JP5673529B2 - 詰替え容器 - Google Patents

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Description

本発明は、液体洗剤及び柔軟剤などのトイレタリー用品や、食用油及びインスタントコーヒーなどの食品等を収納する詰め替え容器に関する。
液体洗剤や柔軟仕上げ剤などのトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒーなどの食品は、それぞれ使いやすいような形状の専用容器に収納されている。専用容器は、構造もしっかりしており、従って高価であることから、内容物が無くなった段階で、繰り返し使用することができるように、内容物のみを詰替える詰替え容器入りの製品が別途販売されていることが多い。
例えば液体洗剤の容器は、洗剤を使用する時にその都度適切な量を計量して取り出す必要があるため、軽量カップに注ぎやすいように、注出口にノズルを備えた剛性のあるプラスチック容器が、繰り返し使用する容器として用いられている。この容器に対して、内容物を補充するための詰め替え用の容器としては、軟包装フィルムからなる柔軟な容器に、注出口を形成した容器や、口栓を取付けた容器が一般的に使用されている。
繰り返し使用する剛性の容器は、もっぱら注出し易いように設計されているため、繰り返し使用する容器に対して、詰替え容器から内容物を補充する詰替え操作の利便性を考慮したものでは、必ずしもなかった。
また一方、詰替え容器も、もっぱら安価に製造することに重点を置くあまり、必ずしも詰替え操作の利便性を考慮したものではなかった。
例えば、軟包装フィルムからなる柔軟な容器に、単に注出口を形成した容器の場合、口元の形状を保持し難く、注出口が折れ曲がって注出性が悪くなることがあった。エンボス加工によって注出口を補強した容器の場合であっても、エンボスだけでは十分でなく、同様に注出口が折れ曲がることがあった。このため詰替えに時間がかかり、その間本体容器ノズルから内容物がこぼれる不安感が常にあり、慎重な作業が強いられていた。
また、注出口に成形チューブの口栓を装着した詰替え容器の場合、注出口が折れ曲がるという問題は生じないが、容器製造段階において、成形チューブを装着する際にチューブの脱落やフィルムの破れが発生しやすいという問題がある。また充填機において未充填の空容器を供給する際に平らに積み重ねられないため、空容器が揃えにくく、充填機適性が悪いという問題がある。またさらに使用段階においては、注口を開封する際に、チューブ部分をカットするのにナイフや鋏が必要になるなどの不便もあった。
繰り返し使用する容器に設けられたノズルを利用して、詰替え容器の開封を行うことができ、さらに詰替え中に、詰替え容器が自立するために、手で保持しなくてもよい詰替え容器が提案されている。この手放し詰め替え容器は、繰り返し使用する容器の開口部に着脱可能かつ脱落不能に連結される結合部材と、詰め替え容器本体を密封する容器密封部材とを備えた詰め替え容器である(特許文献1参照)。
コストの面からは、例えば、図29に示したような表裏2枚の包装フィルム61の周縁をシールしてなる詰替え容器である包装袋60が有利である。この包装袋60は、容器の口径に見合った任意の巾の注出口62を設けることができる。しかし、表裏2枚のフィルム61の端縁部をシールして注出口部を形成した場合、内容物を注出する際に開口部がシールされた両端に引っ張られ、表裏のフィルムが疑似密着状態となる。このため、注出口が閉塞してしまうという問題がある。また、注出口が折れ曲がり易く、詰替え操作中に注出口が繰り返し使用する容器から外れてしまうといった問題もある。
この注出口が閉塞したり、折れ曲がったりする問題を解決するために、注出口部にフィルムとは別部材のパーツを挿入したり(特許文献2参照)、注出口部付近のフィルムを膨らませて立体形状とすることで、開口面積を確保したりするものが多く提案されている(特許文献3参照)。
しかしこれらの包装袋は、別部材を取り付ける工程や、フィルムに深いエンボス加工を施す工程などが増加するという問題の他、充填時に包装袋の供給部において包装袋を整然と積み上げて揃えることができないという問題や、表裏2枚のフィルムをシールしてなる開口部は、両端にシール部が存在するため、その分だけ開口巾が狭くなり、十分な開口面積を確保することができないという基本的な問題があった。十分な開口面積が確保できないと、詰替え時の注出に要する時間は長くなってしまう。
この問題を解決するために、包装袋を構成するフィルムを折り曲げて、注出口の片側を形成し、注出口のシール部を片側だけとする包装袋が提案されている(特許文献4、5参照)。
特開2004−99082号公報 特開平5−132069号公報 特許第4110940号 特開平11−236053号公報 特開2008−18991号公報
特許文献1に記載された詰め替え容器は、繰り返し使用する容器と詰め替え容器を結合するために、口栓部に、結合部材と容器密封部材という2つの部材を用いているため、容器のコストが高いものとならざるを得ない。また詰め替え容器を、繰り返し使用する容器の開口部にねじ込んで使用する構造であるため、両者の結合は確実であるが、反面、操作が面倒であるばかりでなく、口栓のコスト面においても不利であるという欠点があった。
特許文献4、5に示されたような、注出口の片側が折り曲げられたフィルムで構成されている包装袋の場合、注出口が閉塞する問題や、注出口部の開口面積が不足するという問題はある程度解消されるが、注出に要する時間や、注ぎ勝手においては、まだ十分とは言えなかった。
そこで本発明は、詰替え操作が容易かつ迅速で確実な詰め替え容器を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、詰め替え容器は次のように構成される。
本発明の一態様として、基材とシーラント層を少なくとも有する積層体からなる詰替え容器であって、1枚の前記積層体を、前記シーラント層を内側にして折り曲げて形成された折り曲げ部と、前記折り曲げた前記積層体により形成された本体表面積層体と、前記折り曲げた前記積層体により形成された本体裏面積層体と、を有し、前記本体表面積層体及び前記本体裏面積層体は、それらシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなり、前記折り曲げ部は、その下部に注出口シール部が設けられ、前記注出口シール部と共に、内容物を注ぎ出すための注出ノズルを形成しており、前記注出ノズルの先端は、その先端に開封予定線を有し、この開封予定線に沿って切り離すことにより注出口を形成し、該開封予定線長をA(mm)とし、前記注出口の開口部幅をB(mm)としたときに、A−4(mm)≦B(mm)≦A−0.5(mm)の関係を満たす。
本発明は、口栓等の別部材を使用することなく、詰替え操作が容易かつ迅速で確実な詰め替え容器を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図2Aは、同詰替え容器のII−II断面の構成を模式的に示す断面図である。 図2Bは、同詰替え容器を構成する積層体の層構成を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の第2の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図4Aは、同詰替え容器のIV−IV断面の構成を模式的に示す断面図である。 図4Bは、同詰替え容器を開いた状態を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の第3の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図6は、同詰替え容器を用いた一連の詰替え操作の例を示した模式図である。 図7は、同詰替え容器を用いた一連の詰替え操作の例を示した模式図である。 図8は、同詰替え容器を用いた一連の詰替え操作の例を示した模式図である。 図9は、本発明の第4の実施の形態に係る詰替え容器における注出口の部分を示した模式図である。 図10は、本発明の第5の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図11は、同詰替え容器のXI−XI断面の構成を模式的に示す断面図である。 図12Aは、同詰替え容器の注出ノズルの構成を示す拡大図である。 図12Bは、同注出ノズルの注出口の構成を模式的に示す断面図である。 図13Aは、従来の技術の詰替え容器の注出ノズルの構成を示す拡大図である。 図13Bは、同注出ノズルの注出口の構成を模式的に示す断面図である。 図14は、本発明の第6の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図15Aは、同詰替え容器のXV−XV断面の構成を模式的に示す断面図である。 図15Bは、同詰替え容器を開いた状態を模式的に示す断面図である。 図16は、本発明の第7の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図17は、本発明の第7の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図18Aは同詰替え容器の注出口の部分の構成を示す拡大図である。 図18Bは、同注出口のXVII−XVII断面の構成を模式的に示す断面図である。 図18Cは、同注出口の面積が最大となった状態をXVII−XVII断面により模式的に示す断面図である。 図19は、本発明の第11の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図20は、同詰替え容器のIIX−IIX断面の構成を模式的に示す断面図である。 図21は、同詰替え容器の注出ノズルの凸エンボスの構成を説明する拡大図である。 図22は、同詰替え容器の注出ノズルの凹エンボスの構成を説明する拡大図である。 図23は、同詰替え容器の注出ノズルの変形例であって、凸エンボスと凹エンボスの構成を示す拡大図である。 図24Aは、同詰め替え容器の注出ノズルの一例の構成を拡大して示す断面図である。 図24Bは、同詰替え容器の注出ノズルの一例の構成を拡大して示す断面図である。 図24Cは、同詰め替え容器1000の注出ノズル1032Aの一例の構成を拡大して示す断面図である。 図24Dは、同詰替え容器1000Aの注出ノズル1032Aの一例の構成を拡大して示す断面図である。 図25は、本発明の第12の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図26Aは、同詰替え容器のXXVI−XXVI断面の構成を模式的に示す断面図である。 図26Bは、同詰替え容器のXXVI−XXVI断面の構成であって、詰替え容器を開いた状態を模式的に示す断面図である。 図27は、本発明の第13の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。 図28は、同詰替え容器の注出ノズルにおけるエンボスの有無による、注ぎ時間と注出量の関係の一例を示すグラフである。 図29は、従来の詰替え容器の一例を示した模式図である。
以下本発明の第1の実施の形態に係る詰替え容器1について、図1、図2A及び図2Bを参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る詰替え容器1を模式的に示す平面図である。図2Aは、詰替え容器1の図1中のII−II断面を模式的に示す断面図である。図2Bは、詰替え容器1の図1中のII−II断面であって、詰替え容器1の積層体の構成を模式的に示す断面図である。
図1及び図2Aに示すように、本実施の形態に係る詰替え容器1は、本体表面積層体2と、本体裏面積層体3と、折り曲げ部6と、シール部20と、を有する。また、詰め替え容器1は、図2Bに示すように、基材11及びシーラント層12を少なくとも有する積層体10により形成される。
詰替え容器1は、1枚の積層体10を、シーラント層12が内側となるように、シーラント層12同士を対向させて、天部でゆるく折り曲げる。詰替え容器1は、この折り曲げた積層体10の周囲をシールする。
このように、一枚の積層体10を折り曲げることで、詰替え容器1は、天部で折り曲げた折り曲げ部6と、折り曲げ部6を境に一方の主面である本体表面積層体2と、折り曲げ部6を境に他方の主面である前記本体裏面積層体3と、を形成する。本体表面積層体2は本体表面を形成するフィルムである。また、本体裏面積層体3は、本体表面を形成するフィルムである。また、詰替え容器1は、折り曲げた積層体10の周囲をシールすることで、シール部20が形成される。
なお、図1に示す詰替え容器1においては、その内部に内容物を充填するための開口部は省略する。この開口部は、例えば、シール部20のいずれかに設け、内容物の充填後、シール部20の当該箇所をシールしてもよい。
本体表面積層体2及び本体裏面積層体3は、詰替え容器1の表裏をそれぞれ形成する。また、本体表面積層体2と本体裏面積層体3は、シール部20により、その側縁及び下縁がシールされることで、袋状に形成されている。なお、本体表面積層体2は、積層体10の一部であり、本体表面のフィルムである。また、本体裏面積層体3は、積層体10の一部であり、本体裏面のフィルムである。
シール部20は、サイドシール部22と、ボトムシール部23と、を備えている。サイドシール部22は、本体表面積層体2及び本体裏面積層体3の側縁をシールする。ボトムシール部23は、本体表面積層体2及び本体裏面積層体3の下縁をシールする。シール部20は、本体表面積層体2及び本体裏面積層体3の一方の側縁の上方の一部から折り曲げ部6の下方の一部までをシールする注出口シール部24を備えている。
折り曲げ部6は、積層体10の折り曲げた端側と、この端側の下方に設けられた注出口シール部24と、により形成されている。折り曲げ部6は、積層体10の端部と注出口シール部24とにより、内容物の注出口31及び流出路33が形成される。
注出口31は、サイドシール部22の一部を切除することで開口する。流出路33は、注出口31に至るまで横長に形成する。
積層体10は、例えば、通常軟包装袋に使用される積層フィルムが用いられる。基材11は、基材のフィルム層である。基材11は、1層ないしは数層からなる紙や金属箔や合成樹脂フィルムを使用する。一例を挙げれば、基材11は、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、セロハン、三酢酸セルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の合成樹脂フィルムおよび紙、金属箔等が単体または複合で使用される。基材11は、必要に応じて印刷層や接着剤層が含まれる。
紙としては、上質紙、片アート紙、コート紙、キャストコート紙、模造紙などを用いることができる。通常、注出口を安定して開口させるために、注出ノズルにエンボス加工を施すことがあるが、積層体に紙を用いた場合には、エンボス加工により紙に割れが生じるといった不具合が生じていた。しかしながら、本実施の形態では、1枚の積層体10を折り曲げることで、注出口を安定して開口させており、エンボス加工を必要としていないため、環境配慮の点からも、紙を用いることは有効である。
シーラント層12は、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用される。具体的には、シーラント層12は、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが使用される。またシーラント層12は、これらの樹脂を複合した多層フィルムが使用されることもある。
積層体10の具体的な構成例としては、PET/印刷層/接着剤層/延伸ポリアミド樹脂フィルム(以下ONYと略す)/接着剤層/LLDPEからなる構成のフィルムや、ONY/接着剤層/LLDPE、ONY/接着剤層/ONY/接着剤層/LLDPE、紙/LDPE/アルミニウム箔/LDPE、紙/LDPEなどが挙げられる。
このように構成された詰替え容器1は、折り曲げ部6が1枚の積層体10をゆるく折り曲げて形成されるため、折り曲げ部6は、積層フィルムの戻ろうとする弾性の働きが発生する。即ち、折り曲げ部6には復元力が発生することとなる。このため、流出路33の断面は、常に上部が膨らんだ状態となる。このため、注出口31の断面積を広く確保することが可能となり、一度に大量の内容物を排出することが可能となる。また同時に流出路33の断面が膨らんだ状態となることにより、流出路33は、詰め替え操作の際に折れ曲がりにくくなる。
次に本発明の第2の実施の形態に係る詰替え容器100について、図3,図4A及び図4Bを参照して詳細に説明する。なお、上述した詰替え容器1と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図3は、本発明の第2の実施態様に係る詰替え容器100を示した模式図である。図4Aは、同詰め替え容器100のIV―IV断面を示した断面模式図である。また図4Bは、同詰替え容器100である容器本体を開いた状態でIV―IV断面を示した断面模式図である。
詰替え容器100は、本体表面積層体2と本体裏面積層体3と底テープ104を有する。詰め替え容器100は、それぞれのシーラント層12同士を対向させ、周囲をシールしてなる。底テープ104は、積層体10と同様の材料により形成されている。底テープ104は、容器の下部にあってシーラント層12が外側になるように折り曲げられており、底テープ104の一端は本体表面積層体2と共にボトムシール部123を形成し、他の端は本体裏面積層体3と共にボトムシール部123を形成して容器底面を構成する。この形状の包装袋は、いわゆるスタンディングパウチと称される。このスタンディングパウチは、底面が大きく広がるため大容量の容器を実現できる特徴を有している。
折り曲げ部6は、上述した詰め替え容器1の折り曲げ部6と同様に、1枚の積層体10を、シーラント層を内側にして天部でゆるく折り曲げて形成されている。また、折り曲げ部6は、折り曲げ部6の下部に設けた注出口シール部124と共に、注出口31に至る内容物の流出路33を横長に形成している。
また、詰替え容器100は、折り曲げ部6の一部を切り開き、内容物を充填するための充填用開口部141を設けている。なお、充填用開口部141は、内容物を充填後、シールされる。図3では、充填用開口部141をシールしてトップシール部121を形成した状態を示している。
このように構成された詰め替え容器100では、折り曲げ部6により、特に内容物が液体の場合に、内容物を注出する際、内容物が直線状の流出路33を円滑に流れる。このため、詰替え容器100は、迅速な注出を可能とする。特に、スタンディングパウチと称される形状の詰替え容器100は、その容器が大容量であるため、迅速な注出が可能な折り曲げ部6を用いることで、一層効果的なものとなっている。
また、容器の天部に充填用開口部141を設けることで、内容物の充填操作がやり易くなる利点がある。
次に本発明の第3の実施の形態に係る詰替え容器200について、図5を参照して詳細に説明する。なお、上述した詰替え容器1及び詰替え容器100と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る詰替え容器200の構成を示す模式図である。図6は、同詰替え容器300を用いた一連の詰替え操作の例を示した模式図である。図7は、同詰替え容器300を用いた一連の詰替え操作の例を示した模式図である。図8は、同詰替え容器300を用いた一連の詰替え操作の例を示した模式図である。
詰替え容器200は、注出口シール部224に抜き加工部225を形成することにより、流出路33が突出した注出ノズル232として形成されている。
また詰替え容器200は、注出ノズル232を形成した側と反対の側に、抜き加工部225に納まる形状の把手226が設けられている。図5に示す詰替え容器200を製造するには、詰替え容器200の高さに相当する幅のほぼ2倍の幅にスリットした積層体10を、シーラント層12面を内側にして天部でゆるく折り曲げて対向させる。
次に、折り曲げ部6を境に本体表面積層体2と本体裏面積層体3とし、これを連続的に供給する。なお連続的に供給とは、複数の詰め替え容器200が形成されるように、複数の詰替え容器200が形成される大きさの1枚の積層体10を折り曲げて、本体表面積層体2と本体裏面積層体3とを供給することである。
次に本体表面積層体2及び本体裏面積層体3の間にシーラント層12面が外側になるように二つ折りにした底テープ104を連続的に供給する。次に、積層体10及び底テープ104に必要なシールを行った後に、詰替え容器200の外郭、抜き加工部225及び把手226を打ち抜いて容器とする。
また詰替え容器200は、折り曲げ部6の一部を切り開き、内容物を充填するための充填用開口部141を備えている。
このように構成された詰替え容器200によれば、抜き加工部225を設けたことにより、流出路33は、突出する注出ノズル232に形成されることになる。この注出ノズル232は、例えば繰り返し使用する容器の口栓部に挿入することが可能となる。
突出する注出ノズル232を形成し、注出ノズル232を容器の口栓部に挿入することで、詰替え容器200内の充填物を容器へ詰替え操作の際の作業性を改善するのに役立つ。なお、抜き加工部225の形状は、繰り返し使用する容器の口栓部周辺の構造に応じて、適当な形状を選択することができる。
また、抜き加工部25は、本来廃棄する部分であるが、図5に示したように、把手226を、製造時に隣接する詰替え容器200の抜き加工部225に納まるような形状とすれば、特に材料の増加もなく、把手226を付加することができる。把手226が存在することにより、この把手226を持って詰替え操作を行うことができるので、より安全にまた容易に詰替え操作を行うことができる。
また、詰替え容器200は、サイドシール部22に抜き加工部225や把手226を設ける構成とするために、折り曲げ部6以外に、十分な幅をもった充填用開口部141を設けることが困難である。従って、充填用開口部141の位置としては、折り曲げ部6に設けるのが好ましい。
次に、詰替え容器200を用いた一連の詰替え操作を図6、図7及び図8を用いて説明する。
図6に示したように、本実施の形態の詰替え容器200を保持し、注出ノズル32の先端をカットして注出口31を開く。この注出口31に空になった繰り返し使用する容器51のノズル52を挿入する。この図では、繰り返し使用する容器51は、ノズル52を有するノズルキャップ53を備えたプラスチック容器である。
次に図7に示したように詰替え容器200の注出ノズル232を繰り返し使用する容器51のノズルキャップ53に確実に挿入した状態とする。次に図8に示したように、繰り返し使用する容器51と詰替え容器200の位置関係を一定に保ちながら、注出ノズル232が垂直になるように全体を引き起こすと、詰替え容器200中の内容物が一気に繰り返し使用する容器51に注出される。
このように、本発明に係る詰替え容器は、折り曲げ部6を設けることで、特別のプラスチック製の口栓等を使用せずに、大面積の注出口を確保することが可能である。またこの注出口の大きさは、目的とする繰り返し使用する容器の口栓の形状に合わせて自由に設計することができるので、迅速な詰替え操作が可能な専用詰替え容器として極めて価値の高いものである。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る詰替え容器300について、図9を参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る詰替え容器300の注出口31の部分を示した模式図である。
詰め替え容器300は、注出口31となるべき部分の本体表面積層体2および本体裏面積層体3の外側面であって、注出ノズル332に、ハーフカット線334を設ける構成である。このようにすることにより、ハーフカット線334の部分を手で引き裂いて注出口31を容易に形成することが可能となる。注出口31となるべき部分は、開封予定部分であって、図6のように注出ノズル332が存在する場合であれば、注出ノズル332の先端から少し引っ込んだ位置に設けるのが好ましい。これは、注出ノズルの先端を手で持って引き裂き易いためである。ハーフカット線334は、刃物によって形成する方法と、レーザー加工によって形成する方法が一般に用いられている。しかし、レーザー加工による方法の方が均一で安定した切れ目を形成できるので、ハーフカット線334は、レーザー加工によって形成するのが好ましい。
以下、本実施の形態に係る詰替え容器300の具体的な一例を、実施例1として説明する。
(実施例1)
本体表面積層体2および本体裏面積層体3として以下の構成からなる積層体10を使用した。
<本体表面積層体2及び本体裏面積層体3に用いる積層体10の構成>
PET(東レ社製P60、12μm)/印刷層/接着剤層(東洋モートン社製TM272、3g/m(dry))/ONY(ユニチカ社製ONMB、15μm)/接着剤層(同上)/LLDPE(東セロ社製TUX−FCS、150μm)
底テープ4として以下の構成からなる積層体10を使用した。
<底テープ4に用いる積層体10の構成>
ONY(ユニチカ社製ONM、25μm)/LLDPE(同上、120μm)
上記の積層体10を用いて、詰替え容器300として、図5に示す形状のスタンディングパウチを作製した。なお充填用開口部141としては、折り曲げ部6の一部をカットし、充填用開口部141とした。また注出ノズル332先端部の注出口31となるべき部分にレーザー加工によるハーフカット線334を設け、開口予定部とした。こうして得られた詰替え容器300に家庭用液体洗剤を充填し、充填用開口部141をヒートシールして詰替え用洗剤とした。
この詰替え用洗剤の詰め替え容器の注出ノズル332先端の開口予定部を手で切り取り、注出口31を開口した後、図7〜9に示したような手順に従って、内容物の洗剤を専用の繰り返し使用する容器51に詰め替える操作を行った。結果、洗剤のこぼれやあふれもなく、極めて迅速に詰替え操作を完了することができた。
次に、本発明の第5の実施の形態に係る詰替え容器400について、図10、図11、図12A、図12B,図13A,図13Bを参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200、300と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10は、本発明の第5の実施の形態に係る詰替え容器400の構成を示す模式図である。また図11は、同詰替え容器400のXI−XI断面の構成を模式的に示す断面図である。図12Aは、同詰替え容器400の注出ノズル432の構成を示す拡大図である。図12Bは、同注出ノズル432の注出口31の構成を模式的に示す断面図である。図13Aは、従来の技術の詰替え容器の注出ノズル482の構成を示す拡大図である。図13Bは、同注出ノズル482の注出口483の構成を模式的に示す断面図である。
本実施の形態に係る詰替え容器400は、図10及び11に示すように、基材11とシーラント層12を少なくとも有する積層体10からなる。また、詰め替え容器400は、図10、図11に示すように本体表面積層体2と本体裏面積層体3を有し、それぞれのシーラント層12同士を対向させ、周囲をシールしてなる。即ち、詰め替え容器400は、1枚の積層体10を、シーラント層12を内側にして折り曲げて、折り曲げ部6と前記本体表面積層体2と前記本体裏面積層体3を形成する。該折り曲げ部6は、注出口シール部424と共に、内容物を注ぎ出すための注出ノズル432を形成している。該注出ノズル432の先端は開封予定線434に沿って切り離すことにより注出口31を形成することができる。
また詰め替え容器400は、図12Aに示したように、注出ノズル432の開封予定線の長さをA(mm)とし、注出口31の開口部幅をB(mm)としたときに、A−4(mm)≦B(mm)≦A−0.5(mm)の関係を満たす形状に形成されている。この関係式は、注出口シール部424の幅が0.5mm以上4mm以下であることを示している。このような構成とすることにより、開封予定線の長さAすなわち注出ノズル432の幅に対して、注出口の開口部幅Bを広く確保することになる。これにより、繰返し使用する容器51本体のノズルキャップ部に挿入し易くなり、詰替え操作時の内容物の流量も大きく確保することができる。このため、詰替え容器400は、円滑かつ迅速な詰替え操作が可能となる。なお、図12AにおけるA寸法およびB寸法は、それぞれ注出ノズル432を平らに押しつけた状態で測定した数値である。実際の注出ノズルの断面は、図12Bに示したように、積層体10の弾性により、横に膨らんだ状態となる。
A−4(mm)>B(mm)である場合には、注出ノズル432における注出口シール部424の幅が広すぎて、繰返し使用する容器51本体のノズルキャップ部に挿入し難くなる。またB(mm)>A−0.5(mm)である場合には、注出口シール部424の幅が狭すぎて、詰替え容器400に外側から圧力がかかった場合の耐圧強度が不十分になるおそれがある。
図13Aは、従来の技術の詰替え容器の注出ノズル482の拡大図である。また図13Bは、注出ノズル482の注出口483の断面模式図である。このように従来の技術の注出ノズル482は、注出口483の上下にシール部484が存在するため、開口部幅Bに対して、開封予定線485の長さAが広くなる。また注出口483も広く開かないため、ノズルキャップに挿入し難いという問題に加えて、注出性が悪いという問題があった。
これに対し、図10に示した詰替え容器400においては、本体表面積層体2と本体裏面積層体3は、サイドシール部22とボトムシール部23においてシールされて袋状となる。なお、実際の容器では、内容物を充填するための充填用開口部が必要であるが図10中では、充填用開口部は省略する。図10に示された詰替え容器400においては、ボトムシール部23ないしはサイドシール部22に充填用開口部を設けることができる。
注出ノズル32の先端部分の開封予定線434は、開封位置を示す仮想的な線であるが、開封位置を明らかにするために、実際に印刷表示等を行っても良い。また、開封予定線434は、上述した本体表面積層体2および/または本体裏面積層体3の外側面に設けたハーフカット線334を用いてもよい。このようにハーフカット線334を開封予定線434に用いることにより、開封予定線34の部分を手で引き裂いて注出口31を容易に形成することが可能となる。
注出口31となるべき部分は、注出ノズル432の先端から少し引っ込んだ位置に設けるのが好ましい。これは、注出ノズルの先端を手で持って引き裂き易いようにするためである。また開封予定線434に相当する注出口シール部24にV字型やU字型のノッチや切込み線を設けたり、注出口シール部の先端部を広幅に加工したりしてもよい。このようなノッチ、切り込み線及びシール部の先端部を広幅とすることで、注出ノズル432の先端の開封のし易さがさらに向上する。
次に、本発明の第6の実施の形態に係る詰替え容器500について、図14、図15A、図15Bを参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200、300、400と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図14は、本発明の第6の実施の形態に係る詰替え容器500の構成を示す模式図である。図15Aは、同詰替え容器500のXV−XV断面の構成を模式的に示す断面図である。図15Bは、同詰替え容器500の開いた状態を模式的に示す断面図である。
この実施態様においては、詰替え容器500は、本体表面積層体2と本体裏面積層体3と底テープ4を有し、それぞれのシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなる。底テープ4は、容器の下部にあってシーラント層が外側になるように折り曲げられており、底テープ4の一端は本体表面積層体2と共にボトムシール部123を形成し、他の端は本体裏面積層体3と共にボトムシール部123を形成して容器底面を構成する。この形式の包装袋は、いわゆるスタンディングパウチと称されるものであり、底面が大きく広がるため大容量の容器を実現できる特徴を有している。
折り曲げ部6は、1枚の積層体を、シーラント層を内側にして天部で折り曲げて、形成されている。折り曲げ部6は注出口シール部24および抜き加工部525と共に、注出口31に至る内容物の流出路33を形成している。即ち、詰め替え容器500は、上述した詰め替え容器100に抜き加工部525を設けた形状に形成されている。また、詰め替え容器500は、注出ノズル432を有する。
このような構成とすることにより、詰め替え容器500は、特に内容物が液体の場合には、内容物を注出する際、内容物が直線状の流出路33を円滑に流れるために、迅速な注出を可能とする。また、詰め替え容器500は、スタンディングパウチと称される形状に形成されており、その容器が大容量であるためにより一層効果的なものとなっている。
次に、本発明の第7の実施の形態に係る詰替え容器600について、図16を参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200、300、400、500と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図16は、本発明の第7の実施の形態に係る詰替え容器600の構成を示す模式図である。
図16に示すように、本実施の形態の詰め替え容器600は、上述した詰め替え容器300と同様に、注出ノズル32を形成する注出口シール部224の抜き加工部225と反対の側に、抜き加工部25に納まる形状の把手226を備える。なお、詰め替え容器600は、詰替え容器300の注出ノズル232ではなく、詰替え容器400の注出ノズル432を有する。このように、詰替え容器600は、注出口シール部224に抜き加工部225を形成することにより、流出路33は、突出した注出ノズル432として形成されることになる。なお、抜き加工部225の形状は、繰り返し使用する容器の口栓部周辺の構造に応じて、適当な形状を選択することができる。
図16に示した詰替え容器600を製造するには、詰替え容器200、300と同様に、容器の高さに相当する幅のほぼ2倍の幅にスリットした積層体10を、シーラント層12面を内側にして天部で折り曲げて対向させ、本体表面積層体2と本体裏面積層体3とする。これを連続的に供給する。本体表面積層体2及び本体裏面積層体3の間にシーラント層面が外側になるように二つ折りにした底テープ4を連続的に供給し、必要なシールを行った後に、打ち抜いて容器とする。
またこの詰替え容器600においては、折り曲げ部6の一部を切り開き、内容物を充填するための充填用開口部141としている。この例では、サイドシール部22に抜き加工部25や把手26が存在するために、折り曲げ部6以外に、十分な幅をもった充填用開口部を設けることが困難である。従って、充填用開口部41の位置としては、折り曲げ部6に設けるのが好ましい。
次に、図6、図7及び図8を用いて詰め替え容器200、300、と同様に、詰替え容器600の一連の詰め替え操作について説明する。図6に示したように、詰替え容器600を保持し、注出ノズル432の先端をカットして注出口31を開く。この注出口31に空になった繰り返し使用する容器51のノズル52を挿入する。
次に図7に示したように詰替え容器600の注出ノズル32を繰り返し使用する容器51のノズルキャップ53に確実に挿入した状態とする。次に図8に示したように、繰り返し使用する容器51と詰替え容器600の位置関係を一定に保ちながら、注出ノズル32が垂直になるように全体を引き起こすと、詰替え容器600中の内容物が一気に繰り返し使用する容器51に注入される。
このように、本実施の形態に係る詰替え容器600は、特別のプラスチック製の口栓等を使用せずに、大面積の注出口を確保することが可能であり、またこの注出口の大きさは、目的とする繰り返し使用する容器の口栓の形状に合わせて自由に設計することができるので、迅速な詰替え操作が可能な専用詰替え容器として極めて価値の高いものである。
次に、本実施の形態に係る詰替え容器600について、具体的な一例として、実施例2〜実施例7を説明するとともに、詰替え容器600と比較する比較例1〜6を用いて説明する。
(実施例2)
本体表面積層体2および本体裏面積層体3として以下の構成からなる積層体10を使用した。
<本体表面積層体2及び本体裏面積層体3に用いる積層体10の構成>
PET(東レ社製P60、12μm)/印刷層/接着剤層(東洋モートン社製TM272、3g/m(dry))/ONY(ユニチカ社製ONMB、15μm)/接着剤層(同上)/LLDPE(東セロ社製TUX−FCS、150μm)
底テープとして以下の構成からなる積層体10を使用した。
<底テープ4に用いる積層体10の構成>
ONY(ユニチカ社製ONM、25μm)/LLDPE(同上、120μm)
上記の積層体10を用いて、図16に示した形状のスタンディングパウチを作製した。なお充填用開口部141としては、折り曲げ部6の一部をカットし、充填用開口部141とした。また注出ノズル432先端部の注出口31となるべき開封予定線334をレーザー加工によるハーフカット線とした。こうして得られた詰替え容器に家庭用液体洗剤を充填し、充填用開口部をヒートシールして詰替え用洗剤とした。この時、図12Aに示した開封予定線の長さAを18mmとした。また開口部幅Bを14mmとした。
(実施例3)
開封予定線の長さAを18mmとし、開口部幅Bを15mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例4)
開封予定線の長さAを18mmとし、開口部幅Bを17.5mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例5)
開封予定線の長さAを30mmとし、開口部幅Bを26mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例6)
開封予定線の長さAを30mmとし、開口部幅Bを27mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例7)
開封予定線の長さAを30mmとし、開口部幅Bを29.5mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(比較例1)
開封予定線の長さAを18mmとし、開口部幅Bを13mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(比較例2)
開封予定線の長さAを18mmとし、開口部幅Bを17.7mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(比較例3)
開封予定線の長さAを30mmとし、開口部幅Bを25mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(比較例4)
開封予定線の長さAを30mmとし、開口部幅Bを29.7mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(比較例5)
注出ノズル482の構造を図13Aに示したような従来の形状とし、開封予定線の長さAを18mmとし、開口部幅Bを12mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。なお注出口483の開口部は、注出ノズル482の中央に配置した。
(比較例6)
注出ノズル482の構造を図13Aに示したような従来の形状とし、開封予定線の長さAを30mmとし、開口部幅Bを24mmとした以外は、実施例2と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
上記の各詰替え用洗剤容器(詰替え容器600)の注出ノズル先端の開封予定線を手で切り取り、注出口を開口させる。その後、図6〜図8に示したような手順に従って、内容物の洗剤を専用の繰り返し使用する容器51(ボトル)に詰め替える操作を行う。この際、ボトルへの差し込み易さ(差込性)と、注出の迅速さ(注ぎ性)を評価した。また、未開封の詰替え容器の耐圧性を評価した。これらの実験結果を表1に示す。なお、実施例2から実施例7までの各実施例は(←表や図中にハッチングや網掛けを用いて、それに基づいて説明を行うことは好ましくないため、変更しました。)、A、B寸法が、A−4(mm)≦B(mm)≦A−0.5(mm)の関係を満たす範囲を示している。なお、実施例1〜3および比較例1、2、5の詰替え操作の際に用いた繰り返し使用する容器51のノズルキャップの内径は15mmであった。また、実施例4〜6および比較例3、4、6の詰替え操作の際に用いた繰り返し使用する容器51のノズルキャップの内径は27mmであった。
Figure 0005673529
この結果が示すように、A−4(mm)≦B(mm)≦A−0.5(mm)の関係を満たす注出ノズルを備えた本実施の形態に係る詰替え容器600は、ボトルへの差込性、注ぎ性、耐圧性において、バランスのとれた結果を示している。なお、A−4(mm)≦B(mm)≦A−0.5(mm)の関係は、詰め替え容器600だけでなく、詰め替え容器400,500も満たすため、注出口431を有する詰替え容器400,500についても、詰替え容器600と同様の効果が得られる。
次に、本発明の第8の実施の形態に係る詰替え容器700について、図17、図18A,図18B、図18Cを参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200、300、400、500、600と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図17は、本発明の第7の実施の形態に係る詰替え容器の構成を示す模式図である。図18Aは同詰替え容器の注出口の部分の構成を示す拡大図である。図18Bは、同注出口のXVII−XVII断面の構成を模式的に示す断面図である。図18Cは、同注出口の面積が最大となった状態をXVII−XVII断面により模式的に示す断面図である。
本実施の形態に係る詰替え容器700は、図17に示すように、積層体10からなり、本体表面積層体2と本体裏面積層体3を有し、それぞれのシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなる。また、詰替え容器700は、1枚の積層体10を、シーラント層12を内側にして折り曲げて、折り曲げ部6と前記本体表面積層体2と前記本体裏面積層体3を形成する。折り曲げ部6は、注出口シール部24と共に、内容物を注ぎ出すための流出路33を形成する。詰替え容器700は、該流出路33の先端は開封予定線734に沿って切り離すことにより注出口731を形成することができる。
図17に示した詰替え容器700においては、本体表面積層体2と本体裏面積層体3は、サイドシール部22とボトムシール部23においてシールされて袋状となっている。実際の容器では、内容物を充填するための充填用開口部が必要であるが図17では、省略されている。図17に示された詰替え容器700においては、ボトムシール部23ないしはサイドシール部22に充填用開口部を設けることができる。
流出路33の先端部分の開封予定線734は、開封位置を示す仮想的な線であるが、開封位置を明らかにするために、実際に印刷表示等を行っても良い。また、本体表面積層体2および/または本体裏面積層体3の外側面に設けたハーフカット線とすることもできる。このようにすることにより、開封予定線734の部分を手で引き裂いて注出口31を容易に形成することが可能となる。ハーフカット線は、刃物によって形成する方法と、レーザー加工によって形成する方法が一般に用いられているが、レーザー加工による方法の方が均一で安定した切れ目を形成できるので好ましい。また開封予定線734に相当する注出口シール部にV字型やU字型のノッチや切込み線を設けたり、注出口シール部24の先端部を広幅に加工したりすること等により、開封のし易さがさらに向上する。
また、詰替え容器700の注出口731は、図18Aに示すように、注出口731の幅をC(mm)とし、注出口731の開口部断面積をD(mm)としたときに、1/10×(C/π)(mm)≦D(mm)≦C/π(mm)の関係を満たすように形成されている。この関係式は、注出口の開口部断面積D(mm)が、開口部断面積の理論上の最大値である、C/π(mm)の10分の1よりも大きいことを示している。
このように構成された詰替え容器700によれば、注出口731の開口部断面積Bを広く確保することになる。また、繰返し使用する容器51本体のノズルキャップ部に挿入し易くなる。このため、詰替え操作時の内容物の流量も大きく確保することができる。このため、詰替え容器700は、円滑かつ迅速な詰替え操作を可能となる。
なお、図18AにおけるC寸法は、注出口731を平らに押しつけた状態で測定した数値である。実際の注出口731の断面は、図18Bに示したように、積層体10の弾性により、横に膨らんだ状態となる。この時の注出口731の開口部断面積がD(mm)である。なお、C/πは、注出口731が真円になったと仮定した時の注出口731の開口部断面積Dであり、この値が注出口731の開口部断面積Dの最大値となる。
1/10×(C/π)(mm)>D(mm)である場合には、注出口731の開口部断面積Dが小さくて、繰返し使用する容器51本体のノズルキャップ部に挿入し難くなる場合がある。また注出時の流量が確保できず、迅速な詰め替え操作ができないおそれがある。
次に、本発明の第9の実施の形態に係る詰替え容器800について、図14、図15A,図15B,図18A,図18B,図18Cを参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200、300、400、500、600、700と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施の態様の詰替え容器800は、詰め替え容器500と同様に本体表面積層体2と本体裏面積層体3と底テープ4を有し、それぞれのシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなる。底テープ4は、容器の下部にあってシーラント層が外側になるように折り曲げられている。底テープ4の一端は、本体表面積層体2と共にボトムシール部123を形成し、他の端は本体裏面積層体3と共にボトムシール部123を形成して容器底面を構成する。この形式の包装袋は、いわゆるスタンディングパウチと称されるものであり、底面が大きく広がるため大容量の容器を実現できる特徴を有している。
折り曲げ部6は、1枚の積層体を、シーラント層を内側にして天部で折り曲げて、形成されており、折り曲げ部6は注出口シール部24および抜き加工部25と共に、注出口731に至る内容物の流出路33を突出した注出ノズル832として形成している。即ち、詰替え容器800は、上述した詰め替え容器500に形成された注出ノズル432とは異なる、注出口731を有する注出ノズル832を有する構成である。このため、注出ノズル832は、注出口731により、上述した詰替え容器700と同様の効果を得ることができる。
またこの詰め替え容器800においては、折り曲げ部6の一部を切り開き、内容物を充填するための充填用開口部41としている。図14では、充填用開口部41をシールしてトップシール部21を形成した状態を示している。このように、容器の天部に充填用の開口部が存在すると、内容物の充填操作がやり易くなる利点がある。
次に、本発明の第10の実施の形態に係る詰替え容器900について、図6、図7、図8、図16,図18A,図18B,図18Cを参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200、300、400、500、600、700、800と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る詰替え容器900は、詰替え容器600と同様の構成であって、詰替え容器600の注出ノズル432ではなく、上述した注出ノズル832が設けられている構成である。具体的には、詰替え容器900は、注出ノズル832を形成する注出口シール部24の抜き加工部25と反対の側に、抜き加工部25に納まる形状の把手26が設けられる。注出口シール部24に抜き加工部25を形成することにより、流出路33は、突出した注出ノズル832として形成されることになる。抜き加工部25の形状は、繰り返し使用する容器の口栓部周辺の構造に応じて、適当な形状を選択することができる。
図16に示した詰替え容器を製造するには、容器の高さに相当する幅のほぼ2倍の幅にスリットした積層体10を、シーラント層12面を内側にして天部で折り曲げて対向させて、本体表面積層体2と本体裏面積層体3とする。この積層体10を連続的に供給し、この間にシーラント層12面が外側になるように二つ折りにした底テープ4を連続的に供給する。次に、本体表面積層体2、本体裏面積層体3及び底テープ4の、サイドシール部22、ボトムシール部123、注出口シール部24等の必要なシールを行った後に、打ち抜いて容器とする。
図6〜8は、本実施の形態に係る詰替え容器900を用いた一連の詰替え操作の例を示した模式図である。図7に示したように、本実施の形態に係る詰替え容器900を保持し、注出ノズル832の先端をカットして注出口731を開く。この注出口731に空になった繰り返し使用する容器51のノズル52を挿入する。この図では、繰り返し使用する容器51は、ノズル52を有するノズルキャップ53を備えたプラスチック容器である。
次に図7に示したように詰替え容器900の注出ノズル832を繰り返し使用する容器51のノズルキャップ53に確実に挿入した状態とする。次に図9に示したように、繰り返し使用する容器51と詰替え容器900の位置関係を一定に保ちながら、注出ノズル832が垂直になるように全体を引き起こすと、詰替え容器900中の内容物が一気に繰り返し使用する容器51に注入される。
このように、本発明の実施の形態に係る詰替え容器900は、特別のプラスチック製の口栓等を使用せずに、大面積の注出口を確保することが可能であり、またこの注出口の大きさは、目的とする繰り返し使用する容器の口栓の形状に合わせて自由に設計することができるので、迅速な詰替え操作が可能な専用詰替え容器として極めて価値の高いものである。
次に、本実施の形態に係る詰替え容器900について、具体的な一例として、実施例8〜実施例15を説明するとともに、詰替え容器900の実施例8〜実施例15と比較する比較例7及び比較例8を用いて説明する。
(実施例8)
本体表面積層体2および本体裏面積層体3として以下の構成からなる積層体10を使用した。
<本体表面積層体2及び本体裏面積層体3に用いる積層体10の構成>
PET(東レ社製P60、12μm)/印刷層/接着剤層(東洋モートン社製TM272、3g/m(dry))/ONY(ユニチカ社製ONMB、15μm)/接着剤層(同上)/LLDPE(東セロ社製TUX−FCS、150μm)
底テープとして以下の構成からなる積層体10を使用した。
<底テープ4に用いる積層体10の構成>
ONY(ユニチカ社製ONM、25μm)/LLDPE(同上、120μm)
上記の積層体10を用いて、図16に示した形状のスタンディングパウチを作製した。なお充填用開口部141としては、折り曲げ部6の一部をカットし、充填用開口部141とした。また注出ノズル832先端部の注出口731となるべき開封予定線334をレーザー加工によるハーフカット線とした。こうして得られた詰替え容器に家庭用液体洗剤を充填し、充填用開口部をヒートシールして詰替え用洗剤とした。この時、図18Aに示した注出口の幅Cを20mmとした。また開口部断面積Dを127mmとした。
(実施例9)
折り曲げ部を形成する際の折り曲げの強さを調節して、開口部断面積Dが60mmとなるようにした以外は、実施例8と同様にして、詰替え容器900を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例10)
同様にして開口部断面積Dが40mmとなるようにした以外は、実施例8と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例11)
同様にして開口部断面積Dが14mmとなるようにした以外は、実施例8と同様にして、詰替え容器900を作製し、同様の内容物を充填した。
(比較例7)
同様にして開口部断面積Dが10mmとなるようにした以外は、実施例8と同様にして、詰替え容器900を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例12)
注出口の幅Cを25mmとし、開口部断面積Dを199mmとした以外は、実施例8と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例13)
折り曲げ部を形成する際の折り曲げの強さを調節して、開口部断面積Dが120mmとなるようにした以外は、実施例12と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例14)
同様にして開口部断面積Dが80mmとなるようにした以外は、実施例12と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
(実施例15)
同様にして開口部断面積Dが22mmとなるようにした以外は、実施例12と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
<比較例8>
同様にして開口部断面積Dが18mmとなるようにした以外は、実施例12と同様にして、詰替え容器を作製し、同様の内容物を充填した。
上記の各詰替え用洗剤容器(詰替え容器900)の注出ノズル先端の開封予定線を手で切り取り、注出口を開口した後、注出の迅速さ(注ぎ性)を評価した。これらの実験結果を表2に示す。表2中に示すように、実施例8から15までの各実施例は、1/10×(C/π)(mm)≦D(mm)≦C/π(mm)の関係を満たす範囲を示している。なお注出の迅速さ(注ぎ性)を評価する際、評価のための専用の繰返し使用する容器を使用することなく、注出口731を開口した状態のまま詰替え容器900を傾けたときの注出の迅速さ(注ぎ性)を評価した。
Figure 0005673529
この結果が示すように、1/10×(C/π)(mm)≦D(mm)≦C/π(mm)の関係を満たす注出ノズル832を備えた本実施の形態に係る詰替え容器900は、ボトルへの差込性も良好であり、注ぎ性において好ましい結果を示している。なお、1/10×(C/π)(mm)≦D(mm)≦C/π(mm)の関係は、詰替え容器900だけでなく、詰替え容器700,800も満たすため、注出口731を有する詰替え容器700,800についても、詰替え容器900と同様の効果が得られる。
次に、本発明の第11の実施の形態に係る詰替え容器1000について、図19、図20、図21、図22を参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200、300、400、500、600、700、800、900と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図19は、本発明の第11の実施の形態に係る詰替え容器1000の構成を示す模式図、である。図20は、同詰替え容器1000のXX−XX断面の構成を模式的に示す断面図である。図21は、同詰替え容器1000の注出ノズル1032の凸エンボス1035の構成を説明する拡大図である。図22は、同詰替え容器1000の注出ノズル1032の凹エンボス1036の構成を説明する拡大図である。である。
本実施の形態に係る詰替え容器1000は、基材11とシーラント層12を少なくとも有する積層体10からなる。詰替え容器1000は、図19、図20に示したように、1枚の積層体10を、シーラント層12を内側にして折り曲げて、折り曲げ部6と本体表面積層体2と本体裏面積層体3を形成し、周縁をシールしてなる。
折り曲げ部6は、注出ノズルシール部1024aおよび抜き加工部シール部1025aと共に、内容物を注ぎ出すための注出ノズル1032を形成している。注出ノズル1032の先端は注出ノズル先端シール部1024bによってシールされている。注出ノズル1032は、開封予定線1034に沿って切り離すことにより注出口1031を形成する。注出ノズル1032を形成する前記積層体10には、外側に凸の、帯状または筋状の凸エンボス1035が設けられている。
凸エンボス1035は、開封予定線1034の長さをEとしたとき、開封予定線1034上の注出ノズルシール部1024aから3分の2Eの範囲にエンボスの中心線1035cが存在する。また、凸エンボス1035は、開封予定線1034から前記抜き加工部シール部1025aの延長線1025b上までは少なくとも連続して存在している。
折り曲げ部6は、1枚の積層体10を、シーラント層12を内側にして天部で折り曲げて形成したものである。折り曲げ部6は、折り曲げ部6の下部に設けた注出ノズルシール部1024aおよび抜き加工部シール部1025aと共に、注出口1031に至る内容物の流出路1033を形成している。折り曲げ部6における積層体10の戻ろうとする弾性の働きにより、流出路1033の断面は、常に上部が膨らんだ状態となる。このため、注出口1031の断面積を広く確保することが可能となる。結果、詰め替え容器1000は、一度に大量の内容物を排出することが可能となる。
図21に示す注出ノズル1032の拡大図において、凸エンボス1035は、積層体10に対して外側に凸状に設けられたエンボスであり、その形状は帯状または筋状とする。帯状とは、断面形状が矩形、台形、半円形、かまぼこ型等のことを指し、筋状とは断面形状が三角形となるような、線状のエンボスを指す。凸エンボス1035は、直線状でなくても連続的であればよい。
凸エンボス1035の位置としては、開封予定線1034の長さをEとした場合、開封予定線上の注出ノズルシール部1024aから3分の2Eの範囲にエンボスの中心線1035cが存在するような位置が好ましいことが、実験的に明らかとなっている。この範囲内に凸エンボス1035を設けることにより、注出口1031の開口が安定的に広くなることが分かった。
また、凸エンボス1035の長さについては、開封予定線1034から抜き加工部シール部1025aの延長線1025b上までは少なくとも連続して存在していることが望ましい。図3に示されたように、抜き加工部シール部1025aの延長線1025bを大幅に超えて設けてもよい。
凸エンボス1035の角度については、凸エンボス1035の中心線1035cと折り曲げ部6の稜線7とがなす角度θが0°以上60°以下であることがより好ましい。角度θがこの範囲にある場合には、注出口1031の開口を円滑にする効果がより高まる。
図19に示した実施態様においては、本体表面積層体2と本体裏面積層体3は、サイドシール部22とボトムシール部23においてシールされて袋状となっている。実際の容器では、内容物を充填するための充填用開口部が必要であるが図19では省略されている。図19に示された実施態様においては、ボトムシール部23ないしはサイドシール部22に充填用開口部を設けることができる。また折り曲げ部6の一部を切り開いて、充填用開口部とすることもできる。
図19に示した実施態様においては、折り曲げ部6が詰替え容器1000の上部に水平に配置されているが、詰替え容器1000の側面に垂直に配置されていてもよい。
また、詰替え容器1000は、開封予定線1034に相当する注出ノズルシール部1024a及び注出ノズル先端シール部1024bにV字型やU字型のノッチや切込み線を設けたり、注出ノズルシール部1024a及び注出ノズル先端シール部1024bの先端部を広巾に加工して開封つまみ8を設けたりすることにより、開封のし易さが向上する。
なお開封予定線1034は、開封位置を示す仮想的な線であるが、開封位置を明らかにするために、実際に印刷表示等を行っても良い。また、開封予定線1034は、本体表面積層体2および本体裏面積層体3の外側面に連続して設けたハーフカット線であることが好ましい。このようにすることにより、開封予定線1034の部分を手で引き裂いて注出口1031を容易に形成することが可能となる。ハーフカット線は、刃物によって形成する方法と、レーザー加工によって形成する方法が一般に用いられているが、レーザー加工による方法の方が均一で安定した切れ目を形成できるので好ましい。レーザーの種類としては、炭酸ガスレーザーがより好ましい。開封予定線1034は、折り曲げ部の稜線7に対して垂直である必要はなく、斜めでもよい。
本実施の形態に係る詰替え容器1000に使用する積層体10としては、上述した詰替え容器1,100,200,300,400,500,600,700,800,900と同様の通常軟包装袋に使用される積層体10を用いることができる。
また、詰替え容器900の注出ノズル1032には、凹エンボス1036が設けられている。
図22は、本実施の形態に係る詰替え容器1000の注出ノズルの拡大図であり、凹エンボス1036の説明図である。凸エンボス1035と注出ノズルシール部1024aの間に、外側に凹の、帯状または筋状の凹エンボス1036を、特定の角度をもって特定の位置に設けた場合においては、注出口1031および流出路1033の断面積をさらに大きく確保することが可能となる。また、注出ノズル32が折れ曲がったり、繰り返し使用する容器から外れたりすることがなくなり、詰め替え操作が容易かつ迅速で確実にできる効果が安定したものとなる。凹エンボス1036の主な働きは、注出口1031の注出ノズルシール部1024a付近が広がりにくいことを改善しようとするものであるが、注出口1031の折れ曲がりを防止する効果を高める働きも持っている。
凹エンボス1036は、開封予定線1034上の注出ノズルシール部1024aから3mm以内の範囲に凹エンボスの中心線1036cが存在する。また、凹エンボス1036は、開封予定線1034から抜き加工部シール部1025aの延長線1025b上までは少なくとも連続して存在している。また、凹エンボス1036は、凹エンボス中心線1036cの角度は注出ノズルシール部に平行な角度から、折り曲げ部6の稜線7に垂直な角度までの範囲内であることが好ましい。図22では、この角度の範囲をδで表してある。
凹エンボス1036の形状については、凸エンボス1035と同様であり、その形状は帯状または筋状とする。帯状とは、断面形状が矩形、台形、半円形、かまぼこ型等のことを指し、筋状とは断面形状が三角形となるような、線状のエンボスを指している。凹エンボス1036も凸エンボス1035と同様、連続的であれば直線でなく曲線でもよく、注出ノズルシール部1024aに沿った曲線でもよい。
なお、凸エンボス1035及び凹エンボス1036は、帯状又は筋状でなくても良い。次に、本実施の形態に係る詰替え容器1000に用いられる凸エンボス1035及び凹エンボス1036の変形例である、凸エンボス1035A及び凹エンボス1036Aを説明する。
図23は、本実施の形態に係る詰替え容器1000の注出ノズル1032の変形例である注出ノズル1032Aの構成を示す拡大図であって、凸エンボス1035Aと凹エンボス1036Aの構成を示す。注出ノズル1032Aは、凸エンボス1035A、凹エンボス1036Aともそれぞれ1本の筋状のエンボスで形成されている。本実施の形態に係る詰替え容器1000においては、このような簡単なエンボス形状であっても、十分にその効果を発揮することができる。特に詰替え容器1000を構成する積層体10として、紙を使用した場合には、紙の割れを防ぐ意味でも、このような筋状のエンボスが好ましい。
なお、これら注出ノズル1032,1032Aの一例について、図24A、図24B,図24C,図24Dを用いて説明する。
図24Aは、詰め替え容器1000の注出ノズル1032の一例の構成を拡大して示す断面図である。図24Bは、詰替え容器1000の注出ノズル1032の一例の構成を拡大して示す断面図である。図24Cは、詰め替え容器1000の注出ノズル1032Aの一例の構成を拡大して示す断面図である。図24Dは、詰替え容器1000Aの注出ノズル1032Aの一例の構成を拡大して示す断面図である。
図24Aに示した注出ノズル1032の例においては、注出ノズル1032に、断面形状が台形状の帯状の凸エンボス1035と、同じく断面形状が台形状の帯状の凹エンボス1036とが設けられている。
図24Bに示した注出ノズル1032の例においては、断面形状が台形状の帯状の凸エンボス1035のみが施されている。このように、注出ノズル1032は、注出口1031の断面積を広く確保することが可能であれば、凹エンボス1036を有さない構成であってもよい。
図24Cに示した注出ノズル1032Aの例においては、断面形状が三角形状の筋状の凸エンボス1035Aと、同じく断面形状が三角形状の筋状の凹エンボス1036Aとが設けられている。
また図24Dに示した注出ノズル1032Aの例においては、断面形状が台形状の帯状の凸エンボス1035Aのみが施されている。このように、注出ノズル1032Aは、注出口1031の断面積を広く確保することが可能であれば、凹エンボス1036Aを有さない構成であってもよい。
次に、本発明の第12の実施の形態に係る詰替え容器1100について、図25、図26A,図26Bを参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図25は、本発明の第12の実施の形態に係る詰替え容器1100の構成を示す模式図、である。図26Aは、同詰替え容器1100のXXVI−XXVI断面の構成を模式的に示す断面図である。図26Bは、同詰替え容器1100のXXVI−XXVI断面の構成であって、詰替え容器1100を開いた状態を模式的に示す断面図である。
図25、図26A,図26Bに示すように、本実施の形態に係る詰替え容器1100は、基材11とシーラント層12を少なくとも有する1枚の積層体10を、シーラント層12を外側にして折り曲げて底テープ4とし、本体表面積層体2と本体裏面積層体3の間に挿入して周縁をシールしてなる。このように、詰め替え容器1100は、スタンディングパウチ形状としたものである。
また、詰替え容器1100は、上述した詰め替え容器1000と同様に、折り曲げ部6を有する。なお、折り曲げ部6は、注出ノズルシール部1024aおよび抜き加工部シール部1025aと共に、内容物を注ぎ出すための注出ノズル1032を形成する。
詰め替え容器1100は、このような形状の場合、内容物を充填する充填用開口部をサイドシール部に設けることができないため、折り曲げ部6の一部を切り開いて、充填用開口部1141としてある。図25に示した実施態様では、充填用開口部1141は、シールされてトップシール部1121となっている。このように、詰め替え容器1100の天部に充填用開口部1141が存在すると、内容物の充填操作がやり易くなる利点がある。
図26Bに示されたように、スタンディングパウチ形状の詰め替え容器1100は、底テープ4が広がるため、大容量の容器とすることが容易に可能である。従って、本実施の形態に係る詰替え容器1100における注出時間が短くて済むという特徴を十分に生かすことができる。
折り曲げ部6は、1枚の積層体10を、シーラント層12を内側にして天部で折り曲げて、形成されている。折り曲げ部6は注出ノズルシール部1024aおよび抜き加工部シール部1025aと共に、注出口1031に至る内容物の流出路1033を形成している。このようにすることにより、特に内容物が液体の場合には、内容物を注出する際、内容物が直線状の流出路1033を円滑に流れるために、迅速な注出を可能とする。これにより、詰替え容器1100は、容器が大容量であるためにより一層効果的なものとなっている。
次に、本発明の第13の実施の形態に係る詰替え容器1200について、図27を参照して詳細に説明する。なお、上述した各詰替え容器1、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100と同様の構成には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図27は、本発明の第13の実施の形態に係る詰替え容器1200の構成を示す模式図、である。
この詰替え容器1200は、注出ノズル1032を形成する注出ノズルシール部1024aの抜き加工部1225と反対の側に、抜き加工部1225に納まる形状の把手1226を設ける構成である。注出ノズルシール部1024aに抜き加工部1225を形成することにより、流出路1033は、突出した注出ノズル1032として形成されることになる。抜き加工部1225の形状は、繰り返し使用する容器51の口栓部周辺の構造に応じて、適当な形状を選択することができる。
図27に示した詰替え容器1200を製造するには、詰め替え容器1200の高さに相当する巾のほぼ2倍の巾にスリットした積層体10を、シーラント層12面を内側にして天部で折り曲げて対向させ、本体表面積層体2と本体裏面積層体3とする。次に、これを連続的に供給し、この間にシーラント層12面が外側になるように二つ折りにした底テープ4を連続的に供給する。この供給後、必要なシールを行った後に、打ち抜いて詰め替え容器1200とする。
抜き加工部1225は、本来廃棄される部分である。しかし、図27に示したように、把手1226を、隣の詰替え容器1200の抜き加工部1225に納まるような形状とすれば、特に材料の増加もなく、把手1226を付加することができる。把手1226が存在することにより、この把手1226を持って詰替え操作を行うことができる。このため、詰め替え容器1200を用いてより安全にまた容易に詰替え操作を行うことができる。
また詰替え容器1200は、折り曲げ部6の一部を切り開き、内容物を充填するための充填用開口部1241としている。この例では、サイドシール部22に抜き加工部1225や把手1226が存在するために、折り曲げ部6以外に、十分な巾をもった充填用開口部1241を設けることが困難である。従って、充填用開口部1241の位置としては、折り曲げ部6に設けるのが好ましい。
図6〜8は、本発明の実施の形態に係る詰替え容器1200を用いた一連の詰替え操作の例を示した模式図である。図6に示したように、本実施の形態に係る詰替え容器1200を保持し、注出ノズル1032の先端をカットして注出口1031を開く。この注出口1031に空になった繰り返し使用する容器51のノズル52を挿入する。この図では、繰り返し使用する容器51は、ノズル52を有するノズルキャップ53を備えたプラスチック容器である。
次に図7に示したように詰替え容器1200の注出ノズル1032を繰り返し使用する容器51のノズルキャップ53に確実に挿入した状態とする。次に図8に示したように、繰り返し使用する容器51と詰替え容器1200の位置関係を一定に保ちながら、注出ノズル1032が垂直になるように全体を引き起こすと、詰替え容器1200中の内容物が一気に繰り返し使用する容器51に注入される。
このように、本発明の実施の形態に係る詰替え容器1200は、特別のプラスチック製の口栓等を使用せずに、大面積の注出口1031を確保することが可能である。またこの注出口1031の大きさは、目的とする繰り返し使用する容器51の口栓の形状に合わせて自由に設計することができるので、迅速な詰替え操作が可能な専用詰替え容器として極めて価値の高いものである。
次に、本実施の形態に係る詰替え容器1200について、具体的な一例として、実施例16、実施例17を説明するとともに、詰替え容器1200の実施例16〜実施例17と比較する比較例9を用いて説明する。
(実施例16)
本体表面積層体2および本体裏面積層体3として以下の構成からなる積層体10を使用した。
<本体表面積層体2及び本体裏面積層体3に用いる積層体10の構成>
PET(東レ社製P60、12μm)/印刷層/接着剤層(東洋モートン社製TM272、3g/m(dry))/ONY(ユニチカ社製ONMB、15μm)/接着剤層(同上)/LLDPE(東セロ社製TUX−FCS、150μm)
底テープとして以下の構成からなる積層体を使用した。
<底テープ4に用いる積層体10の構成>
ONY(ユニチカ社製ONM、25μm)/LLDPE(同上、120μm)
上記の積層体10を用いて、図27に示した形状のスタンディングパウチを作製した。パウチサイズは、巾150mm、高さ272mmとした。注出ノズル1032のエンボスは、凸エンボス1035のみとし、凹エンボス1036は施さなかった。凸エンボス1035は、断面形状が台形で、高さ1mm、長さ40mm、角度θを50°とした。
充填用開口部1141としては、折り曲げ部6の一部をカットし、充填用開口部1141とした。また注出ノズル1032先端部の注出口1031となるべき開封予定線1034をレーザー加工によるハーフカット線とした。こうして得られた詰替え容器1200に液体洗剤を900g充填し、充填用開口部1141をヒートシールして評価用試験体とした。
(実施例17)
注出ノズル1032に凸エンボス1035に加えて凹エンボス1036も施した以外は、実施例16と同様にして評価用容器を作成し、同様の内容物を充填した。凹エンボス1036は、断面形状が台形で、高さ1mm、長さ30mm、角度δを35°とした。
<比較例9>
注出ノズルにエンボスを施さない以外は、実施例1と同様にして評価用容器を作成し、同様の内容物を充填した。
上記の各評価用試験体である詰め替え容器1200の注出ノズル1032先端を開封予定線1034に沿って手で切り取り、内容物の注出に要する時間を評価した。これらの実験結果を表3および図28に示す。なお表3における注ぎ時間は、内容量の95%の注出に要した時間である。
Figure 0005673529
表3および図28から分かるように注出ノズル1032に凸エンボス1035を設けることによって注出時間は短縮される。さらに注出ノズル1032に凹エンボス1036を設けた場合には、さらに短縮されることが分かる。
なお、注出ノズル1032は、詰替え容器1200だけでなく、詰替え容器1000,1100も有するため、詰替え容器1000,1100についても、詰替え容器1200と同様の効果が得られる。
本発明に係る詰替え容器は、基材とシーラント層を少なくとも有する積層体からなる詰替え容器であって、本体表面積層体と本体裏面積層体を有し、それぞれのシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなるものであるから、プラスチックボトルや、プラスチック製の口栓を使用した容器などと異なり、軟包装用積層体のみから製造することができるため、安価に製造することができる。
また、本詰替え容器は、1枚の積層体を、シーラント層を内側にして天部でゆるく折り曲げて、折り曲げ部と前記本体表面積層体と前記本体裏面積層体を形成する。該折り曲げ部は、折り曲げ部の下部に設けた注出口シール部と共に、注出口に至る内容物の流出路を横長に形成し、内容物を注ぎ出すための注出ノズル(流出路)を形成する。このため、大面積の直線状の流出路を安定して確保することが可能となり、その結果円滑かつ迅速な詰め替え操作が可能となる。また、注出口の形成も容易かつ確実にできる。
また、さらに該注出ノズルの先端は開封予定線に沿って切り離すことにより注出口を形成し、該開封予定線の長さをA(mm)とし、注出口の開口部幅をB(mm)としたときに、A−4(mm)≦B(mm)≦A−0.5(mm)の関係を満たすようにする。これにより、開封予定線の長さに対して、開口部幅が広く確保され、繰返し使用する容器本体のノズルキャップに挿入し易くなる。また、注出時の流量も確保できることから、迅速な詰替え操作が安定してできるようになる。
また、さらに該流出路の先端は開封予定線に沿って切り離すことにより注出口を形成し、該注出口の幅をA(mm)とし、注出口の開口部断面積をB(mm)としたときに、1/10×(A/π)(mm)≦B(mm)≦A/π(mm)の関係を満たすようにする。これにより、開口部断面積が広く確保され、繰返し使用する容器本体のノズルキャップに挿入し易くなる。また注出時の流量も確保できることから、迅速な詰替え操作が安定してできるようになる。
また、詰替え容器は、外側に凸の、帯状または筋状の凸エンボスを、注出ノズルを形成する積層体の特定の位置に設けたことにより、注出口および流出路の断面積を大きく確保することが可能となる。また、注出ノズルが折れ曲がったり、繰り返し使用する容器から外れたりすることがなくなる。
これにより、詰め替え操作が容易かつ迅速で確実にできるようになる。この時、折り曲げ部の稜線と前記凸エンボスの中心線のなす角度が、0°以上60°以下である場合には、この特徴がさらに十分に発揮されるものとなる。
また、前記凸エンボスと前記注出ノズルシール部の間に、外側に凹の、帯状または筋状の凹エンボスを、特定の角度をもって特定の位置に設けた場合においては、注出口および流出路の断面積をさらに大きく確保することが可能となる。同時に、注出ノズルが折れ曲がったり、繰り返し使用する容器から外れたりすることがなくなる。このため、詰め替え操作が容易かつ迅速で確実にできるという、詰替え容器の効果がさらに安定したものとなる。
また、詰め替え容器は、本体表面積層体と本体裏面積層体と底テープを有し、それぞれのシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなる。また、底テープは、基材とシーラント層を少なくとも有する1枚の積層体を、シーラント層を外側にして容器の下部にあって折り曲げられている。底テープは、本体表面積層体と本体裏面積層体の間に挿入して周縁をシールすることで、底テープの一端は本体表面積層体と、他端は本体裏面積層体とそれぞれボトムシール部を形成して容器底面を構成したいわゆるスタンディングパウチとする。このように、詰替え容器は、スタンディングパウチ形状とした場合には、自立性を有する大容量の詰替え容器とすることが可能となり、本詰め替え容器の効果を十分に生かせるものとなる。
前記注出口シール部に抜き加工部を形成することにより、流出路を突出した注出ノズルとして形成した場合には、注出ノズルを繰り返し使用する容器の口栓内部に挿入することが可能となるので、このような操作が可能な容器に対して効果を発揮する。
また、前記注出口シール部に抜き加工部を形成することにより、流出路を突出した注出ノズルとして形成した場合には、繰返し使用する容器本体のノズルキャップに合わせた注出ノズル形状を実現することができるため、詰め替え操作がより円滑に行えるようになる。
前記注出ノズルを形成する注出口シール部の抜き加工部と反対の側に、該抜き加工部に納まる形状の把手を設けた場合には、この把手を持って詰替え操作を行うことができる。このため、より安全にまた容易に詰替え操作を行うことができる。また把手は抜き加工部に納まる形状であるから、連続した積層体から打ち抜いて製造する場合に、積層体の無駄が生じない。
また、注出口となるべき部分の本体表面積層体および本体裏面積層体の外側面にハーフカット線を設けた場合には、手で引き裂いて容易に注出口を開口させることが可能となる。同様に、開封予定線が、本体表面積層体および/または本体裏面積層体の外側面に設けたハーフカット線である場合には、手で引き裂いて容易に注出口を開口させることが可能となる。
前記開封予定線上に、レーザー等によるハーフカット加工が施されている場合には、開封予定線に沿った正確な開封が容易に可能となる。
また、前記折り曲げ部の一部を切り開き、内容物充填用開口部とした場合には、他のシール部分を充填用開口部とすることができないような形状の容器であっても、安定した充填操作が可能となる。
本発明に係る詰替え容器は、ノズルキャップを有する繰り返し使用する容器のノズルを前記注出ノズルに挿入可能とした場合、水平に保持した注出ノズルに前記繰り返し使用する容器のノズルを挿入した後に、注出ノズルが垂直になるように容器を傾ける。これにより、迅速な詰め替えを可能とした詰替え容器となり、本発明の効果が最大限に発揮される。
すなわち、本発明に係る詰替え容器は、1枚の積層体をゆるく折り曲げた折り曲げ部の存在によって、注出口が自然に開くので、目的とする容器のノズルを挿入し易い。またノズルに合わせて注出口の寸法を設計することにより、ノズルにぴったり合った注出口とすることができる。このため、水平に保持した注出ノズルに繰り返し使用する容器のノズルを挿入した後に、注出ノズルが垂直になるように傾けることにより、迅速な詰替え操作が可能となる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 基材とシーラント層を少なくとも有する積層体からなる詰替え容器であって、
1枚の前記積層体を、前記シーラント層を内側にして天部で折り曲げて形成された折り曲げ部と、
前記折り曲げた前記積層体により形成された本体表面積層体と、
前記折り曲げた前記積層体により形成された前記本体裏面積層体と、を有し、
前記本体表面積層体及び前記本体裏面積層体は、それらシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなり、
前記折り曲げ部は、その下部に注出口シール部が設けられ、前記注出口シール部と共に、注出口に至る内容物の流出路を形成することを特徴とする詰替え容器。
[2] 前記積層体で形成され、前記シーラント層を外側にして折り曲げて前記本体表面積層体と本体裏面積層体の間に挿入される底テープをさらに備え、
前記本体表面積層体、前記本体裏面積層体及び前記底テープの周縁をシールすることで、前記底テープの一端が前記本体表面フィルムと、前記底テープの他端が前記本体裏面フィルムとそれぞれボトムシール部を形成して底面を構成することを特徴とする[1]に記載の詰替え容器。
[3] 前記注出口シール部に設けられた抜き加工部をさらに有し、
前記抜き加工部は、突出した注出ノズルとして、前記流出路を形成することを特徴とする[1]または[2]に記載の詰替え容器。
[4] 前記注出ノズルを形成した側と反対の側に設けられ、前記抜き加工部に納まる形状の把手をさらに備えることを特徴とする[3]に記載の詰替え容器。
[5] 前記注出口となるべき部分の本体表面積層体および本体裏面積層体の外側面にハーフカット線を設けたことを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の詰替え容器。
[6] 前記折り曲げ部は、その一部を切り開くことで形成された内容物の充填用開口部を備えることを特徴とする[1]から[5]のいずれかに記載の詰替え容器。
[7] 基材とシーラント層を少なくとも有する積層体からなる詰替え容器であって、
1枚の前記積層体を、前記シーラント層を内側にして折り曲げて形成された折り曲げ部と、
前記折り曲げた前記積層体により形成された本体表面積層体と、
前記折り曲げた前記積層体により形成された本体裏面積層体と、を有し、
前記本体表面積層体及び前記本体裏面積層体は、それらシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなり、
前記折り曲げ部は、その下部に注出口シール部が設けられ、前記注出口シール部と共に、内容物を注ぎ出すための注出ノズルを形成しており、
前記注出ノズルの先端は、その先端に開封予定線を有し、この開封予定線に沿って切り離すことにより注出口を形成し、該開封予定線長をA(mm)とし、前記注出口の開口部幅をB(mm)としたときに、
A−4(mm)≦B(mm)≦A−0.5(mm)
の関係を満たすことを特徴とする詰替え容器。
[8] 前記積層体で形成され、前記シーラント層を外側にして折り曲げて前記本体表面積層体と本体裏面積層体の間に挿入される底テープをさらに備え、
前記本体表面積層体、前記本体裏面積層体及び前記底テープの周縁をシールすることで、前記底テープの一端が前記本体表面フィルムと、前記底テープの他端が前記本体裏面フィルムとそれぞれボトムシール部を形成して底面を構成することを特徴とする[7]に記載の詰替え容器。
[9] 前記注出口シール部に設けられた抜き加工部と、
前記注出ノズルを形成する注出口シール部の前記抜き加工部と反対の側に設けられ、該抜き加工部に納まる形状の把手と、
をさらに備えることを特徴とする[7]または[8]に記載の詰替え容器。
[10] 前記開封予定線は、本体表面積層体および/または本体裏面積層体の外側面に設けたハーフカット線であることを特徴とする[7]から[9]のいずれかに記載の詰替え容器。
[11] 前記折り曲げ部は、その一部を切り開くことで形成された、内容物の充填用開口部を備えることを特徴とする[7]から[10]のいずれかに記載の詰替え容器。
[12] 基材とシーラント層を少なくとも有する積層体からなる詰替え容器であって、
1枚の前記積層体を、前記シーラント層を内側にして折り曲げて形成された折り曲げ部と、
前記折り曲げた前記積層体により形成された本体表面積層体と、
前記折り曲げた前記積層体により形成された本体裏面積層体と、を有し、
前記本体表面積層体及び前記本体裏面積層体は、それらシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなり、
前記折り曲げ部は、その下部に注出口シール部が設けられ、前記注出口シール部と共に、内容物を注ぎ出すための注出ノズルを形成しており、
前記注出ノズルの先端は、その先端に開封予定線を有し、この開封予定線に沿って切り離すことにより注出口を形成し、該注出口の幅をC(mm)とし、注出口の開口部断面積をD(mm )としたときに、
1/10×(C /π)(mm )≦D(mm )≦C /π(mm
の関係を満たすことを特徴とする詰替え容器。
[13] 前記積層体で形成され、前記シーラント層を外側にして折り曲げて前記本体表面積層体と本体裏面積層体の間に挿入される底テープをさらに備え、
前記本体表面積層体、前記本体裏面積層体及び前記底テープの周縁をシールすることで、前記底テープの一端が前記本体表面フィルムと、前記底テープの他端が前記本体裏面フィルムとそれぞれボトムシール部を形成して底面を構成することを特徴とする[12]に記載の詰替え容器。
[14] 前記注出口シール部に設けられた抜き加工部をさらに有し、
前記抜き加工部は、突出した注出ノズルとして、前記流出路を形成することを特徴とする[12]または[13]に記載の詰替え容器。
[15] 前記注出ノズルを形成する注出口シール部の抜き加工部と反対の側に設けられ、前記抜き加工部に納まる形状の把手をさらに備えることを特徴とする[12]から[14]のいずれかに記載の詰替え容器。
[16] 前記開封予定線は、本体表面積層体および/または本体裏面積層体の外側面に設けたハーフカット線であることを特徴とする[12]から[15]のいずれかに記載の詰替え容器。
[17]
前記折り曲げ部は、その一部を切り開くことで形成された内容物の充填用開口部を備えることを特徴とする[12]から[16]のいずれかに記載の詰替え容器。
[18] 基材とシーラント層を少なくとも有する積層体からなる詰替え容器であって、
1枚の前記積層体を、前記シーラント層を内側にして折り曲げて形成された折り曲げ部と、
前記折り曲げた前記積層体により形成された本体表面積層体と、
前記折り曲げた前記積層体により形成された本体裏面積層体と、を有し、
前記本体表面積層体及び前記本体裏面積層体は、それらシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなり、
前記折り曲げ部は、その下部に注出口シール部が設けられ、前記注出口シール部と共に、内容物を注ぎ出すための注出ノズルを形成しており、
前記注出ノズルの先端は、注出ノズル先端シール部によってシールされており、開封予定線に沿って切り離すことにより注出口を形成し、
前記注出ノズルを形成する前記積層体は、外側に凸の、帯状または筋状の凸エンボスが設けられており、
前記凸エンボスは、前記開封予定線の長さをEとしたとき、前記開封予定線上の前記注出ノズルシール部からEの3分の2の範囲にその中心が存在し、前記開封予定線から前記抜き加工部シール部の延長線上までは少なくとも連続して存在している
ことを特徴とする詰替え容器。
[19] 前記積層体で形成され、前記シーラント層を外側にして折り曲げて前記本体表面積層体と本体裏面積層体の間に挿入される底テープをさらに備え、
前記本体表面積層体、前記本体裏面積層体及び前記底テープの周縁をシールすることで、その形状をスタンディングパウチ形状とすることを特徴とする[18]に記載の詰替え容器。
[20] 前記折り曲げ部の稜線と前記凸エンボスの中心線のなす角度は、0°以上60°以下であることを特徴とする[18]又は[19]に記載の詰替え容器。
[21] 前記積層体の、前記凸エンボスと前記注出ノズルシール部の間に設けられ、外側に凹の、帯状または筋状の凹エンボスをさらに備え、
前記凹エンボスは、前記開封予定線上の前記注出ノズルシール部から3mm以内の範囲にその中心が存在し、前記開封予定線から前記抜き加工部シール部の延長線上までは少なくとも連続して存在しており、その角度は前記注出ノズルシール部に平行な角度から、前記折り曲げ部の稜線に垂直な角度までの範囲内である
ことを特徴とする[18]から[20]のいずれかに記載の詰替え容器。
[22]
前記開封予定線上に、ハーフカット線が施されていることを特徴とする[18]から[21]のいずれかに記載の詰替え容器。
[23] 前記注出ノズルを形成する前記注出口シール部の抜き加工部と反対の側に設けられ、該抜き加工部に納まる形状の把手をさらに備えることを特徴とする[18]から[22]のいずれかに記載の詰替え容器。
[24] 前記折り曲げ部は、その一部を切り開くことで形成された、内容物の充填用開口部を備えることを特徴とする[18]から[23]のいずれかに記載の詰替え容器。
1、100、200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200…詰替え容器、2…本体表面積層体、3…本体裏面積層体、4、104…底テープ、10…積層体、11…基材、12…シーラント層、21、121、1121…トップシール部、22、832…サイドシール部、23、123…ボトムシール部、24、124、224、424…注出口シール部、25、225、525、1225…抜き加工部、26、226、1226…把手、31、431、731、1031…注出口、32、232、332、432、1032,1032A…注出ノズル、33、1033…流出路、34、334、434、734、1034…開封予定線、41、141、1141、1241…充填用開口部、51…繰り返し使用する容器、52…ノズル、53…ノズルキャップ、104…底テープ、1024a…注出ノズルシール部、1024b…注出ノズル先端シール部、1025a…抜き加工部シール部、1025b…延長線、1035、1035A…凸エンボス、1036、1036A…凹エンボス。

Claims (5)

  1. 基材とシーラント層を少なくとも有する積層体からなる詰替え容器であって、
    1枚の前記積層体を、前記シーラント層を内側にして折り曲げて形成された折り曲げ部と、
    前記折り曲げた前記積層体により形成された本体表面積層体と、
    前記折り曲げた前記積層体により形成された本体裏面積層体と、を有し、
    前記本体表面積層体及び前記本体裏面積層体は、それらシーラント層同士を対向させ、周囲をシールしてなり、
    前記折り曲げ部は、その下部に注出口シール部が設けられ、前記注出口シール部と共に、内容物を注ぎ出すための注出ノズルを形成しており、
    前記注出ノズルの先端は、その先端に開封予定線を有し、この開封予定線に沿って切り離すことにより注出口を形成し、該開封予定線長をA(mm)とし、前記注出口の開口部幅をB(mm)としたときに、
    A−4(mm)≦B(mm)≦A−0.5(mm)
    の関係を満たすことを特徴とする詰替え容器。
  2. 前記積層体で形成され、前記シーラント層を外側にして折り曲げて前記本体表面積層体と本体裏面積層体の間に挿入される底テープをさらに備え、
    前記本体表面積層体、前記本体裏面積層体及び前記底テープの周縁をシールすることで、前記底テープの一端が前記本体表面フィルムと、前記底テープの他端が前記本体裏面フィルムとそれぞれボトムシール部を形成して底面を構成することを特徴とする請求項1に記載の詰替え容器。
  3. 前記注出口シール部に設けられた抜き加工部と、
    前記注出ノズルを形成する注出口シール部の前記抜き加工部と反対の側に設けられ、該抜き加工部に納まる形状の把手と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の詰替え容器。
  4. 前記開封予定線は、本体表面積層体および/または本体裏面積層体の外側面に設けたハーフカット線であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の詰替え容器。
  5. 前記折り曲げ部は、その一部を切り開くことで形成された、内容物の充填用開口部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の詰替え容器。
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