JP2004307287A - 再生炭素含有れんが及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用済み炭素含有れんがを有効に活用するために、加熱した後の弾性率を一定値以下に設定することで、従来品(従来の再生炭素含有れんが)と比較して耐スポーリング性を格段に改善することが可能となった再生炭素含有れんが、および、その製造方法を提供する。
【解決手段】使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物(又は、該粉砕物およびアルカリ金属化合物)を少なくとも一部に含む原料混合物よりなる再生炭素含有れんがであって、1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後の弾性率が30GPa以下であることを特徴とする再生炭素含有れんが。この再生炭素含有れんがを製造する方法であって、前記原料混合物を加圧して成形することを特徴とする再生炭素含有れんがの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物(又は、該粉砕物およびアルカリ金属化合物)を少なくとも一部に含む原料混合物よりなる再生炭素含有れんがであって、1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後の弾性率が30GPa以下であることを特徴とする再生炭素含有れんが。この再生炭素含有れんがを製造する方法であって、前記原料混合物を加圧して成形することを特徴とする再生炭素含有れんがの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済み廃炭素含有れんがを再利用する再生炭素含有れんが、および、その製造方法に関し、特に、使用済み廃炭素含有れんがを有効に活用し、再利用する再生炭素含有れんが、および、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素含有れんがは、製銑,製鋼処理用容器の内張材として広く使用されている。最近では、資源リサイクルや環境負荷低減が叫ばれており、使用済み炭素含有れんがの再利用が重要な技術になりつつある。また、炉材コストの低減も重要な課題となってきている。その対策として、今までにも使用済み炭素含有れんがの再利用方法などが検討され、提案されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平8−259311号公報)に記載の先行技術は、れんがコストの削減を目的に、使用済みMgO−Cれんがの再利用に関するものである。特許文献2(特開平8−319152号公報)および特許文献3(特開平8−319154号公報)に記載の先行技術は、使用済み炭素含有れんがの処分ないし投棄に要するコストの低減を目的に、使用後れんがの有効活用に関するものである。また、特許文献4(特開平10−7453号公報)に記載の先行技術は、使用後れんがを効率的かつ経済的に活用する技術である。
これらの先行技術は、いずれも使用後れんがの有効活用に関するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−259311号公報(請求項1〜3,段落[0006]等)
【特許文献2】
特開平8−319152号公報(請求項1〜3,段落[0005]等)
【特許文献3】
特開平8−319154号公報(請求項1〜3,段落[0005]等)
【特許文献4】
特開平10−7453号公報(請求項1〜5,段落[0009]等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1〜4に記載の先行技術は、各溶炉の使用済みMgO−CやAl2O3−MgO−Cれんがを粉砕し、粒度調整を行い、再生原料として活用するものである。
しかし、これらの工程を経て得られた再生原料は、熱間で使用されていることから、骨材は焼結が進行しており、この原料を活用して作製した再生炭素含有れんがは、加熱した後に弾性率が上昇しやすい。過度にれんがの弾性率が上昇した場合、剥離損傷が発生しやすい。炭素含有れんがの損傷形態には、各溶炉により様々なものがあるが、その中でも、剥離による損傷は大きく、一旦剥離損傷が発生した際には、著しく損傷が増大する課題がある。
また、使用済み廃炭素含有れんがの使用量を多くすると、耐スポーリング性が著しく低下するため、その使用量は、制限されているのが現状であり、効率的な再利用がなされていない。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑み成されたものであって、その目的とするところは、使用済み炭素含有れんがを有効に活用するために、加熱した後の弾性率を一定値以下に設定することで、従来品(従来の再生炭素含有れんが)と比較して、耐スポーリング性を格段に改善することが可能となった再生炭素含有れんが、および、その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る再生炭素含有れんがは、
「使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物を少なくとも一部に含む原料混合物よりなる再生炭素含有れんがであって、1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後の弾性率が30GPa以下である、再生炭素含有れんが(請求項1)。」
「前記原料混合物は、使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物およびアルカリ金属化合物を少なくとも一部に含む、請求項1に記載の再生炭素含有れんが(請求項2)。」
「前記アルカリ金属化合物は、アルカリ金属酸化物換算で、0.03〜5重量%含有している、請求項2に記載の再生炭素含有れんが(請求項3)。」
「前記アルカリ金属化合物は、カリウム,ナトリウムまたはリチウムを含有する水酸化塩、炭酸塩、アルミン酸塩、燐酸塩、珪酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、アルギン酸塩、塩化物、ハロゲン化物、アジ化物である、請求項2または請求項3に記載の再生炭素含有れんが(請求項4)。」
「前記アルカリ金属化合物は、アルコール類,グリコール類または水に可溶な化合物である、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の再生炭素含有れんが(請求項5)。」
を特徴とし、これにより、前記課題
(目的)を達成したものである。
【0008】
一方、本発明に係る再生炭素含有れんがの製造方法は、
「請求項1〜5のいずれか一項に記載の再生炭素含有れんがを製造する方法であって、請求項1〜5のいずれかに記載の原料混合物を加圧して成形する、再生炭素含有れんがの製造方法(請求項6)。」
「使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物およびアルカリ金属化合物を少なくともも含む原料混合物に、アルコール類,グリコール類または水を添加し、混練した後、加圧して成形する、請求項6に記載の再生炭素含有れんがの製造方法(請求項7)。」
を特徴とし、これにより、前記課題
(目的)を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、その作用効果を含めて詳細に説明し、さらに本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
本発明者等は、前記課題
(目的)を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、加熱した後の弾性率を測定することで、使用済み廃炭素含有れんがを有効に活用できることを見いだした。以下、この点について詳細に説明する。
使用済み廃炭素含有れんがを再利用した再生炭素含有れんがは、前記したように、熱間で使用された骨材を使用するため、次のような問題点を生じる。即ち、使用済み廃炭素含有れんがの骨材は、焼結が進行していることから、使用後屑活用品は、未使用原料を適用した炭素含有れんがと比較して、製品段階から弾性率が高い。従って、この弾性率の高い製品(使用後屑活用品)を、高温で長時間さらされる溶炉で使用すれば、さらに弾性率が上昇し、剥離に至ると考えられる。
従来の使用後屑を30%以上適用した再生炭素含有れんがは、弾性率の上昇が大きく、特に、使用後屑を50%以上使用した際には、実機使用において剥離損傷が発生することが多い。耐用性への影響が大きいこの剥離損傷を抑制することができれば、使用後屑を有効に活用することが可能となるものである。
【0011】
本発明においては、再生炭素含有れんがを加熱した後に弾性率を測定し、30GPa以下に設定することを特徴としたものであり、それによって、以下に詳記する有効な作用が得られるものである。
使用済み廃炭素含有れんがを有効に活用するためには、損傷に大きく寄与する剥離損傷の抑制が重要である。この剥離損傷を抑制するために、1500℃還元雰囲気で3時間加熱した後の弾性率を測定した結果、弾性率が30GPa以下のものは、「溶銑浸漬法による耐スポーリング試験」において、極めて良好な結果を示し、かつ実機での耐用性も、従来とほぼ同等であることを見いだした。
即ち、使用済み廃炭素含有れんがを活用する際、今までは使用後屑の使用量において制限があったが、本発明によって“加熱した後の弾性率を30GPa以下に設定する”ことにより、耐スポーリング性の低下が抑制され、使用後屑をより有効に活用することが可能となる。
【0012】
本発明において、「使用済み廃炭素含有れんが」としては、マグカーボン(MgO−C),アルミナマグカーボン(Al2O3−MgO−C),アルミナ炭珪カーボン(Al2O3−SiC−C)などの使用済み廃炭素含有れんがを使用することができる。
また、使用後マグカーボン(MgO−C)原料を、再生Al2O3−MgO−C材質や再生Al2O3−MgO−SiC−C材質の原料としても適用可能である。
【0013】
また、本発明者等は、使用済み廃炭素含有れんがを活用し、低弾性率化を図るためには、前記再生炭素含有れんがが、“アルカリ金属化合物を含有すること”によって有効な作用効果を得ることを見いだした。以下、この点について詳細に説明する。
アルカリ金属化合物は、1000℃程度の比較的低温度領域から揮発消失する。再生炭素含有れんがに添加されたアルカリ金属化合物は、揮発消失する際、再生炭素含有れんが内に微細な空隙を形成する。れんが内に形成された空隙は、れんがの弾性率を低減させる効果が優れており、耐スポーリング性の向上に有効である。また、アルカリ金属化合物は、比較的低温度から揮発消失するため、低融点物質の形成による耐食性の低下がない。従って、再生炭素含有れんががアルカリ金属化合物を含有することによって、耐食性および耐スポーリング性に優れた“再生炭素含有れんが”が得られるものである。さらに、本発明により、使用後屑の使用比率を増加させることができ、そのため、より有効に資源リサイクルや環境負荷低減が図れるものである。
【0014】
本発明において、前記再生炭素含有れんがが、アルカリ金属化合物をアルカリ金属酸化物換算で0.03〜5重量%(より好ましくは0.05〜3重量%)含有することが好ましく、これによって、上記した有効な作用効果が得られるものである。その含有量が0.03重量%未満であれば、弾性率の低減効果が少なく、5重量%を超えると、耐食性が低下するために好ましくない。
【0015】
また、本発明の「再生炭素含有れんが」では、使用後屑(使用済み廃炭素含有れんが)を使用するために、稼働面に付着したスラグが混入する可能性もある。スラグに由来するアルカリ成分は少ないが、上述したように、このスラグ中に含まれるアルカリ成分も、再生炭素含有れんがの弾性率を低減させる効果がある。
従って、本発明では、スラグ由来のアルカリ成分を、アルカリ金属酸化物換算で、0.03〜5重量%含有することで、耐スポーリング性に優れる再生炭素含有れんがが得られるものである。再生炭素含有れんが中に含まれるスラグ由来のアルカリ量が少ない場合、その不足分は、適宜アルカリ金属化合物を添加することができる。
【0016】
また、アルカリ金属化合物を含有した炭素含有れんがの使用後屑を再利用して作製した再生炭素含有れんがは、アルカリ成分が残存している場合がある。この使用後屑中に含まれるアルカリ成分も、上記した再生炭素含有れんがの弾性率を低減させる効果を有するものである。
従って、本発明では、使用後屑中に含まれるアルカリ金属化合物由来のアルカリ成分も含めて、アルカリ金属酸化物換算で0.03〜5重量%含有することで、前記課題
(目的)を達成することができる。再生炭素含有れんが中に含まれるアルカリ量が少ない場合、その不足分は、前記と同様、適宜アルカリ金属化合物を添加することができる。
【0017】
本発明に使用するアルカリ金属化合物としては、目的とする前記の作用効果が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、代表的なものとして、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化リチウムなどの水酸化アルカリ、炭酸カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸リチウムなどの炭酸アルカリ塩、アルミン酸カリウム,アルミン酸ナトリウムなどのアルミン酸アルカリ塩、燐酸カリウム,燐酸ナトリウム,燐酸リチウムなどの燐酸アルカリ塩、ケイ酸カリウム,ケイ酸ナトリウム,ケイ酸リチウムなどのケイ酸アルカリ塩や、炭酸水素アルカリ塩、硫酸アルカリ塩、アルギン酸アルカリ塩、塩化ナトリウム,フッ化リチウムなどのハロゲン化物、アジ化物などを挙げることができる。
【0018】
また、樹脂の溶剤であるアルコール類,グリコール類,グリセリン、あるいは、水に可溶な粉末状のアルカリ金属化合物は、混合,混練操作中に溶解することによって、より一層アルカリ金属化合物を均一に分散させることができるため、効果的である。また、アルカリ金属化合物と同時に、アルコール類,グルコール類,グリセリン、あるいは、水を加えて混練する、あるいは、アルカリ金属化合物を液状で用いることは、高い分散性及び焼結抑制効果が得られるため、より望ましい。
【0019】
本発明に係る再生炭素含有れんがの製造方法は、使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物,耐火性原料,炭素質原料,必要に応じてアルカリ金属化合物や酸化防止剤を含有した原料混合物にバインダーを加えて混合,混練を行い、得られた杯土を加圧成形機によって加圧成形し、製造するものである。
以下、この製造方法について具体的に説明するが、本発明は、以下の詳細な説明により限定されるものではない。
【0020】
本発明に使用する使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物としては、溶銑や溶鋼処理用容器等で使用された炭素を含有しているれんがであれば、適用が可能である。これらの溶炉で使用された使用済み廃炭素含有れんがを回収し、ジョークラッシャーなどの粉砕機を用いて粉砕した後、粉砕物を3〜1mm,1mm以下の粒度に篩い分けを行う。また、更に微粉が必要な場合には、必要に応じて0.3mm以下に篩い分けを行い、使用済み原料として活用することができる。
【0021】
溶鋼処理用容器に使用されるマグカーボン系の再生炭素含有れんがは、主に粉砕物を3〜1mm,1mm以下の粒度に篩い分けした原料を活用することで、従来と遜色ない見掛気孔率やかさ比重などの物性値が得られるものである。
溶銑処理用容器に使用されるアルミナ炭珪カーボン系の再生炭素含有れんがでは、溶銑が再生炭素含有れんが稼働面から浸透することで、損傷が増大する場合がある。溶銑の浸透を防止するためには、より細かい粒度の骨材が必要になることがあり、その場合には、0.3mm以下に篩い分けした原料を活用することで防止することが可能になる。本発明では、粒度の調整ができた原料を使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物とするものである。
【0022】
本発明で使用する耐火性原料としては、アルミナ,スピネル,マグネシア,カルシア,ドロマイト,シリカ,クロミア,ジルコニア等の酸化物や、それらの複合酸化物、または、炭化珪素,窒化珪素,酸窒化珪素,酸窒化アルミニウム,窒化硼素,炭化硼素,硼化ジルコニウム等の一般に使用される耐火性原料、あるいは、それらの焼結原料,電融原料を任意に使用することができる。
【0023】
また、本発明に使用できる炭素質原料としては、特に限定されないが、一般に使用されるものとして、鱗状黒鉛,土状黒鉛などの天然黒鉛やコークスなどの人造黒鉛、電極屑、炭素繊維、熱分解炭素などを挙げることができる。使用済み廃炭素含有れんが由来の炭素含有量が少ない場合には、上記した炭素質原料を適宜使用することができる。
【0024】
本発明では、耐酸化性向上および強度向上を目的に、必要に応じて金属を添加してもよい。本発明で使用できる金属としては、シリコン,アルミニウム,マグネシウム,チタン,クロム,ジルコニウム等、あるいは、それらの合金や混合物を挙げることができる。
【0025】
本発明の再生炭素含有れんがに使用するバインダーとしては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂,フラン樹脂,エポキシ樹脂等の樹脂類、ピッチやタール等の芳香族系有機高分子化合物、ステアリン,パルチミン酸などのグリセリド、脂肪,脂肪油などの脂肪族誘導体、ソルビトール,マンニトールなどの6価ポリオール、マルトース,トレハロース,アミロースなどの糖類やその加水分解物、あるいは、糊剤,パルプ廃液,廃糖蜜などを使用することができる。また、アルカリ金属化合物も、混合効果のあるものはバインダーとして活用することができる。
これらのバインダーの添加量も、特に限定されるものではなく、1〜5重量%の範囲内とすることが好ましい。
【0026】
ここで、本発明に係る“再生炭素含有れんがの製造方法”の具体例を挙げ、本発明について更に詳細に説明する。
【0027】
前記した使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物,耐火性原料,炭素質原料,必要に応じてアルカリ金属化合物や酸化防止剤を含有する配合混合物にバインダーを加え、ウェットパンミキサーで約50分間混練した。(なお、混練機には、ウェットパンミキサー以外にも、ハイスピードミキサーやアイリッヒミキサーなども使用することが可能である。)
混練した後、練り土は、バインダーと骨材とのなじみを促進させるために、1日保管した。その後、杯土は、十分に緻密なれんが組織を得るために、フリクション型の真空プレスを用いて、大気圧未満に減圧した状態で、加圧成形(加圧:500t,成形打回数:10回)した。この成形体を250℃で12時間加熱処理を行い、製品(再生炭素含有れんが)とした。
【0028】
上記具体例では、加圧成形条件として「加圧(成形圧):500t,成形打回数:10回」としたが、本発明は、これに限定されるものではない。
即ち、成形圧は、目標とするかさ比重により調整することが可能であるが、本発明では、50t以上で5000t未満であることが望ましい。5000t以上の過度に成形圧を高くした場合には、高い充填性を有する炭素含有れんがが製造できるものの、骨材が破砕することがあり、実機使用において著しく耐用性が悪化することがあるために好ましくない。一方、成形圧力が50t未満の低い場合には、充填性が低いものになり、弾性率は低いものが出来るものの、耐食性が著しく悪化するため好ましくない。
成形打回数も、目標とするかさ比重により調整することが可能であり、3回以上で30回未満が望ましい。成形回数が3回未満であれば、充填性不足により耐食性が悪化するために望ましくなく、30回以上であれば、骨材の破砕が発生することがあり、また、生産性の低下ならびに成形機の修理頻度が増加するために好ましくない。なお、加圧成形機としては、緻密な組織を得る観点から、フリクション式プレス,油圧式プレス,ラバープレスなどを用いることが望ましい。
【0029】
また、成形時の雰囲気ガスは、特に限定されるものではなく、大気圧下での成形も可能であるが、緻密な組織を得るためには、雰囲気ガス圧力を大気圧未満に減圧した状態で、杯土を加圧成形することがより望ましい。
前記した本発明の具体例では、大気圧未満に減圧した状態で加圧成形を実施した。そして、前記したとおり、加圧成形した後、得られた成形体は250℃で12時間加熱処理を行い、製品とした。
【0030】
本発明では、得られた製品について、1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後の弾性率を測定し、30GPa以下であるものを製品とするものである。
焼成した後の製品の弾性率が30GPa以上であった場合には、その配合で製造したロット品は、再生炭素含有れんがを粉砕して、再度再生炭素含有れんが用の原料として再活用することが可能である。
【0031】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明について具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例1〜9によって限定されるものではない。
【0032】
(実施例1〜9,比較例1〜3)
表1に示す配合成分を、同じく表1に示す比率(重量%)で配合した。この配合混合物をウェットパンで約50分間混練した。次に、緻密な組織を得るために、フリクション型の真空プレスを用いて加圧成形し(加圧:500t,成形打回数:10回)、その後、250℃で12時間熱処理して供試サンプルとした。
なお、実施例1〜9は定形れんがであり、比較例1,2も定形れんがであるが、比較例3は不定形品である。
【0033】
【表1】
【0034】
表1中に示す「マグカーボン使用後粉砕物」「アルミナマグカーボン使用後粉砕物」「アルミナ炭珪カーボン使用後粉砕物」の各使用後粉砕物は、次のものを使用した。
【0035】
「マグカーボン使用後粉砕物」
マグネシア85重量%,炭素原料15重量%からなる耐火性原料混合物(必要に応じて酸化防止剤を外掛けで添加した原料混合物)にフェノール樹脂を配合し、混練した後、成形,乾燥して“マグカーボンれんが”を作製した。
得られた“マグカーボンれんが”を溶鋼処理用容器の内張り材として使用した後、使用済み廃炭素含有れんがとして回収し、この回収れんがをジョークラッシャーで粉砕し、該粉砕物を3〜1mm,1mm以下の粒度に篩い分けし、適度な粒度配合になるように調整したもの(3〜1mm:75重量%,1mm以下:25重量%)を、「マグカーボン使用後粉砕物」として使用した。
【0036】
「アルミナマグカーボン使用後粉砕物」
アルミナ80重量%,マグネシア10重量%,炭素原料10重量%からなる耐火性原料混合物(必要に応じて酸化防止剤を外掛けで添加した原料混合物)にフェノール樹脂を配合し、混練した後、成形,乾燥して“アルミナマグカーボンれんが”を作製した。
得られた“アルミナマグカーボンれんが”を溶鋼処理用容器の内張り材として使用した後、使用済み廃炭素含有れんがとして回収し、この回収れんがをジョークラッシャーで粉砕し、該粉砕物を3〜1mm,1mm以下の粒度に篩い分けし、適度な粒度配合になるように調整したもの(3〜1mm:60重量%,1mm以下:40重量%)を、「アルミナマグカーボン使用後粉砕物」として使用した。
【0037】
「アルミナ炭珪カーボン使用後粉砕物」
アルミナ85重量%,炭化珪素5重量%,炭素原料10重量%からなる耐火性原料混合物(必要に応じて酸化防止剤を外掛けで添加した原料混合物)にフェノール樹脂を配合し、混練した後、成形,乾燥して“アルミナ炭珪カーボンれんが”を作製した。
得られた“アルミナ炭珪カーボンれんが”を溶銑処理用容器の内張り材として使用した後、使用済み廃炭素含有れんがとして回収し、この回収れんがをジョークラッシャーで粉砕し、該粉砕物を3〜1mm,1mm未満〜0.3mm,0.3mm未満以下の粒度に飾い分けし、適度な粒度配合になるように調整したもの(3〜1mm:60重量%,1mm未満〜0.3mm:25重量%,0.3mm未満以下:15重量%)を、「アルミナ炭珪カーボン使用後粉砕物」として使用した。
【0038】
作製した各供試サンプルの物理特性値(見掛気孔率,かさ比重,圧縮強さ,加熱した後の弾性率)を測定した。各測定値を表1に示す。なお、弾性率については、各供試サンプルを1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後、常温の動弾性率を測定した。測定装置は、「L.W.LEMMENS−ELEKTONIKA製グラインドソニックMK3−S型又はこれに相当する装置」を用いた。
【0039】
また、次に示す「耐スポーリング試験」、「耐食性試験」を行い、各供試サンプルの耐スポーリング性,耐食性について評価した。さらに、各供試サンプルを実機にて評価した。これらの評価結果を、同じく表1に示す。
【0040】
「耐スポーリング試験」
耐スポーリング性は、「溶銑浸漬法によるスポーリング試験」の結果をもとに判定した。溶銑浸漬法は、銑鉄を高周波誘導炉で溶解して1650℃に保持したものを用い、角柱状に加工した試料を溶銑に浸漬して熱衝撃を与える方法である。耐スポーリング性の評価は、得られた試料の切断面を観察して、亀裂の発生状況から、耐スポーリング性を10段階の評価指数で表示した。評価指数は数字の大きい方が良好である。
【0041】
「耐食性試験」
耐食性試験は、酸素プロパン加熱の回転ドラムを使用し、それぞれ5時間実施した。「試験1」では、侵食剤としてCaO=50%,SiO2=30%,Al2O3=15%,Fe2O3=5%の合成スラグを用い、1700℃で実施した。「試験2」では、侵食剤に高炉スラグを用い、1600℃で実施した。
耐食性の評価は、耐食性試験後の試料の切断面写真から侵食量を測定して判断したものであり、10段階の評価指数で表示した。評価指数は数字の大きい方が良好である。
【0042】
「実機での耐用性指数」
実機での耐用性指数は、各材質の実機への適用結果から判断したものであり、10段階の評価指数で表示した。この評価指数も、数字の大きい方が良好であることを示す。
【0043】
表1に記載する結果から、次のことが理解できる。
すなわち、比較例1(使用後粉砕物を配合しない比較品)と比較例2(従来の使用後屑活用品に相当する比較品)とを比較すると、従来の使用後屑活用品(比較例2)は、耐スポーリング性が著しく悪化しており、実機での耐用性も大きく悪化している。
一方、実施例1〜3(本発明品)では、比較例1(使用後粉砕物を配合しない比較品)と比較した場合、耐食性は若干悪化しているものの、優れた耐スポーリング性を維持しており、また、実機でも、ほぼ同等の耐用性を有している。また、実施例1〜3は、比較例2(従来の使用後屑活用品に相当する比較品)と比較した場合、耐スポーリング性が格段に優れており、かつ、実機での耐用性にも優れるものである。その上、実施例3で理解できるように、アルカリ金属化合物を併用することで、マグカーボン使用後粉砕物90%までの適用が可能になっている。実施例4〜9においても、実施例1〜3と同様、耐食性,耐スポーリング性に優れており、実機での耐用性も優れていることが理解できる。なお、実施例6は、アルカリ金属酸化物の含有量が“5重量%を超える事例”であり、この例によれば、「耐食性指数(試験1):5」を示し、耐食性が他の実施例に比し、若干低いことが認められる。この事実から、アルカリ金属酸化物の含有量は、“5重量%以下であることが好ましい”ということが理解できる。
【0044】
以上の評価結果から、本発明の使用済み廃炭素含有れんがは、従来材質と比較して、耐スポーリング性が格段に優れることから、再生炭素含有れんがの主な損傷原因である剥離損傷が改善され、安定使用が可能になる。
【0045】
本発明では、MgO−C系のみならず、Al2O3−MgO−C系、Al2O3−SiC−C系においても、上記した改良効果が発揮されていることが分かる。また、MgO−Cを含有した使用後屑を、再生Al2O3−MgO−C材質への適用も可能である。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上詳述したとおり、「使用済み廃炭素含有れんがの破砕物を少なくとも一部に含む原料混合物からなる再生炭素含有れんがであって、1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後の弾性率が30GPa以下である」ことを特徴とし、これにより、実用上剥離損傷の問題のない「再生炭素含有れんが」を提供することができる。
また、「前記原料混合物は、使用済み廃炭素含有れんがの破砕物およびアルカリ金属化合物を少なくとも一部に含むものであること」、「前記アルカリ金属化合物は、アルカリ金属酸化物換算で0.03〜5重量%含有させてなること」、「前記アルカリ金属化合物は、カリウム,ナトリウム又はリチウムを含有する水酸化塩、炭酸塩、アルミン酸塩、燐酸塩、珪酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、アルギン酸塩、塩化物、ハロゲン化物、アジ化物であること」、「前記アルカリ金属化合物は、アルコール類、グリコール類または水に可溶な化合物であること」、「前記原料混合物に、アルコール類、グリコール類または水を添加し、混練すること」および「加圧して成形すること」を特徴とし、これにより、使用済み廃炭素含有れんがをさらに効率的に活用した「再生炭素含有れんが」を得ることができ、その工業的価値は大きい。
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済み廃炭素含有れんがを再利用する再生炭素含有れんが、および、その製造方法に関し、特に、使用済み廃炭素含有れんがを有効に活用し、再利用する再生炭素含有れんが、および、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素含有れんがは、製銑,製鋼処理用容器の内張材として広く使用されている。最近では、資源リサイクルや環境負荷低減が叫ばれており、使用済み炭素含有れんがの再利用が重要な技術になりつつある。また、炉材コストの低減も重要な課題となってきている。その対策として、今までにも使用済み炭素含有れんがの再利用方法などが検討され、提案されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平8−259311号公報)に記載の先行技術は、れんがコストの削減を目的に、使用済みMgO−Cれんがの再利用に関するものである。特許文献2(特開平8−319152号公報)および特許文献3(特開平8−319154号公報)に記載の先行技術は、使用済み炭素含有れんがの処分ないし投棄に要するコストの低減を目的に、使用後れんがの有効活用に関するものである。また、特許文献4(特開平10−7453号公報)に記載の先行技術は、使用後れんがを効率的かつ経済的に活用する技術である。
これらの先行技術は、いずれも使用後れんがの有効活用に関するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−259311号公報(請求項1〜3,段落[0006]等)
【特許文献2】
特開平8−319152号公報(請求項1〜3,段落[0005]等)
【特許文献3】
特開平8−319154号公報(請求項1〜3,段落[0005]等)
【特許文献4】
特開平10−7453号公報(請求項1〜5,段落[0009]等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1〜4に記載の先行技術は、各溶炉の使用済みMgO−CやAl2O3−MgO−Cれんがを粉砕し、粒度調整を行い、再生原料として活用するものである。
しかし、これらの工程を経て得られた再生原料は、熱間で使用されていることから、骨材は焼結が進行しており、この原料を活用して作製した再生炭素含有れんがは、加熱した後に弾性率が上昇しやすい。過度にれんがの弾性率が上昇した場合、剥離損傷が発生しやすい。炭素含有れんがの損傷形態には、各溶炉により様々なものがあるが、その中でも、剥離による損傷は大きく、一旦剥離損傷が発生した際には、著しく損傷が増大する課題がある。
また、使用済み廃炭素含有れんがの使用量を多くすると、耐スポーリング性が著しく低下するため、その使用量は、制限されているのが現状であり、効率的な再利用がなされていない。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑み成されたものであって、その目的とするところは、使用済み炭素含有れんがを有効に活用するために、加熱した後の弾性率を一定値以下に設定することで、従来品(従来の再生炭素含有れんが)と比較して、耐スポーリング性を格段に改善することが可能となった再生炭素含有れんが、および、その製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る再生炭素含有れんがは、
「使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物を少なくとも一部に含む原料混合物よりなる再生炭素含有れんがであって、1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後の弾性率が30GPa以下である、再生炭素含有れんが(請求項1)。」
「前記原料混合物は、使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物およびアルカリ金属化合物を少なくとも一部に含む、請求項1に記載の再生炭素含有れんが(請求項2)。」
「前記アルカリ金属化合物は、アルカリ金属酸化物換算で、0.03〜5重量%含有している、請求項2に記載の再生炭素含有れんが(請求項3)。」
「前記アルカリ金属化合物は、カリウム,ナトリウムまたはリチウムを含有する水酸化塩、炭酸塩、アルミン酸塩、燐酸塩、珪酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、アルギン酸塩、塩化物、ハロゲン化物、アジ化物である、請求項2または請求項3に記載の再生炭素含有れんが(請求項4)。」
「前記アルカリ金属化合物は、アルコール類,グリコール類または水に可溶な化合物である、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の再生炭素含有れんが(請求項5)。」
を特徴とし、これにより、前記課題
(目的)を達成したものである。
【0008】
一方、本発明に係る再生炭素含有れんがの製造方法は、
「請求項1〜5のいずれか一項に記載の再生炭素含有れんがを製造する方法であって、請求項1〜5のいずれかに記載の原料混合物を加圧して成形する、再生炭素含有れんがの製造方法(請求項6)。」
「使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物およびアルカリ金属化合物を少なくともも含む原料混合物に、アルコール類,グリコール類または水を添加し、混練した後、加圧して成形する、請求項6に記載の再生炭素含有れんがの製造方法(請求項7)。」
を特徴とし、これにより、前記課題
(目的)を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、その作用効果を含めて詳細に説明し、さらに本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
本発明者等は、前記課題
(目的)を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、加熱した後の弾性率を測定することで、使用済み廃炭素含有れんがを有効に活用できることを見いだした。以下、この点について詳細に説明する。
使用済み廃炭素含有れんがを再利用した再生炭素含有れんがは、前記したように、熱間で使用された骨材を使用するため、次のような問題点を生じる。即ち、使用済み廃炭素含有れんがの骨材は、焼結が進行していることから、使用後屑活用品は、未使用原料を適用した炭素含有れんがと比較して、製品段階から弾性率が高い。従って、この弾性率の高い製品(使用後屑活用品)を、高温で長時間さらされる溶炉で使用すれば、さらに弾性率が上昇し、剥離に至ると考えられる。
従来の使用後屑を30%以上適用した再生炭素含有れんがは、弾性率の上昇が大きく、特に、使用後屑を50%以上使用した際には、実機使用において剥離損傷が発生することが多い。耐用性への影響が大きいこの剥離損傷を抑制することができれば、使用後屑を有効に活用することが可能となるものである。
【0011】
本発明においては、再生炭素含有れんがを加熱した後に弾性率を測定し、30GPa以下に設定することを特徴としたものであり、それによって、以下に詳記する有効な作用が得られるものである。
使用済み廃炭素含有れんがを有効に活用するためには、損傷に大きく寄与する剥離損傷の抑制が重要である。この剥離損傷を抑制するために、1500℃還元雰囲気で3時間加熱した後の弾性率を測定した結果、弾性率が30GPa以下のものは、「溶銑浸漬法による耐スポーリング試験」において、極めて良好な結果を示し、かつ実機での耐用性も、従来とほぼ同等であることを見いだした。
即ち、使用済み廃炭素含有れんがを活用する際、今までは使用後屑の使用量において制限があったが、本発明によって“加熱した後の弾性率を30GPa以下に設定する”ことにより、耐スポーリング性の低下が抑制され、使用後屑をより有効に活用することが可能となる。
【0012】
本発明において、「使用済み廃炭素含有れんが」としては、マグカーボン(MgO−C),アルミナマグカーボン(Al2O3−MgO−C),アルミナ炭珪カーボン(Al2O3−SiC−C)などの使用済み廃炭素含有れんがを使用することができる。
また、使用後マグカーボン(MgO−C)原料を、再生Al2O3−MgO−C材質や再生Al2O3−MgO−SiC−C材質の原料としても適用可能である。
【0013】
また、本発明者等は、使用済み廃炭素含有れんがを活用し、低弾性率化を図るためには、前記再生炭素含有れんがが、“アルカリ金属化合物を含有すること”によって有効な作用効果を得ることを見いだした。以下、この点について詳細に説明する。
アルカリ金属化合物は、1000℃程度の比較的低温度領域から揮発消失する。再生炭素含有れんがに添加されたアルカリ金属化合物は、揮発消失する際、再生炭素含有れんが内に微細な空隙を形成する。れんが内に形成された空隙は、れんがの弾性率を低減させる効果が優れており、耐スポーリング性の向上に有効である。また、アルカリ金属化合物は、比較的低温度から揮発消失するため、低融点物質の形成による耐食性の低下がない。従って、再生炭素含有れんががアルカリ金属化合物を含有することによって、耐食性および耐スポーリング性に優れた“再生炭素含有れんが”が得られるものである。さらに、本発明により、使用後屑の使用比率を増加させることができ、そのため、より有効に資源リサイクルや環境負荷低減が図れるものである。
【0014】
本発明において、前記再生炭素含有れんがが、アルカリ金属化合物をアルカリ金属酸化物換算で0.03〜5重量%(より好ましくは0.05〜3重量%)含有することが好ましく、これによって、上記した有効な作用効果が得られるものである。その含有量が0.03重量%未満であれば、弾性率の低減効果が少なく、5重量%を超えると、耐食性が低下するために好ましくない。
【0015】
また、本発明の「再生炭素含有れんが」では、使用後屑(使用済み廃炭素含有れんが)を使用するために、稼働面に付着したスラグが混入する可能性もある。スラグに由来するアルカリ成分は少ないが、上述したように、このスラグ中に含まれるアルカリ成分も、再生炭素含有れんがの弾性率を低減させる効果がある。
従って、本発明では、スラグ由来のアルカリ成分を、アルカリ金属酸化物換算で、0.03〜5重量%含有することで、耐スポーリング性に優れる再生炭素含有れんがが得られるものである。再生炭素含有れんが中に含まれるスラグ由来のアルカリ量が少ない場合、その不足分は、適宜アルカリ金属化合物を添加することができる。
【0016】
また、アルカリ金属化合物を含有した炭素含有れんがの使用後屑を再利用して作製した再生炭素含有れんがは、アルカリ成分が残存している場合がある。この使用後屑中に含まれるアルカリ成分も、上記した再生炭素含有れんがの弾性率を低減させる効果を有するものである。
従って、本発明では、使用後屑中に含まれるアルカリ金属化合物由来のアルカリ成分も含めて、アルカリ金属酸化物換算で0.03〜5重量%含有することで、前記課題
(目的)を達成することができる。再生炭素含有れんが中に含まれるアルカリ量が少ない場合、その不足分は、前記と同様、適宜アルカリ金属化合物を添加することができる。
【0017】
本発明に使用するアルカリ金属化合物としては、目的とする前記の作用効果が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、代表的なものとして、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化リチウムなどの水酸化アルカリ、炭酸カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸リチウムなどの炭酸アルカリ塩、アルミン酸カリウム,アルミン酸ナトリウムなどのアルミン酸アルカリ塩、燐酸カリウム,燐酸ナトリウム,燐酸リチウムなどの燐酸アルカリ塩、ケイ酸カリウム,ケイ酸ナトリウム,ケイ酸リチウムなどのケイ酸アルカリ塩や、炭酸水素アルカリ塩、硫酸アルカリ塩、アルギン酸アルカリ塩、塩化ナトリウム,フッ化リチウムなどのハロゲン化物、アジ化物などを挙げることができる。
【0018】
また、樹脂の溶剤であるアルコール類,グリコール類,グリセリン、あるいは、水に可溶な粉末状のアルカリ金属化合物は、混合,混練操作中に溶解することによって、より一層アルカリ金属化合物を均一に分散させることができるため、効果的である。また、アルカリ金属化合物と同時に、アルコール類,グルコール類,グリセリン、あるいは、水を加えて混練する、あるいは、アルカリ金属化合物を液状で用いることは、高い分散性及び焼結抑制効果が得られるため、より望ましい。
【0019】
本発明に係る再生炭素含有れんがの製造方法は、使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物,耐火性原料,炭素質原料,必要に応じてアルカリ金属化合物や酸化防止剤を含有した原料混合物にバインダーを加えて混合,混練を行い、得られた杯土を加圧成形機によって加圧成形し、製造するものである。
以下、この製造方法について具体的に説明するが、本発明は、以下の詳細な説明により限定されるものではない。
【0020】
本発明に使用する使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物としては、溶銑や溶鋼処理用容器等で使用された炭素を含有しているれんがであれば、適用が可能である。これらの溶炉で使用された使用済み廃炭素含有れんがを回収し、ジョークラッシャーなどの粉砕機を用いて粉砕した後、粉砕物を3〜1mm,1mm以下の粒度に篩い分けを行う。また、更に微粉が必要な場合には、必要に応じて0.3mm以下に篩い分けを行い、使用済み原料として活用することができる。
【0021】
溶鋼処理用容器に使用されるマグカーボン系の再生炭素含有れんがは、主に粉砕物を3〜1mm,1mm以下の粒度に篩い分けした原料を活用することで、従来と遜色ない見掛気孔率やかさ比重などの物性値が得られるものである。
溶銑処理用容器に使用されるアルミナ炭珪カーボン系の再生炭素含有れんがでは、溶銑が再生炭素含有れんが稼働面から浸透することで、損傷が増大する場合がある。溶銑の浸透を防止するためには、より細かい粒度の骨材が必要になることがあり、その場合には、0.3mm以下に篩い分けした原料を活用することで防止することが可能になる。本発明では、粒度の調整ができた原料を使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物とするものである。
【0022】
本発明で使用する耐火性原料としては、アルミナ,スピネル,マグネシア,カルシア,ドロマイト,シリカ,クロミア,ジルコニア等の酸化物や、それらの複合酸化物、または、炭化珪素,窒化珪素,酸窒化珪素,酸窒化アルミニウム,窒化硼素,炭化硼素,硼化ジルコニウム等の一般に使用される耐火性原料、あるいは、それらの焼結原料,電融原料を任意に使用することができる。
【0023】
また、本発明に使用できる炭素質原料としては、特に限定されないが、一般に使用されるものとして、鱗状黒鉛,土状黒鉛などの天然黒鉛やコークスなどの人造黒鉛、電極屑、炭素繊維、熱分解炭素などを挙げることができる。使用済み廃炭素含有れんが由来の炭素含有量が少ない場合には、上記した炭素質原料を適宜使用することができる。
【0024】
本発明では、耐酸化性向上および強度向上を目的に、必要に応じて金属を添加してもよい。本発明で使用できる金属としては、シリコン,アルミニウム,マグネシウム,チタン,クロム,ジルコニウム等、あるいは、それらの合金や混合物を挙げることができる。
【0025】
本発明の再生炭素含有れんがに使用するバインダーとしては、特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂,フラン樹脂,エポキシ樹脂等の樹脂類、ピッチやタール等の芳香族系有機高分子化合物、ステアリン,パルチミン酸などのグリセリド、脂肪,脂肪油などの脂肪族誘導体、ソルビトール,マンニトールなどの6価ポリオール、マルトース,トレハロース,アミロースなどの糖類やその加水分解物、あるいは、糊剤,パルプ廃液,廃糖蜜などを使用することができる。また、アルカリ金属化合物も、混合効果のあるものはバインダーとして活用することができる。
これらのバインダーの添加量も、特に限定されるものではなく、1〜5重量%の範囲内とすることが好ましい。
【0026】
ここで、本発明に係る“再生炭素含有れんがの製造方法”の具体例を挙げ、本発明について更に詳細に説明する。
【0027】
前記した使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物,耐火性原料,炭素質原料,必要に応じてアルカリ金属化合物や酸化防止剤を含有する配合混合物にバインダーを加え、ウェットパンミキサーで約50分間混練した。(なお、混練機には、ウェットパンミキサー以外にも、ハイスピードミキサーやアイリッヒミキサーなども使用することが可能である。)
混練した後、練り土は、バインダーと骨材とのなじみを促進させるために、1日保管した。その後、杯土は、十分に緻密なれんが組織を得るために、フリクション型の真空プレスを用いて、大気圧未満に減圧した状態で、加圧成形(加圧:500t,成形打回数:10回)した。この成形体を250℃で12時間加熱処理を行い、製品(再生炭素含有れんが)とした。
【0028】
上記具体例では、加圧成形条件として「加圧(成形圧):500t,成形打回数:10回」としたが、本発明は、これに限定されるものではない。
即ち、成形圧は、目標とするかさ比重により調整することが可能であるが、本発明では、50t以上で5000t未満であることが望ましい。5000t以上の過度に成形圧を高くした場合には、高い充填性を有する炭素含有れんがが製造できるものの、骨材が破砕することがあり、実機使用において著しく耐用性が悪化することがあるために好ましくない。一方、成形圧力が50t未満の低い場合には、充填性が低いものになり、弾性率は低いものが出来るものの、耐食性が著しく悪化するため好ましくない。
成形打回数も、目標とするかさ比重により調整することが可能であり、3回以上で30回未満が望ましい。成形回数が3回未満であれば、充填性不足により耐食性が悪化するために望ましくなく、30回以上であれば、骨材の破砕が発生することがあり、また、生産性の低下ならびに成形機の修理頻度が増加するために好ましくない。なお、加圧成形機としては、緻密な組織を得る観点から、フリクション式プレス,油圧式プレス,ラバープレスなどを用いることが望ましい。
【0029】
また、成形時の雰囲気ガスは、特に限定されるものではなく、大気圧下での成形も可能であるが、緻密な組織を得るためには、雰囲気ガス圧力を大気圧未満に減圧した状態で、杯土を加圧成形することがより望ましい。
前記した本発明の具体例では、大気圧未満に減圧した状態で加圧成形を実施した。そして、前記したとおり、加圧成形した後、得られた成形体は250℃で12時間加熱処理を行い、製品とした。
【0030】
本発明では、得られた製品について、1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後の弾性率を測定し、30GPa以下であるものを製品とするものである。
焼成した後の製品の弾性率が30GPa以上であった場合には、その配合で製造したロット品は、再生炭素含有れんがを粉砕して、再度再生炭素含有れんが用の原料として再活用することが可能である。
【0031】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明について具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例1〜9によって限定されるものではない。
【0032】
(実施例1〜9,比較例1〜3)
表1に示す配合成分を、同じく表1に示す比率(重量%)で配合した。この配合混合物をウェットパンで約50分間混練した。次に、緻密な組織を得るために、フリクション型の真空プレスを用いて加圧成形し(加圧:500t,成形打回数:10回)、その後、250℃で12時間熱処理して供試サンプルとした。
なお、実施例1〜9は定形れんがであり、比較例1,2も定形れんがであるが、比較例3は不定形品である。
【0033】
【表1】
【0034】
表1中に示す「マグカーボン使用後粉砕物」「アルミナマグカーボン使用後粉砕物」「アルミナ炭珪カーボン使用後粉砕物」の各使用後粉砕物は、次のものを使用した。
【0035】
「マグカーボン使用後粉砕物」
マグネシア85重量%,炭素原料15重量%からなる耐火性原料混合物(必要に応じて酸化防止剤を外掛けで添加した原料混合物)にフェノール樹脂を配合し、混練した後、成形,乾燥して“マグカーボンれんが”を作製した。
得られた“マグカーボンれんが”を溶鋼処理用容器の内張り材として使用した後、使用済み廃炭素含有れんがとして回収し、この回収れんがをジョークラッシャーで粉砕し、該粉砕物を3〜1mm,1mm以下の粒度に篩い分けし、適度な粒度配合になるように調整したもの(3〜1mm:75重量%,1mm以下:25重量%)を、「マグカーボン使用後粉砕物」として使用した。
【0036】
「アルミナマグカーボン使用後粉砕物」
アルミナ80重量%,マグネシア10重量%,炭素原料10重量%からなる耐火性原料混合物(必要に応じて酸化防止剤を外掛けで添加した原料混合物)にフェノール樹脂を配合し、混練した後、成形,乾燥して“アルミナマグカーボンれんが”を作製した。
得られた“アルミナマグカーボンれんが”を溶鋼処理用容器の内張り材として使用した後、使用済み廃炭素含有れんがとして回収し、この回収れんがをジョークラッシャーで粉砕し、該粉砕物を3〜1mm,1mm以下の粒度に篩い分けし、適度な粒度配合になるように調整したもの(3〜1mm:60重量%,1mm以下:40重量%)を、「アルミナマグカーボン使用後粉砕物」として使用した。
【0037】
「アルミナ炭珪カーボン使用後粉砕物」
アルミナ85重量%,炭化珪素5重量%,炭素原料10重量%からなる耐火性原料混合物(必要に応じて酸化防止剤を外掛けで添加した原料混合物)にフェノール樹脂を配合し、混練した後、成形,乾燥して“アルミナ炭珪カーボンれんが”を作製した。
得られた“アルミナ炭珪カーボンれんが”を溶銑処理用容器の内張り材として使用した後、使用済み廃炭素含有れんがとして回収し、この回収れんがをジョークラッシャーで粉砕し、該粉砕物を3〜1mm,1mm未満〜0.3mm,0.3mm未満以下の粒度に飾い分けし、適度な粒度配合になるように調整したもの(3〜1mm:60重量%,1mm未満〜0.3mm:25重量%,0.3mm未満以下:15重量%)を、「アルミナ炭珪カーボン使用後粉砕物」として使用した。
【0038】
作製した各供試サンプルの物理特性値(見掛気孔率,かさ比重,圧縮強さ,加熱した後の弾性率)を測定した。各測定値を表1に示す。なお、弾性率については、各供試サンプルを1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後、常温の動弾性率を測定した。測定装置は、「L.W.LEMMENS−ELEKTONIKA製グラインドソニックMK3−S型又はこれに相当する装置」を用いた。
【0039】
また、次に示す「耐スポーリング試験」、「耐食性試験」を行い、各供試サンプルの耐スポーリング性,耐食性について評価した。さらに、各供試サンプルを実機にて評価した。これらの評価結果を、同じく表1に示す。
【0040】
「耐スポーリング試験」
耐スポーリング性は、「溶銑浸漬法によるスポーリング試験」の結果をもとに判定した。溶銑浸漬法は、銑鉄を高周波誘導炉で溶解して1650℃に保持したものを用い、角柱状に加工した試料を溶銑に浸漬して熱衝撃を与える方法である。耐スポーリング性の評価は、得られた試料の切断面を観察して、亀裂の発生状況から、耐スポーリング性を10段階の評価指数で表示した。評価指数は数字の大きい方が良好である。
【0041】
「耐食性試験」
耐食性試験は、酸素プロパン加熱の回転ドラムを使用し、それぞれ5時間実施した。「試験1」では、侵食剤としてCaO=50%,SiO2=30%,Al2O3=15%,Fe2O3=5%の合成スラグを用い、1700℃で実施した。「試験2」では、侵食剤に高炉スラグを用い、1600℃で実施した。
耐食性の評価は、耐食性試験後の試料の切断面写真から侵食量を測定して判断したものであり、10段階の評価指数で表示した。評価指数は数字の大きい方が良好である。
【0042】
「実機での耐用性指数」
実機での耐用性指数は、各材質の実機への適用結果から判断したものであり、10段階の評価指数で表示した。この評価指数も、数字の大きい方が良好であることを示す。
【0043】
表1に記載する結果から、次のことが理解できる。
すなわち、比較例1(使用後粉砕物を配合しない比較品)と比較例2(従来の使用後屑活用品に相当する比較品)とを比較すると、従来の使用後屑活用品(比較例2)は、耐スポーリング性が著しく悪化しており、実機での耐用性も大きく悪化している。
一方、実施例1〜3(本発明品)では、比較例1(使用後粉砕物を配合しない比較品)と比較した場合、耐食性は若干悪化しているものの、優れた耐スポーリング性を維持しており、また、実機でも、ほぼ同等の耐用性を有している。また、実施例1〜3は、比較例2(従来の使用後屑活用品に相当する比較品)と比較した場合、耐スポーリング性が格段に優れており、かつ、実機での耐用性にも優れるものである。その上、実施例3で理解できるように、アルカリ金属化合物を併用することで、マグカーボン使用後粉砕物90%までの適用が可能になっている。実施例4〜9においても、実施例1〜3と同様、耐食性,耐スポーリング性に優れており、実機での耐用性も優れていることが理解できる。なお、実施例6は、アルカリ金属酸化物の含有量が“5重量%を超える事例”であり、この例によれば、「耐食性指数(試験1):5」を示し、耐食性が他の実施例に比し、若干低いことが認められる。この事実から、アルカリ金属酸化物の含有量は、“5重量%以下であることが好ましい”ということが理解できる。
【0044】
以上の評価結果から、本発明の使用済み廃炭素含有れんがは、従来材質と比較して、耐スポーリング性が格段に優れることから、再生炭素含有れんがの主な損傷原因である剥離損傷が改善され、安定使用が可能になる。
【0045】
本発明では、MgO−C系のみならず、Al2O3−MgO−C系、Al2O3−SiC−C系においても、上記した改良効果が発揮されていることが分かる。また、MgO−Cを含有した使用後屑を、再生Al2O3−MgO−C材質への適用も可能である。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上詳述したとおり、「使用済み廃炭素含有れんがの破砕物を少なくとも一部に含む原料混合物からなる再生炭素含有れんがであって、1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後の弾性率が30GPa以下である」ことを特徴とし、これにより、実用上剥離損傷の問題のない「再生炭素含有れんが」を提供することができる。
また、「前記原料混合物は、使用済み廃炭素含有れんがの破砕物およびアルカリ金属化合物を少なくとも一部に含むものであること」、「前記アルカリ金属化合物は、アルカリ金属酸化物換算で0.03〜5重量%含有させてなること」、「前記アルカリ金属化合物は、カリウム,ナトリウム又はリチウムを含有する水酸化塩、炭酸塩、アルミン酸塩、燐酸塩、珪酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、アルギン酸塩、塩化物、ハロゲン化物、アジ化物であること」、「前記アルカリ金属化合物は、アルコール類、グリコール類または水に可溶な化合物であること」、「前記原料混合物に、アルコール類、グリコール類または水を添加し、混練すること」および「加圧して成形すること」を特徴とし、これにより、使用済み廃炭素含有れんがをさらに効率的に活用した「再生炭素含有れんが」を得ることができ、その工業的価値は大きい。
Claims (7)
- 使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物を少なくとも一部に含む原料混合物よりなる再生炭素含有れんがであって、1500℃,3時間還元雰囲気で加熱した後の弾性率が30GPa以下であることを特徴とする再生炭素含有れんが。
- 前記原料混合物は、使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物およびアルカリ金属化合物を少なくとも一部に含むものである、請求項1に記載の再生炭素含有れんが。
- 前記アルカリ金属化合物は、アルカリ金属酸化物換算で、0.03〜5重量%含有している、請求項2に記載の再生炭素含有れんが。
- 前記アルカリ金属化合物は、カリウム,ナトリウムまたはリチウムを含有する水酸化塩、炭酸塩、アルミン酸塩、燐酸塩、珪酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、アルギン酸塩、塩化物、ハロゲン化物、アジ化物である、請求項2または請求項3に記載の再生炭素含有れんが。
- 前記アルカリ金属化合物は、アルコール類,グリコール類または水に可溶な化合物である、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の再生炭素含有れんが。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の再生炭素含有れんがを製造する方法であって、請求項1〜5のいずれかに記載の原料混合物を加圧して成形することを特徴とする再生炭素含有れんがの製造方法。
- 使用済み廃炭素含有れんがの粉砕物およびアルカリ金属化合物を少なくとも含む原料混合物に、アルコール類,グリコール類または水を添加し、混練した後、加圧して成形する、請求項6に記載の再生炭素含有れんがの製造方法。
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KR101236301B1 (ko) | 2006-12-19 | 2013-02-22 | 재단법인 포항산업과학연구원 | 탄소함유 내화물용 산화방지 조성물 및 이를 사용하여탄소함유 내화물의 초기 산화를 억제하는 방법 |
CN112624773A (zh) * | 2020-10-26 | 2021-04-09 | 郑州金泰科技特种耐火材料有限公司 | 一种铝碳化硅碳砖及其制备方法 |
JP2022543756A (ja) * | 2019-08-05 | 2022-10-14 | リフラクトリー・インテレクチュアル・プロパティー・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コ・カーゲー | マグネシア-カーボン製品の処理方法 |
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2003
- 2003-04-08 JP JP2003104542A patent/JP2004307287A/ja active Pending
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