JPH105800A - 汚泥の脱水処理材及び脱水処理方法 - Google Patents
汚泥の脱水処理材及び脱水処理方法Info
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- JPH105800A JPH105800A JP8181118A JP18111896A JPH105800A JP H105800 A JPH105800 A JP H105800A JP 8181118 A JP8181118 A JP 8181118A JP 18111896 A JP18111896 A JP 18111896A JP H105800 A JPH105800 A JP H105800A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 下水汚泥、湖沼ヘドロ、食品廃棄物、製紙ス
ラッジ等の有機質廃棄物の焼却灰若しくはその溶融固化
スラグを脱水処理材、すなわち、凝集材若しくは脱水助
材として利用することで資源化を疎外する成分を添加す
ること無く、安価、かつ効率良く脱水することができ、
脱水汚泥(ケーキ)の取扱いを極めて容易にし、今後発
生量が大幅に増大することが予想される汚泥及び焼却灰
双方の有効利用を可能とする汚泥の脱水処理材及び脱水
処理方法を提供する。 【解決手段】 平均粒径10μm以上で20重量%スラ
リーにおけるpH値が7.5以上の焼却灰からなること
を特徴とする。
ラッジ等の有機質廃棄物の焼却灰若しくはその溶融固化
スラグを脱水処理材、すなわち、凝集材若しくは脱水助
材として利用することで資源化を疎外する成分を添加す
ること無く、安価、かつ効率良く脱水することができ、
脱水汚泥(ケーキ)の取扱いを極めて容易にし、今後発
生量が大幅に増大することが予想される汚泥及び焼却灰
双方の有効利用を可能とする汚泥の脱水処理材及び脱水
処理方法を提供する。 【解決手段】 平均粒径10μm以上で20重量%スラ
リーにおけるpH値が7.5以上の焼却灰からなること
を特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、汚泥、特に河
川、湖沼、港湾等の浚渫汚泥、下水汚泥、食品産業から
排出される汚泥等の脱水処理材及び脱水処理方法に関す
るものである。
川、湖沼、港湾等の浚渫汚泥、下水汚泥、食品産業から
排出される汚泥等の脱水処理材及び脱水処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】浚渫汚泥、下水汚泥、食品産業から排出
される汚泥等は、固形分濃度2〜10重量%程度の汚泥
濃縮水(スラリー)から水分を除去して含水率80〜9
0重量%程度のケーキ状にする脱水工程を経て、一部、
肥料や窯業原料等に利用されるが、大部分はそのまま、
あるいは焼却後、埋め立て処分される。脱水工程で用い
られる脱水機としては、真空脱水機、加圧脱水機、遠心
脱水機、ベルトプレス脱水機等各種のものが使用される
が、いずれにしても脱水機の能力のみで低含水率、高処
理量を達成することは困難で、脱水効率を上げるために
前記汚泥スラリー中に高分子凝集剤、硫酸アルミニウ
ム、塩化第2鉄、消石灰等の脱水処理材が添加され、い
わゆるスラリーの調質(薬剤処理)が行われている。こ
のような脱水工程を経た汚泥(以下、脱水汚泥)の含水
率は、前述したように80〜90重量%程度と高く、焼
却や埋め立て処分するにしても、さらに余剰水分の低減
が望まれるところであるが、一方で、最終処分先である
埋め立て地の確保が困難になりつつあり、汚泥の有効利
用法の開発が益々望まれる。
される汚泥等は、固形分濃度2〜10重量%程度の汚泥
濃縮水(スラリー)から水分を除去して含水率80〜9
0重量%程度のケーキ状にする脱水工程を経て、一部、
肥料や窯業原料等に利用されるが、大部分はそのまま、
あるいは焼却後、埋め立て処分される。脱水工程で用い
られる脱水機としては、真空脱水機、加圧脱水機、遠心
脱水機、ベルトプレス脱水機等各種のものが使用される
が、いずれにしても脱水機の能力のみで低含水率、高処
理量を達成することは困難で、脱水効率を上げるために
前記汚泥スラリー中に高分子凝集剤、硫酸アルミニウ
ム、塩化第2鉄、消石灰等の脱水処理材が添加され、い
わゆるスラリーの調質(薬剤処理)が行われている。こ
のような脱水工程を経た汚泥(以下、脱水汚泥)の含水
率は、前述したように80〜90重量%程度と高く、焼
却や埋め立て処分するにしても、さらに余剰水分の低減
が望まれるところであるが、一方で、最終処分先である
埋め立て地の確保が困難になりつつあり、汚泥の有効利
用法の開発が益々望まれる。
【0003】このような中にあって、下水処理場から排
出される汚泥(脱水汚泥)に流動床燃焼灰を添加してセ
メント原料とする提案がある(特開平7−300353
号公報)。これは、流動床燃焼灰を添加することによ
り、流動床燃焼灰の自硬性により下水汚泥が固化若しく
は団粒化され、その取扱い性が改善されると共に、悪臭
が流動床燃焼灰中のCaO分及び未燃カーボンにより防
止され、また、処理汚泥は、セメント原料として有用な
CaO、SiO2 を主成分とするものであり、これをセ
メント原料の一部に混入することにより汚泥及び流動床
燃焼灰を有効利用しようとするものである。
出される汚泥(脱水汚泥)に流動床燃焼灰を添加してセ
メント原料とする提案がある(特開平7−300353
号公報)。これは、流動床燃焼灰を添加することによ
り、流動床燃焼灰の自硬性により下水汚泥が固化若しく
は団粒化され、その取扱い性が改善されると共に、悪臭
が流動床燃焼灰中のCaO分及び未燃カーボンにより防
止され、また、処理汚泥は、セメント原料として有用な
CaO、SiO2 を主成分とするものであり、これをセ
メント原料の一部に混入することにより汚泥及び流動床
燃焼灰を有効利用しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように脱水汚
泥の含水率は高く、有効利用に当たっての余剰水分の除
去(乾燥)は、大きなコストアップ要因となっている。
また、塩化第2鉄やポリ塩化アルミニウムなどのように
脱水処理における調質剤(凝集剤)は、セメント原料と
しては好ましくない塩素(Cl- )成分を大量に含むも
のや、カリウム塩の使用などアルカリ(K+Na)成分
を含むものも少なくなく、セメント原料として利用し難
い面がある。
泥の含水率は高く、有効利用に当たっての余剰水分の除
去(乾燥)は、大きなコストアップ要因となっている。
また、塩化第2鉄やポリ塩化アルミニウムなどのように
脱水処理における調質剤(凝集剤)は、セメント原料と
しては好ましくない塩素(Cl- )成分を大量に含むも
のや、カリウム塩の使用などアルカリ(K+Na)成分
を含むものも少なくなく、セメント原料として利用し難
い面がある。
【0005】さらに、下水処理場で排出された脱水率8
0重量%程度の脱水汚泥に対して流動床燃焼灰を添加、
混合する方法では、脱水汚泥と乾燥流動床燃焼灰を均一
に混合することに困難性があり、均一に混合するために
は高効率の特殊な混練機を必要とし、所用動力が大き
く、混練機の摩耗も大きな問題となる。
0重量%程度の脱水汚泥に対して流動床燃焼灰を添加、
混合する方法では、脱水汚泥と乾燥流動床燃焼灰を均一
に混合することに困難性があり、均一に混合するために
は高効率の特殊な混練機を必要とし、所用動力が大き
く、混練機の摩耗も大きな問題となる。
【0006】この発明は、汚泥を濾過脱水する際に、大
部分が廃棄処分されている下水汚泥、湖沼ヘドロ、食品
廃棄物、製紙スラッジ等の有機質廃棄物の焼却灰若しく
はその溶融固化スラグを脱水処理材、すなわち、凝集材
若しくは脱水助材として利用することで資源化を阻害す
る成分を添加すること無く、安価、かつ効率良く脱水す
ることができ、脱水汚泥(ケーキ)の取扱いを極めて容
易にし、今後発生量が大幅に増大することが予想される
汚泥及び焼却灰双方の有効利用を可能とする汚泥の脱水
処理材及び脱水処理方法を提供することを目的とする。
部分が廃棄処分されている下水汚泥、湖沼ヘドロ、食品
廃棄物、製紙スラッジ等の有機質廃棄物の焼却灰若しく
はその溶融固化スラグを脱水処理材、すなわち、凝集材
若しくは脱水助材として利用することで資源化を阻害す
る成分を添加すること無く、安価、かつ効率良く脱水す
ることができ、脱水汚泥(ケーキ)の取扱いを極めて容
易にし、今後発生量が大幅に増大することが予想される
汚泥及び焼却灰双方の有効利用を可能とする汚泥の脱水
処理材及び脱水処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明の汚泥の脱水処理材によれば、平均粒径
10μm以上で20重量%スラリーにおけるpH値が
7.5以上の焼却灰からなること(請求項1)、前記焼
却灰が下水汚泥、湖沼ヘドロ、食品廃棄物、製紙スラッ
ジ等の有機質廃棄物の焼却灰若しくはその溶融固化スラ
グであること(請求項2)、を特徴とする。又、この発
明の汚泥の脱水処理方法によれば、汚泥を濾過脱水する
に当たり、予め汚泥スラリーに平均粒径10μm以上で
20重量%スラリーにおけるpH値が7.5以上の焼却
灰を添加混合し、脱水ケーキ化すること(請求項3)、
前記焼却灰を汚泥スラリーに対して3.0〜70重量%
添加すること(請求項4)、前記焼却灰が下水汚泥、湖
沼ヘドロ、食品廃棄物、製紙スラッジ等の有機質廃棄物
の焼却灰若しくはその溶融固化スラグであること(請求
項5)、前記焼却灰に加えて硫酸アルミニウム、硫酸
鉄、アルミン酸ソーダ、アンスソライト、消石灰、及び
高分子凝集剤から選択される少なくとも一種を添加する
こと(請求項6)、脱水ケーキ化された汚泥をセメント
原料として用いること(請求項7)、を特徴とする。以
下、この発明を詳細に説明する。
めに、この発明の汚泥の脱水処理材によれば、平均粒径
10μm以上で20重量%スラリーにおけるpH値が
7.5以上の焼却灰からなること(請求項1)、前記焼
却灰が下水汚泥、湖沼ヘドロ、食品廃棄物、製紙スラッ
ジ等の有機質廃棄物の焼却灰若しくはその溶融固化スラ
グであること(請求項2)、を特徴とする。又、この発
明の汚泥の脱水処理方法によれば、汚泥を濾過脱水する
に当たり、予め汚泥スラリーに平均粒径10μm以上で
20重量%スラリーにおけるpH値が7.5以上の焼却
灰を添加混合し、脱水ケーキ化すること(請求項3)、
前記焼却灰を汚泥スラリーに対して3.0〜70重量%
添加すること(請求項4)、前記焼却灰が下水汚泥、湖
沼ヘドロ、食品廃棄物、製紙スラッジ等の有機質廃棄物
の焼却灰若しくはその溶融固化スラグであること(請求
項5)、前記焼却灰に加えて硫酸アルミニウム、硫酸
鉄、アルミン酸ソーダ、アンスソライト、消石灰、及び
高分子凝集剤から選択される少なくとも一種を添加する
こと(請求項6)、脱水ケーキ化された汚泥をセメント
原料として用いること(請求項7)、を特徴とする。以
下、この発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明で処理する汚泥は、主と
して河川、湖沼、港湾等の浚渫汚泥、下水汚泥、あるい
は食品産業から排出される汚泥、製紙スラッジ等である
が、この他に、し尿、家庭用雑排水、各種産業用排水処
理などによって発生する汚泥を含む。これらの固形分濃
度が2〜10重量%程度の汚泥水(スラリー)に後述す
る焼却灰からなる脱水処理材を添加混合の上、汚泥を濾
過脱水する。すなわち、タンクに貯留した汚泥スラリー
に、焼却灰を添加し、攪拌混合した上で、汚泥スラリー
を脱水機に送給し、この脱水機でケーキ状の脱水汚泥と
排水に分離する。脱水機としては、前述した各種の脱水
機がそれぞれ使用できる。
して河川、湖沼、港湾等の浚渫汚泥、下水汚泥、あるい
は食品産業から排出される汚泥、製紙スラッジ等である
が、この他に、し尿、家庭用雑排水、各種産業用排水処
理などによって発生する汚泥を含む。これらの固形分濃
度が2〜10重量%程度の汚泥水(スラリー)に後述す
る焼却灰からなる脱水処理材を添加混合の上、汚泥を濾
過脱水する。すなわち、タンクに貯留した汚泥スラリー
に、焼却灰を添加し、攪拌混合した上で、汚泥スラリー
を脱水機に送給し、この脱水機でケーキ状の脱水汚泥と
排水に分離する。脱水機としては、前述した各種の脱水
機がそれぞれ使用できる。
【0009】脱水処理材としての焼却灰は、下水汚泥、
湖沼ヘドロ、食品廃棄物、製紙スラッジ等の有機質廃棄
物の焼却灰であるが、これらの焼却灰をさらに溶融処理
した溶融固化スラグも好適に使用でき、この発明ではこ
れらを含めて焼却灰とする。これらの焼却灰中、特に平
均粒径10μm以上で20重量%スラリーにおけるpH
値が7.5以上の焼却灰が脱水処理材好ましく、前記汚
泥スラリーに対して3.0〜70重量添加することによ
り汚泥の水泥分離を効果的に促進する。
湖沼ヘドロ、食品廃棄物、製紙スラッジ等の有機質廃棄
物の焼却灰であるが、これらの焼却灰をさらに溶融処理
した溶融固化スラグも好適に使用でき、この発明ではこ
れらを含めて焼却灰とする。これらの焼却灰中、特に平
均粒径10μm以上で20重量%スラリーにおけるpH
値が7.5以上の焼却灰が脱水処理材好ましく、前記汚
泥スラリーに対して3.0〜70重量添加することによ
り汚泥の水泥分離を効果的に促進する。
【0010】すなわち、汚泥中の固形分は、ミクロン若
しくはオングストローム単位の極めて微細な粒子を多量
に含んでおり、しかも懸濁状態にある粒子の表面は一般
にマイナスに帯電しており、粒子同士が相互に反発しあ
って凝集しにくい状態にある。汚泥スラリー中に添加す
る焼却灰は前述したように20%スラリーにおけるpH
値が7.5以上であり、汚泥粒子の、いわゆるゼータ電
位を下げ、粒子間の反発力を低下させることによって汚
泥の凝集を促進する。しかも、平均粒径10μm以上の
焼却灰は、汚泥粒子よりも遙かに大きな粗粒であり、汚
泥の微細粒子による脱水機フィルターの目詰まりを防止
し、極めて効率良く汚泥を脱水処理することができる。
しくはオングストローム単位の極めて微細な粒子を多量
に含んでおり、しかも懸濁状態にある粒子の表面は一般
にマイナスに帯電しており、粒子同士が相互に反発しあ
って凝集しにくい状態にある。汚泥スラリー中に添加す
る焼却灰は前述したように20%スラリーにおけるpH
値が7.5以上であり、汚泥粒子の、いわゆるゼータ電
位を下げ、粒子間の反発力を低下させることによって汚
泥の凝集を促進する。しかも、平均粒径10μm以上の
焼却灰は、汚泥粒子よりも遙かに大きな粗粒であり、汚
泥の微細粒子による脱水機フィルターの目詰まりを防止
し、極めて効率良く汚泥を脱水処理することができる。
【0011】焼却灰の添加量は、これが3.0重量%よ
り少ないと前記脱水効果があまり無く、また、70重量
%を越えて添加しても、脱水効果以上に脱水汚泥量が増
加して好ましくない。また、焼却灰に加えて前述した従
来公知の硫酸アルミニウム、硫酸鉄、アルミン酸ソー
ダ、アンスソライト、消石灰、及び高分子凝集剤等から
選択される少なくとも一種の添加剤を添加することがで
きる。これらの添加剤を併用することにより、汚泥の脱
水効果を高めることができるが、添加量は、焼却灰の添
加により、すでに充分な脱水効果が得られるものであ
り、後述する脱水汚泥の資源化を妨げることがないよう
に必要最低限にとどめる。
り少ないと前記脱水効果があまり無く、また、70重量
%を越えて添加しても、脱水効果以上に脱水汚泥量が増
加して好ましくない。また、焼却灰に加えて前述した従
来公知の硫酸アルミニウム、硫酸鉄、アルミン酸ソー
ダ、アンスソライト、消石灰、及び高分子凝集剤等から
選択される少なくとも一種の添加剤を添加することがで
きる。これらの添加剤を併用することにより、汚泥の脱
水効果を高めることができるが、添加量は、焼却灰の添
加により、すでに充分な脱水効果が得られるものであ
り、後述する脱水汚泥の資源化を妨げることがないよう
に必要最低限にとどめる。
【0012】このように処理した脱水汚泥は、極めて取
扱い性に優れ、保形性のあるブリージング水(浮水)の
ない状態で、トラック等で容易に運搬することができ、
セメント原料用として好適に使用することができる。す
なわち、処理物中の有機物は燃料の一部として、また無
機物は原料の一部として有効利用され、しかも既存のセ
メント製造設備をそのまま利用することができる。セメ
ントとしては、普通、早強、中庸熱等のポルトランドセ
メントやアルミナセメント、都市ゴミ灰を主原料とする
アリナイト系セメント等、各種のセメント原料とするこ
とができる。尚、脱水汚泥は、必要に応じて生石灰、仮
焼ドロマイト、高炉スラグ、廃コンクリ−ト粉砕微粉、
石炭灰、石炭流動床燃焼灰等を加えて脱水汚泥の乾燥を
促進した上で、利用することもできる。
扱い性に優れ、保形性のあるブリージング水(浮水)の
ない状態で、トラック等で容易に運搬することができ、
セメント原料用として好適に使用することができる。す
なわち、処理物中の有機物は燃料の一部として、また無
機物は原料の一部として有効利用され、しかも既存のセ
メント製造設備をそのまま利用することができる。セメ
ントとしては、普通、早強、中庸熱等のポルトランドセ
メントやアルミナセメント、都市ゴミ灰を主原料とする
アリナイト系セメント等、各種のセメント原料とするこ
とができる。尚、脱水汚泥は、必要に応じて生石灰、仮
焼ドロマイト、高炉スラグ、廃コンクリ−ト粉砕微粉、
石炭灰、石炭流動床燃焼灰等を加えて脱水汚泥の乾燥を
促進した上で、利用することもできる。
【0013】また、脱水汚泥は、これを一旦焼却し、減
容化処理後、この焼却灰の一部をこの発明の脱水処理材
として利用するほか、一部をセメント原料に利用するこ
とができる。すなわち、下水処理場等においては、脱水
汚泥の焼却設備や加熱溶融設備を既に所有、或いは設置
を予定するところも多いが、このような焼却設備や加熱
溶融設備を利用して、脱水汚泥の焼却や加熱溶融処理を
すれば、そのまま脱水処理材として使用でき、また、極
めて減量化された形でセメント工場に運搬し、好適にセ
メント原料とすることができる。
容化処理後、この焼却灰の一部をこの発明の脱水処理材
として利用するほか、一部をセメント原料に利用するこ
とができる。すなわち、下水処理場等においては、脱水
汚泥の焼却設備や加熱溶融設備を既に所有、或いは設置
を予定するところも多いが、このような焼却設備や加熱
溶融設備を利用して、脱水汚泥の焼却や加熱溶融処理を
すれば、そのまま脱水処理材として使用でき、また、極
めて減量化された形でセメント工場に運搬し、好適にセ
メント原料とすることができる。
【0014】
(実施例1.脱水試験)関東ローム層を後背地に持つ千
葉県北部に位置する湖沼から収集したヘドロを脱水試験
に供した。ヘドロ(汚泥スラリー)の固形分は6重量
%、固形分中の強熱減量は95重量%であり、化学成分
(無機成分)を表1に示す。脱水試験は、容積1リット
ルのガラス製フィルタホルダーに径90mm5C濾紙を
1枚用いて試料を供給し、差圧70mmHgによる真空
吸引式濾過で、同じ脱水量200gを得るのに要した時
間を測定した。試料は、汚泥スラリー250gに対し、
表2に示す各種の焼却灰粉体、及び消石灰、アンスソラ
イトを重量比でそれぞれ2%(5g)、3%(7.5
g)、5%(12.5g)、及び10%(25g)をビ
ーカ中で添加攪拌して調整した。結果を表3に示すよう
に、この発明の焼却灰、特に平均粒径10μm以上で2
0重量%スラリーにおけるpH値が7.5以上の焼却灰
を3重量%以上加えた試料は、大幅に脱水時間が短縮さ
れ、極めて効率的に脱水処理を行うことができた。
葉県北部に位置する湖沼から収集したヘドロを脱水試験
に供した。ヘドロ(汚泥スラリー)の固形分は6重量
%、固形分中の強熱減量は95重量%であり、化学成分
(無機成分)を表1に示す。脱水試験は、容積1リット
ルのガラス製フィルタホルダーに径90mm5C濾紙を
1枚用いて試料を供給し、差圧70mmHgによる真空
吸引式濾過で、同じ脱水量200gを得るのに要した時
間を測定した。試料は、汚泥スラリー250gに対し、
表2に示す各種の焼却灰粉体、及び消石灰、アンスソラ
イトを重量比でそれぞれ2%(5g)、3%(7.5
g)、5%(12.5g)、及び10%(25g)をビ
ーカ中で添加攪拌して調整した。結果を表3に示すよう
に、この発明の焼却灰、特に平均粒径10μm以上で2
0重量%スラリーにおけるpH値が7.5以上の焼却灰
を3重量%以上加えた試料は、大幅に脱水時間が短縮さ
れ、極めて効率的に脱水処理を行うことができた。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】(実施例2.一軸圧縮強度試験)実施例1
用いたヘドロ250gに表2に示す各種の焼却灰粉体、
及び消石灰、アンスソライトを重量比で6%(15
g)、添加攪拌して試料を調整した。この試料を実施例
1と同様に含水率40%になるまで吸引濾過し脱水ケー
キを得た。この脱水ケーキを径50mm×長さ100m
mの円筒型枠に詰め、48時間、室温で養生したのち脱
型し、一軸圧縮強度試験を行った。結果を前記表3に併
せて示す。概ねCaO+MgO量の多い粉体を添加して
調整した試料ほど、高い強度を示し、0.8Kg/cm2 程
度で人が汚泥物の上を歩ける程度の堅さとなり、パワー
ショベルで積み込み可能、トラックでブリージング水な
しに運搬できるようになるが、この発明の焼却灰は、特
に前記脱水効率と併せて極めて良好なものであった。
用いたヘドロ250gに表2に示す各種の焼却灰粉体、
及び消石灰、アンスソライトを重量比で6%(15
g)、添加攪拌して試料を調整した。この試料を実施例
1と同様に含水率40%になるまで吸引濾過し脱水ケー
キを得た。この脱水ケーキを径50mm×長さ100m
mの円筒型枠に詰め、48時間、室温で養生したのち脱
型し、一軸圧縮強度試験を行った。結果を前記表3に併
せて示す。概ねCaO+MgO量の多い粉体を添加して
調整した試料ほど、高い強度を示し、0.8Kg/cm2 程
度で人が汚泥物の上を歩ける程度の堅さとなり、パワー
ショベルで積み込み可能、トラックでブリージング水な
しに運搬できるようになるが、この発明の焼却灰は、特
に前記脱水効率と併せて極めて良好なものであった。
【0019】(実施例3.セメント資源化試験)セメン
ト調合原料(石灰石、粘土、銅カラミ)85重量部に実
施例2の汚泥単味のもの(NO.0ブランク)と、焼却
灰を添加した試料(NO.1、2、5、及び7)により
得られた脱水ケーキ15重量部とをそれぞれ混合粉砕
し、1600℃で焼成した。得られたクリンカに2水石
膏を2.5重量%を加えて混合粉砕してセメントとし
た。ついでJIS R 5201に拠り圧縮強度を測定
し評価した。結果を表4に示すようにいずれもこの発明
の焼却灰を用いたセメントは規格強度を満足するもので
あった。尚、下水汚泥焼却灰B(NO.2)は、セメン
トクリンカ中にリン成分、硫黄成分がそれぞれ8.5重
量%、3.5重量%となり、セメントの凝結遅延により
強度低下がみられる。
ト調合原料(石灰石、粘土、銅カラミ)85重量部に実
施例2の汚泥単味のもの(NO.0ブランク)と、焼却
灰を添加した試料(NO.1、2、5、及び7)により
得られた脱水ケーキ15重量部とをそれぞれ混合粉砕
し、1600℃で焼成した。得られたクリンカに2水石
膏を2.5重量%を加えて混合粉砕してセメントとし
た。ついでJIS R 5201に拠り圧縮強度を測定
し評価した。結果を表4に示すようにいずれもこの発明
の焼却灰を用いたセメントは規格強度を満足するもので
あった。尚、下水汚泥焼却灰B(NO.2)は、セメン
トクリンカ中にリン成分、硫黄成分がそれぞれ8.5重
量%、3.5重量%となり、セメントの凝結遅延により
強度低下がみられる。
【0020】
【表4】
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、汚泥を効果的に脱水除去することができ、今後発生
量が大幅に増大することが予想される汚泥及び焼却灰双
方の有効利用が可能になる。
ば、汚泥を効果的に脱水除去することができ、今後発生
量が大幅に増大することが予想される汚泥及び焼却灰双
方の有効利用が可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮繁 起苗 東京都港区西新橋二丁目14番1号 秩父小 野田株式会社資源事業本部内
Claims (7)
- 【請求項1】平均粒径10μm以上で20重量%スラリ
ーにおけるpH値が7.5以上の焼却灰からなることを
特徴とする汚泥の脱水処理材。 - 【請求項2】 前記焼却灰が下水汚泥、湖沼ヘドロ、食
品廃棄物、製紙スラッジ等の有機質廃棄物の焼却灰若し
くはその溶融固化スラグであることを特徴とする請求項
1記載の汚泥の脱水処理材。 - 【請求項3】 汚泥を濾過脱水するに当たり、予め汚泥
スラリーに平均粒径10μm以上で20重量%スラリー
におけるpH値が7.5以上の焼却灰を添加混合し、脱
水ケーキ化することを特徴とする汚泥の脱水処理方法。 - 【請求項4】 前記焼却灰を汚泥スラリーに対して3.
0〜70重量%添加することを特徴とする請求項3記載
の汚泥の脱水処理方法。 - 【請求項5】 前記焼却灰が下水汚泥、湖沼ヘドロ、食
品廃棄物、製紙スラッジ等の有機質廃棄物の焼却灰若し
くはその溶融固化スラグであることを特徴とする請求項
3若しくは4記載の汚泥の脱水処理方法。 - 【請求項6】 前記焼却灰に加えて硫酸アルミニウム、
硫酸鉄、アルミン酸ソーダ、アンスソライト、消石灰、
及び高分子凝集剤から選択される少なくとも一種を添加
することを特徴とする請求項3〜5いずれか記載の汚泥
の脱水処理方法。 - 【請求項7】 脱水ケーキ化された汚泥をセメント原料
として用いることを特徴とする請求項3〜6いずれか記
載の汚泥の脱水処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8181118A JPH105800A (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 汚泥の脱水処理材及び脱水処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8181118A JPH105800A (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 汚泥の脱水処理材及び脱水処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH105800A true JPH105800A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=16095173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8181118A Pending JPH105800A (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 汚泥の脱水処理材及び脱水処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH105800A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1996-06-21 JP JP8181118A patent/JPH105800A/ja active Pending
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