JP2015009441A - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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博之 井川
将志 井上
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将志 井上
照夫 小森
Teruo Komori
照夫 小森
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Abstract

【課題】ハニカム構造体をさらに容易に製造することが可能なハニカム構造体の製造方法を提供する。【解決手段】 上面71a及び下面71bに互いに隔壁70Wで区画された複数の入口側三角形セル70Tin及び出口側六角形セル70Houtが開口しているグリーンハニカム成形体70の隔壁70W同士を上面71a及び下面71bで接合して入口側三角形セル70Tin又は出口側六角形セル70Houtを封口する。上面71a及び下面71bにおいて、0?、60?及び120?の方向に互いに平行な複数の隔壁70Wが異なる点で交差することにより、入口側三角形セル70Tin及び出口側六角形セル70Houtが区画される。セルを区画する隔壁70Wは直線で構成されるため、グリーンハニカム成形体70を成形する際の金型をワイヤー加工等により容易に製造できる。【選択図】図13

Description

本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関し、特に、グリーンハニカム成形体を焼成することによりハニカム構造体となるハニカム構造体の製造方法に関する。
従来より、例えば、断面多角形の複数の貫通孔を有するセラミック製のハニカム孔構造体が知られている。このようなハニカム構造体は、ディーゼルパティキュレートフィルタ(ディーゼル粒子フィルタ:Diesel particulate filter)等に用いられる。このようなハニカム構造体の製造工程では、セラミック原料粉が押出成形により成形されて、グリーンハニカム成形体が製造される。このグリーンハニカム成形体の貫通孔の一部が端面で封口される。貫通孔を封口されたグリーンハニカム成形体が焼成されることにより、ハニカム構造体が製造される。特許文献1には、このようなハニカムフィルタを製造する方法が開示されている。特許文献1では、シリンダ内に配置したハニカム構造体の一端に対して、ピストンにより封口材を押圧することにより、ハニカム構造体の貫通孔の端部に封口材を供給し、貫通孔を封口している。
特公昭63−24731号公報
しかしながら、上記特許文献1の方法では、封口用ペーストのような封口材が必要となる。また、複雑な形状のグリーンハニカム成形体を押出成形により成形するための金型の製造が難しくなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ハニカム構造体をさらに容易に製造することが可能なハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、柱体の端面に互いに隔壁で区画された複数の貫通孔が開口しているグリーンハニカム成形体の隔壁同士を端面で接合することにより貫通孔の一部を封口する封口工程を備え、封口工程で貫通孔の一部を封口されるグリーンハニカム成形体は、端面において、第1の方向に互いに平行な複数の第1の隔壁と、端面において、第2の方向に互いに平行であり、第1の隔壁と交差する複数の第2の隔壁と、端面において、第3の方向に互いに平行であり、第1の隔壁と第2の隔壁とが交差する点以外で、第1の隔壁及び第2の隔壁と交差する複数の第3の隔壁とを有し、端面において、互いに隔壁で区画された三角形状の貫通孔と六角形状の貫通孔とを有するハニカム構造体の製造方法である。
この構成によれば、ハニカム構造体の製造方法において、柱体の端面に互いに隔壁で区画された複数の貫通孔が開口しているグリーンハニカム成形体の隔壁同士を端面で接合することにより貫通孔の一部を封口する封口工程を備える。これにより、隔壁(セル壁)同士を接合させることによりセルを封口するため、従来の方法のような封口用ペーストが不要となる。さらに、セル壁同士を溶着させることによりセルを封口するため、ハニカム構造体をディーゼル粒子フィルタに用いた場合に、排ガスを供給する側の端面での排ガスの流れの乱れが少なくなり、圧力損失を低減することができる。また、封口工程で貫通孔の一部を封口されるグリーンハニカム成形体は、端面において、第1の方向に互いに平行な複数の第1の隔壁と、端面において、第2の方向に互いに平行であり、第1の隔壁と交差する複数の第2の隔壁と、端面において、第3の方向に互いに平行であり、第1の隔壁と第2の隔壁とが交差する点以外で、第1の隔壁及び第2の隔壁と交差する複数の第3の隔壁とを有し、端面において、互いに隔壁で区画された三角形状の貫通孔と六角形状の貫通孔とを有する。これにより、セルを区画する全ての隔壁は直線で構成されるため、押出成形により原料からグリーンハニカム成形体を製造する際に用いられる金型をワイヤー加工等により容易に製造することができる。したがって、ハニカム構造体をさらに容易に製造することができる。
この場合、封口工程では、一方の端面において、六角形状の貫通孔を封口し、他方の端面において、三角形状の貫通孔を封口することが好適である。
この構成によれば、封口工程では、一方の端面において、六角形状の貫通孔を封口し、他方の端面において、三角形状の貫通孔を封口する。端面において、三角形状の貫通孔は、六角形状の貫通孔よりも開口面積が狭い。このため、例えばハニカム構造体をディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、ディーゼル粒子フィルタの入口側で開口面積の大きい六角形状の貫通孔を封口しつつ開口面積の小さい三角形状の貫通孔を開口させ、出口側で開口面積の小さい三角形状の貫通孔を封口しつつ開口面積の大きい六角形状の貫通孔を開口させることにより、等しい開口面積の貫通孔同士が隣接しているものよりも濾過面積を大きくすることができる。このため、ディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、煤が溜まった時の圧力損失が小さく、煤の捕集効率が高いものとできる。
また、封口工程では、グリーンハニカム成形体の複数の貫通孔の一部に封口用治具を挿入することにより、隔壁同士を端面で接合して貫通孔を封口することが好適である。
この構成によれば、封口工程では、グリーンハニカム成形体の複数の貫通孔の一部に封口用治具を挿入することにより、隔壁同士を端面で接合して貫通孔を封口する。これにより、貫通孔の封口を極めて容易に行うことができる。
この場合、封口工程では、六角形状の貫通孔の封口において、三角形状の貫通孔に三角錐及び三角錐台のいずれかの形状を含む封口用治具をその側辺が隔壁に当接するようにしつつ挿入することにより、六角形状の貫通孔を封口することが好適である。
この構成によれば、封口工程では、六角形状の貫通孔の封口において、三角形状の貫通孔に三角錐及び三角錐台のいずれかの形状を含む封口用治具をその側辺が隔壁に当接するようにしつつ挿入することにより、六角形状の貫通孔を封口する。これにより、六角形状の貫通孔を容易かつ確実に封口することができる。
また、封口工程では、三角形状の貫通孔の封口において、六角形状の貫通孔に円錐及び円錐台のいずれかの形状を含む封口用治具を挿入することにより、三角形状の貫通孔を封口することが好適である。
この構成によれば、封口工程では、三角形状の貫通孔の封口において、六角形状の貫通孔に円錐及び円錐台のいずれかの形状を含む封口用治具を挿入することにより、三角形状の貫通孔を封口する。これにより、三角形状の貫通孔を容易かつ確実に封口することができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、ハニカム構造体をさらに容易に製造することができる。
(a)は封口前のグリーンハニカム成形体の斜視図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 実施形態に係るグリーンハニカム成形体の封口装置を示す斜視図である。 実施形態に係るグリーンハニカム成形体の入口側用の封口用治具の部分断面図である。 図3の部分Aを拡大した斜視図である。 図3の部分Aを拡大した平面図である。 別態様における図3の部分Aを拡大した斜視図である。 別態様における図3の部分Aを拡大した平面図である。 実施形態に係るグリーンハニカム成形体の出口側用の封口用治具の図3の部分Aに対応する部位を拡大した平面図である。 実施形態に係るグリーンハニカム成形体の入口側の封口工程の初期の状態を示す部分断面図である。 図9のX-X線による断面図である。 図9の封口工程の中期の状態を示す部分断面図である。 図11のXII−XII線による断面図である。 図9の封口工程の終期の状態を示す部分断面図である。 図13のXIV−XIV線による断面図である。 別形態の封口用治具を用いた場合における図13のXIV−XIV線による断面図である。 実施形態に係るグリーンハニカム成形体の出口側の封口工程の初期の状態を示す部分断面図である。 図16のXVI−XVI線による断面図である。 図16の封口工程の中期の状態を示す部分断面図である。 図18のXVIII−XVIII線による断面図である。 図16の封口工程の終期の状態を示す部分断面図である。 図20のXX−XX線による断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(グリーンハニカム成形体)
まず、本発明の実施形態において加工の対象となるグリーンハニカム成形体について説明する。図1(a)に示すように、本実施形態に係るグリーンハニカム成形体70は、例えば、上面71a、下面71b及び側面71cを有し、上面71a及び下面71bに複数の三角形状の貫通孔である入口側三角形セル70Tinと、六角形状の貫通孔である出口側六角形セル70Houtとが開口している円柱体である。入口側三角形セル70Tinと出口側六角形セル70Houtとは、側面71cに沿って上面71aから下面71bまで略平行に伸びている。グリーンハニカム成形体70は、後で焼成することにより多孔質のセラミックとなる未焼成成形体である。また、グリーンハニカム成形体70の入口側三角形セル70Tinと出口側六角形セル70Houtとが延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、40〜400mmとすることができる。また、グリーンハニカム成形体70の外径も特に限定されないが、例えば、10〜360mmとすることできる。
入口側三角形セル70Tin及び出口側六角形セル70Houtのそれぞれは、グリーンハニカム成形体70の中心軸に略平行に延びる隔壁70Wによって隔てられている。隔壁70Wの厚さとしては、0.8mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.1mm以上が好ましい。
図1(b)に示すように、上面71aあるいは下面71bにおいて、グリーンハニカム成形体70は、図中の上方向を0°の方向とした場合に、0°に平行に所定の等間隔を隔てて伸びる複数の隔壁70Wを有する。上面71aあるいは下面71bにおいて、グリーンハニカム成形体70は、図中の上方向から一方の方向に略60°回転した方向に平行に等間隔を隔てて伸びる複数の隔壁70Wを有する。上面71aあるいは下面71bにおいて、グリーンハニカム成形体70は、図中の上方向からさらに一方の方向に略60°回転した方向に平行に等間隔を隔てて伸びる複数の隔壁70Wを有する。上面71aあるいは下面71bにおいて、異なる方向に伸びる2つの隔壁同士は交差する。また、上面71aあるいは下面71bにおいて、これらの2つの隔壁とは異なる方向に伸びる隔壁70Wは、これらの2つの隔壁同士が交差している点以外で、これらの2つの隔壁と交差する。
このため、上面71aあるいは下面71bにおいて、隔壁70Wにより、大きな開口面積の出口側六角形セル70Houtと、出口側六角形セル70Houtよりも小さな開口面積の入口側三角形セル70Tinとが区画される。1つの出口側六角形セル70Houtの周囲には、隔壁70Wを介して6つの入口側三角形セル70Tinが隣接する。1つの入口側三角形セル70Tinの周囲には、隔壁70Wを介して3つの出口側六角形セル70Houtが隣接する。なお、ある方向に伸びる隔壁70W同士の間隔と、異なる方向に伸びる隔壁70W同士の間隔とは異なっていても良い。したがって、入口側三角形セル70Tinは正三角形状でなくても良く、出口側六角形セル70Houtは正六角形でなくても良い。
なお、グリーンハニカム成形体70の外形形状は円柱体に限定されず、楕円柱、角柱(例えば三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等の正多角柱や、正多角柱以外の三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等)等であっても良いが、本実施形態においては、ハニカム構造体70が円柱体である場合について説明する。
このようなグリーンハニカム成形体70は、セラミック組成物を押出成形機により押出成形することにより製造される。この場合、セラミック組成物を調製するために、セラミック原料である無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加される添加物を用意する。
無機化合物源粉末は、アルミニウム源粉末、マグネシウム源粉末、ケイ素源粉末およびチタニウム源粉末からなる群から選択される二種以上を含むのもの、又は、炭化ケイ素源粉末、窒化ケイ素源粉末および窒化アルミニウム源粉末のうちいずれか一種以上を含むものが挙げられる。また、製品の耐熱性や機械的強度向上のため、前記無機化合物源粉末に炭素源粉末、ジルコニウム源粉末、モリブデン源粉末およびカルシウム源粉末のうちいずれか一種以上を添加しても良い。特に、アルミニウム源粉末、マグネシウム源粉末、チタニウム源粉末及びケイ素源粉末を含むと耐熱性を向上させることができるので好ましい。有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩を例示できる。添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
用意した原料を混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁70Wの断面形状に対応する出口開口を有する押出成形機から押し出すことにより、本実施形態に係るグリーンハニカム成形体が製造される。
(超音波封口機)
以下、本実施形態の超音波封口機について説明する。図2に示すように、本実施形態の超音波封口機300は、超音波信号発信器310、超音波振動子部320、ホーン部330及び封口用治具400を備える。上記の超音波切断機200と同様に、超音波信号発信器310は、電気的な超音波信号を発信する。超音波振動子部320は、超音波信号発信器310から供給された電気的な超音波信号を機械的な超音波振動に変換する。ホーン部330は、超音波振動子部220から供給された超音波振動の振幅を増幅する。封口用治具400はホーン部330から供給された超音波振動により、20〜40kHz程度の周波数で振動させられる。
(封口用治具)
以下、本実施形態の封口用治具について説明する。本実施形態では、入口側三角形セル70Tinと出口側六角形セル70Houtとを有するグリーンハニカム成形体70の上面71aと下面71bとでそれぞれ異なる態様で封口を行う。まず、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aを封口するための封口用治具について説明する。
図3に示すように、本実施形態の封口用治具400は、グリーンハニカム成形体70の封口を行うための封口面401aと、グリーンハニカム成形体70の端部が嵌合される支持ソケット部450を有している。封口面401aには、入口側三角形セル70Tinに対応した位置に配置され、入口側三角形セル70Tinにそれぞれ挿入されることにより、隔壁70W同士を溶着させて出口側六角形セル70Houtを封口するための複数の封口用突起410aを備えている。支持ソケット部450は、封口するグリーンハニカム成形体70の直径に対応した円筒状の凹部から成る。支持ソケット450の内周面は、グリーンハニカム成形体70の端部を差し込み易いように、封口面401aから離れるほど支持ソケット部450の内径が拡がるような傾斜面451が設けられている。
図3の部分Aを拡大した図4及び図5に示すように、封口用突起410aは、三角錐状基部411と円錐状先端部412とを有している。三角錐状基部411は、封口用突起410aの基部に位置し、封口面401aから突出している。三角錐状基部411は、円錐状先端部412よりも頂角が大きい三角錐から相似に縮小した三角錐を取り除いた三角錐台状をなす。円錐状先端部412は、封口用突起410aの先端部であって三角錐状基部411の上部に位置する。円錐状先端部412は、三角錐状基部411の上面に対応した大きさの底面を有する円錐状をなす。円錐状先端部412の頂角は、三角錐状基部411の三角錐台の側辺がなす頂角よりも小さい。
三角錐状基部411は、三角錐台の側面の三角錐側面部413と三角錐台の側辺の丸み面取り側辺部415を含む。丸み面取り側辺部415には、三角錐台の側辺それぞれに対して所定の曲率による丸み面取りがなされている。また、隣接する封口用突起410aの三角錐状基部411同士の谷間には、所定の曲率による丸み面取りがなされた凹部である丸み面取り谷間部414を含む。
図5に示すように、封口用突起410aそれぞれは、その円錐状先端部412の頂部それぞれが、グリーンハニカム成形体70の入口側三角形セル70Tinに対応した位置となるように配置されている。また、封口用突起410aそれぞれは、その三角錐状基部411の丸み面取り側辺部415が入口側三角形セル70Tinの隔壁70Wに当接する向きに配置されている。三角錐状基部411それぞれの大きさは、丸み面取り側辺部415を封口面401aの直上から封口面401a上に投影した長さが、グリーンハニカム成形体70の隣接する入口側三角形セル70Tinの中心と出口側六角形セル70Houtの中心との長さに対応した長さとなるような大きさとされている。
なお、上面71aを封口するための封口面401aには、図6及び図7に示すように、三角錐形状を有する封口用突起410dを備えていても良い。封口用突起410dの配置や大きさ等は、上述した封口用突起410aと同様である。
一方、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bを封口するための封口用治具400について説明する。図8に示すように、下面71bを封口するための封口面401bには、円錐状の封口用突起410bを備えている。封口用突起410bは、円錐側面部422を有する。なお、円錐状の封口用突起410bは、先端から相似に縮小した円錐を取り除いた円錐台状をなしていても良い。
図8に示すように、封口用突起410bそれぞれは、その頂部それぞれが、グリーンハニカム成形体70の出口側六角形セル70Houtに対応した位置となるように配置されている。封口用突起410bそれぞれの大きさは、封口用突起410bの底面の直径が、グリーンハニカム成形体70の出口側六角形セル70Houtの対辺間の長さに対応した長さとなるような大きさとされている。
(封口工程)
以下、本実施形態のグリーンハニカム成形体70の封口工程について説明する。まず、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aの封口工程について説明する。以下の例では、封口用突起410aを封口面401aに備えた封口用治具400を使用する態様について説明する。
図9に示すように、グリーンハニカム成形体70の上面71a側の端部が、超音波封口機300の封口用治具400の支持ソケット部450に挿入される。封口用治具400はホーン部330からの超音波振動により振動させられる。図10に示すように、封口面401aの封口用突起410aの先端の円錐状先端部412が入口側三角形セル70Tinに挿入される。
図11に示すように、封口用突起410aがさらに入口側三角形セル70Tinに挿入されると、図12に示すように、封口用突起410aの三角錐状基部411が入口側三角形セル70Tinに挿入される。三角錐状基部411の丸み面取り側辺部415それぞれは、隔壁70Wに当接させられる。封口用突起410aは超音波振動により振動させられているため、隔壁70Wは液状化し、それぞれ封口用突起410aを挿入された6つの入口側三角形セル70Tinの中心の封口用突起410aを挿入されていない出口側六角形セル70Houtを封口するように押し付けられる。
図13に示すように、封口用突起410aがさらに入口側三角形セル70Tinに挿入されると、図14に示すように、三角錐状基部411の丸み面取り側辺部415及び三角錐側面部413により液状化されつつ六方向から押圧された隔壁70W同士は一体に溶着される。溶着された隔壁70Wの端部は、封口面401aの丸み面取り谷間部414に当接させられ、丸み面取り谷間部414の形状に対応した丸み面取りがなされた状態で丸み隔壁接合端部73が形成され、封口が完了する。これにより、排ガスの供給側(入口側)となる上面71aでは、その周囲をそれぞれ隣接する6つの入口側三角形セル70Tinに囲まれた1つの出口側六角形セル70Houtが封口される。
なお、封口用治具400の三角錐状基部411の三角錐側面部413が丸みを帯びずにほぼ平面形状である場合には、図14に代えて図15のように、封口部の隔壁の厚みをほぼ均一にすることができる。
次に、グリーンハニカム成形体70を焼成後にディーゼル粒子フィルタとした場合に、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bの封口工程について説明する。図16に示すように、グリーンハニカム成形体70の下面71b側の端部が、超音波封口機300の封口用治具400の支持ソケット部450に挿入される。図17に示すように、封口用治具400はホーン部330からの超音波振動により振動させられる。封口面401bの封口用突起410bの先端が出口側六角形セル70Houtに挿入される。
図18に示すように、封口用突起410bがさらに出口側六角形セル70Houtに挿入されると、図19に示すように、封口用突起410bの円錐側面部422は、隔壁70Wに当接させられる。封口用突起410bは超音波振動により振動させられているため、隔壁70Wは液状化し、それぞれ封口用突起410bを挿入された出口側六角形セル70Houtの中間の封口用突起410bを挿入されていない入口側三角形セル70Tinを封口するように押し付けられる。
図20に示すように、封口用突起410bがさらに出口側六角形セル70Houtに挿入されると、図21に示すように、封口用突起410bの円錐側面部422により液状化されつつ押圧された隔壁70W同士は一体に溶着される。溶着された隔壁70Wの端部は、封口面401bの丸み面取り谷間部414に当接させられ、封口が完了する。これにより、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bでは、上面71aで封口された1つの出口側六角形セル70Houtの周囲にそれぞれ隣接する6つの入口側三角形セル70Tinが封口される。このようにして、上面71a及び下面71bでの封口が終了した後に、焼成工程を経て、上記のグリーンハニカム成形体70と同様の形状を有するハニカム構造体が製造される。
なお、排ガスの排気側(出口側)となる下面71bの封口においては、封口面401bに六角錐形状及び六角錐台形状のいずれかの封口用突起を有する封口用治具400により、入口側三角形セル70Tinの封口を行っても良い。この場合、六角錐形状等の封口用突起は、その側辺部が出口側六角形セル70Houtの各辺を区画する隔壁70に当接するような配置とされる。また、六角錐形状等の封口用突起の大きさは、その側辺部を封口面401bの直上から封口面401b上に投影した長さが、グリーンハニカム成形体70の隣接する入口側三角形セル70Tinの中心と出口側六角形セル70Houtの中心との長さに対応した長さとなるような大きさとする。これにより、入口側三角形セル70Tinをより確実に隙間なく封口することが可能となる。
本実施形態では、ハニカム構造体の製造方法において、柱体の上面71a及び下面71bに互いに隔壁70Wで区画された複数の入口側三角形セル70Tin及び出口側六角形セル70Houtが開口しており、焼成することによりハニカム構造体となるグリーンハニカム成形体70の隔壁70W同士を上面71a及び下面71bで接合することにより入口側三角形セル70Tin又は出口側六角形セル70Houtを封口する。これにより、隔壁(セル壁)70W同士を接合させることによりセルを封口するため、従来の方法のような封口用ペーストが不要となる。さらに、セル壁同士を溶着させることによりセルを封口するため、ハニカム構造体をディーゼル粒子フィルタに用いた場合に、排ガスを供給する側の端面での排ガスの流れの乱れが少なくなり、圧力損失を低減することができる。
入口側三角形セル70Tin及び出口側六角形セル70Houtを封口されるグリーンハニカム成形体70は、柱体の上面71a及び下面71bにおいて、0°の方向に互いに平行な複数の隔壁70Wと、60°の方向に互いに平行であり、0°の方向の隔壁70Wと交差する複数の隔壁70Wと、120°の方向に互いに平行であり、0°の方向の隔壁70Wと60°の隔壁70Wとが交差する点以外で、0°の方向の隔壁70Wと60°の隔壁70Wと交差する複数の隔壁70Wとを有し、互いに隔壁70Wで区画された入口側三角形セル70Tin及び出口側六角形セル70Houtとを有する。これにより、セルを区画する全ての隔壁70Wは直線で構成されるため、押出成形により原料からグリーンハニカム成形体70を製造する際に用いられる金型をワイヤー加工等により容易に製造することができる。したがって、ハニカム構造体をさらに容易に製造することができる。
また、上面71aにおいて、出口側六角形セル70Houtを封口し、下面71bにおいて、入口側三角形セル70Tinを封口する。上面71a及び下面71bにおいて、入口側三角形セル70Tinは出口側六角形セル70Houtよりも開口面積が狭い。このため、例えばハニカム構造体をディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、ディーゼル粒子フィルタの入口側である上面71で開口面積の大きい出口側六角形セル70Houtを封口しつつ開口面積の小さい入口側三角形セル70Tinを開口させ、出口側である下面71bで開口面積の小さい入口側三角形セル70Tinを封口しつつ開口面積の大きい出口側六角形セル70Houtを開口させることにより、等しい開口面積の貫通孔同士が隣接しているものよりも濾過面積を大きくすることができる。このため、ディーゼル粒子フィルタに適用した場合に、煤が溜まった時の圧力損失が小さく、煤の捕集効率が高いものとできる。
また、グリーンハニカム成形体70の入口側三角形セル70Tin及び出口側六角形セル70Houtに封口用治具400を挿入することにより、隔壁70W同士を端面で接合して入口側三角形セル70Tin又は出口側六角形セル70Houtを封口する。これにより、セルの封口を極めて容易に行うことができる。
また、出口側六角形セル70Houtの封口において、入口側三角形セル70Tinに三角錐及び三角錐台のいずれかの形状を含む封口用治具400の封口用突起410a,410dをその丸み面取り側辺部415が隔壁70Wに当接するようにしつつ挿入することにより、出口側六角形セル70Houtを封口する。これにより、出口側六角形セル70Houtを容易かつ確実に封口することができる。
また、入口側三角形セル70Tinの封口において、出口側六角形セル70Houtに円錐及び円錐台のいずれかの形状を含む封口用治具400の封口用突起410bを挿入することにより、入口側三角形セル70Tinを封口する。これにより、入口側三角形セル70Tinを容易かつ確実に封口することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変形態様が可能である。例えば、上記実施形態では、封口されたグリーンハニカム成形体70は、超音波が印加されることにより隔壁70W同士が溶着されることにより封口されていたが、本発明の封口されたグリーンハニカム成形体70は当該態様に限定されない。例えば、本発明の封口されたグリーンハニカム成形体70は、超音波が印加されることがなく隔壁70W同士が圧着されることにより封口されたものも含まれる。また、本発明の封口されたグリーンハニカム成形体70は、超音波より低い周波数の例えば1kHz以下の振動が印加されることにより隔壁70W同士が圧着されることにより封口されたものも含まれる。
70…グリーンハニカム成形体、71a…上面、71b…下面、71c…側面、70Tin…入口側三角形セル、70Hout…出口側六角形セル、70W…隔壁、73…丸み隔壁接合端部、300…超音波封口機、310…超音波信号発信器、320…超音波振動子部、330…ホーン部、400…封口用治具、401a,401b…封口面、410a,410b,410d…封口用突起、411…三角錐状基部、412…円錐状先端部、413…三角錐側面部、414…丸み面取り谷間部、415…丸み面取り側辺部、422…円錐側面部、450…支持ソケット部、451…傾斜面。

Claims (5)

  1. 柱体の端面で開口し互いに隔壁で区画された複数の貫通孔の一部が封口されたハニカム構造体の製造方法であって、
    グリーンハニカム成形体の前記隔壁同士を前記端面で接合することにより前記貫通孔の一部を封口する封口工程を備え、
    前記封口工程で前記貫通孔の一部を封口される前記グリーンハニカム成形体は、
    前記端面において、第1の方向に互いに平行な複数の第1の前記隔壁と、
    前記端面において、第2の方向に互いに平行であり、第1の前記隔壁と交差する複数の第2の隔壁と、
    前記端面において、第3の方向に互いに平行であり、第1の前記隔壁と第2の前記隔壁とが交差する点以外で、第1の前記隔壁及び第2の前記隔壁と交差する複数の第3の隔壁と、を有し、
    前記端面において、互いに前記隔壁で区画された三角形状の前記貫通孔と六角形状の前記貫通孔とを有する、ハニカム構造体の製造方法。
  2. 前記封口工程では、一方の前記端面において、六角形状の前記貫通孔を封口し、他方の前記端面において、三角形状の前記貫通孔を封口する、請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。
  3. 前記封口工程では、前記グリーンハニカム成形体の複数の前記貫通孔の一部に封口用治具を挿入することにより、前記隔壁同士を前記端面で接合して前記貫通孔を封口する、請求項1又は2に記載のハニカム構造体の製造方法。
  4. 前記封口工程では、六角形状の前記貫通孔の封口において、三角形状の前記貫通孔に三角錐及び三角錐台のいずれかの形状を含む前記封口用治具をその側辺が前記隔壁に当接するようにしつつ挿入することにより、六角形状の前記貫通孔を封口する、請求項3に記載のハニカム構造体の製造方法。
  5. 前記封口工程では、三角形状の前記貫通孔の封口において、六角形状の前記貫通孔に円錐及び円錐台のいずれかの形状を含む前記封口用治具を挿入することにより、三角形状の前記貫通孔を封口する、請求項3又は4に記載のハニカム構造体の製造方法。
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