401bの外側に封口用突起410bを突出させた状態とを選択的に変更可能であり、封口面401bの内側に封口用突起410bを収容した状態の封口用治具400’の封口面401bによって、原料から押出成形機100により鉛直下方に押出成形された直後のグリーンハニカム成形体70の下面70bを支持する。このため、大直径のグリーンハニカム成形体70でも、曲りや六角形セル70hの歪みを生じさせずにグリーンハニカム成形体70をより安定させて支持することができる。また、封口工程では、封口面401bの外側に封口用突起410bを突出させた状態の封口用治具400’の封口用突起410bをグリーンハニカム成形体70の下面71bの六角形セル70hの一部にそれぞれ挿入することによって、隔壁70W同士を圧着させて六角形セル70hを封口する。これにより、グリーンハニカム成形体70を支持しつつ、隔壁70W同士を圧着させて六角形セル70hを封口することができる。
〔第4実施形態〕
(封口用治具)
以下、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、入口側用の封口用治具として三角錐状の封口用突起を用い、出口側用の封口用治具として六角錐台状の封口用突起を用いる点が上記第1実施形態と異なっている。第4実施形態に係る六角形のセルを有するグリーンハニカム成形体の入口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した図32〜図34に示すように、本実施形態の封口用突起410dは、全体として三角錐の形状を有している。封口用突起410dは、三角錐の側面の三角錐側面部413と三角錐の側辺の丸み面取り側辺部415を含む。丸み面取り側辺部415には、三角錐の側辺それぞれに対して所定の曲率による丸み面取りがなされている。また、隣接する封口用突起410d同士の谷間には、所定の曲率による丸み面取りがなされた凹部である丸み面取り谷間部414を含む。
図33に示すように、封口用突起410dそれぞれは、その頂部それぞれが、グリーンハニカム成形体70の複数の六角形セル70hの内の1つの六角形セル70hを中心としてその周囲にそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに対応した位置となるように配置されている。また、封口用突起410dそれぞれは、その丸み面取り側辺部415が隔壁70Wに当接する向きに配置されている。
封口用突起410dそれぞれの大きさは、丸み面取り側辺部415を封口面401aの直上から封口面401a上に投影した長さが、グリーンハニカム成形体70の隣接する六角形セル70h同士の中心間の長さよりも短い長さとなるようにしている。なお、本実施形態の封口用突起410dは、上述した第1実施形態及び第2実施形態においても適用可能である。
一方、本実施形態において、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bを封口するための封口用治具400について説明する。図35に示すように、下面71bを封口するための封口面401bには、六角錐台状の封口用突起410eを備えている。封口用突起410eは、先端が六角形の平面を含む六角錐台状先端部432を有する。封口用突起410eは、6つの六角錐台状側面部433と、六角錐台状側面433それぞれの間の6つの六角錐台状側辺部435を有する。なお、六角錐台状の封口用突起410eは、六角錐台状先端部432を有なさない六角錐状をなしていても良い。
図36に示すように、封口用突起410eそれぞれは、その頂部それぞれが、グリーンハニカム成形体70の複数の六角形セル70hの内で、その周囲をそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに囲まれた1つの六角形セル70hに対応した位置となるように配置されている。封口用突起410eの六角錐台状側面433それぞれは、六角形セル70hの隔壁70Wそれぞれと対向するように配置されている。この封口用突起410eが対応した位置にある1つの六角形セル70hは、上面71aにおいて封口用突起410dが対応した位置にある隣接した6つの六角形セル70hに周囲を囲まれた1つの六角形セル70hである。
したがって、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様に、上面71aでは、1つの六角形セル70hを中心としてその周囲にそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに対して封口用突起410dが挿入され、下面71bでは、上面71aで封口用突起410dを挿入された隣接した6つの六角形セル70hに周囲を囲まれた1つの六角形セル70hに対して封口用突起410eが挿入される。
本実施形態では、封口用突起410eそれぞれは、その底部において六角錐台状側辺部435同士が互いに接するように配置されている。したがって、互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間には、正三角形の平面の領域である谷間正三角形平面領域437がそれぞれ形成される。図35及び図36に示すように、互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間の谷間正三角形平面領域437には、半球形状の凹部である谷間凹部434がそれぞれ形成されている。
封口用突起410eそれぞれの大きさは、六角錐台状先端部432がグリーンハニカム成形体70の六角形セル70hよりも小さくされている。封口用突起410eそれぞれの底部における対向する六角錐台状側辺部435同士の間の長さが、隣接する2つの封口用突起410eがそれぞれ挿入される六角形セル70hの中心同士の距離と同じくされている。本実施形態の封口用突起410eそれぞれは、工具鋼等の金属や合成樹脂から形成される。本実施形態の封口用突起410eそれぞれは、封口面401bにおいて間隔を空けて配置されているため、ワイヤーカット等で製造することができる。
(封口工程)
以下、本実施形態のグリーンハニカム成形体70の封口工程について説明する。グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aの封口工程については、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
以下、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bの封口工程について説明する。図15に示すように、グリーンハニカム成形体70の下面71b側の端部が、封口用治具400の支持ソケット部450に挿入される。封口面401bの封口用突起410eの先端が六角形セル70hの一部に挿入される。図37に示すように、隣接した6つの六角形セル70hに周囲を囲まれた1つの六角形セル70hに対して、封口用突起410eが挿入される。このとき、封口用突起410eの六角錐台状側面433それぞれは、六角形セル70hの隔壁70Wそれぞれと対向する。上述したように、下面71bにおいて封口用突起410eが挿入される六角形セル70hは、上面71aにおいて封口用突起410dが挿入されなかった六角形セル70hである。
図17に示すように、封口用突起410eがさらに六角形セル70hに挿入されると、図38に示すように、封口用突起410eの六角錐台状側面433それぞれは、隔壁70Wに当接させられる。封口用突起410eにより隔壁70Wは圧力を加えられ、それぞれ封口用突起410eを挿入された六角形セル70hの中間の封口用突起410eを挿入されていない六角形セル70hを封口するように押し付けられる。このとき、封口される六角形セル70hの隔壁70Wは、互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間の谷間正三角形平面領域437に押し込まれる。
図19に示すように、封口用突起410eがさらに六角形セル70hに挿入されると、図39に示すように、封口用突起410eの六角錐台状側面433により押圧された隔壁70W同士は、互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間の谷間正三角形平面領域437において一体に圧着され、三角柱状に成型される。圧着された隔壁70Wの端部は、互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間の谷間正三角形平面領域437の谷間凹部434に押し込まれ、谷間凹部434の形状に対応した丸み面取りがなされた状態で球状隔壁接合端部74が形成され、封口が完了する。これにより、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bでは、上面71aで封口された1つの六角形セル70hの周囲にそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hが封口される。なお、本実施形態の封口用突起410eは、上述した第1実施形態及び第2実施形態においても同様に適用可能である。このようにして、上面71a及び下面71bでの封口が終了した後に、乾燥工程及び焼成工程を経て、上記のグリーンハニカム成形体70と同様の形状を有するハニカム構造体が製造される。
本実施形態では、六角錐台状の形状の封口用突起410eを有する封口用治具400の封口用突起を6個の六角形セル70hに周囲を囲まれた1個の六角形セル70hごとに挿入することにより、隔壁70W同士を圧着させて六角形セル70hを封口する。このため、複数の六角錐台状の封口用突起410eが同じ六角形状の六角形セル70hに挿入されることにより、容易に互いに隣接する7個の六角形セル70hの内で周囲の6個の六角形セル70hをより滑らかに封口することができる。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に出口側となる側の封口を効率良く行うことができる。
また、本実施形態では、圧着された隔壁70Wの端部は互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間の谷間正三角形平面領域437に押し込まれて三角柱状に成型されるため、圧着された隔壁70Wの端部の強度をより向上させることができる。また、本実施形態では、圧着された隔壁70Wの端部は、互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間の谷間正三角形平面領域437の谷間凹部434に押し込まれて、球状隔壁接合端部74が形成されるため、封口をさらに滑らかに行うことができる。また、本実施形態では、封口用突起410eが比較的に互いに距離を置いて配置されているため、ワイヤーカット等で製造することが容易である。また、封口後にハニカム構造体の端面に開口した六角形状の孔同士は辺の部分では比較的に距離を置いて配置されることになり、封口された部分が厚くなるため、より高い強度を有するものとできる。
〔第5実施形態〕
(封口用治具)
以下、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態では、出口側用の封口用治具として密集して配置された六角錐台状の封口用突起を用いる点が上記第4実施形態と異なっている。なお、入口側用の封口用治具としては、上記第1実施形態や第4実施形態で用いられた三角錐状の封口用突起を用いることができるため、説明を省略する。
以下、本実施形態において、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bを封口するための封口用治具400について説明する。図40に示すように、下面71bを封口するための封口面401bには、六角錐台状の封口用突起410fを備えている。本実施形態の個々の封口用突起410fは、上記第4実施形態の封口用突起410eと同様に、六角錐台状先端部432、六角錐台状側面433及び六角錐台状側辺部435を有する。なお、六角錐台状の封口用突起410eは、六角錐台状先端部432を有なさない六角錐状をなしていても良い。
図41に示すように、上記第4実施形態と同様に、封口用突起410fそれぞれは、その頂部それぞれが、グリーンハニカム成形体70の複数の六角形セル70hの内で、その周囲をそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに囲まれた1つの六角形セル70hに対応した位置となるように配置されている。しかしながら、上記第4実施形態と異なり、封口用突起410fの六角錐台状側辺部435それぞれは、六角形セル70hの隔壁70Wそれぞれと対向するように配置されている。上記第4実施形態と同様に、この封口用突起410fが対応した位置にある1つの六角形セル70hは、上面71aにおいて封口用突起410a,410dが対応した位置にある隣接した6つの六角形セル70hに周囲を囲まれた1つの六角形セル70hである。
したがって、上記第1実施形態、第2実施形態及び第4実施形態と同様に、上面71aでは、1つの六角形セル70hを中心としてその周囲にそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hに対して封口用突起410a,410dが挿入され、下面71bでは、上面71aで封口用突起410a,410dを挿入された隣接した6つの六角形セル70hに周囲を囲まれた1つの六角形セル70hに対して封口用突起410fが挿入される。本実施形態では、封口用突起410fそれぞれは、その底部において六角錐台状側面433同士が互いに接するように配置されている。したがって、本実施形態では上記第4実施形態と異なり、封口用突起410fの谷間には、平面の領域が形成されない。
封口用突起410fそれぞれの大きさは、六角錐台状先端部432がグリーンハニカム成形体70の六角形セル70hよりも小さくされている。封口用突起410fそれぞれの底部における対向する六角錐台状側面433同士の間の長さが、隣接する2つの封口用突起410fがそれぞれ挿入される六角形セル70hの中心同士の距離と同じくされている。本実施形態の封口用突起410fそれぞれは、工具鋼等の金属や合成樹脂から形成される。本実施形態の封口用突起410fそれぞれは、放電加工等で製造することができる。
(封口工程)
以下、本実施形態のグリーンハニカム成形体70の封口工程について説明する。グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aの封口工程については、上記第1実施形態及び第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
以下、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bの封口工程について説明する。図15に示すように、グリーンハニカム成形体70の下面71b側の端部が、封口用治具400の支持ソケット部450に挿入される。封口面401bの封口用突起410fの先端が六角形セル70hの一部に挿入される。図42に示すように、隣接した6つの六角形セル70hに周囲を囲まれた1つの六角形セル70hに対して、封口用突起410fが挿入される。このとき、封口用突起410fの六角錐台状側辺部435それぞれは、六角形セル70hの隔壁70Wそれぞれと対向する。上述したように、下面71bにおいて封口用突起410fが挿入される六角形セル70hは、上面71aにおいて封口用突起410a,410dが挿入されなかった六角形セル70hである。
図17に示すように、封口用突起410fがさらに六角形セル70hに挿入されると、図43に示すように、封口用突起410fの六角錐台状側辺部435それぞれは、隔壁70Wに当接させられる。封口用突起410fにより隔壁70Wは圧力を加えられ、それぞれ封口用突起410fを挿入された六角形セル70hの中間の封口用突起410fを挿入されていない六角形セル70hを封口するように押し付けられる。このとき、封口される六角形セル70hの隔壁70Wは、互いに隣接する3つの封口用突起410fの谷間に押し込まれる。
図19に示すように、封口用突起410fがさらに六角形セル70hに挿入されると、図44に示すように、封口用突起410fの六角錐台状側辺部435により押圧された隔壁70W同士は、互いに隣接する3つの封口用突起410fの谷間において、一体に圧着され、封口が完了する。これにより、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bでは、上面71aで封口された1つの六角形セル70hの周囲にそれぞれ隣接する6つの六角形セル70hが封口される。なお、本実施形態の封口用突起410fは、上述した第1実施形態及び第2実施形態においても同様に適用可能である。このようにして、上面71a及び下面71bでの封口が終了した後に、乾燥工程及び焼成工程を経て、上記のグリーンハニカム成形体70と同様の形状を有するハニカム構造体が製造される。
本実施形態では、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bの封口において、六角錐台状の封口用突起410fを用いて封口が行われる。そして、グリーンハニカム成形体70の下面71b側の封口がなされていない六角形セル70hは、図44に示すように、封口工程前と相似の六角形状に拡大されるため、上記第1実施形態のように円形状に拡大される場合と比べて、滑らかに封口を行うことができる。
また、本実施形態では、封口用突起410fが互いに密集して配置されているため、圧着された隔壁70Wの端部を薄く小さなものとできる。そのため、封口された部分の面積が狭くなるため、出口側での圧損をより小さなものとできる。
〔第6実施形態〕
(グリーンハニカム成形体(入口側と出口側とで開口面積が異なる六角形セル))
以下、本発明の第6実施形態について説明する。まず、本発明の第6実施形態において加工の対象となるグリーンハニカム成形体について説明する。図45(a)(b)に示すように、本実施形態に係るグリーンハニカム成形体70は、例えば、上面71a、下面71b及び側面71cを有し、上面71a及び下面71bに複数の六角形状の貫通孔である入口側六角形セル70Hin及び出口側六角形セル70Houtが略平行に配置された円柱体である。入口側六角形セル70Hin及び出口側六角形セル70Houtは隔壁70wにより隔てられている。
図45(b)に示すように、上面71aにおいて、一つの出口側六角形セル70Houtと、一つの出口側六角形セル70Houtに隔壁70Wを介して隣接した出口側六角形セル70Houtよりも小さい開口面積を有する六つの入口側六角形セル70Hinとを含む。なお、入口側と出口側の配置は逆になってもよい。図46に示すように、第1実施形態で示したグリーンハニカム成形体70は、入口側となる上面71aにおいて、入口側で開口する一つの入口側六角形セル70hinに対して、出口側で開口する三つの出口側六角形セル70houtが隔壁70Wを介して接している。一方、本実施形態では、一つの入口側六角形セル70Hinに対して2つの出口側六角形セル70Houtが隔壁70Wを介して接している。入口側六角形セル70Hinは、出口側六角形セル70Houtと隣接する隔壁70Wの長さの方が、他の入口側六角形セル70Hinと隣接する隔壁70Wの長さよりも長い。入口側六角形セル70Hinは、2つの出口側六角形セル70Houtに挟まれる方向の径が、他の2つの入口側六角形セル70Hinに挟まれる方向の径よりも短い。
グリーンハニカム成形体70は、後で焼成することにより多孔質のセラミックとなる未焼成成形体であり、入口側六角形セル70Hin及び出口側六角形セル70Hout以外の構成や製造方法は、六角形セル70hを有するグリーンハニカム成形体70と同様である。
(封口用治具)
第6実施形態に係る入口側用の封口用治具の図2の部分Aに対応する部位を拡大した図47及び図48に示すように、本実施形態の封口用突起410iは、全体として四角錐の形状を有している。図48の平面視から判るように、封口用突起410iの底面は菱形状である。封口用突起410iは、四角錐の側面の四角錐側面部417と四角錐の側辺の丸み面取り側辺部415を含む。封口用突起410iの底面は菱形状であるため、封口用突起410iは、長い一対の丸み面取り側辺部415と、より短い一対の丸み面取り側辺部415とを含む。丸み面取り側辺部415には、四角錐の側辺それぞれに対して所定の曲率による丸み面取りがなされている。また、隣接する封口用突起410i同士の谷間には、所定の曲率による丸み面取りがなされた凹部である丸み面取り谷間部414を含む。なお、封口用突起410iは、頂部が切り落とされた四角錐台形状を有していても良い。
図48に示すように、封口用突起410iそれぞれは、その頂部それぞれが、グリーンハニカム成形体70の入口側六角形セル70Hinに対応した位置となるように配置されている。また、封口用突起410iそれぞれは、その長い方の丸み面取り側辺部415それぞれが出口側六角形セル70Houtの隔壁70Wに当接する向きに配置されている。封口用突起410iそれぞれの大きさは、長い方の丸み面取り側辺部415を封口面401aの直上から封口面401a上に投影した長さが、入口側六角形セル70Hinの中心から当該入口側六角形セル70Hinに隣接する出口側六角形セル70Houtの中心までの長さよりも短い長さとなるようにしている。
(封口工程)
以下、本実施形態のグリーンハニカム成形体70の封口工程について説明する。まず、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aの封口工程について説明する。
図8に示すように、グリーンハニカム成形体70の上面71a側の端部が、封口用治具400の支持ソケット部450に挿入される。図49に示すように、封口面401aの封口用突起410iの先端が入口側六角形セル70Hinそれぞれに長い方の丸み面取り側辺部415を出口側六角形セル70Houtの隔壁70Wに当接させつつ挿入される。
図10に示すように、封口用突起410iがさらに入口側六角形セル70Hinに挿入されると、図50に示すように、長い方の丸み面取り側辺部415それぞれは、出口側六角形セル70Houtの隔壁70Wに当接させられる。隔壁70Wは、それぞれ封口用突起410iを挿入された6つの入口側六角形セル70Hinの中心の封口用突起410iを挿入されていない出口側六角形セル70Houtを封口するように押し付けられる。
図12に示すように、封口用突起410iがさらに入口側六角形セル70Hinに挿入されると、図51に示すように、丸み面取り側辺部415及び四角錐側面部417により六方向から押圧された隔壁70W同士は一体に圧着される。圧着された隔壁70Wの端部は、封口面401aの丸み面取り谷間部414に当接させられ、丸み面取り谷間部414の形状に対応した丸み面取りがなされた状態で封口が完了する。これにより、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aでは、その周囲をそれぞれ隣接する6つの入口側六角形セル70Hinに囲まれた1つの出口側六角形セル70Houtが封口される。
次に、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの供給側(出口側)となる下面71bの封口工程について説明する。出口側の封口工程においては、上述した第5実施形態で用いられる封口用突起410fを有する封口用治具400を用いることができる。なお、本実施形態では、封口面401bにおいて隣接する封口用突起410fそれぞれの中心の間の距離は、隣接する出口側六角形セル70Houtそれぞれの中心の間の距離に対応するようになっている。
図15に示すように、グリーンハニカム成形体70の下面71b側の端部が、封口用治具400の支持ソケット部450に挿入される。図52に示すように、封口面401bの封口用突起410fの先端が出口側六角形セル70Houtそれぞれに挿入される。図52に示すように、封口用突起410fの六角錐台状側面部433それぞれは、出口側六角形セル70Houtの隔壁70Wそれぞれと対向するように挿入される。
図17に示すように、封口用突起410fがさらに出口側六角形セル70Houtに挿入されると、図53に示すように、封口用突起410fの六角錐台状側面部433それぞれは、隔壁70Wに当接させられる。隔壁70Wは、それぞれ封口用突起410fを挿入された出口側六角形セル70Houtの中間の封口用突起410fを挿入されていない入口側六角形セル70Hinを封口するように押し付けられる。このとき、封口される入口側六角形セル70Hinの隔壁70Wは、互いに隣接する3つの封口用突起410fの谷間に押し込まれる。
図19に示すように、封口用突起410fがさらに出口側六角形セル70Houtに挿入されると、図54に示すように、封口用突起410fの六角錐台状側面部433により押圧された隔壁70W同士は、互いに隣接する3つの封口用突起410fの谷間において、一体に圧着され、封口が完了する。これにより、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bでは、上面71aで封口された1つの出口側六角形セル70Houtの周囲にそれぞれ隣接する6つの入口側六角形セル70Hinが封口される。
一方、出口側の封口工程においては、上述した第4実施形態で用いられる封口用突起410eを有する封口用治具400を用いることができる。なお、本実施形態では、封口面401bにおいて隣接する封口用突起410eそれぞれの中心の間の距離は、隣接する出口側六角形セル70Houtそれぞれの中心の間の距離に対応するようになっている。
図15に示すように、グリーンハニカム成形体70の下面71b側の端部が、封口用治具400の支持ソケット部450に挿入される。図55に示すように、封口面401bの封口用突起410eの先端が出口側六角形セル70Houtそれぞれに挿入される。図55に示すように、封口用突起410fの六角錐台状側辺部435それぞれは、出口側六角形セル70Houtの隔壁70Wそれぞれと対向するように挿入される。
図17に示すように、封口用突起410eがさらに出口側六角形セル70Houtに挿入されると、図56に示すように、封口用突起410eの六角錐台状側辺部435それぞれは、隔壁70Wに当接させられる。隔壁70Wは、それぞれ封口用突起410eを挿入された出口側六角形セル70Houtの中間の封口用突起410eを挿入されていない入口側六角形セル70Hinを封口するように押し付けられる。このとき、封口される入口側六角形セル70Hinの隔壁70Wは、互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間の谷間正三角形平面領域437に押し込まれる。
図19に示すように、封口用突起410eがさらに出口側六角形セル70Houtに挿入されると、図57に示すように、封口用突起410eの六角錐台状側辺部435により押圧された隔壁70W同士は、互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間の谷間正三角形平面領域437において一体に圧着され、三角柱状に成型される。圧着された隔壁70Wの端部は、互いに隣接する3つの封口用突起410eの谷間の谷間正三角形平面領域437の谷間凹部434に押し込まれ、谷間凹部434の形状に対応した丸み面取りがなされた状態で球状隔壁接合端部74が形成され、封口が完了する。これにより、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bでは、上面71aで封口された1つの出口側六角形セル70Houtの周囲にそれぞれ隣接する6つの入口側六角形セル70Hinが封口される。このようにして、上面71a及び下面71bでの封口が終了した後に、乾燥工程及び焼成工程を経て、上記のグリーンハニカム成形体70と同様の形状を有するハニカム構造体が製造される。
本実施形態では、1つの出口側六角形セル70Houtと、出口側六角形セル70Houtの周囲に隔壁70Wを介して隣接した出口側六角形セル70Houtよりも小さい開口面積を有する6つの入口側六角形セル70Hinとからなる群同士が互いに隣接している。このため、例えばグリーンハニカム構造体70をディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、ディーゼル粒子フィルタの入口側で開口面積の大きい出口側六角形セル70Houtを封口しつつ開口面積の小さい入口側六角形セル70Hinを開口させ、出口側で開口面積の小さい入口側六角形セル70Hinを封口しつつ開口面積の大きい出口側六角形セル70Houtを開口させることにより、等しい開口面積の貫通孔同士が隣接しているものよりも濾過面積を大きくすることができる。このため、ディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、煤が溜まった時の圧力損失が小さく、煤の捕集効率が高いものとできる。
さらに、封口工程では、底面が菱形となる四角錐状及び/又は四角錐台状の形状を含む複数の封口用突起410iを有する封口用治具400の封口用突起410iを長い方の丸み面取り側辺部415が出口側六角形セル70Houtの隔壁70Wに当接するようにして入口側六角形セル70Hinに挿入することにより、隔壁70W同士を圧着させて出口側六角形セル70Houtを封口する。これにより、入口側六角形セル70Hinに周囲を囲まれた出口側六角形セル70Houtを容易に封口することができる。そのため、ディーゼル粒子フィルタとして用いた場合に、入口側に適用した場合により特性の優れたものとできる。
〔第7実施形態〕
以下、本発明の第7実施形態について説明する。図58に示すように、隔壁70W同士の接合部において、隔壁70W同士が所定の長さに亘って互いに平行に接合された隔壁延長接合部75が形成されている点が上記第1〜第6実施形態とは異なっている。隔壁延長接合部75のグリーンハニカム成形体70の長手方向に沿った長さは、少なくとも隔壁70Wの厚さ以上にでき、隔壁70Wの厚さの2倍以上の厚さにできる。本実施形態では、封口面401bに配置された封口用突起410g同士の谷間に隔壁延長接合部75に対応した延長接合部形成溝418を有している。延長接合部形成溝418は、隔壁延長接合部75の長さに対応した深さの互いに平行な壁面を有する。このような封口用突起410gを有する封口用治具により六角形セル70hを有するグリーンハニカム成形体70の例えば下面71bの封口を行った場合、封口後の六角形セル70hの形状は、図59に示すようなものとなる。本実施形態の封口用突起410gを有する封口用治具は、上記第1〜第6実施形態の入口側及び出口側の封口のいずれにも適用することができる。このようにして、上面71a及び下面71bでの封口が終了した後に、乾燥工程及び焼成工程を経て、上記のグリーンハニカム成形体70と同様の形状を有するハニカム構造体が製造される。
本実施形態では、隔壁70W同士の接合部において、隔壁70W同士が所定の長さに亘って互いに平行に接合された隔壁延長接合部75が形成されている。このため、より大きな範囲に亘って隔壁70W同士が接合されることになり、封口部の強度を増大させることができる。また、封口されていない六角形セル70の端部において、隔壁延長接合部75が所定の長さに亘って伸びているため、排ガスが供給される入口側及び排ガスが排気される出口側において、排ガスの流れの乱れが少なくなり、圧力損失を低減することができる。
〔第8実施形態〕
(封口用治具)
以下、本発明の第8実施形態について説明する。図60に示すように、隔壁延長接合部75の端部において、上記第1実施形態の丸み隔壁接合端部73と同様の丸み隔壁延長接合端部76が形成されている点が上記第7実施形態と異なっている。本実施形態では、封口面401bに配置された封口用突起410h同士の谷間に隔壁延長接合部75が形成されている。隔壁延長接合部75の底部には、上記第1実施形態と同様の丸み面取り谷間部414が形成されている。このような封口用突起410hを有する封口用治具により六角形セル70hを有するグリーンハニカム成形体70の例えば下面71bの封口を行った場合、封口後の六角形セル70hの形状は、図61に示すようなものとなる。本実施形態の封口用突起410hを有する封口用治具は、上記第1〜第6実施形態の入口側及び出口側の封口のいずれにも適用することができる。このようにして、上面71a及び下面71bでの封口が終了した後に、乾燥工程及び焼成工程を経て、上記のグリーンハニカム成形体70と同様の形状を有するハニカム構造体が製造される。
本実施形態では、上記第7実施形態における封口部の強度を増大させる効果に加えて、丸み隔壁延長接合端部76が形成されるため、隔壁70Wの端部同士を確実に圧着して封口漏れを防止し、かつハニカム構造体をディーゼル粒子フィルタに用いた場合に、排ガスを供給する側及び排ガスを排気する側の端面での排ガスの流れの乱れが少なくなり、圧力損失を低減することができる。
上記第1〜8の実施形態での封口工程において、隔壁の変形、溶着性を高めるため、必用に応じて、追加で1回又は複数回封口用治具を所定の開口部へ挿入しても良いし、封口後の端部を平坦に押しつぶした後、再度封口用治具を挿入して封口部の形状を整えても良い。
また、別途封口用ペーストを準備し、封口用治具挿入前のセルへ添加しても良いし、グリーンハニカム成形体の乾燥後や焼成後に封口箇所に該ペーストを追加で塗布し、再び、乾燥、焼成工程を繰り返しても良い。
上記第1〜8の実施形態で用いる封口用治具において、その封口用突起の一部の形状が異なるものを用いても良い。封口用突起の形状の異なるものの異なる点には、突起の断面形状や隣接する突起同士で形成する谷間部から突起先端部までの長さ、封口用突起の間隔等の違いが挙げられ、これらを二つ以上組合せて実施しても良い。
形状の異なる突起は、一つの封口用治具中において分布を持つように配置させても良いし、特定の場所に集中して配置させても良い。また、異なる形状の突起からなる複数の封口用治具を一体化させて、一つの封口用治具として使用しても良い。
封口用治具の中心から異なる形状を持つ二種以上の突起が同心円状に配置されていることができる。形状の異なる突起が二つの場合は、封口用治具中心とその最外周までの距離の4分の1から4分の3を半径として治具中心から描かれた円の内外にそれぞれ異なる突起が配置されていることができ、3分の1から3分の2を半径として治具中心から描かれた円の内外にそれぞれ異なる突起が配置されていることができる。
また、それぞれの突起において、隣接する突起同士で形成する谷間部から突起先端までの長さが、中心部に配置される突起よりも外周部に配置される突起の方が長いことができる。
一般的にハニカム成形体の端面の中心部に排気ガスの流れが集中し易く、局所的な煤の堆積やそれに伴う圧力損失の増加により、煤の捕集効率の著しい低下が生じやすい。
前述の突起の形状と配置とを持つ封口用治具で封口されたハニカム成形体は、外周部の開口部において隔壁がより大きく変形され、中心部よりも外周部において排気ガスが通過し易くなる。
ハニカム成形体中の排気ガスの流れが一様となり、圧力損失の低減と煤の捕集効率の改善が期待できるとともに、ハニカム再生時の煤燃焼と温度分布との均一化による再生効率の改善も期待できる。
上記第1〜8の実施形態の封口工程を終えたグリーンハニカム成形体は、乾燥工程にて成形体中の水分を除去した後、焼成工程を経てハニカム成形体となる。
グリーンハニカム成形体の乾燥には、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、減圧又は真空乾燥等が一般的に用いられる。該グリーンハニカム成形体の乾燥には、発生した水蒸気を効率よく排出させることが出来る減圧又は真空乾燥が適用できる。
また、グリーンハニカム成形体両端部の開口・封口部の形状を保護する観点から、成形体を横置きで乾燥機内に設置することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変形態様が可能である。
本発明の一実施形態のハニカム構造体の製造方法によれば、工程数を低減することが可能となる。
70 グリーンハニカム成形体
71a 上面
71b 下面
71c 側面
70h 六角形セル
70Hin 入口側六角形セル
70Hout 出口側六角形セル
70hin 入口側六角形セル
70hout 出口側六角形セル
70W 隔壁
70P 封口材
73 丸み隔壁接合端部
74 球状隔壁接合端部
75 隔壁延長接合部
76 丸み隔壁延長接合端部
100 押出成形機
120 受台
140 ローラコンベア
240 切断刃
400 封口用治具
400’ 封口用治具
401a,401b 封口面
410a,410b,410d,410e,410f,410g,410h、410i 封口用突起
411 三角錐状基部
412 円錐状先端部
413 三角錐側面部
414 丸み面取り谷間部
415 丸み面取り側辺部
418 延長接合部形成溝
422 円錐側面部
432 六角錐台状先端部
433 六角錐台状側面部
434 谷間凹部
435 六角錐台状側辺部
437 谷間正三角形平面領域
450 支持ソケット部
451 傾斜面

Claims (12)

  1. 柱体の端面で開口し互いに隔壁で区画された複数の貫通孔の一部が封口されたハニカム構造体の製造方法であって、
    柱体の端面に互いに隔壁で区画された複数の六角形状の貫通孔が開口しているグリーンハニカム成形体の複数の前記貫通孔の一部に封口用治具を挿入することにより、前記隔壁同士を圧着させて前記貫通孔を封口する封口工程を含み、
    前記グリーンハニカム成形体は、1つの第1の前記貫通孔と、1つの第1の前記貫通孔の周囲に前記隔壁を介して隣接した第1の前記貫通孔よりも小さい開口面積を有する6つの第2の前記貫通孔とを有し、
    前記封口工程では、底面が菱形となる四角錐状及び/又は四角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する前記封口用治具の前記封口用突起を長い方の側辺が第1の前記貫通孔の前記隔壁に当接するようにして第2の前記貫通孔に挿入することにより、前記隔壁同士を圧着させて第1の前記貫通孔を封口する、ハニカム構造体の製造方法。
  2. 柱体の端面で開口し互いに隔壁で区画された複数の貫通孔の一部が封口されたハニカム構造体の製造方法であって、
    柱体の端面に互いに隔壁で区画された複数の六角形状の貫通孔が開口しているグリーンハニカム成形体の複数の前記貫通孔の一部に封口用治具を挿入することにより、前記隔壁同士を圧着させて前記貫通孔を封口する封口工程を含み、
    前記封口工程では、六角錐状及び/又は六角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する前記封口用治具の前記封口用突起を6個の前記貫通孔に周囲を囲まれた1個の前記貫通孔ごとに挿入することにより、前記隔壁同士を圧着させて前記貫通孔を封口し、前記封口用突起それぞれが六角錐状及び/又は六角錐台状の形状の側辺の部分で最も近接している前記封口用突起を有する前記封口用治具により前記貫通孔を封口する、ハニカム構造体の製造方法。
  3. 柱体の端面で開口し互いに隔壁で区画された複数の貫通孔の一部が封口されたハニカム構造体の製造方法であって、
    柱体の端面に互いに隔壁で区画された複数の六角形状の貫通孔が開口しているグリーンハニカム成形体であり、原料から鉛直下方に押出成形された直後の前記グリーンハニカム成形体の下側の前記端面を封口用治具で支持する支持工程と、
    前記支持工程で支持された後の前記グリーンハニカム成形体の下側の前記端面の前記貫通孔の一部に前記封口用治具の複数の封口用突起をそれぞれ挿入することにより、前記隔壁同士を圧着させて前記貫通孔を封口する封口工程と、を含むハニカム構造体の製造方法。
  4. 前記封口用治具は、支持面の内側に前記封口用突起を収容した状態と、前記支持面の外側に前記封口用突起を突出させた状態とを選択的に変更可能であり、
    前記支持工程では、前記支持面の内側に前記封口用突起を収容した状態の前記封口用治具の前記支持面によって、原料から鉛直下方に押出成形された直後の前記グリーンハニカム成形体の下側の前記端面を支持し、
    前記封口工程では、前記支持面の外側に前記封口用突起を突出させた状態の前記封口用治具の前記封口用突起を前記グリーンハニカム成形体の下側の前記端面の前記貫通孔の一部にそれぞれ挿入することによって、前記隔壁同士を圧着させて前記貫通孔を封口する、請求項3に記載のハニカム構造体の製造方法。
  5. 前記グリーンハニカム成形体は、1つの第1の前記貫通孔と、1つの第1の前記貫通孔の周囲に前記隔壁を介して隣接した第1の前記貫通孔よりも小さい開口面積を有する6つの第2の前記貫通孔とを有し、
    前記封口工程では、底面が菱形となる四角錐状及び/又は四角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する前記封口用治具の前記封口用突起を長い方の側辺が第1の前記貫通孔の前記隔壁に当接するようにして第2の前記貫通孔に挿入することにより、前記隔壁同士を圧着させて第1の前記貫通孔を封口する、請求項3又は4に記載のハニカム構造体の製造方法。
  6. 前記封口工程では、三角錐状及び/又は三角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する前記封口用治具の前記封口用突起を1個の前記貫通孔の周囲に隣接する6個の前記貫通孔ごとに挿入することにより、前記隔壁同士を圧着させて前記貫通孔を封口する、請求項3又は4に記載のハニカム構造体の製造方法。
  7. 前記封口工程では、円錐状及び/又は円錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する前記封口用治具の前記封口用突起を6個の前記貫通孔に周囲を囲まれた1個の前記貫通孔ごとに挿入することにより、前記隔壁同士を圧着させて前記貫通孔を封口する、請求項3又は4に記載のハニカム構造体の製造方法。
  8. 前記封口工程では、六角錐状及び/又は六角錐台状の形状を含む複数の封口用突起を有する前記封口用治具の前記封口用突起を6個の前記貫通孔に周囲を囲まれた1個の前記貫通孔ごとに挿入することにより、前記隔壁同士を圧着させて前記貫通孔を封口する、請求項3又は4に記載のハニカム構造体の製造方法。
  9. 前記封口工程では、前記封口用突起それぞれが六角錐状及び/又は六角錐台状の形状の側辺の部分で最も近接している前記封口用突起を有する前記封口用治具により前記貫通孔を封口する、請求項8に記載のハニカム構造体の製造方法。
  10. 前記封口工程では、前記封口用突起それぞれが六角錐状及び/又は六角錐台状の形状の底辺の部分を互いに対向させつつ互いに密接している前記封口用突起を有する前記封口用治具により前記貫通孔を封口する、請求項8に記載のハニカム構造体の製造方法。
  11. 前記封口工程では、複数の封口用突起を有する前記封口用治具の前記封口用突起それぞれの谷間に溝を含む前記封口用治具により前記貫通孔を封口することにより、圧着された前記隔壁同士が前記端面から所定の長さにわたって互いに平行な状態となるように前記貫通孔を封口する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
  12. 前記封口工程では、複数の封口用突起を有する前記封口用治具の前記封口用突起それぞれの谷間に丸み面取りがなされている前記封口用治具により前記貫通孔を封口することにより、圧着された前記隔壁同士が前記端面で丸みを帯びるように前記貫通孔を封口する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
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