JP5540286B2 - 路盤材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、路盤材およびその製造方法に関し、より詳細には産業廃棄物として有効利用されていない粘土質土壌を、セメントと燃焼灰により、土木資材に使用し得る強度を持たせた路盤材、およびその製造方法に関する。
従来砕石業においては採石した石を分級し、各粒径の製品化を行い客のニーズに合わせて供給を行っているが、分級に際しての残分として泥や微砂、シルトと呼ばれる細粒分の粘土質土壌も発生している。この粘土質土壌は一部園芸関係で使われることがあるものの、コンクリートに含まれると強度低下が一般に知られているため大規模な使用途もなく、路床や埋め戻し土として処分されていた。また、建設工事において発生する粘土質の残土においても土質改良材を加えて、例えば埋め戻す等の処分が行なわれており、これまでにも粘土質土壌を利用するため、処理法が提案されている。
例えば泥土を分散状態に乾燥し、水和物を生成する無機粉末を混合し、機械的エネルギーを加える方法が開示されている(特許文献1)。しかし泥土を乾燥するには多大なエネルギーを必要とすることからコストがかかり且つ工程の複雑さから安易に適用できないことは明らかである。また、粘土質土壌を有効利用することが如何に困難であることもこの事例から垣間見られる。
また、軟弱土壌の改質処理方法として石炭灰と少量のセメントを添加する方法が開示されている(特許文献2)。これは灰で土質の水分を吸収して崩れない程度にセメントを加えるのみで埋め戻しの用途であり、重金属への配慮は全く無く、産業上の用途は特定の業態・業種のみが享受できるものである。例えば「施工通知「土壌汚染対策法の施工について」(公布日平成15年2月4日環水土20号)において石炭火力発電に伴い排出される石炭灰等が土木用・道路用資材等として用いられ、かつ、周辺土壌と区別して用いられている場合は、そもそも土壌とはみなされない。」とされ、電力系で使用された石炭灰についてのみは本発明の一般的な灰とは異なり固化生成物が土壌にあっても重金属への配慮がいらない。別格のものであることが容易に類推される。
さらに、含水土壌を固化する方法として無機質セメント、珪酸アルカリ、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の3成分を配合、混練する技術も開示されている(特許文献3)。
しかし、これも珪酸アルカリを入れると早い段階で固化が始まることは一般的に知られており、混練後の作業性が悪くなること。また、有害物質を閉じ込める効果も記載されているが、文中では供試体を粉砕することなく、重金属が溶出しにくい形態での溶出試験を行っており、現状の環境問題を鑑みると実情に合わない技術と言える。付記するならば、この時期は重金属の溶出試験が確立されて無いに等しく、例えば平成15年環境省告示第18号に基づく溶出試験方法を行うことにより当時の技術ではフッ素、ホウ素、鉛、クロム等をはじめとする重金属類の溶出が見られることが多く、また、許容値を超えることがある。
このように含水した粘土質土壌はそのままの姿では多量の使用ができず、土木材料として使用した際に土壌とみなされる可能性のある一般の燃焼灰使用も溶出抑制が必須であることから極めて使用途が限定されてきた。
特開2000−344556号公報 特開2003−55952号公報 特開2002−121552号公報
シルト、泥土等の粘土質土壌、燃焼灰を用いて強度と重金属の溶出抑制を兼ね備えた路盤材およびその製造方法を提供する。
上記の課題を解決するためには シルト、泥土等の粘土質土壌をセメントで固化する際に燃焼灰を用いて路盤材として十分な強度と重金属の溶出抑制を達成する方法であり、以下の発明を包含する。
(1)燃焼灰を粘土質土壌固形分に対し50〜400質量%、かつセメントを粘土質土壌と燃焼灰の混合物の固形分に対し35〜80質量%添加してなる路盤材。
(2)前記粘土質土壌が0.004〜0.06mmからなるシルト主体である(1)に記載の路盤材。
(3)前記粘土質土壌に加える燃焼灰はSiOの比率が40%以下で、かつCaOの比率が15%以上である(1)又は(2)に記載の路盤材。
(4)前記粘土質土壌に添加された燃焼灰質量が100〜200質量%である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の路盤材。
(5)粘土質土壌、燃焼灰、セメントの混合物固形分に対し硫酸バンドをアルミナ換算で0.5〜5.0質量%添加してなる(1)〜(4)のいずれか1項記載の路盤材。
(6)燃焼灰を粘土質土壌固形分に対し50〜400質量%、かつセメントを粘土質土壌と燃焼灰の混合物の固形分に対し35〜80質量%添加して路盤材を製造する方法において、乾燥状態の燃焼灰とセメントを予め均一に分散するように混合し、ついで水分を含む粘土質土壌と調整水を添加、混練する路盤材の製造方法。
(7)粘土質土壌、燃焼灰、セメントの混合物固形分に対し硫酸バンドをアルミナ換算で0.5〜5.0質量%添加する(6)に記載の路盤材の製造方法。
本発明の路盤材は粘土質土壌を使用しても土木資材としての使用に耐え得る強度を持ち、重金属の溶出のない路盤材およびその製造方法である。
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明で使用される粘土質土壌としてはシルトを主体としたものを使用する。シルトとは砂と粘土の中間の大きさのもので、一般に微砂とも呼ばれている。地質学・岩石学では1/16〜1/256mm(約0.004〜0.06mm)、土壌学では0.002〜0.02mmの粒子をさし、1/256mmより小さなものを泥土、1/16mmより大きなものを砂として分類されている。本発明においては1/16〜1/256mmの大きさのものをシルトとして有効利用するものである。ただ、シルトは発生する産業においても厳密に分画している事例は多くなく、砂分を回収した後に沈殿池にて沈降したものを廃棄処理しているのが実情である。こうした事情も鑑み、シルト分以外の粒径のものが多少含まれても本発明においては好適に使用できるものである。
本発明で使用される燃焼灰としては、農業系バイオマスを燃焼させて得られる草木灰あるいは、石炭などの固体燃料、木材ペレット、樹皮などのバイオマス固形化燃料、RPF、RDFなどの廃棄物固形化燃料、廃紙、廃タイヤ、黒液、製紙スラッジ、活性汚泥、脱水下水汚泥などの廃棄物系バイオマスを燃焼した際に発生する灰の他に、ガス化した際に発生する灰も用いることができる。また、予め人工ゼオライト化した灰も使用可能である。燃焼灰は、1種または複数から選ばれた燃料または廃棄物を燃焼させて得られた燃焼灰であればよく、複数の燃焼灰を混合しても原料の燃焼灰として用いることもできる。
また、本発明において原料に使用する燃焼灰の成分は、SiOの比率が40%以下で、かつCaOの比率が15%以上であることが好ましい。SiOは基本的に路盤材として固化を行った際に、短期間での強度への寄与が少なく、他方CaOは15%以上で長期間固化物を土木資材として使用した際に、雨や空気中の炭酸ガスに暴露された際に固化強度維持に必要なカルシウム分の変質、劣化を防ぐことが期待できる。
燃焼灰の中でも石炭灰については、上記の理由により、取り扱いに注意が必要である。
(財)石炭利用総合センターの「石炭灰有効利用の動向について」(平成14年7月31日)によると石炭灰の化学的特性について138試料の各成分の平均値が示されており、SiOが58.76%、最小値のサンプルでも44.5%も含まれる。一方でCaOは平均値で3.58%、最大値でも11.7%しか含まれないため、配合比率には注意が必要である。
本発明においては、さらなる重金属の抑制を目的として硫酸バンドを添加することが好ましい。すなわち硫酸バンドを添加することにより燃焼灰、およびセメント由来のpHを下げて、且つ好適な強度を安定して出せるようになる。これは従来の技術においての硫酸使用法が強度よりも溶出抑制だけに重点を置いたため、土木材料としては質の低い、強度の小さい固化物となっていた点を克服できたと言える。
言い換えれば、従来法においては、カルシウム分を含むセメントにpH調整液である強酸を加えることにより、強度を維持する成分が溶解してしまうため、その後に水分の存在下で固化養生しても結着能力が劣るため、本来のセメント強度が得られなかったといえる。
なお、本件において硫酸バンドの添加率は粘土質土壌、燃焼灰、セメントの混合物固形分に対し硫酸バンドをアルミナ換算で0.5〜5.0質量%添加することで好適に使用できる。0.5%未満ではpHの変動が無く、一方5.0%を超えるとpHの低下幅が小さくなっていくのに対して強度の低下が大きくなる。
本発明で使用されるセメントとしては、高炉セメントが挙げられるが、例えば高炉セメントの場合、高炉スラグをポルトランドセメントに均一に混合したものとし、その配合率によってA種、B種、C種に分類されるが、特に限定されるものではない。また、使用には入手が容易な市販のものが好ましいがそれに限定されるものでもない。
セメントの添加率は、固形分換算で粘土質土壌と燃焼灰の混合物合計質量に対し35%以上、80%以下の間で使用される。35%未満の場合、固形物はできるものの強度が低く特にすり減り磨耗が大きいので路盤材の使用には好ましくない。一方、セメントが80%を超えると強度の上昇幅は平衡に近づき、上昇するが、コスト面で不利となる。
また、セメントとともに水和反応に必要な水を付与させるが、一般水道、工業用水、または工場排水等の不純物を取除く目的で別途薬品を添加した処理水が好適に使用できる。
水和反応を進める水の添加量が最終固形物の強度に影響を与えることが古くから知られているが、特に水量が多い場合は、固化の養生に時間が掛かることと、固化後の強度が低くなる。また、極端に水量が少ない場合は、水和反応に必要な量が不足することにより、固化が困難となるため、常識的な範囲での水量添加により好適に使用できる。
本発明においては、乾燥状態のセメントと燃焼灰を予め均一に分散するように混合し、ついで水分を加えることが好ましい。従来からのセメントと燃焼灰、または砂等原料の混練方法においては、水を含めて全ての原料を殆ど時間差の無い状態での添加、混練する方法が常法とされてきた。この従来法においては高濃度での混練ゆえに均一な分散の判定に熟練を要する。また、混練時間が延びる。安易に分散性を向上させるために水分添加量が多くなる傾向があった。これらを解決するために鋭意研究を重ねた結果、セメントと燃焼灰は乾いた状態での混合の方がより短時間で均一に分散することが明かとなった。
乾燥状態のセメントと1種または2種以上の燃焼灰を混合する方法として一例をあげると、回転羽根や攪拌軸を有する公知の混合装置に乾燥状態のセメントと燃焼灰を投入して混合し、ついで水分を含むシルトや水を加えて混練する。ただし、混合と混練を同一装置械にて行った場合、言い換えると水分を含んでの混練後に続けて乾燥物だけでの混合を行うと徐々に軸または混練装置の内部に付着物が成長する場合があるため、好ましくは混合と混練について別工程とし、乾燥物の混合終了後に混練装置へ投入する方法が良い。
燃焼灰の混合ならびに燃焼灰とセメントの混合時間は1〜5分程度が想定される。1分より短いと均一性に欠け、微砂混合後の最終製品での強度が十分にでないことがある。また、5分を超えた場合、特に品質で問題となる点はないがエネルギー的に不経済である。
本発明の処理方法で得られた処理灰、セメント、粘土質土壌の混合物を均一に混和するためには、公知の混練装置を用いて混練することが好ましい。また、連続処理およびバッチ処理も設備のスペースから適宜選択すれば良い。次に示す機器にもちろん限定されること無く、混練ができるものであれば好適に使用できる。以下に機器の一例を挙げると日工ダッシュミキサ、ドラムミキサ、傾胴ミキサ、リボンミキサー、アイリッヒインテンシブミキサー、ペレガイアミキサー等の公知の混合攪拌装置を好適に用いることができる。また、攪拌時間については、機器により攪拌能力に特徴があるため規定はあえて行わないが、目安として1〜15分程度である。
本発明においては特に規定はしていないが、セメント、水の他に硫酸鉄を用いることも好適な事例である。
すなわち、硫酸鉄は6価クロムの還元剤として、また、鉛の不溶出化剤としての機能を持つため、溶出濃度に応じて適宜添加できるが、セメントに含まれることがある6価クロムの溶出抑制を目的とするため、セメントを加える際に添加するのも好ましい実施形態である。
また、本発明の固化物においては、常識的な範疇において一般的なセメント固化物にあるようにセメントに砂を混ぜることも可能である。強度が出すぎる際に高価な固化薬剤等ばかりでなく、比較的安価な砂を混ぜることで強度ならびにコストの調整を行う。
本発明の混練後は固化後の破砕を想定して作業しやすい形状にて養生固形化する。
また、養生固化の期間(材齢)については、過剰な乾燥エネルギーを加えることなく固化を行うため、およそ1〜28日間の養生、好ましくは7日間程度の養生を行う。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、もちろん本発明はこれによって何等制限されるものではない。なお、特に示さない限り、燃焼灰は、以下の燃焼灰(1)、燃焼灰(2)を用いた。また、特に示さない限り、実施例及び比較例における薬品の添加率は燃焼灰、シルト、セメント等の全固形分の割合として質量%で示す。また、実施例1に処理に関する詳細を示し、他の実施例と比較例においては差異を明らかにするため主な変更点を示す。なお、各例での配合割合ならびに測定結果は表1、2に示した。
シルトの粒径分布
採石場にて砕石後、製品として分級した残さについて沈殿池で沈殿させて濃縮したものを原料のシルトとして使用した。
このときのシルトについてレーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(Microtrac_ MT−3300EX)を用いて粒径を測定すると平均粒径11.44μm、62μm以上が5.6%、3.9μm以下が28.0%含有からなるものであった。
燃焼灰(1)の性状
タイヤ48質量部、製紙スラッジ37質量部、廃材等の木質原料15質量部を燃料とした流動床炉のバグフィルター捕集燃焼灰を燃焼灰(1)とした。また、燃焼灰をXRFにて測定し、酸化物としてSiO、Al、Fe、CaOを含有比率として表3に記載した。
燃焼灰(2)の性状
石炭78質量部、RPF17質量部、製紙スラッジ5質量部を燃料とした流動床炉のバグフィルター捕集燃焼灰を燃焼灰(2)とした。また、燃焼灰(1)と同様に灰中のSiO、Al、Fe、CaO を含有比率として表3に記載した。
(A)圧縮強度試験
(あ)強度用サンプル作成方法
JIS A 1132(:2006)「コンクリート強度試験用供試体の作り方」に準拠し、サンプルを作成した。
(い)圧縮強度試験方法
JIS A 1108(:2006)「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠し測定を行った。
(B)溶出試験方法
平成15年環境省告示第18号に順じて行なった。すなわち、試料を十分風乾後、非金属製である目開き2mmの篩を通過させたもの50gを、1,000mLの蓋つきのポリエチレン容器に取り、純水(pH5.8〜6.3)を500mL加えて試料液を調整した。この試料液を、常温、大気圧下で、産廃溶出振とう機(タイテック社製)を用いて6時間連続振とうした(振とう幅4〜5cm、振動数200回/分)。ついで、振とう後の試料液を、30分間静置した後、毎分約3,000回転で20分間遠心分離した。上澄み液を孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、ろ液を取り、定量に必要な量を正確に計り取り、これを検液とした。
(C)フッ素の測定方法
検液をイオンクロマトグラフ(ICS−2000/(株)日本ダイオネクス社製)で定量した(JIS K 0102の34.2、水質環境基準告示付表6)。
(D)ホウ素の測定方法
検液をICP発光分光分析装置(CIROS−120/(株)リガク社製)で定量した(JIS K 0102の47.3)。
(E)六価クロムの測定方法
検液をジフェニルカルバミド吸光光度計で定量した(JIS K 0102の65.2.1)。
(F)鉛、セレン、砒素、カドミウムの測定方法
検液をICP発光分光分析法で定量した(JIS K 0102記載の各項目)。
実施例1
絶乾質量2,381gの燃焼灰(固形分総質量の47.6%)に対し、高炉Bセメント1,429g(固形分総質量の28.6%)添加し、アイリッヒミキサー((株)日本アイリッヒ社製)を用いて予備攪拌として1分間混合した。ついで固形分濃度64.5%のシルトを(固形分総質量の23.8%)、シルトの持ち込み水分を考慮して全部で1,846g添加し、調整水を1,775g加えて、混練を2分間行った。固化養生期間(材齢)を7日間経た後の圧縮強度は、9.1N/mmであった。また、固化したサンプルについて平成15年環境省告示第18号に従い溶出試験を行ったがフッ素、ホウ素、鉛、六価クロム、セレン、砒素、カドミウムいずれの元素の溶出量も土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
実施例2
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ20.8%、41.7%、37.5%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は14.2N/mm。重金属の溶出量も土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
実施例3
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ15.0%、59.0%、26.0%、とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は7.7N/mm。重金属の溶出量も土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
実施例4
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ22.0%、39.0%、39.0%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は15.4N/mm。重金属の溶出量も土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
実施例5
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ37.0%、18.6%、44.4%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は12.8N/mm。重金属の溶出量も土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
実施例6
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ27.0%、45.0%、28.0%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は10.4N/mm。重金属の溶出量も土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
実施例7
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ14.0%、56.0%、28.0%とし、粉体状の硫酸バンドを固形分総質量比率で2%添加した以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は7.1N/mm。重金属の溶出量も土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
実施例8
燃焼灰(1)と燃焼灰(2)を質量比で2:1になるように取り分け、次いで前述のアイリッヒミキサーを用いて予備攪拌として1分間混合したものを供試灰とした。シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ15.0%、59.0%、26.0%、とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は6.7N/mm。重金属の溶出量も土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
比較例1
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ71.4%、0%、28.6%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は5.1N/mm。重金属の溶出量は土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
比較例2
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ62.5%、0%、37.5%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は8.4N/mm。重金属の溶出量も土壌汚染対策法の環境基準値以下であった。
比較例3
燃焼灰(2)を用いてシルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ15.5%、59.5%、25.0%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は4.8N/mm。重金属の溶出量はフッ素のみ土壌汚染対策法の環境基準値を逸脱した。
比較例4
燃焼灰(1)を用いてシルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ19.0%、71.0%、10.0%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は2.3N/mm。重金属の溶出量はフッ素と鉛が土壌汚染対策法の環境基準値を逸脱した。
比較例5
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ16.0%、32.0%、52.0%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は15.5N/mm。重金属の溶出量は六価クロムのみが土壌汚染対策法の環境基準値以下を逸脱した。
比較例6
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ49.2%、20.7%、30.1%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は5.4N/mm。重金属の溶出量は六価クロムのみが土壌汚染対策法の環境基準値以下を逸脱した。
比較例7
シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ11.6%、62.4%、26.0%とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は7.4N/mm。重金属の溶出量はフッ素のみが土壌汚染対策法の環境基準値以下を逸脱した。
比較例8
燃焼灰(1)と燃焼灰(2)を質量比で1:2になるように取り分け、次いで前述のアイリッヒミキサーを用いて予備攪拌として1分間混合したものを供試灰とした。シルト、燃焼灰、高炉Bセメントの固形分総質量比率をそれぞれ15.5%、59.5%、25.0%、とした以外は実施例1と同様に処理を行った。材齢7日間の圧縮強度は5.6N/mm。重金属の溶出量はフッ素のみ土壌汚染対策法の環境基準値を逸脱した。
Figure 0005540286
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実施例1〜8と比較例1〜8を比較することから明らかなように、従来廃棄物として取り扱われてきたシルト、泥土等の粘土質土壌に対し、燃料としてタイヤやRPFをはじめ、ペーパースラッジも混焼させている一般的なボイラの燃焼灰とセメントを最適な割合で配合して混練、固化することにより強度の高い路盤材を製造することができる。また、従来法では不安視されてきた土壌環境基準値も充足し、安全に土木材料として利用することが可能となった。

Claims (6)

  1. 農業系バイオマスを燃焼させて得られる草木灰あるいは、石炭などの固体燃料、木材ペレット、樹皮などのバイオマス固形化燃料、RPF、RDFなどの廃棄物固形化燃料、廃紙、廃タイヤ、黒液、製紙スラッジ、活性汚泥、脱水下水汚泥などの廃棄物系バイオマスのうち、1種または複数から選ばれた燃料または廃棄物を燃焼させて得られた燃焼灰を粘土質土壌固形分に対し50〜400質量%、かつセメントを粘土質土壌と燃焼灰の混合物の固形分に対し35〜80重量%添加してなることを特徴とする路盤材。
  2. 前記粘土質土壌が0.004〜0.06mmからなるシルト主体であることを特徴とする請求項1記載の路盤材。
  3. 前記粘土質土壌に添加された燃焼灰質量が100〜200質量%であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の路盤材。
  4. 粘土質土壌、燃焼灰、セメントの混合物固形分に対し硫酸バンドをアルミナ換算で0.5〜5.0質量%添加してなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の路盤材。
  5. 農業系バイオマスを燃焼させて得られる草木灰あるいは、石炭などの固体燃料、木材ペレット、樹皮などのバイオマス固形化燃料、RPF、RDFなどの廃棄物固形化燃料、廃紙、廃タイヤ、黒液、製紙スラッジ、活性汚泥、脱水下水汚泥などの廃棄物系バイオマスのうち、1種または複数から選ばれた燃料または廃棄物を燃焼させて得られた燃焼灰を粘土質土壌固形分に対し50〜400質量%、かつセメントを粘土質土壌と燃焼灰の混合物の固形分に対し35〜80質量%添加して路盤材を製造する方法において、乾燥状態の燃焼灰とセメントを予め均一に分散するように混合し、ついで水分を含む粘土質土壌と調整水を添加、混練することを特徴とする路盤材の製造方法。
  6. 粘土質土壌、燃焼灰、セメントの混合物固形分に対し硫酸バンドをアルミナ換算で0.5〜5.0質量%添加することを特徴とする請求項記載の路盤材の製造方法。
JP2010249846A 2010-11-08 2010-11-08 路盤材およびその製造方法 Active JP5540286B2 (ja)

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