JPH10156400A - 汚泥のセメント化のための処理方法 - Google Patents

汚泥のセメント化のための処理方法

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JPH10156400A
JPH10156400A JP8322754A JP32275496A JPH10156400A JP H10156400 A JPH10156400 A JP H10156400A JP 8322754 A JP8322754 A JP 8322754A JP 32275496 A JP32275496 A JP 32275496A JP H10156400 A JPH10156400 A JP H10156400A
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sludge
cement
cement clinker
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lime
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JP8322754A
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Takeshi Kuninishi
健史 國西
Takashi Yamada
尚 山田
Michio Kimita
美智雄 君田
Takao Koide
貴夫 小出
Atsuhiro Honda
淳裕 本多
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】下水処理、産業排水処理などにおいて発生する
汚泥(沈降汚泥、浮上分離汚泥など)を資源として再利
用する新たな技術を提供することを主な目的とする。 【解決手段】1.汚泥に石灰を添加して凝集・脱水する
に際し、その脱水ケーキの無機成分組成がセメントクリ
ンカーの組成に近似するように、汚泥に鉄塩、アルミニ
ウム塩、珪酸塩などの1種または2種以上を添加し、さ
らに消石灰を添加して、凝集・脱水することを特徴とす
る汚泥のセメント化のための処理方法。 2.上記項1の方法で得られた脱水生成物を原料の少な
くとも一部として使用するセメントの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥類の処理方法
に関し、より詳しくは、無機成分を多く含有する汚泥を
処理するに際し、汚泥の処理効率を向上させるととも
に、生成した凝集・脱水生成物をセメント原料として有
効利用する汚泥の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市下水の終未処理施設、有機化学工業
(石油精製、石油化学、有機合成、繊維化学、木材化
学、紙・パルプ製造など)、食品産業(農水産物加工、
調理加工など)、畜舎、無機化学エ場、窯業などから
は、処埋を必要とする大量の沈降汚泥、浮上分離汚泥な
どが排出されており、これらは、量的に日本の産業廃葉
物のかなりの割合を占めるようになってきている。
【0003】これらの汚泥は、例えば、下水汚泥の場合
には、汚泥発生量(乾物換算)の約30%弱が有効に利用
されているにすぎず、ほとんどは陸上或いは海面埋め立
て処分、海洋還元などの形態で廃棄処分されている。
【0004】近年埋め立て処分場の確保が難しくなって
きたことから、減容化のために、汚泥の焼却或いは溶融
処理が普及してきている。しかしながら、これらの加熱
処理方法は、多大な設備費用を要するという根本的な間
題に加えて、大量のエネルギーを使用し、また排ガス対
策、耐高温性の確保などのための複雑な設備とそのメン
テナンスを必要とし、有害な金属の一部がヒュームとな
って分離されるので、その処理も必要である。また、こ
れらの技術は、汚泥の処分量削滅(減容化)を主目的と
して開発されたものであるため、再利用できる形態で多
量の汚泥を回収する処理方法としては、適しておらず、
その減容化処理物の新たな用途開発が必要となる。例え
ば、焼却処理により発生する焼却灰の一部は、土壌改良
材、焼成レンガなどの原材料として利用され、また、溶
融処理により溶融スラグの一部は、路盤材料などの建設
資材に加工・利用されているが、いずれも処理コストが
高いので、広範な分野での実用化は難しいのが実状てあ
る。
【0005】また、汚泥の脱水ケーキそのもの、或いは
これに生石灰をブレンドして、発熱および乾燥させたも
のをセメント原材料の一部として利用する方法が提案さ
れている(特開平3-98700号公報参照)。しかしなが
ら、この方法では、脱水ケーキの無機成分が、セメント
クリンカー組成とかけ離れているため、受入れ工場側で
汚泥ごとの成分を分析し、調整した後、セメントクリン
カー原料の成分に適合させる必要がある。すなわち、脱
水ケーキの発生源毎に成分が異なる上に、個別に排出さ
れたものをそれぞれ分析し、成分調整した後、均質に混
合し、利用しなければならない。従って、セメントエ場
での利用には、多くの手間を要するので、実用化は困難
である。さらに、成分調整時に加える副原科が、石灰
石、鉄原科、粘土などの粉砕品であるため、セメントク
リンカー原料として不均一になりやすい。このため、焼
成しにくくなり、遊離石灰(f-Ca0)が増加したりし
て、製造されたセメントクリンカーの品質にも悪影響を
与えることがある。
【0006】ところで、従未から石灰を主要な凝集剤と
して汚泥を凝集・脱水する方法が実施されている(鉄塩
も併用する)が、この場合には、当然のことながら、汚
泥を効率良く脱水することのみが配慮されてきた。従っ
て、この方法により下水汚泥などを脱水する場合には、
汚泥固形物の30〜100%の石灰を使用することになり、
脱水ケーキを処埋(焼却、埋め立てなど)する際に、処
理費が増加する、カロリーが低い、焼却しても残渣が多
く、その埋め立て処分が必要である、などの種々の問題
を伴う。
【0007】上記の石灰凝集による汚泥量増加を緩和す
るとともに、脱水ケーキのカロリーを増大させるため
に、最近、高分子凝集剤による凝集・脱水或いは加圧・
加熱方式による脱水などが実施されてきているが、いず
れの場合にも、脱水ケーキやその焼却灰などの処分がや
はり必要であり、凝集・脱水の処理費も高く、また、汚
泥の性状変化によって凝集効果が大きく変化するため、
適切な凝集剤の選定が難しいなどの問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、下
水処理、産業排水処理の固液分離の工程から発生する汚
泥(沈降汚泥、浮上分離汚泥など)を資源として再利用
する新たな技術を提供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
従来技術の現状に艦み、沈降汚泥、浮上分離汚泥などの
各種汚泥(以下単に汚泥という)を脱水処理するに際
し、発生する脱水生成物の組成がセメントクリンカーと
して適した組成を有する様に条件を調整しつつ、脱水処
埋を行う場合には、セメントクリンカー原料として容易
に使用可能であり、且つ得られるセメントクリンカ−の
品質を向上させ得る脱水生成物が得られることを見出し
た。
【0010】すなわち、本発明は、以下の汚泥のセメン
ト化のための処理方法を提供するものである; 1.汚泥に石灰を添加して凝集・脱水するに際し、その
脱水ケーキの無機成分組成がセメントクリンカーの組成
に近似するように、汚泥に鉄塩、アルミニウム塩、珪酸
塩などの1種または2種以上を添加し、さらに消石灰を
添加して、凝集・脱水することを特徴とする汚泥のセメ
ント化のための処理方法。
【0011】2.上記項1の方法で得られた脱水生成物
を原材料の少なくとも一部として使用するセメントの製
造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明の基本的な構成につ
いて説明する。
【0013】従来の汚泥の凝集・脱水処理においては、
脱水を容易とし、且つ脱水ケーキを減量化するという効
果を達成すべく、濾過抵抗、分離効率などの条件設定を
行っている。これに対し、本発明では、これらの効果は
副次的なものであり、得られる脱水ケーキをセメントク
リンカー原料として使用する場合に、その無機成分組成
が目的とするセメントクリンカーの組成に近いものとな
る様に、成分調整しつつ、汚泥の凝集・脱水条件を設定
する。
【0014】より具体的には、汚泥に消石灰のみを添加
することにより、セメントクリンカーに近い無機成分組
成を有する脱水ケーキが得られる場合を除き、鉄塩、ア
ルミニウム塩、珪酸塩などの少なくとも1種をさらに添
加する。これらの成分調整用添加物(以下「調整添加
物」という)としては、汚泥の脱水操作、脱水ケーキの
分離効率などを著しく阻害しない限り、特に限定される
ものではないが、例えば、硫酸鉄塩(硫酸第1鉄FeSO4
・7H2Oなど)、塩化鉄塩(塩化第2鉄FeCl2・6H2Oな
ど)などの鉄塩;硫酸バンド(Al2(SO4)3・18H2O)、PA
C(ポリ塩化アルミニウム)などのアルミニウム塩;珪
酸ナトリウム(Na2O・nSiO2・nH2O)などの珪酸塩など
が挙げられる。これらの調整添加物は、水溶性であり、
石灰アルカリの存在するpH11以上の条件で水酸化物、炭
酸塩、珪酸塩などになるため、汚泥を効率よく凝集さ
せ、脱水させる。即ち、これらの調整添加物は、予備的
な凝集剤としての機能をも発揮する。さらに、珪酸分の
調整物質として粘土物質を添加する場合には、凝集時の
フロックを強固にするなどの効果を発揮する。
【0015】調整添加物は、通常消石灰に先立って汚泥
に添加され、汚泥に対する予備的な凝集効果を発揮す
る。次いで、この予備凝集を終えた汚泥に消石灰を加
え、凝集を完了させる。本発明により得られる脱水ケー
キにおいては、セメントクリンカー原料としては不足し
ている鉄、アルミニウム、珪酸などの成分源である調整
添加物が、消石灰の添加に先立って脱水前に添加される
ので、これらの成分が、石灰分とともに脱水ケーキ中に
均一に分散することになる。従って、本発明により得ら
れる脱水ケーキは、粉砕したセメントクリンカ一調整添
加物(例えば、消石灰など)を通常の脱水ケーキに混合
する場合に比して、非常に均質な組成となる。また、調
整添加物は、溶液状で添加されるので、石灰分の周りに
SiO2、Fe2O3が吸着されやすくなり、セメントクリンカ
ーの易焼成性が格段に向上する。
【0016】以下、本発明方法について、具体的に説明
する。
【0017】通常、下水処理、産業排水処埋などの排水
処理では、排水中の浮遊物質、可溶性物質などを不溶化
させ、沈殿或いは浮上分離などにより固液分離して、濃
縮汚泥として取り出した後、それに鉄塩、消石灰などの
無機性凝集剤或いは高分子凝集剤を添加して凝集させ、
凝集体を減圧濾過、加圧濾過、重カ濾過、遠心分離など
の機械的脱水方法により、脱水している。
【0018】これに対し、本発明方法では、まず、上記
の様にして得られた濃縮汚泥の無機成分、特に珪酸、
鉄、アルミニウム、カルシウムなどを分析しておく。こ
の場合、濃縮汚泥をある程度ためておいたり、撹拌する
と、その分析値は、排出源に応じてほぼ一定になるの
で、常に分析を行う必要はなくなる。また、沈降汚泥や
浮上分離汚泥の無機成分組成は、その発生源別にほぼ一
定となっているので、各種凝集剤の添加量(或いは添加
率)を決める際に、その無機組成をセメントクリンカー
のそれから大きく逸脱しない様に調整することは、極め
て容易である。
【0019】次に、脱水後のケーキの無機成分組成が目
標とするセメントクリンカーのそれとできるだけ近くな
る様に、水硬率、珪酸率、鉄率、石灰飽和度(例えば、
H.M.=2.0〜2.2、S.M.=2.2〜2.9、I.M.=1.2〜2.2、L.S.
D.=0.8〜1.0)などから調整添加物としての鉄塩、アル
ミニウム塩、珪酸塩などの必要量を算出し、汚泥に添加
し、撹拌することにより、予備凝集させる。次いで、予
備凝集を終えた汚泥に対し、汚泥の性状にもよるが、汚
泥固形物に対し消石灰を10〜300重量%程度(好ましく
は、50〜200%程度)添加して、pH11以上に保持し、撹
拌しつつ、凝集を完了させる。
【0020】なお、本発明においては、必要ならば、予
備凝集時或いは予備凝集後に公知の高分子凝集剤を併用
しても良い。この場合には、脱水汚泥をセメント原料と
して使用することを前提としているため、消石灰を大量
に添加することができる。
【0021】また、本発明方法は、鉄塩の凝集に適した
pH域(pH11以上)で行われるので、高価な塩化第2鉄に
代えて、通常の条件では凝集性能は若干劣るが安価であ
る硫酸第1鉄を使用することができ、その結果、最終的
に得られる脱水ケーキ中の塩素含有量を低減し、セメン
トクリンカー原料としての有用性を高めることができ
る。
【0022】調整添加物としての珪酸分としては、粉砕
した粘土物質(珪藻土、ベントナイトなど)を使用する
こともできる。この場合には、凝集時のフロックを重く
且つ強固にして、沈殿分離を促進することができる。
【0023】本発明においては、次いで、形成された凝
集汚泥を常法に従って減圧濾過、加圧濾過、重カ濾過、
遠心分離などの機械的脱水方法により、脱水する。機械
脱水方法により脱水ケ−キから分離した水は、もとの排
水処埋施設に返送する。排水中に塩素イオンを含んでい
る場合には、その脱水の際に脱水ケーキを水洗する工程
を付加することができる。
【0024】本発明方法により得られる脱水ケーキは、
高いpHに保たれ、実質的に滅菌状態にあるので、その取
扱中、貯留中などでの腐敗が抑制され、悪臭の発生を防
ぐことが出来る。
【0025】小規模な汚泥排出施設からの脱水ケーキ
は、トラックなどで最寄りのセメント工場に搬出し、乾
燥後、セメントクリンカー原料或いはその一部として利
用することができる。大規模な汚泥排出施設において
は、脱水施設に隣接してセメント焼成炉を設置し、その
廃熱を利用し脱水ケーキを乾操した後、これを焼成して
セメントクリンカーとしても良い。いすれの場合にも、
脱水ケーキの乾燥排ガスは、水分を分離した後、セメン
トキルンの燃焼用空気として使用することにより、乾燥
排ガス中に含まれる臭気成分を燃焼して脱臭することが
できる。
【0026】得られるセメントクリンカーは、通常のセ
メント製造におけると同様に、セメントミルで石膏など
を混合し、粉砕したり、混和材を添加して、セメント製
品とする。なお、本発明方法が適用されるセメント製品
の種類は、ポルトランドセメント、アルミナセメントな
どが例示されるが、特にこれらに限定されるものではな
い。
【0027】一般に、ポルトランドセメントの製造にお
いては、通常石灰石、粘土、珪石、酸化鉄原料などを粉
砕し、混合し、1450℃以上の温度にて焼成する。この焼
成時に原料の諸成分の間で化学反応か起こり、また物理
的変化を伴って、セメントクリンカ一となる。焼成時に
は、原料の粒子が細かく、且つ混合が均一であるほど原
料粒子間の接触面積が大きく、また生成系の層も厚くな
らないので、反応速度も大きくなる。従来の汚泥の利用
方法では、脱水ケーキに上記の粉砕原料を混合している
ために、原料配合物が不均一で、粗くなり、その結果生
成するC2Sの結晶が粗大になり、C3Sへの移行が妨げら
れ、焼成しにくくなる可能性があった。
【0028】これに対し、本発明方法では、溶液中の予
備凝集の過程で成分調整ができるので、セメントクリン
カー原料として補充すべき成分(本発明の調整添加物に
相当する)が粉体として混合される場合に比して、セメ
ントクリンカー原料の成分が均質化しており且つ微細化
しているので、焼成時間の短縮、遊離石灰(f-CaO)の
低減、セメントクリンカーの易焼成性向上、モルタル或
いはコンクリ−ト強度などの品質改善などの効果が、従
来方法よりも大幅に向上できる。
【0029】また、下水汚泥などの有機性汚泥に含まれ
ていた有機成分は、キルン内で燃焼するため、省エネル
ギー効果も達成される。さらに、セメントクリンカー原
料としての石灰石を使用する代わりに脱水ケーキ中の消
石灰を使用するため、通常の焼成時に生ずる石灰石の脱
炭酸による吸熱反応が低減して、セメントクリンカーの
易焼成性が改善され、エネルギー所要量も低減する。ま
た、汚泥が重金属などの有害物質を含有している場合に
は、セメントクリンカ一の品質を維持しつつ、有害成分
を固定化するために、微還元雰囲気下に焼成するなどの
焼成方法の調整、或いはアルミネート相の増加などのセ
メントクリンカーの鉱物組成の調整などを実施すること
により、セメント組成物からの重金属の溶出を防止する
ことができる。しかしながら、ほとんどの重金属類は、
クリンカー焼成時に固溶体としてクリンカー鉱物に固定
化されると推測される。
【0030】通常の汚泥は、水にさらされた状態から分
離したものであるので、セメントクリンカー中への混入
が嫌われる塩素、ナトリウム、カリウムなどを含んでい
ることが多い。それら成分が混入する危険性がある場合
には、脱水工程に水洗を組み合わせることにより、その
危険性を解消することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明による脱水方法によれば、大量の
汚泥を処理し、セメントクリンカー原料として最適な成
分組成を備えた脱水ケーキを容易に得ることができる。
【0032】従って、脱水ケーキの焼却、溶融などの二
次処理を行うことなく、また二次処理残渣の埋め立てな
どを行うことなく、大量の汚泥を処理し、有効に利用す
ることができる。
【0033】下水汚泥に生石灰を混合して得られた脱水
ケーキに必要成分を配合してセメントクリンカー原料と
する方法(例えば、特開平3-98700号公報に記載の方
法)に比して、原料成分が均一で且つ微細化しているの
で、焼成時間の短縮、遊離石灰(f-CaO)の低減、セメ
ントクリンカーの易焼成性向上、モルタル或いはコンク
リ−ト強度などの品質などの点で、より改善された効果
が達成される。
【0034】また、本発明方法は、特別な設備を必要と
することなく、既存の設備を使用して汚泥の凝集・脱水
工程を行うことができる。
【0035】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではなく、他のセメントクリンカー(例えば、アルミナ
セメントクリンカー)などの製造にも適用できる。
【0036】実施例1 下水処理場で発生した水分97%の濃縮汚泥を使用して、
普通ポルトランドセメントの標準的な組成となるよう
に、水硬率=2.16、ケイ酸率=2.74、鉄率=2.19、活動係
数=3.99、石灰飽和度=0.92となるように添加量を考慮し
て、濃縮汚泥量15194kg(脱水ケーキとすると1520kg
(含水率70%))に対し、硫酸第一鉄30kgと珪酸ナトリ
ウム192kgを添加して予備凝集を行った後、消石灰857kg
を投入して凝集沈降させた。次いで、この汚泥を真空脱
水機(濾過速度は、16kg/m2・hr)にて脱水し、含水率7
0%の脱水ケ−キとした。
【0037】得られた脱水ケ−キを乾燥機にて乾燥後、
テストキルンに投入し、1450〜1500℃で焼成したが、運
転上の支障は全くなかった。
【0038】このセメントクリンカーの鉱物組成および
化学組成ならびに濃縮汚泥の脱水ケーキの灰分の分析値
を表1および2に示す。また、目標とした普通ポルトラ
ンドセメントクリンカーの鉱物組成および化学組成を表
3に示す
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】比較例1 比較のために、実施例1と同様にして得た下水濃縮汚泥
の脱水したケーキを原料の一部として、脱水ケーキ(含
水率70%)9571kgに対し、石灰石1366kg、粘土176kgお
よび鉄原料7kgを混合し、同様の条件で焼成して、セメ
ントクリンカーを得た。このセメントクリンカ−の鉱物
組成および化学組成を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】実施例1と比較して、セメントクリンカ一
の鉱物組成をみると、C2SおよびC3Sの含有量が少ない。
これは、遊離石灰(f-Ca0)量が多いことによる。この
ことから、本発明による凝集・脱水処埋物を原料とする
セメントクリンカーの易焼成性が向上していることがわ
かる. 試験例1 実施例1および比較例1で得られた両セメントクリンカ
ーおよび目標とした普通ポルトランドセメントクリンカ
ーのそれぞれにSO3が2%となる様に二水石膏を添加し、
作製したセメントを使用して、JISR5201に準拠して、モ
ルタルの物理試験を実施した。また、これらのモルタル
の材齢7日目の固化物を粉砕したものについて、環境庁
告示13号の検定方法に準じて溶出試験を実施し、ICP
発光分析によりそれぞれの濾液中の有害成分を測定し
た。モルタルの物理試験結果を表5に示し、有害成分の
溶出試験結果を表6に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】表5および6に示す結果から、本発明方法
により製造されたセメントは、目標とした普通ポルトラ
ンドセメントから得られたセメントと比較しても、強度
発現が良好であり、また重金属などの有害成分の溶出に
ついても、問題はない。
【0048】これに対し、比較例で得られたセメントに
おいては、強度発現性が低い。これは、遊離石灰(f-Ca
O)量が多いためと推測される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 尚 大阪府大阪市大正区南恩加島7丁目1番55 号 住友大阪セメント株式会社セメントコ ンクリート研究所内 (72)発明者 君田 美智雄 大阪府大阪市大正区南恩加島7丁目1番55 号 住友大阪セメント株式会社セメントコ ンクリート研究所内 (72)発明者 小出 貴夫 大阪府大阪市大正区南恩加島7丁目1番55 号 住友大阪セメント株式会社セメントコ ンクリート研究所内 (72)発明者 本多 淳裕 大阪府大阪市城東区森之宮2−1−101− 103

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚泥に石灰を添加して凝集・脱水するに際
    し、その脱水ケーキの無機成分組成がセメントクリンカ
    ーの組成に近似するように、汚泥に鉄塩、アルミニウム
    塩、珪酸塩などの1種または2種以上を添加し、さらに
    消石灰を添加して、凝集・脱水することを特徴とする汚
    泥のセメント化のための処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法で得られた脱水生成物を原
    料の少なくとも一部として使用するセメントの製造方
    法。
JP8322754A 1996-12-03 1996-12-03 汚泥のセメント化のための処理方法 Pending JPH10156400A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006035189A (ja) * 2004-07-30 2006-02-09 Taiheiyo Cement Corp セメント製造プロセスを利用した有機性汚泥の処理方法
JP2014224015A (ja) * 2013-05-16 2014-12-04 宇部興産株式会社 塩素含有土のセメント原料化方法
CN104193135A (zh) * 2014-09-18 2014-12-10 山东大学 污泥深度脱水方法

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