JP5671225B2 - 導電性微粒子、異方性導電材料、及び、導電接続構造体 - Google Patents
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これを解決するためにハンダを球状にした、いわゆる「ハンダボール」でICやLSIを基板に接続するBGA(ボールグリッドアレイ)が開発された。BGAを用いれば、チップ又は基板に実装されたハンダボールを高温で溶融させ、基板とチップとを接続することができる。したがって、電子回路基板の生産効率が改善され、チップの実装密度が向上した電子回路基板を製造することができる。
例えば、ハンダボールを用いて、半導体が基板に接続されると、半導体と基板との線膨張係数が違うため、ハンダボールに応力が加わる。その結果、ハンダボールに亀裂が入り、断線することがあった。
しかしながら、フラックスを用いる場合は、電極との接続を行う前に塗布工程を行ったり、接続後に洗浄工程を行ったりする必要であり、工程が煩雑になるという課題があった。
また、フラックスの洗浄が不充分であると、その残渣によってマイグレーションを引き起こし、導通不良に至るといった問題があった。
以下に本発明を詳述する。
K値(N/mm2)=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:樹脂微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:樹脂微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:樹脂微粒子の半径(mm)
なお、上記樹脂微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の樹脂微粒子を観察して得られた直径の平均値を意味する。
上記重合法による方法は特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合等の重合法による方法が挙げられる。
更に、上記カルボン酸又はカルボン酸塩が付着していることで、そのコーティング効果によって、大気中の酸素によってハンダ層が酸化することを防止することができる。
上記リン酸塩又はリン酸エステルが付着していることで、導電性微粒子の実装時の濡れ性を向上させることができるとともに、酸化防止効果を更に高めて、導電性微粒子の経時変化を効果的に防止することができる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メサコン酸、セパミン酸、アジビン酸、マレイン酸、グルタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
上記トリカルボン酸としては、例えば、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、クエン酸等が挙げられる。
上記チオカルボン酸としては、例えば、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、5−カルボキシ−1−ペンタンチオール、7−カルボキシ−1−ヘプタンチオール、11−メルカプトウンデカン酸、16−メルカプトウンヘキサンデカン酸等が挙げられる。
上記アミノカルボン酸としては、例えば、6−アミノヘキサン酸、12−アミノラウリン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
具体的には例えば、第3リン酸ソーダ(リン酸ナトリウム)、第2リン酸ナトリウム、第1リン酸ナトリウム、第1リン酸カリウム等が挙げられる。
方法1は、無電解銅メッキ法により、樹脂微粒子の表面に適切な厚みを有する銅層を形成することにより銅を含有する金属層とする方法である。
また、方法2は、樹脂微粒子の表面に無電解メッキ法により下地メッキ層としてニッケル層(以下、下地ニッケルメッキ層ともいう)を形成し、この下地ニッケルメッキ層の表面に銅を含有する金属層を形成する方法である。
上記銅を含有する金属層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、電解メッキ法、無電解メッキ法等による方法が挙げられる。
上記ハンダ層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、電解メッキ法による方法が挙げられる。
上記ハンダ層の表面にカルボン酸又はカルボン酸塩を付着させる方法としては、例えば、ハンダ層を形成した粒子をカルボン酸又はカルボン酸塩の溶液に浸漬させる方法、ハンダ層を形成した粒子を自由落下させ、カルボン酸又はカルボン酸塩の溶液を吹き付ける方法等が挙げられる。
上記カルボン酸又はカルボン酸塩を付着させることで、窒素雰囲気における実装時の濡れ性は充分に向上するが、リフロー時における雰囲気中の酸素濃度が500ppm等のように高い場合には濡れ性がやや低下することがあった。これに対して、カルボン酸又はカルボン酸塩を付着させる前に、リン酸塩又はリン酸エステルを付着させることで、リフロー時における雰囲気中の酸素濃度が高い場合であっても、極めて優れた濡れ性を実現することが可能となる。
上記ビニル樹脂は特に限定されないが、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂は特に限定されないが、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性ブロック共重合体は特に限定されないが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂のいずれの硬化型樹脂であってもよい。
また、上記バインダー樹脂と、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
(1)樹脂微粒子の作製
ジビニルベンゼン50重量部と、テトラメチロールメタンテトラアクリレート50重量部とを共重合させ、樹脂微粒子(平均粒子径240μm、CV値0.42%)を作製した。
得られた樹脂微粒子を無電解ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ25μmの錫、及び、銀を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性基材粒子を得た。
その後、さらに溶液と、得られた導電性微粒子とを分別し、導電性微粒子を30℃に保持した乾燥機で3時間乾燥させることにより、ハンダ層の表面にパルミチン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlにステアリン酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は参考例1と同様に、ハンダ層の表面にステアリン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlに酒石酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は参考例1と同様に、ハンダ層の表面に酒石酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlにクエン酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は参考例1と同様に、ハンダ層の表面にクエン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlにステアリン酸錫0.1gを添加した溶液を用いたこと以外は参考例1と同様に、ハンダ層の表面にステアリン酸錫が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlにオクタデカン二酸0.1gを添加した溶液を用いたこと以外は参考例1と同様に、ハンダ層の表面にオクタデカン二酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlに11−メルカプトウンデカン酸0.1gを添加した溶液を用いたこと以外は参考例1と同様に、ハンダ層の表面に11−メルカプトウンデカン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlに12−アミノラウリン酸0.1gを添加した溶液を用いたこと以外は参考例1と同様に、ハンダ層の表面に12−アミノラウリン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlに16−メルカプトンヘキサンデカン酸0.1gを添加した溶液を用いたこと以外は参考例1と同様に、ハンダ層の表面に16−メルカプトンヘキサンデカン酸が付着した導電性微粒子を得た。
参考例1と同様な方法で作製した導電性基材粒子50gを、10重量%希硫酸100ml中で洗浄した後、濃度が1重量%の第3リン酸ソーダの水溶液(温度40℃)に15分間超音波をかけながら浸漬した。
その後、粒子をろ過し、純水で洗浄した後、エタノール100mlにパルミチン酸0.5gを添加した溶液(温度50℃)に15分間浸漬した。
溶液と導電性微粒子を分別した後に、30℃の真空乾燥機にて3時間乾燥させることにより、ハンダ層の表面に第3リン酸ソーダとパルミチン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlにステアリン酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は実施例10と同様に、ハンダ層の表面に第3リン酸ソーダとステアリン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlに酒石酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は実施例10と同様に、ハンダ層の表面に第3リン酸ソーダと酒石酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlにクエン酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は実施例10と同様に、ハンダ層の表面に第3リン酸ソーダとクエン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlにステアリン酸錫0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は実施例10と同様に、ハンダ層の表面に第3リン酸ソーダとステアリン酸錫が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlにオクタデカン二酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は実施例10と同様に、ハンダ層の表面に第3リン酸ソーダとオクタデカン二酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlに11−メルカプトウンデカン酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は実施例10と同様に、ハンダ層の表面に第3リン酸ソーダと11−メルカプトウンデカン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlに12−アミノラウリン酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は実施例10と同様に、ハンダ層の表面に第3リン酸ソーダと12−アミノラウリン酸が付着した導電性微粒子を得た。
エタノール100mlに16−メルカプトンヘキサンデカン酸0.5gを添加した溶液を用いたこと以外は実施例10と同様に、ハンダ層の表面に第3リン酸ソーダと16−メルカプトンヘキサンデカン酸が付着した導電性微粒子を得た。
第3リン酸ソーダの代わりに、リン酸モノドデシル二ナトリウムを用いた以外は実施例15と同様な方法で、ハンダ層の表面にリン酸モノドデシルナトリウムとオクタデカン二酸が付着した導電性微粒子を得た。
基材粒子として、錫、銀、及び、銅で構成されるハンダボール(千住金属工業社製「M705」、平均粒子径300μm、錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%)を用いた以外には実施例15と同様に、第3リン酸ソーダとオクタデカン二酸が付着した導電性微粒子を得た。
ハンダ層表面へのパルミチン酸付着工程を行わなかったこと以外は、参考例1と同様にして導電性微粒子を作製した。
エタノール100mlにパルミチン酸0.5gを添加した溶液(温度50℃)に浸漬する工程を行わなかったこと以外は、実施例10と同様にして導電性微粒子を作製した。
錫、銀、及び、銅で構成されるハンダボール(千住金属工業社製「M705」平均粒子径300μm(錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%))を導電性微粒子として用いた。
実施例、参考例及び比較例で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例、参考例で得られた導電性微粒子各50個について、実体顕微鏡(×100倍)を用いて外観観察を行った。評価は、比較例1を基準として、変化がないものを○、変化があるものを×とした。なお、それぞれの実施例について各50個の導電性微粒子を評価した。
実施例、参考例及び比較例で得られた導電性微粒子を、フラックスを使用せずに基板の電極ランド(ランドサイズ:280μm、ピン数:112)に搭載し、ピーク温度250℃、酸素濃度100ppm以下、300ppm、500ppmの窒素雰囲気にてリフローを行い、電極表面にハンダが溶融し、完全に電極表面を覆っている導電性微粒子の数を、実体顕微鏡(×100倍)で観察、確認し、下記基準で評価した。
◎:112個中112個が完全に電極表面を覆っている。
○:112個中92〜111個が完全に電極表面を覆っている。
△:112個中72〜91個が完全に電極表面を覆っている。
×:完全に電極表面を覆っている個数が71個以下。
なお、それぞれの実施例について各50個の導電性微粒子を評価した。
実施例、参考例で得られた導電性微粒子について、導電性微粒子同士のくっつきがないかを確認した。くっつきがない場合を○、くっつきがある場合×とした。なお、それぞれの実施例について各1万個の導電性微粒子を評価した。
(2)の濡れ性評価で得られた基板に搭載、酸素濃度が100ppm以下の窒素雰囲気でリフローした導電性微粒子について、ボールシェア強度テスター(Dage社製、ボンドテスター4000)を使用してシェア強度を測定し、各50個について得られた測定値の算術平均値を算出した。
Claims (5)
- 樹脂微粒子の最外層に錫又はその合金からなるハンダ層が形成された導電性基材粒子の表面にカルボン酸又はカルボン酸塩が付着しており、更に、リン酸塩又はリン酸エステルが付着していることを特徴とする導電性微粒子。
- 樹脂微粒子の最外層に錫又はその合金からなるハンダ層が形成された導電性基材粒子を、リン酸塩又はリン酸エステルの水溶液に含浸させた後、カルボン酸又はカルボン酸塩の水溶液に含浸させることにより得られることを特徴とする請求項2記載の導電性微粒子。
- 請求項1、2又は3記載の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
- 請求項1、2若しくは3記載の導電性微粒子、又は、請求項4記載の異方性導電材料を用いてなることを特徴とする導電接続構造体。
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