JP5668614B2 - 使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法およびマグネシアカーボンレンガの製造方法 - Google Patents

使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法およびマグネシアカーボンレンガの製造方法 Download PDF

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本発明は、使用済みのマグネシアカーボンレンガから黒鉛を分離、回収して、耐火物原料として再使用するための使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法およびマグネシアカーボンレンガの製造方法に関するものである。
鉄鋼製造プロセスでは、製銑工程や製鋼工程の設備で多くの耐火物が使用されている。このような耐火物の約半分は、設備の操業中に溶融スラグや溶融メタルと接触することによって損耗する。また、残存した使用済みの耐火物は、新しい耐火物を施工する際に解体されて耐火物屑になる。そして、耐火物屑の一部は耐火物原料として再利用されるが、大部分の耐火物屑はその組成に関係なくセメント原料や土木用原料などとして利用される。
鉄鋼製造プロセスの諸設備で使用される内張り耐火物としては、例えば転炉に使用されるマグネシアカーボンレンガ,高炉溶銑樋用スラグライン材やトーピードカーに使用されるAl−SiC−C系耐火物などを例示することができる。中でも、マグネシアカーボンレンガは、耐火物原料の中で高価である黒鉛を2割程度含む。このため、使用済みのMgO−C系耐火物に含まれる黒鉛を耐火物原料として再利用できれば、原料コストを大幅に削減することができる。
使用済み耐火物の再利用方法としては、今までに種々のものが提案されている。例えば、特許文献1−5には、耐火物屑から付着スラグと変質層とを除去した後に破砕することによって破砕物を耐火物原料として再利用する方法や破砕物を再利用することによって耐火物を製造する方法が記載されている。特許文献6には、粉砕と磁選、比重選鉱および浮遊選鉱を組み合わせて、使用済みのアルミナグラファイトとジルコニアグラファイトとの複合型の黒鉛含有耐火レンガから、最終的に高価なジルコニアを高純度、且つ、高収率で回収する方法などが記載されている。特許文献7には、天然土壌黒鉛から高純度の黒鉛微粉末を分離、回収する方法が記載されている。特許文献8には、天然黒鉛の高純度化方法として浮遊選鉱法とフッ化水素酸含有溶液中へ浸漬する方法とが記載されている。
特開平08−259311号公報 特開平08−319152号公報 特開平08−319154号公報 特開2003−212667号公報 特開2005−58835号公報 特開2001−212476号公報 特開平06−32993号公報 特開昭57−170812号公報
しかしながら、付着スラグと変質層とを除去した後に破砕された耐火物屑の組成は、元の使用済み耐火物と同じものであり、耐火物の原料である骨材や各成分の粉体に戻ったわけではない。従って、特許文献1−5記載の方法によれば、破砕された耐火物屑は耐火物原料としては品質が劣るため、耐火物を製造する際に破砕された耐火物屑を配合可能な量が制限され、耐火物屑を有効利用することができない。また、原料の一部に耐火物屑を用いた耐火物は、新規材料から作られる耐火物と比較して寿命が劣ってしまう。
一方、特許文献6記載の方法は、高純度のジルコニアを分離する段階に留まっており、黒鉛を選択的に分離、回収することができない。また、特許文献7には、使用済みのマグネシアカーボンレンガのような黒鉛と酸化物との複合体で黒鉛含有率が低い物質から黒鉛を分離、回収する方法や耐火物となり得る粗粒子の黒鉛を分離、回収する方法は開示,示唆されていない。また、特許文献8には、黒鉛と酸化物との複合体で黒鉛含有率が低い物質から黒鉛を分離、回収する方法は開示、示唆されていない。さらに、特許文献8記載の方法は、劇物であるフッ化水素酸を用いるために、取り扱いが難しい。
このような背景から、使用済みのマグネシアカーボンレンガから高純度の黒鉛を容易に分離、回収して、耐火物原料として再使用することを可能とする技術の提供が期待されていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、使用済みのマグネシアカーボンレンガから高純度の黒鉛を容易に分離、回収して、耐火物原料として再使用することを可能とする使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法、およびマグネシアカーボンレンガを安価に製造可能なマグネシアカーボンレンガの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、使用済みのマグネシアカーボンレンガを粉砕する粉砕ステップと、前記粉砕ステップによって生成された粉砕物を水に投入し、浮遊選鉱法を利用して該水から浮上物を分離、回収する回収ステップと、前記回収ステップによって回収された浮上物を耐火物原料として使用する再利用ステップと、を含む。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第2の態様に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、使用済みのマグネシアカーボンレンガを粉砕する粉砕ステップと、前記粉砕ステップによって生成された粉砕物を捕集剤および起泡剤を添加した水に投入し、浮遊選鉱法を利用して、該水から乾燥状態で70[質量%]以上の遊離炭素を含む浮上物を分離、回収する回収ステップと、前記回収ステップによって回収された浮上物を耐火物原料として使用する再利用ステップと、を含む。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第3の態様に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法は、使用済みのマグネシアカーボンレンガを粉砕する粉砕ステップと、前記粉砕ステップによって生成された粉砕物を捕集剤および起泡剤を添加した水に投入し、浮遊選鉱法を利用して該水から乾燥状態で70[質量%]以上の遊離炭素を含む浮上物を分離、回収する第1回収ステップと、前記第1回収ステップによって回収された浮上物を塩酸、硝酸、および硫酸の中から選ばれる酸に浸漬し、該浮上物の未溶解分を分離、回収することによって、乾燥状態で85[質量%]以上の遊離炭素を含有する物質を回収する第2回収ステップと、前記第2回収ステップによって回収された遊離炭素含有物質を耐火物原料として使用する再利用ステップと、を含む。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るマグネシウムカーボンレンガの製造方法は、本発明に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法を利用してマグネシアカーボンレンガを製造するステップを含む。
本発明に係る使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法によれば、使用済みのマグネシアカーボンレンガから高純度の黒鉛を容易に分離、回収して、耐火物原料として再使用することができる。本発明に係るマグネシアカーボンレンガの製造方法によれば、マグネシアカーボンレンガを安価に製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態である分離回収システムの構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法を説明するための図1に示す分離回収システムの部分拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法について説明する。
〔分離回収システム〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法において用いられる分離回収システムの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である分離回収システムの構成を示す模式図である。本発明の一実施形態である分離回収システム1は、浮遊選鉱法を利用して使用済みのマグネシアカーボンレンガから黒鉛主体の浮上物を分離、回収するものであり、図1に示すように、水槽2、散気装置3、攪拌翼4、排水管5a,5b、および配管6を介して散気装置3に接続されるコンプレッサ7を主な構成要素として備えている。水槽2には、使用済みマグネシアカーボンレンガの粉砕物が投入された水が貯留される。
散気装置3は、水槽2の内底面に配設されている。散気装置3は、多孔板やマイクロバルブ発生装置などによって構成され、配管6を介してコンプレッサ7から供給される空気を気泡として水槽2内の水に供給する。なお、配管6には、コンプレッサ7側から順にバルブ9a,流量計10,およびバルブ9bが設けられている。水槽2内の水に供給される空気量は、流量計10によって測定される配管6内の空気の流量に基づいてバルブ9a,9bの開度を制御することによって制御される。
攪拌翼4は、回転軸4aによって回転駆動されることによって、水槽2内の水を攪拌して懸濁液8を生成するものである。なお、攪拌翼4の代わりに、磁力によって回転するマグネットスターラーを利用して水槽2内の水を攪拌してもよい。排水管5a,5bは、水槽2内の懸濁液8や沈殿物を系外に排出するためのものであり、それぞれバルブ9c,9dの開度を制御することによって系外に排出される懸濁液8の流量を制御することができる。
〔使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法〕
次に、図2を参照して、上記分離回収システム1を利用して使用済みマグネシアカーボンレンガの粉砕物から、黒鉛主体の浮上物を分離、回収する方法について説明する。
図2は、本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法を説明するための図1に示す分離回収システムの部分拡大図である。本発明の一実施形態である使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法では、始めに、使用済みマグネシアカーボンレンガを粉砕して粉砕物を水槽2内の水に投入する。粉砕物の最大粒径は1.18[mm]以下、好ましくは0.3[mm]以下、より好ましくは0.15[mm]以下であるとよい。粉砕物の最大粒径が小さいほど、黒鉛を高純度で回収することができる。但し、浮遊選鉱処理後に酸処理(詳しくは後述)を行う場合には、粉砕物の最大粒径が1.18[mm]であっても、高純度の黒鉛を回収することができる。
次に、水槽2内の水を攪拌翼4で攪拌することによって水中に粉砕物を懸濁させて懸濁液8を生成し、散気装置3を利用して懸濁液内8内に気泡Aを導入する。懸濁液8内に気泡Aが導入されると、図2に示すように、疎水性の表面を有する固体粒子(以下、疎水性粒子と表記)Pだけが気泡Aの表面に選択的に付着し、気泡Aの浮力によって浮上物として浮上する。このように疎水性粒子Pが付着した状態で浮上した気泡をフロスFという。通常、フロスFの形成を維持するための助剤として、起泡剤が水に添加される。一方、親水性の表面を有する固体粒子(以下、親水性粒子と表記)は気泡Aに付着せずに自重によって沈降(沈殿)する。従って、気泡Aを導入することによって、親水性粒子と黒鉛を含む疎水性粒子とを分離、回収することができる。以後、分離、回収された黒鉛主体の浮上物(回収物)は耐火物原料として使用することができる。
なお、黒鉛は疎水性であることから、水のみを利用した浮遊選鉱法でもある程度は分離、回収することができる。しかしながら、水のみを用いた分離では、回収率が低くなるため、黒鉛をより効率的に回収するために、捕集剤や起泡剤を水に加えることが望ましい。具体的には、黒鉛は親油性であるために、捕集剤としては灯油(ケシロン)を用いることが望ましい。また、灯油以外の軽油なども使用することができる。捕集剤の水への添加率は2[質量%]以上、20[質量%]程度以下であることが望ましい。これは、添加率が2[質量%]未満では捕集効率が小さく、添加率20[質量%]を越えて捕集剤を添加しても捕集効率は変わらないためである。マグネシアカーボンレンガ粉砕物の粒子には、単一粒子内にマグネシアと炭素とが混在する複合粒子が含まれるが、マグネシアの比率が高い粒子まで浮上して捕集されると、回収される黒鉛の純度は低下する傾向となる。十分な量の灯油を捕集剤として用いることにより、親水性のマグネシアの比率が高い粒子は再び沈降し、回収される黒鉛の純度が向上する効果もある。起泡剤は、使用済みレンガに含まれる不純物の成分に応じて選択することが好ましい。すなわち、不純物の成分が疎水性となり、黒鉛と共に浮遊しないような起泡剤を選択する必要がある。従って、起泡剤の種類や量についてはここでは特に規定しない。
また、浮遊選鉱処理後の回収物(疎水性粒子P)を塩酸、硝酸、および硫酸から選ばれる酸に浸漬する酸処理を行い、不純物を酸に選択的に溶解させて非溶解分を分離、回収することにより、より高純度の黒鉛を得ることができる。酸としては、水で希釈していない濃塩酸,濃硝酸,および濃硫酸を使用することができるが、安全上、水で希釈した酸を使用することが望ましい。希釈割合の目安としては、酸と水とを体積比で1:1〜1:2程度の割合で混合するとよい。以下体積比1:1で水と混合した酸溶液を(1+1)の酸と称する。また、回収物を酸に浸漬した際に酸を攪拌することによって、不純物をより効率よく溶解させることができる。また、不純物の溶解後、非溶解分をろ過によって回収することにより、より高純度の黒鉛を回収することができる。また、浮遊選鉱処理により得られた回収物と酸との混合比率は、回収物中の不純物の種類や量によって最適な比率が異なるので、適宜決定することが望ましい。回収物中の黒鉛濃度が80〜90[質量%]の範囲内にある場合には、回収物と(1+1)の酸との混合比率は質量比で1:1程度が目安になる。酸処理後の未溶解分は十分に水洗して酸の影響を除いた後、乾燥したものを解砕して耐火物原料に用いるが、耐火物製品の気孔率を低減するためには、さらに軽粉砕して粒子形状を整えてから、原料として配合することが望ましい。
また、浮遊選鉱処理により得られた回収物にカルシウム成分が含まれている場合には、酸として硫酸を使用しないことが望ましい。硫酸を使用した場合、カルシウム成分が硫酸イオンと反応することによって二水石こう(CaSO・2HO)が生成、沈殿し、高純度の黒鉛が得られにくくなるためである。なお、特許文献8記載の方法では、SiOを溶解させるためにフッ化水素酸を使用しているが、使用済みのマグネシアカーボンレンガに含まれるSiO成分は、ケイ酸二カルシウム(CaSiO)として存在していることから、塩酸や硝酸に溶解することが本発明の発明者らによって確認された。
また、耐火物原料として使用するための黒鉛の濃度(遊離炭素濃度)は高いほど好ましい。その理由は、耐火物の耐食性が黒鉛純度に影響するためである。例えば純度85[質量%]の黒鉛を使用して製造した耐火物の損耗指数を100とすると、純度95[質量%]の黒鉛を使用して製造した耐火物の損耗指数は74となり、損耗が26%低下することが知られている(耐火物手帳‘99,耐火物技術協会,139頁,1999.6参照)。本発明の方法で回収した黒鉛主体の回収物に含まれる不純物は、主にマグネシアに起因するものであり、天然黒鉛に含まれる粘土質の不純物よりは悪影響の程度は小さい。従って、目標とする耐火物の耐食性やリサイクル原料の使用比率にもよるが、定型耐火物の原料として従来の黒鉛を代替して使用するためには、回収物中の遊離炭素濃度が少なくとも70[質量%]以上、望ましくは80[質量%]以上となるように黒鉛を分離、回収することが好ましい。
〔実験例〕
本実験例では、使用済みのマグネシアカーボンレンガを2[mm]以下に粉砕後,磁力選鉱処理して磁着物を除いたもののうち、所定の篩で篩分けした篩下の粉状のものを試料として用いた。以下に示す表1に本実験例で用いた各粒度の試料の化学成分を示す。なお、表1に示す遊離炭素の濃度には黒鉛中の灰分は含まれていない。
Figure 0005668614
本実験例では、始めに、内径200mmφの円筒状のアクリル製水槽に4.5[L]のイオン交換水(pH6.2〜8.2,水温19.2〜20.0[℃])を入れ、使用済みマグネシアカーボンレンガの粉砕物、捕集剤、および起泡剤をそれぞれ所定量イオン交換水に添加した。なお、本実験例では、起泡剤として2−エチルヘキサノールを使用した。次に、マグネチックスターラーを用いてイオン交換水を回転速度100[rpm]で10分間攪拌した。次に、コンプレッサから孔径φ0.3mmの孔を37個有するステンレス鋼製の多孔板に所定流量および所定圧力(0.2[MPa])の空気を供給することによってイオン交換水に気泡を導入し、20分間浮遊選鉱処理を行った。次に、フロスを回収することによって浮上物(疎水性粒子P)を回収し、浮上物を熱風乾燥機で乾燥させた後、回収物の秤量および化学分析を行った。そして、浮上物の比率、回収物中の遊離炭素濃度、および遊離炭素の回収率をそれぞれ、以下に示す数式1〜3を用いて算出した。
Figure 0005668614
Figure 0005668614
Figure 0005668614
以下に示す表2に各試料の浮遊選鉱時の配合条件、浮上物の比率、回収物中の遊離炭素濃度、および遊離炭素の回収率を示す。表2から明らかなように、原料番号2−1のように捕集剤と起泡剤とを使用しない場合であっても、回収物中の遊離炭素濃度を高くできることが確認された。但し、原料番号2−1では、回収物中の遊離炭素濃度は65[質量%]に留まり、遊離炭素の回収率も35[質量%]と低い。また、原料番号2−2〜2−6に示すように、捕集剤又は起泡剤を単独で添加することによって、回収物中の遊離炭素濃度や回収率をやや大きくできることが確認された。傾向としては、起泡剤は回収率の向上への効果が大きく、捕集剤は回収率とともに遊離炭素濃度を増大する効果が大きいことがわかる。
Figure 0005668614
一方、原料番号2−7〜2−18に示すように、捕集剤と起泡剤とを併用することによって、回収物中の遊離炭素濃度(純度)が70[質量%]以上となり、回収物中の遊離炭素濃度と遊離炭素の回収率とが大きく向上することが確認された。また、捕集剤としては、軽油(原料番号2−10〜2−12)よりも灯油(原料番号2−7〜2−9)の方が遊離炭素の回収率がやや高く効率的であることが確認された。また、起泡剤の添加量は、原料番号2−8と原料番号2−13とを比較すると、回収物中の遊離炭素濃度と遊離炭素の回収率とが同じであることから、水4500[g]に対して0.12[g]、すなわち28[ppm]となるように添加すれば十分であることが確認された。また、使用済みマグネシアカーボンレンガの粉砕後の最大粒径は、小さくするほど回収物中の遊離炭素濃度と遊離炭素の回収率とが高くなり、浮遊選鉱処理としては効果的であることが確認された。従って、使用済みマグネシアカーボンレンガの粉砕後の最大粒径は、最大粒径を小さくするコストと浮遊選鉱処理の効率とを考慮して決めれば良いが、10[μm]程度より小さくするとプレス整形性が問題になって、配合量が制限されるため、これを下限とする。
次に、原料番号2−8および原料番号2−16によって分離、回収した回収物を塩酸水溶液、硝酸水溶液、および硫酸水溶液に浸漬処理した場合の回収物中の遊離炭素濃度を評価した。本評価では、所定量の(1+1)の酸水溶液に10[g]の回収物を混合し、マグネチックスターラーを利用して酸水溶液を回転速度100[rpm]で10分間攪拌した後、不溶物を回収して評価した。評価結果を以下の表3に示す。表3に示すように、原料番号2−8の回収物を使用した場合、原料番号3−1〜3−8の回収物のように、酸処理によって遊離炭素濃度が87[質量%]から90〜95[質量%]に向上した。また、原料番号2−16の回収物を使用した場合には、原料番号3−8〜3−12の回収物のように、酸処理によって遊離炭素濃度が85[質量%]から93[質量%]に向上した。従って、回収物に対して酸処理を施すことによって、比較的遊離炭素濃度が低い浮遊選鉱処理の回収物の遊離炭素濃度を上昇できることが知見された。
Figure 0005668614
次に、表1に示す使用済みマグネシアカーボンレンガの粉砕物と表2および表3に示す回収物とを原料としてマグネシアカーボンレンガを作製し、作製されたマグネシアカーボンレンガの耐食性を評価した。なお、ベースとなるマグネシアカーボンレンガは、黒鉛18[質量%],電融マグネシア79[質量%],金融アルミニウム3[質量%]を配合し、フェノール樹脂3[質量%]をバインダーとして外割で添加、混練し、混練物を圧力100[MPa]で230×114×65[mm]の大きさになるように成型することによって、作製した。本実施例のマグネシアカーボンレンガは、ベース配合のうち、黒鉛の100[質量%]あるいは50[質量%]を、同質量の表2あるいは表3に示した回収物で置換し、ベース配合のものと同様に混練、成型して作製した。比較例として、表1に示した使用済みマグネシアカーボンレンガを粉砕後磁選した粉体を配合して、レンガを作製した例についても示す。ベース配合のうち、黒鉛の50[質量%]を表1の各粉体試料中の遊離炭素で置換するように、各粉体試料を配合し、配合した各粉体試料中の酸化物質量分だけベース配合のうちの電融マグネシア質量を減じるように配合して、ベース配合のものと同様に混練、成型して比較例のマグネシアカーボンレンガを作製した。耐食性は回転侵食試験により評価した。回転侵食試験において、スラグとしてCaO質量/SiO質量=3.0の転炉スラグを用い、スラグと鋼との比は1:1、温度は1700[℃]とした。スラグは10分毎に入れ替えて、60分間回転侵食試験を行った。そして、ベースとなるマグネシアカーボンレンガの損耗量を100として、製造した各れんがの損耗量を比較した。従って、損耗指数の値が小さいほど、耐食性が良好であることを示す。耐食性試験結果を以下の表4に示す。
Figure 0005668614
表4に示すように、粉砕、篩い分けしただけの比較例A,B,C,Dの損耗指数は300以上であったのに対して、浮遊選鉱処理を行った実施例の損耗指数は200以下であった。また、浮遊選鉱に加えて酸処理を行った実施例19〜24の損耗指数は92〜115の範囲内にあり、実施例19〜24はベースとなるマグネシアカーボンレンガと同等の耐食性を有することが確認された。以上のことから、原料番号2−1〜2−18および原料番号3−1〜3−12の回収物を使用することによって、耐食性が高いマグネシアカーボンレンガを作製できることが知見された。
1 分離回収システム
2 水槽
3 散気装置
4 攪拌翼
4a 回転軸
5a,5b 排水管
6 配管
7 コンプレッサ
8 懸濁液
9a,9b,9c,9d バルブ
10 流量計
A 気泡
F フロス
P 疎水性粒子

Claims (4)

  1. 使用済みのマグネシアカーボンレンガを粉砕する粉砕ステップと、
    前記粉砕ステップによって生成された粉砕物を捕集剤および起泡剤を添加した水に投入し、浮遊選鉱法を利用して該水から乾燥状態で70[質量%]以上の遊離炭素を含む浮上物を分離、回収する第1回収ステップと、
    前記第1回収ステップによって回収された浮上物を塩酸、硝酸、および硫酸の中から選ばれる酸に浸漬し、該浮上物の未溶解分を分離、回収することによって、乾燥状態で85[質量%]以上の遊離炭素を含有する物質を回収する第2回収ステップと、
    前記第2回収ステップによって回収された遊離炭素含有物質を耐火物原料として使用する再利用ステップと、
    を含むことを特徴とする使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  2. 前記粉砕物の最大粒径が1.18[mm]以下であることを特徴とする請求項1に記載の使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  3. 前記捕集剤が灯油又は軽油であることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法。
  4. 請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の使用済みマグネシアカーボンレンガの再利用方法を利用してマグネシアカーボンレンガを製造するステップを含むことを特徴とするマグネシアカーボンレンガの製造方法。
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