JP5669515B2 - ガラス光学素子の製造方法、及び、ガラス光学素子の製造装置 - Google Patents

ガラス光学素子の製造方法、及び、ガラス光学素子の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、加熱軟化されたガラス素材を成形型でプレスしてガラス光学素子を成形するガラス光学素子の製造方法及び製造装置に関する。
従来、ガラスプレス成形において、離型は、ガラス素材の温度が通常ガラス転移点以下になったところで、成形型とガラス素材との線膨張率差によって生じる変位差を利用して成形型とガラスとの密着状態を解除して行う。
また、ガラス素材が所定の粘度に相当する温度以上となった状態で型開きを行うことで、ガラス素材に大きな応力が働く以前に成形型からのガラス素材の拘束を解除する手法がとられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−263627号公報
しかしながら、所定の粘度に相当する温度に基づき型開きを行っても、成形型及び目的のガラス光学素子の形状、成形型表面の耐熱膜とガラス素材との相性、ガラス素材からの揮発成分の堆積、並びに、粗さなどの表面状態の変化・ばらつき、などによって、離型性、剥がれやすさは異なる。
そのため、粘度に相当する温度に基づき型開きを行ったとしても、ガラス素材の温度がガラス転移点以下で成形型とガラス素材との間の変位差が十分にあり且つガラス素材が一部離型しているにもかかわらず、離型が進まないことがあり、ガラス素材内部に局部的な引っ張り応力が発生し、ひいてはガラス光学素子にクラック(マイクロクラックを含む)等の欠陥が発生するという問題がある。
本発明の目的は、ガラス光学素子の欠陥発生を防ぐことができるガラス光学素子の製造方法及びガラス光学素子の製造装置を提供することである。
本発明のガラス光学素子の製造方法は、ガラス素材を加熱軟化させる工程と、その後、上記ガラス素材を成形型でプレスする工程と、その後、上記成形型からの上記ガラス素材の離型が開始したか検知する離型開始検知工程と、を含む。
また、上記ガラス光学素子の製造方法において、上記離型開始検知工程で、上記ガラス素材に対し照射された光の光量変化によって上記離型が開始したか検知するようにするとよい。
また、上記ガラス光学素子の製造方法において、上記成形型の少なくとも一部を上記ガラス素材から後退させる型開き工程と、上記離型開始検知工程で上記離型が開始したのを検知した後、上記型開き工程前に、上記ガラス素材を上記成形型から強制的に離型させる強制離型工程と、を更に含むようにするとよい。
また、上記ガラス光学素子の製造方法において、上記強制離型工程で、上記成形型及び上記ガラス素材の少なくとも一方を冷却する冷却媒体を用いて、上記ガラス素材を上記成形型から強制的に離型させるようにするとよい。
また、上記ガラス光学素子の製造方法において、上記成形型又は上記ガラス素材の温度を測定する温度測定工程と、上記離型開始検知工程後、上記ガラス素材の歪点に基づく基準温度と上記温度測定工程で測定された測定温度とを比較する温度比較工程と、を更に含むようにするとよい。
また、上記ガラス光学素子の製造方法において、上記温度比較工程後、上記測定温度が上記基準温度を下回った場合に上記光学素子の製造サイクルを停止させる製造サイクル停止工程を更に含むようにするとよい。
また、上記ガラス光学素子の製造方法において、上記温度比較工程後、上記測定温度が上記基準温度を下回った場合に上記光学素子の製造条件を変更する製造条件変更工程を更に含むようにするとよい。
また、上記ガラス光学素子の製造方法において、上記離型開始検知工程で、上記成形型の加速度によって上記離型が開始したか検知するようにするとよい。
本発明のガラス光学素子の製造装置は、ガラス素材を加熱軟化させる加熱部と、成形型を介して上記ガラス素材をプレスするプレス部と、上記成形型からの上記ガラス素材の離型が開始したか検知する離型開始検知部と、を備える。
また、上記ガラス光学素子の製造装置において、上記成形型又は上記ガラス素材の温度を測定する温度測定部と、上記ガラス素材の歪点に基づく基準温度と上記温度測定部で測定された測定温度とを比較する温度比較部と、を更に備えるようにするとよい。
本発明によれば、ガラス光学素子の欠陥発生を防ぐことができる。
本発明の一実施の形態に係るガラス光学素子の製造装置を示す要部断面図(その1)である。 本発明の一実施の形態に係るガラス光学素子の製造装置を示す要部断面図(その2)である。 本発明の一実施の形態に係るガラス光学素子の製造装置を示す要部断面図(その3)である。 本発明の一実施の形態に係るガラス光学素子の製造装置を示す要部断面図(その4)である。 本発明の一実施の形態に係るガラス光学素子の製造装置を示す要部断面図(その5)である。 本発明の一実施の形態に係るガラス光学素子の製造装置を示す要部断面図(その6)である。 本発明の一実施の形態におけるレーザー光の光量変化を説明するための断面図である。 ガラス素材が離型していない状態を示す、図7のA部拡大図である。 ガラス素材が一部離型している状態を示す、図7のA部拡大図である。 本発明の他の実施の形態に係るガラス光学素子の製造装置を示す要部断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の他の実施の形態の変形例に係る光学素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係るガラス光学素子の製造方法及びガラス光学素子の製造装置について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図6は、本発明の一実施の形態に係るガラス光学素子の製造装置を示す要部断面図である。
図7は、本実施の形態におけるレーザー光の光量変化を説明するための断面図である。
図8Aは、ガラス素材が離型していない状態を示す、図7のA部拡大図である。
図8Bは、ガラス素材が一部離型している状態を示す、図7のA部拡大図である。
ガラス光学素子の製造装置(以下、単に「製造装置」と記す。)10は、上型11(第1の成形型)と、下型12(第2の成形型)と、上型支持プレート13と、下型支持プレート14と、上型固定具15と、下型固定具16と、スリーブ17と、上型側冷却水路18と、下型側冷却水路19と、上型側ランプヒータ20(第1の加熱部)と、下型側ランプヒータ21(第2の加熱部)と、プレス部30と、光源としてのレーザー光源22と、離型開始検知部としての光検出器23とを備え、ガラス素材24から例えばガラスレンズであるガラス光学素子26を成形する。
上型11と下型12とは、互いに対向して配置されている。上型11及び下型12には、凹成形面11a,12aが形成されている。上型11と下型12との間のキャビティ25に収容されるガラス素材24は、凹成形面11a,12aによって、両凸形状が転写される。
上型11は、上型固定具15によって例えば図示しない断熱部材を有する上型支持プレート13に固定されている。同様に、下型12は、下型固定具16によって例えば図示しない断熱部材を有する下型支持プレート14に固定されている。
上型11は、上型支持プレート13に連結されたプレス部30によって上下動可能になっている。一方、下型12は、下型支持プレート14と共に移動不能に配置されている。
スリーブ17は、円筒形状を呈し、上型11及び下型12の外周に配置されている。上型11は、スリーブ17に対して挿抜自在に、且つ、スリーブ17の内周面を摺動自在に上下動する。
スリーブ17には、キャビティ25に連通する複数の貫通孔17aが径方向に形成されている。
上型側冷却水路18は、冷却媒体としての冷却水を供給する図示しない冷却水供給源から、上型支持プレート13を貫通して上型11内部を通り、上型支持プレート13を再度貫通して上記冷却水供給源に戻るように配置されている。図1〜図6に示すように、上型側冷却水路18は、本実施の形態ではU字状に配置されている。
下型側冷却水路19は、図示しない冷却水供給源から、下型支持プレート14を貫通して下型12内部を通り、下型支持プレート14を再度貫通して上記冷却水供給源に戻るように配置されている。図1〜図6に示すように、下型側冷却水路19は、本実施の形態では逆U字状に配置されている。
なお、冷却水は常温のものでもよい。また、冷却媒体としては、冷却水等の液体に限らず気体を用いてもよい。更には、上型11及び下型12を冷却するのではなく、スリーブ17の貫通孔17aなどから図示しないブロー装置によりガラス素材24に直接気体を吹き付けることなどによってガラス素材24(光学素子26)を冷却するようにしてもよい。
上型側ランプヒータ20は、リング状を呈し、上型11の周囲を取り囲むように配置されている。同様に、下型側ランプヒータ21は、リング状を呈し、下型12の周囲を取り囲むように配置されている。
プレス部30は、上型11を介してガラス素材24をプレスすることができる。プレス部30は、例えば、シリンダ32と、筐体上部36を貫通するシリンダロッド34と、を有する。なお、便宜上、プレス部30及び筐体上部36については、図1にのみ示してある。
図3及び図4に示すレーザー光源22は、レーザー光をスリーブ17の貫通孔17aを通してガラス素材24(光学素子26)に対し照射する。
光検出器23は、ガラス素材24(光学素子26)に対し照射されたレーザー光を検出する。そのため、スリーブ17の複数の貫通孔17aは、少なくとも、照射されたレーザー光をガラス素材24に入射させる貫通孔17a及び光検出器23に対向する貫通孔17aについては、レーザー光を照射又は検出するのに十分な大きさに形成するとよい。詳しくは後述するが、光検出器23によって検出されたレーザー光の光量変化によって、ガラス素材24(光学素子26)の上型11又は下型12からの離型が開始したかが検知される。
以下、製造装置10を用いた光学素子の製造方法について説明する。なお、製造装置10の後述する動作は、図示しない制御部によって制御されているものとする。
まず、図示しない搬送ロボットが、図1に示すように下型12上にガラス素材24を載置する。このとき、上型11は、プレス部30によって、スリーブ17の上方に退避した状態にある。また、ガラス素材24は、目的のガラス光学素子の形状に近似した形状に形成されている。
次に、上型支持プレート13に連結されたプレス部30が、上型11を、その凹成形面11aがガラス素材24に当接するまで下降させる。この状態で、ガラス素材24は、上型側ランプヒータ20及び下型側ランプヒータ21によって、加熱されて軟化する。
プレス部30が上型11を更に下降させることで、加熱軟化されたガラス素材24は、図2に示すように、上型11及び下型12によってプレスされる。
その後、上型側ランプヒータ20及び下型側ランプヒータ21の温度を降下させることによって、ガラス素材24(成形された光学素子26)は冷却される。
ここで、ガラス素材24(光学素子26)の離型は屈服点〜転移点以下の温度で起こるため、上型11及び下型12並びにガラス素材24(光学素子26)のうち少なくとも1つの温度を図示しない測温体が測定し、測定された温度がガラス素材24(光学素子26)の屈服点以下になった後、図3及び図7に示すように、レーザー光源22は、スリーブ17の貫通孔17aを通してレーザー光をガラス素材24(光学素子26)に対し照射する。
光検出器23は、ガラス素材24(光学素子26)に対し照射されたレーザー光の光量を検出し、レーザー光の光量変化によってガラス素材24(光学素子26)の上型11又は下型12からの離型が開始したかを検知する(離型開始検知工程)。離型は、通常、まず光学素子26の一部が上型11又は下型12から剥がれ始めるため、離型開始検知工程では、この剥がれ始めを検知することができる。
具体的には、図8Aに示すようにガラス素材24(光学素子26)が下型12から離型していない状態では、ガラス素材24(光学素子26)の側面で散乱したレーザー光(図7のレーザー光a)は、ガラス素材24(光学素子26)と下型12の凹成形面12a(又は上型11の凹成形面11a)との間では1回反射するだけである。
一方、図8Bに示すようにガラス素材24(光学素子26)が一部離型している状態では、ガラス素材24(光学素子26)と下型12の凹成形面12a(又は上型11の凹成形面11a)との間に空気層が生じるので、反射面が1つ増え、ガラス素材24(光学素子26)の側面で散乱したレーザー光(図7のレーザー光a)は、空気層において多重反射すると考えられる。そのため、図8Bに示すようにガラス素材24(光学素子26)が一部離型している状態では、図8Aに示すようにガラス素材24(光学素子26)が離型していない状態と比べて、光検出器23が検出するレーザー光の光量に変化(本実施の形態では増加)が生じる。
なお、図6に示すように、ガラス素材24として、研磨された研磨ボールを用いる場合、プレス・冷却後のガラス素材24(光学素子26)の側面は砂刷り状にならない。そのため、レーザー光源22からガラス素材24(光学素子26)に対しレーザー光を照射しても、レーザー光は、ガラス素材24(光学素子26)の側面で散乱せず直進してしまう(図7のレーザー光b)。したがって、離型による光量変化が起きにくい。
そこで、ガラス素材24(光学素子26)の側面でレーザー光が散乱しにくい場合には、光源として、レーザー光源ではなく、散乱光を照射するLED光源等の光源を用いるとよい。
また、ガラス素材24(光学素子26)の形状制約により光量変化が捉え難い場合には、光検出器23の数を2つ以上としたりレーザー光源22等の光源の数を2つ以上としたりしてもよい。
更には、コバ(周縁)が薄い等のガラス素材24(光学素子26)の形状制約により光量変化が捉えられない場合などには、離型時に、音(例えば、成形型とガラス素材24(光学素子26)との間に空気が流入することで発せられる音など)を検出することで、離型が開始したかを検知するようにしてもよい。離型時に発せられる音は、例えば、測定された温度がガラス素材24(光学素子26)の屈服点以下になった後に一定デシベル以上の音が発せられたか否かで検知するようにすればよい。
また、例えば、成形型とガラス素材24(光学素子26)との間に空気が流入することで発せられる離型時の衝撃を、振動等を基に検出することで、離型が開始したかを検知するようにしてもよい。
図示しない制御部は、上記光量変化等によって離型の開始を確認すると、図示しない冷却水供給源から冷却水を上型側冷却水路18及び下型側冷却水路19に供給させる。これにより、図4に示すように、上型11及び下型12が強制的に冷却され、上型11及び下型12とガラス素材24(光学素子26)との間に線膨張率差により生じる変位量差が発生し、後述する型開き工程前に、強制的に離型が行われる。これにより、光学素子26の全てが上型11又は下型12から剥がれ、光学素子26は、上型11又は下型12に対しフリーな状態となることができる。
ガラス素材24(光学素子26)の強制離型を行った後、プレス部30が上型11を上昇させることにより、図5に示すように上型11(成形型の一部)をガラス素材24(光学素子26)から上方に後退させる(型開き工程)。なお、型開き工程では、上型11及び下型12のうちの少なくとも一方を後退させることができる。そして、図示しない搬送ロボットがガラス素材24(光学素子26)を取り出すことで、最終的にガラス光学素子26を得る。
以上説明した本実施の形態では、成形型(上型11及び下型12)からのガラス素材24(光学素子26)の離型が開始したか検知するようにしている(離型開始検知工程)。そのため、ガラス素材24(光学素子26)が一部離型しているにもかかわらず離型が進まないという事態を防ぐことが可能となる。これにより、ガラス素材24(光学素子26)内部に局部的な引っ張り応力が発生するのを抑え、ひいてはガラス光学素子にクラック等の欠陥が発生するのを防ぐことができる。よって、本実施の形態によれば、ガラス光学素子の欠陥発生を防ぐことができる。
また、本実施の形態では、ガラス素材24(光学素子26)に対し照射された光(レーザー光)の光量変化によって離型が開始したか検知するようにしている。そのため、ガラス素材24(光学素子26)の離型が開始したかを有効に検知することができる。
また、本実施の形態では、離型が開始したのが検知された後、成形型の少なくとも一部(上型11)をガラス素材24(光学素子26)から退避させる型開きを行う前に、ガラス素材24(光学素子26)を成形型(上型11及び下型12)から強制的に離型させるようにしている。そのため、ガラス素材24(光学素子26)が一部離型した後、速やかにガラス素材24(光学素子26)の面全体の離型を行うことができ、ガラス光学素子の欠陥発生を有効に防ぐことができる。
また、本実施の形態では、成形型及びガラス素材の少なくとも一方(本実施の形態では、上型11及び下型12)を冷却する冷却媒体(冷却水)を用いて、ガラス素材24(光学素子26)を成形型(上型11及び下型12)から強制的に離型させるようにしている。そのため、成形型(上型11及び下型12)とガラス素材24(光学素子26)との間に変位量差を発生させ、強制離型を有効に行うことができる。
なお、仮に、ガラス素材24(光学素子26)の離型が開始したか検知することなく強制離型を行う場合には、確実に離型開始しても問題の発生しない温度になるまで強制離型を行うのを待つとサイクルタイムが長期化し、逆に早めにガラス素材を成形型から強制離型させると成形面が崩れてガラス光学素子の面精度が悪化する。更には、温度を開始条件として強制離型を行うと、成形型及び目的のガラス光学素子の形状などによって、離型性、剥がれやすさが異なるため、従来と同様にガラス光学素子に欠陥が発生してしまう。
なお、以上説明した本実施の形態では、加熱・プレス・冷却の各工程を同一位置で行う製造装置10について説明したが、上型11、下型12及びスリーブ17からなる型セットを、加熱、プレス又は冷却を行うステージに順次移送しながら各工程を行う製造装置を用いてもよい。
その場合、本実施の形態と同様の上型側冷却水路18及び下型側冷却水路19は、上型11及び下型12が移動するため用いることができない。そこで、例えば、上型11の上面及び下型12の底面に当接するプレート等の温度を降下させたり、型セットに気体を吹き付けたりすることで強制冷却を行うようにするとよい。
図9は、本発明の他の実施の形態に係るガラス光学素子の製造装置40を示す要部断面図である。
製造装置40は、上述の一実施の形態で説明した製造装置10に、温度測定部41,42と、温度比較部としての制御部43と、を加えたものである。そのため、制御装置40の詳細な説明は省略する。なお、上述の一実施の形態の製造装置10も、その動作を制御する図示しない制御部を備えるが、本実施の形態では、制御部43が温度比較部として機能するため、制御部43を図9に図示する。
温度測定部41,42は、スリーブ17を貫通して、上型11又は下型12に挿入され、上型11及び下型12の温度を測定する例えば熱電対である。
なお、温度測定部としては、ガラス素材24(光学素子26)の温度を測定するものでもよい。また、温度測定部41,42は、成形型又はガラス素材の温度を測定すればよいため、上型11、下型12及びガラス素材24(光学素子26)のうちの少なくとも1つの温度を測定するものであればよい。また、温度測定部としては、接触して温度を測定するものではなく、例えば赤外線により非接触で温度を測定するものでもよい。また、温度測定部としては、上型11、下型12及びガラス素材24のうちの少なくとも1つである測定対象の周囲で測定対象の温度として周囲の温度を測定するものでもよい。
制御部43は、上述のように例えば光量変化により離型が開始したのを検知した後、ガラス素材24(光学素子26)の歪点に基づく基準温度と、温度測定部41,42により測定された測定温度とを比較する。
基準温度とは、ガラス素材24(光学素子26)が歪点であるときの測定点の温度であり、例えば経験的に定めればよい。例えば、上型11及び下型12の温度がガラス素材24(光学素子26)の温度よりも高い場合、上型11及び下型12の温度を測定するときには、歪点よりも高い基準温度を設定するとよい。なお、歪点をそのまま基準温度としてもよい。
歪点とは、ガラスの粘性流動が事実上起り得ない温度で、粘度が1014.5dPa・sの温度をいう。
詳しくは後述するが、制御部43は、測定温度が基準温度を下回った場合には、光学素子の製造サイクル(例えば、ガラス素材24を加熱軟化させる工程、ガラス素材24をプレスする工程などの一連の動作)を停止させる。
以下、製造装置40を用いた光学素子の製造方法について説明する。製造装置40の動作は、温度測定部41,42及び制御部43に関する部分を除いて、上述の一実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図10は、本発明の他の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
なお、離型検知開始工程前に、ガラス素材24(光学素子26)の温度が屈服点以下になったことを測定する上述の一実施の形態の図示しない測温体は、例えば、温度測定部41,42である。
上述のように、レーザー光、散乱光等の光量変化、音、振動等によってガラス素材24(光学素子26)の上型11又は下型12からの離型が開始したかを検知すると(離型開始検知工程)、図10に示すように、温度測定部41,42は、上型11及び下型12の温度を測定する(S11:温度測定工程)。なお、離型開始検知工程は、成形型としての上型(第1の成形型)11の加速度によって離型が開始したか検知するようにしてもよい。
温度測定工程(S11)は、離型開始検知工程の後に行うことが正確な温度測定の観点からは望ましいが、例えば一定周期毎に温度を測定する場合など、離型開始検知工程の直前又は離型開始検知工程と同時に行われてもよい。
次に、制御部43は、基準温度と測定温度とを比較する(S12:温度比較工程)。測定温度が上述の基準温度よりも大きい場合には、図10に示す処理が終了し、光学素子の製造は続行される。
一方、測定温度が基準温度を下回った場合には、制御部43は、光学素子の製造サイクルを停止させる(S13:製造サイクル停止工程)。
ここで、ガラスプレスレンズである光学素子26の生産においてワレなどの外観不良が発生する場合というのは、ガラス素材24(光学素子26)の冷却が進み、ガラス素材24(光学素子26)の温度が歪点を下回っても何らかの理由により上型11又は下型12からの離型が終了していないからだと考えられる。
つまり粘弾性特性が存在している温度では、ガラス素材24(光学素子26)は、離型せず上型11及び下型12に拘束されても応力が蓄積しにくい。しかし、粘弾性特性が消失する歪点以下になってもガラス素材24(光学素子26)を離型できない状態が続くと、応力は蓄積され、使用しているガラス素材24の破壊強度を超えたところでワレが発生する。
そのため、本実施の形態では、上述のように、測定温度が基準温度を下回った場合に、制御部43が光学素子の製造サイクルを停止させる。
図11は、本実施の形態の変形例に係る光学素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
本変形例の温度測定工程(S21)は、図10の温度測定工程と同様である。
また、制御部43が温度比較工程(S22)で測定温度が基準温度よりも大きいと判断した場合に図11に示す処理が終了して光学素子の製造が続行となるのも図10の処理と同様である。
一方、測定温度が基準温度を下回った場合には、制御部43は、光学素子の製造サイクルを停止させるのではなく、製造条件を変更する(S23:製造条件変更工程)。
製造条件の変更は、例えば、ガラス素材24(光学素子26)の厚さ変更(上型11の位置変更)、上型側ランプヒータ20及び下型側ランプヒータ21の温度変更又は温度の冷却速度変更、プレス部30の荷重変更などである。
なお、製造条件の変更は、図10に示すように、制御部43が製造サイクルを停止させた後(S13)、人が行うようにしてもよい。また、製造条件の変更は、制御部43が自動で行うようにしてもよい。更には、製造条件の変更は、例えば、測定温度が歪点を下回った温度に応じて、予め定められた条件で制御部43が自動で行うようにしてもよい。
なお、図10及び図11に示す処理は、光学素子26の製造を続行するか否か判断するものであり、製造サイクルが停止にならない限り、上述の一実施の形態で説明したとおり、離型開始検知工程の後に、型開き工程が行われる。また、型開き工程の前に、強制離型工程が行われるようにしてもよい。
以上説明した本実施の形態では、上述の一実施の形態の構成・動作と同様の部分については、同様の効果、即ちガラス光学素子の欠陥発生を防ぐことができるなどの効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、光学素子の製造方法は、成形型としての上型11若しくは下型12又はガラス素材24の温度を測定する温度測定工程(S11,S21)と、離型開始検知工程後、ガラス素材24の歪点に基づく基準温度と温度測定工程(S11,S21)で測定された測定温度とを比較する温度比較工程(S12,S22)と、を含む。そのため、粘弾性特性が消失する歪点以下になってもガラス素材24(光学素子26)を離型できない状態が続くのを防ぎ、ガラス素材24(光学素子26)の応力の蓄積、ひいてはガラス素材24(光学素子26)のワレの発生を防ぐことができる。したがって、ガラス光学素子の欠陥発生を有効に防ぐことができる。
また、本実施の形態では、光学素子の製造方法は、温度比較工程(S12)後、測定温度が基準温度を下回った場合に光学素子26の製造サイクルを停止させる製造サイクル停止工程(S13)を含む。そのため、粘弾性特性が消失する歪点以下になってもガラス素材24(光学素子26)を離型できない状態が続くのをより有効に防ぎ、ガラス光学素子の欠陥発生をより一層防ぐことができる。
また、本実施の形態の変形例では、光学素子の製造方法は、温度比較工程(S22)後、測定温度が基準温度を下回った場合に光学素子26の製造条件を変更する製造条件変更工程(S23)を含む。そのため、粘弾性特性が消失する歪点以下になってもガラス素材24(光学素子26)を離型できない状態が続くのをより有効に防ぎ、ガラス光学素子の欠陥発生をより一層防ぐことができる。
また、本実施の形態では、離型開始検知工程で、成形型としての上型11の加速度によって離型が開始したか検知する場合には、光量変化、音、振動等による検知の場合のような新たな構成の付加を省略することができると共に、使用環境が制限されるのを防ぐことができる。
10 光学素子の製造装置
11 上型
11a 凹成形面
12 下型
12a 凹成形面
13 上型支持プレート
14 下型支持プレート
15 上型固定具
16 下型固定具
17 スリーブ
17a 貫通孔
18 上型側冷却水路
19 下型側冷却水路
20 上型側ランプヒータ
21 下型側ランプヒータ
22 レーザー光源
23 光検出器
24 ガラス素材
25 キャビティ
26 光学素子
30 プレス部
32 シリンダ
34 シリンダロッド
36 筐体上部
40 光学素子の製造装置
41,42 温度測定部
43 制御部

Claims (12)

  1. ガラス素材を加熱軟化させる工程と、
    その後、前記ガラス素材を成形型でプレスする工程と、
    その後、前記成形型からの前記ガラス素材の離型が開始したか検知する離型開始検知工程と、
    前記成形型の少なくとも一部を前記ガラス素材から後退させる型開き工程と、
    前記離型開始検知工程で前記離型が開始したのを検知した後、前記型開き工程前に、前記ガラス素材を前記成形型から強制的に離型させる強制離型工程と、
    前記離型開始検知工程において前記ガラス素材の離型が開始したことが検知されたときの前記成形型又は前記ガラス素材の温度を測定する温度測定工程と、
    前記離型開始検知工程後、前記ガラス素材の歪点に基づく基準温度と前記温度測定工程で測定された測定温度とを比較する温度比較工程と、を含む、ガラス光学素子の製造方法。
  2. 請求項記載のガラス光学素子の製造方法において、
    前記温度比較工程後、前記測定温度が前記基準温度を下回った場合に前記光学素子の製造サイクルを停止させる製造サイクル停止工程を更に含む、ガラス光学素子の製造方法。
  3. 請求項記載のガラス光学素子の製造方法において、
    前記温度比較工程後、前記測定温度が前記基準温度を下回った場合に前記光学素子の製造条件を変更する製造条件変更工程を更に含む、ガラス光学素子の製造方法。
  4. 請求項1記載のガラス光学素子の製造方法において、
    前記離型開始検知工程で、前記ガラス素材に対し照射された光の光量変化によって前記離型が開始したか検知する、ガラス光学素子の製造方法。
  5. 請求項1記載のガラス光学素子の製造方法において、
    前記離型開始検知工程で、前記成形型の振動によって前記離型が開始したか検知する、ガラス光学素子の製造方法。
  6. 請求項1記載のガラス光学素子の製造方法において、
    前記強制離型工程で、前記成形型及び前記ガラス素材の少なくとも一方を冷却する冷却媒体を用いて、前記ガラス素材を前記成形型から強制的に離型させる、ガラス光学素子の製造方法。
  7. ガラス素材を加熱軟化させる加熱部と、
    成形型を介して前記ガラス素材をプレスするプレス部と、
    前記成形型からの前記ガラス素材の離型が開始したか検知する離型開始検知部と、
    前記離型開始検知部により前記ガラス素材の離型が開始したことが検知されたときの前記成形型又は前記ガラス素材の温度を測定する温度測定部と、
    前記ガラス素材の歪点に基づく基準温度と前記温度測定部で測定された測定温度とを比較する温度比較部と、を備え
    前記成形型の少なくとも一部を前記ガラス素材から後退させ型開きを行い、前記離型が開始したのを前記離型開始検知部が検知した後、前記型開きの前に、前記ガラス素材を前記成形型から強制的に離型させる、ガラス光学素子の製造装置。
  8. 請求項7記載のガラス光学素子の製造装置において、
    前記温度測定部として機能するとともに、前記測定温度が前記基準温度を下回った場合に前記光学素子の製造サイクルを停止させる制御部を備える、ガラス光学素子の製造装置。
  9. 請求項7記載のガラス光学素子の製造装置において、
    前記温度測定部として機能するとともに、前記測定温度が前記基準温度を下回った場合に前記光学素子の製造条件を変更する制御部を備える、ガラス光学素子の製造装置。
  10. 請求項7記載のガラス光学素子の製造装置において、
    前記離型開始検知部は、前記ガラス素材に対し照射された光の光量変化によって前記離型が開始したか検知する、ガラス光学素子の製造装置。
  11. 請求項7記載のガラス光学素子の製造装置において、
    前記離型開始検知部は、前記成形型の振動によって前記離型が開始したか検知する、ガラス光学素子の製造装置。
  12. 請求項7記載のガラス光学素子の製造装置において、
    前記成形型及び前記ガラス素材の少なくとも一方を冷却する冷却媒体を用いて、前記ガラス素材を前記成形型から強制的に離型させる、ガラス光学素子の製造装置。
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