JP5967160B2 - 減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物 - Google Patents

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Description

本発明は、二次精錬設備用内張り耐火物に関し、特に、DH法、RH法、VOD法などに用いられる真空脱ガス槽のような減圧を伴う二次精錬設備の内張りに適したスピネル−カーボン質煉瓦に関するものである。
製鋼過程における二次精錬、例えばDH法、RH法のような真空脱ガス法、取鍋を用いたLF法やVOD法のような取鍋精錬法は、鋼の高品質化には欠かせない工程であるが、これらの精錬処理は、耐火物への負荷が大きく、耐火物損傷を著しく増大させるため、耐用性に優れた材料の供給が望まれてきた。従来、二次精錬における耐火物の損傷の主因はスラグによる溶損であると考えられ、耐食性の優れるマグネシア−クロム煉瓦が使用されてきた。しかし、マグネシア−クロム煉瓦は耐熱衝撃性に劣り、特に、スラグ浸潤による構造スポーリングが起こりやすく、温度変化の大きいところでは寿命が著しく低下するという問題点があった。また、マグネシア−クロム煉瓦は、使用後6価クロムが生成するなどの環境問題を抱えていた。
このようなマグネシア−クロム煉瓦に対し、転炉などに使用されてきたマグネシア−カーボン煉瓦を二次精錬用耐火物として使用とする試みも合わせて行われてきた。マグネシア−カーボン煉瓦は、耐食性と耐スポーリング性に優れ、スラグ浸潤を起こさないという特徴を有し、バランスに優れた材料である。しかしながら、二次精錬用煉瓦としてのマグネシア−カーボン煉瓦の耐用は頭打ちとなり、更なる耐用性が求められてきた。
マグネシア−カーボン煉瓦の耐用においても、スラグによる溶損が損傷の主因であると考えられており、また、併せて高温において、マグネシア−カーボン反応が起こるものと考えられてきた。しかし、上記反応の影響は限定的と考えられている。マグネシア−カーボン反応とは、高温下、特に、1650℃以上程度の高温においては骨材のマグネシアとカーボンが(1)式に従って反応するものである。
MgO(固体)+C(固体)→Mg(ガス)+CO(ガス) (1)
このマグネシア−カーボン反応は、高温ほど起こりやすいことはいうまでもないが、処理中に脱ガス、脱炭のために減圧を伴うDH法、RH法、VOD法などでは、生成したMg(ガス)やCOガスが真空引きによって系外に取り出されるため、(1)の反応は進みやすいと考えられる。このため、耐用性が向上しない一つの理由は、スラグに対する耐食性と共にマグネシア−カーボン反応にあると考えられた。
このようなマグネシア−カーボン反応を抑制するために、いくつかの手法が提案されている。例えば、特許文献1には、重量比でMgO/Al=75/25〜28/72の組成を有するスピネル質の溶融骨材が65〜95重量%、カーボンまたはカーボン含有物質がCで換算して35〜5重量%の配合割合で共存してなるスピネル−カーボン系煉瓦が開示されている。また、特許文献1には、スピネル質骨材として、焼成によって得られたスピネルは不適で、電融など原料を溶融して再固化することによって得られたスピネルでなければならないことや、スピネル質骨材のMgO:Al質量比において、MgOが減少してAlが増加すると、耐スラグ耐蝕性が低下し、更に、理論組成以上にAlが増加すると、Alが遊離して存在し、耐蝕性が急激に低下することが開示されている。
また、特許文献2には、カーボンを除く骨材の90重量%以上がマグネシアとAl・MgO系スピネルからなり、カーボンの含有量が5〜25重量%の焼成あるいは不焼成のマグネシア−スピネル−カーボン煉瓦またはスピネル−マグネシア−カーボン煉瓦よりなる直流電気炉炉底用又は取鍋側壁用耐火物が開示されている。特許文献2によれば、マグネシア−カーボン反応を抑制するために、スピネルを添加することが好ましいとしているが、特許文献2の実施例では、マグネシア不含のスピネル−カーボン質煉瓦が従来品として開示されており、RH下部槽側壁に使用しても、耐食性に劣ることが示されている。
更に、特許文献3には、(A)組成が、MgO94重量%以上、Al0.2〜5重量%、及びその他の成分が1.0重量%以下であり、(B)嵩密度が3.3g/cm以上、見掛け気孔率が3%以下であり、(C)1600℃の温度において、上記成分のAlのうち30重量%以上が、マグネシア結晶の格子中に固溶していることを特徴とする耐還元性マグネシアクリンカー(請求項1);灼熱基準の組成がMgO98.9重量%以上、及びその他の不純物成分1.1重量%以下の組成を有する水酸化マグネシウムあるいは軽焼マグネシアに対して、平均粒径が20μm以下のAlあるいは熱分解してAlとなるアルミニウム化合物を添加混合した後、焼成することを特徴とする耐還元性マグネシアクリンカーの製造方法(請求項2)が開示されている。
特開昭54−125209号公報 特開2002−80272号公報 特許第2985106号明細書
しかしながら、特許文献1のスピネル−カーボン系煉瓦は、電気炉の内張り耐火物としての特性しか検討されておらず、DH法、RH法、VOD法などで使用される真空脱ガス槽のような減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物としての使用する際の減圧下におけるマグネシア−カーボン反応の寄与や二次精錬容器で生成するスラグの影響などは全く考慮されておらず、二次精錬設備用内張り耐火物としての使用を開示するものではない。また、特許文献2に開示されている焼成あるいは不焼成のマグネシア−スピネル−カーボン煉瓦またはスピネル−マグネシア−カーボン煉瓦を、減圧を伴う二次精錬設備の内張り耐火物として使用しても良好な結果は得られなかった。更に、特許文献3では、マグネシア−カーボン反応を抑制するために、マグネシアクリンカーの粒界にAlを固溶させたマグネシアクリンカーを開示しているが、このマグネシクリンカーを使用したマグネシア−カーボン煉瓦を、減圧を伴う二次精錬設備の内張り耐火物に適用しても、良好な結果は得られなかった。
従って、精錬処理中に脱ガス、脱炭のために減圧するDH法、RH法、VOD法などに使用される真空脱ガス槽のような減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物として更なる耐用性の優れた耐火物が求められているのが現状である。
従って、本発明の目的は、精錬処理中に脱ガス、脱炭のために減圧されるDH法、RH法、VOD法などに使用される真空脱ガス槽のような減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物として耐用性の優れる材質を提供することにある。
本発明者らは、精錬処理中に脱ガス、脱炭のために減圧されるDH法、RH法、VOD法などに使用される真空脱ガス槽のような減圧を伴う二次精錬設備に現在使用されているマグネシア−カーボン煉瓦の損傷状況を検討するために、RH法脱ガス下部槽で使用されたマグネシア−カーボン煉瓦の損傷状況を調査し、以下の知見を新たに得た。
マグネシア−カーボン煉瓦の稼働面には10〜20mm程度の脱炭層が生じており、脱炭層の一部、あるいは全体にスラグの浸潤が認められた。この浸潤層は稼働中の温度変化によって構造スポーリングを起こし損傷量を著しく増加させている。脱炭層内の微組織を観察すると組織中のカーボンが消失しているだけではなく、スラグ浸潤の起こっていない部位でもマグネシアの劈開面が鋸歯状に損傷している様子が確認された。そこで、当該マグネシア−カーボン煉瓦と同一ロットの未使用煉瓦を大気雰囲気中で加熱し、十分に酸化、脱炭させた試験片と、使用後マグネシア−カーボン煉瓦の脱炭層の物性を比較したところ、後者の気孔率が著しく高いことが判明した。これまで、稼働面の脱炭層は槽内の混入酸素、あるいはトップランスから吹きこまれた酸素による気相酸化だと考えられてきたが、上記のことからマグネシア−カーボン反応でマグネシアとカーボンが反応・消失したことにより脱炭・脆化の進んだ部位であることが分かった。また、上記したように、この脱炭層は高気孔率化による溶損助長だけでなく、構造スポーリングによる剥離を引き起こすため、マグネシア−カーボン煉瓦の耐用を大きく損なう重要なものである。つまりRH法脱ガス下部槽におけるマグネシア−カーボン煉瓦の損傷には、マグネシア−カーボン反応が大きく影響している。
マグネシア−カーボン反応を抑制するためには、一酸化炭素分圧[p(CO)]及びマグネシウムの蒸気圧[p(Mg)]を高く保つか、マグネシアの活量を低くすることが有効である。これらのうちp(CO)、p(Mg)は、COガスやMgガスが操業中の減圧により系外に排出されるため、減圧を伴う二次精錬設備においては高く保つことは実質的に不可能である。そのためマグネシアの活量を低減するための手法を検討した。検討に当たっては、特許文献1〜3を参考にした。特許文献1〜3は、化学組成としてはMgO、Alを含み、それらとカーボンを複合化させた煉瓦である。そこで、MgO−Al系においてマグネシアの活量を低減する方法を検討した。マグネシア(MgO)は、鉱物相としてはペリクレースとして存在し、ペリクレースにはAlが固溶でき、固溶量は最大量で約20質量%に達する。また、MgOとAlの化合物としてスピネル(MgAl)が存在する。スピネルはMgOを固溶することができ、最大の固溶量は約10質量%であり、マグネシアが固溶したスピネルをマグネシアリッチスピネルと称する。また、スピネルはAlを固溶することもでき、その最大の固溶量はMgO/Alが質量%で約7/93の値である。
これを基に、次の(1)〜(4)を検討した:
(1)ペリクレースの含有量を低減させる;
(2)ペリクレースにAlを固溶させる;
(3)スピネル固溶体を用いる;
(4)スピネル固溶体においてMgO含有量をより低下させる。
これらのうち、特許文献1は、所定の組成の電融品を粉砕した原料を用いているので、組成によって(1)〜(3)が存在するが、前述のような減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物としての使用は開示するものではない。特許文献2は、(1)の手法を採用しているが、この手法では、マグネシア−カーボン反応におけるマグネシアの活量には大きな変化はなく、反応を抑制できなかった。また、特許文献3は、(2)の手法を用いたものであるが、マグネシアの活量の低下は十分とはいえなかった。つまり、(1)と(2)の手法では、不充分であり、(3)〜(4)の手法が有効であると考えられた。
そこで、より積極的に(3)及び(4)の手法を採用してみたところ、マグネシア−カーボン反応抑制に著しい効果が得られることが分かった。
スピネル固溶体は、マグネシアと同様にカーボンとの共存下において含有するMgO成分の揮発が生じる。MgOの揮発は粒子の表面から徐々に進行するが、Al成分はそのまま残存してAl質保護層となり、MgO成分の継続的な揮発をさらに阻害する。このように、スピネル固溶体を骨材として使用することは、単にマグネシアの活量を低下させるだけではなく、MgO成分の揮発に対する保護層を形成するという効果を併せ持つことで、MgO成分の揮発をより効果的に抑制することが可能となることが分かった。
また、調査の過程で、減圧処理温度、減圧処理時間が同様であっても、RH槽によって損傷量に違いがあることを見出した。この違いは形成されるスラグの組成によって影響されるものと考えた。一般に耐火物骨材のスラグに対する耐食性はスラグ組成によって異なる。特許文献1では、スラグに対する耐食性の評価は行われていない。また、特許文献2では、転炉スラグに類似したCaO52質量%、SiO28質量%、FeO20質量%のスラグを用いた侵食試験で耐食性評価を行っている。このような転炉スラグを用いる理由は、溶鋼取鍋中には転炉スラグが保持され、そのスラグをRH法などの二次精錬装置が吸い込むため、転炉スラグを用いて耐食性試験をしてきたためである。また、特許文献2の実施例においては、比較例としてカーボンを5質量%含むスピネル−カーボン煉瓦をRH下部槽の側壁に使用した場合、損耗指数がマグネシア−カーボン煉瓦並びにマグネシア−スピネル−カーボン煉瓦に比べて若干劣るとしている。
しかしながら、本発明者らは、転炉スラグを用いて侵食試験を行うことについて疑問を持ち、RH法、VOD法の使用後煉瓦の調査や操業中の処理材使用量を基に炉内で発生するスラグの組成を推計したところ、従来の知見とは異なる低塩基度(CaO/SiO質量比)、高Al含有スラグとなる場合があることを見出した。また、そのような条件下でRH下部槽で使用したマグネシア−カーボン煉瓦の使用後解析を行ったところ、脱炭層に浸潤したスラグの組成は、低塩基度、高Al含有スラグであることを見出した。低塩基度、高Al含有スラグとなる理由は、RH法やVOD法では、金属Siや金属Alを投入することで、多量のSiOやAlが生成することによるものである。
そこで、低塩基度、高Al含有スラグに対する耐食性を調査した。マグネシア−カーボン煉瓦とスピネル−カーボン煉瓦の耐食性を評価すると、転炉スラグと類似する高塩基度、低Al含有スラグに対する耐食性はマグネシア−カーボン煉瓦が優れるが、低塩基度、高Al含有スラグに対する耐食性は、マグネシア−カーボン煉瓦よりスピネル−カーボン煉瓦の方が優れることを見出した。なお、前述の特許文献2において、スピネル−カーボン煉瓦をRH下部槽に使用した場合に耐用性に劣る結果となっていたのは、転炉スラグに近い低Al含有スラグが存在するような条件下での実験結果であると推定される。
これらの知見により、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、8〜1mm超のスピネル粒子の配合量が20〜70質量%、1〜0.3mmのスピネル粒子の配合量が30〜50質量%、0.3mm未満のスピネル粒子の配合量が30質量%以下の範囲内にあり、その合計量が75〜99.5質量%及びカーボン0.5〜25質量%を含有するスピネル−カーボン質煉瓦からなることを特徴とする、減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物に係るものである。
また、本発明の減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物は、二次精錬処理後の取鍋スラグの組成が、塩基度(CaO/SiO質量比)0.5〜3.0、Al含量20〜40質量%となる条件下で操業される二次精錬設備に使用されることを特徴とする。
また、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物は、スピネルの0.3mm未満の粒子として0.01mm以下のスピネル微粉を30質量%以下の量で使用することを特徴とする。
更に、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物は、スピネル微粉を5〜25質量%の量で使用することを特徴とする。
また、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物は、スピネルが理論組成を有するスピネルまたはアルミナリッチスピネルであることを特徴とする。
更に、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物は、アルミナリッチスピネルのMgO含有量が7質量%以上28.3質量%未満、Al含有量が71.7質量%を超え93質量%以下の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明の減圧を伴う二次精錬設備の内張りライニング構造は、二次精錬設備の少なくともスラグライン部、湯面近傍に、上記減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物を配設してなることを特徴とする。
本発明の減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物により、高温、減圧下で起こるマグネシア−カーボン反応によって大きく損傷することがあったマグネシア−カーボン煉瓦に代えて、これらの条件下において安定で且つ優れた耐食性や耐スラグ浸潤性、耐スポーリング性を兼ね備えた耐火物を得ることができ、当該二次精錬設備用内張り耐火物の高耐用化を達成することができる。
本発明の減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物(以下、単に「二次精錬設備用内張り耐火物」と記載する)は、スピネルとカーボンを主体としたスピネル−カーボン質煉瓦である。ここで、スピネル−カーボン質煉瓦のスピネルとカーボンの質量比は、スピネルが75〜99.5質量%、好ましくは80〜99質量%、カーボンが0.5〜25質量%、好ましくは1〜20質量%の範囲内である。なお、カーボンの割合が、0.5質量%未満になると、スラグ浸潤や熱スポーリングが顕著となるので好ましくない。また、カーボンの割合が25質量%を超えると、耐食性に劣り、また、溶鋼と接触した際の溶鋼へのカーボンピックアップの影響も顕著となり、製品歩留まりの悪化を招くために好ましくない。
ここで、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物に使用されるスピネルは、AlとMgOを主体とし、AlとMgOを合量で95質量%以上含むものである。スピネルの理論組成は、質量%で、Al:MgO=71.7:28.3であるが、種々の組成のものがあり、前述のように理論組成よりAlを多く含むものはアルミナリッチスピネル、MgOを多く含むものはマグネシアリッチスピネルと呼ばれる。本発明に用いられるスピネルは、スピネル固溶体を用いてマグネシアの活量を低くするという目的から、理論組成スピネル、アルミナリッチスピネル、マグネシアリッチスピネルのいずれをも使用することができる。なお、理論組成スピネル、アルミナリッチスピネル、マグネシアリッチスピネルは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ここで、マグネシアリッチスピネルのMgO含有量は理論組成から40質量%までが好ましい。MgO量が40質量%を超えると、脱ガス操業時のマグネシア−カーボン反応が大きくなり、また、低塩基度、高Al含有スラグに対する耐食性に劣るようになるために好ましくない。より好ましくは、MgO含有量は36質量%以下である。
また、アルミナリッチスピネルのMgO含有量は、7質量%から理論組成(28.3質量%)までであることが好ましい。MgO含有量が7質量%未満であると、上記低塩基度、高Al含有スラグに対する耐食性が劣るようになるために好ましくない。より好ましくは、MgO含有量は10質量%以上である。
なお、マグネシアの活量に関しては、マグネシアリッチスピネル、理論組成スピネル、アルミナリッチスピネルの順に小さくなる。このため、マグネシア−カーボン反応をより抑制するためには、理論組成スピネルあるいはアルミナリッチスピネルを用いることが好ましい。
なお、スピネルの不可避不純物は、少ないほど好ましいが、不可避不純物は、合量で5質量%、好ましくは4.5質量%まで許容し得る。不可避不純物として、一般にCaOやSiO、NaO、Feなどが含まれる傾向にあるが、Crは、カーボン共存下で容易に還元、揮発するため、1質量%を超えてはならない。
本発明に用いられるスピネルの製法は、焼結、電融の別を問わず、前述の組成を満たすものであれば限定されるものではない。例えば、天然に産する尖晶石や合金鉄製造の際に発生するスラグも活用でき、これらのうち1種あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。本発明に使用するスピネルは、緻密であるほど高耐食性を示すため、電融品の方が高耐食性を示す傾向にあるが、コスト面では高価となる。そのため、激食部の内張り耐火物には、電融スピネルを用いたスピネル−カーボン質煉瓦を、非激食部には、焼結スピネルやその他のスピネルを用いたスピネル−カーボン質煉瓦を適用するといったライニングも可能である。
また、本発明に使用されるスピネルの粒度構成は、8〜1mm超の粒子が20〜70質量%、好ましくは25〜65質量%、1〜0.3mmの粒子が30〜50質量%、好ましくは35〜45質量%、0.3mm未満の粒子が30質量%以下、好ましくは25質量%以下とすることが望ましい。
本発明の二次精錬設備用内張り耐火物は、低塩基度、高Al含有スラグに対して優れた耐食性を有するものであるが、耐火物組織の緻密化することにより更に耐食性を付与するために、0.3mm未満の粒子として、0.01mm以下に粒度調整されたスピネル微粉を使用することもできる。スピネル微粉の配合量は、30質量%以下、好ましくは5〜25質量%の範囲内である。なお、0.01mm以下のスピネル微粉が30質量%より多くなると、成形時に、面付きやラミネーションが発生したり、耐熱スポーリング性が劣るようになるため好ましくない。
次に、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物に使用されるカーボンとしては、例えば、鱗状黒鉛、土状黒鉛、カーボンブラック、無煙炭、人造黒鉛など市販されている固体状カーボンが使用可能であり、これらを単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。また、結合材として使用できるピッチやタール、フェノール樹脂やフラン樹脂、エポキシ樹脂やデキストリン等が受熱後に炭化して生じる残炭分も、カーボンとして有効である。また、煉瓦製造時には結合材として含有するものであっても、施工されて使用される際には、受熱して炭化するため、残炭分もカーボンと見なすことができる。そこで、本発明においては固体状のカーボンと、結合材由来の残炭分の合量をカーボン量とする。ここで、残炭量は、JIS K 6910(フェノール樹脂試験方法)中の固定炭素測定法に基づいて測定したものである。なお、固形状カーボンの不純成分は、Al、SiOが主体であるため、これらの成分の少ない高純度のものが耐用性に優れる傾向にある。
なお、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物に使用される結合材としては、例えば、フラン樹脂、フェノール樹脂、デキストリンやパルプ廃液に代表される受熱後に炭化してバインダーとしての機能を果たす有機バインダーが使用可能である。DH法やRH法などで使用される長尺煉瓦を製造する場合には角欠けや折損対策として補助的に粉末フェノール樹脂も併用可能である。更に、熱間特性を改善するために粉末状のピッチを添加することができる。また、珪酸ソーダや珪酸カリウム、苦汁や硫酸マグネシウムのような無機バインダーも問題なく適用できる。これらは1種あるいは2種以上を混合して使用可能であり、結合材の配合量(合量)は、外掛けで0.3〜7質量%、より望ましくは0.5〜5質量%の範囲内である。結合材の配合量が0.3質量%未満であると、原料にバインダーが十分に行き渡らず、7質量%を超えると、煉瓦成形時にラミネーションを起こし、製品歩留まりが極度に悪化するために好ましくない。
また、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物には、金属Al、金属Siなどの金属粉、Al−Mg、Fe−Siなどの合金粉、BCやBN、SiCのような非金属粉のような酸化防止材の1種または2種以上を配合することができる。酸化防止材の配合量(合量)は、外掛けで5質量%以下、好ましくは4質量%以下の範囲内である。酸化防止材の配合量が5質量%を超えると、加熱後の弾性率が高くなり、耐スポーリング性が著しく低下するために好ましくない。なお、温度変化が大きく、スピネル−カーボン質煉瓦のスポーリングが問題となる場合、酸化防止材を添加せず弾性率上昇を抑えることも可能である。
ここで、本明細書における「低塩基度、高Al含有スラグ」について説明する。減圧処理中の二次精錬スラグ、具体的には、RH脱ガス槽内、VOD槽内のスラグを直接採取して分析することは通常行われない。そこで、次善の策として、減圧を伴う二次精錬処理後の溶鋼取鍋上のスラグの成分として規定することとする。二次精錬処理後のスラグは、連続鋳造操作における取鍋内に残留するスラグと実質上同一と見なせるので、連続鋳造後に残留する取鍋スラグを分析することによって、塩基度とAl含有量を規定することができる。本明細書で規定する低塩基度、高Al含有スラグは、前記方法によって採取した減圧を伴う二次精錬処理後の取鍋スラグにおいて、塩基度が0.5〜3.0で、Al含有量が20〜40質量%の範囲内にあるものをいう。
本発明の二次精錬設備用内張り耐火物は、高温、減圧下において既存の耐火物にない特徴を発揮するため、溶鋼中に投入される金属類が酸化発熱する炉内湯面近傍から鋼浴部にかけての部位に、施工することが望ましい。例えばVOD法のスラグラインや、DH法やRH法の真空槽側壁の湯面近傍など、高温スラグによる損傷が著しい部分で使用することで大きい効果が得られる。一方で、それ以外の部位においても標準以上の耐用性を発揮することができるため、炉体全体を本発明の二次精錬設備用内張り耐火物で内張りすることも可能である。
本発明の二次精錬設備用内張り耐火物の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合された原料を一括あるいは分割して、混合機もしくは混練機により混合及び混練する。一般的に煉瓦のプレス成形の前処理工程である混練としては、容器固定型では、ローラー式のSWPやシンプソンミキサー、ブレード式のハイスピードミキサー、加圧式ハイスピードミキサーやヘンシェルミキサー、あるいは加圧ニーダーと呼ばれる混練機や、容器駆動型でローラー式のMKPやウェットパン、コナーミキサー、ブレード式のアイリッヒミキサー、ボルテックスミキサーなどの混練機が使用できる。また、これら混練機や混合機に加圧もしくは減圧、温度制御装置(加温や冷却もしくは保温)等を付ける場合もある。混合もしくは混練時間は、原料の種類、配合量、結合材の種類、温度、混合機もしくは混練機の種類や大きさによって異なるが、通常数分から数時間である。
混練物は、衝撃圧プレスであるフリクションプレス、スクリュープレスあるいはハイドロスクリュープレスなど、静圧プレスである油圧プレスやトッグルプレスなどのほか、振動プレス、CIPと呼ばれている成形機によって成形することができる。これら成形機には真空脱気装置や温度制御装置(加温や冷却もしくは保温)等を付ける場合もある。プレス成形機による成形圧力や締め回数は、成形される煉瓦の大きさ、原料の種類、配合量、結合材の種類、温度、成形機の種類や大きさによって異なるが、成形圧力は、通常0.2〜3.0トン/cmであり、締め回数は1回から数十回で成形される。
本発明の二次精錬設備用内張り耐火物は、成形後に熱処理することで施工に耐えうる強度を発現できる。およそ500℃以下の温度で加熱する場合には、熱風循環式の乾燥加熱炉を使用できるし、それ以上の温度での加熱が必要な場合には、電気加熱式、ガス加熱式、オイル加熱式などの、バッチ式単独窯、例えばシャトルキルンやカーベルキルンや、連続式のトンネル窯などが最適である。もちろん、温度が十分に調整可能で均質加熱ができる加熱炉であればどのような形式のものでも使用できる。
なお、本発明の減圧処理を行うための二次精錬設備の内張りライニング構造において、二次精錬設備用内張り耐火物から構成される煉瓦の形状は、特に限定されるものではなく、並型煉瓦のような矩形のもののほか、バチ型、扇状、セミユニバーサル形状のものなど各種のものを使用することができ、複数の形状を組み合わせることも可能である。また、縦方向の断面で見た場合には、矩形の他に、台形や異形を使用することにより、二次精錬設備のテーパー付きの缶体に対して鉄皮に沿ったライニング構造を提供することもできる。
また、本発明の減圧処理を行うための二次精錬設備の内張りライニング構造を施工するにあたり、煉瓦背面に塗布するモルタルについてはマグネシア質、アルミナ質など各種のものが使用可能である。また、煉瓦の目地は基本的に空目地で施工可能である。ただし、鉄皮の歪み等の要因により施工に難をきたす場合は煉瓦背面に塗布するモルタルと同様に、マグネシア質、アルミナ質など各種のモルタルを用いることができる。この場合、目地厚は2mm程度となることが望ましい。なお、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物から構成される煉瓦は、一般的な煉瓦と同じように人力での施工が可能である。
実施例1
以下の表1及び2に記載する配合割合にて、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物を作製した。また、表3に記載する配合割合にて、比較品の耐火物を作製した。
Figure 0005967160
Figure 0005967160
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表中:
「アルミナリッチスピネル1」は、Al:MgO質量比が93:7のもので、−0.3mm(0.3mm未満)の粒子中の0.01mm以下の微粉の割合は、10質量%である;
「アルミナリッチスピネル2」は、Al:MgO質量比が90:10のもので、−0.3mm(0.3mm未満)の粒子中の0.01mm以下の微粉の割合は、10質量%である;
「理論組成スピネル」は、Al:MgO質量比が71.7:28.3のもので、−0.3mm(0.3mm未満)の粒子中の0.01mm以下の微粉の割合は、10質量%である;
「マグネシアリッチスピネル1」は、Al:MgO質量比が64:36のもので、−0.3mm(0.3mm未満)の粒子中の0.01mm以下の微粉の割合は、10質量%である;
「マグネシアリッチスピネル2」は、Al:MgO質量比が60:40のもので、−0.3mm(0.3mm未満)の粒子中の0.01mm以下の微粉の割合は、10質量%である;
「スピネル微粉1」は、Al:MgO質量比が71.7:28.3のもので、粒径が0.01mm以下のものである;
「スピネル微粉2」は、Al:MgO質量比が90:10のもので、粒径が0.01mm以下のものである;
フェノール樹脂の1000℃還元雰囲気熱処理後に測定した残炭率は25質量%であった;
「カーボン原料の量(質量%)」は、鱗状黒鉛とフェノール樹脂の上記残炭量との和を示すものであり、その残部を「スピネル原料とマグネシア原料の量の和(質量%)」として示した。なお、残炭量は、JIS K 6910(フェノール樹脂試験方法)中の固定炭素測定法に基づいて測定したものである;
「成形」の欄は、アイリッヒミキサーを用いて混練し、230×200mmの金型を用いて油圧プレスで2.5トン/cmの圧力で成形し、成形時の状態を評価したもので、「成形体の状態」は、成形時の稜線欠けや角欠けなどの発生状況を示すものである。評価は、5段階で行い、◎は稜線欠けや角欠けが発生せず正常な成形が可能な場合を示し、○、□としたものは欠けの発生頻度や程度が許容しうるものであった、一方、稜線欠けや角欠けが多く発生したものを△とし、れんがに強度がなくハンドリングに困難をきたしたものを×と評価した。また、「面付き/ラミネーションの有無」は、発生頻度に応じて5段階で評価したものである。◎が良好であることを示し、○、□としたものはこれらの発生頻度や程度が許容しうるものであった、一方、△や×と評価したものは歩留まりが極めて悪く実際の製造には適さない。更に、「成形時の生角かさ比重(g/cc)」は、れんがの緻密さを評価したものであり、成形直後のかさ比重を測定したものである。なお、かさ比重は、煉瓦1個の質量を、その煉瓦の体積で除したものであり、数値が大きいほど緻密な煉瓦であることを意味する;
「高温加熱試験(質量減少率)」は、マグネシア−カーボン反応の程度について、雰囲気調整可能な電気炉を用いて評価したものである。本発明は、減圧を伴う二次精錬設備用の内張り耐火物として優れたものを提供することにあり、本来ならば減圧下、あるいは真空下での測定を行うべきものである。しかし、減圧ないし真空で処理するとMg(ガス)が発生し、そのガスが炉壁に金属Mgとして析出するため、処理後に炉蓋を開けて際に、空気と反応して爆発を起こす恐れがあり、危険である。そこで、それに代わる方法として本試験方法を採用した。試験温度を1800℃に設定し、Ar雰囲気とすると共に,Arを吹きこむことでp(Mg)やp(CO)を下げ、減圧下ないし真空下での処理と同様にマグネシア−カーボン反応を促進させた。マグネシア−カーボン反応は固体のマグネシアとカーボンがMgガスとCOガスとなる反応であり、反応の起こった試料は必ず質量減少を伴うため、この質量減少率を用いて評価した。数値は小さいほど反応が抑制されており、質量減少率が20質量%以上ものを不適と判断した;
「高周波侵食試験」は、煉瓦の耐食性を評価するもので、雰囲気調整機能を有する高周波誘導炉を用いた侵食試験により行った結果である。誘導加熱で溶解させた鋼の上にRH法脱ガス槽内のスラグを模した塩基度(CaO/SiO質量比)=2.8で、Alを30質量%含有するスラグを浮かべ炉壁に配した各煉瓦の侵食量を比較した。また、試験温度を1800℃に設定し、Ar雰囲気とすると共に、Arを吹きこむことでp(Mg)やp(CO)を下げ、マグネシア−カーボン反応を促進させた。試験は5時間にわたり行われた。「侵食量(mm)」は、試験前の厚みから最も煉瓦の損傷が進んだ部分の残厚を差し引くことで求めたものであり、小さいほど良好である。5mm以上侵食されたものは改善効果が薄いあるいは改善効果がないと判断した。また、「スラグ浸潤の有無」は、脱炭層へのスラグ浸潤の有無とその程度を良好なものから順番に◎、○、□、△、×の5段階で評価した。◎は脱炭層が認められないものであり、○、□は脱炭層と浸潤層の厚みの程度に応じて評価した。△と判断したものは脱炭層が厚く、脱炭層へのスラグ浸潤が顕著であり実使用時の剥離損傷が懸念される。×と判断したものはマトリックスの脆化が著しく、マトリックス分へのスラグ浸潤が極めて顕著で煉瓦としての組織がほとんど失われている様子が観察された;
「溶銑浸漬耐スポーリング試験」は、試料サイズを40×40×230mmとし、残留揮発分による爆裂防止のために、事前に還元雰囲気下において1000℃で3時間熱処理したものを供試体として使用し、試験は1700℃に昇温した溶銑に1分間浸漬後、15秒水冷することにより行われた。その後、供試体を切断し断面を観察した。亀裂が見られるものはその数と太さを測定し、その程度と量を5段階で評価した。◎のものは亀裂が全く見られなかった試料であり、亀裂の幅が1mm以下のものは亀裂の数に応じて○または□と評価した。一方、△は幅が1mmを超える亀裂が観察された試料、×は水冷時にれんがが折損したものであり、何れも使用には適さないと判断される;
これらの評価を取りまとめ、「総合評価」として良好なものから順番に◎、○、□、△、×の5段階で示した。特に顕著な改善が見られたものは◎とし、改善の程度に応じて○、□と評価した。△、×は改善の効果が薄いか全く見られなかったと判断した。
本発明品は,成形性,高温加熱試験,高周波浸食試験,溶銑浸漬スポーリング試験において何れも優れた結果を得た。
それに対し、比較品1(マグネシア−カーボン質煉瓦)は、高温加熱試験における質量減少率が大きく、また、耐食性に劣り、スラグ浸潤が大きかった。
比較品2〜6は、比較品1のマグネシア骨材の一部をスピネルに置換したものである。これらは何れも高温加熱試験後に置いて質量減少率が極めて大きい。この現象はマグネシア−カーボン反応が活発に起こった結果であり、比較品2〜6は、マグネシア−カーボン反応の抑制に至ってない。また、その結果として高周波侵食試験の結果も不良であった。
比較品7は、カーボン量を極めて少なくした場合であるが、充填によるパッキングが十分でなく、角欠けや稜線欠けが多く発生した。また、高周波浸食試験におけるスラグ浸潤量が大きく、溶銑浸漬スポーリング試験において劣った結果となった。
比較品8は、カーボンを多量に配合した場合であるが、成形時に面付きやラミネーションが発生したほか、高周波侵食試験における侵食量が多くなり、適さないと判断された。
比較品9は、スピネル微粉の配合量を多くしたものであるが、成形時に面付きやラミネーションが多発し、溶銑浸漬スポーリング試験において亀裂が多数発生した。
比較品10(アルミナ−カーボン質煉瓦)は、高周波浸食試験におけるスラグ侵食量が大きくなる結果となった。
実施例2
本発明品をRH下部槽に使用した。本発明品のうち、特に良好な結果が得られた本発明品4、8、10、15、20及び22を使用し、実機にて張り分けテストを行った。626ch使用後回収し、残厚から損傷速度を比較した。なお、当該RH下部槽に従来使用されていたのは比較品1のマグネシア−カーボン質煉瓦である。張り分けテストした6材質について、比較品1の損傷速度を100として指数表示した。指数は小さいほど良好である。
Figure 0005967160
本発明品は何れも比較品1のマグネシア−カーボン質煉瓦に比べ損傷が小さく優れた結果であった。
以上のように、本発明の二次精錬設備用内張り耐火物の優位性は明らかである。

Claims (7)

  1. 8〜1mm超のスピネル粒子の配合量が20〜70質量%、1〜0.3mmのスピネル粒子の配合量が30〜50質量%、0.3mm未満のスピネル粒子の配合量が30質量%以下の範囲内にあり、その合計量が75〜99.5質量%及びカーボン0.5〜25質量%を含有するスピネル−カーボン質煉瓦からなることを特徴とする、減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物。
  2. 二次精錬処理後の取鍋スラグの組成が、塩基度(CaO/SiO質量比)0.5〜3.0、Al含量20〜40質量%となる条件下で操業される二次精錬設備に使用される、請求項1記載の減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物。
  3. スピネルの0.3mm未満の粒子として0.01mm以下のスピネル微粉を30質量%以下の量で使用する、請求項1または2記載の減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物。
  4. 0.01mm以下のスピネル微粉を5〜25質量%の量で使用する、請求項記載の減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物。
  5. スピネルが理論組成を有するスピネルまたはアルミナリッチスピネルである、請求項1ないしのいずれか1項記載の減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物。
  6. アルミナリッチスピネルのMgO含有量が7質量%以上28.3質量%未満、Al含有量が71.7質量%を超え93質量%以下の範囲内にある、請求項記載の減圧を伴う二次精錬設備用内張り耐火物。
  7. 減圧処理を行うための二次精錬設備の内張りライニング構造において、二次精錬設備の少なくともスラグライン部、湯面近傍に、請求項1ないしのいずれか1項記載の減圧処理を行うための二次精錬設備用内張り耐火物を配設してなることを特徴とする減圧処理を行うための二次精錬設備の内張りライニング構造。
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