JP5674976B1 - 凍結皮付き魚およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】魚本来の特性が損なわれていない凍結皮付き魚であって、調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生しない凍結皮付き魚および凍結皮付き魚を経済的に容易に製造できる製造方法の提供。【解決手段】皮付き魚原料1あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料5の表皮4面に所定酸度の有機酸溶液2−1、2−2を接触させ、前記表皮4の下部の特性を損なうことなく酸処理した後、凍結し、必要に応じて切り身加工して得られる、加熱による反りが発生しない凍結皮付き魚。【選択図】図1

Description

本発明は、凍結皮付き魚およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、凍結皮付き魚を調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生しない凍結皮付き魚およびそのような凍結皮付き魚を効率良く経済的に製造できる製造方法に関するものである。
従来、皮付き魚を、調理するなどのために加熱すると反りが発生する場合があり、反りが発生すると、魚が小さく見えたり、見た目が悪くなったり、食し難くなったりするなどの問題があった。
このような反りを抑えるために、従来、皮が縮むために反るので薄皮を剥ぐ(非特許文献1参照)、串に刺す、串に刺して両面を乾燥する(非特許文献2参照)、皮に切れ目を入れる(非特許文献3参照)、皮にバッテンの切れ目を入れるなどが行なわれている。
加熱加工(調理)する食品原料内の水分の存在状態を予め均一化する予備処理方法であって、加熱加工する際に、食品原料を0℃以下の未凍結温度領域に保持して、加熱加工原料内の水分の存在状態を均一化することを特徴とする加熱加工する食品原料内の水分の存在状態の均一化方法(特許文献1参照)、さんまを開いて骨を残したまま皮面側から焼くことにより、肉面側に加熱不十分層を残した状態で皮面に加熱層を形成し、次いで、骨を取り除いてから肉面側を焼くことにより、内部に加熱不十分層を残した状態で肉面にも加熱層を形成し、この後、内部の加熱不十分層を含めて一気に焼き上げてから、皮面および肉面にタレを付けてさらに焼くさんまの蒲焼きの製造方法(特許文献2参照)、水産物が本来の持つ食感や味を損ねることなく、芯骨まで食せる水産物の加工法であって、処理すべき水産物の必要としない部分を除去洗浄後減圧乾燥し、減圧乾燥後、非密閉状態で加圧加熱し、さらに、チルド温度帯において熟成する工程を有する水産物の加工法(特許文献3参照)、魚体を切開する工程と、前記魚体の切開面を閉じる工程と、この魚体を開放状態で魚体からタンパク質成分が溶出する温度で高温処理する工程と、前記高温処理した魚体を冷却して切開面の間を前記高温処理の際に溶出したタンパク質成分で充たしつつ凝固させることにより切開面同士を結着させる工程とを有することを特徴とする魚加工方法(特許文献4参照)などが提案されており、これらには反りを防止できるという記載がある。
一方、皮付き魚肉をpH7.5以上のアルカリ処理溶液に浸漬する第1工程と、第1工程後の皮付き魚肉を酢酸酸度0.9以上の酸処理溶液で処理する第2工程と、第2工程後の皮付き魚肉を加熱する第3工程とを有する皮付き魚肉の皮剥がれ抑制方法が提案されている(特許文献5参照)。すなわち、加熱工程を経ても、柔らかで、皮の剥離や身の崩れがなくジューシー感があって、風味が改善された皮付き加工魚肉や、皮付き魚肉の皮剥がれを抑制できる方法などを提供できるというものである。
また、魚類の皮は全タンパク質中に占めるコラーゲンの比率が高く、そのほとんどがASC(酸可溶性)の形で存在することが知られている(非特許文献4参照)。
特開2003−219810号公報 特開2005−287392号公報 特開2005−204647号公報 特開2006−320258号公報 特開2007−135409号公報
detail.Chiebukuro.yahoo.co.jp kanroni.Jp/kanroni.Html 調理とサイエンス 著者:品川弘子他2人、発行者:田中千津子、発行所:(株)学文社、発行日:初版、1993年3月30日、110頁 水産学シリーズ20、発行所;株式会社恒星社恒生閣、編集;社団法人日本水産学会、魚肉タンパク質、発行日:初版、1997年10月15日、61-70頁
本発明の第1の目的は、魚本来の特性が損なわれていない凍結皮付き魚であって、調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生しない凍結皮付き魚を提供することである。
本発明の第2の目的は、そのような凍結皮付き魚を経済的に容易に製造できる製造方法を提供することである。
本発明者らは、従来の問題を解決するために鋭意研究の結果、皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料の表皮面に所定酸度の有機酸溶液を接触させ、前記表皮の下部の特性を損なうことなく酸処理した後、凍結することにより、調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生しない凍結皮付き魚が得られることを見いだして、本発明を成すに至った。
なお、本発明の凍結皮付き魚は、調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生しないが、反りが発生しないということは、具体的には、本発明の凍結皮付き魚を解凍せずにそのまま調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生することがなく、また、本発明の凍結皮付き魚を解凍または半解凍した後、調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生することがないということである。
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料の表皮面に所定酸度の有機酸溶液を接触させ、前記表皮の下部の特性を損なうことなく酸処理した後、凍結し、そのままあるいは切り身加工して得られる、加熱による反りが発生しないことを特徴とする凍結皮付き魚である。
本発明の請求項2は、請求項1記載の凍結皮付き魚の製造方法であって、下記の工程(1)〜(4)を含む工程により製造することを特徴とする凍結皮付き魚の製造方法である。
(1)皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料であって、凍結品は解凍し、生はそのまま使用して原料を準備する。
(2)準備した原料の表皮面に所定酸度の有機酸溶液を接触させて、前記表皮面の下部の特性を損なうことなく酸処理する。
(3)酸処理後、凍結し、そのままあるいは切り身加工する。
(4)そのままあるいは、切り身加工後、密封包装する。
本発明の請求項3は、請求項2記載の製造方法において、前記酸処理を、前記有機酸溶液中に皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料全体を浸漬して行うか、前記有機酸溶液を皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料の表皮の部分に噴霧し、前記表皮の部分以外の表面には噴霧せずに行うか、あるいは両者を組み合わせて行なうことを特徴とする。
本発明の請求項4は、請求項2あるいは請求項3記載の製造方法において、前記工程(2)において、前記工程(1)において準備した原料を酸処理する前に下記(イ)、(ロ)に記載のアルカリ処理のいずれかを行った後、所定酸度の有機酸溶液を接触させて、前記表皮面の下部の特性を損なうことなく酸処理することを特徴とする請求項2あるいは請求項3記載の製造方法である。
(イ)前記工程(1)において準備した皮付き加工魚原料に所定pHのアルカリ溶液をインジェクションして前記原料全体をアルカリ処理した後、アルカリ処理した原料を凍結し、凍結後、原料の表皮のみを解凍する。
(ロ)前記皮付き加工魚原料に所定pHのアルカリ溶液を接触させて前記原料全体をアルカリ処理した後、アルカリ処理した原料を凍結し、凍結後、原料の表皮のみを解凍する。
本発明の請求項1は、皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料の表皮面に所定酸度の有機酸溶液を接触させ、前記表皮の下部の特性を損なうことなく酸処理した後、凍結し、そのままあるいは切り身加工して得られる、加熱による反りが発生しないことを特徴とする凍結皮付き魚であり、
魚本来の特性が損なわれておらず、しかも調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生しないという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2は、請求項1記載の凍結皮付き魚の製造方法であって、前記の工程(1)〜(4)を含む工程により製造することを特徴とする凍結皮付き魚の製造方法であり、
請求項1記載の凍結皮付き魚を経済的に容易に製造できるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3は、請求項2記載の製造方法において、前記酸処理を、前記有機酸溶液中に皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料全体を浸漬して行うか、前記有機酸溶液を皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料の表皮の部分に噴霧し、前記表皮の部分以外の表面には噴霧せずに行うか、あるいは両者を組み合わせて行なうことを特徴とするものであり、
ラウンドあるいはドレスなどの形態の色々な魚種の原料に対しても、あるいはそれらをフィーレなどに加工した原料であっても、それらを用いて本発明の凍結皮付き魚を経済的に容易に製造できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4は、請求項2あるいは請求項3記載の製造方法において、前記工程(2)において、前記工程(1)において準備した原料を酸処理する前に前記(イ)、(ロ)に記載のアルカリ処理のいずれかを行った後、所定酸度の有機酸溶液を接触させて、前記表皮面の下部の特性を損なうことなく酸処理するかことを特徴とするものであり、
酸処理する前に、前記(イ)、(ロ)に記載のいずれかのアルカリ処理を行うので、得られた製品は柔らかで、ジューシー感があって、風味が改善されるとともに、表皮面に所定酸度の有機酸溶液を接触させて、前記表皮面の下部の特性を損なうことなく酸処理するので、得られた製品は調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生しないというさらなる顕著な効果を奏する。
図1(イ)は本発明の凍結皮付き魚の製造方法の一例を工程毎に説明する説明図であり、(ロ)は、本発明の凍結皮付き魚の製造方法の他の例を工程毎に説明する説明図であり、(ハ)は、本発明の凍結皮付き魚の製造方法の他の例を工程毎に説明する説明図である。 図2は加熱調理後の反りの測定、評価の方法を説明する説明図である。 図3(a)、(b)は表1−1、表1−2に示した調理後外観および調理後高さと処理液の酸度、処理時間の関係をグラフにして示した説明図である。 図4(a)、(b)は表2−1、表2−2に示した調理後外観および調理後高さと有機酸の種類の関係をグラフにして示した説明図である。 図5(a)、(b)は表3−1、表3−2に示した調理後外観および調理後高さと調理方法の関係をグラフにして示した説明図である。 図6(a)、(b)は表4−1、表4−2に示した調理後外観および調理後高さと調理時の製品形態の関係をグラフにして示した説明図である。 図7(a)、(b)は表5−1、表5−2に示した調理後外観および調理後高さと酸処理と未処理の関係をグラフにして示した説明図である。 図8(a)、(b)は表6−1、表6−2に示した調理後外観および調理後高さとアルカリ処理の関係をグラフにして示した説明図である。 図9(a)、(b)は表7−1、表7−2に示した調理後外観および調理後高さと他の魚種を使用した場合の酸処理と未処理の関係をグラフにして示した説明図である。 図10は、表1〜6に示した内、同一製品形態、同一調理方法における、調理後外観と調理前の表皮pHの関係をグラフにして示した説明図である。 図11は、表1〜6に示した内、同一製品形態、同一調理方法における、調理後外観と調理前の表皮の酸度の関係をグラフにして示した説明図である。 図12は、表皮の破断強度の測定法を説明する説明図である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1(イ)は、本発明の凍結皮付き魚の製造方法の一例を工程毎に説明する説明図であり、図1(ロ)は、本発明の凍結皮付き魚の製造方法の他の例を工程毎に説明する説明図であり、図1(ハ)は、本発明の凍結皮付き魚の製造方法の他の例を工程毎に説明する説明図である。
図1(イ)において、1は凍結品の場合は解凍し、生の場合はそのまま使用した皮付き魚原料であって頭、尾、鱗、鰭および内臓などを除去した皮付き加工魚原料、2-1は所定酸度の有機酸溶液、3は有機酸溶液を収容する容器であり、容器中に収容した所定酸度の有機酸溶液中に浸漬して皮付き加工魚原料を有機酸溶液に接触させて、表皮面の下部の特性を損なうことなく酸処理した後、凍結し、そのままあるいは、切り身加工して、密封包装する。4は表皮を示す。
図1(ロ)において、5は凍結品の場合は解凍し、生の場合はそのまま使用してフィーレ加工した皮付き加工魚原料であり、6は表皮4の面の下部の脂肪層および筋肉層を含む肉質部分を示し、肉質部分6が露出しているので、肉質部分6に噴霧されないようにして、あるいは例えば肉質部分6に図示しないマスキングをして、上方から所定酸度の有機酸溶液2-2を表皮4面に噴霧7して、表皮4のみを有機酸溶液に接触させて、表皮4面の下部(肉質部分6)の特性を損なうことなく酸処理した後、凍結し、そのままあるいは、切り身加工して、密封包装する。
図1(ハ)において、前記のようにフィーレ加工した皮付き加工魚原料5に所定pHのアルカリ溶液9を魚原料5の肉質部分6側からインジェクション8して前記原料全体をアルカリ処理するか、あるいは容器10中に収容した所定pHのアルカリ溶液9中に前記皮付き加工魚原料5全体を浸漬してアルカリ処理した後、アルカリ処理した原料を凍結し、凍結後、切身加工し、次いで切身の表皮のみを解凍する。そして図1(イ)に示したように容器中に収容した所定酸度の有機酸溶液中に浸漬して皮付き加工魚原料を有機酸溶液に接触させて酸処理するか、あるいは図1(ロ)に示したように上方から所定酸度の有機酸溶液を表皮4面に噴霧7して、表皮4面の下部6の特性を損なうことなく酸処理する。そして酸処理した後、凍結し、密封包装する。
図1(イ)、(ロ)、(ハ)においては、酸処理を、浸漬および噴霧により行う例を示したが、これらに限定されるものではなく、例えば有機酸溶液の塗布などの方法を用いることができる。
本発明で使用する皮付き魚原料は特に限定されるものではない。具体的には、例えば、サンマ、ニシン、ブリ、カジキ、マダラ、スケソウダラ、シロイトダラ、ホキ、メルルーサ、サケ、トラウト、コガネガレイ、カラスガレイ、ヒラメ、アカウオ、キンメダイ、メバル、シルバー、メロ、ホッケ、クロムツ、タイ、イトヨリダイ、アマダイ、ナイルパーチ、タチウオ、サワラ、イサキ、キャットフィッシュ、ティラピア、カツオ、ソウダガツオ、サバ、マグロ、イワシ、アジなどの冷凍品や生肉などを挙げることができる。
本発明で使用する皮付き魚原料は、鱗がある場合であっても魚の種類などによっては鱗除去を行わずに酸処理によって、加熱による反り発生を抑制して、魚本来の特性が損なわれておらず、しかも加熱による反りが発生しない本発明の凍結皮付き魚を得ることができる。しかし、鱗除去を行わないと、魚の種類などによっては鱗の存在によって酸処理に影響がでて、十分で均一な酸処理が行われず、加熱による反り発生が生じる恐れがあるので、多くの場合、鱗除去を行うことが好ましい。鱗除去を行うかあるいは行わないかは、魚種や表皮の厚さなどによっても効果に差があるので、予め実験により決めることが好ましい。
皮付き加工魚原料は、皮付き魚原料を加工したものであってセミドレス、ドレス、フィーレ、切り身、その他いかなる状態であってもよい。
皮付き魚原料は、皮付き魚原料を加工していない原料であって具体的にはラウンドである。
生鮮原料の場合はそのまま使用するが、凍結原料の場合は解凍して解凍原料として使用する。
原料の解凍方法は、特に限定されないが、具体的には、例えば、自然解凍、流水解凍、低温庫による解凍、マイクロ波、高周波、静電気などを利用した解凍装置を用いた解凍あるいはこれらの2つ以上の組み合わせを挙げることができる。
本発明で使用する有機酸溶液は、特に限定されない。具体的には、例えば、乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸などを挙げることができる。これらは、水溶液として使用することが好ましい。酢酸水溶液には、醸造酢などの食酢を用いることもできる。
本発明で使用する有機酸溶液の酸度は特に限定されないが、具体的には、例えば、クエン酸では酸度0.1〜10%を挙げることができるが、30分〜16時間漬込む場合は酸度0.1〜2.0%、好ましくは0.1〜0.7%、噴霧する場合は酸度2.0〜10.0%、好ましくは4.0〜7.0%を挙げることができる。
有機酸の種類による効果の差がある場合もあり、また魚種や表皮の厚さなどによっても効果に差があるので、予め実験により決めることが好ましい。
有機酸溶液による処理温度は特に限定されないが、0〜20℃、好ましくは0〜10℃が挙げられる。
処理時間も表皮の下部の特性を損なうことなく酸処理でき、加熱調理によって反りが発生しない条件であれば特に限定されものでなく、予め実験により決めることが好ましい。
本発明で使用するpH7.5以上など所定のpHのアルカリ溶液は、特に限定されないが、具体的には、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウム、貝殻焼成カルシウムを単独または2以上の組合せで用いることができる。浸漬する場合、時間は10分間〜24時間、好ましくは30分間〜16時間が挙げられ、インジェクションする場合、注入圧力は0を超え1.0Mpa以下、好ましくは0.01〜0.3Mpaが挙げられる。
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
魚種として冷凍アカウオ(産地;アイスランド、形態;ドレス、サイズ;300/500)を用い、解凍し、鱗・鰭を 除去後、図1(イ)に示すように酸度0.43%のクエン酸溶液に、0〜10℃で60分漬け込み(魚:有機酸溶液質量比=1:1)処理した後、3枚卸しし、骨取り、凍結し、切り身カット(55〜65g)して真空包装した(実施例1のようにドレスで酸処理する工程を表1−1中に工程1と記載した。他の表も同じ。)。
次いで、下記の調理方法により加熱調理した。
完全解凍後、スチームコンベクションオーブン(マルゼン製、Super SSC−CO6DC型)で、250℃、7分間、コンビネーションモード(蒸気、熱風混合モード、微弱風量)で加熱調理した。
これらの酸処理条件を表1−1にまとめて示す。
そして、下記の評価方法により評価した加熱調理後の反り、官能試験による反り、加熱調理前のpH(表皮と身)および加熱調理前の酸度(表皮と身)の評価結果を表1−2にまとめて示す。
(評価方法)
1.加熱調理後の反りの評価:
加熱調理後、室温(25℃)で放冷し、図2に示すように試料11を水平面に置き、水平面から最も高い箇所までの高さhをノギスで測定する。高さが高いほど、反りが大きいと判定した。切り身試料の場合は12枚測定し、その平均値をhとし、センターカットフィーレ試料の場合は6枚測定し、その平均値をhとした。
2.官能試験による反りの評価。
加熱調理後、室温(25℃)で放冷し、目視により反りを判定し、下記の5点法で評価し、12枚の平均値で表した。
(評価)
5 反りがない。
4 軽い反りがある。
3 中程度の反りがある。
2 強い反りがある。
1 表皮がめくれる程の強い反りがある。
3.加熱調理前のpH(表皮と身)の評価。
1)先ず、凍結品を表皮と身に分け、それぞれをホモジナイザーで均一にする。
2)1)で調製したホモジネートにイオン交換水を質量比でホモジネート:イオン交換水=10:90となるように加え、さらにホモジナイザーで均一にする。
3)2)で調製したホモジネートのpHをpHメーター(堀場製作所製、F−52型)で測定する。切り身4枚の平均値を求めた。
4.加熱調理前の酸度(表皮と身)の評価。
1)先ず、凍結品を表皮と身に分け、それぞれをホモジナイザーで均一にする。
2)1)で調製したホモジネートAにイオン交換水を質量比でホモジネートA:イオン交換水=10:90となるように加え、さらにホモジナイザーで均一にする。
3)2)で調製したホモジネートの酸度を酸度計(平沼産業製、酸度計uneCOM)で中和滴定し、下記計算式により酸度を算出する。
酸度(%)=60×N÷1000×B×100÷A×F
A;ホモジネートの質量g
B;滴定値ml
N;NaOHの規定度
F;NaOHのファクター
試料数:切り身4枚の平均値を求めた。
(実施例2)
酸度0.43%のクエン酸溶液に16時間漬け込んだ以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表1−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表1−2にまとめて示す。
(実施例3)
酸度0.69%のクエン酸溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表1−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表1−2にまとめて示す。
(比較例1)
酸処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして試料を得た。
前記の評価方法により評価した結果を表1−2にまとめて示す。
Figure 0005674976
Figure 0005674976
表1−1、表1−2および図3(a)、(b)から、酸処理を行うと反りが防止でき、酸処理時間が長いほど、液の酸度が高いほど反り防止効果が高く、表皮のpHを低く、酸度を高くすると反り防止効果が高くなり、酸処理を行っても身のpH、酸度の変化は少なく、食感のパサツキなど酸処理の影響は見られず、パネルメンバー10人による食感などの評価においても表皮の下部の特性が損なわれていないことが判った。
(実施例4)
実施例1と同一の試験である。
酸処理条件を表2−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表2−2にまとめて示す。
(実施例5)
クエン酸の替わりに酸度0.43%の酢酸溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表2−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表2−2にまとめて示す。
(実施例6)
クエン酸の替わりに酸度0.43%の乳酸溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表2−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表2−2にまとめて示す。
(実施例7)
クエン酸の替わりに酸度0.43%のリンゴ酸溶液を用いた以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表2−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表2−2にまとめて示す。
(比較例1)
酸処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして試料を得た。
前記の評価方法により評価した結果を表2−2にまとめて示す。
Figure 0005674976
Figure 0005674976
表2−1、表2−2および図4(a)、(b)から、いずれかの有機酸を用いて酸処理を行うと反りが防止でき、表皮のpHを低く、酸度を高くすると反り防止効果が高くなり、酸処理を行っても身のpH、酸度の変化は少なく、食感のパサツキなど酸処理の影響は見られず、パネルメンバー10人による食感などの評価においても表皮の下部の特性が損なわれていないことが判った。
(実施例8)
実施例1と同一の試験である。
酸処理条件を表3−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表3−2にまとめて示す。
(実施例9)
完全解凍後にスチームコンベクションオーブン(マルゼン製、Super SSC−CO6DC型)で250℃、7分間、熱風モード(熱風モード、微弱風量)で加熱調理した以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表3−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表3−2にまとめて示す。
(実施例10)
完全解凍後にスチームコンベクションオーブン(マルゼン製、Super SSC−CO6DC型)で99℃、6分間、スチームモード(スチームモード、微弱風量)で加熱調理した以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表3−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表3−2にまとめて示す。
(実施例11)
完全解凍後にボイルタンクで95℃、3分30秒間加熱調理した以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表3−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表3−2にまとめて示す。
(比較例1)
酸処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして試料を得た。
前記の評価方法により評価した結果を表3−2にまとめて示す。
(比較例2)
完全解凍後にスチームコンベクションオーブン(マルゼン製、Super SSC−CO6DC型)で250℃、7分間、熱風モード(熱風モード、微弱風量)で加熱調理した以外は比較例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表3−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表3−2にまとめて示す。
(比較例3)
完全解凍後にスチームコンベクションオーブン(マルゼン製、Super SSC−CO6DC型)で99℃、6分間、スチームモード(スチームモード、微弱風量)で加熱調理した以外は比較例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表3−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表3−2にまとめて示す。
(比較例4)
完全解凍後にボイルタンクで95℃、3分30秒間加熱調理した以外は比較例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表3−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表3−2にまとめて示す。
Figure 0005674976
Figure 0005674976
表3−1、表3−2および図5(a)、(b)から、コンビネーションモード(実施例8)、熱風モード(実施例9)、スチームモード(実施例10)の加熱調理法を用いても、酸処理を行っていれば反りが防止でき、ボイル(実施例11)の加熱調理法を用いた場合は、同じくボイルの加熱調理法を用いたが酸処理を行っていない(比較例4)の場合の反りと対比して反りが防止されることが判った。
(実施例12)
実施例1と同一の試験である。
酸処理条件を表4−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表4−2にまとめて示す。
(実施例13)
酸処理後3枚卸しする替わりにバンドソーを用いてセンターカットフィーレとし、それを凍結した試料を用いて加熱処理した以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表4−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表4−2にまとめて示す。
表4−1中に記載の*1は、酸処理後にあるいは酸処理せずに、バンドソーを用いてセンターカットを行い凍結したものを調理したことを示す。
(比較例1)
酸処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして試料を得た。
前記の評価方法により評価した結果を表4−2にまとめて示す。
(比較例5)
バンドソーを用いてセンターカットフィーレを用いた以外は比較例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表4−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表4−2にまとめて示す。
Figure 0005674976
Figure 0005674976
表4−1、表4−2および図6(a)、(b)から、製品の形態が切り身でもセンターカットフィーレであっても、酸処理を行っていれば反りが防止できることが判った。
(実施例14)
実施例1において、ドレスを解凍し、鱗・鰭を除去後、酸度0.43%のクエン酸溶液に漬け込んで酸処理した後、3枚卸しし、骨取り後、凍結し、切り身カット(55〜65g)して真空包装する替わりに、ドレスを解凍し、鱗・鰭を除去後、3枚卸しし、骨取り後、酸度6.90%のクエン酸溶液を用いて表皮に噴霧して酸処理し、凍結し、切り身カット(55〜65g)して真空包装した以外は実施例1と同様にして試料を得た(実施例14のようにフィーレで酸処理する工程を表5−1中に工程2と記載した。他の表も同じ。)。
酸処理条件を表5−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表5−2にまとめて示す。
(比較例1)
酸処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして試料を得た。
前記の評価方法により評価した結果を表5−2にまとめて示す。
Figure 0005674976
Figure 0005674976
表5−1、表5−2および図7(a)、(b)から、噴霧して酸処理しても、漬け込んで酸処理しても同等の反り防止効果が得られることが判った。表皮のpHを低く、酸度を高くすると反り防止効果が高くなり、酸処理を行っても身のpH、酸度の変化は少なく、食感のパサツキなど酸処理の影響は見られず、パネルメンバー10人による食感などの評価においても表皮の下部の特性が損なわれていないことが判った。
(実施例15)
魚種として冷凍アカウオ(産地;アイスランド、形態;ドレス、サイズ;300/500)を用い、解凍し、鱗・鰭を除去後、3枚卸しし、骨取りした後、アルカリ処理液(酢酸ナトリウム無水塩0.80%、リン酸ナトリウム無水塩0.70%、炭酸カリウム無水塩0.30%、水98.20%)をインジェクションして前記原料全体をアルカリ処理し、凍結し、切り身カット(55〜65g)した後、表面の表皮のみ解凍し、酸度6.90%のクエン酸溶液を用いて表皮に噴霧して酸処理し、凍結して真空包装した以外は実施例1と同様にして試料を得た(実施例15のようにアルカリ溶液による処理を併用する工程を表6−1中に工程3と記載した)。
酸処理条件を表6−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表6−2にまとめて示す。
(比較例1)
酸処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして試料を得た。
前記の評価方法により評価した結果を表5−2にまとめて示す。
(比較例6)
酸処理を行わなかった以外は実施例15と同様にして試料を得た。
前記の評価方法により評価した結果を表5−2にまとめて示す。
Figure 0005674976
Figure 0005674976
表6−1、表6−2および図8(a)、(b)から、アルカリ処理後に酸処理を行っても、反り防止効果が得られることが判った。表皮のpHを低く、酸度を高くすると反り防止効果が高くなり、酸処理を行っても身のpH、酸度の変化は少なく、食感のパサツキなど酸処理の影響は見られず、パネルメンバー10人による食感などの評価においてアルカリ処理を行ったので、柔らかで、ジューシー感があって、風味が改善されることが判った。
(実施例16)
魚種として冷凍タチウオ(産地;パキスタン、形態;ドレス、サイズ;700/1000)を用い、解凍し、3枚卸しし、骨取り後、酸度6.90%のクエン酸溶液を用いて表皮に噴霧して酸処理し、凍結し、切り身カット(35〜45g)して真空包装し、加熱調理時間を4分とした以外は実施例1と同様にして試料を得た。
酸処理条件を表7−1にまとめて示し、前記の評価方法により評価した結果を表7−2にまとめて示す。
表7−1中に記載の*2は、鱗除去を実施せず、切身は40gにカットしたことを示す。表7−2中に記載の*3は、調理時間4分としたことを示す。
(比較例7)
酸処理を行わなかった以外は実施例16と同様にして試料を得た。
前記の評価方法により評価した結果を表7−2にまとめて示す。
Figure 0005674976
Figure 0005674976
表7−1、表7−2および図9(a)、(b)から、タチウオであっても反り防止効果が得られることが判った。
図10は表1〜6に示した調理後外観と調理前の表皮pHの関係をグラフにして示した説明図であり、図11は表1〜6に示した調理後外観と調理前の表皮の酸度の関係をグラフにして示した説明図である。
図10から調理前の表皮pHが5.59以下であると反りがほとんど気にならない評価4以上が得られることが判る。
図11から調理前の表皮の酸度が0.22%以上であると反りがほとんど気にならない評価4以上が得られることが判る。
皮付き加工魚原料の表皮面に有機酸溶液を接触させ、前記表皮の下部の特性を損なうことなく酸処理して調理前の表皮pHを低下させ、調理前の表皮の酸度を高めることによって、加熱による反りの発生を防止できることが判った。
(実施例17)
図12は表皮の破断強度の測定法を説明する説明図である。
実施例1、実施例14、実施例15で酸処理した加熱調理前及び加熱調理後の切身試料から表皮のみを剥がし、図12に示すように、穴30開きのプラットホーム31の上に剥いだ表皮32を置き、その上に押さえを置いて、図示しないテクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems製、TA.XT.PLUS型)のニードルタイププランジャー(P/2N)33で突き刺し、破断強度(g)を測定した。
比較例1についても、酸処理していない加熱調理前及び加熱調理後の切身試料から表皮のみを剥がし前記と同様にして破断強度(g)を測定した。
破断強度(g)の測定結果を次に示す。
(測定結果)
加熱調理前 加熱調理後
比較例1 605.0 6.4
実施例1 32.8 3.1
実施例14 12.4 4.8
実施例15 112.4 5.2
以上の結果から、調理前の表皮は、酸処理することで顕著に柔らかくなっていることが判った。又、調理後の皮は、酸処理の有無に関わらず柔らかく、大きな違いは見られなかった。すなわち、表皮は酸処理することによって明確に物性が変化し、その結果、加熱調理時に発生する反りを防止していることが判った。一般的に魚の皮は、全タンパク質中に占めるコラーゲンの比率が高く、一方、コラーゲンは、溶解性により中性塩可溶性、酸可溶性、及び不溶性の3態に分かれるが、魚類においては、そのコラーゲンはほとんど酸可溶性の形で存在することが知られている(前記非特許文献4参照)。本発明では、酸可溶性の形で存在する表皮コラーゲンに各種有機酸を接触させて酸処理することで、コラーゲンを溶解もしくは溶解に近い状態にして、加熱時に収縮しにくい分子構造に調整ないし変換することで、加熱調理時に発生する反りを防止することができたものと考えられる。勿論、加熱調理時に発生する反り防止のメカニズムはこれに限定されるものではない。
本発明の凍結皮付き魚は、皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料の表皮面に所定酸度の有機酸溶液を接触させ、前記表皮の下部の特性を損なうことなく酸処理した後、凍結し、そのままあるいは切り身加工して得られる、加熱による反りが発生しないことを特徴とするものであり、魚本来の特性が損なわれておらず、しかも調理するなどのために加熱しても、加熱による反りが発生しないという顕著な効果を奏し、そして本発明の製造方法により本発明の凍結皮付き魚を経済的に容易に製造できるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 皮付き魚原料
2-1、2-2 所定酸度の有機酸溶液
3、10 容器
4 表皮
5 フィーレ加工した皮付き魚原料
6 肉質部分
7 噴霧
8 インジェクション
9 アルカリ溶液
11 試料
h 高さ
30 穴
31 プラットホーム
32 剥いだ表皮
33 ニードルタイププランジャー(P/2N)

Claims (4)

  1. 皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料の表皮面に所定酸度の有機酸溶液を接触させ、前記表皮の下部の特性を損なうことなく酸処理した後、凍結し、そのままあるいは切り身加工して得られる、加熱による反りが発生しないことを特徴とする凍結皮付き魚。
  2. 請求項1記載の凍結皮付き魚の製造方法であって、下記の工程(1)〜(4)を含む工程により製造することを特徴とする凍結皮付き魚の製造方法。
    (1)皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料であって、凍結品は解凍し、生はそのまま使用して原料を準備する。
    (2)準備した原料の表皮面に所定酸度の有機酸溶液を接触させて、前記表皮面の下部の特性を損なうことなく酸処理する。
    (3)酸処理後、凍結し、そのままあるいは切り身加工する。
    (4)そのままあるいは、切り身加工後、密封包装する。
  3. 前記酸処理を、前記有機酸溶液中に皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料全体を浸漬して行うか、前記皮付き魚原料あるいは加工して得られる皮付き加工魚原料の表皮の部分に噴霧し、前記表皮の部分以外の表面には噴霧せずに行うか、あるいは両者を組み合わせて行なうことを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 前記工程(2)において、前記工程(1)において準備した原料を酸処理する前に下記(イ)、(ロ)に記載のアルカリ処理のいずれかを行った後、所定酸度の有機酸溶液を接触させて、前記表皮面の下部の特性を損なうことなく酸処理することを特徴とする請求項2あるいは請求項3記載の製造方法。
    (イ)前記工程(1)において準備した皮付き加工魚原料に所定pHのアルカリ溶液をインジェクションして前記原料全体をアルカリ処理した後、アルカリ処理した原料を凍結し、凍結後、原料の表皮のみを解凍する。
    (ロ)前記皮付き加工魚原料に所定pHのアルカリ溶液を接触させて前記原料全体をアルカリ処理した後、アルカリ処理した原料を凍結し、凍結後、原料の表皮のみを解凍する。
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